エレン「アルミン!」(42)
アルミン「くそっ」
不覚だった。雨の中の訓練中に足を踏み外し、土砂にほぼ躰全て取られてしまった。
訓練中に身につけたはずの力が、土に吸い込まれるかのように動かせない。
エレン「まってろ!すぐ…うっ」
ミカサ「私が行く。」
エレンも怪我をしている。
というか、上位者でさえほぼ怪我人だ。天気の変化が読めなかった。視界が遮られるほどの雨が昨日今日と続いた。
初めての土地だった。
他にもあるんだろうけど…今はそれどころじゃない。僕は何を訓練してきたんだ。泥が苦い。
「まかせろ、動くな」
視界に何かが映り、遮られ、上半身が動かせるまで引き抜かれると、力が入った。
アルミン「ありがとう、ジャン」
ジャン「気にすんな。おい、無事だ!」
エレン「よかった…」
ミカサ「ありがとう、ジャン」
このとき僕はまだ自分の身体の変化に、気づいていなかった。
夜、食堂******
マルコ「今回はひどい目にあったね…」
ジャン「まあな。ここの食事がこれ程うまいと感じることは滅多にないだろうぜ。最後の方飯抜きだったからな」
コニー「まちがいねえな」
アルミン「でも、助かったよジャン。あの時は本当にありがとう」
ジャン「お互い様だ、気にすんな…ってあれ?ミカサとエレンは?珍しいな、お前が単独行動なんて」
アルミン「すぐ来ると思うよ、それにいつも一緒な訳じゃないよ。僕はどんなイメージなのさ」
ジャン「悪い悪い、とりあえず腹に入れよーぜ!」
アルミン「もう…」
マルコ「アルミンとはあまり話す機会なかったから、嬉しいな」
コニー「飯!飯!」
和やかに時間が進んでる、そう思った。この時までは。
アルミン「あ、エレンミカサ!こっちだよ」モグモグ
ミカサエレン「…」ジ-ッ
アルミン「?どうしたの?」
エレン「アルミンこそどうしたんだよ。会話中に急に走って行って。なんか急用でもあったのかと思えば飯食ってるし。」
ミカサ「そう。わたし達はとても心配した。そして、探した」
アルミン「え…?」
エレン「アルミン?大丈夫か?何かあったのか?」
アルミン「い、いやなんでもないよ、二人とも探させちゃってごめんね」
ミカサ「…そう。何もないならいい。ただ何か心配事があるなら言って、わたし達は遠慮し合う仲ではない。」
エレン「何かあったら言ってくれよ。」
アルミン「う、うん。二人とも本当にごめんね。」
コニー「…早く飯くおうぜ、サシャに食われちまうぞ」
マルコ「だね、冷めちゃうし」
ジャン「まあ俺らはもう食ったんだけどな、ご馳走さん」パンッ
マルコ「ジャンちょっと待って、僕も行くよ。この間の話なんだけど、出来れば早い方がいいと思って。」ガタッ
ジャン「ああ。あれな、じゃあな、アルミン、ミカサ、エレン」
マルコ「コニーはサシャから逃げるように席を移動したね
。アルミンは?この前の課題のことなんだけど」
アルミン「僕は二人と少し話してから行くから、悪いけど先いっててくれるかな」ガタッ
マルコ「う……ん?」
ジャン「は?」
エレンミカサ「え?」
ジャン「…アルミン、なんで俺の後ろについてきてんだ?」
アルミン「え?……えっ、」
ミカサ「行動と言葉が一致していない…アルミン、熱でもあるの?」
エレン「あの雨だしな」
アルミン「い、いや、ぼくは熱もないよ、体調もわるくない」
ジャン「じゃあなんで傍によってきたんだよ。なんか用でもあるのか?」
アルミン「…、」
アルミン「体が勝手に動いてる」
短いけどここで
レスありがとう
エレンミカサジャンマルコ「……」
ジャン「…」スタスタ
アルミン「」スタスタピトッ
ジャン「」スタスタ
アルミン「」スタスタピタリ
エレン「アルミン…ふざけてる、わけじゃねえよな?」
