律子「眠い…」 (33)
律子「うーん…」
律子(プロデューサー殿はアイドルの新しい売り出し方もしたいと言ったけど)
律子(何よあれ!ロクな案が一つもなかった…)
律子(そんなに言うなら律子も何か考えてみろとは言われたものの)
律子(何一つ思いつかないわ…私は現状の路線で努力すべきだと思っていたもの)
律子「うーん…」
小鳥(律子さん唸っているわ。悩み事かしら?)
律子(違法系アイドル!?行き遅れも違法だったらちかたない!音無小鳥衝撃の2Xデビュー)カキカキ
律子「」プルプル
律子(いけない、こんなことを思いつくなんて疲れているんだわ)
律子(でもアイドルが10人以上いるんだし一人くらい新規路線を開ける子もいるんじゃないかしら)
律子「うーん…」
小鳥(本当にお悩みのようね)
律子「zzz…ハッ!」
律子(いけない…寝ちゃいそう)
律子「zzz」
小鳥「そろそろ時間ですのでお先に失礼しますねー……あら?」
小鳥(ペンを持ったまま考え込んでいるわ。邪魔したら悪いし、書置きでもしておこうかしら)
小鳥(労いの言葉と戸締りのことを書いてっと)カキカキ
律子「zzz」
小鳥(邪魔をしないようにこっそりと…)ガチャ
律子「zzz」
…………………
……………
………
…
伊織「律子。今日から長期収録って聞いたんだけど」
律子「ああ、伊織ちょうどいいところにきたわね。ちょっと財布を出してもらえないかしら?」
伊織「なんでよ!イヤに決まっているじゃない」
律子「亜美ヤッチマイナー」
亜美「イエッサ→!」
伊織「やっ、やめ」
伊織「私の財布に何をするつもりよ!?」ハァハァ
律子「ブラックカードをー…」
ペキャッ
伊織「あー!」
律子「それと中学生がお札をこんなに持っているのは贅沢ね。没収」
律子「残ったお金はこの財布に移しておくわ。こっちの高そうな財布を質屋に行かれたりでもしたら台無し。
あとこの書類に目を通して、住所が書いてある部屋に行ってちょうだい」
律子「では本日より『いおりん一ヶ月庶民生活』スタート!」
伊織「はああああぁぁぁぁ!?」
伊織は庶民生活に奮闘した。
グルメ番組を自粛しながらやよいと一緒にセールで格闘し、不慣れな自炊に挑戦する。
収録の帰りは貴音が確保した余ったロケ弁を強奪する日々が続き…
充実しているようにも見えた庶民生活は残り1週間ッ!
根っからのお嬢様である伊織の精神状態は…
伊織「」チーン
伊織「ただいまー」
伊織「…一人部屋を用意されたから当然誰もいないわよね」
伊織「今日はロケ弁持って帰れたんだったわ…食べなきゃ…」
伊織「」パクパク…
伊織「だけど余り物食べて幸せよ…♪」パクパク
伊織「」パクパク…
伊織「ハッ!今すごく楽しいことを考えていた気がする!」
伊織「なんだったっけなんだっけ!思い出せ!明日への活力になれ!」
伊織「うーん………あ、思い出した!」
伊織(奮発して亜美たちと一緒に期間限定マックを食べに行ったこと…!)
伊織(こんな貧乏くさい思い出をすごく楽しいと思ってしまった自分がイヤー!!)ジダバタ
~最終日~
律子「随分やつれたわね。でも今日が最終日よ、胸を張りなさい」
伊織「言われなくても堂々とタイムアップの瞬間を迎えてやるわ」
3、2、1、イオリンオメデトー!!!
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水 瀬 伊 織 一 ヶ 月 庶 民 生 活 達 成 !!
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スタッフ「では『水瀬伊織 100の薬で体張りM@S』開始しまーす!」
律子「さっ、すぐに次の仕事よ。今度は体を張って薬の効能を紹介するの」
伊織「へ?」
律子「ホラホラ、カメラはずっとまわったままだから気を抜かない」
伊織「え?え?なんなの?」
律子「えーと、まずはラシックスね。これを飲んだら高速道路で移動してもらうから。
一発目だからスタドリを飲む感じでグイっといっちゃいなさい」
伊織「こんな得体の知れないものを飲むなんていやよ!」バシッ
律子「あ、落ちちゃったじゃない…しょうがないわね。これは後で飲ませることにしてそのときは夜行バスで移動させるわ」
伊織「な、何を言っているの…」
律子「次はミクロゲンパスタ。オデコ出しなさい」グイッ
伊織「ちょ、やめなさい、ほんとにやめて!」
律子「チッ!暴れられたせいで眉間に塗ってしまったわ」
伊織「うきゃー!よくもワケわかんないものを塗ってくれたわねー!」
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律子「うぅ…寝てたんだ」
律子「でも、事務所で寝てしまったはずなのになんで家で目を覚ますのかしら?」
律子「自分でそんな夢を見ておいてなんだけどあんな伊織は見たくないわね…
今日は伊織に優しくしておこうかしら」
~765プロ~
律子「うーん……変な夢を見たせいでよく疲れが取れなかった…」
律子「はぁ…なんだか辛いわ…」
ガチャ
律子「おはようございます」
響「はいさーい、律子!」
貴音「おはようございます。朝から既に英気がないようで」
律子「だ、大丈夫よ…快眠できなかっただけだから」
響「律子。自分な、ちょっと相談があるんだ。
テレビでは動物の相手したり、無理難題押し付けられたりすることが多すぎる気がして…」
律子「たしかに売れ始めてからそういう心配はあったわ。でも響、私はね…」
響「ち、違うんだ!楽しかったんだ!本当に本当なんだぞ!
エベレストを登ることになるとは思わなかったけど滅多にできない経験だし!」
響「野性のコモドオオトカゲと競争すると聞かされたときは緊張したけど
最後はコモ香とは仲良くなれたし、それに、それにな…」
律子「はいはい分かっている、はいさい分かっているから」
律子「コモ香が人に懐いたせいで近くの村をうろつくようになり
村民が怖がっているという苦情が当国から入ったのも分かっているわ」
響「………」
律子「………」
律子「ま…ま、まぁ少し考えてみるから」
律子「男前なことをやってみたらどうかしら」
響「男前なこと…?」
律子「ダンスでは真とライバルのような関係だからキャラクターでも競わせてみたいと思ったの」
響「もう無茶振りじゃないか…」
律子「別にこれで路線を決めるわけじゃないから試しに。ね?」
響き「わ、分かったさー…ちょっと貴音ぇ、ピザって10回言ってみて」
貴音「私がですか?はて、なぜそのようなことを…」
響「いいからいいから!」
貴音「ぴざぴざぴざぴざぴざぴざ…」
響「じゃあ今、貴音が一番食べたい物は!?」
貴音「らぁめん!」
チワーラーメンオトドケニアガリアシター
響「ほら、貴音が今一番食べたい物がきたぞ」ドヤァ
律子・貴音「面妖な!」
貴音「」ズルズル
律子(いつ見ても美味しそうに食べるわね…)
貴音「」ズルズル
律子(1杯だけでももらいたい…)
律子「注文した響も響だけど10杯は食べすぎよ」
貴音「」ズルズル
律子「貴音のためを思って言っているのに。……太るわね」
貴音「」ピタッ
律子「体型が崩れてしまったアイドルはどうなってしまうんでしょうねぇ…」
響「律子!貴音は太る体質なら既に太っていてもおかしくないだろ!」
貴音「」プルプル
律子「えーと、響や私との体重差は何キロだったっけ…」
響「背が高いなら自然と体重も増えるだろいい加減にしろ!」
律子(ラーメン食べたい)
響「貴音、少しの間じっとしているんだぞ」スクッ
貴音「一体なにを…」
グイッ!
律子「で、出たー!お姫様抱っこ!行動で証明なんてワイルド!」
響「ほ、ほら重く…ない」プルプル
律子「そしてジェントル!」
貴音「ひ、響…あなたという人は…」ホワーン
~5分後~
貴音「まこと夢のように心地が良いです」ウットリ
律子「そろそろ下ろしてもいいんじゃない?
もう足が家庭科の糸を通すアレみたいになったままプルプルしているんだけど…」
響「重くないから…全然重くないから…ちなみに家庭科のアレはスレイダーって言うんだぞ…」
律子「涙目になってまで教えてくれなくていいから」
ガチャ
真美「はろはろ→!あれれ、ひびきんがお姫様抱っこならぬお姫ちん抱っこしてる!」
真「わー、いいなー憧れちゃうなぁ」
ワタシモシテモラオウカシラ ワ、ワタシモシテモライタイナンテ…ナンデモナイワヨ キャーワイルドノキミサイコー
響「はぁー…数日は筋肉痛が取れないかも」ズルズル
律子「お疲れ様。でもあのときの響ってとっても男前だったんだから」ズルズル
響「貴音は今のままがキレイで一番だし、あのときはああするしかないと思ったんだ。
でも、ラーメンを分けてもらいたいからってああいういじり方はよくないぞ!」
律子「はい、すみませんでした」ズルズル
響「忘れていたけど男前といえばお手本がいるような…あ、いいやあういう風になりたくないし」ズルズル
律子「んー今日はあとアポとミーティングだけねー」ズルズル
伊織「あら、律子がラーメンを食べているのは珍しいわね」
律子「そうかしら?このラーメン伊織のために1杯とっておいたんだけど一緒に食べないかしら?」
伊織「ラーメンっていかにも庶民の食べ物ねぇ…」
律子「まぁそう言わずに食べてみなさいよ。何事も体験だから食わず嫌いはよくないわ」
TV<ドコドコデナンタラカンタラ
伊織「まったく!いつ犯罪のニュースを見ても犯人は男ばかりね」ズルズル
律子「あら?でも、応援してくれるのは男の人が多いのよ」ズルズル
伊織「じゃあいつも私に見せてくれないファンレターには何が書いてあるのかしら」ズルズル
律子「………」ズルズル
伊織「何か言いなさいよ」
ガチャキィー…
雪歩「だめだよ、伊織ちゃん。男というものはね…ワガママだったから技術や資本を成長させていったんだよ」ドヤァ
伊織「………食欲が失せたわ。少しの間席を外してくるから」
律子「え?ラーメンを残したままよ!」
雪歩「じゃあ麺が伸びてしまうと勿体無いので僕がいただいちゃいますね」ズルズル
律子「ど、どうぞ」
律子「たしかに男の人が行動を起こすから何かを作り上げるというのは一理あるわね。ところで…」ズルズル
律子「うぅーん…どうして雪歩は男装しているの?」ズルズル
雪歩「あれ?律子さんには話していませんでしたか」ズルズル
律子「うん、理由が気になってしょうがないわ」ズルズル
雪歩「では」スッ
律子「は?」
雪歩「握手ですよ、握手。日本男子たるもの握手をすれば心に訴えかけることもできます」
律子「は、はぁ…」ガシッ
雪歩(男の人が苦手なダメダメな私…でも苦手なものの気持ちが分かれば…
苦手なら男の人になってしまえば苦手じゃなくなるはずです!)
律子(この子…!脳内に!)
律子「それだけの説明なら普通に話した方が早いんじゃないですかねぇ…」
ガチャッ
真「たっだいまー!律子たちがラーメン食べているのを見て
ラーメン食べたくなったからコンビニで買っちゃったよー」
雪歩「ハッ!師匠!」ドゲザー
真「ヒィッ!?」
律子「な、なるほどね。伊織も煙たがるはずだわ」
真「助けてよぉ…律子ぉ…」
律子「えーっと…雪歩?犬はまだ苦手なの?」
雪歩「男らしくない弱点ですが、犬はまだ克服できていません」
律子「じゃあ今度は犬の気持ちを理解してみない?」
雪歩「!?」
この後何があったか。もはや何も言うまい。
律子「申し訳ないけど、なんか頭が痛くなってきたからなんか早退させてもらうわ…
なんか小鳥さんあとはよろしくお願いします」ペコリ
小鳥「ちょっと待ってください!」
律子「知るかー!」ダッ
~帰路~
律子(早く帰って寝たい…)テクテク
律子(………ん?)
律子(最近あまり見ない気がするけど道端でやっている手相占いかしら?)
律子(ローブを羽織っちゃったりして雰囲気出してるわねー)
律子(これで水晶がテーブルに置いてあったら本格的よね)
律子(は!?おにぎりが置いてある!おにぎりで占うの!?)
律子(『食べられないおにぎり売ります』って書いてある…)
律子(よし、気にせず帰ろう)テクテク
律子(帰って寝よう。あれは関わっちゃいけない気がする)
残っていないだろうけど用事で1時間空けます
書き直しながら投下していたけど冷静になってくるな
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