猫「ゴホン…ところでさ」

幼馴染「なに？」

猫「どうしてこうニャったとか聞かないの？」

幼馴染「だっていつもベタベタしてたし」

幼馴染「いつかこうなると思ってた」

男「ん～にゃむ」ｺﾞﾛｺﾞﾛ

猫「俺どんだけ猫好きだって思われてんの…」

幼馴染「海より深すぎて地殻突き抜けちゃうくらい」

猫「うそ、あれくらいが普通だろ？」

幼馴染「いくら猫好きでも、学校に連れてきて」

幼馴染「一緒にお昼ご飯とかはないと思う」

猫「そうかニャぁ…」

猫「まぁ俺の猫好きニャとこは置いといて…」

猫「ニャんでこうなったか聞きたくニャい？」

幼馴染「聞きたくない」

猫「ニャんで！？」

幼馴染「不純異種交遊の至りだって思うから」

猫「俺にそんな趣味はニャいよ！」

猫「まぁでも、俺と猫がラブラブだったことはいニャめないニャ」

猫「とにかく、語らせてもらおうか」

幼馴染「ええー…そんな、いいよ…」

猫「聞く前から引くニャ！」

猫「まったく…これは昨日の晩のはニャしニャ」

～昨晩～

男『猫ぉ～～相変わらずおまえはかわいいなぁ！』ﾅﾃﾞﾅﾃﾞｽﾘｽﾘ

男『よし、今日も一緒に寝るか！』ｽﾘｽﾘﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

猫『にゃん♪』

俺はいつもどおり、そう、いつもどおり愛しい猫ちゃんを愛でていたニャ

　　ちょっと気持ち悪い

そういうこと言われるとすごくかニャしい…

…ｺﾎﾝ、そして

男『あったかいお！猫ちゃんのおかげでぬくぬくだお！！』ﾓｻﾓｻ

男『あああ猫ちゃんのおかげであったまったお布団！』

男『まるで猫ちゃんに包まれているみたいだあぁ！』

猫『……』ｽｰｽｰ

　　もうやめて、ほんとに気持ち悪い…

気持ち悪くニャいでしょうよ！

そしてそのまま寝ちゃったんだけど

朝起きたら…

猫『ふにゃあぁぁ…』ｺﾞﾛﾝ

猫『おはよう猫ちゃん…』ｽｯｸ

ｽﾞﾃｯ

猫『うにゃうっ！』ｺﾞﾛﾝ

猫『なぜまともに立てニャい…はっ！』

猫『猫ちゃんの尻尾！』

猫『なんだ～後ろに隠れて、そんニャに恥ずかしいか～！』

猫『待てー！』ｸﾞﾙｸﾞﾙｸﾞﾙｸﾞﾙ

二足歩行できずに気が動転して、猫ちゃんの幻覚を見てしまったんだ

　　なんというかあっという間に四足歩行に順応してるじゃん、すごい

そうだろう、で、そのうち自分で猫ちゃんにニャってることに気付いて…

猫『そんニャ…俺が猫ちゃんに…』ﾜﾅﾜﾅ

猫『わ…わ…』ﾌﾙﾌﾙ

猫『我が世の春が来たあぁぁぁ！』

　　思いっきり喜んでるじゃん

猫『猫ちゃんのニャかに俺の意思が…』

猫『まさに…一心同体…ッ…！！』

まぁ嬉しくニャいわけがニャいニャ

　　私だったらすっごく困る

ニャんで困るんだよ、歓喜するだろ普通

　　しない…うん、も一度考えたけどできない

猫「んで、俺…もとい猫ちゃんも起きて、今に至るというわけニャ」

男「なぉ～」

幼馴染「男君にとってはハッピーエンドじゃないの？」

幼馴染「もうそれでいいじゃん、べつに」

猫「ニャんでちょっと怒ってんの…」

幼馴染「べつに～」

猫「ごめん、ニャんかごめん、だから投げやりにニャらないで…」

猫「…その、続けてもいい？」

幼馴染「…どうぞ」

猫「うん、それで、どうもそのハッピーエンドってわけでもないんだニャ」

猫「安いキャットフードっておいしくニャいんだよ」

幼馴染「うん」

猫「それに、人向きの調理法じゃニャいと思うし」

猫「それで万が一…いや、ニャんが一…」

幼馴染「言い直す必要はないんじゃないかな」

猫「俺の体で動いてる猫ちゃんが…猫ちゃんが…」

猫「おなかでも壊したらっ…俺はっ…！」ﾜﾅﾜﾅ

幼馴染「…いいよ、私が作ってあげるから」

猫「頼む前に察して承諾してくれるニャんて！」

猫「かぁさん朝早く仕事行くから俺が作ってたけど作れニャくてホント困ってた…」

猫「ああ…感謝…ニャ…」ｳﾙｳﾙ

猫「ありがとう、ほんとうにありがとう…」

幼馴染「男君に作ってあげるなんて今回が初めてじゃないし…」

幼馴染「私の料理の練習になるし、うん、ちょうどいいかな」

幼馴染「ところで、男君の方はキャットフード口にあうの？」

猫「はっ！しまった、自分のことを忘れていた…」

幼馴染「そうやって自分のことをすぐ棚に上げる…」

幼馴染「私のことだって…」

猫「以前食ったときはお世辞にも旨いとは言えニャかったし…高いの買ってあげたいけど経済的に…」ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ

幼馴染「…聞いてないし」

猫「ん、えと、ニャにかいった？」

幼馴染「ニャんにも」

猫「おい、俺の猫ちゃんになってからの癖がうつってんぞ」

幼馴染「真似しただけだよ」

猫「そうか、いや、もっとやってくれて構わないです」

幼馴染「…考えとく」

猫「ふむふむ、やはり味覚は猫、思ったほどではニャいニャ」ｶﾞﾂｶﾞﾂ

幼馴染「そうなんだ」ｺﾄｺﾄ

猫「これはまごうことニャきみそ汁の匂い…」ｸﾝｶｸﾝｸﾝ

幼馴染「よし、できた、男君」

猫「ん？」

幼馴染「…じゃなくて、今は猫ちゃんだっけ」

幼馴染「猫ちゃん、こっちこっち」ｸﾝｸﾝ

男「？」ﾄｺﾄｺ

幼馴染「わ…四つん這いだよ」

猫「引かれちゃったかニャしい」ｱﾑｱﾑ

男「！」ｸﾞｸﾞｯ

幼馴染「うわわ、ちょっと！」

男「むー！」ｸﾞｲｸﾞｲ

幼馴染「離したら顔を鍋に突っ込んじゃいそう…！」ｸﾞｸﾞｸﾞ

猫「やめるんだマイハニー！火傷しちゃうぞ！」ｶﾞｯｼ

男「む…」

幼馴染「はぁ…私が食べさせてあげるからもう少し待ってね？」

男「……」ｼﾞｰｯ

幼馴染「えーっと…何？」

男「なぁお」

猫「わかったって言ったぞ今」

幼馴染「うん、そうみたい。男君のでたらめ通訳なしでもわかるよ」

猫「いや、今たしかに『わかった』って言った！」

幼馴染「…え？」

幼馴染「にわかには信じられないけど…」

猫「俺にはわかる…！」

猫「猫ちゃんと意思の疎通がはかれる…こんニャに嬉しいことはニャい…！」

幼馴染「それって一方通行なのかな？」

猫「…あ、そうか、俺からも試さないとわかんニャいよニャ」

猫「じゃあさっそく」

男「んー」ｸﾞｸﾞｸﾞ

幼馴染「わわ！」ｸﾞｲｯ

猫「危ニャいって！落ち着いて！」ﾀﾞｷｯ

猫(そうだ！今こそ試すチャンスニャ！)

猫(…心の声にニャはいらないか)

猫『待て！』ﾆｬｯ!

