レイ「・・・。」ﾃﾃﾃｯ

ﾌﾞｼｭ・・

レイ「おまたせしました。赤城博士。」

リツコ「いいえ。予想時間の十分前よ。それで必要な物は持ってこれたの？」

レイ「ここに。」ﾑﾝｽﾞ

ゲンドウの髭だった物「・・・。」

リツコ「なるほど胸毛にカモフラージュするなんて・・中々ユーモアがあるわね。」

レイ「ありがとうございます。」

リツコ「急に碇指令のクローンが欲しいなんて何かと思ったけど・・どうやら本気のようね。」

レイ「私は私と同じ存在が欲しいんです。」

リツコ「あなたの情熱には負けたわ。でも成功報酬は忘れないでね。」

レイ「もちろんです。」

リツコ「碇指令の等身大の男性器。この型が取れるのはネルフ広しと言えどあなただけよ。」

レイ「分かってます。必ず手に入れますのでお願いした件は早めにお願いします。

ただいまです。
もしもしからですのでポチポチ書いてきます。

数日後

レイ「おまたせしました。赤城博士。」

リツコ「あぁ早く早く・・それを頂戴ッ！」

レイ「待ってください。先に見せて貰って良いですか？」

リツコ「くっ・・わかったわ。これが碇指令のクローンにリリスの魂を入れた碇ゲンジ(仮称)よ。」

ゲンジ(仮称)「・・・。」ｺﾎﾟﾎﾟ・・

レイ「ゲンジ・・私だけの・・私と同じ・・」

ゲンジ(仮称)「・・ﾆﾔｯ。」

リツコ「笑った・・？魂も定着してない内から・・」

レイ「赤城博士。」

リツコ「なにかしら。」

レイ「まだ成功とは言えませんよね。」

リツコ「っ！た・・魂の定着には時間が掛かるのよっ！それが終われば彼はもう試験管の外に・・っ！」

レイ「そうですか・・。ではコレ」ｽｯ

リツコ「ありがとうレイ。」ﾎｯ

レイ「はまだお預けですね。」ﾄﾘｱｹﾞ

リツコ「そんなっ！！私っ！私もうっ！！」

レイ「でしたら早く終わらせて下さい。」

リツコ「・・・っっ！！」

リツコ「ふぅ・・。わかったわ。三日後にまた来なさい。必ず完成させておくわ。」

レイ「お願いします。」

レイ「待っててね。ゲンジ・・すぐに迎えに来るから。」ｽｯ

リツコ「それまでそれは絶対に無くさないで頂戴。」

レイ「はい。お待ちしてます。」

ゲンドウ「冬月・・最近レイの様子がおかしい。」

冬月「あぁ・・やけに浮かれているな。」

ゲンドウ「あぁ出産間近のユイを思い出すな。」

冬月「・・・。」

ゲンドウ「・・・。」

冬月「碇・・萌えるな。」

ゲンドウ「あぁ・・」ﾆﾔﾘ

学校

レイ「・・・。」ｿﾜｿﾜ

シンジ「綾波？」

レイ「・・・」ｿﾜｿﾜ

シンジ「綾波？どうしたの？お弁当だけど・・。」

レイ「え？」ﾊｯ

シンジ「どうしたの？」

レイ「な・・なんでも無い。お弁当ありがとう。」

シンジ「そう？ならいいけど・・悩みがあるなら言ってよ？僕に出来る事があったらなんでもするよ。」

レイ「ありがとう。」

シンジ「そういえば今日シンクロテストだね。」

レイ「えぇ。」

シンジ「お互い頑張ろうね。」

レイ「えぇ。」

シンジ(いつも通り・・か・・。気にしすぎかな？)

