王様「まずは酒場で仲間を募るのだったな」
酒場
王様「おい、そこの者」
店主「へいらっしゃい、なんだ王様か」
店主「王様!?え?王様!?」
王様「魔王討伐のパーチーを組みたいのだが」
店主「は、は、は、はい!ただいま!」
王様「おかえり、それとこの酒を・・・・・おらぬではないか」
王様「せっかく民が愛飲している酒というものを味わえると期待してたのに」
強面の戦士「おいおい、こんなとこに場違いな装備の奴がいるぜ」
十字傷の武闘家「ほーう、金持ちって感じだな」
細目の魔法使い「けけっ、痛い目にあいたくなかったら金をだすんだ」
王様「な、なんなのだお主らは」
強面の戦士「へへっ、確かに相当な貴族らしいな」
十字傷の武闘家「この、まるで王様が着てそうな服はかなりのもんじゃないか」
細目の魔法使い「そうそう、この、まるで先代から引き継いだような冠とか・・・・・」
強面の戦士「え?」
店主「王様!お待たせいたしました!」
強面の戦士「ルーラ!」
十字傷の武闘家「ルーラ!」
細目の魔法使い「ルーラ!」
ゴンッ ゴンッ ゴンッ
強面の戦士は棺桶になった!
十字傷の武闘家は棺桶になった!
細目の魔法使いは棺桶になった!
王様「何をしておる」
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店主「あーあ、天井にひびが入っちまった」
王様「・・・・・・」
店主「あ、すみません!王様のパーティーについてなんですが」
王様「ん?その事ならもうよい」
店主「え!?ここらじゃトップクラスの精鋭揃いですよ?」
王様「よいのだ、わざわざ用意させてすまなかったな」
店主「とんでもございません!こちらこそ相応しい人材を紹介できずに・・・・・・」
店主「ところで、何かあてがあるので?」
王様「ああ、今から教会へ向かわねばならんが」
店主「教会?」
王様「棺桶を三つ、生き返らせてもらうのだ」
店主「そいつらを仲間にするんですか!?」
店主「悪い噂が絶えないほどの悪ですって!やっぱりさっき用意し」
王様「民を導くのが王である私の役目なのだ」
店主「お、王様・・・・・・」
王様「ではな、迷惑をかけた」
店主「は、はい!魔王討伐の一報、待ち望んでおります!」
大臣(先回りして名簿に登録してきたのに王様ぁ!!)
教会
神父「迷える子羊・・・もとい王様、どのようなご用件ですか?」
王様「この三つの棺桶を生き返らせてほしいのだ」
王様「金は一万Gある、足りないのなら城の金庫」
神父「足りますから!私が強盗にあうのでおやめください」
王様「そうか、いくらなのだ?」
神父「240Gになります」
王様「うむ、では頼む」
神父「あ、もう生き返ってます」
王様「早っ!?」
神父「慣れっこなんで」
王様「そういうものなのか・・・・・?」
神父「では、お気をつけて」
王様「ああ、そうさせてもらおう」
王様「お主たち、よく聞け」
強面の戦士「・・・・・・」
十字傷の武闘家「・・・・・」
細目の魔法使い「・・・・・・」
王様「自身の悪行を償う為に、私と共に魔王討伐に行くのだ」
強面の戦士「魔王討伐って・・・・・・」
十字傷の武闘家「まじかよ、くそっ」
細目の魔法使い「なんでこんな事に・・・・・」
王様「共に来てくれたら、罪を免除すると言っておるのだ」
強面の戦士「行きます!」
十字傷の武闘家「行きますっ!」
細目の魔法使い「行きます!」
王様「仲が良いのだな」
強面の戦士が仲間になった!
十字傷の武闘家が仲間になった!
細目の魔法使いが仲間になった!
