浜口あやめ「ニン!」 望月聖「ニン」 白菊ほたる「に、ニン…」 (27)


浜口あやめ「ニーン…」ダラーン…

http://i.imgur.com/0LSpyfy.jpg


P「?」

P「あやめ、どうかしたか?」

あやめ「……」

あやめ「ふふっ」

P「」ビクッ

あやめ「……あの」

あやめ「お腹がいっぱいになって、眠たくなって参りました…」フフフフ…

P「子どもか」

あやめ「…ニーン…ニーン…」ムニャ…

P(この子は本当になにか忍べるんだろうか…)


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P「…」ズズ…

あやめ「?」

あやめ「…プロデューサー殿、それは?」

P「ん? コーヒーだけど」カチャ

あやめ「一口頂いても…」

P「いいよ。そうだな、多少は眠気覚ましになるかもしれない」

あやめ「はい。では、」カチャ…

あやめ「……」ジ…

P「…?」

あやめ「…、さ、砂糖を入れても?」

P「だったらドリンクバーで自分の分を淹れて来いよ」


P「コーヒー苦手なのか」

あやめ「え、ええ、まあ…」

あやめ「あっ決して苦いものが、ということではなくてですね!」

P「いや、べつにどっちでもいい…」

あやめ「わたくし純和風ですので! 西洋風のものは受け付けぬのです!」

P「さっきハンバーグ食べてたよね? てかその説明は…?」

あやめ「ふふ、プロデューサー殿ともあろうお方が…。さっきのは和風ハンバーグですよ♪」

P「…」グニ

あやめ「あひぇー」ムニムニ



白菊ほたる「…」アハハ…

http://i.imgur.com/uxqIyzv.jpg


望月聖「…」シャクシャク…

http://i.imgur.com/am9jMb7.jpg


聖「…う」キーン…

ほたる「?」


あやめ「……」カチャカチャカチャカチャ…

P「無理するなよ」

あやめ「む、無理などということは! 忍びはこのくらいのことでは屈しませんよ!」

P「忍びってなんだっけ」

あやめ「い、いざ尋常に!」グッ

P「忍びってそんなんだっけ」


クイ


P「ん」

聖「…ぷ、プロデューサーさ…、きーん、…キーンって」キーン…

P「??」

P「ああ、かき氷な。大丈夫か?」

聖「…」フルフル…

P(可愛い)

聖「……?」プルプル…

聖「あのっ……、これ、もらいます…」ヒョイ

あやめ「あっ!?」

P(おお、かき氷のおかげで聖の表現力がさらにレベルアップしたぞ!)テッテテー


ゴキュ


聖「…」プハ

聖「……ふぅ。ありがとうございます…」ニコ

P「どういたしまして」

あやめ「…わたくしのコーヒー…」ズーン…

P「お前のじゃねえよ」ペチ

あやめ「あう」

P「ほら。新しいの淹れて来てやるから」

あやめ「! プロデューサー殿ぉ!」キラキラ…

P(どう見てもすでに眠気は覚めてるけど…)ハイハイ



ほたる「…」オズ

ほたる「あ、あの…」

あやめ「? どうしました、ほたる殿」

ほたる「……、す、すいません。よかったら、その、私のコーヒーを…」

あやめ「え…い、いえ。わたくしこれでも忠義は弁えておりますゆえ。他人のものをそうほいほいと頂いちゃう、というようなことは…」

P「忠義?? …というかその台詞、お前が言うのか…」

あやめ「てへー」ニンニン♪

P(確信犯か)