アスカ「ちょっとバカシンジ！いつまで待たせる気！？」

シンジ「うわっ！アスカだっ！ごめーん！今行くー！じゃ綾波先行ってるね！」

アスカ｢とろいのよ！トロシンジ！｣

シンジ「待てないなら先に行けばいいじゃないか！」

アスカ「うっさい！シンジの癖に生意気よ！この生シンジッ！」

シンジ「なんだよ！生シンジって！」

ヤイノヤイノ・・・

レイ「・・・。」ボー・・・

レイ「いいの・・私にももうすぐ・・・。」

ネルフーシンクロテスト計測室ー

リツコ「結果はどう？マヤ。」

マヤ「特に異常ありません。」

リツコ「そ。了解よ。みんなお疲れ様。上がっていいわよ。」

アスカ「ねぇ？赤木博士！誰がトップ！？」

リツコ「おめでとう。あなたよアスカ。」

アスカ「おっしゃぁぁ！」

シンジ「やっぱりすごいね！」

アスカ「なによ！もっと悔しがりなさいよっ！」

シンジ「いやぁ！今回僕もかなり自信あったんだけどなぁ！やっぱアスカには敵わないや！」

アスカ「フフン！」

レイ「・・・。」ジーッ

シンジ「ん？どうしたの？綾波。」

アスカ「何よ！エコヒイキ！私の実力に文句があるっての？」

レイ「楽しそうね。」

アスカ「はぁ？」

レイ「赤城博士。」

リツコ「な・・なに？」

レイ「ちょっと。」

リツコ「え・・・えぇ・・。マヤあとお願いね。」

マヤ「は・・はい。」

アスカ「何かあの二人怪しいわね。」

シンジ「何か悪い事考えてる目してるよ。アスカ。」

アスカ「分かる？鈍感なあんたも鋭くなったじゃない。」

ネルフ通路

シンジ「やっぱりダメだよ・・。後をつけるなんて良くないよ・・。」

アスカ「じゃあんたは先に帰ればいいじゃない。」

シンジ「アスカを放っておいたら何するか分からないじゃないか。」

アスカ「そんなに私が気になるわけ？」

シンジ「・・・っ！・・・っ！///！」

アスカ「バカね。冗談よ。あんたが好きなのはエコヒイキでしょ。そんな事この私がわからないとでも思ってたの？」

シンジ「ち・・・違うよッ！綾波の事は好きっていうか・・」

アスカ「シッ・・・部屋に入ってくわ・・。」

「」の中の文って最後に「。」は付けちゃいけないんじゃなかったっけ
すまん、どうでもいいけど気になってしまって

クローンはシンジ年齢のゲンドウってわけじゃなくてオッサンゲンドウなの？

>>24
カギカッコ文の文末に必ず句点をつけなければならない
ただし出版社では活字印刷の技術が乏しかった頃、文字数を削減するために句点を付けずに出版していた
理由としては「」の中に句点を付けなくとも文末がどこかわかることが挙げられる
現代でもその名残で新聞各社が文末の句点を省いている

小学校で原稿用紙の正しい書き方も習っていないの？
とてもどうでも良いとは言えないレベルの常識だぞ

>>26
詳しい理由までは知らなかったが
ここやVIPだと>>24のルールで書け！と荒々しく食いついてるのは何度も見てるから
正直自分が間違ってるような気になってたよ

>>27
あーなるほどね文末に句点があろうがなかろうが>>26の通りだから無視して好きに書き続ければ良いよ
反応すると余計荒れるだけだから気楽に行こうぜ

>>24　>>28さんのいう通りにします。
>>25　言え青年ゲンドウです。大学時代のゲンドウを想像して貰えるとありがたいです。
>>26　常識人もいるようで安心しました。
>>27　私も　え？ってなって調べた経験があります。
>>28　わかりました。ちんたら買いてくのでよろしくおねがいします。

