陽子「何かいい方法ない？」

アリス「え、ええと……？」

忍「陽子ちゃん、急にどうしたんですか？」

陽子「きのう雑誌立ち読みしてたら『頭をなでると人見知りが治る！』って記事を見つけてさー、
　　綾をなでなでしたらあいつの人見知りも治るかなーって」

忍「なるほどー」

アリス「それなら普通に撫でてあげればいいんじゃ？」

陽子「私もそうしたんだよー。そしたら綾の奴、恥ずかしがって逃げちゃってさ。猫かっつーの」

アリス「あー」（すごく想像できる……）

忍「そういうときはまず足を撃ち抜くんですよ」

陽子「私は時々シノのことが分からなくなるよ」

カレン「何の話してるデース？」ﾋｮｺ

アリス「カレン……カレンは人見知りとは全く無縁だよね」

陽子「確かに、誰とでも仲良くなっちゃうよなー」

忍「はっ！　ということは……！」

忍「カレンになでなでしてもらったら……ものすごくコミュニケーション上手な人間になれる……！？」

アリス「そ、そうなの！？」

忍「試してみる価値はありますよ！　コミュ力があれば就活で有利ってこの前お姉ちゃんが言ってました！」

アリス「イサミが言ってるなら間違いないよ！」

忍＆アリス「カレン！」

カレン「オオウ？」

忍＆アリス「なでなでして（ください）！！」

カレン「よく分からないデスが……なでなでシマース！」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

忍「はわぁ～」

アリス「ほや～」

カレン「二人とも甘えんぼさんデスねー」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

忍「カレンの……カレンのコミュ力が染み渡りますぅ～」


陽子「……」


忍「はぁ～、金髪少女なでなで～」


陽子（こいつ、ただなでてもらいたかっただけじゃ）

帰り道

陽子（結局いい案浮かばなかったなー）

綾「どうしたの、難しい顔して」

陽子「なあ綾」

綾「？」

陽子「頭なでていい？」

綾「な、何よ、またその話？」

陽子「いーじゃんなでるくらいー」

綾「や、やめてよ子供じゃないんだから」

陽子「ぶーぶーぶー」

綾「……そもそも、何でそんなになでたがってるのよ」

陽子「それは……そこに綾がいるからさ！」

綾「はぁ？」

陽子「つ、冷たい反応だねえ」

陽子「本当は綾の人見知りを治そうと思ってさ。なでなでされると治るらしいよ」

綾「なにそれ、うさんくさい……」

陽子「そういうわけだからー、なでなでしていい？」

綾「……ま、まあ、それなら……いいけど……」

陽子「やったー！」

綾「よ、陽子がどうしてもって言うから仕方なくなんだから！　勘違いしないでよね！」

陽子「はいはい分かった分かった」頭ﾎﾟﾝﾎﾟﾝ

綾「ひゃ///」

陽子「♪」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

綾「あ……う……///」

陽子「どう？」

綾「ど、どうって……」

陽子「治りそうな感じ？」

綾「そ、そんなの、分かんないわよ……」

陽子「そっか……」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

綾「ん……」

陽子「……」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

綾「ち、ちょっと」

陽子「ん？」

綾「いつまでなでてるのよ……」

陽子「いやー、大人しい綾見てたらずっとこうしてたくってさー」

綾「な！？///」

陽子「でもま、そういうわけにもいかないし」ﾋｮｲ

綾「あ……」

陽子「また明日な、綾ー！」

　ﾀｯﾀｯﾀ...

綾「……」

綾「……」

綾（もう少し……）

綾（もう少し……続けてほしかった……）

綾「～～～っ！///」ﾎﾞﾌｯ

綾（お、思ってない、思ってないんだから！！）

翌日

陽子「んふふー」

綾「何にやにやしてるのよ……」

陽子「綾ー、頭なでていいー？」

綾「ま、また！？」

陽子「だめ～？」

綾「だめじゃ、ない、けど……」

陽子「じゃあ遠慮なく♪」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

綾「あうう……」


　ｱﾚﾐﾃｰ
　　　　　ｱﾔﾁｬﾝｶﾜｲｰ


綾「！？？///」

綾「！？？///」

綾「わーーーーー！！」ﾊﾞﾊﾞﾊﾞ

陽子「うおっ、ど、どした！？」

綾「ひ、人の目があるところはだめ！！」

陽子「そんな恥ずかしいの？」

綾「恥ずかしいわよ！　バカ！///」

陽子「じゃあ……」



綾の家

陽子「♪」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

綾（ななななんでこんなことににに）

陽子「妹がもう一人できたみたいだなー」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

綾（よよよようこにうしろからぎゅってされれれれあたまなでられれれｒ）

陽子「なんか綾とこうしてると落ち着くー」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

綾（あばばばばばばば）

陽子「綾ー」

綾「な！？　ななななんでしゅか！？」

陽子「……呼んだだけ」ﾆｺ

綾「」

陽子「へへ♪」

綾「」

陽子「……綾？」

綾「きゅう」

陽子「あ、綾ーーーーーーー！！」

・
・
・

アリス「それで、人見知り治った？」

陽子「あんまり変わってないなあ」

綾「悪かったわね……」

陽子「あ、でも別のとこでちょっと進歩したんだよ！　見て見て！」

　ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

綾「う……///」

陽子「何と、外でなでなでしても大丈夫になった！」

忍「わあ、すごいです！」

陽子「だろだろ？」

綾（は、恥ずかしい……けど……）

　ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

綾（やめたくない……）

綾（うううう～～～……///）

カレン「じゃあ、次は何するデス？」

陽子「次って、なでなでの次ってこと？」

カレン「イエス！　Step upデス！」

アリス「えーと、ハグとか」

綾（しんじゃう！）

カレン「私はキスがいいデース！」

綾（もっとしんじゃう！！）

忍「スカートめくり！」

綾（男子か！！！）


　ﾊｸﾞｶﾞｲｲﾖｰ!
　ｷｽﾃﾞｰｽ!
　ｷﾝﾊﾟﾂﾉｺ ﾅﾗ ﾅﾝﾃﾞﾓ...

陽子「好き勝手言ってるなー」

綾「ほんとよね……」

綾（き、キス、なんて……）

陽子「……」ﾁﾗ

綾「ていうか、そもそも人見知りを治すんじゃなかっ――」


　ﾁｭ


綾「―――――……」

綾「………………え？」

陽子「……」

綾「え、今、ほっぺ……え……？」

陽子「っひ、人見知り、治る、おまじない……」

綾「え……」

陽子「ち、ちょっとトイレ行ってくるっ！」ﾀﾀﾀ..