男「！」ﾋﾟﾀｯ

幼馴染「あ…止まった」

幼馴染「今何て言ったの?」

猫「猫語みたいニャので『待て』って言った」

幼馴染「じゃあ人語の方だったら？」

猫「我輩のしつけは完璧である」

幼馴染「だったら普通に『待て』でいいじゃん…」

猫「ﾃﾍ☆」ﾍﾟﾛｯ

幼馴染「それなら次から男君…じゃなくて猫ちゃんが暴走しそうになったら『待て』って言おう」

猫「うむ、よかろう。許す」

幼馴染「なんで偉そうなの？」

猫「ね、猫ちゃんに命令していいのは飼い主の特権ニャんだぞ！」

猫「でも幼馴染とは長い付き合いだからニャ。特別に許してしんぜよう。ニャ、猫ちゃん」

男「なう」

幼馴染「ちょっとめんどくさいよ男君…」

幼馴染「それじゃ…とりあえず猫まんまにしてみたんだけど」

幼馴染「これでいいのかな」

猫「俺は猫まんま大好きだぞ」

幼馴染「いや、男君じゃなくって…」

男「んーんー」

猫「待ち遠しいらしい、早く食べさせてやってくれ」

幼馴染「はいはい…こういうときは、あーんだよね」

猫「ニャんだと！？くそうらやましすぎるニャ…」

幼馴染「…そう思う？」

猫「切にそう思う」

幼馴染「あーん…」ｽｯ

ﾊﾟｸｯ

男「んー…」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

男「ん」ｺﾞｸｯ

男「なぅ」ﾆｺｯ

幼馴染「よかった、おいしくなくはないみたい」

猫「ｳﾐｬｳﾞｯ!!!」ﾋﾞｮｲﾝｯ

幼馴染「ど、どうしたの？！」

猫「あづづづづ！水！」ﾊﾞﾀﾊﾞﾀ

幼馴染「…つまみ食いしたんだ」

猫「あひニャんかわはったもんひゃニャいニャ…」ﾊﾋｰﾊﾋｰ

幼馴染「そっか、猫舌なんだ」

猫「くそ…折角幼馴染が作ってくれたのに…」

幼馴染「食べたかったら言ってくれればいいのに」

幼馴染「ふーっ、ふーっ」

幼馴染「はい、あーん」

猫「あ、あーん…」ﾊﾟｸｯ

猫「……」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

猫「うぅ…」ｼｸｼｸﾓｸﾞﾓｸﾞ

幼馴染「ど、どうして泣くの？！」

猫「こんニャいい幼馴染が持てて幸せだと思ったら…ついニャ…」ｼｸｼｸ

幼馴染「男君…」

猫「…あ、そういえば幼馴染じゃなくておさニャニャじみかニャ」

幼馴染「ぶち壊しだよ…」

幼馴染「食べさせ終わったけど…」

男「んー」ﾃﾞﾛｰﾝ

幼馴染「着替えさせないとね」

猫「んむ…」

ｸﾛﾈｺﾉﾀﾝｺﾞｯ♪ﾀﾝｺﾞｯ♪ﾀﾝｺﾞｯ♪

幼馴染「ん、何？」

猫「俺の携帯の着信だ」

幼馴染「なんで黒猫のタンゴなの…」

猫「いいから出てくれよ」

幼馴染「はいはい…ん、友君からだ」

猫「ニャんだと…」

幼馴染「もしもし、友君？」

友『あれ、なんで幼馴染ちゃんが出るの？！』

幼馴染「あ、えと、男君今トイレ行ってて…」

友『そうかい…あいつめ…後でつるｓ』

幼馴染「へ？」

友『いやなに、あっはっは』

友『ところで遊びに行く予定だったんだけど』

友『ちょっと親と出かけるから行けなくなったって伝えといてくれよ』

幼馴染「うん、了解」

友『くそ…邪魔できないのが非常に残念だ』

幼馴染「んん？」

友『なんでもございません！んじゃまた』ﾌﾟﾂｯ

幼馴染「…って内容だった」

猫「最後の呪詛が非常に気にかかる…」

幼馴染「それってどういう意味なの？」

猫「ああ、あんまり深い意味はニャいんだニャ…」

幼馴染「？」

猫「それより、ニャるほど、奴が来ていたらめんどくさいことにニャっていたニャ」

幼馴染「なんで？」

猫「説明する手間がかかるニャ」

幼馴染「そういうとこズボラしないでよ…」

幼馴染「…でも、クラスのみんなだったら、『あっそ』ってすぐ理解してくれるよ」

猫「喜んでいいのかニャ？複雑ニャ気分ニャんだけど」

幼馴染「クラスのみんなで思い出したけど、今日が日曜でほんとによかった…」

猫「どの道学校だったら受け入れられるんじゃニャかったの？」

幼馴染「それはそうだけど…」

猫「あ、そうだ、近所の人に驚かれるのか」

幼馴染「大丈夫だよ」

猫「えっ」

幼馴染「男君の家から半径100ｍ以内までは大丈夫」

幼馴染「でも、その半径100ｍを越えちゃったら困るから…」

猫「俺どんだけ有名ニャの」

幼馴染「将来の犬…じゃなかった、猫将軍って言われてるくらい」

猫「俺政治家志望じゃニャいんだけど」

猫「でも、その範囲から出たらやっぱり怪しまれる可能性もあるわけで」

猫「それだったら最低限猫ちゃんには挨拶ぐらいは…」

幼馴染「なんで外出るつもりなの？」

猫「お前も一日中俺と一緒とか嫌だろ」

幼馴染「別に…一日中遊ぶなんてよくあったことだし気にならないけど…」

猫「でも俺は外に出たいんニャ」

猫「折角入れ替わって得たこの体…楽しんだもん勝ちとは思わんかね？」

幼馴染「面倒増えるからやめてよ」

猫「正論です、うん、正論だよそれは！」

猫「でもさ、ほら、鳥にニャって飛んでみたいとか思うことあるじゃん！」

幼馴染「私は思ったことないよ」

猫「夢がニャいニャあ！おさニャニャじみは！」

猫「とにかく俺は外に出るぞー！」

猫「出ると言ったら出るのである」

猫「だからして猫ちゃんに最低限のマニャーである挨拶ぐらいは会得してもらいたい！」

男「？」

幼馴染「…あ、そうだ、上着替えさせないと。勝手に持ってくるね」

猫「やめておけ、開けたら爆発する仕掛けにニャっている」

猫「ここは私が行こう」ﾄｺﾄｺ

幼馴染「え？…うん、行ってらっしゃい」

猫「ははは、行ってくるよ」

猫(あっぶねぇ…危うく俺の法典がばれるとこだった…)ﾄｺﾄｺ

猫(借りたまんまあそこにしまってたんだぜ…危ない危ない)

