兄「妹が離れない」 (127)
友「二次会どうする?」
女1「カラオケ~」
女2「ガッツリ飲めるとこで!」
兄「あー、すまん。俺帰るわ」
友「は? 付き合い悪くね?」
兄「俺にも色々あるんだよ。じゃあな」
兄(俺だって帰りたくねーよ、クソが)
妹「あ、おか、おかえりげほ、ゲホゲホッ!」
兄「うっせえな」
妹「ごめ、ごめんね、今日初めて喋ったから」
兄「飯は?」
妹「まだ」
兄「一食もか?」
妹「え、えへ、兄さんのご飯食べたくて」
兄「……」
妹「はふ、ふー」 ズルズル
兄「……」
妹「に、兄さんの分は?」
兄「食って来た」
妹「そ、そうなんだ」
兄「お前いつまでウチにいるんだ?」
妹「え」
兄「いい加減実家に帰れよ」
妹「……」 シュン
兄「何か言えよ」
妹「あ、うう」
兄「喋れ」
妹「か、帰らなきゃ、だ、ダメ?」 チラッ
兄「居座る気かよ」
妹「な、何でもするから」
兄「お前に何ができるわけ?」
妹「あう」
兄「お前これからどうするつもりなの?」
妹「ど、どうって」
兄「高卒でニートやってくの? その先は?」
妹「……に、兄さんの……お……お……」
兄「俺に寄生してくわけ?」
妹「ひう」
兄「自立しろよ、お前。どうしたいんだよ、この先」
妹「……」
兄「俺みたいに大学行きたいわけでもないんだろ?」
妹「……」
兄「だ、か、ら、黙るな!」
妹「ひっ、ご、ごめんなさい……」
兄「で、どうするの?」
妹「……どうすれば、いいんだろ」
兄「どうしたいんだよ?」
妹「ここに、いたい」
兄「……」
妹「ダメ?」 チラ
兄「あー、わかった。とりあえずお前、働け」
妹「ええええええええええええええええええっ!」
兄「うっせーよバカ!」
妹「む。無理、無理!」
兄「なんでだよ?」
妹「……だって」
兄「だって?」
妹「兄さん以外の、男の人……怖いし……」
兄「……」
兄「これを見ろ」
妹「これは・・・、なにこれ。脅迫文?」
兄「そうだ。俺は狙われてるんだ」
妹「だったら・・・私がお兄さんを・・・」
兄「守るとでも?」
妹「わ、私みたいな、貧弱な人がいたら、邪魔、だし……」
兄「言い訳だろ」
妹「うぅ」
兄「働け。でなけりゃ帰れ」
妹「……」
くぅ~w
兄「うぃっす」
後輩「あ、兄さん。おはようございます」
兄「おはよ、後輩ちゃん。問題なし?」
後輩「はい。今日は変なお客さんもいないですし、大丈夫です」
兄「何かあったら言ってね」
後輩「もう、やめてくださいよ。私だってもう先輩なんですからね」
兄「悪い悪い、ついな」
後輩「何か良い事ありました?」
兄「ん、何が?」
後輩「機嫌良さそうですから」
兄「後輩ちゃんになら言っていいかな」
後輩「え、告白ですか?」
兄「していいの?」
後輩「ダメです♪」
兄「だよねー」
兄「いや今さ、うちに妹がいるんだよね」
後輩「やっぱり妹さんいるんですねー」
兄「やっぱりって?」
後輩「なんとなく下の子いるんだろうなーって思ってたので」
兄「後輩ちゃんは、一人っ子?」
後輩「いえいえ。下に弟が一人」
兄「見えないね」
後輩「それって頼りないってことですかぁ?」
兄「秘密」
兄「で、今妹と一緒に住んでるんだけど、こいつが働かないんだよ」
後輩「おいくつですか?」
兄「19。無理に働けとも思わないけど、何もしてないんだよね」
後輩「あー。ヒキコモリさんですか」
兄「しかも籠もり先は俺の部屋」
後輩「ブラコンですね」
兄「なのかね」
後輩「で、お兄さんはシスコンと」
兄「ないない」
後輩「部屋に来た妹を追い出さない時点で、充分シスコンですよ」