レイ「約束の日です。赤木博士。」

リツコ「えぇ単独でのクローンは初めてだからいい経験をさせて貰ったわ。」カタカタ

レイ「早くして下さい。」

リツコ「焦らせないで頂戴。さぁこれがあなたの望んだヒトよ」ピッ・・

ゴポゴポ・・・

レイ「あぁ・・早く・・。」

ゴポゴポゴポ・・・ウィーン・・・。

ゲンジ(仮称)「・・・。」

レイ「貴方に・・会いたかった・・。」

ゲンジ(仮称)「ここは・・どこだ？」

レイ「ここはネルフ。第三新東京市の極秘施設。」

ゲンジ(仮称)「私は誰だ？」

レイ「あなたは・・碇ゲンジ・・。いえ綾波ゲンジよ。」

ゲンジ「そうか・・私は綾波ゲンジ・・。」

レイ「そう。あなたは私が作った。私だけのヒト。私と同じ。」

ゲンジ「つまり君は私の母か・・。」

レイ「いいえ。私は貴方と同じく創られた物。貴方のお母さんはこちらの赤城博士。」

ゲンジ「・・・分かった。」

リツコ「レイこれから彼をどうするの？」

レイ「私の家に連れて行く。」

リツコ「書類の手配がまだだからくれぐれも他の人に見つからないように。人を社会から一人消すのは簡単だけど一人増やすのは倍大変よ。」

レイ「分かりました。」

ゲンジ「・・・。」

レイ「ゲンジ。着いて来て。」

ゲンジ「待ってくれ。何か衣服を・・。」

レイ「・・・体操服しか無い。」

ゲンジ「すまない・・。」

リツコ「いや・・まずいでしょ？どう考えてもレイの家に付く前に補導・・もとい職務質問されるわ。」

ゲンジ「しかし全裸で言っても同じ事ではないか？」

リツコ「いいわ。しょうがないわね。私の白衣クリーニング上がってるはずだからそれを貸してあげる。」

ゲンジ「すまない。お母さん。」

リツコ「・・・ッ！」ズキュゥゥゥゥゥン！！

リツコ(しっかりするのよ！赤木リツコ！あなたはもう30でしょう！？)

