新世界より×とあるのクロスです。
シセイさんは殺されたあと、何故か千年以上昔の学園都市に跳ばされた...ということでお願いします。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1362826339
シセイ「(ここは...一体? )」
ワイワイガヤガヤ
シセイ「(私は、悪鬼に殺された筈だ)」
シセイ「(それなのに、何故私は生きているのだ...)」
シセイ「...」
あーっ、このクレープ美味しい!!!
シセイ「(不思議な事に、私の身体は健康そのものだ。当然、怪我一つ残されていない)」
シセイ「(死んだ時の堪え難い苦痛など、まるで最初から無かったかのような感覚がする)」
シセイ「(あれは、かの悪鬼から無意識下に於いて発せられる呪力に締め付けられ、生まれてから初めてまともに感じた痛みであったのだ。普通なら忘れる筈がない...)」
シセイ「(尤も、痛みを感じるのはそれが最初で最後だったのだが...まあそれはいいとしても、それが他人事のようにしか感じられないというのは問題だ)」
シセイ「(自分と同じ姿形をした人間が苦しんでいる映像を、頭の中に流し込まれているような印象しか受けないのだ...)」
ですね! 20分列んだ甲斐がありましたね!!
シセイ「(となると...今の私はわたしであって私ではない存在なのだろうか? )」
シセイ「...」
シセイ「(しかし、いつまでも悩んでいる訳にもいくまい)」
シセイ「(まずは、ここが一体何処なのかを調べなくてはな)」
シセイ「(呪力は...よし、使える)」
シセイ「...」
シセイ「(学園都市か、聞いたこともない街だな)」
シセイ「(付近の様子と以前見た文献の内容からして、ここは呪力誕生以前の世界であろう)」
シセイ「(要は、私がタイムスリップをしたということか...)」
シセイ「...」
シセイ「学園都市...か」
美琴「(...何だか不思議な人がいるわね)」
今日はスレ建てだけで。
マイナーなネタですのでご容赦ください。
美琴「(頭を覆う頭巾のようなものを被っていて、目を隠してるわね)」
美琴「(着ている物についても、周りと比べてかなり浮いてるわ。何だか、忍者みたいな格好よね...)」
シセイ「...」
美琴「(怪しいわ)」
美琴「(何かしないように見張っておかないと...)」
シセイ「(...誰かに見られているな)」
シセイ「(私に対する疑心と警戒の念を強く感じる)」
シセイ「(この街に於いて私はあまり歓迎されていないようだな。まあ、当然か)」
シセイ「(しかし、敵か味方かわからない人間に目を付けられるのはあまり好ましくないな。愧死機構を持たないこの時代の人間には、いくら私といえども容易く殺されかねない)」
シセイ「...」
シセイ「(何処かに身を潜めるべきだろうな)」
シセイ「(取り敢えず...)」
美琴「(顎に手を当てて、何を考えているのかしら? )」
シセイ「(此方に注目している人物...左斜め後ろ10mの彼女、それを撒こうか)」
シセイ「...」
美琴「(何処かに歩き始めたわね)」
美琴「(見失わないようにしないと)」
シセイ「(やはり、ついてくるか。それならば...)」
う、うわぁ、空が突然燃え出した!!?
能力者の仕業か!?
美琴「ッ!? 」
美琴「(空を...燃やす? そんな、空なんて燃やす対象が無いも等しいじゃない)」
美琴「(花火? 火薬? いや、そんなもの見当たらなかったわ)」
美琴「...」
美琴「こんなの...レベル5の私でも出来ないじゃないの! 一体誰が...」
美琴「(って、あの男は!? )」
美琴「(...見失っちゃったわね)」
美琴「(となると、今のあれはあいつの仕業ね...)」
美琴「(空中で、発火か...)」
ガヤガヤ
美琴「って、また騒がしくなってきたわね。どうしてかしら? 」
おい、空に文字が現れたぞ!!
マジかよ、すげぇ!!!
美琴「え? 」
皆さん、学園都市のゲリラ花火はお楽しみ頂けましたか?
美琴「...」
へー、学園都市ってこんなことも出来るんだー
まさに科学の街って感じだよな!!
