ノーマルと百合 複数カップリング(3つ) 注意
食堂にて
エレン「でさ、今日の対人格闘ではアニに新しい技を教えてもらったんだ」
エレン「自分では結構いけたと思ったんだけどな。全然なってねえって言われちまったよ」
アルミン「はは…まあアニは思ったこともはっきり言うからね。でも、エレンは飲み込みが早いから、今日だけであそこまでできるようになるのは凄いと思うよ」
エレン「見てたのか」
アルミン「ああ…まあ、ね」
アルミン「ほら僕、こういった体を使うことって駄目駄目じゃないか。だから、上手い人の動きを観察して勉強させてもらおうとおもって」
アルミン「アニやエレン、ライナーのことはときどき見てるんだ」
エレン「そうだったのか、気がつかなかったな」
エレン「でも他の奴参考にするのもいいが、あまりよそ見をしてるなよ」
エレン「自分の訓練が疎かになる。それに、気が散って怪我をするかもしれんぞ」
アルミン「もちろんわかってるさ。訓練にもちゃんと取り組んでるよ」
エレン「そうだな。アルミンだもんな」
アルミン「なんだよそれ」
カンカンカンカンカン
エレン「食事の時間も終いだ。行こうぜ」
アルミン「ああ、うん」
アルミン「あっエレン。ちょっと先に寮に戻っててくれないかな」
エレン「おう、…どうした?」
アルミン「ちょっと今日の訓練のことでミカサと話したいことがあってさ」
エレン「そうか、じゃあ先に行ってるぞ。じゃあな、ミカサもおやすみ」
ミカサ「……おやすみなさい」
ミカサ「……」
ミカサ「それで話したいことって何、アルミン?」
アルミン「聞きたいことがるんだ」
ミカサ「待って、その前に私もあなたにききたい。先ほどのことだけど、アルミンは浮かない顔をしていたように感じる。どうかしたの?」
アルミン「それはこっちのセリフだよミカサ。君、今日はお昼あたりからずっと様子がおかしいじゃないか。さっきの食事の時だって、一言も言葉を発しなかった」
アルミン「何かあったのは君のほうじゃないのか?」
ミカサ「……」
アルミン「僕でよければ相談に乗るよ。話を聞くだけでも」
ミカサ「……」
アルミン「ミカサ?」
ミカサ「アルミン、私は、その、エレンが」
アルミン「エレン?」
ミカサ「…他の人と仲良くするのは、とても良いことだと思う。昔は……私たち以外の子供はおろか、大人に対しても何かと突っ掛かっていて、その、あまり友好的に接する人がいなかった」
アルミン「うん、まあ異端者だとか言われて友達いなかった僕がいうのもなんだけど、確かにエレンは社交的とは言い難かったね」
ミカサ「今でも協調性があるとは言えないかもしれない。でも、昔よりはだいぶましになった…と、思う」
ミカサ「私やアルミン意外にも普通に話のできる人ができた。とても喜ばしいことだ」
ミカサ「、けど」
ミカサ「……」
アルミン「けど?」
アルミン「……ミカサ?」
ミカサ「私は、対人格闘で、え、えれんに…エレンが……」
アルミン「……」
ミカサ「……やっぱり、なんでもない」
ミカサ「私も寮に戻る」
アルミン「えっちょっとミカ」
ミカサ「おやすみなさい」
……
アルミン「行っちゃった」
アルミン(他でもないミカサの悩みだ。なんとしてでも力になってあげたい)
アルミン(…それにしても)
アルミン(エレン、か……)
------
翌朝
「おはよー」「はよう」
アルミン「ふああ」
アルミン「眠いなー考え事してたらつい遅くなっちゃったよ」
アルミン「それにしても、今日も対人格闘の訓練か」
エレン「昨日、サボってる奴が多くてそれが教官に見つかったらしいな」
アルミン「そのせいで今日はやりなおしみたいだね」
エレン「ふざけんなって話だよな」
アルミン「ははっまあ頑張ろうよ」
エレン「ああ」
-------------
アルミン「さて」
アルミン(昨日のミカサの話だけど…)
アルミン(エレン、対人格闘、人間関係)
アルミン(これらをふまえて考えると、エレンとよくペアを組んでいるライナーやアニがまずあげられる)
アルミン(ライナーは頼れる僕らの兄貴分だ。エレンは彼を信頼してるみたいだし、ミカサも彼を認めているようにみられる)
アルミン(そんなライナーとエレンが仲良くすることは、ミカサにとって何も問題ないんじゃないか)
アルミン(となると、アニか)
アルミン(まあ大方そうだろうなあ。ライナーと違ってアニは異性だ。それに随分前のことだけど、この訓練でちょっとした騒ぎがあったし)
アルミン(そうなれば、さっそく行動してみようかな)
アルミン「やあアニ」
アニ「……アルミン」
アルミン「君、今日は誰かと約束とかしてたりするかな」
アニ「別にないけど」
アルミン「そうか!それはよかった。もしよければ今回は僕と組んでくれないかな」
アニ「あんた、格闘はてんで駄目じゃない。相手にならないよ」
アルミン「あー、はは……ハッキリ言うね。でも、だからこそだよ」
アルミン「毎回同じレベルの相手と組んでいるんじゃ、いつまでたっても成長なんかできない」
アルミン「いや、言い方を間違えたかな。相手も訓練に真剣に取り組んでるんだ。格闘は覚えるし、成長もする。でもそれは、同じレベルの力をもつ奴に対しての格闘術だ」
アルミン「練習ではいいかもしれないけど、本番…もし誰かに襲われでもした時、その相手が自分と同じレベルで、自分と同じ力、技術であるとは限らないよね」
アルミン「自分よりも強い相手と組んで、格上の力ってやつを体に叩き込むのも大事だと思うんだ」
アニ「言いたいことはわかったけど……何で私なの?他にも適役はいると思うんだけど」
アルミン「アニってさ、とても強いじゃないか。サボることはあるけど、実はライナーを凌ぐほどなんじゃない?」
アニ「さあ、どうだろうね」
アルミン「それに、時々エレンと組んでるのを見ててさ、教え方が上手だと思ったんだよね。だから、アニ」
アルミン「僕に格闘を教えてくれないか」
エレン「はあ、本当なら今日は立体起動の訓練だったはずなんだけどな。くそっ」
エレン「しかたねえ。昨日の技、もう一度見てもらうか」
エレン「おーいアニ!」
アニ「何?」
エレン「俺とペア組もうぜ!今日こそ完璧にやってやるからさ」
アニ「悪いけど、他をあたってよ。今日はアルミンと組むんだ」
エレン「アルミン?珍しいな」
アルミン「はは、そうだね。ごめんねエレン」
エレン「いやいいよ。そうか、じゃあ誰と組もうかな。マルコ……、はジャンの野郎と組んでるか。トーマス--も決まってるみたいだな。それじゃあ……」
ミカサ「アルミン、ちょっと」
アルミン「あ、ミカサ」
アルミン「!」
アルミン「ミカサはもうペア決めたの?」
ミカサ「まだ。それよりアルミン、」
アルミン「じゃあちょうどいい!エレン、ミカサと組んだらどうだい?」
ミカサ「!」
エレン「えっ」
アルミン「えっ?」
エレン「……」
アルミン(ん?な、なんかこの反応、あまり良い感じでは……)
アルミン(まずい!ミカサの様子は--)
ミカサ「……」
アルミン「」
風呂
なんというタイトルネタバレ
>>14
わかりやすいほうが苦手な人は回避できていいかなって思った
アルミン(ああ、どうしよう)
アルミン(結局あの後、エレンはライナーのところに行っちゃったし)
アルミン(ミカサは無言で立ち去ってしまったし)
アルミン(……ミーナと組んだのか。実力差からミカサが圧倒してるけど、背中からそこはかとなく漂う寂しさがなんとも言えない)
「……ン」
アルミン(僕は失敗してしまったのか)
「……ミン」
アルミン(大切な幼馴染を間接的に傷つけてしまうだなんて、僕はなんて)
アニ「アルミン!」ヴォンッ
アルミン「うをああ!?」
アニ「あんたから誘っておいて、考え事なんていい度胸してるね」
アルミン「あ、ご、ごめんよ。でもいきなり顔面目掛けて蹴りを入れるのは勘弁してほしいな」
アニ「そっちが悪いんでしょ。自業自得。まあ適当にサボれるからいいけど」
アルミン「それは困るな、僕が。ちゃんと教えてもらえないと」
アニ「じゃあボケっとよそ見しないことだね。言っとくけど、私は甘くないよ」
アルミン「もちろんだ。さあ、はじめようか!」
ミカサ「……」
ミーナ「やああ!!」
ミカサ(エレン……どうして…)
ミーナ「たあ!」
ミカサ(いけない、集中しないと)
ミカサ「ふっ」
ミーナ「おわっととと……うわあ!?」ドサッ
ミーナ「あはは、またとられちゃった。やっぱりミカサは凄いなー」
ミーナ「……?」
ミーナ「ミカサ?どうかした?」
ミカサ「はっ…いや、何でもない。それより、どこか痛めたところはない?」
ミーナ「うん、大丈夫だよ。さてと、次はミカサがならず者をやる番だね!さ、どーんときて!」
ミカサ「わかった」
ヒュッ
アルミン「いってて」
エレン「ボロボロじゃねえか。大丈夫か?」
アルミン「これくらい大丈夫だよ」
アルミン(まあ痛いものは痛いんだけど)
エレン「お前、これからはしばらくアニと組むつもりか?」
アルミン「ああ、うん。一回だけじゃ学ぶものも学べないしね。何回か繰り返さないと、特に、僕みたいなやつは」
エレン「そうか」
アルミン「ごめんね、エレン。技術を磨く邪魔をしてしまったかな」
エレン「いや、いいって別に。気にしてねえよ。いつもアニとやってたわけじゃねえし」
エレン「それに組む相手なんていくらでもいるだろ。強い奴だってライナーやベルトルトがいるしな」
アルミン「そうか」
エレン「ああ。でも大丈夫か?向上心があるのはいいが、体の負担になるようなら…」
アルミン「……大丈夫だよ。無理なんてしてないさ」
アルミン「僕にだってできるよ」
エレン「お、おう。そうだな。頑張れよ!」
アルミン「うん、ありがとう」
アルミン「……」
アルミン(……できるさ)
エレン「アルミン?早く行って昼食の準備しねえと!皆に迷惑かけちまうぞ!」
アルミン「あ、うん!今行くよ!」
アルミン(……僕にだって…)
書き溜めここまで
文章のわりに展開遅いから書き溜めて一気に投下したい
寝よう
上がっててびびった
待っててくれてありがとう
ちょっとしか書けなかったけど投下しとく
----……
図書室
アルミン(巨人出現からの人々の歴史と見解をまとめる課題が出たから、早めに資料の確保をしようと図書室に来たけど……)
ザワザワ…
アルミン(普段来る時よりも若干人が多いな)
アルミン(座学はあまり点数にならないって言われるけど、やっぱり皆、少しでも多く稼ぎたいのかな)
アルミン(っとと、早く資料集めしなくっちゃ、来た意味がないじゃないか)
アルミン(えっと、確かここの棚に結構良い感じにわかりやすくて詳細も記載されてるのがあったはず……ん?)
アニ「……」ペラッ
アルミン(あれは…)
アルミン「アニじゃないか」
アニ「! ……アルミン」
アルミン「やあ」
アニ「急に声かけないでよ」
アルミン「ごめんね、驚かせちゃったかな」
アニ「……」
アルミン「それは人類の歴史がおおまかに記載されている本だね。アニも資料集めに来たの?」
アニ「まあ、そんなとこ。あんたもでしょ。この棚はそういうのにうってつけの本ばかりだ」
アルミン「その通りだよ。でも、僕は最初からある程度めぼしは付けといたんだ。えっと……」
アルミン「そうそう、これこれ。この本が今まで見つけたどの資料よりも丁寧で大事だと思われる部分がわかりやすく載ってる」
アニ「よくそんなの覚えてるね」
アルミン「僕、記憶力は良いほうなんだ」
アニ「……そう。じゃあね」クルッ
アルミン「あっアニ!ちょっと待ってよ」
アニ「…何?」ピタ
アルミン「アニはその本を資料にするの?それだけを?」
アニ「そうだけど、何なの?」
アルミン「いや、その本は前に読んだことあるけど、課題をやるにはあまり参考にならないと思うんだ。間違ってるヵ所も多いしね」
アニ「……忠告どうも。でもあんたには関係ないでしょ。私はこれでいいよ」スタスタ
アルミン「あっ待って!」
アニ「だから、何」
アルミン「あ、えっとよかったら一緒に課題をやらないか?この本、二人で使おうよ」
アニ「…いや、私は「座学だって少しは点数になるんだ」
アルミン「その本よりもこっちを参考にしたほうが、小論文の完成度も上がるし、教官の印象も良い。成績に反映されるだろうね」
アルミン「どうかな?一緒にやろうよ」
アニ「……」
アニ「…………ハァ」
……
アルミン「よし、ここに座ろう」ガタガタッ
アルミン「アニは人類の歴史の、どこに注目してまとめようかもう決めてある?」
アニ「……」
アルミン「…アニ?どうしたの?」
アニ「……何やってんの?」
アルミン「何って、何が?」
アニ「いや、椅子を引いたまま動かないから……座らないの?」
アルミン「あっあれ、これはアニが座るのを待ってたんだけど」
アニ「…っは?」
アルミン「え?」
アニ「…椅子ぐらい自分で引けるよ」
アルミン「う、うん?」
アニ「……」
アルミン「えっと、アニ?」
アニ「……………………」
アルミン「……………………??」
アニ「……ハァーーーーッ」
アニ「さっさと始めるよ」ストン
アルミン「う、うん」
アルミン(なんだったのかな…)
ここまで
ザワザワ コソコソ
アルミン「……」カリカリ
アニ「……」カリ… ゴシゴシ
アルミン「……うーん…?ここは…でも…」ペラッ
アニ「あ」
アルミン「あ?あっごめん。見てた?」
アニ「いや別に」
アルミン「別に隠さなくたっていいのに。はい」ペラッ
アニ「……どうも」
アルミン「さっきからあまり進んでないみたいだけど、どこかわからないところでもあったかい?僕のわかる範囲だったら教えてあげるよ」
アニ「いいよ。これ見ればわかる」
アルミン「そう?でも、もしわからないところがあったら聞いてよ。わからないままにしとくのは良くないと思うからさ」
アニ「……」
アルミン「アニ?」
アニ「……ハァ」
アルミン「っ! あ、その、ごめん、お節介だったか」
アニ「ほんとにね」
アルミン「!」
アルミン「やっぱり、あはは……は」
アニ「……」ガタッ
アニ「私はもう戻るよ。午後の訓練もあるし休みたい」
アルミン「そ、そう?わかったよ。あ、そうだこの本」
アニ「あんたが持ってなよ。あんたが見つけたんでしょ」
アルミン「う、うん。じゃあ、お疲れ様」
ザワザワ ガサゴソ
アルミン「……」
アルミン(『教えてあげる』だなんて、上から目線で偉そうだったかもしれない)
アルミン(自分のペースってものが誰でもあるだろうし…)
アルミン(一緒にやろうとか言ったのも、いきなりで鬱陶しかったかな)
アルミン(駄目だな……人付き合いって難しい。距離の取り方なんてわからないし)
アルミン(思えば、僕も昔はエレンとミカサしか友達と呼べる人がいなかった。エレンのこと、とやかく言えた立場ではないじゃないか)
アルミン「……はあ」
アルミン(僕ってやっぱり)
アルミン(駄目な奴、だなあ……)
夜
コニー「どぅおっほあー生き返るぜ」
ジャン「おいやめろよコニー、親父くせえ」
コニー「いやだってよお、久々の風呂だぜ?いつもはシャワーで汗流す程度だけどよ、今日は風呂に浸かれるんだぜ?」
マルコ「たしかに。しかも今日の立体起動の訓練は前よりも激しい内容だったからね、気持ちは凄くわかるよ」
コニー「だろ?だろ?」
ジャン「やめろよその顔、馬鹿くせえ」
コニー「なんだとジャン!そういうお前もなあ、いつもよりたるんだ表情になってるぞ!まるで馬そのものだ!」
ジャン「あ?」
マルコ「お湯に浸かると疲れがよくとれるからね、仕方ない」
ライナー「お前ら賑やかだな。おいジャンもう少しそっち寄ってくれ、俺達が入れない」
ジャン「お?おう。おいサムエル少しずれろ」
ライナー「入浴時間も定められているからな、のんびりもしてられんぞ」
ベルトルト「……」チャプン
コニー「そうだなー早く上がらんとなー」
マルコ「わかってるんだけど…」
ジャン「……おう」
「「「はー…いい湯だ……」」」
カポーーーーン
エレン「あいつら頭大丈夫か?」
アルミン「あーはは、久々の風呂がよっぽど気持ちよかったみたいだね」
エレン「まあそれには同意だが、たるみ過ぎだろう」
アルミン「ははは」
アルミン「……」
アルミン「ねえ、エレン」
エレン「んー?」
アルミン「ミカサとは、仲直りした?」
エレン「……べつに喧嘩なんてしてねえよ」
アルミン「喧嘩じゃなくってさ、この間の…訓練の時から、ここ一、二週間くらいずっと二人の間に微妙な空気の間があるじゃないか」
アルミン「妙にぎこちないっていうか、ギクシャクしてるっていうかさ」
アルミン「エレンも、自分でわかっているんだろう?」
エレン「……」
アルミン「何であの時、あんな反応したのさ」
エレン「……」
アルミン「ミカサのこと嫌いに
エレン「それはねえよ」
アルミン「…じゃあなんなのさ」
エレン「そんなんじゃねえよ」
エレン「嫌いになったとか、そういうんじゃ」
エレン「……」
アルミン「……」
アルミン「ミカサも誤解してると思うんだ」
アルミン「早めに、仲直りしてね」
アルミン「……」
アルミン「のぼせそうだ。先に上がるよ」
ザパッ ヒタヒタヒタ
カラカラカラ…パタン
エレン「ああ……」
エレン「そう、だな……」
アルミン(ふうーあっついなあ)
アルミン(ちょっと湯に浸かりすぎたかもしれない。調理場に行って水を少し飲もうかな)
アルミン(そういえば明日の朝食当番は誰だったかな、それも見てこよう)
アルミン(……ん?あれ、明りが…)
カタンッ
アニ「!」バッ
アルミン「あ、アニ?」
アニ「なんだ。アルミンか」
アルミン「やあこんばんわ。こんなところで何を----」
アルミン(これは……午前に出された座学の課題…?)