男「んふ～♪」ﾆｺﾆｺ

幼馴染「よし、着替えさせ終わった」

猫「タンスの開け閉めのしんどさって言ったらニャいニャ…」

幼馴染「私に任せてくれればよかったのに」

猫「んん？！いやいやいや、これも猫ちゃんの体にニャれるための修行ニャんだよ」

幼馴染「まだ慣れてなかったんだ」

猫「うむ、例えばしっぽの制御とか」ﾌﾘﾌﾘ

猫「これがいちばん難しいニャ」

幼馴染「どして？」

猫「割と無意識に動いちゃう」

幼馴染「へぇ…はじめて知った」

猫「ということでいろいろさて置き」

猫「是非とも猫ちゃんには挨拶を会得していただきたい！」

男「なう」

猫「そうかそうか、んじゃあ早速」

幼馴染「今猫ちゃんなんて言ったの？」

猫「ヒアウィーゴー！ってめっちゃ流暢に言った」

幼馴染「うそつき」

猫「うん、冗談だって、ニャんで最近のおさニャニャじみはボケに冷ややかニャの？」

幼馴染「別にどうでもいいとこで振ってくる男君ちょっとめんどくさいなって」

猫「あれ？やっぱ猫って泣くんだ、鳴くんじゃニャくて泣くんだ」ｳﾙｯ

幼馴染「言い過ぎたけど…人の体でも無理だと思う」

猫「やってみニャきゃわかんニャいじゃん！猫になった俺がいけるニャら逆の猫ちゃんもいけるって！」

猫「猫ちゃん、いけるよな、いけるよな」

幼馴染「必死すぎてニャが取れてるよ」

猫「おっといけニャい…よし、猫ちゃん、こんにちは！」

男「…？」

猫「こ・ん・に・ち・は・！」

男「んﾞ～…」

幼馴染「機嫌悪そう」

猫「そうだ！『こんにちは！』」ﾆｬｰｺﾞ

男『こんにちは、ご主人様』ﾆｬｰｺﾞ

猫「やった！しかも猫ちゃん俺のことご主人様って言ってたよ！」

幼馴染「それはどうでもいいけど…猫の言葉じゃダメなんじゃない？」

猫「…そういえばそうだニャ」

幼馴染「ばか」

猫「ニャらば…腹話術ってのはどう？」

幼馴染「腹話術…」

猫「おさニャニャじみが腹話術して、猫ちゃんが口パクすればいい感じに俺がしゃべってる風に」

幼馴染「見えないよ」

猫「物は試し！やってみるニャー！」

幼馴染「もう男君ヤケクソだよね…」

幼馴染「私腹話術なんてやったことないよ」

猫「そこをニャんとか…それっぽくどうか…」

幼馴染「もう、私が甘いからって…」

幼馴染「じ、じゃあやるね」

猫「どうぞ！『猫ちゃん口パクよろ！』」ﾌﾐｬｳ

幼馴染「……」ｽｰｯ

幼馴染「わﾞれﾞわﾞれﾞは、うﾞちゅーじんﾞだ」

猫「…あれ？」

猫「ニャんで今それニャの？！」

幼馴染「ごめん、初めてのことで気が動転して…」

猫「宇宙人の真似するニャら今の俺の方がそれっぽいじゃん！」

幼馴染「そこなの？」

猫「そうだろ。今一番宇宙人宇宙人してるの俺じゃん？」

幼馴染「言われてみれば…」

幼馴染「じゃあやってよ」

猫「やってやんよ」

男「……」ﾊﾟｸﾊﾟｸ

猫「ワレワレハ、ウチュージンダ」ｶｸｶｸ

幼馴染「なんかバカっぽいよ、男君」

猫「発端はお前じゃん！ニャんで俺がバカみたいにニャってるの！？」

幼馴染「筆談とかもできないだろうし、もう手はないと思うんだけど」

猫「そんニャ…猫ちゃんのままで散歩する夢が…」ｶﾞｯｸｼ

幼馴染「そんな魂胆どこかにおいとこうよ」

猫「魂胆って…べつに悪だくみじゃニャいんだから」

幼馴染「だって、『早く戻りたい』とかないじゃん」

幼馴染「そこが男君らしいとは思うけど」

幼馴染「私用事あって早く来たのに…それがふいになっちゃうよ」

猫「マジで…それって人間じゃないと無理ニャの？」

幼馴染「ムリ」

猫「そうか･･･でもニャ、俺の動物的直感は元に戻れる方法が外にあると告げている･･･！」

猫「つーことで外！外！」ｶﾞﾘｶﾞﾘ

幼馴染「もう･･･そんなこと言うけど、男君はどうするの？」

猫「だから外！」ｶﾞﾘｶﾞﾘ

幼馴染「違う違う、男君じなくて、男君」

男「･･････」ﾊﾟｸﾊﾟｸ

幼馴染「待て」

男「！」ﾋﾟﾀｯ

猫「連れてけばノープロブレム！俺が指示は飛ばすから！」ｶﾞﾘｶﾞﾘ

幼馴染「ホント自分勝手だよね･･･猫ちゃん、立って」ｸﾞｲｸﾞｲ

男「んにゃ？」

猫『猫ちゃん二即歩行！』ｳﾆｬｳ!

男「！」ｽｸｯ

幼馴染「あ･･･立った」

＜外＞

猫「うんうん、猫で吸う娑婆の空気もうまい！」

幼馴染「猫ちゃん、そっちじゃなくてこっち」ｸﾞｲｸﾞｲ

男「むー」

猫『猫ちゃん、幼馴染の言うことはわかる範囲でよく聞くんだ』ﾆｬﾆｬｳ

男『わかりました』ﾐｬｵ

猫「すげえ！意志の疎通が図れる！よっしゃああああ！」

ﾄﾞﾝｯ

猫「いてぇ･･･ん？」

友「んん？こいつは男の猫・・・」

友「ということは･･･」

幼馴染「あ、友君？」

友「シット！！」

友「くっそ、こっそり行って仲良くやってるとこを邪魔しよう大作戦が･･･」

猫「丸聞こえニャんだよks」

友「あ、その口調は男か」

友「ついに猫ちゃんとの入れ替わりを果たしたのか、偉いぞ」

猫「前からそんニャ兆しがあったみたいニャ言い方すんじゃねえよ」

猫「あと偉いとか偉くないとかどうでもいいわ」

友「じゃあこっちが猫ちゃんってわけか」

友「よう、おひさ」

男「にゃう」

友「しゃべったああぁぁぁ！？！？」

猫「こっちで驚けええぇぇぇ！！！」

友「元に戻る方法を探してるって？わざわざ幼馴染ちゃんが」

幼馴染「今日の予定台なしにされたくないし･･･」

友「それ男が頑張らなきゃいけないんじゃね？」

猫「ほら、早く戻らないとだから、お前教えろよ」

猫「お前ほら、どうせ答え握ってるけど漏らす前に殺される役回りだろ？」

猫「答え漏らしてから殺られてくれよニャ」

友「いや俺答えとかしらないんだけど」

猫「チッ、使えねぇな」ﾍﾟｯ

友「うわ、ばっちぃ！」ｻｯ

猫「おい！テメコラ、何がばっちぃだぁ！」

猫「それって猫ちゃんのよだればっちぃって言ってるぅにゃああぁぁぁ！！」ﾌﾞﾜｯ

幼馴染「待て」ﾋﾟｼｯ

猫「はうちっ！」

幼馴染「男君、すぐそうやって友君に絡むの止め。謝って」

猫「･･･ごめんニャさい」

幼馴染「その謝りかた流行らないよ」

猫「別にわざとじゃニャいし！」

友「まぁいつもの事だし、どーってことないよ」

幼馴染「それはそうだけど･･･」

友「こんなに心配してくれるなんて･･･まさか･･･」

幼馴染「ないない」

友「しゅん・・・まぁそうだよな・・・」

友「どうせ幼馴染は男ｇ」

幼馴染「わ、わわ！ちょっと！」

ﾀﾞｱﾝｯ!