また見てみたいよな、あれ。ビックリしたけど、今思えば普通に綺麗だったしさ
美琴「(...やってくれるじゃない、頭巾男)」
美琴「(...ここまでこの私を馬鹿にしてくるとはね...)」
美琴「上等じゃない、頭巾男! 超電磁砲と呼ばれる私の力、思い知らせてやるわ!! 覚悟していなさい!!」
これで本当に今日の分終了です。
シセイさんですけど、シの漢字がiPhoneだと出せないのでカタカナでいかせてもらいます。
肆←これだっけ?しせいのし
iPhoneでもでるよ
>>11ありがとうございます。
「肆星」でいきたいと思います。
とある大通り
肆星「......」
肆星「(どうやら上手く撒けたようだ)」
肆星「(相手が子供であったことが幸いだったと言える。雑な子供騙しに引っかかってくれたしな)」
肆星「(しかし、彼女から向けられた視線に含まれた感情については、大いに思考する価値があるだろう)」
肆星「(敵意や嫌悪感を剥き出しにすることは、誰にでも可能なことだ。言ってしまえば、愚かなバケねずみでさえそういった感情を燃やすことが出来る)」
肆星「(しかし彼女からは少なからず、私に対する自信が感じられた)」
肆星「(つまり、異物である私と対戦してもそれを制圧することの出来る力を持っているという、自分への絶対的な自信がある......ということか)」
肆星「......」
肆星「(となると......彼女、いやこの街に住む学生には、我々と似た能力が存在するのだろうか)」
肆星「(呪力と似た、能力か......)」
肆星「面白い、どれ程のものなのかじっくりと見させてもらいましょうか」
肆星「(しかし、まずは当初の目的を達成しなければならないな)」
肆星「(身を隠しつつ情報を集め、元の世界に帰還し、野狐丸を始めとしたバケねずみ共を殺す)」
肆星「(己の好奇心に従って本来の目的を忘れてはならない......肝に命じておこう)」
肆星「(にしても......)」
ワイワイガヤガヤ
肆星「(この街には学生が多いな。流石は学園都市という名前が付けられた街といったところか)」
肆星「(これだけ学生が多いと、奇妙な格好をしていなくても大人である私は目立ってしまうな)」
肆星「......」
肆星「着替えを探すか......」
肆星「(とは言ったものの、洋服店が中々見つからないな)」
肆星「(流石にあちらの店舗街に行くのは気が引けるし......)」
肆星「......」
ドン!!
キャー強盗よ!!! 誰か助けて!!!
ザワザワザワザワ
肆星「(強盗か、此方の年代はやたらと物騒なのだな)」
肆星「(やはり、犯罪など起こり得ない我々の時代の方が素晴らしいと言えよう)」
オラァ! どけぇ!!!
うわぁ、こいつ拳銃を持っているぞ!!
肆星「(拳銃か、現物を一度は見てみたいものだな。ところで......)」
肆星「(どうやら犯人は此方に向かって来ているようだ)」
休憩、夜来ます
書きます
オラオラ! こっちには人質もいるんだぞ!!!
そうだ! 早く車用意しろよな!!
肆星「(人質か、まさしく下衆だな)」
肆星「(身を隠すのを第一と考えていたが......これは見過ごせない)」
肆星「......」
肆星「(となると、まずは拳銃をどうにかしなければならないな。この場から犯人迄はおよそ15m、十分に目視出来る距離だ)」
肆星「(この距離なら、まず狙いを違えることは無いだろう。しかし、念には念をいれて10m程にまで近寄っておこう)」
オイオイ、早くしねぇとこのお嬢ちゃんの脳みそに穴が空いちまうぜ! ぎゃははははは!
肆星「(さて、いざ呪力を使うとなると重要な事が浮かんでくる。私はあの拳銃を無力化する為に銃口を潰してしまうつもりだが、これは人間への攻撃に該当しないだろうか)」
肆星「(もし当てはまるのなら、攻撃抑制機構が働いて満足に呪力を使えない。それどころか、かえって相手を刺激する結果に終わるだろうな)」
肆星「(相手への攻撃ではなく、相手を無力化する......か)」
肆星「(そうか、別に拳銃を無力化する必要など無いではないか。本人達がそれを使えなければ意味がないからな)」
肆星「(それならば、話が早い。二人の強盗を浮遊させてしまえば良いのだ。これならば、攻撃ではない為に抑制が起こることはないだろうな)」
肆星「(高さは20m程でいいだろう。彼らから感じる自信の中には、拳銃を所持していることに関してのものしか、含まれていないようだ。彼女のものとは違う)」
肆星「(さっきの彼女のように特殊な力を持たない一般人ならば、20m先の的に命中させる事など出来る筈もあるまい。急に浮かび上がるという特異な状況下なら、尚更だ)」
肆星「(よし、これで決まりだ)」
肆星「皆さん、少し犯人から離れてください」
肆星「私が彼らを止めます」
ザワザワザワザワ
男1「あ? 何者だよお前、ヒーローにでも成ったつもりか? 」
男2「こっちには拳銃と人質がいるんだぜ? なんか出来ると思ってんのかよw」
男1「つーか、なんかキモいし撃つわ。バーンっとな」
男2「あーあ、忍者コスの人死んじゃったかなー、マジざまぁじゃんw」
肆星「......」
肆星「成る程、思っていたよりも拳銃の弾は遅いのですか。ここまで軌道がはっきり見えるとは思いませんでした」
肆星「こんなオモチャを私は警戒していたとは......まったく、愚かしいことですね」
男1.2「......え? 」
男1「そんな、確かに撃ち抜いた筈じゃ......」
男2「大人の能力者なんて聞いたことないぞ......って、うわぁ!? 」
おい、犯人達が宙に浮かんだぞ!
あの頭巾の人がやっているのかしら?
肆星「ああ、弾ですか。しっかりと掴ませて貰いましたよ。そのまま喰らったら死んでしまうので」
肆星「あと、これは発砲のお返しです。私に向けていなければ、あなた方は確実に殺人という大罪を犯すところでしたから」
肆星「では、今のうちに人質の女の子を助けてあげてください」
わ、分かった
おい嬢ちゃん、大丈夫か?
は、はい、大丈夫です!
肆星「(さて、そろそろ犯人らを着地させよう。そのまま意識を混濁させる情報を流し込めばいいか)」
ドサッ
あ、犯人が落ちてきた
は、犯人共、ビビって気絶しちまってるぜ! ざまぁねぇな!!
それより、ジャッジメントかアンチスキル早く来ねぇかな。逮捕してくれねーと
ワイワイガヤガヤ
肆星「......」
肆星「(ここまでくれば、既に私は用済みとなっているだろう)」
肆星「(早々に姿を消さねば......)」
黒子「あの、少々よろしくて? 」
短いですけど、これで今日は終わりです。
書きます
肆星「呼んだのは私のことですか? 」
黒子「その通りですの。わたくし、ジャッジメントの白井黒子と申しますの」
肆星「(ジャッジメント、先程の者等の発言からして、この街の自警団だろうか)」
肆星「(そんな組織に所属する人物からの接触、分かっていたことだが少々厄介だな)」
肆星「そうですか。それで、ジャッジメントの白井さんは私にどういった用件で? 」
黒子「白々しく聞かなくても結構ですわ。わたくしとて、犯罪者の逮捕にご協力頂いた御仁に無礼な真似を働くつもりはありませんもの」
黒子「ただ、犯人確保の状況を確認させて頂くだけですわ」
肆星「そうですか、それは何よりで」
肆星「......」
肆星「(うむ......状況は思ったよりも悪いらしい)」
肆星「(先程の少女は、単独で私を追跡しようとしていた。それだけなら、単に撒いてしまえばいいだけの話だ。捜索に限界を感じ、勝手に諦めてくれるからな)」
肆星「(しかし、目の前に立つ少女は違う。彼女はジャッジメントなのだ。組織の中にいる存在なのだ)」
肆星「(ここでもし私が逃亡したとして、彼女の目に私はどう映るのだろうか)」
肆星「(そんなもの決まっている、能力を持つ危険人物とみなされる他ない)」
黒子「では、少々わたくし達ジャッジメントの支部にまでお付き合い頂きますの」
肆星「......」
肆星「(彼女にそう認識されたからには、ジャッジメントからも同様の認識をされる筈。鬼ごっこの相手は一人でなくなるのだ)」
肆星「少々時間を頂けますか? どうにも考え事が煮詰まらなくて」
肆星「(ジャッジメントという集団の大きさ迄は分からないが、恐らくこの街のなかでも有数のものなのであろう。当然、多くの人間が所属しているに違いない)」
肆星「(そんなもの達が一斉に向かってきてみろ、隠れる場所を探すどころか満足に街も歩けなくなってしまうぞ)」
黒子「考え事......ですか。あくまで手短にお願いしたいものですわ」
肆星「(となると......)」
肆星「......」
黒子「......考え事は纏まったですの? 」
肆星「ええ、時間を取らせて悪かったですね。それでは行きましょうか」
肆星「(それならば、いっそのことジャッジメントに私の目的の手助けをしてもらおうか)」
肆星「(追われることで無駄に時間を使うより、彼女らを元の時代に戻る為に利用したほうが何倍も得だ)」
肆星「(虎穴に入らずんば虎子を得ず、目的達成の糸口は存外、ここにあるのかもしれない)」
黒子「分かりました、貴方には聞かなくてはならない事がたくさんありますの」
肆星「(幸い、今のところ私は強盗犯逮捕の協力者だ。彼女のように私を不審に思っていたとしても、無下に扱うことは許されない)」
肆星「(当初の予定からは大幅な方向転換を余儀無くされたが、この判断に間違いはないだろうな)」
肆星「了解した」
黒子「では、少々お手を拝借......」
肆星「(......手? )」
ヒュンッ!
これで今日は終わり。
乙
あと投下する時は一回ageた方がいいかも
その方が人目にもつきやすいし
数十秒後
黒子「ここがわたくしどもの所属している支部ですの」
肆星「......」
黒子「あら、空間転移での移動は初めてでして? 」
肆星「......さきの私の態度へのあてつけですか? せめてそうすることを先に言ってほしかったですね」
肆星「質問に答えるとするなら、このような移動は初めてと言えばいいでしょうか」
黒子「これはこれは、わたくしにそんなつもりはありませんでしたの。失礼かもしれませんが、そういった経験がおありかと思いましたので」
肆星「あいにく、そちらの希望に添うようにはいかなかったようです」
黒子「そのようですわ。残念でなりませんの」
黒子「人体浮遊をしたり鉛玉を掴んだりする超人様であっても、流石になんでもこなすことは不可能なのですわね」
肆星「......」
肆星「(分かりやすい皮肉だな。ここまで悪意を向けられると、本当に初対面の相手なのか疑わしくなってくる)」
肆星「(しかし、ある程度の敵意はこちらとしても歓迎だ。敵意は怒りにつながり、冷静な判断を損なう原因にもなるからな)」
肆星「私も血の通った一人の人間ですからね。出来ないことの一つや二つはありますよ」
黒子「わたくし個人の見解としては、あなたが只の人間とは思えないのですけれども。そのことも踏まえてお話しをうかがいたいですわね」
肆星「こちらとしても、いろいろな話を聞きたいところです」
黒子「では、立ち話もなんですので建物の中に入りますわ」
支部の中
初春「あ、おかえりなさい白井さん。強盗犯はやっつけてきましたか? 」
黒子「いいえ、強盗犯をとっちめたのはわたくしではなくこちらの御仁ですの。そのことで少々話を聞こうかと、こちらまでお呼びたてした次第ですわ」
初春「ほー、協力者の方ですか。この度は犯人逮捕へのご協力、ありがとうございました! 」
肆星「いえ、人として当然のことをしたまでです」
黒子「......先程からやたらと自分は人間とご主張なさるのですわね」
肆星「どこかに私のことを人間だと思っていない人がいるもので」
初春「へー、そんな酷いひとがいるんですね」
肆星「全く、酷いものです」
黒子「......」
黒子「ゴホンッ、それは置いておくとして、まだ貴方のお名前をうかがっていないですの」
初春「分かりやすく流しましたね。でも、いろんな書類を作るときに協力者の方の記名は必須事項なので、ご協力お願いします」
肆星「では、改めて。私は鏑木肆星というものです」
肆星「(名など、隠す必要もないな)」
黒子「では、肆星さん。貴方が強盗たちに使用した能力は、一体どのようなもので? 」
初春「できればレベルもお願いしますねー」
黒子「初春! 」
初春「え、私今変なこと言いましたっけ? 」
黒子「......」
肆星「そうですね......」
肆星「(ここからの回答には気を遣わなくてはならないな。すべてのことを洗いざらい話すなどもってのほかだし、かといって嘘をつくという選択肢を使うつもりはない)」
肆星「(あくまでも彼女たちには協力をしてもらわなければならない訳だし、少なくとも花飾りの少女とは友好な関係を結んでおきたいしな。要は、敵だけではなく味方も必要だということだ)」
肆星「私が強盗に使用したのは、少々貴女達の能力とは異なる代物かと」
黒子「......やはり」
初春「私たちのものとは違う......それは一体? 」
肆星「......」
肆星「(ここは勝負をかけてみるとしよう)」
肆星「人工的に開発されている貴女方の能力とは違い、元々備わっていた力とでもいいましょうか。そういった訳でこの年齢になっても能力が使えているのです」
初春「え!? 肆星さんって世にも珍しい原石さんですか? 」
黒子「......初春! 」
肆星「(ビンゴ!!)」
肆星「ええ、そう呼ばれることもありますね。因みに能力レベルでいくと白井さんと同等クラスですね」
初春「それだとレベル4相当の能力者ということですか。いやー、万年レベル1の私からしたら羨ましい限りですよ。レベル1じゃ保温くらいしか出来ませんもの」
黒子「......初春、今日の仕事はわたくしが代わりにやっておくので先にあがってほしいですの」
初春「どうしてですか? あと、さっきから白井さん、なんだか怒ってません? 」
黒子「今日は先にあがってくださいまし!! 」
初春「りょ、了解しました!!」
肆星「一体どうしたのですか白井さん、彼女の言動に非はないように思われますが......」
肆星「怒鳴りつけるのは、お門違いではないでしょうか」
黒子「......」
黒子「よくもまあ、白々しくそんなことが言えますわね」
肆星「白々しい? 私がですか? 単純に質問に答えただけなのですが」
肆星「何か問題でもおありで? 」
黒子「......これ以上そのような態度をとりつづけるのなら、不法侵入と殺人未遂の容疑でアンチスキルに引き渡しますわ」
肆星「どうやら私は勘違いをされているようですね。前者はまだしも、後者についてはどうかと。その行為は私の中で不可能なことの部類に入りますから」
黒子「ということは、この街への不法侵入については認めるのですわね」
肆星「果たしてあれが不法侵入と言えるかどうかは謎ですが、許可なくこの街にいるという点では間違っていないかと」
黒子「......」
黒子「では......」
美琴「やっほー、遊びに来たわよー」
黒子・肆星「!? 」
今日はここまで。
>>33にあったように、AGEたいと思います
あと、説明として少々。肆星さんはアニメ版の顔で年齢不詳ということでお願いします。
乙
顔と言うか仮面してるんか?
>>40
現在の肆星さんの格好は、化けネズミについての会議を開いていた時の服装でお願いします。頭巾に黒っぽい仮面ですね。死んだ時の仮面とは違う奴です。
書きます
肆星「(あの少女は......確か......)」
美琴「えっ......どうして? 」
肆星「(やはり、最初に私を尾けてきた彼女か)」
肆星「......」
黒子「ああんっ、お姉さまぁ! ようこそお越しくださいましたの! ささ、何時ものように黒子めと熱いベーゼを!! 」
美琴「するわけ無いでしょ全く。それよりも......」
肆星「......」
黒子「何か言いたい事でもお有りですの? 言っておきますけど、お姉様に手出ししようものなら貴方の身体じゅうに針を打ち込みますわよ? 」
肆星「......いえ、このことに部外者の私が口を挟むのはやめておきましょう。どう転んでも泥沼に陥る未来しか見えませんので。それより......」
肆星「こんな偶然があるとは思いませんでした。全く、貴女がここに現れたお蔭でこちらの算段は全ておじゃんですよ」
美琴「ええ、ほんと偶然よね。アンタについての手掛かりでも見つかるかと思ってここに来たら、まさか本人様がいるんですもの」
肆星「とんだ幸運の持ち主のようで」
美琴「ええ、よく言われるわ」
肆星「......」
美琴「......」
初春「では先に帰ります......って、御坂さん何時の間に? 」
黒子「あら初春、まだ帰っていなかったんですの? 」
初春「その言い方は酷いです! 奥で片付けをしてただけですよ! 」
黒子「それは失礼しましたの」
初春「まあいいです。それより......さっきよりも空気が重くなってません? 」
黒子「そのようですわ。どうやらお姉さまもあの御仁に知り合ったようでして」
黒子「ご覧の通り、敵意を剥き出しにしておりますの」
初春「ご覧の通りって......肆星さんが御坂さんに何かをしでかしたってことでしょうか? 」
黒子「分かりませんの。しかし、プライドを傷つけられるような力を見せつけられたとしたら......」
初春「御坂さんの性格上、あんな態度に出ても不思議ではないと」
黒子「そういうことですの」
初春「詳しい事は二人の話を聞けば分かりそうですね」
黒子「......」
初春「どうかしましたか? 」
黒子「いや、あの御仁が羨ましくて。お姉さまにあんな視線を向けられるなんて、ご褒美もいいところですわ。ああん、お姉さまぁっ」
初春「......」
肆星「私に聞きたい事は? 」
美琴「そうね、沢山あるわ。正直、どれから聞けばいいのか分からなくなるくらいね」
肆星「それはそれは、結構なことで」
肆星「では、どうぞ」
肆星「(彼女には呪力を使った発火、そして空中に書いた文字を見られている)」
肆星「(恐らくだが、この街で能力というものは一人に一つ決められたものであるという可能性が高い。白井さんと花飾りの少女の言動からして、概ね正しい筈だ)」
肆星「(そんな中、私は全くの別方向に呪力を使用したのだ。これは、この街の常識と矛盾している。能力者と言い続けるのはもはや不可能であろうな)」
肆星「......」
肆星「(何処まで話すか......だな。全く、頭を休ませる暇がないな)」
美琴「それじゃ、遠慮なく行かせてもらうわ。まず第一に、アンタは何者なの? 」
肆星「......」
美琴「どうしたの、早く答えなさいよ」
肆星「予想以上に直球で来ますね」
肆星「(可愛い見た目に反して、中々賢いようだな)」
美琴「聞きたい事が多すぎるから、整理し易くする意味も込めてね。ここが分かれば後は付け足しみたいなもんでしょ」
肆星「......」
肆星「仰る通りです。随分賢いのですね」
美琴「それもよく言われるわ。なんたって私はレベル5だから」
肆星「レベル5......ですか、成る程」
美琴「さあ、答えなさい! 」
肆星「その前に少し確認したい事があります。白井さん、この部屋の何処かにカレンダーは? 」
美琴「カレンダー? 」
黒子「カレンダーでしたら、こちらですけど......」
200X年 6月18日 (火)
肆星「やはりそうでしたか。これで裏が取れましたね」
肆星「では質問に答えましょう。私は未来人です! 」
疲れたので今日は終わり。
どうでもいいですけど、23話の終わりの方、あのレベルを1話からやってたら今頃「新世界より」は神アニメとして讃えられていたんでしょうね。
書きます
美琴「......」
美琴「えっ、未来人? 」
肆星「いかにも」
美琴「ははは、面白い冗談ね。ドラえもんみたいにタイムマシンでも使ったの? 」
美琴「それともタイムリープかなんかで意識だけを跳ばしてきたの? 」
美琴「いいなー、未来って本当に何でも出来るんでしょ? 私も行ってみたいなー」
黒子「お姉さま......」
肆星「......これは紛れもない事実です。証明する手立てはありませんが」
美琴「......あのね、嘘ってものはもっとバレないようにつかないと。そんな小学生の妄想みたいなこと言われてもね」
美琴「正直、ムカつくだけだわ」
肆星「信じる気は? 」
美琴「これっぽっちも。さあ、冗談に付き合うのはもうおしまい。早く本当の事を教えなさい」
肆星「これは参りましたね。ここを聞きいれてもらえないことには、その後の説明も滞ってしまうのですが」
美琴「なによ、文句でも言いたいの? 」
肆星「......」
肆星「賢い貴女なら直ぐに理解するかと思いましたが、どうやらこちらの検討違いだったようですね。残念です」
美琴「......」
黒子「お姉さま、失礼ながらわたくしにはこの殿方の仰ることは......」
美琴「......黒子、それくらい私にも分かっているわ。目の前にいるこの男の言ってる事が正しいんだって」
美琴「......」
美琴「でもね、それを認めちゃうってなんか悔しいのよ。生まれた時代が早かっただけでさ、色々と負けてるみたいじゃない」
黒子「お姉さま......」
肆星「......それは違う」
美琴「どうして? 」
肆星「......君は今の生活を楽しんでいるか? 」
美琴「ええ、周りにいるみんなのお陰でね」
肆星「まあ、そうでしょう。それで、今の生活を捨ててまで遠くの未来に行ってみたいですか? 」
美琴「これっぽっちも」
肆星「そう思っているのに、何故この時代を卑下するような事を言うのでしょうか? 」
美琴「......狡い質問ですね。そう聞かれたら何も答えられないじゃないですか」
肆星「大人が狡いのは、何時の時代でも一緒ですよ」
美琴「よーく分かりました。お陰様で」
肆星「これはどうも。お役にたてたようで」
初春「......やっと空気が軽くなりましたね。重い空気が続いていたので、どうにも肩が......」
黒子「貴女はおっさんですの......まあ、直接対決という流れにならなくて良かったですわ」
肆星「さて、私の正体が分かったところですが......」
美琴「黒子、質問はアンタに任せたわ」
美琴「気になる事の数は変わってないけど、今はもういいわ。アンタの聞きたい事を聞きなさい。どうせはぐらかした回答しか貰ってないんでしょ? 」
黒子「分かりましたわ。お姉さまの言うとおりですの」
初春「え、そんな事もないような......」
肆星「ああ、先程迄のあれは誤魔化してばかりでしたから。原石なんて言葉、今日初めて聞きましたし」
黒子「初春も迂闊でしたわね」
初春「それじゃ、私からいいように情報を引き出したってことですよね......うう、酷いです」
肆星「それについては謝ります。言い訳になるかもしれませんが、敵意を向けてくる相手に素直に話していいのか迷ったものでして」
黒子「うう、そこを突かれると痛いですの......って、結局まだ貴方が未来人であるということしか知らないですの。警戒して当然ですわ! 」
肆星「むしろ私が未来人と分かった時点で、より警戒を強めるべきですね」
初春「それを本人が言いますか......」
黒子「ゴホンッ、まあいいですの。それでは......」
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_______________________________________
黒子「とまあ、こんなものですわね」
初春「随分と長い質問タイムでしたね......」
肆星「合間に私も質問をしていましたからね。どうです、満足しましたか? 」
美琴「......」
黒子「概ねですわ」
初春「私としては、仮面の下の素顔が見れなかったことが心残りです」
肆星「申し訳ない、生憎だが私の目は少々変わっていてね、容易く他人に見せられるものではないので」
初春「そう言われると余計に見てみたくなるものですが......しょうがないですね」
肆星「そう願いたいです」
黒子「肆星殿、最後にひとつだけよろしくて? 」
肆星「何でしょうか? 」
黒子「先刻、貴方からの回答で気になっておりまして......殺人未遂が不可能と仰ったですわね? 」
肆星「......」
肆星「ええ、確かに言いましたね」
黒子「それには何か、特別な意味がお有りでしたの? 」
肆星「......」
肆星「(あの発言は余計であったな。このことだけには触れられないように気を配ったつもりだったが......)」
初春「肆星さん? 」
肆星「(最初から決めていたのだ、このことだけは話さないでおこうと)」
肆星「(秘密としてとっておかねばならないと)」
肆星「(それを守る為ならば......)」
肆星「いえ、特に意味はありませんよ。殺人は己の矜恃に反するものでしてね」
黒子「成る程、分かりましたの」
肆星「(嘘もやむなし)」
黒子「それでは、少々といいつつ長時間留めてしまって申し訳なかったですの」
初春「私からも。どうもすみませんでした」
美琴「......」
肆星「いえいえ、どのみち行くあてもなかったですから。要はこちらも暇でしたので」
黒子「そう言ってもらえると助かりますわ。それでは......」
美琴「少しいいかしら」
黒子「どうかしましたの? お姉さま」
美琴「鏑木肆星......さんでよかったわよね。肆星さん、お願いがあって......」
肆星「何でしょうか? 」
美琴「勝負......してください。お願いします! 」
黒子「え、え? 」
今日の分終わりです。ちょいと文法的におかしいところがあるかもです。
肆星「勝負......ですか? 何故? 」
黒子「そうですわお姉さま、肆星殿とは戦う理由がありませんの」
美琴「そうよね......でも、自分の力が未来の力に何処まで通用するのか知りたいの」
美琴「それに、ちょっと確かめたい事もあるし......その為には、こうするしか無いかなって」
肆星「......」
美琴「もう一度お願いします、私と勝負してください」
黒子「......肆星殿、ここは......」
肆星「そうですね......」
肆星「(さて、困った事になったな)」
肆星「(勝負、この少女は確かにそう言った。つまり、このままだと私と彼女の能力をぶつけ合わなければならなくなる)」
肆星「(そうなればこちらの不利は確実だ。此方には愧死機構があり、彼方にはそれがない。幾ら殺し合いでないとは言え、能力をぶつけ合うことに置いて満足にその力を振るう事が出来ないというのは些か厄介だ)」
肆星「(それに、抑制機構のこともある。先の戦闘で気付いたのだが、此方の時代に来たことでそれが薄まっているようなのだ。そうでなければ、敵とみなした相手にあんなにも容易く呪力を使える筈がない)」
肆星「(しかし、どの程度薄まったのかは知る由もない。うっかり攻撃を仕掛けようとして抑制機構に囚われる事となり、相手の攻撃でお陀仏になるという展開は笑えない)」
肆星「(加えて、抑制機構が発動していまうと芋づる式に愧死機構の事についても知られる事となろう。これは危険だ)」
肆星「(勿論、彼女達に知られる分には何の問題も無い。物分かりの良さそうな彼女達のことだ、誰にも言わないでくれと頼めばその通りにしてくれるだろう)」
肆星「(だが、それでは遅いのだ。口止めをしている時点で、既に愧死機構や抑制機構といった弱みをとある存在に握られる事となる)」
肆星「(これは、この街の事について聞いたことからの推測だ。強盗の話からこの街の防犯について話を移した時、白井さんは防犯カメラなるものが町中を監視していると言った。私は更に尋ねた。音声を使った監視網が張られているかどうかを)」
肆星「(花飾りの少女、初春さんはこう答えた。盗聴器なるものを使えば可能ではあるが、そんな監視網は存在し得ないと)」
肆星「(それに、抑制機構のこともある。先の戦闘で気付いたのだが、此方の時代に来たことでそれが薄まっているようなのだ。そうでなければ、敵とみなした相手にあんなにも容易く呪力を使える筈がない)」
肆星「(しかし、どの程度薄まったのかは知る由もない。うっかり攻撃を仕掛けようとして抑制機構に囚われる事となり、相手の攻撃でお陀仏になるという展開は笑えない)」
肆星「(加えて、抑制機構が発動していまうと芋づる式に愧死機構の事についても知られる事となろう。これは危険だ)」
肆星「(勿論、彼女達に知られる分には何の問題も無い。物分かりの良さそうな彼女達のことだ、誰にも言わないでくれと頼めばその通りにしてくれるだろう)」
肆星「(だが、それでは遅いのだ。口止めをしている時点で、既に愧死機構や抑制機構といった弱みをとある存在に握られる事となる)」
肆星「(これは、この街の事について聞いたことからの推測だ。強盗の話からこの街の防犯について話を移した時、白井さんは防犯カメラなるものが町中を監視していると言った。私は更に尋ねた。音声を使った監視網が張られているかどうかを)」
肆星「(花飾りの少女、初春さんはこう答えた。盗聴器なるものを使えば可能ではあるが、そんな監視網は存在し得ないと)」
肆星「(私の疑いはくっきりと形を表すようになったが、ここで確認の為にあることを尋ねた。この街には指導者のような存在はいるのかということを)」
肆星「(どうにも核心に迫るかのように質問を繰り返した私の事を怪訝に思ったようだが、それでも答えてくれた。統括理事会というものがあり、その会がこの街の中枢だと)」
肆星「(そして、あくまでも噂だが、表には出てこない統括理事長がいるということも)」
肆星「(普通ならただの噂として聞き流すところだが、ここは超能力といった特殊な力の溢れる街なのだ。理事長をやるような人間が一般人である筈がない)」
肆星「(思えば、私達の町のリーダーである倫理委員会委員長、富子様もある意味特殊な人物であったな。同時に尊敬に値する素晴らしい人物でもあったが)」
肆星「(彼女が治めていたあの町は、人々が助け合って暮らす本当に理想的な場所であった。この街にいるような強盗などは、一人として存在していなかった。これは、あの地が富子様の人格を反映していたからだろう)」
肆星「(それに比べこの街はどうだ? 己の利益を第一に考え、他人を貶めるような輩が多く見受けられる。これは、指導者がそういった気質の持ち主だということを暗に示している)」
肆星「(つまり、弱点を晒してはならない。この街にいる人間であれば、それが幾ら信用に値する人物であっても秘密を明かすことは出来ない。盗聴されればそれで終わりだ)」
肆星「(話が随分逸れてしまったな、今は勝負を受けるか否かを決める時だ)」