ほたる「…わ、私も、もうお腹いっぱいで…。あやめさんも、もう一杯、わざわざ淹れて飲むほどでは、ないかなって…」

ほたる「あ、あの、勝手な気を遣って…。余計なお世話だったら本当にごめんなさい…」ペコペコ

あやめ「…」

P「…」

ほたる「…ぅ」

ほたる「…な、……なんでしょぅ…?」

あやめ「…」ニコ

あやめ「……ほたる殿はお優しいですね。本当に」

P「そうだな」

ほたる「え、え?」

あやめ「ふふ」ニコ

あやめ「では…お言葉に甘えることにしましょう。お砂糖は入っていますか?」

ほたる「あ、入れてないので…あの、これを…」

P「どっかの忍びよりよっぽど忠義があるな」ヨシヨシ

ほたる「わっ…」ナデナデ

あやめ「あれー。どうしてわたくしに矛先が…」ペリリ

ほたる「……//」クス



聖「…」シャクシャク…

聖「……う」キーン



トローン…


あやめ「…? おや、これは…」

P「うん?」

あやめ「……、お砂糖ではありませんね」

P「ガムシロップだろ」

あやめ「あ、いや、そ、それでもなくて」

P「……」

あやめ「な、なんですその冷たい目は…」

P「…、いや、コーヒーを飲まなければ、まあ、ガムシロップくらい知らなくても不思議じゃないか」

あやめ「そ、そういうことにしておいてくだされば」

P「はい」

あやめ「わ、笑いましたか?」

P「笑ってませぬ」ニヨニヨ

あやめ「現在進行形で笑っていますね?」

P「お、現在進行形か。あやめは難しい言葉を知ってるなあ」ナデナデ

あやめ「こ、子ども扱いしないでください!」ガーッ

P「ににんが?」

あやめ「ニンッ! あっ//」

ほたる「…」クス

聖(…楽しそう……)クスクス


あやめ「…」ムスー

P「まあまあ。拗ねるなって」

あやめ「拗ねてなどいませんっ」プクー

P「…」クス

P「それで、なんだって?」ナデナデ

あやめ「…? ふわ…」

あやめ「あ、そ、そうでした…。こほん。えっとですね。これをご覧ください」ス

P「…?」

あやめ「これはミルクですね」

P「うん、コーヒーフレッシュだな」

あやめ「それです」

P「はい」

あやめ「…」バシ

P「なんだよー」イタイ

聖「…」クス


あやめ「ま、まあ。新しいお砂糖を取りに行けばよいだけのこと…」ガタ

P「そうだな」

ほたる「??」

ほたる「…あ、あの、私のせいで、またなにか不幸なことが…?」

P「気にするな」ナデナデ

P(不幸というより単なるドジだな。可愛い)

ほたる「あっ……、は、はい…」



あやめ「…」

P「? どうした、手ぶらで帰って来て…」

あやめ「…。お砂糖もシロップも、全部切れていました…」ズーン

P(あ、これは不幸や)

ほたる「??」オドオド

P「気にするな」ナデナデ

聖(…はふ。おいしかったー…)ムフー








あやめ「…」

P「…」

P「おーい」

あやめ「…」

P「…、大丈夫か?」

あやめ「…ニーン…ニーン…」

あやめ「…ダイジョウブ…ダイジョウブデスヨー…」

P(どこが?)

あやめ「…ニガーイ…」ニーン…

P(ちょっと面白いな…)

