ハマーン「シャアと同棲中だ」 (68)

ハマーン「シャアと同棲中だ」

ジリリリーン(目覚まし時計の音)

ハマーン「朝か…朝食の準備をしないとな」

シャア「すやすや…むにゃむにゃ…」

ハマーン「気持ちよさそうに寝ているな、朝食が出来るまで寝させてやるか」

シャア「ハ…ハマーン…」

ハマーン「うわ言で私の名を!?」

シャア「ハマーン…20歳にしては老けて…」

ドゴーーーン

シャア「ぐえっ」

ハマーン「俗物!とっとと起きろ!!」
 
シャア「うっ、あ、朝か…」

ハマーン「起きたかシャア」

ハマーン「朝食が出来るまでに顔でも洗って来たらどうだ」

シャア「ああ」

シャア(ハマーンに強引に同棲を決められてしまったが、コレなんの罰ゲーム?)

シャア(それに私達は別に恋人同士ではないだろうに…)

※二人は別々の布団で寝ています


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長編SS初投稿です
内容におかしい点も出てくるかもしれませんが
出来れば大目に見てください

ハマーン「………」

シャア「おいハマーン」

ハマーン「なんだ?」

シャア「同棲が始まってから、何故食事の際に私の顔ばかり見るのだ?」

ハマーン(ど、どうすればいいのだ!『私の作った料理が貴様の口に合うどうか不安だったのだ』なんて言えぬ)

ハマーン「き、貴様のナイフとフォークの使い方が正しいかどうか見てやっているのだ」

シャア「今朝の朝食も箸で食べているのだが」

ハマーン「そ、それは」

シャア「同棲が始まってから、ナイフとフォークを使って食事をした事はないではないか」

ハマーン「うっ」

シャア「そもそも和食主体で箸を使って食事をすると言ったのはハマーンだろう」

ハマーン(この前TVドラマで新婚さんが箸を使って食事をしていたシーンを見て『よし私も』と思ったなんて言えぬ)

ハマーン「わ、私なりの冗談だ気にするな」

シャア「それで、何故私の顔ばかり見ていたのだ?」

ハマーン「そ、その内に答えてやる」

シャア「おい、ハマーン」

ハマーン「………」

シャア(何も言わなくなった、まあいいか)

シャア「ちょっと出かけてくるぞ」

ハマーン「どこへ行くというのだシャア」

シャア「アムロの所だが」

ハマーン「アムロ・レイの所だと!な、何故だ!」

シャア「退屈だからだ」

ハマーン「私と一緒では退屈なのか!」

シャア「そうは言っていない」

ハマーン(この同棲が何時まで続くかは分からないのだぞ)

ハマーン「それは私が許可しない!」

シャア「アムロが駄目なら、レコアの所にでも」

ハマーン「もっと駄目だ!(他の女の所などと)」

シャア「じゃあ誰の所ならいいのだ?」

ハマーン「私の所に決まっているだろ!」

シャア「………」

ハマーン(しまった、つい本音を口にしてしまった)

シャア「ソレなんの罰ゲーム?」

ハマーン「俗物ーーーーーー!!」

シャア「う、う〜ん」

シャア「私はどうしたのだ?」

ハマーン「き、急に倒れたのだ…す、少し驚いたぞ」

シャア「そうか」

シャア「別に身体に異常はないし(少し頭痛はするがな)アムロの所に行って来る」

ハマーン(そう言えばアムロ・レイとは酒を飲みながらポーカーをしていると聞いた事があるな)

ハマーン「待てシャア、退屈なら私とポーカーでもしないか」

シャア「ポーカー?」

シャア(ハマーンとポーカーか…どうするべきか)

ハマーン「負けた方が勝った方の命令を一つ聞くというルールだが」

シャア「よしやろう!」

ハマーン「よく言ったシャア」

シャア(勝ったらハマーンに何を命令しようか)

ハマーン「フッ」

シャア(なんだ、このハマーンの不敵とも言える笑みは…何を考えているハマーン!)

ハマーン(勝ったらシャアと、勝ったらシャアと、勝ったらシャアと、勝ったらシャアと、勝ったらシャアと!!)

