ルルーシュ「あのコーネリアも参戦しているのか!?この戦場に!!」 (145)

ショッピングモール

ミレイ「よっし。買い物終了。リヴァルー。予算は足りた?」

リヴァル「ばっちりですよ。会長。無駄の無い買い物。惚れ惚れしちゃいますね」

ミレイ「そう?ありがとう」

シャーリー「殆どルルの指示じゃないですか」

ミレイ「ルルーシュは副会長。副会長の功績は会長の功績」

シャーリー「な……」

ルルーシュ「全く、会長らしいですね」

ミレイ「もっと褒めてくれていいわよ」

シャーリー「皮肉ですよ……」

スザク「……」

ルルーシュ「ん?スザク、どうした?ゲームセンターなんか見つめて。一目ぼれしたヌイグルミでもあったのか?」

スザク「ああ、いや。あの店にもあるんだなって思って、あの筐体機」

ルルーシュ「筐体って、あの一際大きな奴か?知っているのか?」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1373604966

スザク「ああ、少しね。軍にも縁があるし」

リヴァル「あれって、今流行りの大型筐体体感ゲームだろ?」

シャーリー「そうなの?」

リヴァル「なんでも実際のナイトメアに搭乗して戦場で戦えるとかで、人気なんだよな」

ルルーシュ(ほう?そんな無駄に凝ったモノが遊戯場にあるとはな……)

スザク「すまない。少しだけ見ていってもいいかな?」

ミレイ「何か気になることでもあるの?」

スザク「ランキングが……」

ルルーシュ「ランキング?」

リヴァル「確か、過去の戦果が常にランキング表示されてるんだよな」

スザク「そうなんだ。それが気になって」

ルルーシュ「お前もやっているのか?」

スザク「あの筐体機は軍で作られたもので、シミュレーション訓練にも使用されているんだ」

ルルーシュ「もしかして、その訓練時で得た戦果もランキングに反映されているのか?」

スザク「実は、そうなんだ」

ゲームセンター

ミレイ「おー!やってるやってる!」

シャーリー「こういうところ、ちょっと苦手です……」

スザク「あれだ」

ルルーシュ「どれどれ……」


№7 白き悪魔 スザク・クルルギ 階級 ナイトオブシックス 1692戦1641勝51敗


リヴァル「スザク、すげーな。ゲームとは言え、ラウンズになってんじゃん」

スザク「いや、まだまだだよ。上には上がいるからね」

ルルーシュ「あの№表記はランキングか?」

スザク「ああ。あれが順位だ。よかった。まだ順位に変動はないみたいだ」

ルルーシュ(名前の前に付いている肩書きはなんだ……?)

スザク「それにしてもまだ一位の座は揺るがないか……」

ルルーシュ「一位?」

スザク「ああ。もはや無敵と言っても過言じゃない」

ルルーシュ(スザクを超えるパイロットなど……)


№1 閃光のお姉様 コーネリア・リ・ブリタニア 階級 エンペラー 3015勝3014勝1敗


ルルーシュ「な……ぁ……!!?」

スザク「流石、総督だ」

リヴァル「うわぁ。総督も参戦しているのかよ」

スザク「ああ。暇さえあればいつも副総督にその勇姿を見せている。総督の自室に筐体機があるみたいだし」

リヴァル「総督専用機かよ」

スザク「噂では金色に輝いているらしい」

リヴァル「そりゃ、すげえな」

ルルーシュ「……スザク」

スザク「ああ。すまない。そろそろ学園に戻ろうか」

ルルーシュ「あのゲームのやり方を教えてくれないか?」

スザク「え?」

ルルーシュ「興味が沸いた」

リヴァル「マジかよ!?」

ミレイ「なになにー?何の話?」

リヴァル「ルルーシュのやつがあのゲームに興味を持ったみたいで」

シャーリー「えー?ルルってば子どもー」

ルルーシュ「いいだろ?俺だって男だ。そういうモノに興味の一つも湧く」

スザク「ルルーシュ、本気か?」

ルルーシュ「どういう意味だ?」

スザク「あのゲーム。素人には厳しいものだ」

ルルーシュ「軍でも採用されているだけあって、難易度が高いのか?」

スザク「その通りだ。すぐに軍資金が枯渇するかもしれない」

ルルーシュ「安心しろ、スザク。一応、操縦の心得はある」

ミレイ「ルルーシュは文化祭のときにナイトメア操縦してピザ作るのが恒例になってたからねー」

ルルーシュ「そういうことだ。何も心配はない」

スザク「……分かったよ。説明しよう」

ルルーシュ(コーネリアめ。まさか、こんなところで己の技量と戦術を公開してくれているとはな……。今後の戦いが楽になるというものだ……フフフハハハ……)

スザク「まずはここでカードを購入するんだけど」

ルルーシュ「硬貨を投入するだけではダメなのか」

スザク「プレイヤー登録が必要になるからね。この筐体は全国の猛者と戦えるから」

ルルーシュ「ネットワーク対戦か。なるほど、それならユーザー登録も必要だな」

スザク「名前と肩書き、通り名を決めて」

ルルーシュ「偽名でもいいんだろうな?」

スザク「それは勿論。でも、味方が呼びやすい名前のほうがいいと思う」

ルルーシュ「味方?」

スザク「このゲームは基本的にタッグ戦だからね」

ルルーシュ「そういうことか……」

ルルーシュ(コーネリアとの対戦を前提に考えなければならないから……。やはりここは……)

ルルーシュ「『漆黒の翼 ゼロ』でいくか」ピッピッ

スザク「ルルーシュ。漆黒の翼はいいけど、ゼロは既に登録されてしまっているからダメだ」

ルルーシュ「なんだと?」

スザク「あれを見てくれ」

№1 閃光のお姉様 コーネリア・リ・ブリタニア 階級 エンペラー 3015戦3014勝1敗
№2 聖なる騎士 ギルバート・G・P・ギルフォード 階級 ナイトオブワン 3015戦3013勝2敗
№3 姫様命 アンドレアス・ダールトン 階級 ナイトオブツー 3002戦2999勝3敗
№4 奇跡の見本市 ミラクル・ザ・トードー 階級 ナイトオブスリー 3000戦2988勝12敗
№5 雷光の皇女 メイド・イン・シスター 階級 ナイトオブフォー 2862戦2811勝51敗
№6 超最強無敵 シャルル 階級 ナイトオブファイブ 2566戦2500勝66敗
№7 白き悪魔 スザク・クルルギ 階級 ナイトオブシックス 1692戦1641勝51敗



№3054 天上天下のレジスタンス ゼロ 階級 一等兵 6584戦1922勝4662敗


スザク「あの通り、もうゼロという名前は使われている。嘆かわしいことだけどゼロは人気もあるし『0』や『ZERO』も使われている」

ルルーシュ「そうか……」

ルルーシュ(ちっ……。考えることは皆同じか……)

