海未「いえ、怪しい人物を見かけたりなどはしないのですが....」

穂乃果「穂乃果の勘違いかなぁ....、うん、みんな心配かけてごめんね！もう大丈夫！」

絵里「けどもし誰かにつけられていたとしたらそれは心穏やかではないわね....」

穂乃果「大丈夫だよ！私には剣道も弓道もしてる頼もしい海未ちゃんがいるんだよ！ねー！」ｷﾞｭｯ

海未「ほ、穂乃果....」

絵里「そう...ね、少し不安も残るけど海未がいるのなら.....」

希「いや....これは集団で仲良く帰ったほうがいいかもせーへんな.....」ﾍﾟﾗｯ

絵里「え.....？」

希「カードが、そう言ってるんや」

穂乃果「なんかみんな揃って帰るなんて珍しいね！！」

凛「テンションあがるにゃーー！！」

ことり「けど、怖いねストーカーなんて....やっぱ有名になると危険も増えちゃうね....」

絵里「考えようによってはそれだけ愛されてるってことよ、前向きに考えましょ」

真姫「それに、こんな人目が付く街中を集団で歩いていたら迂闊に手も出せないでしょ」

希「あれ？にこっち、どうしたん？」

にこ「ちょ、ちょっと忘れ物をしたのよ！！先に帰ってなさい！」

絵里「え？じゃあついていこうか？心配だし.....」

真姫「そうね、１０数人にもストーカーされてたら何が起こるかわかったもんじゃないし」

にこ「気にしないでほしいにこぉ～、大丈夫にこぉ～.....ということで退散！」ﾀﾞｯ

にこ「（家までついてこられちゃたまんないわよ！）」

絵里「にこ！あー...人ごみで見えなくなっちゃった....」

海未「というか学校と違う方向にいなくなったような....」

希「にこっちやったら大丈夫や、カードもそういってるし」ﾍﾟﾗｯ

凛「なんかうさん臭いにゃー」

希「んー？今胸わしわししてほしいって言った？」ﾜｼﾜｼ

凛「言ってないにゃーーー！！」

絵里「そうね、にこなら大丈夫かも....って、どうしたの海未？」

海未「」ｼﾞｰｯ

絵里「海未？」

海未「はっ！」

絵里「いや、なんだかどこか真剣な眼差しをしていたようだから....」

海未「い、いえ....怪しい人物がいないかと警戒を.....」ｷｮﾛｷｮﾛ

絵里「.....ぷっ」

絵里「うふふ」

海未「な、なんですか？」

絵里「いや、そこまでして穂乃果の心配をするだなんて.....なんだか微笑ましくて」

海未「それは....穂乃果の事を幼い頃からずっと見てますから.....責任というか、その....」

絵里「幼馴染だものね、やっぱり穂乃果を最後に任せられるのは海未と思うわ」

絵里「穂乃果の事、よろしくね」

海未「は...はい」

希「......」

穂乃果「じゃあまたねー！ことりちゃん！」

ことり「うん！また明日ね！！」

絵里「さて....これで５人は家に送り届けたわね」

希「じゃあウチらはこっちやから、またね」

海未「はい、ではまた」

穂乃果「まったねーーー！！」

希「（さて.....）」

穂乃果宅

海未「お邪魔します.....」

穂乃果「宿題を私の家に忘れるなんて、海未ちゃんもおっちょこちょいだねー」

海未「穂乃果.....」

穂乃果「どれどれー、私も探して....」

海未「もう我慢できません！！！穂乃果ぁ！！！」ｶﾞﾊﾞｯ

穂乃果「ちょっ！どうしたの海未ちゃん！！！」ｱｾｱｾ

希「やっぱり、海未ちゃんやったんやね.....」ｶﾞﾗｯ

海未「はっ....希、それに絵里まで....！！」

希「悪いけど、お邪魔させてもらったで」

絵里「まさか....もしかしてずっとストーカーのような視線を送っていたのはあなただったの...？海未」

絵里「信じていたのに....海未」

海未「いえ....、その、あの、これは......」

穂乃果「え？どういうこと？」

絵里「はぁっ！何という事....メンバーの性癖を把握してないなんて....私は上級生として失格だわ！」

希「いや把握してたらおかしいけどな」

海未「.....」

希「海未ちゃん、すべてここで覚悟を決めて白状したらどうや？」

海未「そうしたほうが....いいかもしれませんね」ｽｯ

海未「簡潔に言います、私は穂乃果の事が好きです、愛しています」ｷｯﾊﾟﾘ

穂乃果「うん、私も海未ちゃんのことだーいすきだよ！」

海未「両想いじゃないですか！もう何も問題はありませんね！いただきます！」

希「いやあかんて！！」

絵里「多分、穂乃果の言ってる好きは海未の言ってる好きとは違うと思うわ」

海未「....そうですよね」

穂乃果「え？どういうこと？」

絵里「穂乃果......」

絵里「あなたは海未を一人の女として見ることができる....？」

穂乃果「うん！だってどっからどう見てもすごく可愛いアイドルみたいな女の子だよ！」

絵里「どうやら海未、あなたは女として見られていたようよ....よかったわね、もう私は何も言わないわ」ｸﾞｽｯ

絵里「絶対に幸せにするのよ！！」

海未「はい！一生大事にして、絶対幸せにして見せます！！」

希「いやいや、何勝手に穂乃果ちゃん渡そうとしてるんや！！聞き方が悪いやろ....もう、ほんましゃーないなー.....」

希「穂乃果ちゃん、海未ちゃんの事恋愛的な意味で好きか？」

穂乃果「れ、恋愛！！？」

穂乃果「恋愛って男の人と女の人が愛し合うことだよね？」

希「まぁ、大体そうやな、普通は」

海未「」ﾋﾟｸｯ

穂乃果「てことは、海未ちゃんは私を恋愛的な目で見てるってこと？」

希「そういうことやな」

穂乃果「わわわわ、わかんないよ！そんなの、いきなり言われたって.....女の子同士でしょ？」

希「穂乃果ちゃんの反応が普通とウチは思うわ、それでいいんやで」

穂乃果「少し...考えさせて」

希「ということや、相手の意思も尊重せずいきなり襲ったりしたらあかんで海未ちゃん」

希「ウチは女の子同士の恋愛はあかんと思てへん、愛の形は人それぞれやから否定するつもりはない」

希「けど、いくら幼馴染やからって、いきなり一方的に気持ちをぶつけて襲うのはあかんやろ？」

希「ちゃんと穂乃果ちゃんの返事を聞いてから、それからどうするか考えたらええよ」

希「ウチはいつでも相談に乗るからな、いつでも頼ってくれたらええから」

海未「.....はい、わかりました覚悟を決めます」

海未「異性同士の恋愛が普通なのだと言うのであれば、私は性別適合手術を受けます！！！」

絵里「待って海未！あなたお金はどうするの！？」

希「全然わかってへんやん、もうツッコむのもしんどいわ」

希「じゃあ穂乃果ちゃん、ウチらはもう帰るからこんな夜中に失礼したなぁ」

希「じっくり考えて、自分なりの答えを出すんがいいと思うよ、カードじゃなく、ウチがそう思う」

穂乃果「うん、わかった.....」

穂乃果「海未ちゃんが....私に恋.....」

穂乃果「（私恋愛経験なんて全然ないし、それで初めて告白されたのが海未ちゃん....）」

穂乃果「（正直そういうのよくわかんないし、なんて返事すればいいのかわかんないよ...）」

穂乃果「（明日どういう目で見ればいいんだろ......）」

穂乃果「うーん.....」

穂乃果「よしっ！！」

穂乃果「雪穂ー」

雪穂「何？」

穂乃果「女の子同士の恋愛ってどう思う？」

雪穂「ブッ！！！」

雪穂「何！？なんか学校で好きな女の子でもいるの！？ていうか姉ちゃんが百合！？」

穂乃果「いやいや、私じゃなくって、女の子同士の恋愛を雪穂はどう思ってるのかなって」

雪穂「そんなのいきなり聞かれてもなぁ....、そういう漫画はちょっと見たことあるけど....」

穂乃果「うん」

雪穂「正直気持ち悪い」

穂乃果「なっ！」

雪穂「だって同性同士って気持ち悪いよー、やっぱり男と女の甘い純情恋愛が....」

穂乃果「そんな事言ったら海未ちゃんに失礼だよ！！！」

雪穂「えぇー！！なんで姉ちゃんの友達が出てくんの！！」

穂乃果「あ、えーっとそれは.....」

穂乃果「じゅ、受験勉強の邪魔をしてどうもすいませんでしたー！」ﾀﾞｯ

雪穂「....変なお姉ちゃん」

穂乃果「あぁ....今日海未ちゃんにどんな顔して会えば.....」

ことり「穂乃果ちゃんおはよう」

穂乃果「おはようことりちゃん！！」

海未「.....おはようございます」

穂乃果「う、海未ちゃん....おはよう」

穂乃果「（なんか気まずいなぁ......）」

ことり「穂乃果ちゃん、どうしたの？」

穂乃果「な、なんでもないよ、ははは」

海未「.....」

穂乃果「というわけですごく気まずいんだよ～」

希「ふむ、なるほどなぁ、いつまでもそんな状態でおれんよなぁ～」

絵里「もしかしたらこの件が、ライブに支障をきたす可能性もあるしね.....」

希「せやな、けど穂乃果ちゃんに答えをせかすわけにもいかんと思うんよ......」ｺｿｺｿ

絵里「けど、ずっとこのままにしておくわけには.....」

希「....せやね」

希「（この件のおさめ方次第で今後のμ'sの活動にも影響が及ぶ....ともなればハッピーエンドが妥当やな）」

希「昼休みに屋上へ呼び出したのは他でもない、穂乃果ちゃんの件についてや」

希「もう一回確認するけど穂乃果ちゃんの事どう思ってる？」

海未「大好きです、昔からずっと」

希「海未ちゃんの気持ちは痛いほどわかったわ......」

希「（あのシャイな海未ちゃんがここまで言うなんて、相当本気なんやね.....）」

希「じゃあ選択肢は二つや、穂乃果ちゃんを追いつづけるか、それともあきらめるか」

希「この選択からは逃げることはできへん、わかってるよな？」

海未「......」

海未「私はあきらめたくないです、半端な覚悟で穂乃果を襲ったわけではありません」

希「そうか.....じゃあウチは恋のキューピットになるしかないわけやな」

海未「はい？」

希「ウチが海未ちゃんと穂乃果ちゃんをくっつけたるって言うたんや！」

海未「希....いったい何を...」

希「海未ちゃんと穂乃果ちゃんの相性占いしてみたけど悪くない、むしろ良好な結果が出たんや」

海未「本当ですか...？にわかには信じられませんが、とても嬉しいです」

希「あともうひと押しで穂乃果ちゃんも落ちるはず.....ともなれば」ｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞ

海未「ともなれば？」ｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞ

希「ここに二つのチケットがあるんよ」

海未「ま、まさかホテルの割引券？なんて破廉恥な.....」ｶｧｧｧｧ

希「ほんま海未ちゃんって結構肉食やね....ちゃうちゃう、遊園地のチケットや」

海未「ゆう....えんち？」

希「もしかしてあんまり行ったことないん？」

海未「はい...その、あまりそういうのには疎くて....」

希「ならちょうどええやん、ここで二人でデートしてき」

海未「デ、デート.....」

希「大丈夫大丈夫、うまく行くか心配なんやろ？ウチがサポートしたるから安心してええよ」

海未「希.....」ｼﾞｰﾝ

海未「ありがとうございます....私のためにそこまでしてくださって....」

希「うんうん、ウチが好きでやってるんやからええよ」

希「（さて...あとはこれでうまく行くかどうかやな.....）」