兄「後輩ちゃんだって弟が来たら追い出せないだろ?」
後輩「ふふっ、そういう風に見えます?」
兄「……マジで?」
後輩「はい。追い出しますよ。私、結構怖いんですよ?」
兄「意外だわ」
後輩「ふふふー、魔性の女ですから」
兄「気を付けよっと」
後輩「それで、その妹さんがどうしたんですか?」
兄「昨日、仕事探せって言っておいたんだ」
後輩「ヤル気になりました?」
兄「多分ね。これで少しは大人になってくれるといいんだけどな」
後輩「本当にそうなったら寂しい癖に」
兄「後輩の癖に生意気な口叩くじゃないか」
後輩「私だってもう先輩なんですからね」
兄「俺にとっては、お前は十年後も後輩だ」
後輩「年功序列って厳しいです……」
妹「……」 アセアセ
兄「……」
妹「は、働こうと思ったの」
兄「ほう」
妹「……思ったの」
兄「へー」
妹「……だ、だって、履歴書って難しいんだもん」
兄「だからって十枚も二十枚も失敗するもんじゃないだろ……」
妹「う、うぅ」
兄「バイト上がりで疲れてるってのに……」
妹「ご、ごめんなさい」
兄「残り何枚だ?」
妹「え?」
兄「何枚あるんだよ?」
妹「ご、五枚……」
兄「十分だな」
兄「ここに名前書け。漢字でだ」
妹「うん……」
兄「シャーペンで書くな!」
妹「ひぇ!」
兄「はぁ、ほら、ボールペン」
妹「う、うん」 カキカキッ
兄「学歴も書いたし、後は志望動機か」
妹「あ、これ書ける」
兄「待て。なんて書くつもりだ?」
妹「え? 兄さんが働けって言ったから」
兄「お前は仕事を舐めてるのか」
妹「な、なんで?」
兄「こういうのはな、もっと尤もらしい事を書いておけばいいんだよ」
妹「う、うん」
兄「社会経験とか書いとけ」
妹「……」 カキカキ
妹「で、できた!」
兄「待て。ここ、数字が間違ってる」 スッ
妹「ふぁ、あぅ!?」 ビクン
兄「あ?」
妹「ち、ち、近い……」 ワタワタ
兄「何が?」
妹「あう、うぅ……」
兄「あー、もういいからここ線引いて直しとけ」
兄「これで完成。どうせ一枚じゃ足りないんだから、これ見本として置いとけよ」
妹「う、うん……ありがとね、兄さん」
兄「あ?」
妹「い、いつも迷惑掛けて」
兄「慣れた」
妹「い、いつか、私、恩返しするから」
兄「お前は鶴かよ。いいからネットやらないで早く寝ろ」
妹「うん……」
妹「……しし、失礼しまひゅ」 ドキドキドキドキッ
「あー、面接の人?」
妹「ひゃ、はい」 コクリ
「あっそう。履歴書出してくれる?」
妹「……」 スササッ
「どうも。……ふーん、妹さん」
妹「は……はい……」 ゴクリ
「……志望動機に社会経験ってあるけど、具体的にうちで働いてどうしたいの?」
妹「あ、え、えと、社会で、経験を……」
「それは書いてあるから分かってるわけ。積んで? それで?」
妹「あ、う、うぅ……」 アセアセ
「あのね、とりあえずこう書いておこうとか、そういう意識の低い子はいらないの」
「君、うちで働いてもすぐやめるでしょ?」
「バイトだからってそういう気分で来られると困るんだよね」
「それに君、化粧してる? 少しは身嗜みに気を付けて貰わないと」
「はぁ。はいこれ、履歴書。持って帰ってください。面接は終わりです」
「……泣かれても困るよ」
妹「うぐっ、うっ、うぅ……」 ズルズル
兄「……」
妹「おが、おがえり……なざい……」 ボロボロ
兄「ああ、ただいま」
妹「うぐ、うぅ」 ズルズル
兄「鼻水くらいティッシュで拭けよ……お前一応女だろ……」