アニ「見ての通りだよ」
アルミン「今日の小論文だね。部屋ではやらないの?」
アニ「部屋だとうるさいから。ここのほうがやりやすい」
アルミン「そうか。まあ、この時間帯の食堂は人がいないからね」
アニ「……あんたはなんでここに?」
アルミン「僕?僕は水を頂こうと思ってさ。のぼせちゃって」
アニ「そう」
アルミン「うん」
アニ「……」
アルミン「……」
アルミン(なんだか、昼間のことがあったから気まずいな)
アルミン(…あれ?昼間のところから全然進んでないみたいだ。やっぱりわからないところが……)
------------
アニ『……』
アルミン『アニ?』
アニ『……ハァ』
アルミン『っ! あ、その、ごめん、お節介だったか』
アニ『ほんとにね』
------------…
アルミン(……)
アルミン(水、飲もう)
アルミン「じゃあ頑張ってね」
アニ「ああ」
クルッ スタスタ
アルミン(”余計なお世話”、だよな)
アルミン(……)
チラッ
アニ「……」カリカリ…カキカキ……
アニ「……」……
アニ「……」ゴシゴシケシケシ
アルミン(っ……あーもう…!)ダッ
パタパタ
ダダダダダッ
アルミン「アニ!」ダンッ
アニ「うわっ……アルミン?水飲みに行ったんじゃなかったの?」
アルミン「水なら貰ってきたよ。ここに」カランッ
アニ「ああ…そう……」
アニ「どうしたわけ、走ったりして」
アルミン「少し待っててくれないかな」
アニ「はあ?」
アルミン「すぐ来るから!」
アニ「ちょちょっと、」
アルミン「来るから!」ダダダッ
アニ「……な、なんなの…?」
アルミン「お待たせ!」
アニ「はやっ」
アルミン「はぁ…はあ…」
アニ「ちょっと落ち着いてよ、どうしちゃったのあんた」
アルミン「ここ、前の席、いいかな」
アニ「え…ああ、いいけど……あ」
アニ「それ…」
アルミン「資料、わかりやすいのがあった方がいいでしょ?」
アニ「まあ…」
アルミン「あと、僕ちょっとわからないところがあってさ」カタン
アニ「わからないところ?」
アルミン「うん。ここなんだけど、君はわかる?」
アニ「ここは……私もあまり」
アルミン「そうか、じゃあ二人で考えてみようよ。アニはこの時この○○に----」
アニ「----じゃないの」
アルミン「そうかな?だってこれは、----から------…」
----------……
----------……
アニ「----ってことになるのか」
アルミン「それが一番納得できるね。よかった!これで先に進むことができるよ」
アニ「……」
アルミン「ん?どうかした?」
アニ「本当はわかってたんじゃないの」
アルミン「なにがだい?」
アルミン(ばれてた)
アニ「……いや、いいよ」
アニ「……お節介」
アルミン「うっ」
アニ「ふっ」
アルミン「!?」
アニ「…何?」
アルミン「い、いや、何でも」
アルミン(笑った……?)
アニ「そろそろ就寝時間になる。私は寮に戻るよ」
アルミン「う、うん」
アルミン「……」
アニ「……」スタスタ スタスタ
アルミン「僕も戻ろう…くしゅっ!あれ、湯冷めしたかな」
アニ「アルミン」
アルミン「ん?」クルッ
アニ「温かくして寝なよ」
アニ「…………おやすみ」
タッタッタッ
アルミン「…あっ」
アルミン「お、おやすみ!」
アルミン「…………」
アルミン「ふふっ」
一旦ここまで
深夜またくるかもしれん
男子寮
マルコ「あ、アルミン帰ってきた。どこ行ってんだ?」
アルミン「ちょっと外で涼んでたんだ。のぼせてさ」
マルコ「そうか、風邪は引くなよ。灯り消しても大丈夫かい?」
アルミン「ああうん、よろしく」
モゾモゾ
アルミン「はぁーっ今日も一日疲れたなあ」
アルミン(明日の午後は対人格闘訓練か)
アルミン(……)
アルミン「頑張ろう」
アルミン(エレンはもう寝たのかな)チラッ
パチッ
アルミン「!」
エレン「!」
エレン「……」ゴロン
アルミン(寝返り打っちゃった)
アルミン「……」
エレン「……明日」
アルミン「!」
エレン「明日、話す。あいつと」
アルミン「……うん」
アルミン「おやすみ、エレン」
エレン「……ああ」
エレン「おやすみ」
遅くてごめん
用事あってまた土曜か日曜にくるわ
翌日
アルミン(昼食後に運動って結構きついんだよな。腹痛になったり戻しそうになるし)
アルミン(まあでも兵士になるにはこれくらい慣れておかなくちゃあね)
アルミン(ん?あれ、アニじゃないか)
アルミン(みんな訓練所に向かってるのに、立ち止まってどうしたんだろう)
アニ「……」
アルミン(声をかけてみよう)
アルミン「おーい、ア…」タッタッタ
アルミン「!」
アルミン(何か見てる?)
アニ「アルミン、どうしたの」
アルミン「うえっ?あ、ああ…ううん,アニが」
アニ「私が?」
アルミン「…いや、何でもないよ。行こう?」
アニ「そうだね。今日もみっちりやってあげるよ」
アルミン「あ、あはははは…」
アルミン(ある一点を見つめてたように見える)
アルミン(何を見てたんだろう……)
チラッ
「――ははっ―――ミ――だって――」
アルミン(あそこにいるのは――)
アルミン「ミカサと、ミーナ?」
……
アニ「…やる気あるの?」
アルミン「はあっはっ…えっなんで?」
アニ「いつもと調子が違うし、集中力が散漫してるように見えるんだけど」
アルミン「そ、そうかな…はぁっ…」
アニ「いつも以上に息上がるの早いし」
アニ「……」
アニ「ねえ、今日は「大丈夫!」
アルミン「ちゃんと集中するから。教えてもらってるのに失礼だからね。だから――」
「危ない!!」
バターーーン!!!
アニ「!?」バッ
アルミン「!?」
クリスタ「どっどうしたの!?」
サシャ「なんだか凄い音が聞こえてきましたが」
クリスタ「あっ!ミ、ミーナ!?」
ミーナ「い…うぅ」
ミカサ「ミーナ、ミーナ?大丈夫?どこが痛い?喋られる?」
ミカサ「ああ……ごめんなさい、私が…」
ミーナ「ミカサのせいじゃないって…へへ」
ミカサ「で、でも」
クリスタ「落ち着いて。ともかく私、教官を呼んでくるね!」タッ
サシャ「立てますか?」
ザワザワ ザワザワ
アルミン「ミーナとミカサに何かあったみたいだ」
アニ「……っ」
アルミン「怪我、あまり重くないといいんだけど…大丈夫かな、彼女」
アルミン「……アニ?」
アニ「……」グッ
……
アルミン「あ、ミカサ!」
ミカサ「アルミン」
アルミン「ミーナの様子はどう?」
ミカサ「足を痛めてしまった……みたい。安静にしていたらすぐ直るだろうって」
ミカサ「……私は訓練に戻れと言われた」
アルミン「そっか。でもよかったよ、大したことなくって」
ミカサ「……」
アルミン「ミカサのせいじゃないって。周りの見てた人が言うには、ミーナが体勢を立て直さずに少し無理な動きをしてしまったみたいだし…」
アルミン「予想外の事態に体が上手く反応できなかったんだと思うよ」
ミカサ「……」
アルミン「元気出してミカサ」
アルミン(ミカサが余計に元気なくなっちゃったな。エレンはまだ仲直りしてないのか?)
ミカサ「……うん。あの、アルミン」
アルミン「うん?」
ミカサ「ペアがいなくなってしまったので……私も混ぜてもらえないだろうか」
アルミン「ああ、三人でやるってこと?いいよ。あっでもアニにも一応きいてみ」
アニ「他をあたりな」
アルミン「わっアニいつからそこに」
アニ「さっきからいたよ。あんたの後ろに」
アルミン「そうだったの?でも、他をあたれって……」
アニ「あれ。あんたの他にもあぶれた奴がいるみたいだし」スッ
ミカサ「……!」
アルミン「あれ…って、エレン!」
アルミン「エレーン」
エレン「お?おお、アルミンか」
アルミン「どうしたの?エレンが訓練してないなんてめずらしい…ライナーは?」
エレン「いやさっきまで一緒にやってたんだけどよ。なあ、ライナーどこ行ったか見てないか?」
アルミン「いや僕は見てないけど……二人は?」
アニ「知らないね」
ミカサ「……私も」
エレン「そうか…どこ行ったんだ。ベルトルトの奴もいないしよ」
アルミン「…エレンはペアがいないんだよね」
エレン「そうなるな」
アルミン(よし)
チラッ
ミカサ「!」
ミカサ「ア、アル」
アルミン「じゃあミカサと組んであげてよ。ミーナが医務室に行ってて一人になっちゃったんだ」
アルミン「僕ら3人でやろうかって話にもなったんだけど、エレンも相手がいないなら二人でやればいいんじゃないかな」
エレン「え、ミカサもいないのか」
ミカサ「うん……」
エレン「……」
アルミン(それで仲直りもしなよ。昨夜言ってたじゃないか)ジッ
エレン「……!」
エレン「えっと」
エレン「じゃ、じゃあミカサ、俺と」
ミカサ「……!!!」
エレン「………………」
エレン「……くっ…」
アルミン(エレン?)
アルミン(! まずい、これは――)
エレン「……やっぱ駄目だ」ボソッ
ミカサ「…………え?」
エレン「アニ!」
アニ「何、大声ださないでよ」
エレン「久しぶりに俺と組んでくれ」
アニ「え、いやでも私はアルミンと」
エレン「ここしばらくはずっとアルミンと組んでただろ!前にやった技も見てほしいし、今回くらいいいだろ、な、アルミン」
アルミン「エ、エレン?何をそんなに躍起になって」
エレン「いいだろ?」
アルミン「あ……う、うん…」
エレン「行こうぜ」
アニ「……」チラ
アルミン「……どうしたんだ一体…」
アニ「……まあ、たまにはそれなりに強い奴とやるのも悪くないか」
アルミン「!」
アニ「じゃあ続きはまた今度」
アルミン「あ!……行っちゃったね、二人とも。はははは、はは、」
アルミン「は」
ミカサ「……」
アルミン「く、訓練!しようか!」
>>42 の
コニー「いやだってよお、久々の風呂だぜ?いつもはシャワーで汗流す程度だけどよ、今日は風呂に浸かれるんだぜ?」
ってところ、漫画で確認したら台所があれだしこの世界にシャワーはないと思うから訂正したいんだけど適切な表現がうかばない
1.ぎょう‐ずい【行水】
たらいに湯や水を入れ、その中でからだを洗い流すこと。また、その湯や水。
かけ‐ゆ【掛け湯】
1 湯船に入る前に、体に湯をかけること。また、その湯。
掛け湯ってこんな意味だったんだな。行水と同じような感じだと思ってた
ありがとう
じゃあ
>>42
コニー「いやだってよお、久々の風呂だぜ?いつも行水で汗流す程度だけどよ、今日は風呂に浸かれるんだぜ?」
こんな感じでいいかな
書き忘れてた
一時中断
また日付変わるころには戻る
……
ミカサ「始めよう」カマエ
アルミン「うん」スッ
アルミン(……自分で言っといてなんだけど、ミカサと格闘をするのはなんだか…あまり気が乗らないな)
アルミン(ミカサに格闘術を教えてもらうというのも……)
アルミン(2年前の姿勢制御訓練の時に、エレンにアドバイスをしていたから教え下手っていうこともないんだと思うけど)
アルミン(なんか…)
アルミン(エレンやミカサの隣に立ちたいのに。並んで歩んでいきたいのに)
アルミン(支えていきたいのに)
アルミン(その本人に教えを請うのは、なんだか……)
アルミン(!)
