進撃の巨人×魔術師オーフェンの一発小ネタ
オーフェン(……あん?)
オーフェン(なんだここ)
オーフェン(確か、バグアップんとこでマジクが作った変な飯食ってたら、急に眠くなって……)
オーフェン(気がつけば地人どもよりちっこい人間が地人くらいの奴らに襲われてる)
オーフェン(……夢? にしちゃあ意識がはっきりしすぎてる気がするが)
オーフェン(しかし目を覚ましたら知りもしない世界でしたなんてのも現実味がねーな)
オーフェン(とにかく総じて言えることは、わけがわからんっつーことだ)
エレン「なんなんだあいつ! 超大型よりもっとでかいぞ!?」
ミカサ「……でも、今は動いてない。先手必勝で……(グッ」
アルミン「待ってミカサ! ヘタに刺激すると暴れ出す可能性がある! まずは様子を見よう!」
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オーフェン(……とりあえず夢と仮定するとして、どうすりゃ目を覚ますもんかねぇ)
オーフェン(夢ってのは確か……、眠りが浅いと見るもんだったか)
オーフェン(まあつまりはリラックスできてねえって事だろう)
オーフェン(そもそも夢の内容自体がよくないな)
オーフェン(ちびちび人間どもを助けてやる義理はねえが、あのサイズがどーも福ダヌキを思い出させやがる)
オーフェン(やっぱそういうの放置しとくと精神衛生上よくないよな、ほら、俺ってやっぱナイーブだし)
オーフェン(っつーことで、まず安眠を妨げる要素を排除するとしよう)
オーフェン「……我は描く」
オーフェン「光刃の軌跡っ!!」
エレン「なっ!」
ミカサ「っ!?」
アルミン「巨人達が、一瞬で燃え上がったっ!?」
エレン「あいつが……、やったのか?」
オーフェン「我は描くっ! 光刃の軌跡っ!」
アルミン「なっ、今度は連続で!?」
ミカサ「……」
エレン「すげえ……」
オーフェン(ちったあ減ったか? ……いや、まだまだか)
オーフェン(まあゾロゾロいやがるしちまちま七匹八匹と潰したところで埒があかんわな)
オーフェン(空間爆砕とか自壊連鎖なら一気に潰せるだろうけど、どう考えてもちびちびどもも巻き込むよなぁ)
オーフェン(さすがにあの福ダヌキとサイズの違うあいつらを巻き込むのは寝覚めが悪そうだ)
オーフェン(離れてまとまっててもらえるとありがたいんだが……)
エレン「あいつ、こっち見てるぞっ!?」
ミカサ「……(ジャキッ」
アルミン「待って待って!」
ミカサ「とめないで。エレンが危ない」
アルミン「あの巨人がその気ならさっき巨人にやったみたいに一瞬でやっちゃえるよ!
それをしてないって事はきっと何か理由がある! ならそれを利用できるかもしれない!」
オーフェン(……んー。どうしたもんかね)
オーフェン(とりあえず、声でも掛けてみるか?)
オーフェン「なあ、おいお前ら」
ミカサ「……っ!!(ジャッ!」
アルミン「ストップストップストップっ!!」
ミカサ「今度はこちらに向けてしゃべってた。さっきみたいにやる気かもしれない」
アルミン「だから本当にその気があるなら今ので僕らは消し炭になってたはずだよっ!
そこから判断すると今のところ彼は僕らに敵意がない確率の方が高いんだっ!」
ミカサ「……なぜ? 失敗しただけかもしれない」
アルミン「これまでの彼の行動を考えてみて! 巨人の殲滅時三回雄叫びを上げてる! おそらくそれが力の発動条件なんだ!
そしてさらに注目すべきは失敗成功それ自体よりその間隔! 特に2・3回目はほぼ間髪入れずに発動してる!
だからもし仮にアレが僕らへの攻撃だったとしたら、失敗してたとしても連続で発動すればいいだけの話なんだよ!」
ミカサ「……(パシュッ」
アルミン「……ふぅ、分かってくれてうれしいよ」
ミカサ「分かったわけではないけど。もしこちらに手を上げたときは私の判断で動く」
アルミン「たぶんその心配は必要ないよ」
ミカサ「……なぜ、あんなものを信じられるの?」
アルミン「信じてるんじゃなくて、考えても仕方ないことだから」
ミカサ「?」
アルミン「……たぶんその瞬間に丸焦げだよ、僕たち」
ミカサ「……」
アルミン「だから、なるべく刺激しないようにするってだけ」
ミカサ「……わかった」
エレン「でも俺らもあれできたらすげーよな。巨人全部倒せるよな」
ワクワク
アルミン(エレンお願いだから空気読んで)
いくらなんでも革ジャンバンダナでオーフェンはわかんねえよ!つい開いてびっくりしたぞ。
あと、声が届く範囲広いからもしかしなくても音声魔術驚異じゃね?