猫「うわぁっ！？」

友「何事ッ！」

三毛猫『チッ…外したか』ﾌｰｯ…

友「あれは…！」

友「この近所で有名な超レアオス野良三毛猫じゃないか…！」

幼馴染「そんなのいたんだ…」

友「幼馴染ちゃん、知らなかったのか！？この辺の猫好きで知らない者はいないぞ！？」

幼馴染「そ、そうなの？」

友「ああ、かつてあいつを捕まえにいった猛者がいたが…」


三毛猫『死ねぇ！』ｼﾞｬｷﾝｯ

猛者『ごふぁ！』ﾄﾞｯｼｬｱｱｧｱ


友「…返り討ちにあったらしい」

幼馴染「男君でもないのに人の言葉話してるけど…」

友「これは伝え聞いた話だからな、歴史というものは盛られて伝えられるものだ」

友「だけど、その猛者が引っかき傷で病院送りにされたということは紛れもない事実なんだ…」

猫『お前は…近所の超レアオス野良三毛猫か！』ﾑﾑｰｯ!

三毛猫『…なんだかしらねぇが、俺のことは知ってるようだな』ﾅｰｩ…

三毛猫『だったらァ、ここらが俺のシマってことも当然…知ってるよな？』ﾅｰｺﾞ

猫『なんだとっ！？』ﾅｳｯ!?

三毛猫『なんだしらねぇのか、ここらの買いネコでも知ってることだぞ？』ﾐｬｰｵ

三毛猫『よそから来たお上りかい？嬢ちゃん』ｩｵｰｳ

猫『嬢ちゃん…？』ﾑ…?

猫（ああそうだそうだ、猫ちゃんメスジャン）

三毛猫『まぁそんなこたぁどうでもいいことだ、さっさと離れてくれりゃあそれでいい』ﾑｰｩ

猫『いや…ここ通らせてくれるだけでいいんだけど』ﾅｳﾜｳ

三毛猫『何ィ…？』ﾝﾝﾝ？

友「何か不穏な空気になってきたな…これはまずいかもしれない」

幼馴染「え？そんな、男君大丈夫なの？」

友「あの猫相手だ、奴はもう死んだも同然かもな」

幼馴染「えええ！？」

友「だが…俺達には、そう、見守ることしかできない…」

友「行っても下手したら返り討ちですし」

幼馴染「そんな…」

男「……」ｼﾞｰｯ

猫『ちょっと用事があるだけだし素通りするだけならいいじゃんか』ﾐｬｵ

三毛猫『しんねーな、せっかく人が親切に離れろっつってんのに聞いてねぇよこのバカ猫』ｩﾐｬｰｵ

猫『あﾞあﾞ？』ﾝﾞ？

三毛猫『従ってりゃあ痛い目にもあわずに…ん？』ｩﾅｰｳ…?

猫『お、お前…そのバカ猫って…バカ猫って…！』ｳｳ…ｳｳｳｳ…

猫『俺の猫ちゃんに言ってるのも同然じゃねぇぅにゃあああぁぁぁぁ！！！」ﾌﾞﾜﾜｯ

三毛猫『！？！？』

ドカァァン！

ドタッ　バサッ　ウミャウッ！ バキッ ドスッ ガガッ ドゴッ　ワギャアウッ！

友「すげぇ！男、急に発狂したと思ったらあの三毛猫を圧倒してやがるっ…！」

猫「死ね！死ね！！氏ねじゃなくて死ねええええ！！！」ﾊﾞｷｯﾄﾞｽｯ

三毛猫『かふっ…ウソだろ…』ｳ…ｳｳ…

幼馴染「で、でも、あれじゃ三毛猫が危ないよ！」

『待ってください！』ﾐｬｵｩ！

男『ご主人様っ』ﾐｬｳｯ!

猫『なんだよ猫ちゃん！こいつは猫ちゃんをバカにしたんだぞ！死刑だろ！！』ﾌｼｬｱｱ!!

三毛猫『なに…幻聴…か…？』ﾑｩ…

三毛猫『…人間が…俺らの…言葉を…』ｩｩ…

男『ご主人様は最初話し合いで解決しようとしたじゃありませんか！』ｩﾐｬｱｵ

男『バカって言われてショックだったとは思いますけど…』ﾜｩｩｩ…

男『私のせいでご主人様が暴力をふるう事になるのは嫌なんです…』ﾅｩｩｩ…

猫『猫ちゃん…』ｳｩ…

幼馴染「なんかしんみりしてきた」

友「これは…」

猫『……』ｽｯ

三毛猫『…！おまえ…！』ﾅｳ…!

猫『和解だ、三毛猫』ﾐｬｵ

三毛猫『…なぜ手を差し延べやがった』ﾐｬｳ

猫『俺の猫ちゃんが争いを好まねぇからな、情けだ情け』ﾜｩﾐｬｳ

三毛猫『クソが…負けた手前なんともいえねぇ…』ｳｩ…

幼馴染「ありがちな展開が繰り広げられてる気がする…」

友「気のせいだ」

三毛猫『今日からこの領分はてめぇのモンだ、横切るなりなんなり好きにしろや』ﾅｫｳ

猫『いやホントに横切るだけでいいから。俺イエネコだし』ﾅｩｵｩ

三毛猫『…お前、猫らしくない猫だな、ついでにメスらしくもない』ﾐｬｵ

猫『心が人かつ男なんだよ』ｩﾜｳ

三毛猫『飼い猫ってそんなものなのか』ｱｩ

猫『そんなもんだ』ｫｳ

男『ご主人様、勘違いするようなこと言わないでくださいよぅ…』ｳｩ…

三毛猫『…そういえば、お前みたいなよくわからねぇ奴、今朝見かけたよ』ﾐｬｰｵ

猫『え！？』ﾅｳｯ！？

三毛猫『気取ってていけすかねえ奴だったから追っ払ったけどな』ﾅｰｳ

三毛猫『挙動が猫らしくねぇんだ』ｳｰ

猫『そうか…どこにいたんだ？』ﾅｩ…？

三毛猫『あっちだ、まだいるかはしらねぇけどな』ｩｫｳ

猫『わかった、恩に着るぜ』ｱｩ

三毛猫『見逃してくれた借りを返しただけだ』ﾌｯ

猫「よし、お前等こっちだ！」ﾀﾀﾀ

幼馴染「あ、え？男君、ちょっと！」

友「読めねぇ…展開が読めねぇぜ…」

ﾀﾀﾀ

猫「ん…あれか？」

幼馴染「あれって…」

友「あれは…！」

ナルシ「……」ﾌｯ

ペルシャ猫「……」ﾌｯ

友「視界に入ると必ず壁にもたれ掛かり腕を組み不敵な笑いを漏らすあいつは･･･」

友「クラスの皆に煙たがられるどうでもいい存在で逆に有名なナルシストじゃないか！」

猫「解説ご苦労」

友「俺、将来ニュースキャスターになるんだ」

猫「ほんのり期待しとくわ」

ペルシャ猫「Cats don't like change without their consent.」ﾍﾟﾗﾍﾟﾗ

猫「お、おい、ナルシがニャんか言ってるんだけど」

友「…英語だ、男」

猫「ニャん…だと…？」

ペルシャ猫「おやおや、奇遇だねぇ」

ペルシャ猫「僕はこの立ち方を猫にもやりやすい形に改良していたんだ」

ペルシャ猫「相変わらずキまっているだろう？」

猫「いつも通りだニャぁ…」

友「文字どおり相変わらずなんだな」

幼馴染「ナルシ君も危機感とか無いみたい…」

猫「つうかお前も入れ替わってたのか」

ペルシャ猫「ああ、そうとも」

ペルシャ猫「…ま、結局何になろうと僕の美貌が薄れる事はないさ」

ペルシャ猫「ましてや僕の飼い猫だしね」

猫「うぜぇ」

友「相変わらず自信満々、強烈だ…」

幼馴染「…ひょっとして、他にもまだ入れ替わったりした人いたりして…」

？？？「その通りでござるｗｗｗｗｗｗ」

友「待てよ、その声は…！」ﾊﾞｯ

キモオタ「……」ﾕﾗｧ…

シャム猫「ンフッｗｗｗｗｗｗ」ﾕﾗｧ…

幼馴染「な、なんなんだろう、あの立ち方」

猫「つうかニャんであんな高い猫持ってんの」

ペルシャ猫「ジョ、ジョジョ立ち…だって…？」ｶﾞｸｯ

ペルシャ猫「そんな…あんな…猫背である猫があんなポーズをとれるなんて…」ﾌﾞﾙﾌﾞﾙ

友「ナルシを立ち姿で下したあいつは…」

友「THE美青年、ファンクラブが立つほどの美貌を持ちながら」

シャム猫「ぼくの勝ちでござるなｗｗｗｗｗｗ」

友「喋り方がキモイっ！残念なイケメン、キモオタじゃないか！」

猫「解説ご苦労」

友「俺、将来プロ野球選手目指してるんだ」

猫「いや解説しろよ」

キモオタ「んんｗｗｗｗｗｗｗｗ」

幼馴染「キモオタ君の猫ずっと笑ってるけど…」

シャム猫「笑顔を絶やさないことが拙者のモットーでござるよｗｗｗｗｗ」

幼馴染「いいことだと思うけど…なんか少し怖い」

キモオタ「ぺやっｗｗｗｗｗｗｗｗ」

猫「ん、そうだ」

猫「こいつらが猫にニャった経緯を知れば、ヒントにニャるんじゃニャいか？」

幼馴染「そうかな…」

猫「きっとそうだ」

猫「つうことで、ナルシ、言ってみろ」

ペルシャ猫「おや、僕の華麗な日常に興味がおありかい？」

猫「それでいいから言え」

ペルシャ猫「そうかい？じゃあ話すよ」

ペルシャ猫「あれは･･･たしかアフタヌーンティーを終えた後の話かな･･･」

―――――――――――
―――――――
―――


僕の父は発明好きで有名だろう？

　　　この辺ではニャ
　
　　　　発明博士で有名だよなぁ

その日は、また新しいものを開発したみたいでね


ナルシ父『ハハッハァ！遂に完成したぞぉ！！』

ナルシ父『我ながらエクセレンツ！これは是非息子に使って欲しいものだ！』


って意気込んで発明品を持って来たんだ

　　　どうせまたろくでもニャいもんニャんだろうニャ

　　　　そういえばロケット鉛筆とかあったもんな。壁に穴とかあけてたもんな

ワクワクして落ち着か無いみたいだけど、静かに話を聞いてほしいかな

翌朝、早速使ってほしいと父にたたき起されたんだけど

父がくれた発明品は


ナルシ父『ハッハァ、息子！これであの学校まで18秒だぜ！』ｼﾞｬｰﾝ


ジェットエンジン搭載型自転車だったのさ

　　　ニャんで自転車にジェットエンジン積むんだろうね

　　　　天才の考えることだ。俺にもわからない

流石は僕の父、あのスピードなら確かに学校まで18秒

…いや、17秒は固かったよ

　　　乗ったのかよ

でもさすがの僕でもあのスピードでハンドルを捌くのにも限界があった

そして発車して8秒後のことなんだけど、悲劇が起きた

ナルシ『くっ…このままでは…！』ｺﾞｵｵｵｵ

ペルシャ猫『ニャァァァ！？!』

ドガシャアァァン

…そう、華麗に事故ったんだ。乗り手の未熟さが故にね。忘れたい思い出だよ

　　　時速ニャんｋｍ出てたの？ニャんで生きてんの？そしてお前はニャんにも悪くニャいぞ？

場所は、近所の猫が祀ってある神社さ。そこで意識を失っていたんだけど

気付けばすでに入れ替わっていたんだ…

―――
―――――――
―――――――――――

ペルシャ猫「これが僕とペルシャ猫が入れ替わった事の顛末さ」ﾌｯ

友「悲惨だなおい」

猫「つうかニャんでそこにお前のペルシャ猫がいるんだよ」

ペルシャ猫「わからないのかい？荷台に乗っけていたんだ」

猫「ごめんニャさい理解がおよばニャい」

ペルシャ猫「相変わらずキミはおバカさんだな」

ペルシャ猫「もう少し僕みたいな柔らかい頭を持った方がいいよ？」

猫「ジェットエンジン搭載型自転車にホイホイ乗っちゃうようニャ豆腐脳味噌なんていらニャい」

ペルシャ猫「そうかい？僕のは木綿豆腐だから結構詰まってると思うけど」

猫「いや例えだから。別に乗っかってこなくていいわ」

猫「つうかいやに距離が近いんだけど。ニャんニャの？」

ペルシャ猫「フフ…近くで見るとかわいい、と思ってね」

猫「は？」

ペルシャ猫「手入れの行き届いた美しい毛並」

猫「まぁニャ。わかってるじゃニャいか」

ペルシャ猫「プロポーションのいいその体躯」

猫「当然だニャ。健康には気を使ってるからニャ」

ペルシャ猫「吸い込まれそうなほどに魅惑的なその瞳」

猫「俺もこの目に見つめられたらたまらニャいニャ」

ペルシャ猫「もっと近くで見せてくれないかい？」

猫「あニャたのそばにはよりたくニャいわ」

ペルシャ猫「そんな事は言わないでほしいな。毛並みの感触を確かめるだけでもいいんだ。先っちょだけだから」

猫「ねぇチミそれ俺に対して言ってるの？」

ペルシャ猫「伝わったかい？」

猫「友さんぼく今すぐ思いのたけを吐き出したいんですけど」

友「やめろ。公道を汚すな」

猫「それはちょっとひどすぎやしませんかね！？」

シャム猫「ではそろそろ拙者の番でござるなｗｗｗｗｗｗｗ」

猫「ねえねえちょっと待ってよ状況を見ろよ俺今すごく言い寄られてるんだけど」

ペルシャ猫「ちょっと父のラボへ来ないかい？ちょうど空いてる研究室があるんだよ」ｼﾞﾘｯ

猫「えっ、ニャ、ニャにニャに、急に歩を進めてきてどうしたのおニャか痛いの？」ﾀｼﾞｯ

ペルシャ猫「おニャかか…ふふふ、中々可愛い言い回しだね。素敵だよ」ｼﾞﾘｼﾞﾘ

猫「ニャんかそんニャ言い方されると黒歴史こさえてるような気がしてきたやめて」ﾀｼﾞﾀｼﾞ

シャム猫「あれは、そう、今日のように暑い昨日だったんだな…」

猫「だからニャに語りだしてんだよおおお！空間把握能力！！！」

ペルシャ猫「そうだ、声も素敵だ！もっと近くでっ」ﾀﾀｯ

猫「う、うにゃあああああああああああ」ﾀﾀﾀｯ

シャム猫「場所は近所の猫が祀ってある神社だったでござる…」

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

ﾊﾞｼｨﾝｯ

キモオタ『ブヒィィッ！！』ﾋﾞｸﾝｯ

猫女『…うるさい、糞猫。猫はそんな鳴き方しない』

猫女『…糞猫は…糞猫らしく』

猫女『盛大に鳴いて…っ』ﾋﾝｯ

ﾋﾞｼｨｯ

キモオタ『に、にゃんんっっ！！』ﾋﾞｶｧﾝ

夜中に近所の境内で「百週回ってニャンごっご」をしてたんでござるよｗｗｗｗｗ

　　　んニャ遊び聞いたことニャいんだけどおオオ！！

　　　　猫女って誰だよ

近所に住んでる女さんなんだなっ！

　　　　いつも最前列の席で読書してる大人しそうなあの女さんが？！

　　　裏と表かああああそうかああああでもさらけ出してるヤツの方がもっとこえええええ

　　　　　僕の愛しっかり伝わっているだろう？

　　　だからこええって言ってんだろうにゃあああああああああ！！！

女さんはコスプレが趣味みたいで、最初来た時は

ナース女『……オタクのあなたなら…わかってくれると思って…///』

って、昔から知ってるキモオタ君ならって、見せに来るようになったんでござるよｗｗｗｗｗｗｗ

　　　裏山氏ね
　　
　　　　裏山氏ね

　　　　　いいかい、猫だってコスプレはできるんだよ

　　　俺にはそんニャ趣味はニャいんだよ！！！！

それから紆余曲折あって…

女『…私が主人、あなたは飼い猫…わかる…？』

キモオタ『にゃ、にゃんっ！』

ってなってたんだんでござるなｗｗｗｗｗｗ

　　　　紆余曲折何があったらそうなるの？

　　　　　いっその事尻に敷かれるのもありかもしれないね

　　　尻じゃなくて今すぐ車に敷かれろよ！！！！！

その日は後で来た飼い猫のシャム猫ちゃんも一緒にしつけられて

『ニャン』っていう頃にはシャム猫ちゃんと入れ替わってたでござるなｗｗｗｗｗ

友「おい、じゃあ女さんお前が入れ替わるとこみてんじゃん」

友「入れ替わってるってわかった時女さんどうしたんだよ」

シャム猫「『上手くニャンって言えるようになったね…お疲れ様…』って言って帰っていったでござるよｗｗｗｗｗｗｗｗ」

友「お前それでよかったのかよ！」

シャム猫「ご主人さまに褒められて本望だったでござる///」

友「駄目だこいつ…もう俺達と違う世界で生きてる…」

ペルシャ猫「ハァ…ハァ…中々しぶといじゃないか、男君」

猫「うるせぇ！猫ちゃんの貞操は俺が死んでも守る！」

ペルシャ猫「おや、この僕じゃダメなのかい？」

猫「おいやっぱり狙ってやがったよこいつ！！」

猫「だいたい豆腐脳味噌が遺伝したら超嫌だろうが！！！わかれ！！！」

ｼﾞｬｱｼｮｳﾕﾉｳﾐｿﾀﾞｯﾀﾗﾄﾞｳﾀﾞｲ?

ｸｻｯﾃｴｷﾀｲｶｼﾃﾝｼﾞｬﾈｰｶｧｧ!



幼馴染「･･････」

男「にゃう」ﾎﾟﾝﾎﾟﾝ

幼馴染「ん、猫ちゃん･･･」

幼馴染「ありがと、なんかいろいろ起こっててよくわかんなくなっちゃって、ぼーっとしちゃってた」

ｱ､ｿｳｲｴﾊﾞｷﾓｵﾀｸﾝﾓｱﾅﾊｱﾙﾖﾈ･･･ｼﾞｭﾙﾘ

ﾏ､ﾏﾂﾃﾞｺﾞｻﾞﾙﾖ!ｿﾝﾅｺﾄｻﾚﾙﾄｵﾝﾅﾁｬﾝﾆｱｯ-!