ハマーン「互いにチップを100枚づつで、勝負は1時間としようじゃないか」

シャア「1時間後、チップが多い方が勝ちだな」

ハマーン「それと1時間経たずとも、チップが無くなった時点で負けが確定するぞ」

シャア「ルールは分かったがカードは誰が配るのだ?」

ハマーン「貴様がポーカー勝負を受けた直後、私は電話をしたろ」

シャア「その電話の相手がカードを配るという訳か」

ハマーン「そうだ、そろそろ来る頃だが」

プル「プル、プル、プルーーーッ!ハマーン様お待たせ!」

シャア「プルか」

ハマーン「プルでは不服かシャア?」

シャア「いや、さあ勝負を始めようか」

シャア  100枚
ハマーン 100枚
 
プル「じゃあ第1戦、カードを配りま〜す」

二人は配られたカードを見た

シャア「3枚チェンジだ」

ハマーン「3枚チェンジだ」

プル「は〜い」

二人はチェンジしたカードを見た

ハマーン「10枚賭けよう」

シャア「10枚か受けよう」

ハマーン「9のスリーカードだ」

シャア「くっ、私は4と7のツーペア…」

ハマーン「私の勝ちだな」

シャア「まだ始まったばかりだガンバレ、シャア」

ハマーン「自分で言うな!」

シャア   90枚
ハマーン 110枚

シャア   90枚
ハマーン 110枚

プル「じゃあ第2戦、カードを配りま〜す」

二人は配られたカードを見た

シャア「3枚チェンジだ」

ハマーン「私はこのままでいい」

シャア「何だと!」

プル「おじさん、カード配ったよ」

シャア「ああ」

シャアはチェンジしたカードを見た

シャア(こちらは5と10のツーペア…)

シャア(ハマーンめ、いいカードが揃ったのか…それともハッタリか)

ハマーン「40枚だ」

シャア「40枚だと!」

シャア(カードチェンジ無しで40枚のチップを賭けるとは…)

シャア(まだ始まったばかりだ、ここは降りておこう)

プル「おじさん、どうするの?」

シャア(プル!)

シャア(もし私がここで降りたら、この少女は私をどう思うだろうか)

シャア(挑まれた勝負から逃げる情けない男だと思うだろう)

シャア(勝負を挑まれて逃げた男と勝負を受けて敗れた男…どちらかを選ぶとするなら)

シャア「よし40枚受けようじゃないか」

ハマーン「ほう」

シャア「私は5と10のツーペアだ」

ハマーン「フッ、フフフフフッ…ハハハハハハ」

シャア「ハマーン?」

ハマーン「この状況でまさか勝負を受けるとは思わなかったぞシャア」

ハマーン「それが命取りになったな」

シャア「………」

ハマーン「私の命取りになったよ…私はブタだ」

シャア「ブタだと!」

ハマーン「貴様なら100%降りると思っていたのだがな」

シャア(最初は降りるつもりだったさ)

ハマーン「私は貴様をまだ完全には理解していなかったと言う事か」

ハマーン(早く貴様を完全に理解したいものだ)

シャア  130枚
ハマーン  70枚

シャア  130枚
ハマーン  70枚

プル「じゃあ第3戦、カードを配りま〜す」

二人は配られたカードを見た

ハマーン「プル、2枚チェンジだ」

シャア「私はこのままだ」

ハマーン「そうか」

ハマーンはチェンジしたカードを見た

ハマーン(勝ったな)

シャア「70枚だ」

ハマーン「私の残りのチップ全部か…」

シャア「どうする、先程のお前の様にハッタリかもしれないぞ」

ハマーン(シャア、貴様がハッタリだという事は分かっているのだよ)

プル(ハマーン様、あなたの言いつけどおり配りました
   このおじさんにはブタのカードを配りました
   私の腕は絶対です、貴方の勝ちです、間違いありません)

ハマーン(私とプルはグルなのだよシャア、まさか早くも第3戦でイカサマをせざる得なくなるとは思わなかったぞ)

ハマーン(プルを使ったイカサマの用意はしたが、使わずとも勝てると考えていたのは甘い考えだったよシャア)

