龍「……何者だ」 ?「なにここクッサ」 (11)
龍「失礼なやつだ」
?「うわ、本当に龍だ!」
龍「何をしに来た小僧。宝玉か。もしくは血か。そんなものはないしやれんぞ」
?「え?やだなーそんなんじゃないっすよ」
龍「ならばオレの命か、それこそやれんな」
?「だからそんなんじゃないっすよ」
龍「ならば貴様は何者だ」
?「はい!記者っす!」
龍「記者?」
記者「はい!あ、ここ座っていっすかね」
龍「おい、勝手に入ってくるな」
記者「いやー疲れました。なんでこんな遠いとこ住んでるんスか」
龍「オレの勝手だ。とっとと出て行け」
記者「ちょ、ちょっとまってくださいよ、はるばる山3つ超えてきたんですから」
龍「知らん」
記者「つれないなー。でも意外とおしゃべりなんですね。安心しました。」
龍「……その記者がここに何用だ」
記者「はい、私この度学校の新聞部に入りまして」
龍「なに?」
記者「そこで学校新聞の編集長に大抜擢されまして!」
龍「……」
記者「あ、わかりますよ!なんで入ったばっかりのやつが編集長に?って言いたいんすよね
それには複雑な理由がありましてねー。まぁ、もしインタビューに答えいただけたら教えてあげても」
龍「阿呆か……」
記者「あ!失礼な。……まぁいいです。で、ですね。新聞を発行しようにも出てくるネタが単調なんですよね
やれ何部が入賞しただの、やれ校長がどうしたのだの。」
記者「もうそんなの面白くないじゃないですか。つまんないのは悪ですよ。」
記者「そこで一念発起して、いま巷で話題の龍さんに取材をさせていただきにまいりました!」
龍「……」
記者「龍さんに直接インタビューなんて誰も成し遂げたことがないですからね。これは盛り上がりますよ!」
龍「去るがいい。人間といえど子供は殺さん」
記者「んもぅ……あ、そうだ!お腹へってません?」
龍「……?」
記者「私いいもの持ってきたんですよ!」ゴソゴソ
記者「コレです!」
龍「!……そ、それは、アオハゲデバネズミの丸焼き……」
記者「いいでしょー龍さんの好物と文献に書いてあったので作ってきました!」
龍「……」ゴクリ
記者「あ、温め直します?」
記者「火借りますね」
龍「……」
記者「あ、薪ないっすね。拾ってきます。」
龍「……け」
記者「はい?」
龍「そこへ置け」
記者「は、はい」
龍「どいてろ」ゴワァァァァ
記者「おお!火が吐けるんですね!さすがだなぁ!」
龍「……」モグモグ
龍「……3つだけだぞ」
記者「はい?」
龍「3つだけ質問に答えてやる」
記者「おお!」
龍「終わったら帰れよ」
記者「はい!じゃ、まずお名前伺っていいっすかね?」
龍「ない」
記者「え?」
龍「そんなものはない」
記者「えー!なんすかそれ、不便じゃないですか」
龍「名前なぞいらぬ」
記者「そんなぁ。じゃお仲間さんからなんて呼ばれているんですか?」
龍「……ノーコメント」
記者「ずるい!」
龍「種族は緑金剛族だ。それでいいだろう」
記者「もー。じゃ次の質問」
龍「それで最後だぞ」
記者「え!?まだ2つ目ですよ」
龍「仲間からの呼び名を聞いただろう。アレが2つ目だ」
記者「ええええええ。龍さん細かいっすよ。禿げますよ。」
龍「黙れ。もう終わりにしてもいいんだぞ!」
記者「ぐぬぬ……じゃぁ最後の質問です」
龍「おう」
記者「龍を殺すには、どうしたらいいんですかね?」
龍「……なに?」
記者「だからー龍の殺し方を聞いてるんす」
龍「貴様……いくら小僧でも許さんぞ」
記者「なんすか?またノーコメントですか?あと私は小僧じゃなくてれっきとした女っす」
龍「なに?そうなのか。それは失礼した……じゃなくて」
記者「ほらほら。龍の殺し方教えて下さいよ。」
龍「貴様、自分が何をだれに聞いているかわかっていのか」
記者「わかってますよー。龍に龍の殺し方を聞いてます。」
龍「オレがそれに答えるとでも思っているのか」
記者「思っていますよ」
龍「戯言を」
記者「龍は知性と誇りが高く、うけた恩を忘れない礼儀正しい種族。そう聞いてます。」
龍「だからなんだという」
記者「食べましたよね」
龍「うっ」
記者「食べたから3つまでいいんですよね?質問」
龍「……」
記者「それともノーコメントってことにしときますか」
自分で質問していいと言っておいてほぼ答えずに逃げるんですか」
龍「貴様、無茶苦茶言ってるぞ」
記者「いや、いいんですよそれでも。その通りに記事にしますから」
龍「……はぁ。今日は厄日というものか」
記者「お?」
龍「答えてやろう。」
記者「はいはい!」
龍「龍は心臓が止まれば死ぬ」
記者「はああああああああああ?」
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