ミカサ「…こうじ?」 (105)
・進撃の巨人
ミカサが食料事情を向上させるお話です。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1373203979
ミカサ母「この刺繍は私たちの一族が代々伝えてきたものなの」
ミカサ母「ミカサも自分の子どもができたら教えてあげるのよ?」
ミカサ「子供はどうやったらできるの?」
ミカサ母「さぁ、実際に見た方が早いかしら?おとうさんに聞いてみましょう」
ミカサ父「おーい、かあさーん!?」
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
ミカサ「(夢を見た。まだお父さんとお母さんがいた時の)」
ミカサ「(…なんて言ってたっけ?)」
ーー夕方 食堂
アルミン・マルコ「「いただきます」」
アニ「なんだいそのあいさつは?」
ミーナ「それ知っている!ミカサが教えてくれたやつだよね」
マルコ「ああ、すばらしいことだよね。命に感謝か」
アルミン「時々忘れるけど、パンなんかも元は小麦だから」
アルミン「小麦だって生きてるから、命があるんだよ」
アニ「ああ、たしかにそうだね」
ーーーー
ミカエレ「「いただきます」」
ジャン「ミカサよぉ、前から思ってたんだがそのマフラー暑くねぇのか?」
サシャ「そうですね。もう初夏ですから」
ミカサ「そんなことはない、あったかい。」
ミカサ「これはエレンからもらった宝ものだから、外さない」
エレン「こいつは昔から言い出したら聞かないからな」
ジャン「うらやましーんだよてめぇは!」
エレン「ジャン!離せよ破け、いやお前の飯がなくなるぞ?」
ジャン「ああ?あぁー、サシャてめぇ魚持ってくんじゃねぇ」
サシャ「ふーっ、獲物を狩るのに作法が必要ですか?ジャン」
ジャン「いや、人間だからマナーは必要だろうが」
ーー夕食後 掃除
マルコ「なんだこの白い塊?」
ミーナ「きゃーっ、それカビの塊だよね?」
サシャ「それは私のおやつですよぉ」
マルコ「何を言ってるんだよ、捨ててもいいだろ?」
ミーナ「そうだよサシャ、こんなの食べたらお腹こわしちゃうんだからね?」
サシャ「それがですね、麦の絞りかすにそのカビが生えるとですね、なんとあまぁいんですよ」
ーーーー
サシャ「飴がなくなったらそれをたべるんですよ」
ミーナ「そ、そう?でもサシャ、お腹壊さないでね」
サシャ「大丈夫ですよ、狩猟民だから鼻はいいんです。これは大丈夫な匂いです」
ミカサ「確かに、大丈夫そう」スンスン
サシャ「ですよね、ミカサ。わかっていただけると思いました」
マルコ「まぁミカサが言うなら」
ミーナ「大丈夫かな?」
ーーーー休日前 夕方 食堂
マルコ「王の近くでの仕事なんて、こんな光栄なことはない」
ジャン「おいマルコ、お利口ぶらないで言えよ本音を!」
マルコ「少なくとも僕は本気だよ」
コニー「そうだぜ、ジャン。マルコは明日も孤児院に行くってんだからよ」
サシャ「なるほど、そんな方法もあったんですね。勉強になります」
ジャン「おいおい、そんなことしてたのかよ。さすがだぜ、マルコ」
マルコ「僕はそんなつもりじゃ」
コニー「ところで何で孤児院に行くのと憲兵団になるのが関係あるんだ?」
サシャ「後でおしえてあげますよ」
ーーーー
現在勝手に付け加えた情報
サシャの村では狩猟を中心に生計を立てている。副業で馬の飼育を行っている。
コニーの村では狩猟と牧羊で生計を立てている。
ーーーー
アニ「ジャンはともかく、マルコは違うだろうね」
ミーナ「マルコはすごいよねー」
アニ「ミーナはマルコに気があったのかい?」
ミーナ「別にそんなんじゃないんだからね。ただマルコは素敵だなーって」
アニ「…そうかい」
ーーーー
アニ「なぁ、マルコ。私達もついて行っていいかい?」
アニ「私も憲兵団には入りたいからね」
マルコ「アニまで。別に僕は」
ミーナ「分かってるよマルコ、私が行きたいの。アニは代わりに言ってくれただけなんだから」
コニー「へぇ、あのアニが。めずらいし事もあるもんだな」
サシャ「アニはやさしいんですよ?この前だって4人がですね…」
アニ「サシャ、ちょっと黙ってな」
マルコ「ふーん?じゃあみんなで行こう」
ーーーー休日 朝市
マルコ「みんなありがとう。いつもは僕だけだからあんまり重い物はもてないんだよ」
ミーナ「マルコって結構力あるんだね。その袋、アニが入るくらいの大きさじゃない?」
アニ「なら軽いじゃないか。ミーナも結構持つんだね。でっかい袋だよ」
ミーナ「この中身はパンだから、マルコのは芋だから重いよね。」
