中島「磯野ー!歌い手になろうぜ!」 (85)

カツオ「歌い手~?なんだよそれ~?」

中島「ニコニコ動画って知ってるだろ?そこに自分達の歌を投稿するのさ!」

カツオ「へぇ~!なんか面白そうだね~!」

中島「だろー?有名になれば女の子にモテまくるぞ~」

カツオ「え!?ホントに!じゃ一流の歌い手になるしかないじゃないか~!」

中島「全く磯野は調子がいいな~」

カツオ「褒め言葉として受け取っておくよ~」

数日後……

カツオ「せぇぇんぼぉんずぅあくぅらぁぁぁぁ!夜にむぁぎぃれぇー!!」

ダッダッダッダッ!!
ガラガラ!!

波平「バカもーーーん!!何時だと思っておる!!」

カツオ「君のこぉうぇもぉぉお!聞こえないよぅ!!」

波平「無視しおって!!カツオーーっ!!」

カツオ「ん?あっ!父さん!今録音中だから入って来ないでよ!」

波平「何ー?録音だと?」

カツオ「せっかくサビいい感じだったのに取り直しだよー!ワカメ!イントロから頼む!」

ワカメ「お兄ちゃん!私もう眠いわ~」

カツオ「そこをなんとか頼むよー」

波平「バカもーーーん!!近所迷惑だとは思わんのか!!ワカメももう寝なさい!」

カツオ、ワカメ「はーい」

ワカメ「お兄ちゃんのせいで私も怒られちゃったわー」

カツオ「悪かったよー。やっぱ深夜に録音は厳しいかー」

次の日……

カツオ「よし!今日は休みだから昼間から思いっきり録音できるぞー!」

サザエ「カツオー!中島君から電話よー!」

カツオ「ん?なんだ?はーい!」

ダッダッダッダッ!ガチャ!

中島「おー磯野!歌のほうは順調かい?」

カツオ「まだ録音すらまともにできないよー!プロの道は長そうだね~」

中島「ハハッ!そうかい。それより磯野ー、僕の動画もう見たかい?」

カツオ「えー!?中島もう上げたの?」

中島「まあね。一昨日にちょうどミキシングも終わってね!」

カツオ「中島は相変わらず仕事が早いなー」

中島「まあ磯野も頑張れよ!URL送っておくから後で見てみろよー!」

カツオ「分かったよー!歌い手デビュー中島に先こされちゃったかー」

カチッカチカチ!

カゲロウデイズ†歌ってみた【ナカG】

カツオ「お!これだな!お手並み拝見といこうかなー」

カチッカチカチ!

ナカG「ぷぅわーっと通ったトゥラックゥがぁ君を引きずってぇぇ泣きさぁけぶうぅぅ!!」

カツオ「す、すごい!中島ってこんなに歌うまかったのか!」

カツオ「ん!!それにマイリストとコメントがこんなに!!期待の新人タグまで!!」

コメント
「奇跡の高音!!」

「イケボ杉ワロタwwww」

「こりゃ音楽に革命が起こるな……」

「プロより上手いレベル」

動画は流れる絶賛のコメントで埋め尽くされていた

カツオ「しかもコミュニティまで作ってある!メンバーもこんなに沢山!中島のやつぬけがけしたな~!」

それから中島は次々と動画を上げていきランキング上位にくい込むほどの人気を獲得していった

数日後・・・

中島「磯野ー!新作見てくれたか?」

カツオ「ま、まあね!すごいじゃないか数日であんなに人気になるなんて」

中島「そんな褒めるなよー!また新曲近いうちに上げるから期待してろよ!」

カツオ「お、おう!僕も早く動画上げないとなー」

中島「まさか磯野が踊り手になるなんて驚きだったよー。まあ運動神経がいいから歌い手よりは向いてるかもね!」

カツオ「う、うん。僕も中島の人気に追いつけるよう頑張るよ。」

中島「それより磯野~今度僕生放送でゲーム実況やろうと思うんだけど」

カツオ「実況!?歌い手の次は実況者とは中島は欲張りだな~」

中島「それで磯野ー!デジモン持ってたろ?僕金欠で買えないから貸してくれないかー?」

カツオ「えー!?デジモンならもう売っちゃったよー」

中島「本当かい!?仕方ないなー、何かほかの手を考えないと……」

数日後の夜・・・

カツオ「中島新作上げるって言ってたけどもう上がってるかな~?」

カチッカチカチ!

【ナカG】今夜は朝までゲーム実況生放送!

カツオ「え!?中島のやつ生放送してる!金欠とか言ってたのに何のゲームだろう?」

カチッ!

ナカG「うわー!ここでそれくる普通?」

ナカG「マジでありえんって!うわ!わはははは!」

アグモン「スピットファイア!」

カツオ「え!?これデシモンだ!中島のやつ持ってないって言ったのに!」

ナカG「ヤバイヤバイ!ちょ!みんな応援して応援!!」

コメント
「ガンバー!」

「ナカGさんファイトです!」

「負けないで!!」

「実況でもイケボ杉ワロタww」

カツオ「生放送でもすごい人数だな~。というか中島いつもより生き生きしてるぞ~」

アグモン「ベビーフレイム!」ボワッ!

カツオ「お!この技懐かしいな~!あれでもなんかエフェクトが違うような・・・」

カタカタカタカタ……

「今の技エフェクトおかしくなかったか?」

カツオはコメントを流した

コメント
「え?確かにそうかも」

「これ確か割ったやつで出るエフェクトじゃね?」

「まじだww確認してくるww」

「ナカG割れ厨疑惑ww」

「犯罪者乙」

カツオのコメントをきっかけにコメント全体の雰囲気が一変する

ナカG「え?ちょ!あっほらほら!ワープ進化きた!ワープ!」

コメント
「誤魔化すなカス」

「牢獄にワープしろ」

「ナカGさんはそんな事しません!」

「↑信者は黙れ」

ナカGが話をそらそうとするも流れは変わらなかった

カツオ「なんか悪いことしたかな~。まあ中島なら大丈夫だよね!」

カツオはブラウザをそっと閉じ布団に入った

次の日の朝……

カツオ「おっはよー!あれ中島まだ来てないのか?」

花沢さん「中島君今日はお休みみたいよ!」

カツオ「え!ホントに!?さては昨日夜ふかししすぎたな~」

夕方……

カツオ「さてランキングでも見てみるかな~」

カチッカチカチ!

カツオ「僕もいつかランキングにくい込んでやるぞ~!ん!?」

カツオはランキング1位の動画に目をやる

【割れ厨】歌い手ナカG割れ疑惑の真相

カツオ「こ、これは!!昨日の生放送じゃないか!」

カチッカチカチ!

カツオ「やっぱり昨日の放送録画してた人いたのか~」

ランキングを見渡すとエフェクト比較動画や
生放送の映像を素材としたMADなどが点々とランキング入りしている

サザエ「カツオー!中島君から電話よー!」

カツオ「え!はーい!!」

ダッダッダッダッ!ガチャ!

中島「磯野~!大変な事になった!」

カツオ「もうだいたい把握しているよ~!それよりあのゲームホントに割ったのか?」

中島「磯野が売っちゃうのが悪いんだろー!今まで上げた動画が荒らしコメントで炎上中だよ!」

カツオ「酷い言いがかりだな~。とりあえず動画消して大人しくしていた方がいいんじゃないかな?」

中島「バカ言え~!あんな再生数、コメ数叩きだして今更消せる訳ないだろ~!」

カツオ「中島もわからないやつだな~」

中島「それにCDデビューの話も来てるんだ!このまま歌い手を辞めるわけにいかないだろ!」

カツオ「CD!?そりゃすごいやー!」

中島「そうさ!磯野はせいぜい踊り頑張れよ!じゃあまた!」ガチャ!

カツオ「中島のやつ~!」

カチッカチカチ!

マトリョシカ†歌ってみた【ナカG】

ナカG「きっとぉ私はいつでぇもぉそぉぉぅ!つぅぅうぎぃはぎぃ狂っとぅあ!マッ!ット!リョッ!シカァッ!ハァイ!ハァイ!!ハイハイハイ!!」

コメント
「耳腐る」

「これが割れ厨の歌声か」

「変なアレンジうざい」

「声キンキンして難聴になりそう」

「ナカGをバカにするやつ全員呪う」

「ナカGさん!負けないで!」

「↑信者消えろ」

カツオ「結構前の動画も荒らされてるんだな~。でもまだ何人かファンが残ってるみたいだ!」

ナカG「イェイイェェイェイイェイイェェェエアァァ!!!」

カチッ!

カツオは音量をそっとミュートにした

カツオ「あっ!いい事思いついたぞ~!今日の僕は冴えてるよ~」

その夜、中島家・・・

カタカタカタカタ……

「ナカGがんばれ!」

「やっぱりイケボだな」

カタカタカタカタ……

中島「絶対戻ってきてねっと……」

カタカタカタカタ……

中島「これでよしっと!あとは騒ぎがおさまるの待つだけだ!」

中島「やっぱり人気が出るとアンチも沸くんだな~。ホント疲れるよ~」

中島「ランキングも早く落ち着いてくれないと」

カチッカチカチ!

中島「え……?」

中島はランキング1位の動画のサムネを見て驚愕した

「割れ厨ナカGの素顔が流出!」

中島「これ僕の写真じゃないか~!」

カチッ!

サムネイルをクリックするとナカGの歌声と共に中島の写真がスライドショーのように流れる

コメント
「これマジかwwwww」

「刈り上げメガネwwww」

「絵と別人やんwwww」

「これは犯罪者の顔ですね~」

「ナカGさんはこんな顔な訳ありません!」

「↑現実を見ろ信者wwww」

中島「……」

中島にはそれが走馬灯に見えた

次の日磯野家・・・

カツオ「よーし!中島も当分動画上げないだろうし今がチャンスだぞ~」

カチッカチカチ!

「ニコニコ生放送」

カチッカチカチ!

カツオ「みんな今は外食に行っていないから生放送するなら今しかない!」

カチッ!カタカタカタカタ

カツオ「このためにせっかくの外食断ったんだからここで人気取らなくちゃね~」

カタカタカタカタ……

【かっさんのダンスダンス生放送】

カツオ「これでよしっと!」

カチッカチカチ!

画面にカツオの姿が映し出された

かっさん「どうも~!初めまして~!かっさんと申します!
    初生放送で緊張してますが頑張って踊りたいと思いま~す!」

カチッ!

デデデデデデン♪デデデデン♪

軽快な音楽が部屋に流れ始めた

かっさん「ほっ!はっ!」

カツオはリズムに身をまかせ踊りだす

かっさん「だぁあいたん不敵にぃっ!ハァイカラァ革命ぃっ!」

コメント
「歌うのかwww」

「キレっキレやな」

「これはなかなか」

かっさん「せぇぇんぼぉんずぅあくぅらぁぁぁぁ!夜にむぁぎぃれぇー!!」

コメント
「サビいいね!」

「踊りすげー!」

「歌って踊れるってカッコイイ!」

かっさん「ふっ!はあ!」

サビを歌う頃にはテンションが最高潮に達していた

ガラガラ!!

ワカメ「お兄ちゃんただいまー」

カツオ「うわ!?わ、ワカメ!」

ワカメ「お店今日お休みだったからまた今度行くことになったの!」

カツオ「い、今生放送中だから入ってくるなよ~!」

コメント
「妹キターーー!」

「パンツはみ出てるwwww」

「ワカメってwwww」


カツオ「お前が映るとBANされるから出てけよ!」

ワカメ「お兄ちゃん酷いわ~!」

波平「何を騒いどるやかましい!」

カツオ「と、父さん!?」

波平「ん!?バカもーーーん!妹を泣かすやつがあるか!!」

コメント
「お父さんもきたwwww」

「ハゲwwww」

「↑エコノミー乙。プレミアム画質だと上に1本生えてるの分かる」


テュルルルン!

タラオ「何やってるですかー?」

サザエ「タラちゃん待ちなさい!」

タラオ「パソコンに僕が映ってるでーす」

サザエ「あら本当だわ!」

コメント
「刈り上げキター!」

「最近話題の刈り上げメガネ思い出すwww」

「お母さん変な髪ワロタwww」


サザエ「なんですってー!出てきなさ~い!!」バンバン!!

カツオ「姉さんカメラ叩かないでよ!!生放送中だって!」

フネ「カツオ。ニコ生はプレミアム会員じゃないとできないんじゃないのかい?」

マスオ「えぇー!?カツオ君ニコニコプレミアム会員だったのかい?」

サザエ「そのお金はどうしたのよ?」

カツオ「そ、それは~、後で返すよ姉さん!!」

サザエ「呆れた~!待ちなさ~い!!」

カツオ「もう生放送はこりごりだよ~!!」


その後この放送を録画していた視聴者により

動画が上げられランキング1位をキープ、

数々のMADが作られるなどかっさん含む磯野家は

ニコニコ大百科にその名を刻まれるほどになった。

----完----

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年01月27日 (月) 21:03:34   ID: hJx8XVus

サザエさんSSで一番好き

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