菜々「今日は何の日でしょうかっ!」 (19)
菜々「はい、Pさん!」
P「ああ、今日は7/7だよな」
菜々「はい、7/7です!」
菜々「といったらもう答えはわかりますよね?」
P「……まあな」
P「7/7なんていったら一つしかないからな」
菜々「一つしかないですよねぇ」
P「ああ」
菜々「……」
P「……」
菜々「早く答えてくださいよ」
P「ちょっと待って、多分菜々の望む答えが出てこない」
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菜々「いやいや、そんなボケようとしなくてもいいんです」
菜々「普通に答えてください、普通に」
P「……七夕」
菜々「はずれー!」
菜々「だめですねぇ、Pさん、わかってないですねぇ」
P「普通に答えたつもりなんだけど」
菜々「いいですか、Pさん」
菜々「今日は7/7」
菜々「な/な」
菜々「なな」
菜々「菜々」
菜々「つまり菜々の日でーすっ!」
P「……」
菜々「……」
菜々「……あの、何か反応してくださいよ」
P「いやぁ、どこで育て方間違えたかなぁと」
菜々「何も間違ってないです!」
菜々「ナナはすくすくちゃんと育ちましたもん!」
P「年齢は育たないけどな」
菜々「……何の話ですか?」
P「なんでもないです17歳様」
P「で、まあ今日が仮に菜々の日だとしよう」
菜々「仮にじゃなく本当に菜々の日なんです!」
P「何をするんだ、菜々の日って」
菜々「ふっふっふ、良くぞ聞いてくれました!」
P「あ、興味ないからやっぱりいいです」
菜々「待って、聞くだけでもいいですから、ね、ね!」
P「……聞くだけな」
菜々「いいですか、菜々の日にはですね」
菜々「みんなナナになるんです!」
P「解散」
菜々「待って!」
P「いや、もう……うん」
P「つらいこともたくさんあるだろうけど、がんばれよ」
菜々「なんで慰められてるんですか!?」
菜々「失礼ですね、まったく!」
菜々「仁奈ちゃんなんか喜んでナナになってくれたのに!」
P「えっ」
菜々「……あの、Pさん、そろそろそのナナを哀れむような目をやめてほしいんですけど」
P「……いや、ついに幻覚まで見るように——」
菜々「なってないですっ!」
菜々「本当にひどいですね、Pさんは!」
P「それほどでもないよ」
菜々「それほどでもありあすよ!」
菜々「むむむ、こうなったら生まれ変わった仁奈ちゃんの姿を見せるしかないようですね!」
P「……どこにいるんだ?」
菜々「着替えてます」
菜々「多分そろそろ戻ってくると思いますよ」
仁奈「……」ガチャ
菜々「ほら、かえってきました、お帰り仁奈ちゃ……あれ?」
P「……おいどうした仁奈、この世の終わりを見るかのような顔してるぞ」
仁奈「仁奈は菜々の気持ちになろうとしたのですよ」
仁奈「今日は菜々の日だって菜々が言いやがりますから、菜々の衣装を着たのですよ」
仁奈「そして菜々の気持ちになったのですよ」
仁奈「そしたら……涙がとまらねーです……」
菜々「ひどくない!?」
P「……ああ」
P「仁奈はがんばったよ……!」
仁奈「P……!」ダキッ
P「よしよし……つらかったな……怖かったな……」ナデナデ
仁奈「すげー悲しいです……すげー悲しいでごぜーます……!」
菜々「ねぇ、二人とも、それナナを馬鹿にしてますよね、めっちゃ馬鹿にしてますよね!」
菜々「もうっ!」
菜々「激おこスティックファイナリアリティぷんぷんドリームですよっ!」
P「……」
仁奈「……」
仁奈「P、よくわからねーですけど、涙がとまらねーです」グスッ
P「安心しろ、俺もだ」
菜々(……なんでPさんどころか十数さ……げふんげふん、8歳年下の仁奈ちゃんにまで馬鹿にされてるんだろう)
P「だが、思い出すんだ、仁奈」
P「今日は何の日だ?」
仁奈「菜々の日じゃねーんですか?」