アルミン(もしかして、エレンも似たような気持ちなのかな)
アルミン(ミカサに対して……)
アルミン(だから頑なにペアを組もうとしないのかな)
アルミン(何かと彼女に対して対抗心を燃やしてるのは薄々気づいてたけど)
アルミン(……)
アルミン(二人には笑顔でいてほしい。早く仲直りして、お互い素直になれればいい)
アルミン(そうしないと、アニが)
アルミン(……?)
アルミン(アニが?なんだ?僕は今何を考えようとした?)
アルミン(あれ?僕は何で)
アルミン(なにをこんなに焦っているんだ?)
……
夜 食堂
「はー、今日もまたこの味の薄いスープか」
サシャ「仕方ないですよ!食べられるものがあるだけ十分じゃないですか」
ユミル「お前は食い物なら何でも喜びそうだな」
サシャ「確かに味は薄くて物足りないですけど」
クリスタ「さっき思い切り摘み食いしてたような気がするんだけど……」
エレン「…………」
ミカサ「…………」
アルミン「……きょ、今日も一日大変だったね!」
エレン「…………おう」
ミカサ「…………」
アルミン「…………」
アルミン(き、きまずい)
アルミン(僕は間違ってたのか?無理に組まそうとせず、そっとしておいた方がよかったのか!?)
ガタッ
ジャン「おい死に急ぎ野郎」
エレン「……なんだよ」
アルミン(ジャンか。まずいぞ今は。頼むから今日だけは火に油注がないでくれ)
ジャン「今日のあれはなんだ?」
アルミン「!」
エレン「アレってなんだよ」
ジャン「午後の訓練だよ。てめぇはよ、巨人共を駆逐するだの大口叩いてやがったくせに、自分より力のある人間に挑まないのはどういうことだ?」
エレン「意味がわかんねえよ」
エレン「いつもアニやライナーと組んでるだろ。それに俺が誰と組もうがお前に関係ないじゃねえかよ」
ジャン「ミカサだよ、俺が言ってんのは」
エレン「……!」
ジャン「そういえばお前とミカサはいつもひっついてるくせに、訓練では一緒に居る所なんて見たことなかったな」
ジャン「勝ち目のありそうなやつとは組んで明らかに勝ち目のない相手とは組まないなんて、お前の言う『腰ぬけ』のすることじゃねえのか」
エレン「あ?」
ジャン「暫定首席だもんなあ」
エレン「……何が言いたい」
ジャン「確実に負けるよなあ」
ジャン「そいつに負けるのが怖いんだろ。お前」
エレン「!!」
エレン「っ てめえ!!!」ガタッ
アルミン「わっ、ちょ、エレン!落ち着いて!」
フランツ「そうだよ、騒いだら教官が」
ジャン「どうでもいいだろ教官なんて!!」
アルミン「え!?えっえ?よくないよ!?憲兵団逃しちゃうよジャン!?」
エレン「このっ!」ゴォッ
パシッ
「やめなさい」
アルミン「ミカサ……」
ミカサ「二人とも落ち着いて。周りをよく見て。みんな吃驚している」
ミカサ「ジャン。あまりエレンを挑発しないで」
ジャン「……お、ああ…」
ミカサ「エレンはすぐに手を出さない」
エレン「……っ」グッグッ
エレン「離せよ」
ミカサ「暴れない?」
エレン「……ああ」
ミカサ「じゃあ」パッ
「「「「………………」」」」
ジャン「けっ、お通夜じゃねえか」
エレン「煽ってきたのはそっちだろうが」
ジャン「乗ってきたのはお前だろ?」
エレン「あ?」
ミカサ「エレン!」
エレン「っ!」
エレン「…………先戻る」ガチャ
サシャ「食べ残しは駄目ですよ。貴重な食料なのに」
エレン「ならやるよ」
カタン タンタンタン
アルミン(……エレン)
マルコ「どうしたんだよジャン、急に喧嘩を吹っ掛けるなんてさ」
ジャン「さあな。俺はいつも通りだろ」
マルコ「いや、でも……」
ジャン「気に食わねえな。巨人を一匹残らずぶち殺してやるなんてよ」
ジャン「一番身近な奴を越えられない人間が、んなことできるわけねえんだよ」
ジャン「口だけは立派だな」
マルコ「……いや、エレンは訓練もかなり真剣に取り組んでるし力にしてると思うけど…」
ジャン「…ふん」
……
ミカサ「エレン、エレン待って」
エレン「ついてくんなよ」
ミカサ「待ってエレン!」
エレン「っなんだよ」
ミカサ「エレンはいつもこうなる」
エレン「こうってなんだよ」
ミカサ「ジャンとすぐ言い合いばかり」
エレン「さっきのはあいつの方から喧嘩売ってきただろうが」
ミカサ「確かに今日のは…そうかもしれない。でも、いつも向こうが悪いわけじゃない」
ミカサ「エレンも悪い時だってある」
エレン「説教しに来たのかよお前は」
ミカサ「あなたの為を思って言ってる」
エレン「頼んでねえだろ!」
ミカサ「エレン!」
今回はここまで
ミカサ「エレン、あなたは頭に血が上ると感情的になる。そしてそうなると、すぐに手を出してしまう。」
ミカサ「今は良いかもしれない。けど、後々自分が困ることになる。そのままにしておくわけにはいかない。」
エレン「うるせえな、そんなの「エレンは何もわかってない」
エレン「はあ?」
ミカサ「調査兵団に、行きたいと。その気持ちは…今も」
エレン「変わらねえよ」
ミカサ「……そう」
ミカサ「じゃあなおさらだ。いくらジャンが気に食わないからといっても、むこうから煽ってきたとしても、その喧嘩をかってはだめ。」
ミカサ「冷静に受け流すことを覚えるべき」
ミカサ「……」
ミカサ「調査兵団に入って、実践を迎えた時」
ミカサ「巨人と対峙したあなたは、冷静でいられるだろうか」
エレン「……なんだよそれ」
ミカサ「仲間がやられていく様を目にした時、あなたは「おい!」
エレン「お前何言ってんだよ」
ミカサ「エレン、ちゃんと考えて」
エレン「もういいよ、…いいよお前」
ミカサ「聞いてエレン」
エレン「寮に戻る」
ミカサ「エレン、話はまだ終わっていない」
ミカサ「ッエレ「触んな!」」
バチィン!
エレン「あっ」
ミカサ「――――っ」
エレン「なんでお前、避け……」
エレン「……っくそ」フイッ
タッ
ミカサ「…………」
ミカサ「……エレンは何も、わかって…ない」
……
食堂
アルミン「ミカサが戻ってこないな。あれから随分時間経ってるし……」
アルミン(心配だ。様子を見に行ってこよう)タッ
アニ「待ちなよ」グイッ
アルミン「アニ……」
アニ「行ってどうするの。喧嘩してたら止めるの?」
アルミン「そうだよ、だって」
アニ「喧嘩なんてさせとけばいいんだよ。あの二人は一度お互い本音でぶつかり合うべきだ」
アニ「そうでなくても、そっとしておいた方がいいときだってあるでしょ」
アルミン「でも……今のあの様子だと、喧嘩したって本音なんか言えやしないと思うんだ、あの二人は」
アニ「なんであんたにそんなことわかるのさ」
アルミン「わかるよ」
アルミン「だって僕は、二人の幼馴染だからね」
タタッ
……
アニ「……ふうん」
ミーナ「アニ?」
アニ「…ミーナか」
ミーナ「どうかしたの?寮に戻ろう」
アニ「……」
アニ「そうだね」
アニ「……戻ろうか、全部」
一旦ここまで
一旦って言ったけど今日はもう書けなさそう
また後日
いちゃいちゃが書きたいよ
……
数日後
キース「では各自立体起動に移れ!」
「「はっ!」」
ゴォオオオオォォォ
アルミン(目標発見!)
アルミン(って、あ、もう斬れるカ所が残ってない。遅かったか)
ビュウウゥウウゥウ
アルミン(……変だな。いつもより速度が出てない気がする)
アルミン(風向きの関係か?)
……
ゴォオオォォォオォォ
ミカサ「ふっ!」
ズバンッ
シュウゥウウゥウウ
エレン「ふんっ!」
ザシュッ
エレン「……クソッ」
……
ジャン「だから!お前らは俺の後をついてくんじゃねーよ!」
コニー「お前についてくのが一番効率良いんだよ」
サシャ「そうそう、これも作戦の内ですよ」
エレン「……」キョロキョロ
エレン「お、アル「アルミン」
アルミン「やあミカサ。今日も君は凄い働きだったね」
ミカサ「そう?それよりアルミン、立体機動装置の点検はいつしたの?」
アルミン「点検?ついこの間したばかりだけど…」
ミカサ「そう。なら、いい」
アルミン「うん?」
ミーナ「あ、ミカサ―!」タタタッ
エレン「……」
アニ「……」
……
更に数日後
アルミン「今日は久しぶりの格闘訓練か」
マルコ「最近は馬術や立体機動の訓練が多かったから」
マルコ「そういえば、アルミンはここのところアニとよく組んでるみたいだね」
アルミン「うん、少しでも体力つけたいしさ」
マルコ「頑張り屋だね」
アルミン「うーん、あはは……」
アルミン(成果のほどはあんまりなんだ……)
……
アルミン「組めない?」
アニ「ああ」
アルミン「えっと、理由を聞いていい?」
アニ「別に大した理由じゃないよ。あんたとやってたら、私も……」
アニ「……鈍るから」
アルミン「!!」
アニ「……」
アルミン「あっと…その、そうだよね!ハハッ」
アルミン「僕の都合に合わせてアニに迷惑かけたら良くないよね、僕ったらどうかしてたよ」
アルミン「うん、申し訳なかった」
アニ「ア、アルミン」
アルミン「ん?」ニコニコ
アニ「……いや。じゃあね」
アルミン(そうか。やっぱり迷惑だったんだ)
アルミン(そんなことに気づかないなんて僕は本当どうにかしてたんだな)
アルミン(自分のことに必死で周りに気を配れないなんて)
アルミン(ん?……自分のこと?)
アルミン(違う違う、ミカサのことじゃないか)
アルミン(ともかく、あの二人に早く仲直りしてもらえないと……)
アルミン(……)
アルミン(……?)
マルコ「あれ、アルミン一人?」
アルミン「……」
マルコ「アニと一緒じゃなかったのか?」
アルミン(……)
マルコ「…………」
マルコ「アルミン?アルミーン?」
アルミン「はっ}
アルミン「んえ?あ、ううん……えっと、何だっけ?」
マルコ「いや……ぼーっとしてたけど、大丈夫?」
ジャン「放っておけよ。俺らもさっさとやんぞ」
マルコ「まあまあジャン」
アルミン「ああ、うん?えっとその……?」
マルコ「…本当に大丈夫かい?焦点が合ってないような」
アルミン「だ大丈夫だよ」
マルコ「ならいいんだけど……って!ちょ!」
……
エレン「よし、いくぞ」
アニ「全力できなよ」
エレン「わかってるよ」
アニ「……」スッ
エレン「……」スッ
エレン「……っ!」ダッ
アニ「……」シュッ
「アルミン!?アルミン!どうしたんだよアルミン!!」
アニ「!?」バッ
エレン「えっ……!?」
ゴッ!
アニ「ぐ……!」
ドサッ
エレン「……」
エレン「え!?」
これはエレアニ?エレミカ?アルミカか?分からなくなった
アニ「……っ!」ドガッ
エレン「いってえ!」
マルコ「誰か!教官を呼んでくれ!アルミンが倒れたんだ!」
ライナー「何だ?また誰か怪我したのか」
マルコ「あ、ライナー!アルミンを医務室に運ぶんだ。手伝ってくれないか」
ライナー「アルミン?アルミンが倒れたのか?」
マルコ「頼むよ」
>>135
いや完結まで楽しみにしとくよ。
>>136
了解
分かり難くて済まんな
ライナー「いいにきまってるだろ」
アニ「その必要はない」
ライナー「! アニ」
アニ「私がやるよ」
エレン「ってぇな……いやお前身長考えろよ。俺がやる、どけ」
ミカサ「アルミン!」タタタ
ジャン「うおっ!?」
アニ「いいって言ってるでしょ!!」
ミカサ「!」ビクッ
「「「「「………………」」」」」
ライナー「どうしたアニ」
アニ「このくらいの人間一人、普通に運べるよ」
アニ「それに、そいつにやられて私も傷負ったから……医務室に用がある」
ライナー「!!!」
マルコ「ほ、ほんとうだ手に血が…」
ライナー「そうだな、はやく手当てしないといかんな」
エレン「え、おいライ」
ライナー「じゃあアニ、頼めるか」
アニ「ああ」
アニ「……よっと」グイッ
ザッザッザッザ …
エレン「……」
エレン「怪我人に運ばせるのはどうなんだよ」
ライナー「重症には見えん勝ったからな。任せても大丈夫だろう」
>>141
訂正
ライナー「重症には見えん勝ったからな。任せても大丈夫だろう」×
ライナー「重症には見えんかったからな。任せても大丈夫だろう」○
エレン「でもよ」
ライナー「俺たちは訓練を始めるぞ。ほら散った!」
マルコ「行こうか…教官にも言っておかなくちゃね」
ジャン「人騒がせな奴らだ。そういやあの女があんな大声あげたの初めて見たな」
ミカサ「……アルミン…」
ここまで
……
医務室
アニ「……」
アニ(何をしてるんだろう、私は)
アニ(戻るんじゃなかったの。全部、全部元通りに)
アニ(何故反応してしまったの)
アニ(余所見なんてしなければ、あいつの蹴りを食らうこともなかった。食らうはずがない!私はあいつより強いんだから!)
アニ(ミーナのせいだ…死に急ぎ野郎のせいだ…)
アニ(あの二人のせいで…私は頭がおかしくなったんだ)
アニ(あの二人がいなければ……こんな、こんな奴に絆されることもなかった)
アニ(アルミン……)
アルミン「……ん」
アニ「!」ギュッ
アルミン「……ん…ぅ…?」
アルミン「あれ……ここは…」
アルミン「…ぼく……」
アニ「起きた?」
アルミン「…アニ……?」
アニ「ここは医務室。あんた倒れたんだよ」
アルミン「倒れた?…ああそうか、格闘訓練があって……」
アルミン「……?」
アニ「あんたさ、自分で気付いてないの?」
アルミン「気付いてないって、何が?」
アニ「自分の体調管理も立派な兵士の務めだって言われてんでしょ」
アニ「あんた最近調子悪そうだった」
アニ「集中力の散漫、立体機動での行動の遅れ」
アニ「訓練に支障来してどうするの」
アルミン「あ……え?ああ、うん……そうだったのか…」
アニ「そうだったのかって…」
アニ(どうしてこんなに呆けてるんだ?)
アニ(……)
アニ「あのさ」
アルミン「ん?」
アニ「あんたが私にペアを申し出てきたのって、なんで?」
アルミン「えっ…」
アニ「……だって今まで、まあ真剣にやってはいたけどここまでではなかったでしょ」
アニ「なのに急に…」
アルミン「……」
アニ「ミカサが関係あるんでしょ?」
アルミン「!?」
……
アニ「ミカサが関係あるんでしょ?」
アルミン「!?」
アルミン(なっなんで…!)
アニ「ミカサ関連で私と組んだんでしょ?」
アルミン「そっそれは……」
アニ「まあ大方あの死に急ぎ野郎のことなんだろうけど」
アルミン「うぐ……」
アルミン(完全に気付かれてる……!)