ミレイ「それにしても上位は化け物ばかりね」

シャーリー「よくわからないですけど、すごいのは分かります」

リヴァル「上位の対戦とか見てみたいなー」

ミレイ「きっと、私たちがプレイしたら酔って吐くわね」

シャーリー「そんなにですか!?」

ルルーシュ「なら……」ピッピッ

『新規登録パイロット №4991 仮面の騎士 ブラックナイト OK?』

スザク「ルルーシュ。一度決めた名前は途中変更できないよ?」

ルルーシュ「構わない。 これでいく」

スザク「よし」

ルルーシュ「――これでいいのか?」

スザク「ああ。あとはそのカードを持って筐体機に入ればプレイはできる。戦績は全部、そのカードに記録されるから失くさないようにしたほうがいい」

ルルーシュ「分かった。さてと、早速プレイしてみるか」

シャーリー「もう、ルル!遊ぶのは学園に帰ってからでもいいでしょ?」

ルルーシュ「悪い、シャーリー。一回だけ」

シャーリー「一回だけだからね!」

ルルーシュ「ありがとう」

ミレイ「でも、結構並んでるわねー。すぐにはプレイできないんじゃない?」

ルルーシュ「いや、あの筐体には誰も並んでいないみたいですよ」

スザク「ルルーシュ。あれには乗れないよ」

ルルーシュ「なに?メンテナンス中か?」

スザク「違うんだ。あれは特別な筐体機なんだよ」

リヴァル「特別ってなんだよ?」

シャーリー「あれだけなんか、一回り大きいね」

スザク「あれは最近開発された二人乗り専用筐体なんだ」

ルルーシュ「二人乗り?」

スザク「ブリタニア軍のほうで開発された新型をモデルにしたものだ」

ルルーシュ「そんなのがあるのか……」

スザク「そのスペックは現段階では追随を許さないほどで、故に二人で乗り込まないと100%性能を引き出せないらしい」

ルルーシュ「なんだ。つまりは最強の機体というわけか。なら、話は早い。スザク、一緒に乗るぞ」

スザク「無理だよ」

ルルーシュ「お前と俺ならできるだろ」

スザク「前部座席で主動作を行い、後部座席で情報解析や武器管制を行わないんだ。できると思うかい?」

ルルーシュ「スザクの反応速度に俺の情報解析が追いつかないといいたいのか?」

スザク「それだけじゃない。ルルーシュはこのゲームに関しては素人だ。操縦の息を合わせるのが精一杯で、戦闘はまだできないと思う」

>>13
スザク「前部座席で主動作を行い、後部座席で情報解析や武器管制を行わないんだ。できると思うかい?」

スザク「前部座席で主動作を行い、後部座席で情報解析や武器管制を行わないといけないんだ。できると思うかい?」

ミレイ「でも、とりあえず乗ってみたら?」

シャーリー「そうだよ。折角だし」

スザク「駄目だ」

リヴァル「なんで?」

スザク「ハイスペックということはそれだけ撃墜時の消費が激しい。いや、むしろ一度の撃墜で負けになってしまう」

ルルーシュ「撃墜されなければいいだけの話だ」

スザク「やめてくれ……ルルーシュ……」

ルルーシュ「スザク?俺たちが手を組んでやれないことは――」

スザク「やめてくれ!!!」

ルルーシュ「……!?」

スザク「僕の戦績を見てくれ!!!あれでもギリギリなんだ……!!!すぐ下に虎視眈々とラウンズの座を狙い、追ってくる者だっている!!!」


№8 電子の妖精 あーにゃ・あーるすとれいむ 階級 ナイトオブセブン 1688戦1634勝54敗


ルルーシュ「あいつか……」

スザク「もしここでルルーシュとこれに乗り、負けるようなことがあれば……僕は……降格になるかもしれない……!!」

ルルーシュ「俺が信じられないのか?」

スザク「……遊びじゃないんだ、ルルーシュ」

ルルーシュ「な……に……!?」

スザク「すまない。ルルーシュ。素人の君と同乗するつもりはない」

ルルーシュ「……仕方ない。お前にも拘りがあるというならそれに従おう」

スザク「すまない……本当に……」

リヴァル「でも、まぁ、勝てる勝負しかしないってどうなんだ?」

ミレイ「ねー?」

スザク「……」

リヴァル「わ、悪い……」

ミレイ「命、賭けてるのね」

スザク「違います。これはラウンズとしての矜持を守るためです」

シャーリー(ゲームなのに……)

ルルーシュ「お?空いたようだな。では、行ってくるか」

ミレイ「がんばんなさいよ、ルルーシュ!応援してるから!!」

筐体内

ルルーシュ(なんだこれは……。すごいな、ブリタニアの技術は。ナイトメアの内部そのものだ……)

『ブラックナイト、聞こえるか?』

ルルーシュ「ん?あ、ああ。お前は?」

『画面を見てもらえば、私が誰かは分かるはずだ』

ルルーシュ「画面……。奇跡の見本市……?ま、まさか……!!№4の……!!!」

『初心者のようだな。今回が初めてか?』

ルルーシュ「ああ。よろしく頼む」

『任せておけ。私の指示通りに動いてもらえれば、初勝利をお前に授ける』

ルルーシュ「それは頼もしいですね。よろしくお願いします」

ルルーシュ(これはついている。まずは熟練の動きを観察しつつ、操作法を学んで行くか。とはいえ、ここまで作りが酷似しているのなら、操縦法もさほど違いはないだろうが)

『では、もうすぐ始まる。深呼吸をしろ』

ルルーシュ「それは重要なのか?」

『あと数十秒でここは戦場となる。君は新兵だ。まずは平常心を保つところから始めなければならない』

ルルーシュ「……分かった。言うとおりにしよう」

『来るぞ!!!』

ルルーシュ「くっ!!!」

ズガァァァン!!!!

『何をやっている!!!』

ルルーシュ「すまない!!」

『正面だ!!!』

ルルーシュ「なんだと!?」

ドォォォォン!!!!

『君は後方へ!!』

ルルーシュ「そうだな……」

ルルーシュ(なんだ、この目まぐるしさは……!!本物の戦場だぞ……!!!)

『後ろだ!!!』

ルルーシュ「そう何度も……!!!」

ドォォォォン!!!!

ルルーシュ「ぬぉぉぉぉぉ!?!?!?」

ルルーシュ「……ふぅ」

『初勝利とは……行かなかったな……」

ルルーシュ「すまない。全ては俺の責任だ……」

『気にするな。こういうときもある』

ルルーシュ「しかし。貴方の戦歴に傷が……」

『無傷の上官など存在しない』

ルルーシュ「……!」

『その傷が部下を庇いできた傷ならば、誇りにもなる』

ルルーシュ「……すまない」

『謝罪は不要だ。君も中々の腕前だった。これから磨いていけばいい』

ルルーシュ「ああ。そうする」

『では、さらばだ』

ルルーシュ「……貴方が初めての上官でよかった」

『そうか』

ルルーシュ(しかし。何たる様だ。これではコーネリアと戦いにすらならないぞ……)

シャーリー「ルル!」

ルルーシュ「シャーリー……」

シャーリー「えっと……は、初めてなんだし、仕方ないよ!!」

ルルーシュ「……」

スザク「分かったかい、ルルーシュ?このゲームの恐ろしさが」

ルルーシュ「ああ。確かにスザクの言うとおり、これは遊びではないな……」

スザク「ああ、その通りだ」

ルルーシュ(コーネリアとその騎士、側近の戦闘データを収集するのに打ってつけだと考えたが、このままではそれも不可能か……)

ルルーシュ(だが、今からこのゲームに時間を費やすのも効率が悪い……)

ルルーシュ(技術で劣るのならば……搭乗機体のスペックを上げるしかない……!!)

ルルーシュ「スザク。上位機体にはグロースターの他にも用意されているのか?」

スザク「もちろん。ランスロットもあるし、黒の騎士団が使用している紅蓮もある」


№9 弾ける紅蓮の炎 カレン・コウヅキ 1689戦1635勝54敗


ミレイ(あれって、やっぱり、カレンよね……?)

ルルーシュ「それはブリタニア軍が敵軍との交戦で得たデータを元にしているということか」

スザク「ああ。これは飽く迄も軍事用に開発されたものだからね」

ルルーシュ(それをこんな街のゲームセンターに設置するとは。隠れた実力者でもスカウトするつもりなのか?)

スザク「でも、高い性能を有する機体はそれだけ扱いも難しいし、燃費も……」

シャーリー「あのー。もう終わったなら、帰らない?」

リヴァル「また来たらいいだろ、ルルーシュ?これ人気だから撤去になることはないし」

ルルーシュ「そうだな……」

ルルーシュ(また改めて来るとしようか)

ルルーシュ「会長。お待たせしました」

ミレイ「終わった?なら、こっちこっち」グイッ

ルルーシュ「なんですか?学園に帰るんじゃ……」

ミレイ「あのヌイグルミ、ほっしぃ~ぃ。とってぇ」

ルルーシュ「……」

シャーリー「会長!!!何言ってるんですか!!!」

ミレイ「私を待たせた罰だー。ほら、早くしろ、ルルーシュ」

生徒会室

ミレイ「ニーナ!!見てみてー!!このウサギのヌイグルミー!!!」

ニーナ「どうしたの、それ?」

ミレイ「ルルーシュにとってもらったぁ!どう?」

ニーナ「うん。かわいい」

ミレイ「だよねー。そうよねー!!」ギュゥゥ

カレン(似合わない……)

シャーリー「もう……私も欲しかったのにぃ……」

リヴァル「ルルーシュもよくやるなぁ。あれに持ち金全部とられちゃったし」

ルルーシュ「仕方ないだろ。アームの握力が異常なまでに弱かったんだ」

スザク「店員さんが気を遣ってくれなかったら、大変な事態になるところだったね」

カレン「……遊んできたの?」

シャーリー「帰りに、ゲームセンターに……ちょっと……」

カレン「ふぅん……」

ルルーシュ「……そういえば。カレン・コウヅキっていう強者がいたな。№9の」

カレン「……!!」ピクッ

シャーリー「いたいた。あーにゃって人と競ってたよね」

スザク「あの人は凄い腕の持ち主だよ」

ルルーシュ「そうなのか?」

カレン「……」

スザク「実際、僕はあの人に勝ち越したことがないからね」

リヴァル「そんなにすげーのか!?」

スザク「ただ、いつも上位と勝負をして戦績を落としてしまっている」

ルルーシュ「お前とは違うってことだな」

スザク「僕にはあの人のような勇気はないな」

シャーリー「でも、常に格上と戦ってあれならすごいんじゃ……」

スザク「多分、純粋な技術で言えば僕よりも上かもしれない」

ルルーシュ「なるほど……天才というわけか……」

カレン「……えへへっ」

シャーリー「カレン?何、笑ってるの?」

ルルーシュ「スザク。コーネリア……総督とも対戦したことがあるのか?」

スザク「勿論あるよ。通算では50戦ぐらいしていると思う」

ルルーシュ「総督の戦歴を見るにお前が勝った事は……」

スザク「ない。総督は無敵だからね」

シャーリー「でも、1敗してたよね」

ルルーシュ(3000以上も戦っていて1敗しかしていないのは異常だ。何かありそうだが……)