妹「ら、らって……ティッシュ、切れてるんだもん……」
兄「棚に買い置きあるだろ!」
妹「じらない」
兄「ほらタオル、顔拭けよ。汚いんだよ」
妹「……」 ゴシゴシ
兄「……」
妹「ん、ありがと」
兄「ああ」
妹「……」
兄「髪、ぐしゃぐしゃだな」
妹「ん……」
兄「櫛は?」
妹「鞄の中……」
兄「梳くぞ」 スサッ
妹「ん」
兄「……」 スサッ スサッ
妹「……」
兄「で、どうしたんだ?」 スサッ
妹「い、いっぱい、怒られた」
兄「誰に?」 スサッ
妹「め、面接の、人……こ、怖かった……」
兄「……」 スサッ
兄「あれから3年か……」
三年前の夏、妹は突然自殺した。
理由は分からないが、きっと俺が突き放したことによるものなのだろう。
ズリッ ズリッ
夕方になると這い寄る暗い影。
俺はそいつに歩調を合わせ、家路を急いだ。
兄「……今日は麻婆豆腐にしようと思う。 お前好きだったもんな」
俺はその影を振り切らない。
今度は大切な"妹"を一人にするわけにはいかないのだから。
おわり
妹「そ、それに、ブスだって言われた」
兄「それ、どこだ?」
妹「コンビニ」
兄「お前に、ブスだって言ったんだな?」
妹「……あ、け、化粧してないからブスだって」
兄「言ったのか?」
妹「……言ってないかも」
兄「どっちなんだよ、ったく」 スサッ
>>52
元ネタ貼れ
読んでやるから
>>54
さっき適当に書いた
妹「……」
兄「面接、嫌になったか?」
妹「……追い出す?」
兄「まだ考え中」
妹「う、うぅ」
兄「……まあ、頑張ったよ」 ポンポン
妹「え?」
兄「たまたま嫌な奴が面接官だっただけだ。お前は悪くない」 ナデナデ
妹「……ん、うぐぅ、うぐぅぅ……」 ゴシゴシ
後輩「またボーっとしてますね、兄さん」
兄「ん? ああ」
後輩「当てましょうか、妹さんの事ですね」
兄「お前はエスパーか?」
後輩「いやだって、兄さんシスコンじゃないですか?」
兄「俺は認めてねえ」
後輩「またまたー。妹が可愛くて仕方ない癖に」
兄「はぁ……」
後輩「……深刻な悩みですか?」
兄「大した話じゃないんだけどな」
後輩「それでも悩んでるんですよね?」
兄「……妹がさ、面接行ったんだよ」
後輩「頑張りましたね」
兄「そこは俺も誉めてやったさ」
後輩「シスコンですね」
兄「誰か俺を誉めてくれないもんかねぇ……」
後輩「上の兄姉なんて報われないもんですよ」
兄「あー、まあ、その面接でボロクソに言われたみたいでな」
後輩「はい」
兄「……」
後輩「え、それだけですか?」
兄「それだけで飯も食べないくらい落ち込んでるから困ってるんだろ……」
後輩「兄さんの妹さん、人に触られただけで死ぬ小動物か何かですか?」
兄「お前結構口悪いのな」
後輩「私清純派で売ってるんですからやめてくださいよ」
兄「妹も、お前くらい図太けりゃいいんだけどなぁ」
後輩「結局兄さんの悩みってそれで終わりですか?」
兄「……まあ」
後輩「そのくらい、適当に励ましておけばいいじゃないですか」
兄「それはやったし、そういう話じゃなくてだな」
後輩「……?」
兄「……このまま面接受けさせてたら、その内、妹が自殺とかしそうで怖い」
後輩「あなたは過保護な親ですか?」
兄「俺ってシスコンなのか?」
後輩「今まで自覚なかったんですね……」
兄「あぁぁ……」
後輩「ていうか簡単じゃないですか」
兄「あん?」
後輩「面接やめさせちゃえば丸く収まるでしょ?」
兄「……死ぬまで面倒見てやれるわけじゃないのに、捨て猫に餌やるのは虐待だろ」
後輩「ん?」