アニ「で?」
アルミン「え…?」
アニ「どうしたかったわけ?」
アルミン「ど、どうって……?」
アニ「なんかあるんでしょ?最終的にどうなればいいって、目的が」
アニ「私と組んで、どうするつもりだったの?」
アルミン(アニと組んで、それで…)
それで?
僕はどうしようとしていたんだ?
アルミン(う……なんだか頭がぼうっとするし、起きたばかりで頭がうまくまわらないな……)
なんだっけ…
……そう、エレンとミカサだ
……こうすれば二人がペアを組んで何かがあるのだと思ってたのか?
エレンとミカサが組めば解決だって、そう思ってたのか、僕は?
…違う……
考えてみればエレンはミカサとは一度もペアを組んだことがない
それはなぜか?
……思い知るからだ
彼女と自分の、力の差を
自分が彼女に敵わないってことを
エレンがミカサに強いコンプレックスを抱いてるなんて普段の言動からありありとわかるじゃないか
なのに僕は気付かなかった
いや、あの日、あの時、一度気付いたのに忘れてしまった
なぜ?
……
ちゃんと考えてなかったから
ミカサ達のことを、真剣に考えてなかったから…
好機だと思ったんだ
アニと組めば僕も強くなれるかもしれないって
きっと、無意識に
ミカサの悩みを僕は自分のために利用してしまった
アルミン「最低だ…」
アルミン「僕は…なんて……なんて最低な奴なんだ…」
アルミン「よりにもよってミカサを、大切な幼馴染を利用するだなんて……」
アルミン「こんな僕が、二人の隣に立つ資格なんて」
アニ「いいんじゃないの」
アルミン「アニ…何を言って……」
アニ「いいんじゃないのって」
アニ「人間誰しもなにかしらずるい感情を持ってるんだ。あんただって一人の人間でしょ。絶対の聖人君子なんてこの世にいやしないよ」
アルミン(それはそうかもしれないけど…)
アルミン「…………」
アニ「私は別にあんたを軽蔑したりしないよ」
アニ「だってさ、あんたが自分の身体の異変に気付かなかったのって、あの二人のことが気になって仕方がなかったからでしょ」
アニ「それで頭がいっぱいいっぱいになって、自分のことに鈍感になってたんでしょ」
アニ「それだけ真剣にあんたも頭悩ませてたってこと」
アニ「全然最低な奴なんかじゃないじゃん」
アルミン「!」
アニ「それに、たとえずるい気持ちで私とペア組んでたとしてもさ。あんたの真面目に取り組む姿は本物だった」
アニ「私に力で敵いっこないのに、それでも目標のためにひたむきに頑張ってる姿勢は評価できるよ」
アニ「私が言うんだから間違いないでしょ」
アルミン「……アニ…」
……
アルミン「……アニ…」
アニ(何で私、励ましてるんだ)
アニ(もう、本当どうかしてる)
アルミン「アニ」
アニ「何?」
アルミン「ありがとう」
アニ「――――っ!」
アニ(何、その顔)
アニ(笑わないでよ。そんな顔してこっち見ないでよ)
アニ(嫌いだ、こんな奴)
アルミン「……あれ」
アニ「?」
アルミン「アニのその、服の袖口……血が付いてるじゃないか!」
アニ「ああ、これ?別に大したことないよ」
アルミン「怪我したの?手当てはちゃんとしたの?もしかして、その手…」
アニ「こ、これは違う」ギュゥ
アルミン「でも僕が目を覚ました時からずっとそこ押さえてるじゃないか」
アニ「大丈夫だよ」
アルミン「でも、」
アニ「大丈夫だって」
アルミン「……わかった」
アニ(はぁ……危ない)
アルミン「でも、悪化させないようにね」
アニ「……なんであんたがそこまで気にするのさ」
アルミン「気にするよ」
アルミン「だって、アニも女の子なんだからさ」
アニ(……)
アニ(っ!?)
アルミン「って、こんな脆弱でちっぽけな僕が言ってもあれだけどさ」
アニ「……」
アニ「ちっぽけなんかじゃないよ」
アルミン「え?」
アニ「あんたは小さくなんかない。意思のある強い目をしてるし、そこらへんのへらへら浮かれてるやつと違って、前を見て自分の足で立とうと踏ん張ってる」
アニ「そんなやつが弱くて小さな男だと、私は思わないけどね」
アニ(酷く劣等感を抱いてるみたいだけどそれを除けば…)
アニ(……)
アニ(何言ってるんだ、私は)
アルミン「……」
アニ「?」
アニ「アルミン?」
アルミン「はっ…いや、ごめん。ちょっと驚いて」
アニ「……こんなこと言うのは意外だって?」
アルミン「いや、そういうわけじゃないけど…ああでも少しあるかも」
アニ「……」
アルミン「あっごめん。悪い意味で言ったわけじゃないんだ。こんなにも君が僕に言葉をかけてくれるのが、なんだか信じられなくって」
アニ「忘れてよ」
アルミン「いや、そういうわけにも」
アニ「なんでさ」
アルミン「嬉しいんだ、アニの言葉が」
アルミン「ありがとう」
アルミン「僕きっと忘れないよ。今の言葉も、もちろんさっきの言葉も」
アニ「……そう」
アニ「嫌な奴だね」
アルミン「怒らないでよ」
アニ「別に怒ってないよ」
アルミン「本当に?」
アニ「ほんとう」
アルミン「ふふっ」
アニ「……何」
アルミン「いや、別に?」ニコニコ
アニ「……」
アニ「…ホント、」
アニ(イヤな奴)
最後わかりずらいので二人の表情
<a href="http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org4346443.jpg.html">アルアニ</a>
ここまで
貼り付けミスった恥ずかし
今日明日は無理そうなんでまた土日あたりに来る
多分
アルミン「訓練のことだけどさ」
アニ「訓練……格闘術のことか」
アルミン「うん。これからは以前のように別の人と組むようにするよ」
アニ「あんたはそれでいいの」
アルミン「さっきはアニにああ言って貰えて嬉しかったけど、やっぱりミカサを利用して得た今の状況に僕は甘えたくないから」
アルミン「それに他の訓練にも支障が出てるのにそのままでいるわけにはいかない。アニにも迷惑を掛けてしまうし」
アニ「そっか」
アルミン「…今までごめん。付き合わせちゃって」
アニ「いいよ別に」
アルミン「うん、ありがとう」
アニ「……何回言うの、それ」
アルミン「えへへ」
……男子宿舎
マルコ「アルミン!」
コニー「お、アルミン?」
ライナー「目が覚めたんだな。身体は大丈夫なのか?」
アルミン「皆……心配かけたみたいで申し訳ない。この通り僕はもう元気だよ」
マルコ「良かった…今日は夕飯が済んだら早めに休んだ方がいいよ」
アルミン「そうさせてもらうよ」
コニー「とにかく無事で良かったぜ!よし、俺らは食事当番だから行ってくるわ」
アルミン「うん、皆本当にありがとね」
ゾロゾロ パタン
アルミン「……」
ガチャ
アルミン「!」
エレン「…戻ってたのか」
アルミン「エレン」
エレン「お前、体壊してたんだな」
アルミン「壊すって大げさな…少し体調不良だっただけだよ」
エレン「だけだってお前な!あんな倒れるほど無茶するなんて…自分の身体、もっと気遣えよ!」
アルミン「それはもっともだけど……君に言われたくないなあ。エレンだって無茶するじゃないか」
エレン「お前!」
アルミン「……ごめん。喧嘩したいわけじゃなかったんだ。エレンも心配してくれてたんだろ?」
エレン「……ああ」
アルミン「心配掛けてごめん。もっと強くなるよ」
エレン「それで倒れてたら世話ねえよ」
アルミン「そうだね」
アルミン「……エレンも確か今日は当番だったよね。行かなくていいの?」
エレン「え?ああ、じゃあ行くわ」
アルミン「手伝えそうだったら僕も後から行くよ」
エレン「お前は休んでろって。じゃあな」
カチャ
エレン「……」
アルミン「?」
アルミン「エレン?」
エレン「…あいつも」
エレン「あいつも心配してたぞ」
アルミン「え?あいつって…」
パタン
アルミン「……ミカサか」
……
ミカサ「…………」
アルミン「ミーカサ」
ミカサ「!!????」ビクゥッ
アルミン「うわ!?」
ミカサ「ア、アルミン!」
ミカサ「もう動いて大丈夫なの?具合悪いところはない?どうしてあんなになるまで何も言わなかったの?」
アルミン「ミミカサ落ち着いて!大丈夫!僕はもう大丈夫だから!」
ミカサ「……本当?」
アルミン「ほらこの通り、ぴんぴんしてるよ」
ミカサ「嘘。やっぱりまだ顔色が良くない。どうして無茶をするの?自分の身体を大事に…」
アルミン「ミカサ、ミカサってば」
ミカサ「……」
アルミン「もう……大丈夫だよ。十分休んだから」
ミカサ「顔色悪いのに?何処へ行こうとしてたの」
アルミン「迷惑掛けちゃったし、少しでも何かしたいから食事の準備の手伝いに行こうと思ってさ。そしたら階段に座りこむ君の姿が見えたから、声をかけたんだ」
ミカサ「…そう」
アルミン「随分と寂しそうな背中だったからね。思わず声をかけちゃったよ」
ミカサ「そんなことは」
アルミン「あるよ」
ミカサ「……」
ミカサ「アルミン。格闘訓練のペア組みで、アニを急に誘い出したのは……私が原因?」
ミカサ「一か月程前に、私がアルミンにあんなこと言った次の日の訓練で……そうなったのは、私のことでアルミンが何かをしようとしてたから?」
アルミン「……それは、」
ミカサ「正直に答えてほしい」
アルミン「うん、そうだ。けど、」
アルミン(……あ。これを言ったら、僕はミカサに嫌われてしまうのかな)
ミカサ「訓練の時に何度かあなたに言おうと思った」
ミカサ「『もしあなたが私のために何か動いているのだとしたら、余計なことはしなくていい。私の言ったことは気にしなくていい』と」
ミカサ「やめてほしい、と」
ミカサ「でも話しかけても遮られて言えなかった」
―――…
ミカサ『アルミン、ちょっと』
アルミン『あ、ミカサ』
アルミン『!』
アルミン『ミカサはもうペア決めたの?』
ミカサ『まだ。それよりアルミン、』
アルミン『じゃあちょうどいい!エレン、ミカサと組んだらどうだい?』
―――…
アルミン『…エレンはペアがいないんだよね』
エレン『そうなるな』
アルミン(よし)
チラッ
ミカサ『!』
ミカサ『ア、アル』
アルミン『じゃあミカサと組んであげてよ。ミーナが医務室に行ってて一人になっちゃったんだ』
―――…
アルミン(……ああ、あれって全部…)
アルミン(そういえば何か言いたそうにしていたな)
アルミン「ごめん、わざとじゃなかったんだ」
ミカサ「……アルミンが私のために何かしようとしてくれてたことは嬉しい。とても」
ミカサ「でもそのせいであなたに負担をかけてしまった……私のせいで」
アルミン「ミカサのせいじゃないよ!僕が勝手にしたことで……それに、自分の為でもあったんだ!」
ミカサ「自分のため?」
アルミン「……強くなりたかったんだ。僕は劣等生だから…」
ミカサ「そんな!」
アルミン「そうだろ?座学ができても、立体機動も馬術も格闘もてんで駄目じゃあ、巨人の餌にもなれやしない。兵として役立たずだ」
ミカサ「そんな…」
アルミン「ごめんね。色々と…」
ミカサ「私の方こそごめんなさい。あんなこと、口に出して言うべきではなかった…」
アルミン「いいんんだよ、別に。口に出しても!僕は、君が悩んでることを言ってくれて嬉しかった」
アルミン「エレンは結構相談をもちかけてくることあるけどさ。君は何も言わないから……」
アルミン(もっと僕を頼ってほしい)
アルミン(二人に支えてもらってばかりじゃなくて、頼ってもらえるような自分になりたい)
ミカサ「私は……悩みだなんて」
アルミン「今も悩んでるんだろ?エレンのこと」
ミカサ「!」
アルミン「ほら、泣きそうな顔してる」
ミカサ「これは目にゴミが入って」
アルミン「君は嘘が下手だね、ミカサ」
ミカサ「……」
アルミン「君にそんな悲しい顔してほしくない」
アルミン「ミカサ、僕はもう無茶したりしないから……話して」
ミカサ「…………」
アルミン「ミカサ」
ミカサ「……」
ミカサ「……私は…」
ミカサ「私は、おかしくなってしまったのかもしれない」
ミカサ「私はエレンのことが好き」
アルミン「え…それは、」
ミカサ「家族だから。私に居場所を与えてくれたから。手を差し伸べてくれたから」
ミカサ「とても、大切な人」
ミカサ「エレンが苦しんでいたら私が助ける。道を踏み外そうとしたら私が正す。悩んでいたら私も一緒に考える。エレンのことは私が守る」
ミカサ「……」
ミカサ「以前、アニがエレンと格闘術の訓練をしていたとき。エレンは降参しているのにアニはそれでもやめなかった。痛めつけるように。見過ごせなかった」
ミカサ「だからとめた」
ミカサ「これはエレンを助けようと思ってのことだった」
ミカサ「……そうなんだと思ってた」
ミカサ「けど、でも」
ミカサ「……ない」
アルミン「…ミカサ?」
ミカサ「わからない。私はどうかしてしまった。エレンとアニが一緒に訓練しているだけなのに気になってしまう、胸がざわざわと苦しくなる」
ミカサ「どうして?これは家族にむけるもの?家族に抱く気持ちなの?わからない、私は気が狂ってしまった。これではエレンを守れない!」
アルミン「ミカサ、ミカサ落ち着いて」
ミカサ「…アルミン」