スザク「総督が負けてしまった原因は、あの二人乗りの機体で戦った所為だ」

ルルーシュ「なに?」

スザク「ギルフォード卿と搭乗して戦ったみたいだけど、雷光の皇女って人にやられた」

ルルーシュ「そうだったのか……」

ルルーシュ(それほどまでに扱い難い機体……。ならば、もしそれが扱えるようになったとしたら……)

ルルーシュ(いや。しかし。コーネリアやスザクに匹敵する腕をもつのは、藤堂と……)

カレン「天才なんて……そんな……えへへ……」モジモジ

ルルーシュ(カレンぐらいなものだが……)

ルルーシュ「スザク。コーネリア総督は俺みたいな平民でも対戦に応じてくれるのか?」

スザク「簡単に応じてくれるよ。でも、対戦する機会はそう多くないんじゃないかな」

リヴァル「総督と対戦だもんなぁ。そりゃ、みんなやりたがるか」

スザク「来るもの拒まずだから、根気強く待っていればチャンスは必ずくるよ」

ルルーシュ「そうか……」

スザク「ルルーシュ。もしかして、総督と?」

ルルーシュ「ああ……」

スザク「……そうか」

カレン「ルルーシュくん。コーネリア総督を倒したいの?」

ルルーシュ「倒したいというより、対戦がしたいという気持ちが強いな」

カレン「ふぅん……」

シャーリー「でも、ルル?あまり入れ込みすぎたら駄目だからね!」

ルルーシュ「分かってる。ほどほどでやめる」

ルルーシュ(飽く迄もコーネリアの情報収集だからな……)

ミレイ「ねーねー。カレン、このヌイグルミどうおもうー?」

カレン「え?ああ、はい。かわいいですね」

ルルーシュの自室

ルルーシュ「なるほど……あの筐体ゲームはこれか……」カタカタ

C.C.「なにを調べている?」モグモグ

ルルーシュ「コーネリアに接近できるかもしれない」

C.C.「……このゲームでか?」

ルルーシュ「ああ。奴はどうやら、このゲームを介して親切にも戦術を披露してくれているようだからな」

C.C.「そうなのか」

ルルーシュ「ゲームではあるが、これは奴を丸裸にする絶好の好機。利用しない手はない」

C.C.「そうか。がんばれ」

ルルーシュ「出かける準備をしろ」

C.C.「デートか?」

ルルーシュ「早くしろ」

C.C.「女に向かって早くしろとは……。デート前の乙女にはやらねばならないことが山ほどあることを知らないのか、坊や?」

ルルーシュ「留守番するというならそれでも構わない。俺は行く」

C.C.「……」

ゲームセンター

C.C.「騒がしい場所は好きじゃない」

ルルーシュ「お前の都合など知らんな。これだ」

C.C.「遊ぶのか?」

ルルーシュ「お前も乗れ」

C.C.「何故だ」

ルルーシュ「ナイトメアの操縦訓練、しているのだろう?その成果を今ここで見せてみろ」

C.C.「そういわれると、見せたくなくなるのは何故かな?」

ルルーシュ「……乗るなら早くしろよ」

C.C.「おい。私は何も――」

「あのー。乗らないなら、譲ってください」

C.C.「誰が乗らないと言った?」

「いえ……」

C.C.「おい、坊や。どうすればいい?」

ルルーシュ「これがお前のカードだ。これを差込口に入れろ」ピッ

筐体内

C.C.「ここか……」スッ

『新規パイロット確認 搭乗者 白雪の魔女 シーツー』

C.C.「……なんだこれは?」

ルルーシュ『お前のパイロット名だ。俺が決めておいた』

C.C.「センスが無いな。私が入力し直す」

ルルーシュ『残念だが、一度登録した名前は変更できない』

C.C.「な……!?」

ルルーシュ『そこまで気に入らないのなら作り直せばいい。ただし有料だ』

C.C.「なら、金を出せ、坊や」

ルルーシュ『断る』

C.C.「貴様……!!」

ルルーシュ『そんなことより戦闘が始まるぞ』

C.C.「まて!!まだ話は――!!」

ルルーシュ『抜かるなよ、C.C.。俺の指示通りに動かなければ死ぬぞ』 

ルルーシュ『C.C.!!2時の方角から狙われているぞ!!!遠距離からの砲撃に警戒しろ!!!』

C.C.「うるさい!!分かっている!!」

ルルーシュ『正面からも来ている!!』

C.C.「……っ!!」

ガキィィィン!!!

ルルーシュ『止めたか!!』

C.C.「これぐらいは――」

ドォォォォン!!!!

C.C.「ぐっ……!!?」

ルルーシュ『砲撃だ!!C.C.!!回避行動を優先し、後退しろ!!!』

C.C.「やろうとしているが、目の前のこいつが邪魔だ……!!」ガチャガチャ

ルルーシュ『早く振り切れ!!!馬鹿者!!!』

C.C.「馬鹿者とはなんだ!!!おまえこそ援護射撃の一つぐらいしたらどうだ!!!」

ルルーシュ『ちっ……役にたた――ぬぉぉぉぉ!!!!まさか、背後を取られていたとは!!!おのれぇぇぇ!!!』

C.C.「早く助けろ!!!私が撃墜されてもいいのか!?!」

ルルーシュ「お前、やる気あるのか?」

C.C.「坊やが悪い」

ルルーシュ「なんだと?」

C.C.「悉く間が悪いな、ルルーシュ。そんなことだから童貞なんだよ」

ルルーシュ「関係のない話はやめろ」

C.C.「そもそもお前の腕ではコーネリアと対戦したところで、瞬殺だな」

ルルーシュ「だからこうして……」

C.C.「私ではなくカレンに頼めばいいだろう。私は役立たずなんだろ?」

ルルーシュ「……お前でなければならない」

C.C.「……」

ルルーシュ「C.C.でなければ駄目なんだ」

C.C.「ルルーシュ……」

ルルーシュ「俺は飽く迄も一市民としてゲームをし、コーネリアに近づかなければならない。カレンと一緒では気取られてしまうかもしれないだろ?」

C.C.「……帰る」

ルルーシュ「待て!!あれが見えないのか!?」

C.C.「なんだ……?」

ルルーシュ「この店限定のチーズくんのヌイグルミだ」

C.C.「……」

ルルーシュ「協力してくれるなら、あれを取ってやってもいい」

C.C.「……」

ルルーシュ「どうする?」

C.C.「とにかくだ。坊やの腕では話にならない。一対一の戦闘に慣れていない所為だな」

ルルーシュ「そんなことはわかっている。だからこうして……」

C.C.「だが、坊やでもある程度の実戦経験はある。私も無様にやられたりはしない」

ルルーシュ「何が言いたい?」

C.C.「つまりはド素人相手にはまず負けないというということだ」

ルルーシュ「C.C.……」

C.C.「勝ち癖をつける。それが上達への近道だ」

ルルーシュ「初心者狩りを行うというのか?」

C.C.「そうだ。自信もつくし技術も向上する。一石二鳥だ」

筐体内

ルルーシュ「……」

C.C.『どうした?虫ケラども。全然、当たらないぞ』

ルルーシュ「三時の方向から来るぞ」

C.C.『このゴミのことか?任せろ』ガキィィン

C.C.『どうしたぁ?捕まってしまったかぁ。残念だなぁ。――出直して来い』バキィ!!

ルルーシュ「……」

C.C.『次はこっちだな』

ルルーシュ(確かにこうして勝ち星を上げることも重要だ。コーネリアも歴戦の戦士ということが分かれば興味をもつかもしれない)

C.C.『壊されるのは嫌か?そうだろうな。みんなそんなことを思っている。私もそうだ』

C.C.『でも、これは戦場だ。どちらかが倒されなければならない。だから、お前が倒れろ』バキィ!!!

ドォォォォン

ルルーシュ「……終わったか」

C.C.『この調子で行くからな、坊や』

ルルーシュ「分かっている」

C.C.「これで10勝目。そろそろ慣れてもきたな」

ルルーシュ「そうだな。このあたりで相手の格も上げていったほうがいい」

C.C.「何故だ?こんなにも気持ちがいいのに」

ルルーシュ「少なくとも俺達の動きは素人のそれとは明らかに異質なものだ。ゲームには慣れていないが、操縦そのものには慣れているのだからな」

C.C.「だからなんだ?」

ルルーシュ「熟練者が初心者を相手にして勝率を稼ぐのはマナー違反だ」

C.C.「そんなマナーがあるのか?だが、私はC.C.。そんなマナーなど気にしない」

ルルーシュ「それでは困る。いいから適当な対戦相手を見繕って来い」

C.C.「私が?」

ルルーシュ「俺はその間にあのヌイグルミを捕獲してくる」

C.C.「……仕方ない。私は共犯者だからな」

ルルーシュ「頼むぞ」

C.C.「まかせておけ」タタタッ

ルルーシュ(中級者程度の相手ならもう後れを取ることもないはずだ)

ルルーシュ「頼むぞ。C.C.……」

ルルーシュ「……」ピッ

ウィーン……

ルルーシュ「よし……そのまま……そのまま……」

ポロッ

ルルーシュ「くそっ!!」ガンッ!!