ほたる「…あやめさん、大丈夫でしょうか…?」

P「もともと眠気覚ましのつもりで飲もうとしたんだから、ちょうどよかったと思うよ」

ほたる「……な、なら…いいんです、けど……」シュン

P「…」

聖「……あう…お外…暑いです…」ハア…

P「夏だからな」


あやめ「…」ニーン…

あやめ「…、?」

あやめ「プロデューサー殿、あれは…」

P「?」

P「お、…夏祭りみたいだな。出店が出てる」

あやめ「そのようですね」ワクワク

P「…………」

あやめ「ど、どうしました?」ワクワク

P「……」

P「寄って行く?」

あやめ「よいのですか!!」

P「…うん、ちょっと見て回るくらいなら…」

あやめ「やった! さすがプロデューサー殿です!」ピョーン

P(単純なやつ)クス

あやめ「あやめはたこ焼きを食べたいと思います!」

P「太るぞ」

あやめ「ふふっ。そこまではやかけで向えば運動にもなりますゆえ♪ 早速行きましょう!」タッ

P「転ぶなよー」

聖「……」ウズウズ

P「聖も行っておいで」

聖「……、…」エヘヘ

聖「う、うん。…ちょっと、行って来ます…」タタッ…

P「うん」

ほたる「……」

P「…」


P「…」

P「ほたるは行かないのか?」

ほたる「…」

ほたる「はい。あの、あまり人が多いところに私が行ってしまうと、……その…」

P「……」

ほたる「…」エヘヘ…


ポン


ほたる「? …わぷ…」

P「ほたるはたしかに、周りの人を不幸にしてしまうかもしれない」

P「けど、ほたるはもうアイドルだよな。みんなを幸せにする仕事は、まず自分が幸せにならないといけないと思うよ」

ほたる「……」

ほたる「…、そ、…でしょうか……」

P「うん」


ほたる「…………」

P「そうだ。せっかく神社に来たんだし、お守りでも買ってみるか」

ほたる「え?」

P「開運グッズとか。ほら、ほたる一人が買ってだめなら俺も買うよ。二倍だぞ。おお、なんかなんとかなりそうな気がして来た」

ほたる「……」ポカン…

ほたる「…」クス

ほたる「……あっ…あの、…ありがとう、ございます、プロデューサーさん。ち、ちょっと、元気出ました…」

P「そっか」

ほたる「は、はい」ニコ…


P「じゃあ行こうか」

ほたる「は、はい……」

ほたる「…」オズ…

P「?」

P「…ほたる?」

ほたる「…」ギュ

ほたる「…あ、あの、プロデューサーさん。…その……!」



あやめ「プロデューサー殿ー!」

P「?」

あやめ「隙ありっ! えいっ」

P「——? いてっ」ペチ


ポト…


P「……、いきなりなんだ」

あやめ「ふ。またつまらぬものを切ってしまいました」

P「いろいろ違う」

聖「おおー……」パチパチ

P「そこ。調子に乗るから拍手禁止」

あやめ「プロデューサー殿もまだまだですね♪」

P「……」グニ

あやめ「あっむ、無言でほっぺをひゅまみゅのはやめひぇくだしあ…」グニグニ…

P「ったく…で、一体なにを投げてきたんだ」カサ

聖「……ほたるちゃんも、…はい」ドウゾ

ほたる「あ、は、はい…。えっと…?」カサ



あやめ「お守りです」

P「…」

ほたる「…」


あやめ「ふふ。偶然目に付きましたゆえ。まあ——わたくしには、ほたる殿の不幸はとくに気にはならないのですが」

P「……、うん」

あやめ「…ほたる殿の気休めぐらいには…なるかと。それこそ、余計なことかもしれませんが」ハハ…

P「……」

ほたる「…」

あやめ「…、ど、どうしました? あの、もしかしてなにかお気に障るような——」

P「ああ、いや…、はは」

ほたる「……えへへ…」

P「…うん。あやめ殿はさすがでござるなあ」

あやめ「そっ…。き、急に褒めるのは、よしてください//」ニーン

P「単純だよな」ウン

あやめ「あれ!? ど、どうして急に馬鹿にするのです!?」

P「褒めてるよ」

あやめ「え、え?」ワタワタ…

P(面白いなあ)


あやめ「…」コホン

あやめ「そして、えっと、こうです」ハイ

P「?」ギュ

聖「…えへ」ギュ

ほたる「…?」ギュ

あやめ「ふふ。四人で繋げばににんがニンです」

P「なに言ってんだお前」

あやめ「!?」


あやめ「い、いや、あの、ほら。ふ、二人と二人で、四倍の幸運が導けるという…」ワタワタ

P「…、ああ、なにが言いたいかは分かった、けど…」

あやめ「そ、そうですか?」ホッ…

P「…」

P「…」

あやめ「……、ど、どうしました?」

P「…いや…、なんでもないです…」

あやめ「そ、そうですか」

P「ばーか」

あやめ「!? なっ…、ば、バカと言う方がバカなのですよ!」ポカポカ

P「いてて」

聖「……ふふ」

ほたる「…」クス


あやめ「というわけで。ふふ、わたくしも忍びのはしくれ。今回はとっておきの忍術で参りましょう♪」

P「うん」

あやめ「ご唱和ください」

P(それなんか違うよね)

あやめ「ニンッ!」

聖「ニン」

ほたる「…に、ニン…」

P「ニン」

あやめ「……あっプロデューサー殿もやっちゃうんですね」

P「なにそれ傷つく」


あやめ「これでわれわれには、一時ながら各々に四人分の幸運が舞い降りるはずです!」

P「忍術のおかげでな」ニコ

あやめ「その通りです♪」ニンニンッ

あやめ「…と…いうことで」ハイ

ほたる「は、はい」

あやめ「しばし心置きなく。お祭りを楽しみましょう!♪」

ほたる「……」

ほたる「は、はい」

聖「はい」ニコ

P「はい」

あやめ「はい! …ふふ、そしてわたくし、この幸運できっと特賞の刀傘を引き当ててみせます…!」フフフフ…

P「おい忍べ」


あやめ「いざ!」オー

聖「おー」タタッ…

P「……まったく…」ハア

ほたる「…」

ほたる「…えっと……そ、それじゃあ、私たちも…」

P「うん。行こうか」

ほたる「は、はい。…」

ほたる「あ、あの、プロデューサー、さん…」

P「うん?」

ほたる「……」グッ


ほたる「に、にんっ」パシ


ギュ


P「……」

ほたる「……、あぅ」

ほたる「…その、あの、……ひ、一人だと、や、やっぱり、不安…ですけど」

ほたる「……に、忍術。そう、忍術のために、その、二人なら、…きっと……大丈夫、だから…」

P「…………」

P「そうだな」ギュ

ほたる「……」

P「はぐれてもよくないし。一緒に行くか」

ほたる「…」

ほたる「は、はい」

P「うん。——ちょっとの間かもしれないけど…、お祭り、楽しもうな」

ほたる「…はい…!」



・・・・おしまい

以上です。


ほたるちゃんと楽しくお祭り楽しみましょう。ウッヒョー

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