リツコ「お・・お母さんと呼ぶのは二人だけの時にしなさい・・っ！」

ゲンジ「了解した。」

レイ「赤木博士。早く白衣を。」

リツコ「わ・・分かってるわよっ。はいこれ。汚してもいいけどちゃんと返すのよ？」

ゲンジ「わかった。ありがとう。お母さん。」

リツコ「っっっ！！」ズキュゥゥゥゥゥゥン！！

リツコ「いいからもう行きなさいっ！私は他にやる事が沢山あるんだから。」

レイ「赤木博士。ありがとうございます。これ。成功報酬の・・。」スッ

リツコ「あぁ・・ありがとう。」ガサゴソ

バナナ「ハーイ！マイネームイズバナァナ！」

リツコ「」

レイ「冬月さんと碇指令がバナナを食べてる時に碇指令が俺のはこのぐらいあると言っていたので間違いない。」

リツコ「もう・・・いいわ。もう行って頂戴・・・。」

レイ「赤木博士。本当にありがとうございます。ゲンジの事大事にします。」ペコリ

リツコ「」

バナナ「アーユーオーケーィ？」

レイ「行きましょう。ゲンジ。」プシュ

ゲンジ「あぁ。お母さん。また。」プシュ

リツコ「・・・。」

ムキムキ・・・

リツコ「嘘つき・・・・。」モグモグ・・・・。

アスカ「出てきた！」

シンジ「綾波と・・あれは誰だろう？あんな人いた？」

アスカ「そんなのどうでもいいわ！追うわよ！」

シンジ「ちょっ・・引っ張らないでよ！」

レイ「ゲンジ。」

ゲンジ「なんだ？」

レイ「ぽかぽかする・・・///」

ゲンジ「レイ。」

レイ「ぽかぽかする・・・///」

ゲンジ「こっちへ。」ｸﾞｲｯ

レイ「っ！？」

レイ「どうしたの？ゲンジ。」

ゲンジ「黙っていろ。」

タタタタタタッ

アスカ「見失ったわ！もう！シンジがちんたらしてるからよ！」

シンジ「そ・・そんな事言ったって・・！仮にも・・軍人のスピードについていけるわけないじゃないか・・。」ｾﾞｪ・・ｾﾞｪ

レイ「あれは・・二号機の人と・・碇くん？」

ゲンジ「どうやら尾けられていたようだな。」

レイ「何故私たちをつけるの？」

ゲンジ「レイに分からない事が私に分かるか。私はこの世界に産まれて間もない。情報が少なすぎる。」

レイ「分からない事は直接聞けばいい。」ｽｯ

ゲンジ「待てっ。もう少し会話を聞いてからだ。」ｶﾞｼｯ ﾀﾞｷﾖｾ

レイ「・・・」ｷﾞｭｯ



アスカ「あーぁ！せっかくあの無口な嫌味女の弱味を握れるチャンスだったのにっ！」

シンジ「やめなよ！そういうのよくないよ！嫌味に聞こえるのはアスカが綾波の事悪く思ってるからだろ！」

アスカ「何よ！私が悪いみたいじゃない！」

シンジ「僕はアスカのそういう所治してほしいんだよ！もっと皆と仲良くなって欲しいんだよ！」

アスカ「はぁ！？違うでしょ！あんたはエコヒイキの肩持ってるだけじゃない！」

シンジ「綾波は関係ないっていってるでしょ！！！！！」

アスカ「・・・っ！！！」

シンジ「ご・・ごめん・・。大きい声出して・・つい・・カッとなって・・。」

アスカ「・・もういい。・・帰る。」ｽｯ

シンジ「ア・・アスカ・・。」

アスカ「・・・」ｽﾀｽﾀ

レイ「私が・・嫌味だから二号機の人は私の弱味を握ろうとした・・？」

ゲンジ「・・なるほどな。今の会話で大体概要は掴んだ。」

レイ「私は嫌味なんて言ってない。」



ゲンジ「分かってる。レイはあまり感情を表に出せない様子だからな。嫌味や皮肉な類いは苦手だろう事は想像出来る。さっきの・・碇くんと言ったか。彼が言った通りだ。彼女に敵意があるから嫌味に聞こえるんだろう。」

レイ「私は敵意を向けられるような事はした覚えはない。」

ゲンジ「例えそうだとしても私はレイの味方だ。なにせ私はレイ以外のヒトを頼れないからな。」

レイ「・・・。」

ゲンジ「気にするな。会話は言葉の意味の追求ではなく相手を知る事から始めるんだ。」

レイ「相手を知る？」

ゲンジ「そうだ。二号機の人と呼んでいた彼はそうとうな努力家だろう。同世代の男子を上回るという事は並みの少女では無理だ。努力家はただ努力をしている訳ではない。必ず原動力がある。」

レイ「原動力？」

ゲンジ「そうだ。他人の為に尽くしたいという慈善の気持ちや他人に力を認めさせたいなどという感情の事だ。彼女は恐らく後者だな。」

レイ「何故分かるの？」

ゲンジ「前者は他人にあんな風に当たったりはしない。」

レイ「分からない。私には分からない。」

ゲンジ「レイは賢い。分かってるはずだ。レイが分からないと感じるのは自分を信じられないからだ。」

レイ「自分を信じる？」

ゲンジ「自分を信じられない者は他人を信じられない。故に孤独だ。レイは強い孤独を感じている。だから私を創った。」

レイ「あなたすごいのね。」

ゲンジ「何も凄い事はない。赤城博士から様々な知識を得た。この世界の事。人類の事。哲学の事。すごいと言うならすごいのはあの人だ。」

レイ「そう。」

ゲンジ「さぁここは人目に付く。レイの家に行こう。」

ﾌﾟｼｭ

レイ「着いたわ。」

ゲンジ「お邪魔します。」

レイ「・・・。」

ゲンジ「ただいま。と言って欲しいならそう言え。」

レイ「！！」

ゲンジ「ただいま。」

レイ「ぽかぽかする。」

ゲンジ「そうか。」

レイ「日用品は今日の夕方には届く。それまでは白衣で我慢して。」

ゲンジ「いや白衣で十分だ。何か着慣れた懐かしい気さえする。何故だろうな・・。」

レイ「あなたのオリジナルの碇指令は昔人工進化研究所という施設で科学者やっていたと聞いた事がある。」

ゲンジ「なるほど・・。そういう事か。」

レイ「似合う。」

ゲンジ「きゅ・・急に誉めるな。」///

レイ「可愛い。」

ゲンジ「よせ・・///。どうしたんだ・・。そういう自己表現は不得手だったはずだぞ。」

レイ「私が可愛いと感じたらそれは可愛い物。私は自分を信じる事にする。」

ゲンジ｢そうか。｣ニヤッ・・

レイ｢そういえばご飯がまだ。｣ガサゴソ・・

ゲンジ｢作れるのか？｣

レイ｢どれにする？｣ズラッ

ゲンジ｢もやしラーメン(味噌)ねぎラーメン(味噌)パヤングソース焼きそば・・｣

レイ「お湯を沸かしてくるわ。」

ゲンジ「あ・・あぁ・・」(こんな物ばかり食べているのか・・)

レイ「決まった？」

ゲンジ「これを頼む。」つネギラーメン

レイ「私はこれ。」もやしラーメン

　三分後

ゲンジ「レイ。いつもこんな物を食べているのか？」

レイ「こんな物？」

ゲンジ「体に良くない。」

レイ「普段は栄養剤。」

ゲンジ「それは・・心に良くない。」

レイ「心？」

ゲンジ「そうだ。ヒトの魂と体を繋ぐモノ。それが心だ。」

レイ「不都合？」

ゲンジ「レイ。今晩から夕食は私が作ろう。」

レイ「・・・。」コクッ

ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ

サガワ系男子「佐河郵便でーす！」

レイ「来た。」ﾃﾃﾃｯ

ゲンジ「日用品か。」

サガワ系子「ｻｲﾝｲｯｽｶ？ｱｻﾞｽ!!ｶﾜｲｲﾃﾞｽﾈ。ﾖｶｯﾀﾗ今度飯ﾃﾞﾓﾄﾞｯｽｶ？」

レイ「何故？」

サガワ系男子「ｲｲｼﾞｬﾅｲｯｽｶ！ｵﾈｼｬｽｵﾈｼｬｽ！」

レイ「やめて。」

ゲンジ「レイ。なにか問題あったか？」

サガワ系男子「ﾁｯ！彼氏持ﾁｶﾖｯｽﾈ。ｱｻﾞｼﾀｯｽ・・！」

ゲンジ「大丈夫か？レイ。」

レイ「問題無い。」

ゲンジ「そうか。」

レイ「ごちそうさま。」

ゲンジ「ごちそうさまでした。」

レイ「次はお風呂。」

ゲンジ「あぁ。」

レイ「一緒に入る。」

ゲンジ「・・・。」

レイ「何故。聞こえないフリをするの？」

ゲンジ「昔から風呂は女のエステと言ってだな・・。」

レイ「私が一緒に入りたがってる。」

ゲンジ「ちょっとよくわからん説得の仕方だな。何故だ。何を参考にしている。」

レイ「・・・。」

ゲンジ「むっ・・これは。」ﾋｮｲ つｾﾞｸｼｨ

レイ「あっ・・ダメ。返して。」

ゲンジ「・・『夫婦のお風呂特集？』」

レイ「・・・///」

ゲンジ「『お風呂でなんちゃってバブルプリンセス』？」

レイ「いい・・。一人で入る。」

ゲンジ「なるほどこういうのがやりたかったのか。」

レイ「・・・。いい。」

ゲンジ「『お風呂でいちゃいちゃおもちゃ遊び。』」

レイ「もういい・・///」

ゲンジ「そう焦るな。こういうのは本当に結婚してからやるべきイベントだ。」

レイ「わかった。」

ゲンジ「しかし背中ぐらい流してやろう。」

レイ「・・！」ﾊﾟｧｧ

ゲンジ「頭を洗ったら呼べ。」

レイ「・・・。」ｺｸｯ

ｼｬﾜｧｧｧｧｧｷｭｯ

ｶﾞﾁｬｯ

レイ「準備完了。」

ゲンジ「わかった。今行く。」

レイ「お願いします。」

ゲンジ「あぁ。」

レイ「・・・。」

ゲンジ「思ったよりずっと小さい背中だな。」

レイ「そう。」

ゲンジ「綺麗な背中だ・・。じゃ洗うぞ。」

レイ「んっ。」

ゲンジ「変な声を出すな。」ｺﾞｼｺﾞｼ

レイ「ごめんなさい。」

ゲンジ「うむ。」ｺﾞｼｺﾞｼ

レイ「あっ。」

ゲンジ「ワザとか？」

レイ「勝手に出る。」

ゲンジ「腰の方も洗うぞ。」

レイ「・・・。」ｺｸｯ

ゲンジ「・・・」ｺﾞｼｺﾞｼ

レイ「あふっ。」

ゲンジ「自分で洗うか？」

レイ「我慢する。」

ゲンジ「・・・。」ｺﾞｼｺﾞｼ

レイ「・・・。」ﾋﾞｸｯ

ゲンジ「・・・。」ｺﾞｼｺﾞｼ

レイ「・・っ。」ﾋﾞｸｯﾋﾞｸｯ

ゲンジ「おい。」

レイ「ごめんなさい。ヒトに触れられるのに慣れてないから。」

レイ「でも悪い気分じゃない。」

ゲンジ「終わったぞ。」

レイ「次は私が洗う。」

ゲンジ「いやいい。ずっと大型試験管に入っていたのだ。今日ぐらいは肌を空気にさらしてやりたい。」

レイ「そう。」ｼｭﾝ

ゲンジ「明日は頼む。」

レイ「わかった。」ﾊﾟｧｧ

レイ「ゲンジ。」

ゲンジ「なんだ。」ﾌｷﾌｷ

レイ「頭を乾かすぐらい自分で出来るわ。私は子供じゃないもの。」

ゲンジ「お前の事だ。タオルでゴシゴシド拭いてライヤーを乾燥しきるまで当てるつもりだろう。」

レイ「何かおかしい？」

ゲンジ「やはりな。任せておけ。」

レイ「わかった。」

ゲンジ「よし。完了だ。」

レイ「ツヤツヤ。」ﾂﾔﾂﾔ

ゲンジ「髪は女の命だ。もっと気を使え。」

レイ「髪は命。」

ゲンジ「そうだ。明日は学校だろう？もう寝るんだ。私は少し日用品を片付けてから寝る。」

レイ「・・・。」

ゲンジ「分かった・・。寝るまでは側にいてやる。」

ゲンジ「これで一頻り片付いたな。」

レイ「すぅ・・・すぅ・・・。」

ゲンジ「さてと・・私も寝るか・・。」

レイ「ん・・・碇司令・・・。」

ゲンジ「・・・。」フトンカケナオシ・・

レイ「すぅ・・・すぅ・・・。」

ゲンジ「・・・レイ・・・。」

次の朝

トントン・・・

レイ(いい香りがする。おいしそう。)

レイ「ん・・・。」クルマリ・・

ゲンジ「起きたか？朝は弱いんだろう？顔を洗ってこい。」

レイ「何をしてるの？」

ゲンジ「ダンスをしているように見えるか？朝食を作っている。」

レイ「なぜ？」

ゲンジ「朝食を抜くと体に悪い。」

レイ「心にも？」

ゲンジ「そうだ。」

レイ「顔を洗う。」

ゲンジ「ちゃんと洗顔もするんだぞ。」

レイ「？」

ゲンジ「・・・。」



洗面所


ゲンジ「泡はこうだ。こうして手のひらに一円大に原液を落としもう片方の手で円を描くように泡立てる。」

レイ「・・・すごい。ほんの少量なのに大きな泡の塊になったわ。」

ゲンジ「そうだ。それをこうだ。直接肌を指で擦らないように泡を挟んで顔全体を洗う。箇所に寄って洗い方を変える。できるな？」

レイ「・・・出来る。」

ゲンジ「そうだ。うまいぞ。」

レイ「ぽかぽかする。」

ゲンジ「そうか。さて朝食にしよう。」

レイ「する。」

ゲンジ「肉は嫌いだと聞いたので入れてない。」

レイ「食材はどうやって？」

ゲンジ「お母さんに頼んだ。すぐに黒い服の奴らが持ってきてくれたぞ。」

レイ「そう・・・。」

ゲンジ「いただきます。」

レイ「いただきます。」

レイ「・・・おいしい・・・。それに暖かい・・・。」

ゲンジ「そうか。」

レイ「これすごくおいしい。」

ゲンジ「それは味噌汁だ。白味噌の方が好きそうな気がしてな。」

レイ「ポカポカする・・・。」

ゲンジ「そうか。朝食を食べたら寝癖を直すぞ。」

レイ「・・・。」コク

ゲンジ「学校は楽しいか。」

レイ「楽しい？」

ゲンジ「・・・・わかった。」

レイ「楽しいって何？」

ゲンジ「その内教えてやる。」

レイ「・・・。」コク

ゲンジ「ごちそうさま。」

レイ「ごちそうさま。」

ゲンジ「さてこっちに来い。寝癖を治す。」

レイ「・・・。」ててて・・・ストン

ゲンジ「・・・。」ぷしゅ・・・なでなで・・・。

レイ「これは？」

ゲンジ「洗い流さないトリートメントだ。艶が出る。ついでに寝癖も治る。」

レイ「・・・そう。」

ゲンジ「お前はもっと身なりに気を使え。」

レイ「なぜ？」

ゲンジ「女のたしなみだ。」

レイ「・・・。」コク

ゲンジ「よし。いいぞ。」

レイ「・・・いい香り。」クンクン

ゲンジ「そうか。気に入ったならいい。」

ゲンジ「さてそろそろ登校の時間だ。」

レイ「いってきます。」

ゲンジ「・・・。」

レイ「・・・。」

ゲンジ「・・・どうした。」

レイ「いってきます。」

ゲンジ「いってらっしゃい。」

レイ「ぽかぽかする。」

ゲンジ「そうか。」

レイ「いってきます。」バタン・・・

ゲンジ「さてまずは部屋の掃除だ。」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ピリリピリリピリリ・・・

ゲンジ「むっ・・・レイの仕事用のケータイか・・・。」

ピッ・・・

シンジ「あ・・もしもし綾波？」

ゲンジ(この声は碇君と言われていた少年か・・。)

ゲンジ「すまないが私はレイでは無い。レイの親戚だ。訳あってレイの家に厄介になっている。」

シンジ「あっ・・そう・・・ですか・・綾波は・・？」

ゲンジ「先ほど学校に登校した。」

シンジ「わ・・・分かりました。では失礼します。」

ゲンジ「すまないがレイに仕事用のケータイを忘れていると伝えてくれ。」

シンジ「分かりました・・。伝えます。」

ゲンジ「あぁ・・手数をかけるが宜しく頼む。」

シンジ「では・・・失礼します。」

学校

レイ｢・・・。｣ボー・・・

シンジ｢綾波？ちょっといいかな？｣

レイ｢碇君・・どうしたの？｣

シンジ｢あの・・えっとさ・・綾波って今誰かと住んでるの？｣

レイ｢なぜ？｣

シンジ｢女の子の一人暮らしは不便な事ないかなーって・・｣

レイ｢無いわ。｣

シンジ｢最近は物騒だって言ってたし・・｣

レイ｢監視の人が信用できないの？｣

シンジ｢そっか。そうだよね・・・ごめん。｣

レイ｢他に用は？｣

シンジ｢あっそうだ。綾波の親戚の方から仕事用のケータイを忘れているって伝えるように言われたんだ。｣

レイ「！？」ｶﾞﾀｯ

シンジ「わっ！ど・・どうしたの？」

レイ「・・ゲンジと話したの？」

シンジ「う・・うん。ゲンジさんっていうんだね。」

レイ「そうよ。ゲンジはケータイの件の他になんて？」

シンジ「ほ・・他には何も言ってなかったよ。」

レイ「そう・・。碇くん・・任務以外あまり関わらないでくれる？」

シンジ「えっ・・そんな・・！」

レイ「・・・。」

シンジ「うん・・ごめん。」

レイ自宅

レイ「という事があった。」

ゲンジ「・・・レイ。愛想を振り撒けとはいわないが、わざわざ気にかけてくれる友人に対してそんな言い方では誤解を招く。」

レイ「気にかける？私を？なぜ？」

ゲンジ「恐らく・・いや。碇君はレイと友達になりたいんだろう。」

レイ「友達？わからない。」

ゲンジ「今度家に招け。友達になり方というのを教えてやる。」

レイ「でもそれだとあなたの存在がばれてしまうわ。赤木博士からの許可が無いとダメ。」

ゲンジ「母さんには俺から言っておく。明日は土曜日だ。明日碇君を家に招くとしよう。」

レイ「ゲンジの言う通りにする。」ﾋﾟｯ

ﾌﾟﾙﾙ・・ﾌﾟﾙﾙ・・

レイ「・・・。」

ｶﾞﾁｬｯ

シンジ「もしもし・・綾波？」

レイ「・・・。」

シンジ「もしもし？あれ？」

レイ「・・・碇くん」

シンジ「は・・はい。」

レイ「・・あとでまたかける」

シンジ「え？あやな ﾋﾟｯ・・ツーツー」

ゲンジ「おい。」

レイ「はい。」

ゲンジ「なんだ今のは？」

レイ「なんて誘えばいいのか分からないわ。」

ゲンジ「かける前に考えろ。」

レイ「助言を。」

ゲンジ「ふう・・レイ。何故碇くんを誘う事になった？」

レイ「碇くんが私を友達にしたいから。」

ゲンジ「違う。レイ・・よく聞け。もし私が怪我をしたらどうする？」

レイ「大丈夫？と言うわ。」

ゲンジ「そしたら私が「ほっておいてくれ。」と言ったらどうする？」

レイ「悲しい気持ちになるわ。」

ゲンジ「それと似たような事をしたんだ。」

レイ「・・碇くん・・ごめんなさい。」

ゲンジ「私に言うな。碇くんに言え。しかしそれが相手の立場に立つと言う事だ。人とのコミュニケーションの大前提だ。レイは賢いな。」なでなで

レイ「私は碇くんに謝りたい。」

ゲンジ「そうだ。そのままの気持ちを伝えればいい。そしてお詫びに夕食でも・・と誘えばいい。」

レイ「分かった。」

ﾋﾟｯ