ルルーシュ(なんてアームの弱さだ!!入射角や停止位置は全て条件を満たしているのに!!!このアームの弱さだけで我が戦術を覆されてしまう!!!)

C.C.「ルルーシュ」

ルルーシュ「なんだ?」

C.C.「取れたのか?」

ルルーシュ「もう少し時間がかかる。それよりもそっちは?」

C.C.「喜べ。いい相手が見つかった。既に6000回もプレイしている奴がいた」

ルルーシュ「ほう?中々のベテランだな」

C.C.「だろう?早く行くぞ」

ルルーシュ「わかった」

ルルーシュ(ふっ。悪いが俺達のステップアップのため、踏み台になってもらうぞ)

筐体内

ルルーシュ「さてと、相手は……」ピッ

№1220 幼女命 サザンクロス 階級 少尉 4883戦2355勝2528敗
№3055 天上天下のレジスタンス ゼロ 階級 一等兵 6602戦1922勝4680敗

ルルーシュ「ふむ。いい感じの中級者だな」

C.C.『準備は出来たか、坊や?』

ルルーシュ「ああ。こちらはいつでもいける」

C.C.『ランスロットと紅蓮に乗って、こいつらに負けるようではコーネリアとは……』

ルルーシュ「言われずとも理解している。この壁を越えなければ、我々に先はない」

C.C.『それならいいがな。――はじまるぞ』

ルルーシュ「よし。C.C.。まずは様子を――』

C.C.『ルルーシュ。お前のほうに一匹突っ込んで行ったぞ』

ルルーシュ「こいつは……!!ゼロ……!!!」

ガキィィィン!!!

C.C.『そんな馬鹿には正面から輻射波動を使え』

ルルーシュ「そうだな……。戦術なき戦略などで俺は止められない。くらえ!!これが輻射波動だ!!!!フフハハハハハ!!!!!」ピッ

№4722 仮面の騎士 ブラックナイト 15戦13勝2敗
№4896 白雪の魔女 シーツー    14戦13勝1敗

ルルーシュ「このままの勝率をキープしつつ、1000回と対戦する奴らの技量には敬服するしかないな」

ルルーシュ(それにしてもあの程度で中級者ならば、もう少し格上の相手とでも十分に戦えそうだな)

ルルーシュ(№で言うなら、やはり900~500番台が妥当か)

№500 ブリタニアの吸血鬼 ルキアーノ・ブラッドリー 階級 大尉 1666戦1520勝146敗
№711 ブリタニアの女傑  ドロテア・エルンスト    階級 少尉 1612戦1467勝145敗
№823 ブリタニアの妖精  モニカ・クルシェフスキー 階級 軍曹 1597戦1384勝213敗

ルルーシュ(こいつらとの対戦できれば……)

「おい!!カレンと総督の対戦が始まってるぞ!!!しかもタイマン対決だ!!」

「マジかよ!!」

ルルーシュ「なに!?」

C.C.「チーズくんはとれたか?」

ルルーシュ「それどころではない」

C.C.「なんだと?」

ルルーシュ(まさかこんなにも早くコーネリアの姿を拝めることになるとは……!!)

筐体内

カレン「今日こそ弾けさせてやる!!コォォネリアァァ!!!!!」ガチャン

カレン「とらえたぁ!!!」

グロースター『……』ササッ

カレン「つっ……!!動きが以前よりも早くなってる!!」

グロースター『……』ガキィィン!!!

カレン「あぅ!?――このぉ!!!調子にのるなぁぁぁ!!!!」

グロースター『……』ササッ

カレン「ダメ!!全然、追いつけない!!!こっちは紅蓮だっていうのに!!!」

グロースター『……』ザンッ!!!

カレン「がっ……!!この!!!」

グロースター『……』ガキィィィン!!!

カレン「きゃぁぁ!!?」

ドォォォォン!!!!

カレン「……そんな……勝てない……私、天才なのに……」ガクッ

ルルーシュ(バ、バカな……!!なんだ、あの動きは……!!)

C.C.「ゲームとは言え、あそこまで変態的な動きができるものなのか」

ルルーシュ「あれは軍事用戦闘シミュレーションだ。現実に近い動きが可能になっているに違いないが……」

ルルーシュ(それにしてもコーネリアの動きは常軌を逸しているといわざるを得ない。あそこまでの実力差があるというのか……!!)

C.C.「ルルーシュ。チーズくんは?」

ルルーシュ(中級者や上級者を相手に練習したところで、奴と戦闘にはまずならない……)

ルルーシュ(このままでは情報収集などできもしないぞ……!!!)

C.C.「チーズくんは?」

ルルーシュ(たとえスザクやカレンと手を組んだとしても、今の一戦が全てを物語っている)

ルルーシュ(絶望的なまでの差があると。この差を埋めるには機体の性能以外に道はない。ないが……)

C.C.「チーズくん、とってくれるんだろ。はやくしろ」グイッ

ルルーシュ(付け焼刃の操縦技術でランスロットや紅蓮に乗ったところで結果は変わらない。もっと、もっと大きな、革命、革新が必要だ)

ルルーシュ「……やはり、アレしかないか」

C.C.「チーズくんをとれ」グイッ

ルルーシュ「C.C.。あれに乗るぞ」

ガウェイン専用筐体内

C.C.「なんだこれは?」

ルルーシュ「なるほど。内部はこうなっているのか」

C.C.「二人乗りなのか。気持ち悪いな」

ルルーシュ「確か後部座席で情報解析と武器管制を行うのだったな。お前は前に乗れ」

C.C.「仕方ない」

ルルーシュ「俺たちに必要なのは圧倒的なスペックを有する機体だ。これを使いこなせるようになればコーネリアとも……」

C.C.「……」ピッ

『ガウェインは二人乗り専用機体です。一人でも操作することは可能ですが、その場合は性能の50%以下しか引き出すことはできません』

『また搭乗者二名の戦績は共有されることになります。よろしいですか?』

ルルーシュ「構わん」

C.C.「早く始めろ」

ルルーシュ「よし。初めということもあるから、まずはCPUと対戦するか」

C.C.「準備運動にもならないんじゃないのか?」

ルルーシュ「説明書は必ず初めに読むんだよ、俺は……フフハハハハ……」

ルルーシュ「正面だ!!!」

ガキィィィン!!!

ルルーシュ「何をやっている!!」

C.C.「黙っていろ。手元が狂う」

ルルーシュ「右後方だ!!」

C.C.「見れば分かる。騒ぐな」

ルルーシュ「奴に主砲を打ち込む!!!後方50まで下がれ!!!」

C.C.「わかっている」

ドォォォォン!!!

ルルーシュ「ぬぉっ!!!――C.C.!!これ以上の被弾は危険だぞ!!!」

C.C.「お前の指示を守ったらこうなった」

ルルーシュ「責任転嫁する気か!!!おもしろい!!!」

C.C.「そんなことより早く撃て!」

ルルーシュ「しまっ――」

ドォォォォォン!!!

ルルーシュ「……」

C.C.「……」

ルルーシュ「感想は?」

C.C.「あれを御すことができるのは、気持ち悪いぐらい息の合った者だけだな」

ルルーシュ(だが、あの機体は俺に適合していると見た。あとはC.C.の技量が……)