兄「妹には妹の人生があるんだから、俺が半端に構ってやるのは、邪魔にしかならないだろ」
兄「俺はな、自立して欲しいんだよ。あいつがあいつなりに、あいつの望む人生が送れるように」
兄「お前も弟がいるなら分かるだろ? 家族には幸せになって欲しいんだよ」
兄「……あー、忘れろ。いらん事言った」
後輩「……私、兄さんみたいなお兄ちゃん欲しかったなぁ」
兄「な、なんだよ、それ」
後輩「別に、何でもないですよ。ただそう思っただけです」
傘閉じるたびにゲリラ豪雨が降り出す事四回目、
プッツンして膝で傘を叩き折った途端に雨が止まなくなった時の顔
後輩「ねえ兄さん、ここ、どうですか?」
兄「あん?」
後輩「この店ですよぉ。妹さんが働くにはいいんじゃないですか? 私達でフォローできますし」
兄「確かに、一人で働かせるよりは安心できるけど」
後輩「今人員に空きありますし、妹ちゃん、入れてもらったら?」
兄「……俺らに決められる事じゃないだろう」
後輩「どうでしょ? 私達二人が抜けたら、この店、回らなくなりますよ?」
兄「いや、うん……まあ、確かに」
後輩「店長に直接話通せばいけませんか?」
兄「いけるだろうけどさ、後輩ちゃんにメリットないだろ」
後輩「私、そんなに打算的な女に見えますか?」
兄「そういう話じゃなくてさ、俺一方的に迷惑掛ける事になるだろ?」
後輩「貸し1ですよ。さっ、店長の所に行きましょ!」
ほう
後輩「……」
兄「何だよ?」
後輩「もっと良い条件、引き出せましたよ」
兄「こっちは頼む側だぞ?」
後輩「いいんですよ、あんなハゲ」
兄「おいおい」
後輩「だって兄さんの時給減額っておかしくないですか?」
兄「余計な人件費使わせるんだから仕方ない。うちの妹、ちょっとアレだし」
後輩「そんなの関係ないでしょ! 正当なお給料貰うのは労働者の権利ですよ!」
兄「熱くなりすぎ、ていうかキャラ変わってないか?」
後輩「……」
兄「猫かぶり」
後輩「違いますぅ!」
兄「……」
妹「はむ、むぐ」 モグモグ
兄「はぁ~」
妹「……」 ピタ
兄「……はぁ~」
妹「……?」
兄「……はぁ~~」
妹「……」
兄「……」
妹「ど、どうしたの?」
ふむ
兄「あ? ああ、今うちの店な、人手不足なんだよ」
妹「う、うん」
兄「本当、誰でもいいから人手が欲しい状態でさ」
妹「うん」
兄「俺も忙しくて疲れててさ」
妹「ん」
兄「すげえ困ってるんだよ」
妹「に、兄さん……」
兄「あん?」
妹「……か、肩、揉む?」
兄「違ぇだろ!」
妹「ひっ!」
妹「な、何?」
兄「あー、もういいわ。あのさ、お前うちで働けよ」
妹「に、兄さんの店?」
兄「俺がオーナーみたいだろ、それじゃ」
妹「……い、いいの?」
兄「もう話は通してある」
妹「迷惑、じゃない?」
兄「お前でもいないよりマシだろ」
妹「た、多分?」
兄「努力しろ」
妹「う、うん……が、が……頑張る!!」
兄「おう」
妹「あ、あの、い、妹です、よろひ、よろひく、お願いします……」 ビクビク
後輩「噂通りの子ですね」
兄「そうだろ」
妹「あ、う……」
後輩「妹ちゃん、よろしくね。私は後輩、あなたの先輩だよ。で、兄さんの後輩」
妹「え、えと」
後輩「私は長女で、妹ちゃんが次女、兄さんが一番上のお兄ちゃん。おっけー?」
兄「勝手に血縁に割り込むなよ」
後輩「いいじゃないですか、少しくらい。私、妹が欲しかったんですよぉ」
兄「兄貴が欲しかったんじゃないのかよ?」
後輩「私、欲張りなんです」
妹「……」 キョロキョロ
兄「お前に任せるのが不安になってきた」