肆星「(ここは勝負を避けるのがベターであろうが、そうすると御坂さんの中に疑念が残る筈だ)」
肆星「(この男は、攻撃に力を使えないのではないか)」
肆星「(そう思われるのは避けたいが......いや、しかし......)」
黒子「肆星殿? 」
肆星「(これ以上考える時間は無いか......)」
肆星「......」
肆星「(......仕方ない、逃げの道を選ぼう)」
肆星「分かりました。その勝負、お受けしましょう」
美琴「あ、ありがとうございます! 」
肆星「ただし、ルールを設けさせて頂きます」
肆星「そのルールは......」
今日は終わり。
連投してしまっているとこがあるかもです。申し訳ない。
書きます
あと、アニメの最終回、なかなかの出来でしたね。スクィーラの言葉が重かったです。
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肆星「では、このルールに異論はありませんね? 」
美琴「ええ、構わないわ。それでいきましょう」
黒子「分かりましたわ、それでは......」
黒子「お姉さまは攻撃のみ、肆星殿は守りのみということで宜しいのですわね」
美琴「そうよ。それで手立てが無くなった方が降参するっていう訳ね」
肆星「両者の内どちらかが降参する迄と、終了についてはその場になってみないと何時になるかは分かりませんが......」
肆星「勝敗が決するまで、正々堂々と戦いましょう」
美琴「承知したわ。いい勝負にしましょう」
初春「では、私がコインを投げるのでそれが地面についたところで開始となります」
黒子「随分とベタな合図ですのね」
初春「う、うるさいです。それじゃあ、行きますよー! 」
肆星・美琴「勝負!! 」
肆星「(さて、何とか攻撃をせずとも怪しまれにくいルール設定をすることが出来たな)」
肆星「(此方は彼女からの攻撃をただ防ぐだけでいい。うっかり殺してしまうのではないか、愧死機構が発動してしまうのではないか、そう言ったことを考えなくて済む、気楽な戦いだ)」
肆星「(彼女は普通の戦いを望んでいたようだが、ここは白井さんの御坂さんに対する思慕の情を利用させてもらった)」
肆星「(此方の提案するルールであれば、たとえ御坂さんが敗れることはあったとしても、傷つくことは無いと)」
肆星「(こうしてルール決定の際の協力者を得たことで、愧死機構や抑制機構といった情報の秘匿を行い易い状況となった。そして、そのままルールを設けた)」
肆星「(白井さんには感謝しておかないとな)」
肆星「......」
肆星「(おっと、コインが打ち上げられたか)」
肆星「(あれが着地する迄に擁する時間は2秒程。その間に、御坂さんからの攻撃に対処する方策を組んでおかねば)」
肆星「(先程迄の会話の中で、結局彼女の能力について聞き出す事は出来なかった)」
肆星「(しかし、此方は呪力のことを話してしまっている。相手の技を知っているかそうでないか、これは大きなハンデと言わざるを得ない)」
肆星「(もし御坂さんの能力が白井さんのテレポートのように、私にとって未知なるものであったとしたら、その時点で積みだ)」
肆星「......」
肆星「(しかし、そういった能力ではないと私のカンは告げている。勿論、何の根拠も無いのだが......何故かそれが正しいように思えてならない)」
肆星「(安全策をとって一旦距離を開けるか、その場で守りを固めるか......)」
肆星「......」
肆星「(いや、優柔は此処までにしよう)」
カンッ
肆星「(決断の時が来たようだ )」
休憩
夜にきます。
書きます
美琴「はぁっ! 」
バチッ ドカッ
肆星「!? 」
肆星「(今のは......電撃? そして雷だと!? )」
肆星「(レベル5というものは皆、大それた能力を持つと言うのか!? )」
美琴「うーん、最初の一発で仕留められればそれで良かったけど......」
肆星「(......取り敢えず距離を取ろうとしていたら、恐らく一撃を貰っていただろう)」
肆星「(正面の電撃はいいとして、頭上の雷は想定外だった。360度を見渡す目を持つ私であっても、真上と真下は範囲外だ。)」
肆星「(......無防備なら死んでいたかもしれないな)」
美琴「そんなに甘くはないようねっ! 」
肆星「(その場で呪力による膜を張って正解だった)」
肆星氏を襲ったのは、美琴から放たれた一筋の電撃と頭上からの雷であった。通常、絶縁体である空気中を電流が流れようとすると、多大な摩擦によって拳銃の初速度よりも遅いスピードで迫ってくる事となる。
これより、拳銃の弾の軌道を目視出来る肆星氏からして、美琴の電撃は何の問題もなく防げるものだと言えよう。
呪力は意識した瞬間に発動する。後方へと意識を向けるとはいえ、目標から完全に意識を外すことなど或る筈も無く、距離を取ろうとする作戦も悪くは無かったのだろう。なにせ、目視した段階で膜を張れば良いだけの話であるのだから。
勿論、視界の外れから必殺の一撃を放たれていなければという条件付きだが。そう、雷だ。
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