ハマーン「70枚受けようじゃないかシャア」

シャア「………」

ハマーン「どうした?受けると言っているのだ」

シャア「ほ、本当にいいのか!お、降りるなら今の内だぞ!」

ハマーン「しつこいぞシャア」

シャア「よ、よし勝負だ!」

ハマーン「私はクィーンのスリーカードだ」

シャア「私はハート10、クローバーJ、ダイヤQ、ハートK、スペードAのストレートだ」

ハマーン「何だと!!」

シャア「どうやら私の勝ちのようだなハマーン」

シャア「受けるとは思っていなかったので、受けると聞いた時は驚いてうまく喋れなかったが」

シャア「だから降りるなら今の内だぞと言ったのだ」

プル「あの〜〜ハマーン様の勝ちじゃないんですか?、おじさんのはブタじゃないんですか?」

シャア「私のがブタだと?」

ハマーン「プル、外に出ろ…話がある…」

プル「?」

ハマーン「プル、ポーカーの役を全部言ってみろ」

プル「えっと…ブタ、ワンペア、ツーペア、スリーカード、フルハウス、フォアカードくらいしか…」

ハマーン「ストレートを知らないだと!」

プル「ストレート?」

ハマーン「では何故10、J、Q、K、Aの連番で配ったのだ!」

プル「えっ、10、J、Q、K、Aって連番なんですか?」

ハマーン「トランプの数の大きさくらい分かるだろ」

プル「分かりません、グレミーからはトランプで指定されたカードを配る訓練しか受けてませんし」

ハマーン(グレミーもプルがポーカーの役(全部)やトランプの数の大きさくらい分かっていると判断していたのだろう)

ハマーン「ご苦労だった…もう帰っていいぞ…」

プル「ジュドーの所に遊びに行こうっと」

ハマーン「相手はブタなのだから、スリーカード程度で十分だと思ったのが間違いだったか
     フォアカードを配らせるべきだったよ…」

ハマーン「いや…イカサマなど私らしくない事をした結果なのかもしれんな」

ハマーン「私の負けだよシャア」

シャア 200枚
ハマーン  0枚

シャア勝利

何故か数字がずれています、書き込む時は何も問題なかったのですが

ハマーン様可愛い。期待


シャアはイカサマに気付いていたのだろうか

>>15
シャアはイカサマには気付いていません

アムロ「俺はJのフォアカードだ」

シャア「私はダイヤのフラッシュ…」

アムロ「また俺の勝ちだな」

アムロ「で、ハマーンに何を命令したんだ」

シャア「それは『私の外出に口出しするな』だ」

アムロ「お前なら、とんでもない命令を言い出すと思ったんだが」

シャア「そんな事をしたら後が怖いからな」

アムロ「ハマーンとの同棲が始まって今日で3日目だったな」

シャア「ああ」

アムロ「正直どうなんだ、ハマーンとは?」

シャア「俗物と言われる回数が増えた」

アムロ「一緒にいる時間が増えたから当然か」

シャア「それに、分からん事が一つある」

シャア「その俗物と何故一緒に暮らすのだ?」

アムロ(コイツ、気付いてないのか)

シャア「まさか私に何時でも俗物と言える様に同棲を」

アムロ(俺が言ってもいいが、ハマーンに『言うなよ』と言われてるしなあ)

アムロ「お前はハマーンの事をどう思っているんだ?」

シャア「24時間営業年中無休プレッシャー女」

アムロ「………」

アムロ「ハマーンの事が嫌いなのか?」

シャア「アイツとも腐れ縁だ、嫌いではないが」

アムロ「この同棲が何時まで続くかは分からないが、その間に出来るだけハマーンと会話をしたり何かをするんだ
    買い物でも何でもいい、家事を手伝ってやるのもいいだろう
    その中でハマーンがどんな顔をしているのかを見ていけば、何かが分かる筈だ」

シャア「ハマーンの顔?」

シャア「それと家事は手伝おうとしたがハマーンに断られたぞ」

アムロ「そうか、とにかくハマーンと一緒にいる時間を大切にしろ」

シャア「そうだな」

アムロ「そろそろ昼だ、ハマーンが昼食の準備をしていると思うが」

シャア「そんな時間か」

アムロ「ハマーンがせっかく作ってくれたんだ、美味けりゃ美味いと言ってやれ」

シャア「ああ」

アムロ「しっかりな」
   

ナナイ「それで大佐はアムロ・レイの所か」

ナナイ「女の気持ちが全く分かっていないな」

ハマーン「分かっていたら、こんなに苦労はしない」

ナナイ「強引にでも同棲に持っていけば、大佐も少しはお分かりになると思ったのだがな」

ハマーン「うまくいかないな」

ナナイ「だが、まだ3日目だ」

ナナイ「ハマーン、私でよければ何時でも愚痴の相手になるぞ」

ハマーン「今、なってもらっている所だ」

ナナイ「今は1分1秒でも大佐と一緒にいる時間を大切に使う事だ」

ハマーン「そうだな」

ハマーン「それで聞きたい事がある」

ナナイ「大佐と一緒にいる時間をどう使うかか?」

ハマーン「一緒に食事をしたり、ゲームをしたりする以外でだ」

ナナイ「部屋の中でなら一緒に家事をしてみるというのはどうだ」

ナナイ「そういうのも協力し合う夫婦みたいでいいと思うがな」

ハマーン「いや、家事は私だけでやりたい」

ナナイ「大佐の為に何かしてあげたいという気持ちが家事という訳か」

ハマーン「言うな」

ナナイ「では、何か思い付いたら教えよう」

ハマーン「頼む」

ナナイ「大佐も、そろそろ戻られるだろう、私はこれで失礼させてもらうよ」

ハマーン「一緒に昼食でもどうだ?」

ナナイ「お前と大佐の二人だけの時間を1分1秒でも邪魔する訳にはいかないさ」

ハマーン「ナナイ…」

ナナイ「最後に言わせて貰うが大佐はああいう方だから、こちらから伝えなければ進展はないだろう」

ハマーン「やはりそう思うか」

ナナイ「健闘を祈る」

ハマーン「祈ってくれ」

シャア「帰ったぞ」

ハマーン「ああ」

ハマーン「昼食は出来ている、座れ」

ハマーン「………」

シャア(まただ、昼食が始まってから私の顔ばかり見ている)

『美味けりゃ美味いと言ってやれ』

シャア(まさか…)

シャア「ハマーン」

ハマーン「何だ?」

シャア「同棲が始まって3日目だが、この3日間に言えなかった事を言わせて貰おう」

シャア「お前の作った料理はとても美味いぞ」

ハマーン「………」

シャア「………」

ハマーン「そうか」

ハマーン(シャアが私の料理を褒めてくれた…褒めてくれた)

シャア「どうしたんだ?目を擦って」

ハマーン「目にゴミが入っただけだ、気にするな」

シャア(なるほどな、自分の作った料理が私の口に合うか気にしていたのか)

シャア(そんな事にも気付かないとは、私もまだまだだ)


ハマーン「シャア、昨日借りてきたBDを見るぞ」

シャア「何を借りてきたんだ?」

ハマーン「逆襲のシャアだ」

シャア「………」

ハマーン「お前と二人で見たいから、今まで見ていなかったのだ」

ハマーン(これくらいは素直に言ってもいいだろう)

ハマーン「逆襲のシャアというからには主役なのだろシャア
     アクシズに重要な役割があるそうだがネオジオンの本拠地として
     使ってくれるのだろシャア
     サザビーでアムロ・レイのνガンダムを圧倒するのだろシャア」

シャア(まずい)

逆襲のシャア本編終了

ハマーン「………」

シャア「………」

ハマーン「主役じゃなかったのはいい」

ハマーン「アクシズもお前の目的の為になら、ああいう使い方でも構わない」

ハマーン「クェスとかいう小娘に関しては貴様に同情する」

ハマーン「ギュネイとかいう若造が言った『ロリコン』というのも私は信じてはいない」

ハマーン「今だにララァ・スンを引きずっているのも、そういうヤツだと知っていたから気にはしない」

ハマーン「ナナイと付き合っているという設定も、私が死んだ後という設定なのだからまあいい」

ハマーン「アムロ・レイに敗れたのも『主人公補正と大人の事情』には勝てなかったのだろう」

ハマーン「だがな…」

シャア(やはり、あの事だな)

ハマーン「貴様は女に母を求めていたのか?」

シャア「言い訳はせん、その通りだ」

シャア(これでこの同棲も…いや、ハマーンとも終わりだな)

ハマーン「フッ、仕方のないヤツだな」

シャア「ハマーン?」

ハマーン「貴様の全てを受け入れてやろう、女に母を求めていた事も含めてな」

シャア「私の全てを受け入れるだと?」

『大佐はああいう方だから、こちらから伝えなければ進展はないだろう』

ハマーン「私は貴様に惚れてしまったのだ、惚れたからには全てを受け入れよう」

シャア「この私の全てを受け入れてくれるのか、この私の…」

ハマーン「だがなシャア、貴様にも私の全てを受け入れて貰うぞ」

シャア(お互いの長所と欠点の全てを受け入れ合う…それが出来た男女は幸せになれるだろう)

シャア(私が幸せになれるというのか)

シャア「ハマーン、私達はお互いの全てを受け入れ合おう」

ハマーン「それは、どういった関係になるのだ?」

シャア「愛し合う関係だ」

ハマーン「………」

ハマーン(これは夢ではないのだな…)

シャア「どうした?また目を擦って」

ハマーン「また目にゴミが入ったのだ、気にするな」

ハマーン「シャア、今は私に母を求めてもいい」

ハマーン「だが、いずれは私に妻を求めさせてやるぞ」

シャア「分かった」

ハマーン「夕食の買出しに行くか」

シャア「ああ」

ハマーン「何が食べたい?」

シャア「店で材料を見ながら決めようじゃないか」

ハマーン「そうだな」

ハマーン「シャア、お母さんについて来るがいい」

シャアの手を握り1歩前に出るハマーン
だがシャアも1歩前に出て横に並んだ

ハマーン「シャア?」

シャア「横に並んで歩いて行こう、私達は恋人同士なのだから」

ハマーン(言うのは平気なんだが、言われるのは凄く恥ずかしい…)

シャア「顔が赤いぞ」

ハマーン「あ、赤い彗星と手を握っているのだ、だから赤色が移ったのだ」

シャア(私にさわったら、赤色が移るのか?)

シャア「意味がよく分からないが、歩くのをやめて赤い彗星らしく通常の3倍のスピードで行こうか」

ハマーン「か、勝手にしろ」

手を強く握り合って駆けていく二人
二人の顔は幸せそうな笑顔だった

シャア「牛肉と野菜の夕方セールか」

ハマーン「なら夕食のメニューは決まりだな」

ハマーン「肉じゃが」

シャア「カレー」

シャア「………」

ハマーン「分かった、今回はカレーにしよう」

シャア「ハマーンが肉じゃがを食べたいのなら、肉じゃがでも構わないぞ」

ハマーン「どうせ料理するなら、シャアの食べたい物の方が作りがいがあるさ」

シャア「料理する時は私も手伝わせて貰おう」

ハマーン「出来れば私だけで料理したいのだが…」

シャア「ハマーン?」

ハマーン「今だから言うが、シャアに何かしてあげたいという気持ちが家事なのだ」

ハマーン「だから私だけで…」

シャア「ハマーン、今日は私達の記念すべき日なのだ、だから2人で料理した物を食べたいのだが」

ハマーン「記念すべき日…」

シャア「また顔が赤いぞ」

ハマーン「だ、だから赤い彗星と一緒にいるから、赤色が移ったのだと言っているではないか」

シャア「やはり意味が分からないな」

ハマーン「き、今日だけだぞ」

シャア「ああ」

アムロ「あれはシャアとハマーン」

アムロ「あの二人も買出しか」

アムロ「二人の雰囲気が前と全然違うな、まさか」

?「だあ〜れだ」

アムロ「マウアー・ファラオ(TV版)」

ナナイ「違います(怒)ナナイ・ミゲルです」

アムロ「冗談だって、君も買出しかい」

ナナイ「はい」

アムロ「あの二人はやはり」

ナナイ「あの二人の表情からして間違いないでしょう」

アムロ「シャアもハマーンもよかったな」

ナナイ「そうですね」

アムロ「二人を邪魔しては悪いな、声を掛けるのはよそう」

ナナイ「二人だけにしてあげましょう」

アムロ「どうだナナイ、俺の部屋でシャアとハマーンを祝って乾杯しないか」

ナナイ「実はそのつもりで声を掛けました」

アムロ「なあナナイ…君もシャアの事が…」

ナナイ「いいんですよ、大佐のお相手は私の親友なんですから」

アムロ「祝福を祝う前に自棄酒にならないか心配だな」

ナナイ「なりそうです」

シャア「辛さも丁度いいな、ハマーンはどうだ」

ハマーン「二人で味見をしたのだ、問題ない」

シャア「私の為に辛さを我慢しているのではないだろうな」

ハマーン「していない」

シャア(私より水を飲む量が多い…やはり辛さを我慢しているな)

シャア(お前という女は…)

シャア「おいハマーン」

ハマーン「何だ?」

シャア「カレーを食べ終わったら、これを食べろ」

ハマーン「これはシャアの分のシュークリームだろう、私の分はちゃんと買ってあるぞ」

シャア「いいんだ口直しに食べてくれ」

ハマーン(辛さを我慢しているのがバレていたか)