オーフェン(やっぱ通じてねえみたいだな)
オーフェン(つーかちびちびのあいつなんかすげー飛んでたぞ? ……よくみりゃ他の奴らもか)
オーフェン(まさかあいつら全員魔術師か? にしちゃ構成も見えなかったし呪文もなかったが……)
オーフェン(天人種族? レッド・ドラゴン? ……いや)
オーフェン(変な機構付けてるみたいだし、それか)
オーフェン(『牙の塔』でも拳銃の研究なんかはしてたはずだけどあんなもんはなかったな。……まあ魔術師は魔術で飛べるしな)
オーフェン(とはいえ、突風でちびちびだけ押し流すって手も考えたが、あれがあるんじゃ効果はなさそうだ)
オーフェン(なら、意味消滅? 物質崩壊? ……どれもしっくりこねえ)
オーフェン(そもそも、細々とした対象を指定してってのが黒魔術にゃ向かねえんだよなぁ……)
オーフェン(……ちっ、弱音か。嘆いたところで手持ちの札は変わりゃしねえっての)
オーフェン(まず、危なそうなとこを威力抑えた熱衝撃波で潰してくってのが妥当だな、っとぉ)
オーフェン「我は放つ光の白刃っ!」
エレン「っ」
ミカサ「……今のは?」
アルミン「……たぶん、後ろの巨人を狙ったんだと思う」
ミカサ「……」
アルミン「……」
ミカサ「本当に?」
アルミン「だから言ってるだろ!? どっちにしたって僕らはそう信じるしかないんだよっ!」
オーフェン(あっぶねー。あの黒いちびちびを巻き込むところだった)
オーフェン(放浪生活も長いからな。腕も鈍ってるってことか)
オーフェン(……まっ、勘取り戻すにはちょうどいいかね)
オーフェン「我は放つ光の白刃っ!」
ミカサ「……」
アルミン「……」
ミカサ「今度のは?」
アルミン「……見た感じ、押されてるところを重点的に攻撃してるみたいだ」
ミカサ「……」
アルミン「だから必然的に僕らへの距離も近くなる」
ミカサ「……そして当然、誤爆だってある」
アルミン「……じゃあ、ミカサはあれを倒せるって言うの? 一瞬で巨人を燃やし尽くせるあれを」
ミカサ「やらなくて諦めるのは、負け犬」
アルミン「選択の余地のある局面でわざわざ無理と分かってることを選ぶのはただの狂犬だよ」
ミカサ「……」
アルミン「……」
アルミン(……やっぱり、怖いな。エレンの命も掛かってるから仕方ないけど……)
エレン「おいどうしたんだよお前ら! そんなことよりあいつ応援しようぜ!」
アルミン「……はぁ」
ミカサ「……ふぅ」
アルミン(エレンのおかげで空気が緩んだ。……ありがとうエレン、空気読めなくて)
>>5
新シリーズではもうおっさんだしな
???「どうしたのですか君たち」
エレン「あ、教官」
ミカサ「?」
アルミン「? ……!?」
エレン「? どうしたんだよお前ら。ちゃんと挨拶しろよ」
???「いえよいのですよエレンくん。無鉄砲は若さの特権ですからな」
アルミン「……えっと、エレン。それ、誰?」
エレン「なに言ってるんだアルミン。教官だろ」
ミカサ「?」
アルミン「え? いや、え??」
エレン「どうした? アルミンお前疲れてるんじゃないか?」
ミカサ「……。……そう、エレンの言うとおり」
アルミン(……考えることを放棄したね、ミカサ)
???「おや? あれに見えるは黒魔術師殿ですな。少しばかり育ちすぎていらっしゃるようですが」
エレン「知ってるんですか?」
???「ええ、旧知の親友にして宿命のライバルと言ったところでしょうか」
エレン「あんなすごい奴と知り合いなんて、さすが教官ですねっ!」
???「はっはっは。長く生きれば君にもそんな友ができますよ。では私は挨拶してきます。……ウイングッ(シュパッ」
アルミン「飛んで、る……」
エレン「いやなに言ってんだお前。立体起動だろ?」
アルミン「いや明らかに立体起動使ってないよね!?」
エレン「?? いや、飛んでるんだから立体起動だろ?」
ミカサ「……そう、エレンの言うとおり」
アルミン「…………あー、うんそうだね」