C.C.「カレンあたりに乗ってもらえばどうだ?」

ルルーシュ「なんだと?」

C.C.「私は飽きた」

ルルーシュ「カレンと同乗し、もし俺がゼロであると感付かれたらどうする?」

C.C.「それは私の責任じゃないな」

ルルーシュ「まて。チーズくんは欲しくないのか?」

C.C.「……自分で取るから金を寄越せ、坊や」

ルルーシュ「渡しすと思うのか?」

C.C.「もういい。帰る」

ルルーシュ「身勝手な女だ……」

コーネリアの自室

コーネリア「……ふぅ」

ギルフォード「お見事です、姫様」

コーネリア「またつまらない奴と戦ってしまったな」

ギルフォード「姫様のグロースターに敵う者は世界中を探してもいないでしょう」

コーネリア「ふっ。だろうな」

ギルフォード「ですが特派の言っていたように、もしあの二人乗りのナイトメアの性能を100%引き出せる者が現れたら……」

コーネリア「……そのときはまたあれをすればいい」

ギルフォード「しかし、姫様。これ以上のプログラム改造は……!!」

コーネリア「私はコーネリアだ。負けることがあってはならない。そうだな?」

ギルフォード「それは勿論ですが」

コーネリア「そしてその騎士ギルフォードも、側近であるダールトンも負けてはならない。なんとしても勝利をもぎ取る。それが戦争というものだ」

ギルフォード「仰るとおりです」

コーネリア「なにより、ユフィの前で恥を晒すことがあってはならない……」

ギルフォード「では、姫様のグロースターを更に改良するよう、特派に命じておきます」

技術部

セシル「スザクくーん。そろそろ休憩にしましょうか」

スザク「わかりました」

セシル「そういえば最近、よくトレーニングルームに行ってるみたいだけど、無理してない?」

スザク「いえ。過度なトレーニングはしていません。ただ、戦場で常に全力で戦えるよう感覚を鈍らせないためにしているだけですから」

セシル「それならいいんだけど」

ロイド「うーん……ここをこうして……」カタカタ

スザク「セシルさん、ロイドさんは何を?」

セシル「ああ。あの戦闘シミュレーションあるでしょ?あれの改良をしているみたいね」

スザク「改良……ですか?お言葉ですが、あれは既に完成されていると思いますが」

セシル「ロイドさんにとってはまだまだみたいね」

スザク「あれでですか?」

セシル「作った本人が納得しないうちはいつまでも改良を重ねると思うわ。そういう人だから」

スザク「流石はロイドさんだ……」

ロイド「もっとリアリティを追及したいなぁ……あ!そーだ!」カタカタ

ルルーシュの部屋

ルルーシュ「今日の戦績は20勝3敗か。階級は未だ新兵か……」

C.C.「……」

ルルーシュ「ちなみにお前は15戦13勝2敗となっている」

C.C.「誰も訊いてない。余計なことを言うな」

ルルーシュ「まだ怒っているのか?」

C.C.「何の話だ?」

ルルーシュ「チーズくんのことだ。それしかないだろう」

C.C.「私はそんなにガキじゃない」

ルルーシュ「今度は取ってやる。また明日、行くぞ」

C.C.「断る」

ルルーシュ「これはコーネリアとその側近共の戦闘データを取ることができる絶好の機会なんだぞ」

C.C.「勝手にしろ」

ルルーシュ「お前……」

C.C.「ゲームなんかに興味はない」プイッ

翌日 黒の騎士団 アジト

ゼロ(C.C.がダメとなるとやはりカレンに頼むしかないが……)

藤堂「紅月でも無理だったようだな」

カレン「はい。コーネリアのあの動き、尋常じゃないですね」

ゼロ「ん?何を集まって……」

玉城「でも、やっぱカレンはすげーよな。俺もコーネリアに戦い挑んだけど、10秒で終わっちまったしよぉ」

南「昨日は新兵にボロ負けしたしな」

玉城「それ言うんじゃねえよぉ!!!」

藤堂「紅月はコーネリアと何戦しているんだ?」

カレン「えっと、もう20回ぐらいは戦ってます。でも、戦うたびにコーネリアも強くなっていて……」

藤堂「そうか……」

玉城「藤堂はコーネリアと何回戦ったんだ?」

藤堂「2回ほどだな。どちらも全く歯が立たなかった。故に以降は戦っていない。今は己を磨くときだと悟ったのだ」

カレン「なるほど。私もそうしよう。紅蓮の操縦に磨きをかけないと。少し天才なんていわれて、自惚れてたし」

ゼロ(そうか。考えてみればカレンは紅蓮に乗ることを誇りに思っている。ガウェインには乗ってくれそうもないな……)

ゼロ「お前たち。持ち場にもどれ」

藤堂「ゼロか。すまない。少し話こんでしまったようだな」

玉城「ちょっとぐらいいいじゃねえかよ」

ゼロ「働け。死にたくなければな」

玉城「な、なんだよ……それ……」

ゼロ「準備に手を抜けば、本番で死ぬだけだ」

カレン「はいっ!持ち場に戻ります!!」

ゼロ「まて、カレン」

カレン「なんですか?」

ゼロ「今の話だが、コーネリアと幾度と無く戦闘しているのか?」

カレン「えっと、バーチャル内の話ですけど」

ゼロ「コーネリアの戦術等について教えてくれないか?」

カレン「え?」

ゼロ「何度も戦っているなら、やつの癖なり、戦闘時の法則性なりに気がついているだろう?」

カレン「それは……あの……」

藤堂「ゼロ、それは無茶だ」

ゼロ「なに?」

藤堂「あのゲーム内のコーネリアの動きは人間ではない。データを取る前に皆撃墜されている」

ゼロ(なんだと……)

カレン「すいません。ゼロ。私も藤堂さんもコーネリアが参戦しているから始めたんですけど、コーネリアとまともに戦闘になったことがなくて」

ゼロ「そうだったのか、藤堂?」

藤堂「ああ……うむ……」

カレン「もっと腕を磨かないと、データを取ることはできません。コーネリアはきっと実力の半分すら出していないと思いますし」

ゼロ「なんということだ。まさかカレンや藤堂でも手に負えないとは」

藤堂「敵の大将はそう簡単に討ち取ることはできないということだろうな」

ゼロ「うむむ……」

ゼロ(なれば、いくら訓練を積もうがあのゲームからコーネリアの戦闘情報を集積することはできないか。諦めて別の方向から検討したほうがいいか)

ゼロ「分かった。時間を取らせてしまったな。作業に戻ってくれ」

カレン「はいっ」

藤堂「承知」

アッシュフォード学園 中庭

C.C.(全く……私は何を苛立っている……。馬鹿馬鹿しい)

シャーリー「会長、それ気に入ったんですか?」

ミレイ「かわいいでしょ?」ギュゥゥ

シャーリー「いや、まぁ、可愛いですけど」

ミレイ「折角、ルルーシュに取ってもらったんだもん。使ってあげないとルルーシュに悪いでしょ?」

シャーリー「……」

ミレイ「シャーリーも抱いてみたい?」

シャーリー「結構です!!」

ミレイ「そう?」ギュゥゥ

シャーリー「うぅ……!!」

C.C.「……」

シャーリー「会長。あの子がこっち見てますよ。やっぱり、会長がヌイグルミを抱きしめているのは珍しいんですかね」

ミレイ「そうかしら?いつも私はこんな感じだと思うけど」

C.C.「……」ギリッ

ブリタニア軍基地 技術部

ロイド「セシルくぅん。ちょっとテストしてみたいから、おねがぁい」

セシル「なんのテストですか?」

ロイド「いいから、筐体の中に入って」

セシル「わ、分かりました」

ロイド「セシルくん。聞こえる?」

セシル『はい。聞こえます』

ロイド「よぉし。では、稼動実験かいしぃ~」カチッ

セシル『な、なんですか、これ?』

ロイド「いいから戦ってみて」

セシル『は、はい……』

ロイド「――スザクくぅん?」

スザク『はい』

ロイド「んふふふ。よろしく」

スザク『了解しました』

筐体内

セシル「これは、やっぱり戦闘シミュレーションの……」

スザク『――セシルさん』

セシル「あ、スザクくん。スザクくんもモニターとして?」

スザク『はい』

セシル「でも、以前までのものとどこが違うのかしら?」

スザク『今までは味方同士でしか通信は出来ませんでしたが、オープンチャンネルモードにすることでこうして敵とも交信が可能になりました』

セシル「へぇ……。え?こうしてって……」

スザク『行きます。セシルさん』

セシル「ちょっと、待って!!」

スザク『ここでまた一つ、僕は上に行きます!!!』ガキィィィン!!!!

セシル「きゃぁぁぁ!!!!や、やめなさい!!」

スザク『セシルさん!!これは戦場です!!泣き言は通用しない!!!』

セシル「いや……!!」

スザク『ヴァリス!!!』ドォォォン!!!

ロイド「どう?相手とも会話できるようになったことでより本物に近くなったでしょ?」

スザク「ええ。とても臨場感がありますね」

ロイド「それに……」

スザク「それに?」

ロイド「ちょっとした新規定も設けようかなんて思ってね」

スザク「新規定ですか?」

セシル「うぅ……」フラフラ

スザク「セシルさん!?大丈夫ですか!?」

セシル「酔った……」

ロイド「まぁ、あれだけ激しい攻撃を受け続けたらねぇ」

セシル「あの、ロイドさん……乗り心地も悪くなってませんか?」

ロイド「当然だよ。ナイトメアは基本的に乗り心地悪いからねぇ」

セシル「そこまで再現しなくても……」

スザク「ロイドさん。素晴らしいです」

ロイド「さてと、この新機能を正式採用するための準備をしないとね」

ギルフォード「ロイド少佐」

ロイド「はいはぁーい、なぁに?」

スザク「ロイドさん、もう少し言葉には気をつけたほうが……」

ギルフォード「構わない、枢木。折り入って話があるのですが、時間はありますか?」

ロイド「用件によるかな」

ギルフォード「姫様のグロースターに関することだ」

ロイド「……僕に言うってことはあっちのほう?」

ギルフォード「ああ」

ロイド「あれ以上手を加えると誰も勝てなくなるよ?」

ギルフォード「あの、ここでは……」

スザク(何の話だ……?)

ロイド「今でも総督は十分強いじゃないの」

ギルフォード「だが、あの二人乗り用のナイトメアが本領を発揮すれば、勝てないのかもしれないのでしょう?」

ロイド「性能差を考えた場合ではね。でも、あれを扱うパーツが出てくるとは思えない」

スザク(新型機の話だろうか……)

数日後 アッシュフォード学園 生徒会室

ミレイ「ふんふーん」ギュゥゥ

カレン「ねえ、ミレイ会長はいつまであのヌイグルミを抱きしめているつもりなの?」

シャーリー「そんなの知らないよ。すごく気に入ってるみたいだけど」

リヴァル「……」

スザク「ルルーシュ」

ルルーシュ「どうした?」

スザク「まだ、あのゲームはプレイしているのかい?」

ルルーシュ「ああ、いや、時間がなくてな。あまりやっていない」

スザク「そうなのか……」

ルルーシュ「なんだ?何かあったのか?」

スザク「実はあの筐体機の新バージョンが出ることになってね。それのお披露目イベントが開催されることになって」

ルルーシュ「イベント?」

スザク「上位10名の対戦だ。僕も出るから、良かったら見に来て欲しいんだけど」

ルルーシュ(上位10名ということは……。コーネリアも出るのか……)

ニーナ「それ知ってる。主催はユーフェミア様なんだっけ」

スザク「うん。厳密には総督の考案らしいけど……」

ルルーシュ(上位の奴らとコーネリアが戦うのなら、データ収集は可能かもしれないな……)

シャーリー「今の上位10人ってどうなってるの?」

ニーナ「ええっと……」カタカタ

№1  閃光のお姉様  コーネリア・リ・ブリタニア    階級 エンペラー     3932戦3931勝1敗
№2  聖なる騎士    ギルバート・G・P・ギルフォード 階級 ナイトオブワン   3932戦3930勝2敗
№3  姫様命      アンドレアス・ダールトン     階級 ナイトオブツー   3714戦3711勝3敗
№4  雷光の皇女   メイド・イン・シスター       階級 ナイトオブスリー  6625戦6574勝51敗
№5  奇跡の見本市  ミラクル・ザ・トードー       階級 ナイトオブスリー  3559戦3531勝28敗
№6  超最強無敵   シャルル              階級 ナイトオブファイブ 4212戦4135勝77敗

№7  白き悪魔     スザク・クルルギ         階級 ナイトオブシックス 1711戦1659勝52敗
№8  電子の妖精    あーにゃ・あーるすとれいむ  階級 ナイトオブセブン  1703戦1649勝54敗
№9  弾ける紅蓮の炎 カレン・コウヅキ         階級 ナイトオブエイト  1712戦1656勝56敗

№10 おおぉぉぉぉほぉ おはようございましたあぁあ  階級 ナイトオブナイン  19542戦18865勝677敗

ミレイ「ほうー。順位が微妙に変わっているわね」

ルルーシュ「そのイベント戦、どこで見ることができるんだ?」

スザク「筐体機が設置してあるところならどこでも見れるみたいだ」

ルルーシュ「なるほど……」

カレン(今度こそコーネリアを……!)

別の日 ゲームセンター

リヴァル「おーい、そろそろ始まるってよー」

シャーリー「待ってよぉ」

ミレイ「ルルーシュ、またあとでヌイグルミとってくれる?」

ルルーシュ「時間があれば構いませんよ」

ミレイ「やっほぉー」

ルルーシュ(さてと、見せてもらいましょうか、姉上。貴方の戦術を……くくく……)

ユフィ『――え、えー、各会場にお集まりのみなさん、こんにちは。ユーフェミア・リ・ブリタニアです』

ニーナ「きゃー!!!ユーフェミアさまぁぁぁぁ!!!!」

ユフィ『今回のイベントはブリタニアの技術、そしてプレイヤーの技能を披露するために開かれることになりました』

ユフィ『存分に楽しんでくださいね』

ニーナ「はぁい!!!」

ルルーシュ(ユフィも大変だな……。別に自分が開きたくて開いたわけではないだろうに……)

ユフィ『では、ルール説明を行います。基本的なルールは変わりませんが今回から導入された新ルールがあります』

ユフィ『敵軍に寝返ることが可能になりました』

ざわざわ……

ルルーシュ「寝返ることができるだと……?」

リヴァル「こっちが負けそうになったら相手に寝返ってもいいってことか?」

ユフィ『ただし寝返ることができる人数は両軍ともに1名まで。1名が裏切ってしまうと他の人は裏切れません』

ルルーシュ「当然だな。全員が寝返ったら、戦いにならないし、ゲームが成立しない」

ミレイ「じゃあ、我先に裏切ればいいんじゃないの?」

ユフィ『裏切ったプレイヤーにはペナルティが存在します。三階級降格と名前欄に『裏切り者』と付くことになります』

シャーリー「それってペナルティなの?」

ルルーシュ「階級は下がっても上げれば済むが、もう一つのペナルティはかなり重いな」

ニーナ「どうして?」

ルルーシュ「名前は基本的に変更ができない。つまり『裏切り者』という名前はプレイし続ける限りは外せない。そして名前は常に表示される……」

ミレイ「わかった。味方になってくれる人が今後現れなくなるんだ」

ルルーシュ「そのような奴に背中を任せようとは思いませんからね。下手をしたら一生CPUとしか遊べない自体に……」

リヴァル「なんかそれ嫌だな」

ルルーシュ(だが、腕に余程の自身があるのなら、味方がいなくても問題はないだろう)

ブリタニア軍基地 技術部

セシル「でも、どうしてこのようなルールを?」

ロイド「戦場のリアリティを出すためだよ。折角、敵と交信できるようになったんだしねぇ、んふふふ」

セシル「それだけですか?」

ロイド「大事な一戦を落としたくないって人は使ってもいいと思うけどね」

セシル「使う人るんですか……」

ロイド「スザクくんはどう思う?」

スザク『自分は使うことがないと思います。特に上位の人間ほど』

ロイド「それはどうして?」

スザク『階級はプライドそのものだからです。それを落としてまで勝とうとする者はいないはずですから。上官からの命令でもない限りは』

ロイド「なるほど」

セシル「このシステム不備が多いような気もしますね」

ロイド「いいんだよぉ。僕が導入したかっただけなんだからぁ」

スザク『そろそろ始まりますね』

ロイド「がんばってね。総督以外に負けちゃったらかっこ悪いよぉ」

ゲームセンター

ランスロット『行きます!!!』

グローランス『どこからでもかかってくるがいい!!!』

シャーリー「いけー!スザクくーん!!」

ミレイ「どっちが勝つと思う?」

リヴァル「何賭けますか?」

ミレイ「んー。ジュースでどう?」

リヴァル「のった!俺は総督で」

ミレイ「あーん。賭けにならなぁーい」

シャーリー「ちょっと!スザクくんを応援しましょうよ!!」

ミレイ「でもねえ……」

グローランス『どうした枢木!!!止まって見えるぞ!!!』ガキィィン!!!

ランスロット『ぐわぁぁぁ!!!!――馬鹿な。完全に動きが読まれている……!!!』

ルルーシュ「……」

ルルーシュ(確かにコーネリアは常に先陣に立ち、部下よりも多くの戦果を挙げてきた女だ。操縦で誰かに劣るとは考え難い。だが、スザク相手にここまで圧倒できるものか……?)

コーネリアの部屋

ランスロット『ヴァリス!!!』バキュン!!!

グローランス『容易い!!温い!!甘い!!枢木ぃ!!!』ザンッ!!!

ランスロット『くそっ……!!なんて鋭い動きだ……!!!ランスロットが追いつけもしないなんて……!!!』

ユフィ「スザク……」

ギルフォード「流石は姫様。枢木も赤子同然の扱いだ」

ダールトン「我等の姫様だからな」

ユフィ「でも、おかしくありませんか?」

ギルフォード「なにがでしょうか?」

ユフィ「確かにお姉様、いえ、総督は素晴らしい操縦技術の持ち主です。でも、スザクだってすごく操縦は上手ですし、乗っている機体だってグローランスよりも高性能のはず」

ユフィ「なのにどうして、あんなにもワンサイドゲームに……」

ギルフォード「それはですね、ユーフェミア様。コーネリア総督だからです」

ユフィ「あの、答えになってない気が……」

ダールトン「姫様は無敵です」

ユフィ「……」

ゲームセンター

ジークフリート『おおぉぉぉぉぉぉおおおお!!!!!!!!!忠義の嵐ぃぃぃ!!!!!!』

紅蓮『ぬぁんたるおろかしさかぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!ふぅぅぅぅくしゃぁほどぉうう!!!!!!』

シャーリー「あーあ。スザクくん負けちゃった。リヴァルが応援してあげないから」

リヴァル「俺の所為かよ!?総督が強かっただけだろ!?」

ニーナ「ユーフェミア様、もう出てこないのかなぁ……」

ミレイ「終わったなら、ルルーシュ。クレーンゲームしよっか」

ルルーシュ「……」

ミレイ「ルルーシュ?どうかしたの?」

ルルーシュ「すいません。用事ができました。俺はこれで失礼します」

シャーリー「え?ちょっとルルー!?」

ミレイ「ルルーシュ!!ヌイグルミー!!!」

リヴァル「おい!!ルルーシュ!!!最後まで見ないのかよ!!!」

グローランス『貴方が雷光の皇女。いつか戦いたいと思っていた』

ガウェイン『そうですか。とても光栄です、電子の妖精さん』

黒の騎士団 アジト

ゼロ「今日はやけに人が少ないな」

ラクシャータ「あら、ゼロ。今日は夜からの出勤じゃなかったっけ?」

ゼロ「少し確認したいことがあってな。今、手が空いている者は?」

ラクシャータ「ああ、向こうに何人かいたけどぉ?」

ゼロ「そうか。ラクシャータも暇なら少しばかり見て欲しいものがある」

ラクシャータ「つまらないものなら、みないよ」

ゼロ「ナイトメアに関することだ。専門家の意見も訊きたい」

ラクシャータ「りょーかい」

ゼロ「次は……」

ゼロ「――入るぞ」ガチャ

千葉「ゼロか。どうした?」

朝比奈「今日は非番じゃなかったっけ?」

ゼロ「丁度いい。二人とも、こちらに来てくれるか?」

千葉「なんだというんだ……」

会議室

ゼロ「休憩中に申し訳ない。まずはこれを見て欲しい」ピッ

グローランス『枢木ぃ!!!!』ザンッ!!!

ランスロット『うわぁぁぁぁ!!!!』

千葉「これは?」

ゼロ「今、開催中のとあるゲームイベントの様子を録画してきたものだ」

ラクシャータ「それで?」

ゼロ「プレイしているのは、コーネリアと枢木スザクだ。それで各人に訊きたい。何か違和感はないか?」

朝比奈「違和感……?」

グローランス『であぁぁぁ!!!!』

ランスロット『くっ!!!スラッシュハーケンで……!!』バシュッ!!!

グローランス『遅い!!!』ギィィィン!!!

千葉「……人間の反応速度ではないな。こんな奴がもし現実の戦場にいたら、戦局がどんな状況だろうと一気に覆るだろう」

ラクシャータ「ナイトメアの動きにしては気持ち悪いぐらいに機敏だねぇ。リアリティの欠片もないよ、このグローランス。プリン伯爵のほうは可愛げがあるのにさ」

ゼロ(やはりか……。各人がこう言うのならまず間違いないな……)

ユフィの部屋

スザク「申し訳ありませんでした」

ユフィ「良いのですよ、スザク。相手が悪かったとしか……」

スザク「ですが、その後の戦闘でも無様な姿を……」

ユフィ「お姉様に惨敗したことを引き摺ってしまっただけでしょう?」

スザク「自分の心が弱い証拠です」

ユフィ「スザク……」

スザク「これから訓練の時間を増やそうと思います。それでは」

ユフィ「待ってください、スザク!」

スザク「ユーフェミア様……」

ユフィ「おかしいと思いませんでしたか?」

スザク「……」

ユフィ「お姉様の強さはやはり……!!」

スザク「それは……」

ユフィ「きっとお姉様の実力以外の何かが働いていると思うのです。だって、あんなにもあっさりスザクが負けるなんておかしいですっ!!!ぜったいっ!!!」バンバン!!

スザク「落ち着いてください!!」

ユフィ「だって!!」

スザク「自分も薄々は感じていました。総督の腕は相当なものであり、並大抵の軍人では歯が立たない。でも、あれだけ圧倒的なのには違和感があります」

ユフィ「やっぱり!」

スザク「ですが、それを確かめる術はありません。いや、あったとしても総督の不正を詳らかにすることは自分にはできません」

ユフィ「お姉様が間違っているのに!?」

スザク「組織とはそう言うものです」

ユフィ「スザク!!!」

スザク「気づいたとしてもそれを正す力は僕にはないんだ、ユフィ」

ユフィ「そんな……そんなことって……」

スザク「すまない」

ユフィ「プレイヤーの皆さんはお姉様という目標を目指し、日々遊技場で汗水流して得たお金で練習しているというのに……」

ユフィ「お姉様は国民を平然と裏切り、そればかりか毎日何十人の人に絶望を与え、優越感に浸っているのです!」

スザク「ユフィ……」

ユフィ「こんなことが罷り通っていいと思いますか!?私は思いません!!!」

スザク「それは僕も同じ気持ちだけど……」

ユフィ「スザク。副総督として命じます。お姉様……いえ、コーネリア・リ・ブリタニアがあの戦闘シミュレーションにおいて不正を働いているのかどうか、調べなさい」

スザク「そ、それは……!!」

ユフィ「……お願いします。こんな姑息なことお姉様に続けて欲しくないのです」

スザク「――イエス、ユア・ハイネス」

ユフィ「スザク……!!」

スザク「調べてみます。それで不正が発覚した場合はどうされますか?」

ユフィ「無論、全世界にいるであろうユーザーの皆さんに向けて謝罪の弁を述べてもらいます」

スザク「分かりました」

ユフィ「スザク、気をつけて」

スザク「ああ」

スザク「……」

スザク(とは言ったものの、どうすればいい……?)

スザク(開発責任者であるロイドさんに訊けば不正の有無自体はすぐに分かるだろうけど、そこからどうやって総督を説得する……?)

スザク(どうしたらいいんだ……)

ルルーシュの部屋

咲世子「もう少しでしたね、ナナリー様」

ナナリー「はい。残念です」

ルルーシュ「ただいま」

ナナリー「お兄様っ!」キャッキャッ

咲世子「おかえりなさいませ」

ルルーシュ「いい子にしてたか?」ナデナデ

ナナリー「はい。今日はもうおでかけにならないのですか?夕食はご一緒できますよね?」

ルルーシュ「ああ。でも、少し自室で調べ物をしたいんだ。そのあとでな」

ナナリー「はいっ」

咲世子「夕食の準備はいかがいたしましょうか?」

ルルーシュ「俺がやるんで……。ああ、でも下拵えはお任せしてもいいですか?」

咲世子「はい。喜んで」

ナナリー「お兄様、待ってますから」

ルルーシュ「ああ。2時間後には夕食にしよう」

C.C.「不正行為?」

ルルーシュ「まず間違いない。あれだけ駆動の細部に至るまでリアルに作りこんであるのに、コーネリアの機体だけ挙動がおかしい」

ルルーシュ「どう見ても人間の限界を超えた動きを見せている」

C.C.「そうなのか」

ルルーシュ「恐らく何らかのプログラム改変が行われていて、コーネリアの機体だけ他とは異なるステータスになっている。勿論、反則なほど高く設定されてな」

C.C.「それがどうした?不正行為が本当ならお前の目論みは完全にご破算だな。コーネリアは本来の戦術ではこないのだから」

ルルーシュ「確かに当初の目的は達成できない。が、あることを思いついた」

C.C.「なんだそれは?」

ルルーシュ「ブリタニアの皇女、それもこのエリア11を取り仕切る総督様が堂々と不正を行い、国民を虐めている。これが公表されることになればどうなると思う?」

C.C.「コーネリアの人気は落ちるだろうな」

ルルーシュ「更に軍用の戦闘シミュレーション機であることから、内部でも多用されている機器であることは明白だ」

ルルーシュ「不正が発覚すれば、内部の支持率も落ち込むことが期待できる。そうなれば、付け入る隙も多くなる」

C.C.「お前の考えは理解したが、どうやってその不正を暴くつもりだ?トップの謀を引きずり出すことは不可能に近いぞ」

ルルーシュ「簡単ではない。だが、不可能ではない」

C.C.「……」

翌日 学園 屋上

スザク「ルルーシュ、どうしたんだい?こんなところに呼び出して」

ルルーシュ「スザク。昨日の対戦、見せてもらった」

スザク「は、はずかしいな……。かっこ悪いところを見せてしまって……」

ルルーシュ「――これでいいと思っているのか?」

スザク「……え?」

ルルーシュ「どうなんだ?」

スザク「な、なんのことを言っているんだ?」

ルルーシュ「コーネリアは何らかの反則を犯している。そうじゃないのか?」

スザク「……!!」

ルルーシュ「殆どの者はコーネリア総督なら当然だと納得しているようだが、一部の人間はとっくに違和感を覚えているぞ」

スザク「……」

ルルーシュ「あの戦闘シミュレーションを平民でも扱えるようにしている理由がわかった。要するにコーネリアは強いから誰も逆らうなってことを広めるためなんだろ?」

スザク「ち、違う!!!あれはロイドさんが純粋に……!!!」

ルルーシュ「ならば、あのコーネリアの強さはどう説明するつもりだ!!!お前が圧倒されるなどおかしいだろうが!!!」

スザク「ルルーシュもユフィと同じことを言うんだな……」

ルルーシュ「ユフィ?」

スザク「……昨日、あのゲームの開発責任者を問い質した」

ルルーシュ「答えは?」


ロイド『あはぁ~、お、め、で、とぉ~!!!だいせ~かい!!コーネリア総督はチート使ってまぁ~す!!!』

セシル『えぇ!?そうなんですかぁ!?!』


スザク「って、言ってたよ」

ルルーシュ「やはりか……」

スザク「でも、総督は――」


コーネリア『私が不正を働いているとでもいうのか!?この私が!!!私は誇り高きブリタニアの皇族なるぞ!!!そんな惰弱なことをするのは愚か者だけだ!!!』


スザク「って……」

ルルーシュ「まぁ、そういうだろうな」

スザク「総督がそう言った時点で僕は何も言えない。それ以上、総督を問い詰めることはできないんだ」

ルルーシュ「コーネリアもコーネリアだが、そのロイドという男も大概だな」

スザク「ユフィは不正を暴き、総督に謝罪させると言っていたが無理に決まっている……」

ルルーシュ「スザク、方法があるとしたらどうする?」

スザク「……え?」

ルルーシュ「コーネリアが額を地につけて謝らせることができる方法があるとしたら、どうする?」

スザク「そんなこと……!!!」

ルルーシュ「できるんだよ。俺ならな」

スザク「ルルーシュ……」

ルルーシュ「だが、お前の協力は必要不可欠だ。お前がいなければ成功はしない」

スザク「……わかった。やろう」

ルルーシュ「よし。そうと決まればこちらも準備をしなければならないな」

スザク「準備?」

ルルーシュ「奴の不正を暴くならやはりそれに見合った場所でなければならないだろ?」

スザク「ルルーシュ……君は……」

ルルーシュ(見ていろ、コーネリア……。逃げ場を失った貴様が泣き出してしまうところを全国ネットで放送してやるからな……!!フフ……フフハハハハハハハ!!!!!)

C.C.「練習だと?」

ルルーシュ「この計画の絶対条件として、コーネリアを追い詰める必要があるからだ」

C.C.「断る。カレンに頼め」

ルルーシュ「カレンには紅蓮に乗ってもらうことになっている」

C.C.「なら枢木でいいだろ」

ルルーシュ「スザクにはランスロットに乗ってもらう」

C.C.「……どういうことだ?」

ルルーシュ「相手はプログラムを弄っている。通常のルールではまず勝負ならない。とある特別なルールで執り行う」

C.C.「なんだそれは?」

ルルーシュ「3対1で戦う。俺たちは3機、コーネリアは1機だけだ」

C.C.「そんな土俵に上がってくれるかな?」

ルルーシュ「くれるに決まっている。奴の最大にして唯一の欠点はユーフェミアだからな。ユーフェミアからの頼み事ならすんなり通るはずだ。しかもこれはレクリエーションの一環だ」

C.C.「……」

ルルーシュ「もう役者は俺とお前しかいないんだ。C.C.、やってくれるな?」

C.C.「……」

黒の騎士団 アジト

カレン「紅月カレンです!!」

ゼロ「入ってくれ」

カレン「失礼します!!」

ゼロ「カレン、例の体感戦闘シミュレーションゲームだが……」

カレン「は、はい!!ゼロがダメというなら、もうしません!!!」

ゼロ「そんなことは言っていない。寧ろ続けてほしいぐらいだ。お前は上位に入るだけの実力があるのだろう?」

カレン「それは……一応……」モジモジ

ゼロ「今度、このような催しがある」スッ

カレン「なんですか……?」ペラッ

ゼロ「コーネリアとの直接対決。よくあるイベントバトルだな。勝てば無条件で階級がエンペラーになるそうだ」

カレン「エ、エンペラー……!!!一人にしか与えられないという……階級を……!!!」

ゼロ「参加してくれないか?ついでにコーネリアの戦闘データの収集もお願いしたい」

カレン「は、はい!!!紅月カレン!!!がんばって、コーネリアを倒してエンペラーになります!!!」

ゼロ「フフハハハハ。頼もしいな。期待している」

格納庫

ラクシャータ「届いたみたいだねぇ」

藤堂「これは……!!!」

ゼロ「来たか」

藤堂「ゼロ!!この筐体機はもしや……!!!」

ゼロ「巷で流行しているそうだな。私は良く知らないが」

藤堂「なぜ、これを……?」

ゼロ「ナイトメアの戦闘訓練に最も適しているという話を耳にしてな。思い切って2台購入した」

玉城「すっげぇぇぇ!!!これめちゃくちゃ高額だろぉ!?」

ゼロ「安い買い物ではなかったな」

玉城「うっひょー!!これでやりたい放題じゃねえかよぉ!!!」

ゼロ「触るな!!」

玉城「え……?」

ゼロ「これは私とカレンのみで使う。ほかの者は今まで通りだ」

藤堂「差別はいかんぞ、ゼロ」

カレン「わぁぁ……!!!」

ゼロ「カレン。これで練習するがいい。コンティニューは無限だ。そしていつでも世界中の猛者とも対戦ができる」

カレン「い、いいんですか……?本当に……?」

ゼロ「君の働きを鑑みれば当然の報酬だろう」

カレン「わーい!わーい!」キャッキャッ

ゼロ(なんて無邪気な笑顔だ。黒の騎士団旗上げ以来、あのような笑顔は初めて見るな……)

カレン「もう一台は、二人乗り専用の奴ですね。どうしてこれを?」

ゼロ「ガウェインという機体はブリタニアの次世代機らしいからな。その研究も兼ねている」

カレン「そうなんですか」

ゼロ「それに君の練習相手を務めるなら、これぐらいのスペック差がないとな」

カレン「ゼロが私の練習相手になってくれるんですか!?」

ゼロ「相手になればいいがな」

カレン「嬉しいです!!」

ゼロ「そうか。では、早速始めようか」

カレン「はいっ!でも、ゼロのパートナーは……?」

筐体内

カレン『なんで、C.C.なのよ』

C.C.「文句あるか、小娘」

カレン『……』

ゼロ「カレン、不服か?」

カレン『い、いえ……そんなことは……』

ゼロ「ならば、始めるか。コーネリアとの決戦まで時間に余裕があるとは言い難いからな」

カレン『わかりました』

C.C.「全く。どうして私が児戯に参加しないといけないのだろうな。悲しくて涙もでないよ」

ゼロ「だが、お前は参加を決めた。ならば、あとは全力でやれ」

C.C.「共犯者だから仕方なくだ。それに私しかいないのだろ?」

ゼロ「その通りだ」

C.C.「なら、仕方が無い」

ゼロ「ふっ。行くぞ、魔女」

C.C.「私に命令するな、坊や」

カレン『であぁぁぁぁ!!!!!』ガキィィン!!!!

ゼロ『おい!!何をやっている!!!』

C.C.『耳元で怒鳴るな。鼓膜が破ける。私の鼓膜は繊細なんだからなっ』

ゼロ『貴様の鼓膜はすぐに再生するだろうが!!!』

C.C.『そういう問題か?ほう、お前が私のことをどう思っているのか垣間見たぞ』

ゼロ『いいから間合いを取れ!!!』

C.C.『そんなことしてもカレンは簡単に詰めてくる』

ゼロ『私がハドロン砲を用いて牽制するに決まっているだろうが!!!』

C.C.『そんな絵空事が成功するのか?にわかには信じられないな』

ゼロ『何だと!?きさまぁ!!!!』

C.C.『怒鳴るなって言っている。分からないのか?』

ゼロ『お前は言われたことに従っていればいいんだ!!!』ゲシッゲシッ

C.C.『お前!!!今、シートを蹴ったな!!!表に出ろ!!!』

ゼロ『望むところだ!!!!』

カレン『……』

コーネリアの部屋

コーネリア「特別イベント……?」

ユフィ「はい。先日のイベントを見て、考えました」

コーネリア「ふむ。私が選出された3名と対戦するのか」

ユフィ「はい。もはやお姉様に勝てる、いえ、勝負ができるプレイヤーはあの雷光の皇女以外にはいません。その雷光の皇女という人も結局お姉様には勝てませんし」

コーネリア「ふっ。当然だ、ユフィ。私は無敵だからな」キリッ

ユフィ「ですので、3対1の変則対戦を企画してみました。とはいえ、お姉様の勝利は揺ぎ無いと思われます」

コーネリア「だろうな」

ユフィ「同時に3体を相手にしても勝利をもぎ取る王者。お姉様は国民から英雄となること間違い無しです」

コーネリア「英雄か。そんなもの欲していないが、貰える物は貰っておこうか」

ユフィ「私としましても、お姉様の勇姿を間近で見たいですし」

コーネリア「……そうか。ならやろう。このイベントを」

ユフィ「流石、お姉様っ」

コーネリア(3体だろうが私の勝利は絶対に揺るがない……!!絶対に!!!!)

ユフィ「……」

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom