絵里「ほら、オープンキャンパスまであと二週間もないのよ」
にこ「だからってちょっとキツすぎない?」
絵里「文句はあとにして、にこ、半歩遅れてるわ、希!動きが硬い!」
希「うっうん」
にこ「うげー」
絵里「希、もっと大きく動いて!はい皆頑張って、あと2セットしたら休憩よ」
・ ・ ・ ・
穂乃果「はー疲れたぁ」
海未「絵里先輩が正式に加入してから練習が更に厳しいですね」
穂乃果「でも本番が近いんだなぁってすごい実感できるよね」
海未「それはたしかにそうですが…気がかりなことが…穂乃果、気がついてますか?」
穂乃果「うっ…うん…希先輩…全然練習について来れてない…」
海未「はい…ここ数日希先輩のトレーニングにも付き合いましたが…」
にこ「階段ダッシュもにこ達の半分ぐらいしかできなかったしね」
海未「にこ先輩」
にこ「だいたい無理があるのよ、絵里みたいな経歴があるわけでもないのに二週間でライブにもってくなんて」
穂乃果「でも希先輩はなんとか間に合わせるって言ってたし信じたいよ」
にこ「ていうか今希いないわよね?」
海未「はい、絵里先輩と何処かへ」
にこ「んでどうする気?今更希にμ'sやめてくれなんてナシよ」
海未「一応考えているのが、難しい振り付けを簡略化しようっていうのと…
全体的に希先輩に合わせて踊るってことですかね」
にこ「ダンスの完成度よりも、メンバーのまとまりを重視ってわけね」
海未「はい」
物陰
希「…」
絵里「今日の練習から分かった個々の弱点をメモしておいたから、しっかり読み通しておくように」
海未「!?(希先輩だけ枚数多い!)」
希「あはは、うちはいっぱいやね」
絵里「希…後でちょっと話があるわ」
希「うん…」
凛「今日も練習キツかったにゃー」
花陽「うーん」
凛「ライブ近いからね、しょうがないよね」
凛「今日かよちんは動きどうだった?」
花陽「イマイチかな…」
凛「またまたー」
絵里「練習のことなんだけど」
希「わかってる…うちが練習についていけてないっていう話やろ?」
絵里「ええ、言い難いけど贔屓目に見ても、人に見せられるものじゃないわ」
希「大丈夫やて、ちゃんと練習するから」
絵里「振付だけの問題じゃないのよ、基礎的な部分が他のメンバーに劣りすぎてるのよ」
希「…」
絵里「加入時期から考えてもすごく難しいのはわかってる…わかってるけど…」
希「さっき海未ちゃん達がいうてたん」
絵里「え?」
希「うちがついて行けてないから振り付け変えようて」
絵里「海未達がそんなことを…」
希「でももう少し頑張ってみる、それでダメなら…」
絵里「変なこと考えないでよ、あなたが揃ってμ'sってなんでしょ?」
希「ふふ、絵里ちは心配性やね、ほな帰ろか」
絵里「…ええ」
・ ・ ・ ・
海未「こんな感じでどうでしょうか?」
穂乃果「おーいいね海未ちゃん!シンプルだけど綺麗に見えるし」
ことり「じゃーここの振付はいまのに変更っと」
海未「明日の練習で全員に伝えますね」
海未「皆さんにダンスの振り付けについて伝えることがあります」
真姫「何?今更、もう日にちもないのよ?」
海未「今回のダンスで最も難しい部分を変更します、私が実演するので見ててください」
♪~
真姫「ちょっとシンプルにし過ぎじゃない?」
穂乃果「そっそうかなぁ、私はいいと思うけど」アセアセ
真姫「大体なんで振り付け変えるのよ」
凛「そうだよーやっと良くなってきたのにー」
にこ「あーはいはいあんたたちは黙ってなさい」
真姫「なんで?私達もメンバーの一人なんだから意見ぐらいいでしょ?」
にこ「あんた、たまには先輩の言うこと聞きなさいよね」
真姫「あなたねぇ」
希「うちの」
真姫「?」
希「うちのせいやろ?」
海未「希先輩…」
希「うちが皆の練習に付いて行けてへんから、振り付け変えたんやろ?」
海未「それは…」
にこ「ちっ面倒くさいことになったわね…」
希「うちがちゃんと踊れてへんのは皆わかってるやろ?」
花陽「そっそんなことないですよ」
凛「そうかにゃー?いつも遅れ気味って感じたと思うけど」
希「遅れるどころか、体力も皆の足を引っ張ってばっかりや…」
海未「希先輩…そんなネガティブにならないでください」
穂乃果「そうですよ、私達は希先輩と歌って踊ってこそのμ'sなんです」
希「…」
にこ「全く希らしくないことしないでよね、はい練習よ」手を差し伸べる
希「うち…帰るわ」
にこ「えっ…」
海未「…申し訳ありません、私が余計なことしたせいで…」
にこ「にしてもここまで堪えてるとは思ってなかったわ…」
穂乃果「希先輩ならあの場で立ち直ってくれると思ってたんだけどなぁ」
絵里「あなた達、希だって一人の女の子なのよ?」
海未「絵里先輩…」
絵里「私からも練習については言ってたから、人のことは言えないかもだけど…」
にこ「ちょっとポジティブに考えすぎてたかもね」
凛「ねー練習どうするのー?」
花陽「ちょっと凛ちゃん」
絵里「とりあえず練習は続けましょう、希は私が後で様子を見てくるから」
海未「はい…」
・ ・ ・ ・
絵里「今日の練習見て思うことを言いなさい」
海未「皆どことなく元気なさげで、とても感動できるようなものでは…」
絵里「もう希がいなかったら上手くいくなんて訳でもなさそうね…」
海未「希先輩を除名することを考えてたんですか?」
絵里「本当に希がダメになった時はね…私だってそんなこと考えたくもなかったけど」
海未「…」
にこ「…」
真姫「どうしたのよにこ先輩」
にこ「いやぁちょっとね…昔のこと思い出しちゃって…」
真姫「…」
花陽「うわぁなんか皆ヤバイ空気になってるよぉ」
凛「希先輩のせいかにゃ?」
花陽「それはちょっとひどいよ…」
凛「凛に任せてくれれば希先輩のトレーニングしてあげるのに」
絵里「とりあえず皆は帰っていいわよ、私は希の家によってくから」
穂乃果「じゃぁ私も行きます」
ことり「こっことりも」
絵里「やめて」
穂乃果「えっ」
絵里「重いのよ、あなた達のその気持ちが」
絵里「おじゃまします」
希「絵里ち…」
・ ・ ・ ・
絵里「μ'sのことだけd」
希「うち悔しいんよ…情けないんよ」
絵里「…」
希「自分からμ'sに入るっていうて、ライブ間に合うっていうて」
希「全然だめやん…9人目のうちが道を開くどころか閉ざそうとしてるようにしか思えないんや」
絵里「希やめて」
希「何度カードに聞いても自信がないから努力しろって…」
絵里「希は努力してるわよ、でも2週間じゃ無理なこともあるのよ?」
希「うち…」
絵里「えっ」
希「うちμ'sやめるわ…ごめんねって皆に言うといて…」
絵里「希…あなた…」
希「…」
絵里「いいかげんにしなさい!!」バシン
希「えっ絵里ち…」
絵里「希だけの問題じゃないのよ!なのに自分のせいって考えこんで、勝手に落ち込んで逃げる気?」
絵里「9人になった時道が開けるんでしょ?それはあなた一人が開くものなの?」
希「…」
絵里「9人だから開けるんでしょ?だったらその時まで、私達を頼りにしなさいよ!」
希「絵里ち…うち…うち…」ウルウル
穂乃果「そうだよ希先輩」
希「穂乃果…ちゃん?」
海未「もっと頼ってくれてもいいんですよ」
ことり「ことりは力不足だけど…頑張ります」
花陽「私も全然ダメダメだけど、一緒に練習したいです」
凛「凛はいつだって練習に付き合うにゃー、でっでも基礎トレーニングだけだよぉ」
真姫「わっ私も頼られて悪い気はしないわ」
にこ「今度はにこが励ます番なんだから」
絵里「あなた達…」
穂乃果「えへへ、ついてきちゃいました」
希「皆…」
絵里「全く…希、今ならカードも違う結果になるんじゃない?」
希「えっ」スッ
穂乃果「逆向きの、すとれんぐす?」
ことり「どういう意味?」
希「うちが必要やから、うちはここにいる…」
絵里「ふふ」
海未「そのとおりですね」
穂乃果「おー希先輩いないと皆元気ないもんね!」
ことり「そうだね穂乃果ちゃん」
希「ごめんな皆…うちは自分を信じることを諦めてたみたいやった」
希「だから…」
絵里「うん」
希「うちと一緒にうちを信じてほしい!」
穂乃果「うん!当然ですよ!だから練習しましょう、今から!」
絵里「えっ今から?」
希「ふふっ…まだ日も落ちてないしちょっとはええよ」
海未「ほんとよかったです…絵里先輩ありがとうございました」
絵里「私は何もできなかったわ、あなた達が来てくれたから、道が開けたんじゃないかな?」
穂乃果「ほら絵里先輩!海未ちゃーん、合わせてやるからおいでよー」
海未「はい、穂乃果」
・ ・ ・ ・
こうして一週間強に渡る穂乃果達のサポートと希の血の滲むような努力の結果
オープンキャンパスのライブは大成功に終わり、μ'sの人気だけでなく
音ノ木坂学院存続への大切な一歩となった
・ ・ ・ ・
海未「なんだか最近希先輩ダンスすごくないですか?」
穂乃果「確かに…最初は結構アレだったのに…」
希「あーごめんな皆、うち本当はダンス得意なんよ、あの時はちょっと絆を深めたくてなー」
海未「は?」
おわり
このSSまとめへのコメント
感動したんですけど最後…。
最後wでもとてもよかった
さいごわろた
は?
すっげー良かった!感動した!
最後は笑ったw