ドギー「みんな、今日から5日だけ夏休みを与えようと思う」 (8)

~あくる日 デカベース内~

スワン「みんな、コーヒー入ったわよ~……あら? 元気ないわね、揃いも揃って」

バン「はぁ~……アブレラを倒してからアリエナイザーの数も減って平和になってきたし、なんか暇だよなぁ」

テツ「ナンセンス、いつ現れるか分からないのがアリエナイザーですよ先輩」

セン「でもねー。ここ2週間はずっと暇だからねぇ……」

ドギー「……………」

ドギー「……そうだな。アブレラのデリート以来、そこまで苦戦を強いられるようなアリエナイザーは少なくなった」

ドギー「俺一人でも当面はどうにかなりそうだ。そこで、お前達に夏休みをくれてやろうと思う」

バン「えっ、マジっすか!? 夏休み!?」

ホージー「うるさいぞバン、俺はまだ事務仕事の最中なんだ」

バン「何言ってんだよ相棒、夏休みだぜ夏休み! 学生の頃以来だな~何しよっかな~」

ホージー「だから相棒って呼ぶな!」

ウメコ「やったー、久しぶりに遠出してお洋服買いに行けそう! ジャスミンも行くよね!」

ジャスミン「ええ……でもボス、いいんですか? ボスに任せっきりじゃ……」

ドギー「お前達は毎日よくやってくれている。たまには纏まった休みくらい取らせてやろうと思ってな」


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すまん……最終話でバンは地球署のデカレンジャーを抜けてたのを忘れていたorz

脳内保管お願いします


【episode?? トラブル・バケーション】


~都内 とあるレジャー施設~

バン「さぁて、久々の連休を使ってやってまいりました“ネズミーランド”!」

テツ「先輩、だからってどうして僕が連れ回されなきゃならないんですか。どうせなら可愛い女の子と……」

バン「いいからついて来いって! お前、地球のレジャー施設はあんまり来たことないだろ?」

テツ「そりゃまあ、昔からずっと特キョウの施設で生活してましたから」

バン「花鳥風月・頑固一徹! 実際に体感すればきっとお前も楽しめるって!」

テツ「はぁ……なんでこうも元気なんですかね、先輩は……」



~都内 とある喫茶店~

ホージー「たまにはいいもんだろう、こういうのも」

セン「まさかホージーさんがこんな喫茶店知ってるとはね……まあ、俺もオリエンタルな感じは好きですよ」

ホージー「あ、すいません。ほうじ茶と煎茶のおかわりお願いします」

セン「ところで、どうしてまた俺なんか誘ってこんな場所に?」

ホージー「ああ……どうもみんなには俺が女たらしだと思われているフシがあってな。それでちょっと、たまには同性の同僚とお茶でもと」

セン(思われているフシじゃなくて、実際に思われてるんだけどね……)

ホージー「さて……どうだ、ここを出たらどこへ遊びに行こうか」



~都内 とあるブティック~

ウメコ「あ、これとかジャスミン似合いそう! ちょっと着てみてよ」

ジャスミン「ええっ、私にはこういうキャピキャピしたのはちょっと……どうかなあ」

ウメコ「きゃ、キャピキャピ…………まあいいや、死語は今に始まったことじゃないよね」

ジャスミン「こっちのシックな感じの上着とか好きなんだけどな。フリフリは私には似合わないかも」

ジャスミン「逆にウメコはこれとかどうかな? アクセントに皮の腕輪とか」

ウメコ「えー、そういう渋い系は私はちょっと……」


~デカベース内~

ドギー「……グルルルルル……」

スワン「どうしたのドゥギー。眉間にシワ寄ってるわよ」

ドギー「うむ……実は、アブレラがかつて設立して取引に使っていたダミー会社についてなんだがな」

ドギー「六人が休みに入ったのと入れ替わるように、ダミー会社の残党共が水面下で動き出したようなんだ」

ドギー「アブレラを討ち取ってからは目に見えて弱体化し、もう悪巧みもしないだろうと踏んでいたんだが……」

スワン「でも、残党ってことはアブレラより強くはないでしょう? それならドゥギーだけで楽勝じゃない」

ドギー「忘れたのかスワン、アブレラの恐ろしさは本人の戦闘力じゃない。その頭脳を駆使した発明品の数々だ」

ドギー「そして、アブレラの置き土産がそのダミー会社に残されていると考えると……少々厄介な話になる」


~都内 とあるレジャー施設~

??「はーいお兄さん達、こんにちは! 今日は遊びに来てくれてありがとう!」

バン「おっ、ラッキー! 来て早々にネズミーに会えちまった!」

テツ「ネズミー……?」

バン「この施設内を歩き回ってる着ぐるみ達のことさ。いきなりネズミーに会えるなんて俺達ツイてるぜ、テツ!」

??「お兄さんが持ってるその携帯、かっこいいね! よかったら見せてもらっていいかな?」

バン「いいぜ! これはデカレンジャーにのみ所持が許されたライセンスだからさ、大事に触ってくれよな」

テツ「ちょ、ちょっと先輩! SPライセンスをそんな簡単に他人に……!」

??「わあ、すごくオシャレな機械! いいなあ、僕もこんなのが欲しいなあ」

??(………………)

??(……フッフッフ……)

??「……うん、それじゃあ返すね!」



~都内 とある喫茶店~

ホージー「さて、そろそろ出ようか」

セン「ですね」


ドッ


セン「……っと、すみませんぶつかっちゃって。お怪我ありませんか?」

??「い、いえ……大丈夫です……」

ホージー「行くぞセンちゃん、払いは俺が持っておいてやったから」

セン「あれ、そりゃどうもご馳走様ですね。今行きますから……」

??「あ、あの……これ、落としましたよ……」

セン「え? ああ、やばっ……ありがとうございます。危ない危ない、SPライセンス失くすところだった……」

ホージー「センちゃん、しっかりしてくれよ。ライセンスを失くすようなおっちょこちょいはウメコだけで充分だ」

セン「それじゃ、どうもありがとうございました」

??「いえ……」

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