ハマーン「シャア…礼を言う」

シャア「こちらこそ礼を言う」

シャア「風呂にも入ったし寝るか」

ハマーン「そうだな」

シャア「………」

ハマーン「………」

シャア「なあハマーン、同棲が始まってまだ3日目なんだな」

ハマーン「………」

シャア「まさか3日目で、二人の関係が変わるとは思ってもいなかったよ」

ハマーン「………」

シャア「これも、ハマーンが私の全てを受け入れてくれたからだ」

ハマーン「………」

シャア「本当に礼を言う、有難う」

ハマーン(ほ、本当は今すぐ隣のシャアの布団の中に入っていきたいが…)

ハマーン(は、恥ずかしくて…入っていけん…)

ハマーン「な、なあシャア…明日もよろしくな」

シャア「ああよろしく」

シャア&ハマーン(早く明日になれ)

シャア「おやすみハマーン」

ハマーン「おやすみシャア」

ジリリリーン(目覚まし時計の音)

ハマーン「目覚ましの音か…4日目の朝になった証拠か」

シャア「むにゃむにゃ…」

ハマーン「目覚ましの音で起きんとは…だがそのおかげで目覚まし時計ではなく私がシャアを起せる」

シャア「ハ…ハマーン…」

ハマーン「またうわ言か…もう老けてると言われても許すよ」

シャア「ハマーン…愛しているぞ…」

ハマーン「………」

ハマーン「さ、さあ朝食の準備をしなくては」

ハマーン「私も愛しているぞシャア」

シャア「………」

ハマーン「………」

シャア(ハマーンの事が気になって仕方がない)

ハマーン(シャアの事が気になって仕方がない)

ハマーン「シャア、箸が動いていないが」

シャア「少し考え事をしていてな、そういうハマーンも箸が動いていないぞ」

ハマーン「私も考え事をしていたのだ」

ハマーン「シャアは何を考えていたのだ、私の事なら嬉しいが」

シャア「私もハマーンの考えている事が私の事なら嬉しいぞ」

シャア(昨日から恋人同士になったとはいえ)

ハマーン(私達は何と恥ずかしい事を言ったのだ)

シャア「ハマーン、顔が赤いぞ」

ハマーン「シ、シャアが恥ずかしい事を言ったからだ」

シャア「赤い彗星がどうとかではないのか?」

ハマーン「あ、あれは照れ隠しで言ったのだ、それくらい察してくれ」

シャア(ますます赤くなったぞ)

シャア「ではこうしよう、二人同時に考えたいた事を言うのだ」

ハマーン「ふ、二人同時か…いいだろう」

シャア「では…」

ハマーン「ああ」

シャア「ハマーンの事だ」

ハマーン「シ、シャアの事だ」

シャア「………」

ハマーン「………」

ハマーン「わ、私の事なのだな」

シャア「ハマーンこそ」

ハマーン「そ、そうだ、シャアの事を考えていたのだ」

シャア「フッ、嬉しさで食が進みそうだ」

ハマーン「おかわりもあるからなシャア」

ハマーン「今日はどこかに出かけないのかシャア?」

シャア「ハマーンが出かけると言うならば、私も出かけよう」

シャア「ハマーンが部屋に居ると言うなら私も部屋に居よう」

ハマーン「私の事は気にしなくてよいのだぞ、シャアの自由にしてくれたらいい」

シャア「昨日とは違うな」

ハマーン「昨日とは私達の関係も違うだろ、シャアの自由にさせてやりたいさ」

ハマーン「ただ、他の女の所だったら悲しいがな…」

シャア「昨日とは違う事がまだあるから教えてやろう」

シャア「今日から私が行く女の所はハマーンの所だけとなったのだ」

シャア「私もハマーンの側に居たいさ」

ハマーン「シャアがこんなに一途だったとは知らなかったぞ」

シャア「私の全てを受け入れてくれる女がいたんだ一途にもなるさ」

シャア「今日はどうしようか、買い物は昨日済んだしな」

ハマーン「一つ、したい事がある」

シャア「何だ、それは」

ハマーン「恋人同士になった記念に私達二人の写真を撮りたい」

シャア「記念写真か、気付かなかった…すまない」

ハマーン「問題は何処で誰に撮って貰うかだが」

シャア「以前に行った公園で撮ろうじゃないか、ハマーンもあの公園は気に入っていただろ」

ハマーン「あの公園ならいいな、それで誰に撮って貰う?」

シャア「それなら、アムロに頼もう」

ハマーン「アムロ・レイに?」

シャア「ジャーナリストのカイにカメラの撮影技術を教えて貰ったそうだ」

シャア「前に見せた写真があっただろ、あれはアムロが撮った写真だ」

ハマーン「あの写真はアムロ・レイが撮ったのか、なら頼んでも安心だな」

シャア「それに私達の事をアムロに伝えなくてはならないしな」

ハマーン「ナナイにもな」

シャア「公園で待ち合わせして四人で会うか」

ハマーン「そうだな、では二人に連絡しよう」

シャア「この公園に来るのも久しぶりだな」

ハマーン「ああ」

アムロ「シャア、ハマーンこっちだ!」

ナナイ「大佐、ハマーン」

シャア「連絡をした私達の方が遅かったか」

ハマーン「二人共、遅れてすまない」

アムロ「いや、いいんだシャア」

ナナイ「気にするなハマーン」

アムロ「昨日、買出し途中で二人を見かけて、表情や雰囲気で恋人同士になったと分かったぞ」

ナナイ「私も見かけて、そう思ったぞ」

シャア「見られていたのか」

ハマーン(必要以上にイチャつかなくてよかった)

アムロ「二人共おめでとう」

ナナイ「よかったなハマーン」

ハマーン「アムロ・レイ…ナナイ…」

ナナイ「それと大佐、ハマーンをよろしくお願いします」

シャア「分かっている」

アムロ「それじゃあ、二人の記念写真を撮ろうか」

シャア「すまないなアムロ」

ハマーン「アムロ・レ…いやアムロ、今日はよろしく頼む」

アムロ「ああ、任せてくれ」

シャア「あの木の下で撮ろう」

ハマーン「ああ」

アムロ「二人共、いいか?」

ハマーン「なあシャア、私におかしい所はないか?」

シャア「大丈夫だ、ハマーン」

アムロ「じゃあ、撮るぞ」

カシャ

カメラ越しでみた二人は今までに見た事もない
幸せそうな笑顔だった

シャア「もう昼だな」

ハマーン「四人で食事をしたかったが…」

シャア「用事があると言って、二人共帰ってしまったからな」

ハマーン「そこまで気を使ってくれなくても、よかったのだが」

シャア「しかもナナイには別れ際に映画のペアチケットを貰ったしな」

ハマーン「昼食の後にでも行こうじゃないか」

シャア「そうだな、それで昼は何処で食べる?」

ハマーン「ここから歩いて10分くらいの所にカフェがある」

シャア「それは知らなかったな」

ハマーン「昼食はそこにしよう」

シャア「思っていた以上に、いい雰囲気のカフェじゃないか」

ハマーン「そうだろ」

シャア「だが…」

ハマーン「どうした?」

シャア「カップル客が多くないか」

ハマーン「すまない、誤算だった…」

ハマーン「この前に来た時は、そうでもなかったんだが」

シャア「まあ、いいか」

ハマーン「シャア?」

シャア「私達もカップルなのだから」

ハマーン「カップルという言葉は使い慣れないがな」

ハマーン「そう言えば、私達が恋人同士になってから、外で食べるのは初めてだな」

シャア(カップルという言葉は使わないつもりだな)

シャア「昨日、恋人同士になったばかりだからな」

ハマーン「周りの客は私達の先輩という訳か」

シャア「いや、恋人同士になって、まだ1時間後という客もいるかもしれん」

ハマーン「私は周りが恋人同士の様な客ばかりの中で食事をした事が何回かある」

ハマーン「表面上では何とも思っていない様に振る舞っていたが、心の中では…」

シャア「羨ましかったか?」

ハマーン「いや、シャアと恋人同士になって、外で食事をしてみたいと願っていただけさ」

ハマーン「他の男では意味が無い、それ以前に他の男など相手にしないがな」

シャア「光栄だ、ハマーン」

ハマーン「私の願いを叶えてくれて、礼を言うシャア」

シャア「どうやら次の上映まで20分と言った所か」

ハマーン「………」

シャア「どうした?ハマーン」

ハマーン「この映画…ホラー映画なのか」

シャア「いやなら止めようか?」

ハマーン「いや、せっかくナナイから貰ったのだ、無駄にする訳にはいかないだろう」

シャア「じゃあ入ろう」

ハマーン(この世にオバケなんて存在しない、この世にオバケなんて存在しない
     この世にオバケなんて存在しない、この世にオバケなんて存在しない
     この世にオバケなんて存在しない、この世にオバケなんて存在しない
     この世にオバケなんて存在しない、この世にオバケなんて存在しない)

シャア「震えているぞ、ハマーン」

ハマーン「こ、これは武者震いだ」

上映中

ハマーン(何故行くなと言われた場所に行くんだ)

ハマーン(一人で行くなよ、仲間と行けよ)

ハマーン(とっとと逃げろよ)

ハマーン(この旅行が終わったら結婚するだと、死亡フラグを立てるな)

ハマーン(ギャー、また死んだ)

ハマーン(だ、駄目だ…もう耐えられん)

ハマーン(怖い、恐ろしい)

シャア(ハマーン)

ハマーン(シ、シャアが私の手を握ってきただと!)