ﾌﾟﾙﾙﾌﾟﾙﾙ・・ﾌﾟﾙﾙﾌﾟﾙﾙ

ｶﾞﾁｬｯ

レイ「もしもし碇くん？」

シンジ「も・・もしもし綾波？どうしたの？」

レイ「今日はごめんなさい。気にかけてくれたのにひどい事を言ったわ。」

シンジ「！？」

レイ「明日予定が空いてたらお詫びに夕食でもどう？」

シンジ「い・・行くよ！絶対行く！」

レイ「良かった。何か食べたい物はある？」

シンジ「なんでも・・なんでもいいよ！」

レイ「そう・・じゃあ明日。夕方五時頃に来て。」

ピッ・・・

レイ「できた。」

ゲンジ「よくやった」

レイ「なんだか顔が熱いわ///」

ゲンジ「それは照れるということだ。」

レイ「照れる・・これが照れる///」

ゲンジ「さて風呂にしよう。私はその間に食事を作るとする。」

レイ「…背中」

ゲンジ「・・・」

レイ「背中を流す約束…。」

ゲンジ「覚えていたか…」

レイ「楽しみにしてた」

ゲンジ「わかった。一緒に入ろう」

レイ「…」コク

お風呂

カポーン・・・

ゲンジ「今日は入浴剤を買ってきたぞ」

レイ「にゅうよくざい？」

ゲンジ「『泡のお風呂』をやってみたかったんだろう？」ニヤリ

レイ「！」コクコク

ゲンジ「お風呂場にいってみろ」

レイ「わかった」

ガラガラ・・

レイ「すごい・・本当に泡のお風呂」

ゲンジ「どうだ？」

レイ「早く湯船入りたいわ」

ゲンジ「体を洗ってからな」

レイ「わかった」

ゲンジ「今日は背中を流してくれるんだったな」

レイ「うん。流す」

ゲンジ「では、頼む」

レイ「わかった」ゴシゴシ

ゲンジ「フッ」

レイ「どうしたの？」

ゲンジ「まるで父と子のようだな」

レイ「親子？」

ゲンジ「そうだ。私が父でお前は娘だ」

レイ「お父さん・・私のお父さん？」

ゲンジ「そうだ。レイに家族はいないんだろう？」

レイ「いない」

ゲンジ「そうか。赤木博士が母。私が父になれるといいが」

レイ「それはダメ」

ゲンジ「なに？」

レイ「赤木博士は指令の物」

ゲンジ「フッ・・女心などわからんもんさ」

レイ「終わった。流す」

ゲンジ「ありがとうな。レイ」

レイ「頭も洗える」

ゲンジ「そうか・・では頼む」

レイ「わかった」

ゲンジ「もし赤木博士がその指令の物なら私は誰の物になるんだ」

レイ「私の物」

ゲンジ「そうか・・ではレイは誰の物なんだ？」

レイ「私は・・私はネルフの物」

ゲンジ「そうか」

レイ「終わった。流す」

ゲンジ「やはり風呂はいいな・・さて次はレイの番だ。頭を洗おう」

レイ「わかった」

ゲンジ「洗顔も忘れるな。上がったらパックだ」

レイ「わかった」

・・・・・・・・・・・・・・・・・

レイ「もうお風呂に入ってもいい？」

ゲンジ「あぁ少し熱めだ。気をつけろ」

レイ「わかった」

ゲンジ「嬉しそうだな」

レイ「嬉しい」

ゲンジ「そうか」

レイ「楽しい」

ゲンジ「そうか。人はそれを幸せと呼ぶな」

レイ「これが・・幸せ？幸せはすごくいい物なのね」

ゲンジ「そうだ。人はそれを追い生きる」

レイ「そう」

ゲンジ「泡にはいろんな遊び方がある」

レイ「？」

ゲンジ「例えばこうだ」アツメアツメ

ゲンジ「・・ヒゲ」

レイ「・・・」

ゲンジ「お・・・面白くなかったか？」

レイ「・・・ふっ・・・ふふふ」

ゲンジ「初めて笑ったな」

レイ「私もやる」アツメアツメ

レイ「・・・どう？」

ゲンジ「中々シュールだ」

レイ「碇君にも見せたい」

ゲンジ「そうか。だが間違っても明日は誘うなよ？」

レイ「何故？」

ゲンジ「普通の中学生は一緒にお風呂には入らないからな」

レイ「わかった」

ゲンジ「さて風呂は堪能したか？そろそろ出るぞ」