幼馴染「あの三人、戻りたいって思ってるのかな･･･」

男「･･･？」

幼馴染「あ、そうだ」

幼馴染「逆に、猫ちゃんは戻りたいと思う？」

男「なう？」

幼馴染「って、そうだよね。猫なんだしそこまではわからないよね･･･」

男「むー」

ﾀﾀﾀｯ

幼馴染「あっ、どこ行くの！」

男「にゃあにゃう！」ｸﾞｲｸﾞｲ

ナルシ「むふー」

キモオタ「んんｗｗｗｗｗｗｗ」ｹﾗｹﾗ

幼馴染「な、なにしてるんだろ･･･」

ナルシ「ん～･･･、なう」ｸｼｸｼ

男「うみゃう」

キモオタ「ぺやっｗｗｗｗｗｗｗｗｗ」ﾜｷﾜｷ

ﾀﾀﾀﾀｯ

ｶﾞｼｯ

キモオタ「ふひっｗｗｗｗｗｗｗｗ」

シャム猫「おうふっ！？何でござるかｗｗｗｗｗｗ」

ｶﾞｼｯ

ナルシ「んー」

ペルシャ猫「おっと。急にわしづかみにするのはナンセンスだね」

ｶﾞｼｯ

猫「うわ！っと、助かったよ猫ちゃん」

男「みゃうー」

猫「ん？」

幼馴染「皆主人つかまえてどうしたの？」

猫「おさにゃにゃじみ」

幼馴染「なに？」

猫「猫ちゃんたち早くもとに戻りたいんだって」

幼馴染「え･･･？」

ﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞ

友「おい男！急に走り出してどこ向かってるんだよ！」

猫「ぴんときたんだよ！」

ペルシャ猫「ひらめき顔、なかなかキュートだったよ」

猫「あああもう口を慎め！！！」

猫「猫ににゃりかわった奴らには共通点があるだろ？」

友「そうか？」

シャム猫「神社でござるなｗｗｗｗｗ」

猫「そうだよ。ちゃんと話きいとけよ」

幼馴染「でも男は神社の話なんて･･･」

猫「いやこの前猫ちゃんと一緒に猫ちゃんの健康祈願に行ったからさ」

幼馴染「先に言ってよ！」

友「まぁそれはわかったけどさ、行ってもとに戻れる確証あるの？」

猫「にゃいよ！」

友「ないのか」

猫「あったら速攻行ってるからね」

ペルシャ猫「ボクは戻っても戻れなくてもいいんだけどね」

猫「えっ、それってどういう」

シャム猫「よきかなｗｗｗｗｗよきかなｗｗｗｗｗ」

猫「おいやめろよ」

キモオタ「ウホッｗｗｗｗｗｗｗ」

猫「やめて」

友「よっしゃ、鳥居が見えてきたぜ！」

猫「全スルーしにゃいでよ！助けろよ！！」

ﾊﾟﾀﾊﾟﾀﾊﾟﾀｯ

友「！！」

幼馴染「境内に誰かいる！」

ペルシャ猫「ほう･･･」



女「･･････」ﾎﾟｰｯ



シャム猫「女さんｗｗｗｗｗｗｗｗ」

キモオタ「ｵｳﾌｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ」

猫「ところであれにゃんのコスプレなの？」

友「なんだろうな。呪われた人形っぽいな」

女「･･･あ、キモオタ君だ」

シャム猫「おほｗｗｗｗｗ昨日ぶりでござるｗｗｗｗｗｗｗｗ」

猫「にゃにかいろいろ調べてみるつもりだったけど、目撃者もいるにゃら丁度いいにゃ」

友「そうだなー」

女「お友達いっぱい連れて･･･何しに来たの･･･？」

シャム猫「女さんはｗｗｗｗ猫と拙者が入れ代わったのは知っているでござるよねｗｗｗｗｗｗ」

女「･･･うん」

シャム猫「だからｗｗｗｗｗｗ入れ代わり仲間で集いｗｗｗｗｗｗ元に戻る方法を探していたんでござるｗｗｗｗｗｗｗｗ」

女「･･･そう」

猫「見ての通り、キモオタも」

シャム猫「デュフｗｗｗｗｗｗｗｗｗ」

猫「ニャルシも」

ペルシャ猫「かわいい」

猫「マジキメえ」

猫「こんにゃんにゃっててさ、猫ちゃんも元に戻りたいって言ってるんだよ」

猫「だからさ、キモオタが入れ代わった時にゃんかににゃにか変わったこととｋ」

女「･･･知ってるよ」

猫「えっ？」

女「･･･知ってる」

友「つうことはどうしてこうなったか知ってるってことか！」

女「･･････」ｺｸﾘ

猫「マジかやったにゃ！」

幼馴染「でも戻りかたはわからないんじゃないの？」

猫「あー、それもそうだにゃ･･･」

女「･･･知ってるよ」

猫「にゃんだｔ」

女「･･･なにもかも」

ｶﾞｻｯ ﾀﾀﾀﾀ

黒猫「･･････」ﾀﾀﾀﾀ

女「･･･ぜんぶ」ｻｽｻｽ

黒猫「･･････」ｽﾘｽﾘ

猫「にゃに･･･？」

ペルシャ猫「ほう？あの黒猫は･･･」

幼馴染「ナルシ君？」

ペルシャ猫「音もたてずに忍び寄り、気づいたときにはやられている･･･」

ペルシャ猫「この辺りでは『漆黒の風』と言われている黒猫さ」ﾌｯ

幼馴染「聞いたことないよ」

友「人前にはめったに姿を現さない伝説の『漆黒の風』がどうしてここに･･･」

シャム猫「知ってるなら是非教えて欲しいでござるｗｗｗｗｗｗｗｗ」

女「･･････」

猫「そうだにゃ！俺の猫ちゃんも戻りたいって言ってるからにゃおさら！」

女「･･･ダメ、だよ」

猫「にゃんでだよ」

女「･･･駄猫の分際で･･･口のききかたがなってない･･･」

猫「！？！？」

女「調教･･･し直し、だね･･･キモオタ君･･･」

シャム猫「にゃんっ！？」

ｶﾞｻｶﾞｻｯ

ぬこ共「「「･･････」」」

幼馴染「うわ、猫がいっぱい･･･」

友「か、囲まれた！？」

女「･･･キモオタ君は捕まえる。それ以外は追い出して･･･いい･･･？」

黒猫『かしこまりました。女王様』ﾆｬﾆｬｩ

猫「女王様！？」

黒猫『聞いただろう？愚民ら』ﾅｩﾜｩ

猫『は？？？？』ﾝ????

黒猫『キモオタ様を置いて引き返すならば･･･傷を負う事はない』ｳﾅｩ

黒猫『抵抗するだけ無意味だ。早々に退却するといい』ｵｵ-ｩ

ペルシャ猫「って言ってるけど」

幼馴染「そんな･･･」

シャム猫「･･････」

シャム猫「みんな･･･拙者を置いて脱出するでござるよ」

幼馴染「だ、だめだよそんなの！また痛いめにあっちゃうんでしょ？」

友「いや、痛いめにあって喜んでるやつだから、それはそれでハッピーエンドじゃないかな」

猫「その前にさ、え？？あの黒猫ギルティじゃね？？？」

友「なんでだよ」

猫『その、愚民ってさ、ひょっとすると、俺とそこの男も入るわけ？』ﾅｰｳ?

黒猫『はぁ･･･当然でしょう？キモオタ様以外ｈ』ﾅﾙﾙr

猫『あーもう激おこだわ。お前死刑』ﾇｱﾅｳ

ペルシャ猫「だってさ」

猫『うにゃああああああああああ！！！」ﾀﾞﾀﾞｯ

幼馴染「ちょ、ちょっと！男君！」

友「あらまー」

黒猫『馬鹿なお方ですね･･･』ﾌｰｩ

黒猫『皆、相手をしてあげなさい』ｵｩ

ぬこ共「「「！！！！」」」ﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞｯ

ペルシャ猫「ふう･･･ヤるしかないみたいだね」

友「アイツのせいでとんだとばっちりだな。いつもの事だけどさ」

シャム猫「すまないでござる･･･」

ペルシャ猫「ここから追い出すってことは、ここに何かしら秘密があるからそうなんだろうね」

ペルシャ猫「突破しないと戻れない･･･これは試練だよ」

ぬこ共「「「ｷｬｼｬｱｱｱｱｱ！！」」」

猫「猫ちゃんの敵！！」ﾊﾞｷｨ

ぬこＡ「ﾌｺﾞｯ！？」ﾄﾞｼｬｱｱ

ペルシャ猫「ボクたちも行くよ」

友「よっしゃあ！！」

男「にゃうっ！」

ナルシ「フッ･･･」

キモオタ「ｳﾋｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ」

幼馴染「大丈夫かな･･･」

ﾆｬｳｯ! ﾊﾞｼｨ ﾀﾞﾀﾞｯ ｳｫﾘｬｱ! ﾄﾞｶﾄﾞｶ

猫「だりゃあ！」

ぬこＤ「ﾐｷﾞｬｱ！」ﾄﾞｶｰﾝ

シャム猫「でやｗｗｗｗｗｗｗｗ」

ぬこＧ「ﾏｧｧｧ！」ﾄﾞｼﾞｬｰﾝ

ペルシャ猫「ふんっ」ﾄﾞｽｯ

ぬこＥ「ｱｯｰｰ！」

キモオタ「激流に身を任せ同化する」ｻｯ

ぬこＩ「ﾇｩｩｩｩ！」

猫「次ぃ！」

幼馴染「あっ！男君！」

猫「なんだ―――」

黒猫『―――隙、有り』ｳﾑ

ｶﾞｯ

三毛猫『くっ･･･！！』ｳ･･･!

黒猫『ほう･･･』ﾑ･･･

猫『お前は･･･三毛猫っ！？』ﾐｬｳｯ!?

三毛猫『･･･俺の･･･じゃねえ･･････猫さんの領分で･･･』ｸﾞﾙﾙﾙﾙ･･･

三毛猫『騒ぐんじゃねえええええ！！！』ｩﾆｬｱｱｱｱｱ!

ｶﾞｶﾞｯ

黒猫『･･････』 ｻﾞｯ

猫『お前･･･』ﾅｳ･･･

三毛猫『･･･コイツにはたまに手下がお世話になっててな』ｸﾞﾙﾙﾙ

三毛猫『いい加減一発浴びせてやろうと思ってたところだ！』ﾙﾙｱ!