アルミン(ああ、ミカサもやっぱりここ一カ月の出来事に混乱してるんだ。酷く消耗した顔をしている)
アルミン「ミカサ、聞いて」
アルミン「ミカサのそれはさ、嫉妬してるんだと思うよ」
ミカサ「……嫉妬?私が、嫉妬?」
アルミン「そう。エレンが誰かに取られちゃいそうで、怖いんだよ」
アルミン「だからもやもやとした気持ちが心に生まれるんだ」
ミカサ「そんなはずない。だって他の人がエレンと仲良くしていても、私はこんな気持ちになったりはしない」
アルミン「アニにだけ、でしょ。嫉妬だよそれも」
アルミン「ミカサ、君のエレンに対する意識を一度整理する必要があると僕は思う」
ミカサ「エレンに対する、意識…?」
アルミン「君にとってエレンって何?どんな存在?」
ミカサ「家族。それ以外の答えはない。それはアルミンだってよく知っているはず」
アルミン「家族、家族ね」
アルミン「じゃあさミカサ。君にとってエレンはどんな家族なの?」
ミカサ「どんな…?」
アルミン「色々あるだろ?家族にもさ、父親、母親、姉、兄、妹、弟、妻、夫、子供」
アルミン「これだけのものが」
アルミン「ねえ、どんな存在?」
ミカサ「そ、れは……」
アルミン「答えられない?」
ミカサ「……」
アルミン「だからじゃないかな」
アルミン「君の言う家族ってさ、酷く曖昧にも感じるんだ」
アルミン「君にとってのエレンがどんな存在であるか、ハッキリしていないから不安にもなるんだと思う」
アルミン「よく考えて。時間がかかってもいいからさ」
ミカサ「……うん」
アルミン「随分話しこんじゃったね。もう食事の準備できてる頃かな」
エレン「おい」
アルミン「あ、エレン!」
エレン「夕飯の時間になるから早く来いよ。あと来てないの、お前らだけだぞ」
アルミン「うん、今行こうと思ってたんだ」
アルミン(結局手伝えなかったな。まあいいか)
アルミン「僕たちも行こうか」
ミカサ「ええ」
アルミン「ああ、そうだ」
ミカサ「?」ピタ
アルミン「これはあくまで僕から見た感想なんだけど……」
アルミン「ミカサってさ、エレンに家族以上の感情を持ってるようにみえるんだよね」
アルミン「たとえば……異性として、とか」
ミカサ「!?」
アルミン「ごめんエレン、行こうか!」タタタッ
エレン「ああ」
アルミン「ミカサー?早く行くよー?」
ミカサ「……え?あ、え、ええ……今行く」
アルミン「今日の献立は何だろうね」
ミカサ「いつも同じだと思う」
アルミン「そうだった」
エレン「…………」
ここまで
乙 この前は1レス目で途絶えてちょいやきもきした
>>198
ごめん
……
サシャ「空腹感が凄いです」
ユミル「はあ?今飯食べたばかりだろ」
クリスタ「連日の訓練で疲れてるんだよ。明日、私のパン半分あげるよ」
ユミル「自分で食えって」
ザワザワ ガヤガヤ
アルミン「さて……食事も済んだことだし、僕たちも宿舎に戻ろうか」
エレン「ああ…」
アルミン「どうかした、エレン?」
アルミン「さっきから話しかけても上の空っていうか、何か考え事をしてるみたいだけど」
エレン「いや……」
アルミン「?」
エレン「なあアルミン、先に戻っててくれないか」
エレン「ミカサに用がある」
ミカサ「え…」
アルミン「え?うんわかったよ、けど」
エレン「来い」グイッ
ミカサ「あっ…」ヨロ
アルミン「……行っちゃった…」
……
ザッザッザッザッ
ミカサ「エレン、一体どうしたの?…エレン、う、腕がいた」
エレン「ここまで来ればいいか」ピタ
ミカサ「う、腕を離してほしい…」
エレン「ああ…」パッ
ミカサ「……」
エレン「……」
ミカサ「それで…用とは……」
エレン「夕方のあれ、……アルミンと何話してたんだ」
ミカサ「夕方?」
エレン「食事前に俺が呼びに行ったらお前ら二人でいただろ。その時何話してたんだって聞いてんだよ」
ミカサ「そ、それは…」
ミカサ「……」
エレン「言えないのか。教えられないのか、俺には」
エレン「あいつには言えるのに」
ミカサ「…エレン?何をそんなに怒っているの?」
エレン「アニと俺が一緒に訓練するのが嫌なんだってな」
ミカサ「!」
ミカサ「聞いてたの?」
エレン「離れてたから全部は聞き取れなかったが……」
エレン「お前な、いくらアニのことが嫌いだからって訓練に影響与えるようなことを」
ミカサ「嫌いじゃない!」
ミカサ「確かに、私は彼女に対してその…あまり良いとは言えない態度をとってしまっていた」
ミカサ「でも、決して嫌いだからというわけではない」
エレン「じゃあ何でなんだよ」
ミカサ「……」
エレン「やっぱり俺か」
ミカサ「え?」
エレン「俺がそんなに頼りないか」
エレン「確かに暫定首席の、教官たちに一目置かれてるお前にとっちゃ俺は弱く見えるだろうよ」
エレン「でも、そんなに俺は頼りないのかよ」
ミカサ「待ってエレン、話が見えない…何を言って」
エレン「訓練だぞ!?訓練ですら庇おうと思うほど俺は力ない奴なのかよ?」
エレン「何でもそつなくこなしちまうお前にとって、そりゃ俺は危なっかしいところがあるだろうさ」
エレン「でもそれは他の奴だって同じだろ!俺だけじゃねえ!」
ミカサ「頼りない?そんなことはない。でも私はエレンが心配で」
エレン「頼んでねえって言っただろ!」
ミカサ「家族の心配をして何が悪いの?私はおかしなことなんてしていない」
エレン「家族家族って…俺はお前の弟でも子供でもねえって、何度も言ってるだろうが!」
エレン「お守なんて真っ平ごめんだ!」
ミカサ「わ、私は別にそんなつもりで接していたわけじゃない!」
エレン「じゃあどういうつもりだよ?お前にとって俺はいったい何なんだよ!?」
ミカサ「私にとってエレンは…」
エレン「ほら答えられないじゃねえか。やっぱりそう思ってたんだろ!」
ミカサ「違う!」
ミカサ「私は、私は……」
眠くなってきたのでここまで
――――エレンに対する意識を一度整理する必要があると僕は思う
――――君にとってエレンって何?どんな存在?
――――君にとってエレンはどんな家族なの?
――――色々あるだろ?家族にもさ、父親、母親、姉、兄、妹、弟、妻、夫、子供
――――ねえ、どんな存在?
――――たとえば……異性として、とか
ミカサ「違う!!!」
ミカサ「違う、違う……そんなのじゃない、違う…」
ミカサ「エレンは家族。家族だから」
ミカサ「……わからない」
ミカサ「わからない……この気持ちが…私は私がわからない」
エレン「お、おい」
ミカサ「この気持ちは何?家族に対して持つ感情なの?」
ミカサ「わからない……ただ、ただ私は…」
ミカサ「エレンが心配なだけなのに…」
ミカサ「もうこれ以上家族を…失いたくないのに…」
ミカサ「ただ、そばに居たいだけなのに…」
ミカサ「大切な人と離れたくないのに…」
ミカサ「それだけ、な、のにぃ……」ジワ
ミカサ「一人にしないで……」ポロポロ
エレン「!」
エレン「お、おい……ミカ…」
ミカサ「寒いのはもう嫌だ」
ミカサ「離れたくない、エレンと、一緒にいたい」
ミカサ「ずっと…大好きな人の……エレンの、そばにいたい……」
ミカサ「ぅう…ぐすっ」
エレン「ミカサ…お前……」
……
エレン「ミカサ…お前……」
エレン(こいつの泣き顔を見るなんて、あの日以来だ)
エレン(ずっとそう思ってたのか)
エレン(寂しいって…不安を感じてたのか)
ミカサ「ひっく…ぅえ…」
エレン(何でもできる完璧な奴だと思ってたが…)
エレン「やっぱりお前にも……弱い部分があるんだな」
エレン(どんどん前に進んでいくお前が羨ましかった)
エレン(でも…あの日と変わらない、小さな背中)
エレン(俺はこいつを……)
エレン「……守りたいと思ったんだ」
ミカサ「…え?」
エレン「あの日、あの夜。お前とあった時」
エレン「寂しさで震えてるお前を見て…守らなきゃって」
エレン「俺がこいつを守ってやろうって、思ったんだ」
エレン「でもお前は俺よりも強くて…いつの間にか俺の世話まで焼くようになってて」
エレン「今では首席だ」
エレン「俺が希望してた調査兵団の素質だって、お前の方がうんとある」
エレン「あの日守ろうと誓った奴がどんどん俺より強くなって、今では逆に自分の方が守られてる」
エレン「羨ましくて、妬ましくって……悔しかった」
エレン「かっこわるいよ、俺」
エレン「自分が情けなくて……苛立って仕方がない」
エレン「なあミカサ……俺にお前を守らせてくれよ」
ふええ、少女マンガ書いてるみたいで恥ずかしいよう
出掛ける
ミカサ「!」
ミカサ「そ、そんな……私は、私の方がエレンを守りたくて」
エレン「それはもうわかったよ」
エレン「でもよ……俺にだって意地があるんだ。守られてばかりの自分なんて嫌なんだよ」
エレン「本当はお前に守られんのも嫌だけどな。さっきの聞いたら、やめろなんて言えなくなっちまう」
エレン「だからさ、それでもいいから。俺の世話ばかり焼いてないでお前も俺を頼ってくれよ」
エレン「不安があるなら言ってくれよ」
エレン「いつか絶対お前より強くなってみせる。それまでは……互いに助け合っていこう」
――――困った時は二人で助け合うんだよ
ミカサ「――…」
ミカサ「……うん」
ミカサ「わかった」
エレン「……ほらもう泣くなよ」
ミカサ「止めたいのにとまらない……」ポロポロ
エレン「なんだそれ」
ミカサ「ぐすっ」
エレン「あーもう」ゴシゴシ
ミカサ「エレン痛い」
エレン「じゃあ泣きやめ」
ミカサ「無理」
エレン「なんだよそれ……」
ミカサ「ふふ」
エレン「!」
エレン(なんか……こうしてるといつもの強さが嘘のように普通の女みたいだな)
エレン(……普通、か)
エレン「そろそろ行くか」
ミカサ「ええ」
ザッザッザッ
エレン「ああ、あとお前な、いつもの世話焼きもやめろよ」
ミカサ「何故?」
エレン「なんでって、言っただろうが。俺にも意地があるんだって」
エレン「子供じゃないんだし。自分のことは自分でできるし、考えられる」
ミカサ「……」
エレン「返事は」
ミカサ「……」
エレン「おい」
ミカサ「…………」
エレン「はあ……じゃあやめろとは言わんからせめてほどほどにしてくれ」
ミカサ「わかった」
ミカサ「善処する」
エレン「お前なあ……」
ミカサ「ふふ」
エレン「お前、さっきからよく笑うな」
ミカサ「そう?」
エレン「ああ」
ミカサ「そうだろうか……もうすぐ女子宿舎に着く」
エレン「ああ、じゃあここら辺で」
ミカサ「おやすみなさい」
エレン「おう」
ミカサ「……」
ミカサ「エレン」
エレン「なんだ?」
ミカサ「……」クス
ミカサ「大好き」
クルッ タッ
エレン「………………」
エレン「は!?」
エレン(えっちょ、なんだこれ……)
エレン(なんだ!?いきなりどうしたんだ俺?)
エレン(なんで)
エレン(なんでこんなに顔が熱いんだ?)
少ないけどここまで
……
男子寮
エレン「あれ」
ライナー「お、ようエレン戻ってきたか」
エレン「おうライナー。アルミンを見なかったか?」
ライナー「そういえばいないな。どこ行ったんだろうな」
バタバタバタバタバタ…
バン!!
アルミン「エレン!」
エレン「うお!?なんだよ!」
エレン「ってアルミンか。お前どこ行ってたんだよ」
アルミン「そんなことより!ど、どうだった……?」
エレン「どうって何がだよ」
アルミン「ミカサと話してきたんだろ?仲直りできたのかなって……」
エレン「あ」
アルミン「『あ』?『あ』ってなんだよ『あ』って!もしかしてまた喧嘩でも」
エレン「ちょ、落ち着けって!まあ言い合いにはなったけど……仲直りしたって言えばした…か?」
アルミン「なんで疑問形なんだ」
エレン「そういえばちゃんと謝ってなかったな……顔のこともあるし、明日また話すか」
アルミン「顔?何の事さ」
エレン「なんでもねえって。さっさと風呂の準備すんぞ」
アルミン「あ、ちょっとエレン!」
アルミン「待ってくれよー」
バタバタバタ
ライナ「……やっといつものあいつ等らしくなってきたな」
ライナ「最近はエレンもアルミンもミカサも調子が悪そうだったからな」
ライナー「心配掛けさせやがって」
ベルトルト「…………」
ライナー「ん?どうしたベルトルト」
ベルトルト「いや……なんでもないよ」
ベルトルト「僕たちも行こう」
ライナー「おう。そうだな」
……
エレン「なあアルミン」
アルミン「何だい?」ザパァ
エレン「お前、ミカサの泣いた顔って見たことあるか」
アルミン「ミカサの?」
エレン「ああ」
アルミン「見たことないけど……ああでも、凄く不安そうだったり泣きそうだったりする表情は結構見たことあるな」
エレン「え」
アルミン「え?」
エレン「……い、いや、なんでもねえ」ゴシゴシ
アルミン「なんで急にそんなこと聞いてきたの?」
エレン「いやなんとなく」
アルミン「?」
アルミン「ふうん?」
エレン(そうなのか……不安そうな顔、結構表に出してたのか……気がつかなかった)
エレン(いや、でもあんまり他の奴からミカサの様子がおかしいって話は聞かないよな)
エレン(アルミンには素直なのか?)
エレン(甘えたりしてんのか?)