王様「うむ、よろしく頼むぞ」
戦士「へっ、任せな」
武闘家「俺達ほど頼もしいメンバーはいないぜ」
魔法使い「王様もついてるな、けけっ」
王様「時にお主ら、職業を教えてくれんか」
戦士「ああ、そうだったな」
戦士「俺は見た通りのままだが、戦士だ」
王様「何故、戦士に?」
戦士「理由か、小さい頃から憧れてたんだ」
戦士「一緒に修行してたあいつは、今も元気にしているのかな・・・・」
王様「ほう、良き友だったのだな」
戦士「いや、一回しか修行した事ないぜ」
王様「一回?」
戦士「そん時、あいつのおかげで俺は初めてレベルアップして・・・・・・」
王様「お主、違っていたら誠に申し訳ないが」
王様「それ魔物」
戦士「えっ」
戦士「だからあいつ人間食いたいとか言ってたのか」
王様「気づけ」
戦士「って事は、俺があいつを倒してレベルアップしたのは・・・・・・・」
戦士「あん時から俺は悪に染まって、でもあいつは実は魔物で」
戦士「なんて、様だぁ・・・・・・」
戦士「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
王様「うぉっ!?」
戦士「ま、いいや」
王様「えっ」
王様(変な人パーチーに加えちゃった)
王様「では、次」
武闘家「俺も見ての通りだが武闘家だ」
武闘家「でもな・・・・ここだけの話、本当は魔法使いになりたかったんだ」
王様「それがどうして武闘家に?」
武闘家「魔力を鍛えれば鍛えるほど、筋肉だけが増えていってな」
王様(こいつも変な奴じゃな)
武闘家「はぁ、魔法使いになりたかったぜ」
王様「お主もどこか変なのだろう?」
魔法使い「ひひ、俺のどこが変なのやら」
王様(ひひ、って自分から言ってるくせに・・・・・・・)
魔法使い「俺もこの通り、魔法使いですぜ」
王様「魔法使いになった理由は?」
魔法使い「小さい頃・・・・魔法使いみたいっていじめられてたんだ」
王様「なんと」
魔法使い「でも、魔法使いなんだなぁ」
王様「えっ」
魔法使い「今となっては、いじめられていた事も成長の一歩だったのかもしれねぇ」
魔法使い「だから、魔法使いなんだなぁ」
王様「そ、そうなのじゃな」
王様(なんとかギリギリセーフ、同情もあってかギリギリセーフ)
魔法使い「ルーラ以外の魔法は使えませんがね」
王様「アウト!」
王様「とんだパーチーになってしもた」
戦士「で、王様は?」
王様「なにがじゃ?」
武闘家「王様の職だよ、俺たちだけ言うのは不公平だろ」
王様「そ、そうか」
王様「えー、オッホン」
王様「私はご覧のとおり、国王である」
魔法使い「えっ」
王様「どうして国王になったかというと先代が・・・・・・・」
王様「何をポカンとしておる」
戦士「国王って職なのかよ・・・・・」
武闘家「・・・・まま、まぁまぁ、理由を聞いてみようぜ」
王様「うむ、これは話せば長くなるんじゃが」
魔法使い「短くできねぇのか」
王様「なんとなく」
戦士「みんな、準備はできてるな!」
武闘家「もちろんよぉ!」
魔法使い「さて、魔王を倒しに行くぞい!」
王様「私の話でやる気になってくれたか」
三人(なんか変なのとパーティー組んじまった)
戦士「よし、ここからは魔物もでてくるぞ」
武闘家「どんな魔物が来ても、俺がぶっ倒すぜ」
魔法使い「へへ、まずはどこに向かうんだ?」
王様「あそこに城が見えるか?」
戦士「ああ、見えるぜ」
武闘家「あそこに行くんだな」
王様「うむ、あの城に魔王がおる」
魔法使い「魔王の城か、あれって魔王の城なの!?」
戦士「近っ!?何故あんなところにあるんだ!?」
王様「ちなみに後ろに見えますお城が、何を隠そう私の城だ」
武闘家「聞けよ!民の声を聞けよ!」
魔王の城
戦士「ついたよ、魔物にあわずについちゃったよ」
王様「ここが入口か、大きな扉だな」
ギイィィ カチッ
王様「ん?」
ヒュー ガシャーン
武闘家「ああ!?王様が!?」
魔法使い「上から降ってきた鉄格子に閉じ込められた!?」
王様「なんと・・・・・・・」
ヒョイ
戦士「あ、これ軽い!」
武闘家「えっ!?」
魔法使い「本当だ!指一本で持てる!」
王様「それはいくらなんでも軽すぎでは軽っ!?」
王様「助かった、ありがとう」
王様「さて、この先どんな罠が待ち受けている事か」
王様「くれぐれも注意して進むのだぞ、では参ろう」
三人(あんたが一番気を付けてくれ・・・・・・・・・・・・)
魔王「よくここまで来た、人間よ」
王様「魔王!」
戦士「えぇ・・・・・」
武闘家「城に入ってすぐなのかよ」
魔法使い「城の間取りぱねぇ」
魔王「ここが貴様らの墓場だ!」
戦士「唐突!?」
魔王「くらえ、攻撃魔法!」
魔王は攻撃魔法を唱えた!
ボォ
王様「なぬっ!?」
戦士「危ない!」
戦士は11のダメージを受けた!
戦士「あちちっ、あちっあちっ」
王様「どれ、私のマントで」
バサッ
戦士「ふぅー、サンキュ」
武闘家「今のはメラか?」
魔法使い「魔王の癖に小手調べとは」
魔王「ふっふっふっ、魔法というのは魔力で威力が変わる」
魔王「今のはメラではない、マダンテだ」
戦士「えっ」
武闘家「えっ」
魔法使い「えっ」
戦士「さっき完全に燃えてたよな?」
武闘家「ああ、ありゃ火だ」
魔王「私の魔力では炎以上のものにできないのだ」
魔王「分かったか、人間ども」
魔法使い「よく上から目線で言えるな」
魔王「さて、お遊びはここまでだ」
ガタッ スタスタスタ
魔王「あの世で私に恐怖するがいい」
戦士「今さらそれっぽい事言われてもなー」
王様「すでにお前が怖い!」
武闘家「えぇっ!?」
魔法使い「大丈夫大丈夫、こんな奴俺一人でも」
魔王「魔王が魔法使いと誰が決めた!」
魔王は杖を大きく振りかぶった!
魔法使い「へ?」
魔王は力いっぱい杖を振り下ろした!
魔王の攻撃!
ドゴォォォォォォン
魔法使いは65573のダメージを受けた!
魔法使いは棺桶になった!
戦士「強っ!?え?強っ!?」
武闘家「魔法使いぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ」
王様「なんと・・・!」
魔王「魔法などと難しい事はさっぱりだが」
魔王「何者も殴り続けられればいつかは息絶えるのだ!」
戦士「もしやとは思っていたがコイツ相当バカ!」
ビキビキビキビキ
戦士「うぉっ、床にヒビが!」
武闘家「とんでもないパワーだ、俺達で勝てるのか!?」
王様「己を信じるのだ、必ず勝てると・・・・・」
戦士「王様・・・・・・・・」
王様「私が安全に手柄を立てれるように!」
武闘家「王様!?」
魔王「ククク、クックックックッ」
戦士「くそっ、笑われてるぜ!」
魔王「我が居城に傷をつけるとは許さんぞ人間どもぉ!」
武闘家「あんたじゃん!?」
戦士「・・・・・なんか勝てる気がしてきたぜ」
武闘家「ああ、俺も勝てそうな気がしてきた・・・・・」
王様「な?」
戦士「お前じゃねぇよ!?」
戦士「屈強な肉体だが、頭が悪けりゃなんとかなる!」
武闘家「一気に畳みかけるのか」
戦士「ああ!フォーメーションアタックだ!」
武闘家「了解!」
武闘家「行くぜぇ!」
魔王「何をするつもりだ」
武闘家の攻撃!
魔王に1099のダメージ!
魔王「ふんっ、痛くも痒くもないわ!」
戦士「ところがどっこい!」
魔王「後ろ?いつの間に!?」
戦士の魔神斬り!
魔王に5730のダメージ!
魔王「グォッ!」
魔王「おのれ!小癪な!」
王様「どうだ!魔神斬りの威力は!」
戦士「あんたが言うなよ!?」
魔王「人間にしてはそこそこできる」
魔王「だが!」
グキッ゙ギギギギ
魔王の体から無数の腕が伸びる!
戦士「おぉ・・・・グロテスク・・・・・・」
魔王「我が第二形態を目にした者は今まで一人しかいなかったが」
魔王「お前達で五人目だ」
武闘家「魔法使いは棺桶だから四人目な」
魔王「我が第二形態を目にした者は五人だけだったが」
魔王「お前達で十人目だ」
戦士「言い直した!?しかも間違いを上乗せしてきた!?」
武闘家「変身したせいでかなり頭が悪くなりやがった」
魔王「ええい!そんな事などどうでもよいのだ!」
戦士(あんたから言ったんじゃん・・・・・・)
魔王「我が乱打を受け切れるか!?」
魔王はばくれつけんを放った!
戦士「な!?」
戦士に21207のダメージ!
戦士は棺桶になった
武闘家「戦士!?」
魔王「次はお前だ!」
武闘家「うわぁ!?」
武闘家に297のダメージ!
武闘家に301のダメージ!
武闘家に298のダメージ!
武闘家「いてぇ!」
魔王「た、耐えた!?」
王様「戦士が弱いのか武闘家が強いのか、私の加護なのか」
魔王「ばかな!?人間ごときが耐えきれるはずは!?」
武闘家「そっか、俺はどうしても魔法使いになりたくて・・・・・・・・」
武闘家「でも修行を積めば積むほど筋肉だけが増えていって・・・・・・」
武闘家「今に至る」
魔王「説明になっていない!?」
武闘家「へっ!今度はこっちの番だ!」
魔王「うぐぅ!まずい!?」
武闘家はイオを唱えた
魔王に3のダメージ!
魔王「弱っ!?」
武闘家「やっぱり魔法使いの才能がないのかぁ!?」
武闘家「こんちくしょう!」
武闘家は正拳突きを放った!
魔王「ごぶっ!」
魔王に5656のダメージ!
魔王「ふんっ!」
武闘家「おりゃ!」
王様「なんて激しい殴り合い・・・・・・!」
武闘家「はぁはぁ、くそっ!このままじゃ体力切れで負けちまう!」
魔王「ふっはっはっ、我に勝てると思ったのがそもそも間違いなのだ」
王様「武闘家よ!なんとか頑張ってくれ!」
武闘家「何か策があるのか!?」
王様「ないけど?」ポリポリ
武闘家「なんで寝転んでんだよ!」
王様「武闘家なら勝てるのかなぁーって」
武闘家「幻滅だよ!」
王様「それは困る、王様だし」
武闘家「だったらなんとかしてくれ・・・・・」
王様「一応、仲間を生き返らせる道具なら持ってるけど」
武闘家「もっと早く言えよ!?」
王様「私が死んだ時用と予備と、二つある」
武闘家「えぇ・・・・・・」
王様「さぁ!地獄の淵から蘇れ!」
武闘家「もうなんなんだよ」
王様は世界樹の葉を二つ使った!
戦士は生き返った!
魔法使いは生き返った!
戦士「おお!生き返らせてくれたのか!」
魔法使い「よくやってく・・・・・・魔王生きてんじゃん」
戦士「え?あ、ホントだ」
魔法使い「なんだよー、だったらまだ生き返らせなくていいのに」
武闘家「魔王とは対等に殴り合えたが、あと一歩ってところなんだ!」
戦士「もう痛いの嫌だしなぁ」
魔法使い「あの杖けっこう痛いんだぞ」
武闘家「もう俺くらいしかまともなのがいねぇ・・・・・・・・・」
戦士「まともな奴は魔王と対等に殴りあえねぇよ」
魔法使い「ま、俺を生き返らせてる時点でまともじゃねぇわな」
武闘家「生き返らせてやったのに・・・・・・」
魔王「仲間を生き返らせたか、しかし」
魔王「小魚がいっぱいいても私の相手ではないわ!」
王様(雑魚という言葉が出てこないのだろうか)
戦士「言わせておけば!」
武闘家「だが、それは事実かもしれない」
魔法使い「武闘家が殴り合いで負ける程の相手だ」
武闘家「お前達には悪いが、生き返らせた所で勝てる相手とは思えない」
戦士「くそっ、じゃあどうするんだ!」
魔王「この魔の鎧を装備している限り私には勝てん!」
戦士「なんか急にヒントみたいなのをくれたぞ」
武闘家「変身してから更に頭が悪くなってるからな」
魔法使い「なるほど、向こうからしたら自慢したくてたまらないんだな」
戦士「という事は、あの鎧をどうにかしないといけないのか」
武闘家「でもどうすりゃいいんだ」
王様「魔王 その鎧に打ち勝つ方法を教えてくれ」
魔法使い「普通に聞いた!」
魔王「金色に輝く魔法の玉があれば、この魔の鎧は木端微塵になる」
戦士「答えた!?」
王様「そうか、金色の玉か」
武闘家「しかもどことなく下品!」
王様「戦士よ、金色の玉を持っておらんか」
戦士「持ってねぇよ、魔王の城へ直で来たのは失敗だったんじゃないのか」
王様「武闘家よ、金色の玉を持っておらんか」
武闘家「持ってないぜ、ってか出直した方がいいんじゃ・・・・・・」
王様「魔法使いよ」
魔法使い「俺も持ってねぇって、持ってたら真っ先に言うし」
王様「金玉を持っておらんか?」
魔法使い「え!?俺だけそれ!?」
魔法使い「いや持ってるけどさ、二つほど持ってるけどさ」
王様「一つ譲ってくれんか」
魔法使い「なんでだよ!嫌だよ!」
戦士「鎧をどうにかできないんじゃあ、勝ち目なんてないぞ」
武闘家「あの巨体を覆い尽くすほどの鎧」
魔法使い「唯一、顔だけはでてるが」
王様「攻撃は届かない、か」
戦士「攻撃魔法があればな・・・・・・・・・」
武闘家「俺じゃ魔力が弱すぎるし」
魔法使い「俺は攻撃魔法なんて覚えてないし」
王様「・・・・・・・」
戦士「第一、魔法使いの癖になんで魔法が使えないんだよ!」
魔法使い「使えないわけじゃないし!ルーラは使えますぅー!」
武闘家「まあまあ、こんな時に喧嘩はやめようぜ」
戦士「うるせぇ!魔力なんか無い癖に、無駄に魔法を覚えやがって!」
魔法使い「武闘に専念してれば勝てたかもしれないんだぞ!」
武闘家「んだとごるぁ!?」
王様「・・・・・そうか、その手があったか」
王様「お前達」
戦士「大体お前はなぁ!」
武闘家「そういうお前だって!」
魔法使い「俺は?俺の事ももっと言って!」
王様「まったく」
ガスッ ガスッ ガスッ
戦士「痛っ!?」
武闘家「いてっ!」
魔法使い「痛い!?」
戦士「なにするんだ王様、冠のトゲトゲで殴るのは反則だろ」
王様「魔王に勝つための策を思いついたのだ」
武闘家「ほ、本当か!?」
魔法使い「また変な事言い出すんじゃないだろうな」
王様「安心せい、やる時はやるのが私だ」
魔王「やっと我に倒される気になったか」
王様「魔王よ、お主・・・・・」
魔王「なんだ」
王様「大臣や執事、召使いはどうしたのだ」
魔王「なに?」
王様「私には互いに信頼し合っている大臣と三人の執事」
王様「そして、35人の召使いがいるのだが」
王様「この城にはいないのか?さっきから見当たらないのでな」
魔王「べ、別に必要じゃねぇし」
王様「そうか、必要ないと申すのか」
魔王「わ、我は寂しさなど感じないもん」
王様「ふむ」
王様「仕事の日も休みの日も、大臣と共に切磋琢磨し」
魔王「そ、それがなんだ!」
王様「やる気が出ない時やむしゃくしゃした時は執事をこき使ったり」
魔王「ふ、ふん!」
王様「若い召使いにちょっとえっちな悪戯したり、時にはムフフな事になったりして」
魔王「あ、あぁ・・・・・・・・・・・ああ!」
王様「だがお主には必要ないのか、そうか」
魔王「い、いや・・・・まぁ、王としてそういった者達と触れ合うのも良いかもしれんな」
魔王「ムフフかぁ」
戦士「残念だがムフフが叶う前に倒させてもらうぜ!」
ガシッ
魔王「はっ!?いつの間に足元に!?」
武闘家「頭が悪い相手の気をそらす事くらい簡単な事はねぇんだよ!」
ガシッ
魔王「人間がこんな卑怯な手を使うとは!?」
魔法使い「人間の事をちゃんとした目で見れてんのね」
ガシッ
魔王「我の足をつかんで何を!?ってか見損なったぞ人間!」
王様「魔王よ、人間も魔物もどちらも同じくらいの悪だ」
王様「しかし、唯一の違いと言えば」
王様「人間の『勝てば官軍』という教えがある事か」
三人「行くぞ!」
魔王「三人の魔力が高まっているだと!」
魔王「まさか、自爆でもするつもりか!?」
魔王「いくら魔の鎧といえど、この距離で三人では!?」
魔王「うおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」
戦士「ルーラ!」
武闘家「ルーラ!」
魔法使い「ルーラ!」
魔王「えっ」
ゴンッ
魔王は倒れた!
戦士「ふぅー、帰ってきた帰ってきた」
武闘家「魔王と戦った後だと、長く感じるもんだな」
魔法使い「はぁ・・・・はぁ・・・・・・」
王様「魔法使いよ、あと少しだぞ」
魔法使い「も、もう無理・・・・・・・」
ドサッ
王様「っとと、危ないではないか」
魔法使い「なんで王様をおんぶしなきゃいけないんだよ」
戦士「仕方ないだろ」
武闘家「魔王倒してはしゃぎまわってたら足を捻ったんだぞ」
魔法使い「子供か!全然仕方なくねぇよ!」
王様「怒る元気が勿体なかろう、よいしょ」
魔法使い「うぉっ・・・・ふんぎぃぃぃぃぃぃぃぃ」
王様「よし、それでは歩みを進めるのだ」
魔法使い「ってか武闘家が一番力あるんだからさぁ・・・・・・・」
戦士「わがまま言うな、一番役に立たなかったんだから」
武闘家「魔王に瞬殺されてたもんな」
魔法使い「く、くそぉ」
王様「ほう、民が出迎えてくれる様だぞ」
大臣「もうこの国は駄目だ!人間はお終いなんだ!」
大臣「だったら終わりが来るその時まで、飲んで騒いで楽しもう!」
ガッハッハッハッハッハッ
戦士「えぇ!?」
武闘家「諦めちゃってたのかよ」
魔法使い「しかも大臣が率先してるし」
王様「なんと・・・・・・・」
大臣「皆の衆!もっと飲め飲め!」
大臣「ってあれ?王様?」
王様「魔王を倒してきた」
大臣「・・・・・・・・」
大臣「私は最後まで信じておりました!」
王様「マダンテ」
大臣「うひゃあ!?」
王様「使えんがな」
大臣「えー、オッホン」
大臣「それでは改めまして、魔王討伐記念式典を始めます」
大臣「さっきと変わらず飲んで騒いで楽しもう!」
ガッハッハッハッハッハッハッ
王様「なんでやねん」
戦士「宴だ!」
武闘家「酒だ!」
魔法使い「それと酒だ!」
王様「お主たち、待たれよ」
戦士「なんだよー」
武闘家「宴が終わってからでもいいじゃねぇか」
魔法使い「酒だ!久しぶりの酒だ!」
王様「私と、ある約束をしてほしい」
戦士「約束?」
王様「お主達が今後、悪事を働かないという約束を」
武闘家「・・・・・いいぜ、約束する」
魔法使い「そうだな、良い機会だ」
戦士「でも約束するって、口約束だけでいいのか?」
王様「いや、お主達には優先してやってもらいたい事があるのだ」
王様「頼みに近いかもしれんが、平和への奉仕活動をしてほしいのだ」
武闘家「また面倒なのを・・・・・・・」
魔法使い「はぁ、まぁやるけどさ」
王様「だが、一番優先してもらいたいのは」
戦士「まだあんのかよ」
王様「この宴を楽しむ事だ」
武闘家「お、王様!」
魔法使い「いいのかよ?」
王様「この国の民ではないと言うのなら、話は別だがな」
戦士「一生ここの民でいいぜ!」
王様「うむ、では飲んで騒いで楽しんできなさい」
三人「ひゃっほう!」
王様(あれからもう三か月か)
コンコン
王様「入れ」
勇者「失礼いたします、例の報告を」
王様「うむ、聞こう」
勇者「戦士殿は町の道場を借りて、子供たちに剣の道を指導しております」
王様「ほほう、確かに剣の腕は達者だったな」
勇者「武闘家殿は町を巡回し、人助けや治安維持の為に励んでおります」
王様「ふむふむ、あの肉体ならなんでもこなせるだろう」
勇者「魔法使い殿は魔物の言葉を学び、通訳として魔物との懸け橋となっております」
王様「うむ、魔物と共存する為の第一歩というわけか」
勇者「報告は以上です」
王様「皆、良い道を歩み始めたのだな」
勇者「時に王様、一つ聞き忘れていた事がございまして」
王様「なんだ、申してみよ」
勇者「魔王討伐の件なのですが」
勇者「私も行った方が良かったのでは?」
王様「あ」
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