P「それもだが、もう一つあるだろう?」
仁奈「……!」
仁奈「七夕ですね!」
P「そう、七夕……短冊」
P「後はわかるな……?」
仁奈「わかりました!」
仁奈「菜々がこれ以上悲しくならねーように書くですよ!」
P「その意気だ、仁奈!」
菜々(……私も涙が止まらなそう)
P「安心しろ、菜々、俺たちがちゃんと願っておいたからな!」
仁奈「もう心配する必要はねーですよ!」
菜々「……ちなみに、お二人ともどういうお願いごとを書いたんですか?」
仁奈「私はこうかいたですよ!」
菜々「ふむふむ……『菜々が悲しくならねーで欲しいです』」
菜々「……仁奈ちゃんは本当にいい子ですねぇ」ナデナデ
仁奈「悲しくねーですか?」
菜々「菜々の気持ちになってみるとどうです?」
仁奈「ぜんぜんかなしくねーです!」
仁奈「こうやって、ぎゅーってしてやがりますからね!」
菜々(……娘になってほしいくらいにかわいい)
菜々「で、Pさんは?」
菜々「どうせ『菜々が永遠の17歳になれますように』とか『菜々がタイムスリップできますように』とかでしょうけど」
P「よくわかったな、その二つを混ぜたお願いだよ」
菜々「Pさん私嫌いなんですか?」
P「好きな人には悪戯したくなるものだろ?」
菜々「……え、えっ?」
P「あ、今の冗談」
菜々「……」
P「そんな悲しそうな顔するなって、今のも冗談だから」
P「あ、これも冗談、それも冗談」
P「これもこれもこれも」
菜々「割とまじめにいっぺん地獄を見て欲しいんですけど」
P「……おかしいなぁ」
P「冗談を言えば菜々が悲しくなることもないと思ったのに」
菜々「笑わせる冗談とベクトルが違う方向に飛んでましたからね」
菜々「はぁ……もういいですよ、わかってますよーだ」
菜々「どうせ、菜々は勝手に記念日作っちゃう電波な女の子ですよーだ」
仁奈「え、えっと、元気出すですよ!」
菜々「ありがとねー、仁奈ちゃん、結婚して」
P「行き遅れてるからって小学生と結婚するのはどうかと」
菜々「菜々はまだjkです!」
菜々「はぁ……せっかくの菜々の日なのに」
菜々「なんでこんなに弄られるんだろう……」
P「まず内容がおかしいと思うんだけど」
P「なんだ、皆菜々になるって」
菜々「いや、だって、○○の日ってそういうものかなーって」
P「海の日にはお前は海になるのか」
菜々「……ぐ」
P「そりゃあ、こんな風にもなるわな」
菜々「い、いや、ほかにもちゃんと考えてましたよ!」
P「たとえば?」
菜々「例えば……」
菜々「……むむむ」
P「何も考えてなかったんだろ」
菜々「そっ、そんなことないですっ、はいっ!」
仁奈「わかったでごぜーます!」
仁奈「菜々を褒めるんじゃねーですか?」
P「褒める?」
仁奈「日ごろの感謝を言うとか、父の日とかと同じでごぜーます」
P「なるほど……」
菜々「……そ、そうそう!」
菜々「さすが仁奈ちゃん、よくわかりましたね!」
P「他人の意見を自分の意見にする大人の図である」
菜々「jkですっ!」
菜々「というか、最初からそういう日です!」
P「そうか」
菜々「そうですっ!」
P「……よし、それじゃあ今からたくさん褒めるぞ!」
仁奈「おー!」
P「菜々かわいい!」
仁奈「すげーやさしいでごぜーます!」
P「あとはきれいな髪してるよな」
仁奈「さっき抱きついたときいいにおいがしやがりました!」
P「肌つやつやだし」
仁奈「あと、やわらけーですよ?」
P「それに——」
仁奈「——」
菜々(褒められるのはうれしい、けど)
菜々(今度から思いついたことすぐ言うのはやめよ)
P「菜々かわいい!」
仁奈「かわいいでごぜーます!」
菜々(……すごい恥ずかしい)
おわり
突発的に思いついたので
読んでくださった方ありがとうございました
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