後輩「それ酷くないですかぁ?」
兄「うちのに変な事教えるつもりだろ?」
後輩「またシスコンですか? 勘弁してくれませんか」
兄「ああ? お前本当に生意気になったな」
後輩「大事な妹は私の手の中ですよ、先輩」
兄「だから余計な事言うんじゃねえよ」
妹「あ、あの、仕事は?」
兄「あ? ああ、後輩に聞いとけ」
後輩「何さらっと呼び捨てにしてるんですか?」
兄「ちゃんって性格かよ。お前なんて後輩で十分だ」
後輩「酷い!」
兄「ま、とにかく教育係はお前に任せたからな」 スタスタ
後輩「本当に、勝手な人ですね」
妹「な、仲……良いんですか?」
後輩「……気になる?」
妹「ちょ、ちょっとだけ」
後輩「ふふふふふ、教えなーい」
妹「な、なんか、意地悪……です……」
後輩「人にはいくつもの顔があるものなのだよ」
妹「……」
後輩「なーんてね、ほら、仕事始めるよ」
妹「は、はい!」」
後輩「基本私ら接客業だから、愛想さえしっかりしてれば案外問題ないものよ」
妹「ひゃ、はい!」
後輩「いらっしゃいませー!」
妹「いらひひゃひ、ひゃ、まませー!」
後輩「……そういう冗談いらない場面ね」
妹「いらは、いらひゃ……う、うぅ」
後輩「まずは普通に言ってみよっか。いらっしゃいませ」
妹「い、いらっしゃ、いませ」
後輩「おっけー。それをすこしずつ大きな声で」
妹「いらしゃ、いませ、いらっしゃ、いませ、いらししゃ、しゃ……うぐぅぅ」
後輩「んー、愛がないなぁ」
頭が繋がった奇形児のことかと思った
後輩「例えばさ、お客さんが兄さんだったらどうする?」
妹「兄さん……」
後輩「おかえりなさいって言うでしょ?」
妹「い、言います」
後輩「それと同じ。いらっしゃいませはおかえりなさい。それくらい気持ちを込めて」
妹「……」 ギュッ
後輩「いい? いらっしゃいませー!」
妹「い、いらっしゃいませぇぇ!」
後輩「やればできるじゃないの。もう一回!」
妹「いらっしゃいませぇぇ!」
後輩「……お兄ちゃん大好き」 ボソッ
妹「お兄ちゃん大好、ういぃ!?」
後輩「可愛いなぁ、もう」
兄「で、今日はどうだった?」
妹「ずっと……挨拶……してた……」
兄「喉ガラガラだな」
妹「ん……」
兄「楽しかったか?」
妹「よく、分かんない。でも」
兄「でも?」
妹「後輩さんは……少し、好き……かも」
兄「へー」
兄「昨日はずっと挨拶だったって本当かよ?」
後輩「また妹の心配ですか?」
兄「どっちかと言えば、お前の監視だな」
後輩「妹ちゃんの場合、まず人に心を向ける練習が必要なんです」
兄「人に?」
後輩「接客向きの性格じゃないですけど、そこら辺は慣れもありますから」
兄「まあな」
後輩「人間関係は挨拶からですから、練習は大事ですよ」
兄「ふーん。、ま、いいよ、教育係はお前だしな」
後輩「心配で仕方ない癖に」
兄「うっせーよ。足手纏いがいない間に仕事片すぞ」
友「兄~、今日暇?」
兄「バイト」
友「お前最近バイトばkkじゃね? 付き合い悪っ」
兄「忙しいんだよ」
友「たかがバイトだろ、サボれよ」
兄「そーいうのはねーの」
友「はぁ? 何、お前真面目ちゃん?」
兄(こういう所、本当合わねーな)
友「とにかくさー、人数揃わないと困るんだよ」
兄「無理なもんは無理だ」
友「……ちっ、あーあ、白けるわ、マジで」
後輩「おはようございます、お兄ちゃん」
兄「いつから俺がお前の兄ちゃんになったんだよ」
後輩「違うんですか?」
兄「両親に聞いて来いよ」
妹「に、兄さん、兄さん!」
兄「あ、何?」