マルコ「まぁこれも訓練だと思えばね。アニのもっているサシャ飴だってそれだけの量になったら重いだろ?」
マルコ「今日は助かったよ。みんなありがとう」
アニ「けど、やっぱりあいつがすごいね」
ミーナ「ほんとだよね」
ジャン「重てぇええ」
ーーーー
アニ「あんた、一体何をもってるんだい?」
ジャン「知らねえよ、おもてえぇ」
マルコ「…豆かすだよ」
ミーナ「なんで?孤児院で動物を飼っているの?」
マルコ「家畜はいない、子供たちが食べるんだ」
ミーナ「なんで?それは飼料でしょ?」
マルコ「食べる物がないんだよ。ウォールマリアを巨人に突破されてから孤児が激増したからね」
アニ「…」
マルコ「王政支援も末端まで届ききっていないんだ。」
ミーナ「酷い、子どもを家畜みたいに」
マルコ「それでも生きるためには食べなきゃいけないんだ」
ーーーー
アニ「ごめんなさい」
ミーナ「どうしたのアニ?」
アニ「ごめんなさい、少し体調が。先に帰らせてもらうね」
ミーナ「大丈夫?私もついてくね」
アニ「大丈夫だよ、ちょっとひとりになりたいから」
ミーナ「気をつけてね?」
アニ「ありがと」
ーーーー昼 孤児院
マルコ・ミーナ「「こんにちは」」
修道女「これはボットさん、こんにちは」
修道女「そちらの女性は?」
マルコ「訓練兵団の同期のーー」
ミーナ「ミーナ・カロライナです。よろしくおねがいします」
修道女「カロライナさんですね、よろしくおねがいします」
修道女「あと、すでに子どもたちと遊んでくださっている方は?」
ーーーー
ジャン「やめろ、お前ら!俺はつかれてんだ」
男の子「わーいお馬さんだー」
女の子「マルコがお馬さんを連れてきてくれたー」
ジャン「やめろ、俺は馬じゃねー」
キャッキャ
マルコ「ジャン・キルシュタインです」
マルコ「挨拶はまだですが、彼はいい奴です」
修道女「ええ、わかりますよ。あなた方と同様に素敵な方です」
ーーーー昼食 孤児院
修道女「祈りましょう。マリア、ローゼ、シーナ、そして我々の友人に」
子どもたち「「いただきます!」」
ミーナ「あっ、あの挨拶をつかってるんだね」
マルコ「とてもいい言葉だからね。シスターに話をしたら気に入ってくれて」
修道女「ええ、素晴らしい言葉には力がありますので」
男の子「お馬のおにいちゃんにんじんだよー」
ジャン「やめろー、俺は馬じゃねー」
女の子「お馬さんはにんじんがすきなんだよー」
ーーーー
マルコ「すっかり仲良くなったな」
ミーナ「そうなのかな?」
修道女「子どもなので、内面を見抜くのでしょう。本当に素敵な方です」
ミーナ「えぇー?そんなことないですよ」
ミーナ「ジャンはですね、内地で暮らしたいから訓練兵をやってるんですよ」
ジャン「そうだよ、俺は内地での快適な暮らしを教授するんだ」
ミーナ「あ、お馬さんが戻ってきた」
ジャン「馬じゃねーよ」
ーーーー
ジャン「マルコよぉ、こんなことして割に合うのか?すくねー給金と休みを使ってガキどもの面倒をみるなんてよ」
ミーナ「ジャン、何てこというの!」
ジャン「うるせーよ、ミーナ。シスターさんもよ、ローブで隠れちゃいるがあんた痩せすぎだぜ?」
ジャン「大方、自分の分までガキどもに食わせているんだろうよ」
マルコ「シスター?それは本当ですか?」
修道女「…子ども達は笑っているべきなんですよ」
ジャン「マルコこれが現実だ。お前が心臓を捧げたい王なんてこんなもんなんだよ」
ジャン「訓練兵とはいえ俺らも明日死ぬかもしんねーんだ。自分に正直になれよ」
ーーーー
マルコ「ジャン、君の言いたい事もわかるよ」
マルコ「けど、王はこの国の象徴だ。あの時は言えなかったけれど」
マルコ「僕はこの国を護りたいんだ」
ミーナ「…」
マルコ「今は、今の僕にできることをやっている。それは間違ってるかい、ジャン?」
ジャン「まじかよ。お前、死に急ぎ野郎と反対方向のバカだな」
ジャン「護国の英雄様かよ」
マルコ「何とでも言えよ」
ーーーー
ジャン「はっ、なら俺はそんな英雄様に投資をしておかないとな」
マルコ「なんだよジャン。このお金は」
ジャン「お前への投資だよ。自己犠牲じゃなにも得られねーからな」
マルコ「ジャン、君は」
ミーナ「私も投資しようかな、それに3人なら子ども達の世話もできるからね」
マルコ「ミーナまで」
ーーーー
ジャン「ちょっとまて、ミーナ。俺はここに来るとはいってねーだろ」
ミーナ「いいじゃない、子ども達もお馬のおにいちゃんに会いたがってるんだから。ねぇー?みんな!」
子供たち「「またあそんでねー、お馬のお兄ちゃん」」
ジャン「だから馬じゃねー」
ボクモノセテーワタシモー
修道女「本当に、素敵な方々です」
マルコ「ええ、自慢の仲間たちです」
ーーーー夜 食堂
ミーナ「ーーってマルコが言ったんだから」
サシャ「マルコかっこいいです!」
ミカサ「マルコは自分を知っている。きっと実現するだろう」
ミーナ「そういえば、アニは体調大丈夫だった?」
アニ「私は何ともないよ。むしろお馬さんを連れて帰れなくてわるかったね」
ミーナ「うん?」
サシャ「あぁ、そういうことですか。アニはやさしいですね」
ミカサ「アニは人の気持ちをくみとれる」
アニ「…そんなんじゃないよ」
ーーー
ミーナ「でね、本当に味も何もついてなかったの」
ミーナ「大きな子たちは我慢して流し込めるみたいだけど、小さな子たちはそれもできなくて」
ミーナ「シスターが自分の食費を削ってまで食べさせてて」
ミーナ「マルコが行くようになってからはましになったみたいなんだけど」
サシャ「働けばいいのではないですか?」
サシャ「働かざるもの食うべからずですよ」
アニ「…あんた結構きついね」
ーーーー
ミカサ「小さな子どもを連れて行ける場所は、開拓地しかない」
ミカサ「しかし、開拓地の環境が孤児院よりもいいとは思えない」
ミカサ「それに」
ミカサ「子ども達の故郷はここなのだろう」
アニ・サシャ「(…故郷)」
アニ「孤児院でできる仕事はないもんかね」
ミカサ「あ」
サシャ「どうかしましたか、ミカサ?」
ミカサ「…こうじ?」
ーーーー
ミーナ「ミカサ、サシャをつれてどこかに行っちゃったね」
アニ「二人共何考えているかわかりにくいからね」
アニ「けどまぁ、悪いことはしないさ」
ミーナ「アニはみんなのことをよく見てるね」
アニ「別にそんなんじゃないよ」
ミーナ「照れちゃって〜、うりうりー」
アニ「はいはい、そこまでにしな」
ミーナ「あいたっ」
ーーーー夕方 女子宿舎
サシャ「いやです」
サシャ「そのおやつは渡しません」
サシャ「カビが生えてても私のおやつです」
ミカサ「こんど市場で食べ歩きをしよう」
サシャ「で、ミカサ?このカビの生えた麦をなににつかうんですか?手伝いますよ」
ミカサ「ありがとう、これを使ってーー」
ーーーー
サシャ「そんなことができるとは、ミカサは神様ですか?」
ミカサ「ちがう。けど、サシャがその麦を残しておいてくれてよかった」
サシャ「フーッ、感謝してくださいねー」
ミカサ「ありがとう、サシャ」ナデナデ
サシャ「あれ?なんか照れますね」
サシャ「ところで、手伝うとは言いましたが」
サシャ「ミーナとマルコに手伝ってもらうのはどうでしょうか」
ーーーー
ミーナ「やる。マルコとやる」
マルコ「そんなことができるなんて。ありがとう、ミカサ」
ミーナ「材料はどうしようか?孤児院の帰りだと遅くなるよね?」
ミカサ「私が行こう。サシャと行けばなんとか持ち帰ることができるだろう」
サシャ「ミカサ、さすがに2人では持ちたくないですよ。」
サシャ「ですから、お馬さんを連れて行きましょう」
ーーーー休日 市場
サシャ「ありがとうございます、ジャン」
サシャ「おかげさまで荷運びが楽になりました」
ジャン「なんで俺がこんなに背負ってるんだよ」
サシャ「おや?ジャンは美人2人に荷物を運ばせるつもりですか」
ジャン「てめぇ、芋女」
ミカサ「ジャン、私達はとても助かっている。ありがとう」
ジャン「ああ!」
ジャン「(まぁ悪い気はしねーな)
ーーーー休日 孤児院
男の子「ミーナも空を飛ぶのー?」
ミーナ「そうだよ、悪い巨人をやっつけちゃうんだから」
女の子「ミーナすごーい」
ミーナ「すごいでしょー、マルコだって飛ぶんだからね」
男の子「マルコもすごーい。二人が巨人をやっつけてくれたら」
男の子「お父さんとお母さんに会いにいけるかなー」
マルコ「それは…」
ミーナ「会えるよ!会えるんだから」
ミーナ「だからちゃんと食べて大きくなって会いに行こうね」
子供たち「「はーい」」
ーーーー
ミーナ「…嘘ついちゃった」
ミーナ「子供たち裏切っちゃったかな」
マルコ「そんなことはない!」
マルコ「僕たちも子供たちも今を生きなきゃいけないんだ」
マルコ「希望がなければその今も生きられないじゃないか」
マルコ「僕だけじゃ、あの言葉は出せなかった」
マルコ「ミーナがいてくれて良かった」
ミーナ「…うん!」
−−−−夕方 調理室
ミカサ「まず水につけておいた裸麦を蒸す」
マルコ・ミーナ「それで?」メモメモ
ミカサ「人肌に冷ましたら」
ミカサ「サシャかびを混ぜる」
マルコ「それはサシャの持っていた白カビかい?」
ミーナ「ミカサ、カビにサシャって名前つけるのやめようよ…」
ミカサ「かまわない。混ぜたら煮沸した布でくるんで保温する」
ミーナ「普通の布じゃダメ?」
ミカサ「ダメ。サシャ以外のカビが生える、これ以外の道具も煮沸して使う」
ーーーー
続きは明日の21:00頃から書き込みます
ーーーー翌日
マルコ「少し甘いにおいがするね」
ミカサ「サシャが育ってきている。熱くなるので少し混ぜて冷ましてあげる」
マルコ「なるほど」メモメモ
ミーナ「サシャ怒らないかなあ」
ミカサ「明日つかうので、豆かすを水に浸しておく」
ミーナ「うん」メモメモ
ーーーー翌日
ミーナ「昨日より甘いにおいだね」
ミカサ「十分に育ったので塩と混ぜる」
マルコ「混ぜるとどうなるんだい?」
ミカサ「サシャが死ぬ」
マルコ「えっ?ああ白カビか…」
ミカサ「そしてサシャの能力だけが塩に移る」
ミーナ「能力って何?」
ミカサ「大豆をみそに変える」
ミカサ「みそはおいしい、豆かすよりすごくおいしい」
ーーーー
ミカサ「そう、今私たちが作っているのは」
ミカサ「マルコみそ」
マルコ「」
ミーナ「みそってなに?」
ミカサ「説明できない、ので名前を変える」
ミカサ「私たちが作っているのは」
ミカサ「マルコミーナ」
ミーナ(食堂でのサシャの気持ちが)
マルコ(ああ、わかった気がする)
ーーーー
ミカサ「茹で上がった豆かすを潰してーー」
マルコ「メモ」
ミカサ「塩サシャを混ぜてーー」
ミーナ「メモ」
ミカサ「そしてミーナボールを作って樽に投げつける」
ベッタンベッタン
マルコ・ミーナ「(なんか楽しい)」
ーーーー
ーーー
ーー
ーーーー
ミカサ「これで完成」
ミーナ「結構疲れたね」
マルコ「けどこれなら外に出なくてもできるね」
ミカサ「あとは季節が変わるまで寝かせておく」
ーーーー休日 孤児院
マルコ「仲間が作り方を教えてくれたんですよ」
マルコ「うまく行けば、孤児院で作られるようになります」
ミーナ「彼女は信頼できるのできっとうまく行きます」
修道女「えぇ、あなた方のご友人です。きっと素敵な方なのでしょう」
修道女「キルシュタインさんを見ればわかります」
女の子「お馬のおにいちゃん、もっと速くー」
ジャン「うるせー、俺は馬じゃねー」
マルコ「ええ、悪態はつきますけどいいやつなんですよ」
ーーーー夕方 食堂
ジャン「全く、信じられねーガキどもだぜ」
ミーナ「すっかり人気者じゃない、お馬のおにいちゃん」
マルコ「そうだよ、ジャン。君ほど馬が似合う男もいないよ」
ジャン「てめぇら…」
ミカサ「きっとやさしい馬なのだろう。子どもは正直だから」
ジャン「…」
ーーーー休日 孤児院
ジャン「おらぁ、お前ら振り落とされんなよ!」
男の子「あわわわわ、お馬のお兄ちゃんすごーい」
女の子「速ーい」
女の子「マルコー、馬術を教えてー」
マルコ「まかせて、行くよジャン!」
ジャン「おい、バカ!やめろ」
ーーーー夕方 食堂
ミーナ「ふふっ、孤児院じゃお馬のお兄さんの人気がすごいんだから」
エレン「なんだよジャン、お前本当に馬だったのかよ」
ジャン「んなわけねーだろ!」
マルコ「それになんだかんだ言いながら、いつも孤児院までついてきてくれるしね」
ミカサ「それは子ども達も喜んでいることだろう」
ミーナ「そうなの」
サシャ「すごいですね、ジャン」
ーーーー
エレン「けどさ、孤児院にいたままで、マルコたちの持ってくる食料を待つだけなんて、まるで…」
ミーナ「家畜なんかじゃない!」
ミーナ「自分だけで生きられないんだよ?生きるだけで精一杯の人もいるんだよ?」ポロポロ
ミーナ「それなのに、そんなことを責めないでよ」ポロポロ
エレン「けど…」
二の句を継ぐ前に、エレンはミカサの右順突によって地に伏せる
ーーーー
サシャ「ミカサ!?」
マルコ「何をするんだ!?」
ミカサ「エレン、あなたは一体何を言っているの?」
ミカサ「私達がその子たちの年齢だった時の事をを覚えていないの?」
ミカサ「今だってそう」
ミカサ「自分たちの力で食べているわけでもない」
ミカサ「ましてや誰かのために行動を起こしているわけでもない」
ミカサ「エレンがそんな風に考えていたとは、とても残念だ」ガチャ
ミカサ「エレン」
ミカサ「生きるって、戦うことでしょう?」バタン
ーーーー
サシャ「うわー、とても痛そうです」
アルミン「さすがにやり過ぎだよ」
マルコ「大丈夫かい、エレン?」
エレン「…ああ、大丈夫だ」
ミーナ「どうしちゃったんだろう、ミカサ」
ーーーー
ジャン「殴られてよかったじゃねぇか、死に急ぎ野郎」
エレン「なんだと?どういうことだよ」
ジャン「お前、話し聞いてなかったのか?」
ジャン「ガキどものことだけじゃねぇ、そいつらを世話してるマルコやミーナを否定したんだぞ?」