シャア「映画が終わるまで、手を握っておいてやる」

ハマーン「シャア…」

シャア「何だ?」

ハマーン「映画が終わっても、しばらくは私の手を握っていてくれ」

シャア「分かった、握っておこう」

シャア(ナナイは、こういう展開にする為にホラー映画のペアチケットを渡したのだろうな)

ハマーン「さっきはすまなかったな」

シャア「気にするな」

ハマーン「これからどうするのだ?」

シャア「映画館に来る前に見かけて、行きたくなった場所がある」

ハマーン「行きたくなった場所?」

シャア「プラネタリウムだ」

ハマーン「プラネタリウム?」

シャア「今までプラネタリウムには入った事がないのでな」

ハマーン「そう言えば、私も入った事がなかったな」

シャア「作り物の星空がこれ程とはな」

ハマーン「ああ、予想以上だ」

シャア「この星空には本物にはない、この星空だけのいい所がある」

ハマーン「いい所?」

シャア「この星空、宇宙の中では争い無い…」

ハマーン「シャア…」

シャア「争いの元凶だった事もある私には、この星空を見る資格は無いかもしれんな…」

ハマーン「そんな悲しそうな顔をするな…」

シャア(ハマーン…私の手を握ってくるとは…)

ハマーン「争いの元凶だった事があるのはシャアだけではない、私もだ」

ハマーン「このまま、ここから去るか?」

シャア「いや…今だけは、この争いの無い星空を見させて貰おう」

ハマーン「見たい時は何時でも付き合うぞシャア」

ハマーン「………」

シャア(夕食が始まってから、何も言わないな)

シャア「ハマーン」

ハマーン「どうした?」

シャア「今日の夕食も美味いぞ」

ハマーン「ああ」

シャア(どうしたと言うのだ、ハマーン)

シャア「ハマーン、どこか具合でも悪いのか?」

ハマーン「全く問題ないぞ」

シャア「では、何か悩みでも?」

ハマーン「………」

シャア「やはり悩みが」

ハマーン「いや…迷っているだけだ」

シャア「何かあるなら言ってくれないか」

ハマーン「食事と風呂が済んだら、言うよ」
     
シャア(何を言いたいのだハマーン)

シャア「それで話とは何だ?ハマーン」

ハマーン「昨日まで私達は別々の布団で寝ていたよな」

シャア「ああ」

ハマーン「あ、あのな…シャア」

シャア「どうした?」

ハマーン「今晩から…同じ布団で寝ないか?」

シャア「同じ布団でだと」

ハマーン「本当は昨晩も同じ布団で寝たかったのだ」

シャア「ハマーン」

ハマーン「女の方から言うのは、はしたないとは思うが…」

シャア「いや…男の私から言うべきだったのだ」

ハマーン「それでは…」

シャア「ああ」

ハマーン「シャア、私が眠るまで手を握ってくれるか?」

シャア「私が先に眠るかもしれないぞ」

ハマーン「眠らせないさ」

ハマーン「昨日以上に今日はシャアの事が気になって仕方がなかった」

シャア「私もハマーンの事が気になって仕方がなかった」

ハマーン「明日はもっと気になってしまうかもしれん、明後日も、これからも」

シャア「私もだ」

ハマーン「今日は一緒に記念写真を撮って貰ったり、一緒に外で食事をしたり、一緒に映画やプラネタリウムを見たりした」

ハマーン「楽しかった」

シャア「明日はもっと楽しくなるさ」

ハマーン「シャア、これからずっと一緒にいような」

シャア「ああ、一緒にいよう」

二人は手を握りながら同じ布団で眠った
二人は眠っても、その手を離さなかった


ハマーン「シャアと同棲中だ」  完

これで、終わりです
長編SSと言いながら短かったとは思います
短い間でしたが、どうも有難うございます

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