三毛猫『つーわけでコイツは俺に負かせろ』ﾙｧｳ

猫『いや、俺もあいつタコにする予定なんで』ﾆｬｱｩ

黒猫『そうですか･･･では』ﾌﾑ･･･

黒猫『雑魚二匹まとめて、お相手致しましょう』ﾌﾌﾌ･･･

幼馴染「ど、どうしよ友君！それっぽいこと言ってたけど何してるの！」

友「いや、俺頭脳派だからこうやって現状見て策ねってるんだけど」

友「こういうのって敵将おとして統制崩すのがセオリーだよな、うん･･･」

幼馴染「敵将といったら･･･」ｷｮﾛｷｮﾛ



シャム猫「ﾝﾌｯ･･･さ、さすがに万年ゴロゴロしてるにゃんこのスタミナは限界っぽいでござるな･･･」ﾌﾗﾌﾗ

女「ん･･･見つけた･･･」ﾕﾗﾘ

シャム猫「！？！？」

女「･･･またこの鞭で･･･仕込み直してあげるね･･･」ｽｯ



幼馴染（あ、あぶないっ！）ﾀﾀｯ

友「おっ、おい！いきなりどこに―――

ﾊﾟｼｲﾝｯ!!

女「･･･ッ」

幼馴染「痛っ･･･やっぱりそれ、痛いね･･･」

女「鞭だから･･･当然でしょ･･･？」

シャム猫「だ、大丈夫でござるか！」

女「･･･駄猫はだまる」

シャム猫「むぐう」

女「べつに･･･あなたを叩く義理も無いから･･･どいてくれる･･･？」

幼馴染「そ、それじゃキモオタ君が痛い思いするからやだよ」

女「･･･」ｽｯ

幼馴染「 」ﾋﾞｸｯ

ﾊﾞﾁｲﾝｯ!

幼馴染「っっ！！」

女「今、あなた･･･打たれる前に･･･少なからず恐怖を感じた･･･違う･･･？」

幼馴染「･･･？」

女「打たれるって･･･やっぱり怖い事だよね･･･鞭に限らず･･･」

女「恐怖ってね･･･強いの･･･次来る痛みを味わいたくないから、自分に甘える･･･」

女「･･･でも･･･キモオタ君は違う･･･」

幼馴染「違う･･･？」

女「打たれることが怖い･･･そういうところから違うの･･･」

女「打たれることで悦びを感じる･･･そういうの、知ってる･･･？」

幼馴染「うーん。その、あんまり･･･」

女「･･･とにかく、そういう人なの･･･とっても構ってちゃんなの･･･」

シャム猫「そっ、それは」

女「･･･」ｷﾞﾛ

シャム猫「うぐ･･･」

女「･･･そしてそれは･･･大体私も同じ･･･」

女「やる側と受ける側･･･違いはそれだけ･･･」

女「打たれる方は打たれるという行為に･･･打つ方はその反応から･･･幸せを感じるの･･･」

幼馴染「で、でも何か納得しちゃいけない気がするんだけど･･･それ」

女「･･･解りあえないことなんて･･･百も承知」

女「･･･駄猫共。押さえておいて」

ぬこ共「「「！！！！」」」ﾜﾗﾜﾗ

幼馴染「うわっ、猫まみれだ」

キモオタ「零距離･･･とったぞ！」ｻﾞｯ

ﾄﾞｼｭｳ

ぬこＬ「ﾆｬｱｳｯ！？」

男「にゃう！」

幼馴染「あっ、キモオタ君と男君･･･の猫ちゃん」

友「大丈夫か！今そっちに戦力を送った！」

幼馴染「それじゃあナルシ君たちは？」

友「ああ、ナルシが野良どもをアノ手コノ手で懐柔していっているから大丈夫だ」

幼馴染「な、なんかすごいね？」

ｼｭﾙﾙﾙﾙ･･･ ｷﾞｭｯ

シャム猫「ああっ！」

女「･･･亀甲縛り完了･･･黒猫は･･･」ﾁﾗｯ

女「･･･足止め、か･･･」ﾀｯ

ｽﾞﾙﾙﾙﾙ

シャム猫「いっ、痛い！痛いでござる毛が抜けるうううう！！！」ｽﾞﾋﾞﾋﾞﾋﾞ

友「幼馴染さん！女さんを追ってくれ！！」

幼馴染「わっ、わたしっ！？」

友「あれはなにか･･･なにか掴んでる幼馴染さんじゃないと･･･！」

幼馴染「そ、そんなこと言っても･･･何かもやっとしてるだけで･･･」

友「そこをなんとか」ｽﾘｽﾘ

幼馴染「揉み手･･･？な、なんかよくわからないけど･･･」

幼馴染「が、頑張ってみる！」ﾀｯ

友「よし･･･幼馴染さんはいったか」

友「俺はBB弾を垂れ流して敵味方無差別に足止めするぞー」ｼﾞｬﾗｼﾞｬﾗ ｳﾜｰ ﾔﾒﾛｫ

ﾀｯﾀｯﾀｯﾀ ｶﾞﾀｯ

女「･･･？」

ｶﾞﾀｶﾞﾀｯ

女「･･･お堂の戸が開かない･･･？」

幼馴染「女さん！待って！」ﾀｯﾀｯ

女「･･･っく･･･駄猫･･･！」

ぬこＺ「ﾌｼｬｱｯ!!」ｽﾞｧｯ

幼馴染「ひっ！？」

猫「チェストォ！」ｺﾞﾘｨ

ぬこＺ「ｷﾞｬﾌｯ!?」ｽﾞｽﾞｱ

幼馴染「お、おー･･･」

猫「来たのは一匹だけみたいだにゃ」

猫「もう逃げ場はにゃいよ？」

女「･･･」ｽｯ

ﾊﾟｼｨﾝｯ!!

猫「！？」

女「･･･そう･･･あなたたち･･････」

女「そこまでして･･･私達の仲を裂きたい･･････そういうこと･･･ね･･････」

幼馴染「え･･･？」

シャム猫「女さん･･･？」

女「あなた･･････あなたは･･･私の絆を否定した･･･」

女「でも･･･私とオタク君の間では･･････絆･･･だから･･･」

女「破るなんて･･･許さない･･････」

女「許せない」

ﾋﾝｯ

猫「にゃっぶにゃ！？」ｻｯ

幼馴染「女さん･･･」

ｻﾞｯ･･･

女「常識･･･ひと一人一人が持ってる常識･･･あるでしょ･･････？」ｻﾞｯ･･･

幼馴染「･･･」

女「私は･･･いつも一人で･･････自分の趣味に没頭して･･･それが私の世界で･･･常識だった･･･」ｻﾞｯ･･･

女「･･･便利な世の中･･････場所はいくらでもあって･･･選ばなければ物好きな見物人は五万と居る･･･私はそれで満たされてた･･････」ｻﾞｯ･･･

シャム猫「･･･」

女「･･････でも･･･！」ｻﾞｯ

女「･･･オタク君は･･････近所で顔見たからって･･･すごくどもりながら近づいてきて･･･」

女「趣味が近いからって･･･本紹介してくれたり･･････学校にそのキャラのフィギュア持ってきて･･･」

シャム猫「ち、ちょっとそこから先は」

女「･･･」ﾋﾝﾊﾞｼｨ

シャム猫「んひい！！」

女「･･･そうやって･･･オタク君の存在が･･････私の常識を壊してった･･･」