ジャン「ここにいる全員を敵にまわしてもしかたねぇ状況だった」
ジャン「そこでミカサのあれだ」
ジャン「全員の目がお前じゃなく、ミカサに向かっただろう」
アルミン「たしかにそうだ…」
ジャン「エレン、てめぇいつまでミカサのおんぶに抱っこなんだよ?」
ーーーー
エレン「俺は…」
エレン「済まない、ミーナ。マルコもすまん」
マルコ「気にしなくていいよ、エレン」
ミーナ「私も大丈夫だからね?ちょっとミカサのところに行ってくるね」
エレン「ジャンも済まなかった」
ジャン「はぁ?なんで俺なんだよ?」
エレン「お前もマルコたちと世話をしてやってるんだろ?」
ジャン「別にそんなんじゃねーよ」
サシャ「ええ、ジャンではなくお馬のお兄ちゃんが子供たちの世話をしているんですよ」
ジャン「おい、芋女!」
ーーーー
エレン「しかし、ミカサにもあやまんねーとな」
エレン「どうすりゃいんだ?」
サシャ「贈り物をすればいいんですよ」
サシャ「ミカサも私と同じ女の子ですからね、間違いありません!」
ジャン「ミカサをてめぇと一緒にすんなよ!」
サシャ「なんですと!?」
エレン「贈り物か」
ーーーー季節はめぐり 調理室
ミカサ「では蓋をあけよう」
マルコ・ミーナ「「おおぉー」」パチパチ
ミーナ「変わった香りだね」
マルコ「けどいい香りだ」
ミカサ「食べてみて」
マルコ「見た目はあんまりよくないね…」
ミーナ「うん…。けど食べてみよ?」
オソルオソル
ミーナ「あ、おいしい」
マルコ「本当だ。なんだろう、たとえられないな」
ーーーー
ミカサ「そう、これはおいしい。大豆をおいしい何かに変える技術」
ミカサ「マルコ、この樽は孤児院に持って行くといい。作り方もあなた達が知っている」
ミカサ「どうか上手に使って欲しい」
マルコ「ありがとう、ミカサ!」
ミーナ「よかったね、マルコ」
ーーーー休日 孤児院
マルコ「シスター、これが以前に話したものです。受け取ってください」
ミーナ「作り方もお伝えしますので、どうか孤児院で役立ててください」
修道女「ああ、なんと言うことでしょう。感謝の言葉もございません」
マルコ「いえ、子どもはこの国の未来ですから」
修道女「せめて感謝の気持として、このネックレスをお受取りください」
マルコ「これは一体?」
ーーーー
修道女「私どもの教えでは最外の女神を象徴するものです」
修道女「しかし、すでにマリアはその役目を終えたようです」
修道女「作りは確かなものです。ぜひお受取りください」
マルコ「えーと、ミーナが受け取ってよ」
ミーナ「え?えーと、私は大丈夫です。」
ーーーー
ジャン「どうしたんだよ、お前ら」
ミーナ「お馬のお兄ちゃん」
ジャン「その呼び方はやめろよ」
マルコ「シスターが、お礼にネックレスをくれるって。僕達はいいから、受け取りなよ」
ジャン「あー、シスターさん?これは売っちまってもいいのか?」
ジャン「こいつらがマルコミナを作るのにも金がかかってんだよ」
ミーナ「ちょっと、ジャン!」
ーーーー
修道女「えぇ、構いません。ですが、作りは良くとも材料が偽銀です。大した価値にはなりませんが」
ジャン「構わねえよ。マルコ、買い手のあてがあるからとりあえず受け取っとけ」
マルコ「え?ああ。ありがたく頂戴します、シスター」
修道女「ええ、こちらこそありがとうございます」
ーーーー昼 孤児院
修道女「それでは皆さん、」
子供たち「「いただきまーす」」
男の子「つけてー、ミーナ」
ミーナ「はいはい、お芋にマルコミナつけるね」
女の子「かけてー、ミーナ」
ミーナ「はいはい、パンにサシャ飴つけるね」
子ども達「「おいしー」」
ーーーー
修道女「マルコミナとはなんとも不思議な御味ですね」
修道女「この食べ物の名の由来は?」
マルコ「作り方を教えてくれた仲間が付けてくれました」
マルコ「僕とミーナが作ったものだからと、僕達の名前を元にしてくれました」
修道女「なるほど、それで優しい御味なのですね」
女の子「お馬のお兄ちゃん、にんじん食べてー」
ジャン「おう、ありがとよ」ボリボリ
マルコ「その人はジャンにも影響を与えました」
修道女「そのようですね」
ーーーーさらに季節はめぐり 教官室
キース「む?手紙と樽か」
手紙「
ウォール・ローゼ南区 訓練兵団
キース・シャーディス教官
拝啓
〜〜〜〜〜〜
子ども達と作ったマルコミナを添えますので、
よろしければお召し上がりくだい
〜〜〜〜〜〜
以上3名に心よりお礼申し上げます
敬具
」
キース「孤児院からか」
キース「…食堂の様子を見に行くか」
ーーーー夕方 食堂
ミーナ「最近は孤児院も明るいよね」
マルコ「ああ、マルコミナも売れるようになったと言っていた」
マルコ「シスターが子供たちに教えながら作っているそうだ」
ミーナ「注文が多くなってきて、調理場も建て増ししているんだって」
ミカサ「それはよかった」
ーーーー
ミーナ「けどよかったのかな、ミカサ?」
ミーナ「これ全部ミカサが独占できたものだよね?」
ミカサ「構わない」
ミカサ「エレンはおそらく調査兵団に行くだろう」
ミカサ「つまり、私も調査兵団に行くのは当然のこと」
ミカサ「家でマルコミナを作る暇はなくなる」
ミカサ「ので、誰かが作ったほうがいい」
マルコ「ミカサはすごいね」
ミーナ「(ついていくのは当然かー)」
ーーーー
マルコ「けどウォール・ローゼ内でもまだまだ孤児院はあるんだよ」
マルコ「他の孤児院にも回りたいけれど」
ミーナ「時間がないからね。私達訓練兵だし」
マルコ「全部回ろうとするとかなりの時間がかかるよね」
ミーナ「なんとかできないかな?」
ーーーー同時刻 食堂外
キース「(ふむ)」
ーーーー夜 教官室
キース「貴様ら呼び出された理由はわかるか?」
マルコ・ミーナ「いえ、わかりません」
キース「この手紙を読め」
マルコ「これは孤児院からの?」
ーーーー
キース「貴様ら訓練兵の分際で人を助けたつもりになるなど、思い上がるな!」
キース「貴様は何者だ!何しにここに来た!」
マルコ「マルコ・ボット!この身を、この国に捧げるためにここにやって来ました!」ドン
キース「…」
キース「貴様はどうだ!」
ミーナ「はっ。ミーナ・カロライナ!」
ミーナ「子どもを家畜以下の扱いに追いやった巨人を駆逐するためにここにやって来ました!」ドン
キース「…」
キース「カロライナ訓練兵、貴様のような実力でできるわけがない」
ーーーー
キース「思い上がった貴様は無期限の謹慎だ。」
キース「その間、訓練兵団の敷地内に入ることを禁ずる」
キース「ボット訓練兵、その間責任を持って監視を行え!」
マルコ「しかし、教官!」
キース「これは命令だ!詳細は後日通達する。以上だ、下がれ!」
マルコ・ミーナ「はっ、失礼いたします」ガチャバタン
ーーーー
キース「ふーむ」
キース「馬の手配と紹介状を書かねばいかんな」
キース「路銀は、訓練兵団からはこれだけだせるか。足りない分は私の給金から出そう」
キース「羊腸サックは、2ダース、いや3ダースか?」
キース「…今夜は徹夜になりそうだ」
>>73 訂正
ーーーー
キース「ふーむ」
キース「馬の手配と孤児院への紹介状を書かねばいかんな」
キース「路銀は、訓練兵団からはこれだけだせるか。足りない分は私の給金から出そう」
キース「羊腸サックは、2ダース、いや3ダースは必要か」
キース「壁門の通過申請書も必要だな」
キース「…今夜は徹夜になりそうだ」
ーーーー
ミーナ「私達悪いことをしちゃったのかな?」
ミーナ「ちゃんと考えた上で行動したんだけどな」
ミーナ「マルコ、どう思う?」
マルコ「僕達は訓練兵だ。規則では長期の外出は許されていないし、例外もない」
ミーナ「そうだね」
ーーーー
マルコ「あの手紙にはジャンの名前もあった、けど呼ばれたのは僕達だけだ」
マルコ「仮に僕達が考えていた事を汲み取ってくれていたとしたら?」
マルコ「罰則を使うしかなかったんじゃないだろうか?」
ミーナ「そうなのかな?」
マルコ「こればかりはわからないね、明日を待とう」
マルコ「おやすみ、ミーナ」
ミーナ「おやすみ、マルコ」
ーーーー翌日 出発前
マルコ「キース教官には感謝してもしきれないな」
ミーナ「紹介状も訓練兵団の正式なやつだもんね」
マルコ「これで、ローゼ内の孤児院をまわれそうだよ」
エレン「やっぱお前らはすげーよ」
エレン「ところでなんで見送りは俺だけなんだ?」
ミーナ「一応、罰則の形で外に出ることになっているから」
ミーナ「あとエレンにはこれを買い取ってもらいたくて」
エレン「なんだこれ?」
ーーーー
マルコ「ネックレスだよ、偽銀でできているけど綺麗だろ?」
マルコ「エレンは以前、ミーナにひどいことを言ったからね」
マルコ「給金3ヶ月分で手を打とう」
エレン「あれは悪かったよ。けどよ、別にそのまま渡してもいいんだぜ?俺そのネックレス使わねーし」
マルコ「いや、買い取ってくれ。そのほうが気が楽だから」
エレン「ふーん、じゃあこれ。路銀の足しにしてくれ」
マルコ「ありがとう、エレン」
ミーナ「じゃーね、またね!」
エレン「ああ、またな!」
ーーーー
ミーナ(エレン、ちょっとまって)
エレン(なんだよ?マルコが待ってるぞ)
ミーナ(これあげる、ミカサに渡せばわかるから)
エレン(なんだよこれ?ラガコオリジナル?)