エレン(…………)
エレン(妙だな、さっきから胸の辺りがもやもやする)
エレン(くそっ…何なんだよちくしょう!)ザパァン
エレン「あっつ!」
……
女子寮
ミカサ「……」
キシッ キシッ
「あっミカサー」
サシャ「おかえりなさい!帰ってこないから心配したんですよ」
ミカサ「サシャ…皆も」
クリスタ「これからお風呂行こうと思って。ミカサも一緒に行こうよ」
ミカサ「ええ。でも着替えを取ってこないと」
ミーナ「あっミカサおかえり!ずいぶん遅かったんだね?何かしてたの?」
ミカサ「エレンと話をしていた」
ミーナ「もしかして仲直りしたの?」
ミカサ「え」
ミーナ「最近二人とも喧嘩してるみたいだったから。前みたいに一緒にいるところ、見なくなったし」
ミカサ「気付いていたの?」
ミーナ「みーんな心配してたんだよ?でも良かった、表情も晴れ晴れしてる!」
ミカサ「そう……心配してくれてありがとう。私はもう大丈夫」
サシャ「気分が朗らかだとご飯も美味しくなりますからね!」
クリスタ「もう、サシャは食べることばっかり!」クスクス
アニ「……ちょっと、通してもらえる?」
ミーナ「あ、アニ!」
ミーナ「どこ行ってたの?気が付いたらいなくなっててびっくりしたよ」
アニ「ちょっとね」
ミーナ「ふーん?」
ミーナ「あれ、その手に持ってるの、座学の道具?勉強してたの?」
アニ「……まあ」
ミーナ「わざわざ別のところ行ってたの?部屋でやればいいのに」
アニ「……」
ミーナ「ん?」
アニ「ちょっとね」
ミーナ「???」
ミカサ「そういえば」
ミカサ「アルミンにもお礼をしないと」
アニ「!」
サシャ「アルミンですか?」
ミカサ「ええ。アルミンも私のことで色々考えてくれていたから…迷惑もかけてしまった」
クリスタ「そっか、仲直りできたのはアルミンの助けもあってのことなんだね」
ミカサ「私はたくさんアルミンに助けられている。感謝しないと」
ユミル「おいお前ら」
クリスタ「ユミル」
ユミル「まだこんな所にいたのかよ。早く行かないと消灯時間になっちまうぞ」
クリスタ「わっもうそんな時間?急がないと!」
サシャ「じゃあミカサ、私たちは先に行ってますね!早く来てくださいよー」
パタパタパタ
ミカサ「私も急ごう」
ミーナ「皆行っちゃったけど…どうする?私アニが着替え取ってくるのここで待ってようか」
アニ「…………」
ミーナ「アニ?」
アニ「いやいいよ、先に行って」
ミーナ「わかった、じゃあアニも速足で来てね!」
ミーナ「じゃ!」
パタパタパタ
アニ「……ふん」
……
翌日
アルミン「おかしい」
エレン「何だよ急に」
アルミン「エレンがおかしい」
エレン「おい失礼だな。どうしたんだよ」
アルミン「『どうしたんだよ』?こっちのセリフだよ!」
アルミン「朝から様子が変じゃないか?」
エレン「お前がな」
アルミン「君のことだよ!」
エレン「俺?俺は別にいつもと変わらな」
アルミン「くないよ。ねえあのさ、ミカサと仲直りしたって言ったよね」
エレン「おう」
アルミン「今朝のあれは何?」
エレン「あれってなんだよ」
アルミン「とぼけないでよ。朝食を摂りに食堂へ行ってミカサにあった時、君明らかに様子がおかしかったよね」
アルミン「最初は普通に挨拶したのに、ミカサがこっち振り返って挨拶返してくれた途端あからさまに顔背けるし」
アルミン「ミカサまたショック受けてたよ」
エレン「あ、あれはだな……」
アルミン「気のせいでごまかせると思わないでね?」
エレン「ぐっ」
アルミン「で、どうしたのさ一体」
エレン「……それはだな」
アルミン「うん」
エレン「……その」
アルミン「うん」
エレン「……えっと」
アルミン「…………」
アルミン「はっきり喋る!」
エレン「いって!お前そんなキャラだったか?」
アルミン「キャラ?何だいそれは」
エレン「何でもねえよ」
アルミン「で?」
エレン「うぐ……」
エレン「…………んだよ」
アルミン「何だって?」
エレン「だから!動悸がするんだよ!」
アルミン「動悸?」
エレン「昨日の夜からするんだよ……なんか、俺おかしくなったのかもしれねえ」
アルミン「さっきから言ってるよね」
エレン「うるせえよ」
アルミン「動悸って…なんでまた。それとミカサに何の関係があるの?」
エレン「俺だってわかんねえよ。ただ……」
アルミン「ただ?」
エレン「ミカサの顔を見てるとそうなるみたいだ」
エレン(正確には昨夜のあいつを思い出すとそうなる、なんだけど)
―――涙でうるうると光る瞳
ほんのりと上気した赤い頬
普段は見せることのない、とても柔らかな微笑み――――……
エレン「!」カァアア
アルミン「エ、エレン?」
エレン(やべえまた思い出しちまった!考えるな!考えるな俺!)ブンブン
アルミン「落ち着いてよ。えっと……とりあえず、ミカサの近くにいると動悸がすると。違いない?」
エレン「ああ…細かい部分は違うがまあそんなところだ」
アルミン「そうか……エレンが…」
アルミン「……まさか…いやでも」
エレン「どうした」
アルミン「なんでもないよ。僕も色々原因を考えてみるからさ」
エレン「お、おう。…いや別にお前がなんとかしなくても」
アルミン「いいじゃないか。僕と君の仲だろ?」
アルミン「それとも迷惑だったかな」
エレン「どんなことはねえよ!」
アルミン「うんじゃあ、僕にも力にならせてよ」
エレン「お、おう……すまんな」
……
アルミン(どういうことだ!?)
アルミン(一体どういうことなんだ!!?)
>>244
訂正
エレン「どんなことはねえよ!」×
エレン「そんなことはねえよ!」○
アルミン(ミカサはきっと無自覚にエレンを異性として好きな部分があるんだろうなとは思ってたけど)
アルミン(あのエレンだぞ!?)
アルミン(色恋とは一切無縁だった彼にいったい何が……)
アルミン(……昨日の夜か)
アルミン(そうだな。何かあったとすれば、昨夜二人で話してた時しかあり得ない)
アルミン(ただの仲直りじゃなかったのか?二人にいったい何があったんだ?)
アルミン「うううん」
アニ「ねえ」
アルミン「うーーん」
アニ「ちょっと」
アルミン「う」
アニ「アルミン!」ヴォン
アルミン「どぅぉおわ!?」
アニ「さっきから呼んでるんだけど」
アルミン「ア、アニ!?あ、ご、ごめん」
アルミン「でもいきなり蹴りつけるのは…」
アルミン(あれなんかデジャヴ)
アルミン「何か僕に用事かな」
アニ「いや…」
アルミン「? 何もないの?」
アニ「そういうわけじゃ……」
アニ「あの「アルミン!」」
アニ「……」
アルミン「ミカサ!」
ミカサ「よかった、こんなところにいた」
ミカサ「アルミン、貴方と話がしたくて…………アニ」
ミカサ「貴方も一緒だったの」
アルミン「ああうん、今アニと話してて。あ、そう、話の途中だったね」
アニ「いやいいよ。じゃあね」
アルミン「あれ」
アルミン「行っちゃった。どうしたんだろう」
アルミン「ああそうだ、それで?」
ミカサ「え?ええ……昨日エレンと色々話した」
アルミン「わだかまりはとれた?」
ミカサ「少しスッキリした。と、思う。でも、答えがまだ見つからない」
ミカサ「エレンにも訊かれた。私にとって自分は何なのかと」
ミカサ「わからないと返した。けど、一緒にいたい、傍にいたい、大切な人だと伝えられた」
アルミン「そっか。うん、いいと思うよ。今はまだぼんやりとしててもさ。いつか必ず答えが見つかるから」
ミカサ「ええ。……アルミン、ありがとう。貴方にはいつも迷惑ばかりかけてしまっている」
アルミン「そんなことないさ」
アルミン(むしろ僕の方が二人に迷惑かけてばかりなんだから)
ミカサ「アルミンも何かあったら相談してほしい。力になりたい」
アルミン「ありがとう。でも、いつでも君は僕の力になってくれてるよ」
ミカサ「そんな…」
アルミン「ふふ」
ミカサ「……」クスッ
ミカサ「アルミン」 アルミン「ミカサ」
「「いつもありがとう」」
ここまで
ミカサ「ところでアルミン、何故桶を持っているの?」
アルミン「ん?ああ、これは今日の掃除当番が僕だから、水を汲もうと思って」
ミカサ「私も手伝おう」
アルミン「いいよ!ばれたら教官に怒られちゃうし」
ミカサ「では井戸まで一緒に行こう。もう少しアルミンと話していたい」
アルミン「それなら」
……
エレン「ミカサ、こんな所にいたのか」
ミカサ「エレン。どうかしたの」
エレン「いや、昨日の話の続きっつうかなんつーか。タイミング逃してちゃんと謝れてなかったなーって思ってよ」
エレン「…悪かったな。今まで変な態度とって」
エレン「それと……顔。手、当たっちまった。痛かっただろ」
ミカサ「ううん大丈夫。気にしないで」
エレン「腫れなくてよかった」ナデ
ミカサ「!」
エレン「どうした?」
ミカサ「い、いえ……なにも」
エレン「? そうか?」
ミカサ「ええ……」
ミカサ「……私も、エレンがあんなことを思っていたなんて全く気付かなかった」
エレン「あんなこと?」
ミカサ「昨夜の」
エレン「ああ、あれか」
ミカサ「エレンの言う所謂世話焼き……というのも、その、鬱陶しくならないように……善処しよう。でも、私は私が思ってる以上にエレンのことを知らなかった」
ミカサ「今までエレンのことなら何でもわかっていると自分では思っていた。けれど実際は違った」
ミカサ「エレンの思っていること、感じていること……素直に教えてほしい。そうすれば、その、鬱陶しくならずに済むというか、対処できるというか……そのつまり」
ミカサ「私はエレンのことがもっと知りたい」
エレン「……努力する」
ミカサ「……」
エレン「何だその不満そうな顔は」
ミカサ「別に。エレンも人のことは言えないと思っただけ」
エレン「うるせ」
エレン「っていうかお前さ、さっきから気になってたんだが」
エレン「何でそんなにびしょ濡れなんだよ」
ミカサ「これはさっき、アルミンと一緒にいて」
エレン「アルミンと?」
ミカサ「そう。水を汲んで運ぼうとしたときにアルミンが躓いて中身を撒いてしまった。うっかりさん」
エレン「それでお前が水被ったのか……」
ミカサ「ええ」
エレン「はやく着替えて来いよ。風邪ひくぞ」
ミカサ「わかってる」
ミカサ「……」
ヌギ
エレン「!?」
エレン「ちょ、なんでここで脱ぎ始めてんだよ!」
ミカサ「濡れたままのマフラーは少し気持ちが悪くて…」
ミカサ「上着も中が蒸れて暑いと思ったから今脱いでおこうと」
エレン「だからってな……」
ミカサ「?」
ミカサ「エレン?何をそんなに慌てているの?」
エレン(ほ、本当だよ。何で俺はこんなにドギマギしてるんだよ。たかが上着一枚脱いだくらいで…)
エレン(……!?)
エレン「お、おま!!?」
ミカサ「どうしたの?」
エレン(シャツから透けて中がみ、見えてんだよ…!!)
エレン(駄目だ!こんな姿他の奴に晒せねえ!)
エレン「これ!着とけ!」バサッ
ミカサ「これはエレンの上着?どうして?駄目、濡れてしまう」
エレン「いいから着とけって!体冷やすと良くないしそれに…っ!」
ミカサ「それに?」
エレン「……!……っ…じ、自分の姿見てみろよ」
ミカサ「…?」
ミカサ「!」カアッ
エレン「前閉じろって」グイ
ミカサ「……うん」ギュ
ミカサ「…………」
エレン「ど、どうしたんだよ。急に黙りこくって」
ミカサ「わた、私は…エレンに触れられると、どうしていいかわからなくなる」
エレン「は」
ミカサ「……っ」カァアア
エレン「なっな、なんだよそれ!?」
ミカサ「……昨日、私にとってエレンは何なのか…わからないと言ったけど」
ミカサ「家族だと思っていたけど…アルミン曰く、わ、私は貴方をい、い、異性として見てるように見えると」
エレン「え」
ミカサ「アニに嫉妬しているのだと」
ミカサ「わ、私自身よくわからない」
ミカサ「こんなにも胸が騒がしくなるのは……家族だから、ではないの?」
ミカサ「…わからない」
エレン(な、何を言ってるんだこいつは)
エレン(俺を異性として見てる!?ミカサが?ミカサがか?)
エレン(どういうことなんだよ!?)
エレン(そういえば、こいつがアニに突っ掛かるのは別にあいつのことが嫌いだからってわけではないとか言ってたが…)
エレン(……俺のことが好)
エレン(何考えてんだ俺!?)
エレン(だって今までそんな素振り見せたことなんてねえじゃねえか)
エレン(仮にそうだったとして……俺はどうすれば良いんだよ?)
エレン(俺はミカサを……どう、思ってたんだっけ)
エレン(俺は…)チラ
ミカサ「……」カアアァアア
エレン(……!!…っ!?)ボッ
ミカサ「やっぱり今のは忘れていい。私は着替えてくるから」
エレン「まっ待て!!」グイッ
エレン「あ、あのさ――――――
……
数日後
アルミン「ああ…」
エレン「どうしたんだよアルミン。ため息なんてついて」
アルミン「ううん、なんでもないよ」
ミカサ「嬉しそうな顔してる」
アルミン「そうかな?」
ミカサ「してる」
アルミン(そりゃそうだよ…なんたって、格闘技訓練でも二人が気まずい空気にならずいるんだから。本当に仲直りしたんだって実感が湧く)
アルミン(仲直りはしたけど……ペア組みはどうするんだろう)
アルミン(二人で組むのかな?それとも)
ミカサ「アルミンが嬉しそうだと私も嬉しい」
ミカサ「でも、訓練中はちゃんと集中して、気をしっかり持たないと怪我をしてしまうかもしれない」
ミカサ「この間のように倒れられると心配する」
アルミン「うん、大丈夫だよ」
ミカサ「そう」
アルミン「ところでさ、ペア組みはどうしようか。僕たち3人で組んじゃう?」
エレン「あーいやそれはちょっと…」
ミカサ「……」
エレン「ち、違うぞミカサ。別にお前が嫌なんじゃなくてだな」
エレン「お前よりも強くなりたんだって。互いに助け合おうとは言ったけど、やっぱりお前と組むのはなんていうか悔しいっつーかなんつうか……」
エレン「俺にもプライドがあるんだよ」
ミカサ「…わかってる」
アルミン(えっと)
アルミン「じゃあどうし」
アニ「ねえ」
アルミン「あれ、アニじゃないか」
アニ「あんた」
エレン「俺?」
アニ「この間の技、もう一回見てあげるよ」
エレン「え?いや、俺は今日は」
アニ「いいから行くよ」
エレン「わかったわかったから!どうしたんだアニの奴」
エレン「じゃあ俺行くな」
アルミン「あ、うん!」
アルミン「じゃあミカサ、僕とってあれ?いない?」
ミーナ「ミカサから誘ってくれるとは思わなかったよー」
ミカサ「早く始めよう」
ミーナ「そうだね!」
アルミン「いつの間に……」
アルミン(そういえばここのところミーナと話してるのをよく見る気がするな)
アルミン(あの二人、前からあんなに仲が良かったか?)
アルミン(……まあ、気にしてもしょうがないか)
アルミン「僕も早く組む相手探そう」
一旦ここまで
……
ミーナ「やあ!」
ミカサ「っ」バッ
ミーナ「ふっ!」
ミカサ「…!」ザッ
カランカラン
ミーナ「あっナイフ落ちちゃった」
ミーナ「……ミカサ、どうかした?」
ミカサ「どうして?」
ミーナ「だってなんだか集中できてないみたいだし」
ミカサ「集中…」
ミカサ(そう。今は訓練中。集中して取り組まなければいけない)
ミカサ(でも――)
――――
エレン『まっ待て!!』
エレン『あ、あのさ、俺――……』
エレン『いや…ミカサ。今の話は本当か?』
ミカサ『は、離してエレン』
エレン『答えろって』
ミカサ『離して…』
エレン『離さねえ!』
エレン『…………』
ミカサ『……』
エレン『なあ』
ミカサ『ほ、んとう』
エレン『……そうか』
エレン『…………』
エレン『今の話をお前は忘れろと言うが、俺はどうも忘れられそうにないらしい』
ミカサ『らしいって…』
エレン『……忘れたくないって思ってる自分がいる』
エレン『なあ』
エレン『お前、俺のことが好きなのか』
ミカサ『!?』
ミカサ『……す、好き。もちろん。だって、か、家族だから』
エレン『そっちの意味じゃねえって』
ミカサ『じゃあ、どういう』
エレン『わかってるんだろ』
ミカサ『う……』
エレン『ミカサ』
ミカサ『……さ、さっきも言った通り……よくわからない』
ミカサ『今までずっと家族として接してきたのに、その、い、いきなり異性だなんて……』
エレン『ミカサはそれを俺に言ってどうしたかったんだ』
ミカサ『どうも何も…』
エレン『嘘だろ。何か変えたかったから俺に打ち明けたんじゃないのか』
エレン『……どうなんだ』
ミカサ『……』
ミカサ『本当によくわからない』
ミカサ『で、でも、よくわからないけど……確信はできないけど……アルミンの言ってることも、間違いではないのかもしれない。だって』
ミカサ『だってこんなにも胸の音が止まないのだから』ギュゥ
エレン『!』カアッ
エレン『…………』
ミカサ『エレン?』
エレン『そうか』
エレン『あのなミカサ』
エレン『よくわからないのは、俺も一緒だ』
ミカサ『え?』
エレン『俺もお前のこと、ずっと家族だと思ってた』
エレン『だけど昨日の夜からずっと変なんだよ、俺』
エレン『…………』
エレン『俺も今、お前と同じ状態なのかもしれない』
ミカサ『そ、それって』
エレン『だからさミカサ』
エレン『一緒に答えを探していこう』
エレン『昨日も言ったように……助け合って、な』
ミカサ『……うん』
ミカサ『わかった……そうしよう』
――――――
ミカサ(気になってしまう……エレンはああ言ってくれたのに)
ミカサ(アニ、貴方はエレンのことをどう思っているの)
ミカサ(集中、しなければいけないのに……)
……
アルミン「やっ!」
コニー「ひょう!」
アルミン「はあっ!」
コニー「ふふぉわ!」
アルミン「……はっ」
コニー「ほおおおう!」
アルミン「……コニー?」
コニー「おうどうした?」
アルミン「真面目にやってよ」
コニー「ははは、悪い悪い!そう拗ねんなよ!」
アルミン「もう……」
アルミン(あれ…ミカサ、エレン達の方を見てる)
アルミン(もう大丈夫だと思ったんだけどな…まだ何か不安要素が残っているのか)
アルミン(……大丈夫かな)
…………
エレン「いてえ」
アニ「まだまだだね」
エレン「結構いけると思ったんだけどな」
アニ「一点に集中し過ぎて他がお留守になってるんだよあんたは。もっと全体を見ることだね」
エレン「自分ではやってるつもりなんだけどな……」
アニ「じゃあもう一度かかって……」
エレン「ん?どうした」
アニ「……」
エレン「アニ?」
エレン(何を見てるんだ?向こうには――)
エレン(!)
