男「俺が、ヒーロー?」 (4)

女「はい、この度男さんを正式に我が『ヒーロー株式会社』へスカウトしに参りました、
   ヒーロー株式会社・宣伝広報担当・コードネーム『パンダ』こと女でございます。以後お見知りおきを」

男「待ってくれ。ああ、あんたらの会社は知ってる、世界規模の一大有名企業だからな」

女「世界を平和にするために、空き巣確保から戦争の終結まで、
   ありとあらゆるヒーロー的活動を行うのが『ヒーロー株式会社』です」

男「そうだよな、で、なんでそんな所が俺をスカウトしにくるんだよ」

女「先日、我が社の持つヒーロー級スーパーコンピュータ『脳星』が男さんをA級ヒーローと任命したのです」

男「は、ハア!? なんだそりゃその機械ぶっ壊れてんじゃねえのか!?」

女「いいえ、彼は少しでも自身に異常が見つかれば、
   独断で自殺するようにプログラミングされているのでぶっ壊れているということはありえません」

男「だとしてもだ、あまりにも信じらんねえよ俺がヒーローなんて!
   俺は今まで普通に生活してきたただの一般人だぞ!?」

女「『覚醒』していなくとも、男さんの中に確かに眠るヒーロー因子の鼓動を『脳星』が感じ取ったのです」

男「ヒーロー因子? 俺の中に……? それを機械が感じ取ったってのか?」

女「……ええ。なぜならあなたは、ヒーローなのですから」

アイロンボット「そうだお前はここで死ぬんだよヒーローさん!」

女「さあてどうしましょうか、思いの外男さんのヒーロー因子はお寝坊さんみたいですね」

お、おいあの怪人、人間襲ってるぞ!?

どれどれ俺にも見せてくれ!

大丈夫かあの人?

女「仕方ありません、これが切っ掛けになれるかどうかはわかりませんが、
   ヒーローという者、守るべき相手がいて初めて力を発揮するもの」

アイロンボット「ちっ、小汚ねえ人間どもがぞろぞろ集まってきやがったぜ……」

男「あ、おい! そこにいるあんたら見てないで俺を助けてくれよ! 俺一般人なんだよ!」

女「……期待は薄いですがやるだけやってみましょう。ああ、恥ずかしい、けどやるしかない」

俺友達呼んでくる!

これ間近で『英雄』の活躍見れるんじゃねえか!?

俺、ヒーローと怪人の戦闘なんてテレビでしか見たことねえぞ! 俺も友達呼んでこよう!

女「……こほんっ。ヒーロースキル発動! 『ヒーロー的舞台創造(ギャラクティカ・ロマンチズム)』!
   『はーいみんな集まってー!!! ヒーローショーの時間だよー!!!』」

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