ミーナ(ちゃんとミカサと二人の時にわたすんだからね?)
エレン(なんかわかねーけど、ありがとう)
マルコ「おーい、ミーナ。そろそろ行こうよ」
ミーナ「今行くよー」
ーーーー休日 散歩
アルミン「今回もミカサが何かをしたんだ?」
ミカサ「別に何もしていない、私が知っていることを二人に教えただけ」
アルミン「そうか。うん、さすがミカサだよ」
エレン「俺はまた助けられちまったしな」
ミカサ「構わない、私達は家族だから」
ーーーー
アルミン「ところでミカサ、さすがに今日は暑いと思うよ?」
ミカサ「問題ない。これは大切な」
エレン「さすがに暑苦しいから外せよ」
エレンがミカサのマフラーを無理やり外す
ミカサ「むぅ」
ーーーー
エレン「代わりにこれを付けてやるからよ」
アルミン「エレン、それは一体?」
エレン「ああ、偽銀?のネックレスだそうだ」
エレン「ミカサ、ちょっと顎を上げてくれ」
ミカサ「んっ」
エレン「おっ、似合ってるじゃん」
エレン「給金3ヶ月分だからな、なくすなよ」
アルミン「!」
ミカサ「ありがとう、エレン」
アルミン「えーと、えーと。あっ!最近孤児院が騒がしいけど、何をしているんだろうね?」
ミカサ「…こうじ?」
おしまい
これにて終了です。
反応をくださった方々に沢山の感謝を捧げます。
設定
東洋の不思議な島国出身のミカサ母が
ミカサの夢枕に立つことで、ミカサは
何かを思い出します。
それは大体ロストテクノロジーとなっており、
進撃の世界の食料事情に影響を与える形に
なっています。
今回は壁の中の農家が連作障害対策に輪作を行うことと、
緑肥として大豆を植えることに気がついているという設定でした。
しかし、大豆はそのままでは食べられることはなく、圧搾して
大豆油が取られています。油は内地へ販売され、絞り粕が家畜
飼料や畑の肥料として安価で販売されているという状況です。
偶然にもサシャ飴を作った時にできた大麦の絞り粕に、白麹が
繁殖していて、偶然にも脱脂加工大豆を使い、偶然にも高価な塩を
少なめに使ったため、偶然にも速醸造味噌が完成したという
運びです。
ーーお願いーー
コウジカビ自体は空気中にもいるほどありふれたものですが、
似たような見た目のカビで毒を持つものがあります。
同じ手段で繁殖させたコウジカビを使用される場合は、
サシャかミカサの判断を仰いでください。
本来であれば、
1。白いカビをみて、麹というものを思い出す
2。味噌を作る
3。国中で味噌を作る技術が定着する
という12レスくらいで決着がつくはずのものでした。
しかし、自分なりに整合性を取っている内に長いもの
になってしまいました。
精進致します。
ところでアニメ11〜13話のマルコは格好良かったですよね。
蛇足1を投下します。
アニ・レオンハートの場合
ーーーー人類初勝利後 トロスト区
アニ「ごめん、なさい…」
アニ「ごめんなさい…」
アニ「ごめ…」
アニ「ミィィなぁあ」
アニ「ごめんなさい、ごめんなさい!」ポロポロ
アニ「うっ、あ、あぁぁっ」ポロポロ
ジャン・キルシュタインの場合
ーー人類初勝利後 訓練兵団敷地内
サシャ「おや?ジャン。おはようございます」
ジャン「ああ」
サシャ「おでかけですか?」
ジャン「ああ」
サシャ「…今日は雨が降りそうなので気をつけてくださいね」
ジャン「バカ言え、雲一つねえじゃねえか」
サシャ「ふっふー、狩猟民ですからねー。天候には敏感なんですよ」
ジャン「そうか。ならお前も罰則を早く終わらせろよ」
サシャ「いえいえ、これは芋を焼くために落ち葉を集めているのですよ」
サシャ「では、いってらっしゃい」
ーーーー昼 孤児院
修道女「キルシュタインさん、こんにちは」
修道女「今日はボットさんとカロライナさんはご一緒ではないのですか?」
ジャン「ーーー」
修道女「…そうですか。わざわざご報告くださり、ありがとうございます」
ジャン「ーーー」
修道女「キルシュタインさんは、調査兵団に?」
修道女「では今回でもう…」
ーーーー
男の子「シスター、誰かきたのー?」
女の子「あ!お馬のお兄ちゃんだ!」
女の子「ミーナとマルコはー?」
修道女「みなさん、お二人は…」
ジャン「マルコもミーナ、天に帰ったぜ!」ニカッ
ーーーー
ジャン「実はあいつらは天の使いだったんだ」
ジャン「困ってるお前らを助けたいとか言って、わざわざここまできてくれてたんだ」
ジャン「お前らはもう自分で何でも出きるだろ?」
男の子「マルコミナも作れるよー」
女の子「パンも焼けるし、洗濯もできるよー」
ーーーー
ジャン「だろ?あいつらはそれが分かって安心してたからな!」
ジャン「…最期の仕事で怖い巨人をやっつけて、天に還ったんだよ」
修道女「うぅ…」
女の子「どうしたのシスター?」
男の子「泣かないでー」
ーーーー
ジャン「お前ら、マルコみたいにやさしくなれよ?ミーナみたいに強くなれよ?」
子ども達「「わかったよー!!」」
ジャン「じゃあな!お馬のにいちゃんも天に戻るわ」
ジャン「…あいつらに何か伝えることあるか?」
子ども達「「マルコ、ミーナ、ありがとー!!」」
ーーーー
ジャン「おう、伝えとくぜ!」ガチャ
子ども達「「ジャンもありがとー!」」
バタン
ジャン「なんだよ、名前覚えてるじゃねぇか」
ジャン「…ぅ」
ーーーー夕方 訓練兵団敷地内
サシャ「おや?お帰りなさい。ジャン」
ジャン「ああ」
サシャ「ジャンも食べますか?マルコミナをつけると、とてもおいしくなることを発見しました」
ジャン「…俺、笑いながらガキどもをだましてきたよ」
サシャ「それは酷いですね」モグモグ
ジャン「…笑いながらマルコたちが死んだことを伝えてきたよ」
サシャ「それは酷いですね」モグモグ
サシャ「おや?雨が降ってきましたね」
サシャ「けれどジャンは酷いのでこの傘には入れてあげません」
ジャン「雲一つねえぇ」
サシャ「いえいえ、とても酷い雨です。すでにジャンはびしょ濡れです」
サシャ「雨が止むまで、私はジャンがびしょ濡れになる姿を眺めていましょう」
ジャン「…ひでえ女だ」
サシャ「芋女ですから」
ジャン「うぅ…ああっぁああ」
ーーー
ーー
ー
ーーーー
蛇足1はこれにて終了です。
原作を忘れかけていたので、てっきりマルコも生き残るのかと思っていました。
改めてみますと、意味不明なタイミングでマルコが死んでしまっているのが恐怖です。
蛇足2を投下します。
ーーーー100年後の君へ 聖マルコ寺院
王「ーーーこの日、われらが父は天に還られた」
王「巨人が蔓延る絶望の時代に、光をもたらした」
王「右手の剣で巨人を切り裂き」
王「左手の樽で子らの命を未来につなげた」
王「われらはその御心を未来へ紡ごう」
王「強き者は弱き者を守り」
王の右手側、兵士達が超硬質スチールの剣を掲げる
王「弱きものは強き者を支える」
王の左手側、醸造者たちが樽を掲げる
王「聖マルコ・ボットより預かりし命に感謝し、皆で祈りを」
「「いただきます」」
ーーーー礼拝終了後 聖マルコ寺院
聖マルコの像:左に天使、右に天馬
左の壁画:おさげ髪の天使と共にパンを配り、マルコミーナの作り方を授ける姿
右の壁画:天馬と共に空を駆け回り巨人と戦う姿
老人「お前は王に、この国に身を捧げたんだな」
男兵士「団長、召集の時刻です」
女兵士「疲れたなら、隠居してもいいんだからね?」
ーーーー
男兵士「おいニーナ、なんて口の聞き方だ!」
ニーナ「なによマルクス、ひいおじいちゃんが喜ぶ話し方なんだからね?」
マルクス「団長は君の曾祖父殿ではないだろう?」
ニーナ「けどひいおじいちゃん、最近ボケてきちゃった。『おれはミーナ様とパンを食べた事がある!』とかいい始めちゃって」
マルクス「僕の曾祖母もだ、『マルコ様の天馬に乗せていただいた』と嘯いている」
ニーナ「伝説を疑うわけじゃないけど、人類初勝利だってイエーガー夫妻が先陣で活躍したからでしょ?」
ーーーー
マルクス「団長は何かご存知ですか?」
団長「マルコもミーナも勇敢だったな」
マルクス (団長もボケ始めたらしい)
ニーナ (長生きも考え物だよね。マルコ様、ミーナ様、この人を迎えてあげてください)
団長「…お前たちの結婚式場はこの大聖堂を手配してやる」
マルクス「人類初勝利に貢献された団長を疑うはずもありません!」
ニーナ「マルコ様、ミーナ様、団長に祝福を!」
マルニー「「いただきます!!」」
団長「なぁ、それの使い方まちがってねえか?」
ーーーー
(ーーは強い人ではないからーー)
団長「(なぁ、俺は弱いから、まだ怖くてお前らのところにはいけねえや)」
ニーナ「団長はまだ現役を続ける気ですか?」
団長「お前らの孫が一人前になったら隠居してやるよ」
団長「(迎えはもうちっと待ってくれや)」
マルクス「時間がありません。参りましょう、キルシュタイン団長」
ジャン「おう」
おしまい
ーーーー
蛇足2はこれにて終了です。
同時に、ミカサ「…こうじ?」も終了です。
人間の善性は時代を超えて届く、という事でお茶を濁します。
今回もお付き合いいただきまして、ありがとうございました。
以上です。
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