ミカサ「…アルミンは無意味にそんなことをしない。ので、新しい遊びか何かの可能性が。アルミン、やり方を教えて欲しい」
マルコ「二人とも、特にミカサ落ち着いて」
アルミン「なんなんだ、これは…」
ジャン「俺が一番聞きてぇよ」
マルコ「とりあえず、各々色々思ってると思うんだけど、もう消灯時間だ。ミカサは女子寮に帰らなきゃいけない。
部屋で、さしあたっての対処法を考えよう。原因追求、処置はそのあとがいいんじゃないかな。」
エレン「…まあ、そうだな。」
ミカサ「私は、まだ…」
ジャン「無理すんじゃねえよ。明日も休みじゃねえんだ、それに教官がきたら面倒な事になる。
方針が決まってない以上、問題を起こさないことがアルミンの為でもあるだろ。」
マルコ「幸い同部屋だからね。作戦はゆっくり練れる。まず訓練のことについてだけど、――アルミン?」
アルミン「…」グッパグッパ
アルミン「…別に違和感はないんだよね」ウ-ン
アルミン「……」ジ-ッ
ジャン「なんだ?」
アルミン「」ガシッ
ジャン「あぁあ!?なんだよ急に!声くらいかけろよ!」ビクッ
アルミン「ジャン…これから、色々大変だと思うけどよろしくね!」
ジャン「お、おう!」
マルコ「…当事者が気丈みたいでよかったよ」フフッ
アルミン「まずは色々実験に付き合って貰いたいんだけど」
ジャン「…いや、寝かせてくれ」
ミカサ「アルミンは強い。ので、大丈夫。私は安心して今日は帰る。」
エレン「おう、じゃあなミカサ」
途中だけど保守ありがとう
落ちてるかなーと思ってたから、嬉しい
アルミン「心配かけてごめんね、ミカサ。ありがとう」ニコッ
ミカサ「…うん、アルミンは大丈夫だと思うけど、気をつけて欲しい」
アルミン「わかった。何があるかわからないからね」コクッ
ミカサ「…皆、アルミンの事をくれぐれもよろしく」ペコッ
ジャン「お、おう!俺がついてるから安心しろミカサ!」ドキ-ッ
マルコ「任せて、ミカサ」ニコッ
エレン「大丈夫だっての。そんなやわじゃねえよ、アルミンは」ハ-ッ
ジャン「お前!ミカサが心配してる気持ちを少しは――!」
キース「今しがた」
キース「大きな音がしたが…「すいません!寮に帰ります!」」ダダ-ッガラッ
キース「……」
キース「…」スタスタ
キース「」ガラッピシャッ
更に短いのですがここまでです。
0話のではありません。
あとジャンはところどころ空気を読みます。
男子寮
アルミン達の部屋前****
ジャン「危なかったな…」ハァハァ
アルミン「ま、まさか背後にいきなりいるなんて…気配全くしなかったよ」ゼイゼイ
エレン「びびったな。流石教官、まぁ怒られなかったし大丈夫だろ」フゥ
マルコ「怒られる前に逃げただけだけどね。明日大丈夫かな…」アセヌグイ
バタン!
エレアルジャマルコ「」ビクゥ!!
コニー「……何やってんだお前ら」
エレン「驚かせんなよ!」
コニー「は?訳わかんねぇ」
アルミン「ごめんコニー、色々あったんだよ、後で話すね」
アルミン「…ところで、コニーこそ何やってるの?それ、種かな?」ジ-ッ
コニー「ああ。サシャからさっき貰ったんだ」パッ
ジャン「サシャがあ?珍しいな」
マルコ「彼女なら食べちゃいそうだよね」ウ-ン
エレン「まあな」コクリ
アルミン「確かに想像しにくいかも。プレゼント?」
コニー「つーか、なんていうか。育てろとよ。」
マルコ「……サシャ」
ジャン「いやもう…お前それでいいのかよ」
コニー「ああ、村でよく野菜や果物育ててたからな、育てるのは得意なんだ。」
ジャン「いや……なんでもねえ、頑張れよ」
コニー「おう!」ニコッ
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