エレン(アルミン?)
エレン(なんでアルミンを気にしてんだ?っていうかアルミンも何かよそ見して……)
エレン(ミカサを見てるのか)
エレン(ミカサ、お前までなんでこっち見てんだよ)
エレン(っていうか何でそんなに不安げな表情してんだよ)
エレン(……あいつ、何か勘違いしてないだろうな)
アニ「……」クルッ
エレン「お」
アニ「ふん!」グオン
エレン「どぉわ!?ちょ、アニ!いきなりかかって来るなよ!どわ!?」
ドサッ
アニ「……」ググググ
エレン「降参!降参だアニ!ちょ、おい!?聞いてんのか?おい!」
アニ「……」グググ
エレン「ぐえっ…」
エレン(やべえ!何だこの力!?尋常じゃねえぞ……)
エレン(ま、まじでやばいぞこれじゃ…)
ミカサ「アニ!!!」
アニ「……」ピタ
エレン「かはっはあ…はあ」
ミカサ「何をしているの……」
アニ「何って見てわからない?格闘技を教えてるんだけど」
ミカサ「教えていた?そうは見えなかったけど。必要以上に痛めつけることを教えるとは言わない」
アニ「そう。あんたは甘いからそんな風に見えるんだね」
「なんだ?」「何事?」
「おい、ミカサとアニが睨みあってるぞ」
「やべぇ…やべぇよ……」
アルミン「あわわ……ど、どうしてだよ二人とも……」
ミカサ「……アニ。前々から思っていた。なぜ貴方はエレンにそこまでするの。もしかして……何か特別な感情が」
アニ「は?私がこいつに?おめでたい頭だね」
ミカサ「!」
アニ「私の行動に一々反応するあんたが滑稽で仕方ないよ」
ミカサ「まさか、今までのはすべて私に対するあてつけ?」
アニ「そんなわけないでしょ。……まあ、今のはそうかもしれないけど」
ミカサ「!!」
ミカサ「何故そんなことをするの?私が気に入らないのなら、理由をはっきり言って」
アニ「さあ」
ミカサ「どうして?アニ」
アニ「……」
ミカサ「アニ!」
アニ「……るさい」
ミカサ「え?」
アニ「あんたが悪いんでしょ!」
アニ「あんたが!私が折角格闘してんのに一々気にして邪魔なんだよ!」
アニ「ミーナは最近あんたのことばっか気にし始めるし……」
アニ「私の唯一の時間と、友達を奪う気!?」
ミカサ「私はそんなつもりじゃ」
アニ「それにアルミンだって!」
アルミン「え、僕!?」
アニ「あいつはあんたのことばかり気になるみたいだし!?傍にいるのはいつも死に急ぎ野郎かあんただし!」
アニ「私だって一緒にいたいのに……もっと私のこと気にしてほしいのに……」
アニ「私ばっかこんな思いするなんてさ、狡いじゃない」
アニ「少しはあんたにだって、私と同じ気持ち味わわせてやったっていいでしょ!」
アニ「…ハッ」
アニ「あ……」
ミカサ「…………」ポカン
アニ「あっ……いや、今のは…」
ミカサ「……ハッ。い、意識が飛んでいた」
ミカサ「つまり……ええと、アニは……私に嫉妬していたの…?」
アニ「ち、違」
ミカサ「アルミンのことが好きなの?」
アニ「!!!」カアアアア
アニ「っ!」ダッ
ミカサ「あっ待……行ってしまった」
エレン「……」ポカン
アルミン「……」
キース「貴様等……何やら騒がしいようだが、何があったか説明してもらおうか」
エレン(やべえ教官が…!)
アルミン「あ、アニ……レオンハート訓練兵が具合が悪そうに医務室の方へと駆けて行ったので、皆心配していたところでした!申し訳ありません!」
アルミン「ぼ、僕が様子を見てきます!」
ダダッ
キース「行ってしまったか。今日は医務官が来ているから付き添いの必要はないのだが」
キース「上官の話を聞かずに訓練を放棄するとは……後で罰を与えよう」
キース「訓練を再開しろ!呆けているな訓練兵、全員開拓地に戻されたいか!」
「「「はっ!」」」バッ
「やっ!」
「とう!」
ミカサ「……後でアニともちゃんと話そう」
ここまで
>>286
セリフ抜けがあったので
キース「いや、その必要はな」
ダダッ
キース「行ってしまったか。今日は医務官が来ているから付き添いの必要はないのだが」
キース「上官の話を聞かずに訓練を放棄するとは……後で罰を与えよう」
キース「訓練を再開しろ!呆けているな訓練兵、全員開拓地に戻されたいか!」
「「「はっ!」」」バッ
「やっ!」
「とう!」
ミカサ「……後でアニともちゃんと話そう」
……
アルミン(アニ…一体どこに行ったんだ……)
アルミン(あれ?あそこにいるのはもしかして)
アルミン(やっぱりそうだ!)
アルミン「アニ!」
アニ「!」ビクッ
アニ「……っ!」ダッ
アルミン「あっちょ、待って!待ってよアニ!」
ガシッ
アニ「あっ…!」
アルミン「はあっはっ……アニ……少し話を…」
アニ「くっ!」ブォンッ
アルミン「!」
アルミン「はっっ!」バッ
アニ「!?」グルン
ドサッ
アニ「……うぐ…そ、そんな……なんで私が…」
アルミン「アニ、今の君は冷静じゃない。僕にやられるくらいなんだから」
アニ「……」
アルミン「落ち着いて。話をしよう」
アルミン「とりあえず…教官には君が具合が悪くて医務室に向かったと言っておいたから」
アルミン「医務室に行かないと怪しまれるよ」
アニ「……」
アルミン「ほら、行こう?」
アニ「嫌」
アルミン「アニ」
アニ「……」
アルミン「はあ…わかったよ。じゃあここで話をすませてから行こう」
アルミン「医務室の使用記録は残るから、後で教官にごまかせるようにしとかないと」
アルミン「いいね?」
アニ「……」
アルミン「今は肯定と受け取るよ」
アルミン「……」
アルミン「ねえ、アニ。さっきのことだけど」
アニ「忘れて」
アルミン「無理だよそんなこと。それに、周りの皆にも聞こえていた。聞き間違いにもできないよ」
アニ「……」
アルミン「さっきミカサに言ってたことは君の本心なの?」
アニ「っ」カア
アニ「そんなわけ…ないじゃん」
アニ「自惚れないでよ。あれは少しミカサにイラついて口から出まかせに言っただけであって、本当のことなんかじゃない。馬鹿じゃないの、信じないでよあんな嘘」
アルミン「そう……嘘なんだ」
アルミン「でも嘘ならさ、なんで君はそんなに動揺しているの?」
アニ「別に動揺なんてしてないよ」
アルミン「僕には君が取り繕っているように見えるよ」
アニ「……っ何?何なの?あんたは私に何を言わせたいの?私にどうしてほしいのさ?」
アルミン「僕は本当のことを言ってほしいだけだ」
アルミン「君がさっきのことを嘘だと言うのも、そんなに必死に誤魔化そうとするような態度を取らなければ信じたさ」
アルミン「アニ、もう一度聞くよ」
アルミン「落ち着いて答えてほしい。さっき言ったことは本当?それとも嘘?」
アニ「……そんなんじゃ……ないって…」
アルミン「……否か応かで答えて」
アニ「……」フルフル
アルミン「……本当のこと、なんだね」
アルミン(まさか……アニが……僕に好意を持っていてくれてたなんて)
アルミン(俄かには信じられない。けど、この様子だと……本当のことなんだろうな)
アニ「駄目だ……私は…」
アルミン「……」
アニ「こんなことしてる場合じゃないのに……何で…どうして…」
アニ「どうすればいいの…私は…昔のように振舞えない……」
アニ「戦士でなくてはならないのに…私は、私は」
アルミン「アニ?」
アニ「あんただって!私のことなんかどうでもいいでしょ?放っておいてよ」
アルミン「どうでもよくなんかないよ!僕は君のこと、大切な友達だと――…あ」
アニ「……とも、だち」
アニ「そう、友達ね……」
アルミン「ア、アニ…」
アルミン(傷付けてしまった。なんて顔をするんだ。そんなに悲しそうな…僕は、君にそんな顔をしてほしくない)
アニ「こんなにショックを受けるなんて……こんな気持ちになるなんて…」
アニ「私はもう戦士でなくなってしまった……」
アニ「……う」
アルミン「……アニ?」
アニ「……」
アルミン(どうしよう。手で顔を覆ってて表情が見えない。なんて声をかけるべきか…)
アルミン「……」
アニ「好きだ」
アルミン「え」
アニ「好きだ」
アルミン「ア、アニ、いきなり何を」
アニ「だから!私はあんたのことが好きなんだよ!ミカサに苛々するほど!目で追ってしまうほど!好きなんだ!悪い!?」
アルミン「わ、悪くはないけど!あ、あに、落ち着いて話を」
アニ「落ち着いてられるわけないでしょ、これが!私にだってわけわかんないのに、色々…色々、頭がこんがらがりそうで、もう何が何だか…」
アニ「わからない……」
アニ「いつから私、こんなにあんたのこと想うようになったんだろう」
アニ「いつの間にこんなに好きになってたんだろう」
アニ「本当、自分が嫌になるよ……」
アルミン「アニ…」
アニ「あんたはどうなの」
アルミン「え?」
アニ「あんたが言わせたようなもんでしょ……あんたはどうなのさ」
アニ「私がこんな風に思ってること」
アルミン「僕は……」
アルミン「ごめん、正直、君は一人の女の子だけど……ずっと尊敬のできる友達だと思ってたんだ」
アニ「そう……まあ、想像の通りだけど」
アルミン「でも気持ちは嬉しいよ」
アニ「やめてよそんな心にもないこと言うのは」
アルミン「そんなんじゃないよ!ちゃんとした本心だ!君が僕を好きでいてくれたことは、その、驚いたし戸惑いもしたけど…嬉しかった」
アニ「……嬉しい?」
アルミン「うん。君ってさ、皆が言うとおり普段は怖い顔してるけど……時々笑うこともあるじゃないか」
アルミン「その笑顔が凄く綺麗で…そんな人に好いてもらえることは男として凄く嬉しいことだよ」
アニ「はは……何それ。振る相手に言う言葉じゃないね」
アルミン「あ……ごめん」
アニ「謝らないでよ。傷つく」
アルミン「あ、うん、ごめ…あ」
アニ「……」
アニ「ねえ」
アルミン「ん?」
アニ「あんたのこと、好きでいてもいい」
アルミン「……えっと」
アニ「別にあんたにどうこうしてほしいなんて言わないから」
アニ「これからも好きでいていい?」
アニ「残念ながら、簡単に諦めきれそうにないんだよ」
アニ「駄目なら駄目って言ってくれていいよ」
アルミン「……」
アニ「どうなの」
アルミン「駄目じゃないよ」
アルミン「アニがそうしたいって言うのなら、、僕はいいよ」
アルミン「僕はそれに応えられないけど…」
アニ「言ったでしょ、あんたにどうこうしてほしいとは言わないって」
アニ「でもそうか……好きでいていいのか」
アニ「……ふ」
アルミン「!」
アルミン(笑った顔のアニ……綺麗だな)
アルミン(できればその笑顔をこんな形じゃなくって、もっと別の幸せな形で見たかった)
アルミン「…………」
アニ「……医務室に行く。もう話はいいでしょ」
アルミン「う、うん……」
>>302
訂正
アルミン(できればその笑顔をこんな形じゃなくって、もっと別の幸せな形で見たかった)×
アルミン(できればその笑顔をこんな形じゃなくって、もっと別の形で見たかった)○
アニ「あんたは戻りなよ。今日は医務官が来てるらしいから、付き添いはいらないって言われると思う」
アルミン「じゃあ……僕は訓練に戻るね」
アニ「ああ……じゃあね」
アルミン(僕は何を考えてるんだ)
アルミン(さっき他でもない自分がアニを振ったのに)
アルミン(僕が彼女を笑顔にしてあげたい、だなんて)
アルミン(どうしてそんなこと思ったんだろう―――…)
ここまで
先月読んだのをふと思い出して検索してみたらまだ終わってなかった
……
アルミン(あれから数日たったけど……)
アルミン(この前のことが昨日のことのように頭から離れない)
アルミン(うう……どうしちゃったんだろう、僕)
ミカサ「今日の訓練ではガスをふかし過ぎていた。それでは残量がすぐになくなってしまう」
エレン「言われなくてもわかってるっつーの。効率の良いスピードの出し方とか自分で色々試してるだけだって。ったく」
ミカサ「……」
エレン「……あ…えーっと」
エレン「まあ……次からは気をつけるか」
ミカサ「!」
アルミン(ミカサとエレンの問題が終息したはずなのに、気疲れがどっと押し寄せてきた気がする……)
アルミン(訓練に支障がでないのが幸いだけど)
アルミン(……それにしても今日の芋は随分と硬いなあ)
ミカサ「アルミン、アルミン」
アルミン「ふ?どうかしたのミカサ」
ミカサ「匙を噛むのは行儀が悪いのでやめた方がいい」
アルミン「へ?…あ」
エレン「なんかさっきからボーっとしてるなお前。どうかしたのか?」
ミカサ「余所見ばかりしてる」
アルミン「なんでもない、なんでもないよ!」
ミカサ「……アニが気になる?」
アルミン「ぶっ!?」
エレン「汚ねぇな」
アルミン「ご、ごめんよ。というかミカサ!何を言ってるんだ君は」
ミカサ「だってさっきからアニがいる方ばかり見てるから」
アルミン「た、たまたま僕が見てた方に座ってたってだけだろ?彼女を見てたわけじゃないよ」
ミカサ「……そう?」
アルミン「そ、そうだよ」
ミカサ「そう……」
アルミン(ミカサが疑いの目を向けてくる……)
アルミン(以前の影響がここまででてるんだなーははっ困ったなあ)
アルミン(……今日はミーナと一緒じゃないんだな)
アニ「?」
パチッ
アルミン(あっ目が合)
フッ
アルミン(!)ドキッ
アルミン(うわわわわ)ドッドッドッ
ミカサ「アルミン、そんなに急いで食べたら喉に詰まらせてしまう」
エレン「なんか最近えらい挙動不審だなあ」
アルミン「ふぐっ!?ごほっごほげほっ」
ミカサ「だから言ったのに……はい」
アルミン「んくっんくっ……ぷはあ!」
アルミン「ありがとうミカサ」
エレン「大丈夫か?」
アルミン「う、うん……考え事しながら食べるのはよくないね!ははっははは」
エレン「……大丈夫なのか?」
ミカサ「……」
ミカサ「アルミン」
アルミン「何かな?」
ミカサ「後で話がある」
アルミン「あ…えっと」
ミカサ「話がある」
アルミン「……うん。わかったよ…」
少ないけどここまで
やることあってしばらく投下できないかもしれない
>>310
ノロノロ展開&投下ですまん
しばらくできないって言ったけど予定が変わって余裕ができたんで投下してく
……
アルミン「……で、話って何かな」
ミカサ「やはりここのところ貴方の様子がおかしいと感じる」
アルミン「お、おかしいって……僕は別段変わったところは何もないよ」
ミカサ「率直に聞こう」
ミカサ「アニが好きなの?」
アルミン「ぶはっ!?」
アルミン「ミ、ミミミカサ何を言って」
ミカサ「違うと言うの?」
アルミン「そうだよ!何を根拠にそんなこと言ってるのさ!」
ミカサ「じゃあ何故そんなにも慌てているの?」
アルミン「それはミカサが急に変なこと言うからじゃないか」
ミカサ「そう」
ミカサ「……」ジッ
アルミン(うわあ…ミカサが懐疑の視線を向けてくる)
アルミン「は、話はそれだけ?じゃあ僕はもう行くよ」
ミカサ「まだ終わってない」
アルミン「ですよね……はは」
ミカサ「気になることがあるのなら解決しておいた方が良い。最近のアルミンは余所見をしていて危ないから」
アルミン「で、でも訓練に影響は出てないだろ?」
ミカサ「否定しないんだ」
アルミン「……あ」
アルミン「……」
ミカサ「食事中も私たちの話なんて全然耳に入ってないようだった」
アルミン「今日は考え事をしていて……」
ミカサ「……」
アルミン「ミカサ?」
ミカサ「気付いてないの?」
アルミン「え?」
ミカサ「今日だけじゃない。最近の貴方はアニの方をとてもよく見ている。すれ違う時も目で追っている」
ミカサ「近くにいると顔が赤くなってる」
ミカサ「あの日から」
アルミン「!」
アルミン「き、気のせい」
ミカサ「じゃない」
アルミン「……」
ミカサ「あの時アニを追いかけてから二人で何を離したのかは知らないけど、戻ってきてから様子がおかしかった。何かがあったのは確か」
ミカサ「よければ……教えてほしい」
アルミン「……」
ミカサ「嫌なら無理強いはしないけど」
アルミン「……」
アルミン「告白されたんだ」
ミカサ「……!」
ミカサ「それはその、追いかけたときに?」
アルミン「うん」
>>323
訂正
ミカサ「あの時アニを追いかけてから二人で何を離したのかは知らないけど、戻ってきてから様子がおかしかった。何かがあったのは確か」×
ミカサ「あの時アニを追いかけてから二人で何を話したのかは知らないけど、戻ってきてから様子がおかしかった。何かがあったのは確か」○
最近誤字多い
ミカサ「それに対してアルミンはどう答えたの?」
アルミン「僕は……ごめんって。アニのことはずっと友達だとしか思ってなかったって……言ったんだ」
ミカサ「…そう」
アルミン「でも、おかしいんだ」
ミカサ「おかしい?」
アルミン「その時のアニが凄く悲しそうで…僕はそんな顔させたくなくって」
アルミン「もっと、笑った顔がみたくて……」
アルミン「……」
アルミン「アニは、これからも僕を好きでいたいって言うんだ」
ミカサ「……それで?貴方は何て?」
アルミン「僕は、アニがそうしたいならいいよって」
ミカサ「気持ちに応える気がないのなら、そこははっきり断った方が相手の為でもあると思う」
ミカサ「誠実ではない」
アルミン「そ、そうだよね、やっぱり…」
アルミン「僕もそう思って、今まで何度か言おうかとも思ったけど……なんでか声をかけられなくってさ」
アルミン「何でだろう」
ミカサ「……」
ミカサ「アルミン」
ミカサ「貴方は今までアニのことを友人だと思ってた」
アルミン「う、うん。今も思ってるよ」
ミカサ「本当に?」
アルミン「……え?」
ミカサ「確かに前までの貴方はアニに対して特別変わった態度をとったりはしていなかった。友人としてのそれだろう」
ミカサ「でも今は?」
ミカサ「今では違うんじゃないの?」
ミカサ「友人ではなく、女の子として……異性として意識しているのではないの?」
ミカサ「あの時、アニに告白されてから」
アルミン「そ、そんな!でもだったら、そうだとしたら、僕がまるで軽い奴みたいじゃないか!」
ミカサ「告白されてから意識が変わることもあると思う……と思う」
アルミン「……随分自信がない言い方だね」
ミカサ「わ、私もこういう……れ、んあいとかよくわからないので」
アルミン「そこ照れないでよ…」
ミカサ「……」モジ
ミカサ「でも、そんな私からもアルミンが変わったように見えるのは、つまりそういうことだと思う」
アルミン「……雰囲気に流されたみたいで嫌だなあ」
ミカサ「別にいいと思う」
アルミン「よくないよ」
ミカサ「アルミン、アニ以外に誰かに告白されたことはある?」
アルミン「ええ!?えっと……一応あるといえばある、のかな…」
ミカサ「あるの!?」
アルミン「ど、どうしたの!?」
ミカサ「ごめんなさい、驚いてしまった……そう、いつの間に」
アルミン「と言ってもちょっと気になるって言われたくらいでちゃんと好きだって言われたわけじゃないんだけど」
ミカサ「そ、そう」
ミカサ「それで……その後、その人のことを目で追ったりとか、気になったりとか何か変化はあった?」
アルミン「特になかったよ。……ねえミカサ、こんなこと聞いて一体何なのさ?」
ミカサ「……アニは気になるのに?その人は何もなかったの?」
アルミン「……そうなるね」
ミカサ「なら、告白されたら誰にでも靡く軽い人というわけではないと思う」
アルミン「……さっきから、ミカサは僕にどうしてほしいのさ」
アルミン「色々言ってるけどさ……目的が見えないよ」
ミカサ「私はただ、アルミンが私にしてくれたように私も何か力になりたいだけ」
ミカサ「答えを見つける力に」
アルミン「ミカサ…」
ミカサ「私からなにか言うのはここまで」
ミカサ「あとは……アルミンが自分で答えを出すべき」
アルミン「……」
ミカサ「!」
アルミン「ミカサ?どうしたの?」
ミカサ「いえ…後ろに」
アルミン「後ろ?」クルッ
アルミン「!」
アルミン「ア、アニ…!?」
アニ「……ごめん、立ち聞きするつもりはなかったんだけど」
アルミン「え、い、今の聞いて……」
アニ「……」
ミカサ「……私は先に戻ろう」
アルミン「え!そ、そんなミカサ!」
アルミン「……行っちゃった」
アニ「……」
アルミン「……えっと」
アルミン「とりあえず……座ろうか」
……
ミカサ(「……あれから随分時間が経つけど…二人はちゃんと話せてるだろうか)
ミカサ「……」
ミカサ(今は何時だろう。確か机の上に…懐中時計があったはず)モゾモゾ
ガチャ
ミカサ「!」
ミカサ「アニ…!」
ミカサ「話は済んだの?」
アニ「ああ…まあ」
ミカサ「そう」
アニ「……」
ミカサ「……」
アニ「…………あのさ」
ミカサ「何?」
アニ「……いや、何でもない」
ミカサ「……」
アニ「……あの」
アニ「…………きあうことになった」
ミカサ「え?ごめんなさい、よく聞こえなかった」
アニ「だからっ……アルミンと、その……そういうことになったから」
ミカサ「そういうこと、というのは…?」
アニ「っ……わかるでしょ?」
ミカサ「つまり……二人は恋人同士に?」
アニ「……」カアアッ
アニ「……」コクリ
ミカサ「!」
ミカサ「それは!その……おめでとう」
アニ「……どうも」
ミカサ「……」
アニ「……」
ミカサアニ「「あの」」
ミカサ「あっ……何?そっちから話して」
アニ「いや、あんたからでいいよ」
ミカサ「じゃあ……」
ミカサ「その……今まですまなかった」
ミカサ「色々と…ごめんなさい」
アニ「何が」
ミカサ「アルミンと私の仲に焼きもちを焼いていたとは知らなかったし、その、ミーナのことも」
アニ「べ、別に焼きもちなんか焼いて!」
ミカサ「……」
アニ「……たけど」
ミカサ「ミーナとはあれから何か話したの?」
アニ「え?ああ、まあ」
アニ「……ミーナが最近やけにあんたに近寄ってたのはさ、あんたと私の仲が悪いから……どうにかしてやりたかったらしいよ」
ミカサ「どういうこと?」
アニ「前にもあったでしょ?訓練で私たちがやり合ったことが」
アニ「それで仲が悪いんだと思って、どうにか仲好くさせてやりたかったみたい」
アニ「そのためにはまず、ミーナ自身がミカサをよく知ることが必要だとかなんだとか。何か色々言ってたけど」
アニ「まったく、大きなお世話だよ」
ミカサ「それでアニは拗ねてたし」
アニ「だから!拗ねてなんかな」
ミカサ「……」
アニ「……くはないけど」
アニ「……」
アニ「私もさ、悪かったよ」
アニ「なんか意地になってたし、色々あって変なこと考えてた」
ミカサ「……うん」
アニ「……」
ミカサ「……」
アニ「えっと……」
ミカサ「……」
アニ(なんか凄く)
ミカサ(気まずい)
アニ(今まで仲悪いっていうか……色々あったから)
ミカサ(距離の取り方がわからない)
アニ(ミーナも私たちに仲好くいしてほしいみただし……少し話をしてみるのも悪くないか)
>>341
訂正
アニ(ミーナも私たちに仲好くしてほしいみたいだし……少し話をしてみるのも悪くないか)
アニ「えっと、あのさ。……もう少し二人で話さないかい」
ミカサ「!」
ミカサ「ええ」
アニ「……」
ミカサ「……」
アニ(何を話そう)ソワ
ミカサ「あの、アニの方から何も話すことがないのなら……私も聞きたいことがある」
アニ「何?」
ミカサ「アルミンのこと」
アニ「」
アニ「はッ!?馬鹿なにを!」
ミカサ「好きといのはどういう気持ちなのか…だとか、どんなところが好きなのだとか、気になることが沢山ある」
アニ「沢山って…遠慮ってもんを知らないのあんた」
ミカサ「それと、アニのこと」
アニ「え」
ミカサ「以前のことがあってから……アニのこと、知りたいと思った」
ミカサ「貴方のこと……教えて?」
アニ「あっえっと…」
アニ「う、うん……」
……
翌日
エレン「今日は快晴、良い訓練日和だな!」
アルミン「エレン、やけに元気がいいね」
エレン「まあな。今日は身体の調子がすっげー良いんだよ」
アルミン「そうなの?でも、あまり調子に乗らないでくれよ」
エレン「わかってるって。お前までミカサみたいなこと言うのな」
アルミン「あっごめん」
エレン「気にしてねえよ。さて、訓練を始めるか!」
エレン「今日はライナーとやるつもりだったんだけどな」
アニ「私じゃ不満?」
エレン「いやそんなことはねえよ。さっさと始めようぜ」
アニ「……」スッ
エレン「……」スッ
エレン「あっそういえばお前さ」
アニ「?」
エレン「昨日聞いたんだけど」
アニ「!?」
エレン「お前、アルミンと―」
アニ「ふん!!」
エレン「ぐぉお!!??」
ズサーッ
アニ「訓練中に私語なんて随分余裕じゃないか」ググ
エレン「ちょ、俺まだ何も言ってな」
アニ「言いかけてたでしょ?」ギチギチ
エレン「ぐっ苦しっ…!降参!降参だって!ていうかこのやりとり何回目だよ!!」
アニ「あんたが悪いんだよ。学習のしない奴には制裁が必要だね」ギギギ
エレン「せ、制裁って……!ちょ、マジで降参だって……!」
エレン「ア」
ミカサ「アニ!」
アニ「!」
エレン「ごほっはぁ……はぁ」
エレン「ミカサ?」
アニ「何?また訓練の邪魔するつもり?」
「やべえぞあの二人が……」
「げっまたかよ!?」
ザワザワ
ミカサ「そうじゃなくって…その……」
ミカサ「私にも……それ…教えて……」
ミカサ「…」ポッ
エレン「!?」
アルミン「!?」
「「「「「!!??」」」」」
ジャン「なっなあマルコ……これは俺の気のせいかもしれないが……ミカサの顔がやたらと赤いように見えるんだが」
マルコ「ああジャン奇遇だね…実は僕にもそう見えるんだ」
ジャン「じゃ、じゃあ」
マルコ「間違いない……あれはまるで……」
アルミン「恋する乙女みたいじゃないか!?」
エレン「な、何言ってんだよアルミン」
アルミン「だってあんな表情のミカサ…見たことないじゃないか!」
エレン「た、確かに様子はおかしいけど何もそんな…」チラッ
ミカサ「……」モジ
エレン(!?)
エレン(な、なんだよその顔は!?)
エレン(お、お前、駄目だろ……)
エレン(いくら女相手でも他の奴にそんな目向けるのはダメだろ……や、やめろよ…)
エレン(お前がそんな顔見せる相手は俺だけでいいだろうが!)
アルミン(ミカサの様子が凄くおかしい!一体昨日何があったんだ!?)
アルミン(で、でもまあ二人が仲良くなったのは良いこと……)チラ
アニ「……いいけど」カアッ
アルミン(はっアニ!?)
アルミン(アニまでミカサみたいになっている!?)
アルミン(やめてよアニ!そんな……僕が好きなんでしょ!?僕だけを見てよ!アニ!アニー!)
エレンアルミン「嘘だろぉーーー!!!」
おわり
本編は終わり
キャラ達が色々語っちゃったりしててはずかしいんでまとめは勘弁してください
エレミカ、アルアニ、アニミカ、ミカアニを書きたいと思って書き始めたけどいきなり付き合ってるのはおかしいんでその過程をつけ始めたらこっちが本編になってた
なのでここで一区切りをつけて次からおまけという名の第二部をだらだらと投下していくよ
今日はもう寝る
読んでくれてありがとう
エレンとミカサっていつ付き合ってたんだろう
>>356
二人は付き合ってない。それについてはおまけで言及するつもりで書いてたんだ
分かり難くて申し訳ない
このSSまとめへのコメント
わお 二人(ミカサとアニ)の話し合いで何があったんだ…下ネタだが、ほ、本番ってことはないよな…