アルミン(……もう、どうでもいいや)
???「黒魔術師殿ーーーっ」
オーフェン(……)
オーフェン(なるほどな)
オーフェン(目が覚めたら妙な世界にぶち込まれてたのも)
オーフェン(ちまちまちまちまと地人もどきどもを叩いてストレス溜めてたのも)
オーフェン(そもそも西部の辺境うろうろ放浪する羽目になったのも)
オーフェン(ぜーんぶこいつのせいってわけか)
オーフェン「……、キィィィーーーースッ!」
キース「お久しぶりですな黒魔術師殿」
オーフェン「ああ、そのまま二度と会わずにすめばどんなによかったことか」
キース「……そうですな。好敵手たる私たちとはいえ、命を狙い合うものとして、出会ってしまえばどちらかが消え去ることは必定」
オーフェン「そういう意味じゃねーんだけどな……」
キース「しかし黒魔術師殿、定めというのならばここに導かれたのも何らかの必然ではないかと」
オーフェン「?」
キース「具体的に言えば数年後辺りからああいう手合いと戦うビジョンが必要になりそうな気がしますな」
オーフェン「……なんだそりゃ」
キース「その辺りは後世に記されるキャプテンキースの手記を読むといいですぞ」
オーフェン「……まあいいや。とにかく、お前がここにいるってことは、……手加減しなくていいってわけだ」
キース「はっはっは、これは異な事を黒魔術師殿。なぜ私がいたら手加減をしなくていいと?」
オーフェン「はっはっは、馬鹿だなあキース。それはお前がいる次元からだ」
キース「なるほど、簡潔ですな」
オーフェン「ああ」
キース「ならば私も声高らかに答えましょう。いやぷー、とっ!!」
オーフェン「てめえの意志は関係ねえええええええっ!!!!」
アルミン(彼の放った不可視の一撃は、一瞬にして巨人たちや壁の中の街を飲み込み消し去ってしまった)
アルミン(が、不思議なことに人間は一切巻き込むことなく、巨人災害としては奇跡的に被害者0を記録した)
アルミン(そして、あの巨体を誇った彼自身も消えてしまい、キース教官も元に戻っていた)
アルミン(尋ねてもエレンに気にした様子はなく、ミカサは死んだ目でこちらを見るばかり。キース教官に至っては一言『……覚えていない』と言うだけだった)
アルミン(そして、一番の謎はあの巨人がなんだったのか。巨人化を解除して立体起動で逃げたのかと思いもしたけど、そうじゃない気がする。何かは分からないけど)
アルミン(ともかく、それら一連の事件が夢でなかったことは、崩壊した町並みが証明してくれている。そして……)
エレン「……はっ!!!」
アルミン「……」
エレン「なんででねーんだろ。……やっぱまだ気合いが足りねーのかな」
アルミン「……」
エレン「…………はっ!!!!」
アルミン「……」
エレン「おっ! 今なんか光った気がしたぞっ!?」
アルミン「……見えなかったよ」
エレン「えー、でもなにか時々目の裏にチラチラッて光ることが……」
アルミン「気のせいだって。……それか叫びすぎて酸欠」
エレン「アルミン、お前夢がないなぁ。あれ覚えたら巨人駆逐するのだって夢じゃねーのに」
アルミン「現実的だって言ってよ。……ほら、そろそろ行こう。お腹すいた」
エレン「俺はもうちょっとやってくわ。先行っててくれ」
アルミン「……うん」
アルミン(ふぅ、……それにしてもエレンは夢見すぎだよ。あんなことしてたって意味なんて……)
テクテク
……ハーーーーッ
…ドカーンッ
アルミン「……」
ドウシタエレン!ウワーセッカクナオシタイエガーーッ!イヤナンカミエテハーーー-ッテシタラヒカリガデテ……
アルミン「…………えー」
おわり
次回、魔術師エレン・駆逐編をお楽しみに(嘘)
新シリーズははぐれとはずいぶんノリが違うけど面白いよ
どちらかというと巨人のノリと近いかもしれん
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