妹「お、お客様の応対、ちゃんと出来ますした!」
兄「へー」
後輩「嬉しんですよね?」
兄「は? 誰が?」
後輩「素直になればいいのに」
兄「だから余計な事言うなっつーの」
妹「……いいなぁ」
兄「何が?」
妹「え、う、ううん、別に」
後輩「嫉妬した?」
妹「ち、違います」
後輩「ほんとにぃ?」 ムニムニ
妹「うぅ」
兄「おい」
後輩「お兄さんの嫉妬は分かり易いのよね」
兄「はぁ!? 誰が嫉妬してんだよ!」
妹「わ、私も、後輩さんみたいに……兄さんと、色んな事、話せたらいいのに、て」
兄「……」
後輩「ください」
兄「あ、何を?」
後輩「妹さん私にください」 ギュッ
妹「え?」
後輩「大事にするから、一生大事にするから!」
兄「おいふざけんなよ、やれるか!」
後輩「やだ! 弟あげるから! 可愛くない弟あげるから!」
妹「え、え、え……」 オロオロ
兄「あーもう仕事しろよ、お前!」
友「あ、暇そうじゃん」
兄「……あー、いらっしゃいませ。何かご用でしょうか」
友「別に客じゃねーよ」
兄「んじゃ何の用だよ、お前基本ここ来ないだろ?」
友「忙しいっつーから見に来てやったんだよ」
兄(なんか話してて苛々するんだよな)
後輩「兄さん、店長呼んでますぅ」
兄「はーい! 悪いな、仕事だ」
友「あ? 仕事と友達、お前どっちが大事なんだよ」
兄「仕事だろ」 タッタッタッ
友「お前マジ空気読めねえな、おい!」
兄「あれ、店長は?」
後輩「嘘ですよ」
兄「やっぱそうか。ありがとな」
後輩「ところで何ですか、あのウザさの塊みたいな人」
兄「そういう奴だよ」
後輩「兄さん、よく付き合ってられますね」
兄「別に、上辺で付き合うには楽だからな」
後輩「その割には面倒臭そうでしたね」
兄「……最近苦手なんだよ、そういうの」
後輩「私とは上辺ですかぁ?」
兄「やめろよ、その喋り方」
後輩「ふふふ、上辺男も私に掛かれば形無しですよ」
兄「うっぜーな……」
妹が目をつけられる展開だろ?この清々しいほどのクズに
これより後輩の弟(柔道部)×友の濃厚なホモシーンを予定していたのですが、
作者急病のため打ち切りとさせていただきます。
>>112-113
友「妹ちゃん、俺と遊ぼうぜぇ……」
妹「お兄ちゃん助けて!」
兄&後輩『オラァッ!!』
兄「全くしょうがねぇなお前は」
後輩「もう大丈夫だからね」
妹「怖かったよぉ…」
友「お、お前らどうして」
後輩「兄先輩と妹ちゃんを囲うハーレム計画を邪魔する邪念を感じたからですが」
兄「やだこの子怖い」
友「俺をどうする気だ!」
後輩「やりたいんでしょう?代わりの相手を紹介してあげます。ただし」
後輩弟「うっす」
後輩「男ですが」
後輩弟「姉さんありがとう。外見だけは超好み」
後輩「またこないだみたいに三日で壊さないでよ」
友「俺のそばに近づくなァーッ!!」
こうですかわかりません
>>95
「お兄ちゃん、ずっと一緒だね、えへへ」
妹は俺を見上げ朗らかに笑っている。
そして俺の左手に絡みついた妹の腕……そしてその皮膚は俺の左手と癒着しているのだ。
事は一週間前、妹の告白を断ったことから始まる。
それから毎日妹のスキンシップが続き、そして今朝……
俺の隣で寝ていた妹の腕が俺の腕と物理的融合を果たしていた。
「おかあさん! 何でお医者さんに行くの!」
「いいから、来なさい」
「私このままがいい! ずっと、お兄ちゃんといたい!」
おわり
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません