P「俺は春香のこと…好きだが」 (18)

代行

春香「へぇ……もっと大きな声で言って下さい」

P「春香が好きだ!!」

春香「もっと情熱的に……」

P「俺は!! 春香が!! 好きだああ!!」

春香「もっとリズムに乗って」

P「俺は~♪ 春香が~♪ 好きだ~♪」

小鳥「次は事務員に愛を呟くように」

P「俺は音無さんが好きです」

春香「え」

P「え」

小鳥「はい、私も好きです! 結婚しましょう」

こねぇ

本当に立つとは…感謝
ゆったり投下していく

良かった来た がんばってね

春香「え? あ、は、はい」

P「え? いや、その……うん」

春香「その、プロデューサーさん?」

P「えっ!? な、なんだ春香?!」

春香「あ、いやその、えっと……わ、私も好きです!」

P「そ、そうか……え? あ、え、その……」

春香「プ、プロデューサーさん?」

P「あ、す、すまんなんか急に! う、うん。そうか、そうなんだな。いや、ごめんごめん」

春香「は、はぁ」

P「よし、春香。今日も頑張ろう。な?」

春香「は、はいっ!」

P(これから収録という中での事務所。別に今までと変わりない、と思っていたが)

P(春香の視線が気になってしょうがない。なんともアホなことに俺は恋をしてしまったらしい)

P(産まれてこの方女性経験なんてまさしくゼロの俺がプロデューサーとして配属されたのは紛れも無い信頼)

P(それなのに…よりによって担当アイドルのことを好きになってしまうなんて…)

P(だからと言って収まる欲望でもない。決して彼女のことを性的に見たり…してないとは言い切れないが)

P(口に出すのは恥ずかしいような、甘い恋物語の妄想しているのだ。そんなときに彼女から声をかけられた)

P(もちろん仕事の話。そこからなんてことない雑談。でも、それが一番幸せな時で)

春香「そういえばプロデューサーさんって、皆のこと担当してるんですよね?」

P「あぁ、いや。まあ、ほとんどそんな感じだけどさ。一応メインは春香と美希だよ」

春香「あ、そうだったんですね。でもプロデューサーさん、皆に好かれてますし」

P(---好かれてる。この言葉にドキッとしてしまう。我ながら成人した男とは思えない、少女趣味なメンタルだ)

P「いやいや、そんなことない…こともないけどさ。やっぱりありがたいよ、慕ってもらうっていうのは」

春香「そうですよね! でも、担当ならもっと私のこととかも、”好き”になって欲しいなぁ、なんて!」

ズキッ

P(そんなこと、言うか。誰もいない、いや。今二人きりの、この事務所で)

P「好きだよ、俺は春香のこと……誰よりも!!」

P(……なんてすぐ言える訳が無い。好きになって欲しい? これ以上好きになったらおかしくなってしまうだろう)

P(だからって、そんなことを言う勇気すら……今の関係が壊れてしまうのが怖くて)

P(もちろん春香だけじゃない。プロデュースしてきた皆に申し訳ない。信じてくれた社長にだって顔が立たない)

P(だからって、ここでいつもと同じように愛想笑いで返せるほど…今の俺に余裕はなかった)

春香「プロデューサーさん? どうかしました? あ、今のは別に冗談で……」

P(何も言えないまま、どんな顔をしていたんだろう。春香の顔を一瞬見て、すぐ目を逸らす。とてもじゃないが、目を見れない)

P(だからってこのままじゃダメだ。焦る気持ちを抑える。そして、なんとかひねり出す)

P「……俺は春香のこと…好きだが」

春香「え?」

P「ぁ……え? いや、その……うん」

P(やってしまった。そう直感で思った。顔が紅潮していくのがわかる。バカか、俺は)

P(なんでこんなところで告白まがいのことを…勇気がなかっただけに、その中途半端な告白が妙に恥ずかしくて、もはや泣きそうだ)

P(だが、言ってしまったものは仕方が無い。後悔しつつも、もう願うしか無い。いい返事を、どうか)

P(せめて、せめて差し支えの無い。ここで春香が泣き出してしまったら、俺はどうすれば……)

P(……春香は意外な。が、それはまさしく俺の求めていた返答で)

春香『私も好きです』

P(目の前がバラ色に染まる、というのはこういうことなのか。実感した)

P(自然と頬が緩む。真顔を保とうとするも、自然と口角と声が上がってしまう)

P(できることならもう一度聞きたいところだが、これ以上ない。春香の反応も、それほど大げさではない)

P(仕事に差し支えなく、互いの…両思いを知る事ができた。もちろん二人が結ばれるにはまだまだ障害は多いが)

P(初めての恋の成就に浮かれた俺は、その日の仕事をとてつもない早さでこなしていった)

P(……恋は盲目。それにしたって、素晴らしいものじゃないか)

P「……幸せだな、俺」

P(男子中学生のように、ただ恋に恋してただ一人、にやけ顔でパソコンを叩いていた)

---

このPは詩人だなぁ

春香(突然のプロデューサーさんの問いかけに、少し驚いた)

春香(でもまあ、不思議なことじゃないよね。普通に私は、こう答えた)

春香『私も好きです』

春香(プロデューサーさん、嬉しそうだった。やっぱり担当アイドルっていうのは特別な存在なのかな)

春香(私もそういうのは嬉しいけど。なんだろう、なんか……なんだろうなぁ)

春香(まあまさか……そういう意味じゃないだろうし。プロデューサーさんに限って、そうだよ)

春香(でもまあ、例えばそういう相手としてみたとき、プロデューサーさん? うーん、まあ悪くはないけど……年の差、とか)

春香(って、悪くはないけどなんて値踏みするようなことしたら失礼だよね。やっぱり元々、そういう話じゃないってば)

春香(そうだよ。それに、そんな勘違いしたら他の皆に迷惑がかかっちゃう)

春香(まあ、人として好きっていうのは嘘じゃないんだけど)



春香(プロデューサーとアイドルの恋なんて、有り得ないよね)

---
P(”あの”出来事がおこってから早三日)

P(正直舞い上がってた。今までの”プロデューサー”としての立場だとか、自覚というのが緩んでいた)

P(断られたらどうしよう。今まではそうだったが、今は違う)

P(一度成功したら、味をしめてしまう。次だって大丈夫だ。きっとうまくいく、って)

P「な、なぁ春香」

春香「あ、プロデューサーさん」

P「その、今度のオフ暇か?」

春香「え? あ、別に暇ですよ?」

P「その、よかったら一緒に出かけないか!」

春香「え?」

P(もちろん確証なんてない。でもきっとこのときの俺の中では…”もう付き合ってる”んだ)

春香「いいですよ!」

P「……ほ、本当か!? ……よしっ」

P(スキャンダルに注意。それくらいの自我は残っていた)

P(それでも、人間だ。男だ。デートともなれば、興奮を抑えきれるわけがない)

P(まあ、あれだ。いざとなったら偶然あったとか、最近忙しかったから息抜きにとか言えばいい!)

P(ただこの時を楽しもう。そう決めていた)

P(待ち合わせ場所に30分前に到着。いつもより洒落た服を着て)

P(春香はどんな服を来てくるだろうか。あぁもう、コレじゃあ本当に恋する男子高校生じゃないか!)

P「……っと」

美希「あ、ハニー!!」

P「美希?」

美希「おはよう、ハニー! その服似合ってるの!」

P「え、本当か? いや、ありがとう」

P(少しは自信があったコーデだ。美希に褒めてもらえたら満足……じゃなくてだ)

P「そういえば美希、どうしてここに? あ、もしかして美希もどこかに行くところだったのか?」

美希「え? ハニー、何行ってるの? 美希は……」

P(美希の言葉が聞こえる前に、目に飛び込んできたのは……天使だった)

P(あぁいけない。春香だ、春香。うちのアイドルの、天海春香。落ち着け、俺)

P「お、おはよう春香!」

春香「あ、待ちましたか?」

P「い、いや全然だ! お、その服似合ってるじゃないか!」

春香「え、本当ですか!? よかった~。あ、プロデューサーさんもそれおしゃれですね!」

P「そ、そうか? いや、実は今ちょうど美希にも褒められてな」

美希「おはよ、春香!」

P「あぁそうだ、美希は?」

美希「え? ハニー?」

P「え?」

春香「あれ、言ってませんでしたっけ?」



春香「今日は美希と私と、3人で買い物に、って予定じゃ」

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