菫「ユニコーンか……」 (132)

☆注意☆

本作品には機動戦士ガンダムUCのネタバレが含まれる事がありますのでご了承くださいませ。

ガンダム作品や、その他ロボットアニメーションを観たことがある方向けの作品となっております。

極力たくさんの方が理解できるような作品にして参りたいと思っております故、どうぞよろしくお願いしますm(__)m

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1362316510

尭深「……」ジー

淡「……」ジー

誠子「……」ジー

照「……」ジー

ガチャ

菫「みんな集まってるk」

菫「……」

菫「お前達、何をしているんだ?」

淡「……」ジー

尭深「……」ジー

照「……」ジー

誠子「……」ジー

菫「……」

菫「おい、照!」ユサユサ

照「!」

照「あ、菫」

淡「!」

淡「スミレだ!」

尭深「……」イチジテイシ

誠子「どうも」ペコリ

菫「どうも、じゃない!お前ら何してるんだ!」

淡「何って……」

照「ビデオ鑑賞」

誠子「」ウンウン

尭深「……」

菫「ビデオ鑑賞って……お前ら」

菫「白糸台レギュラーとしての自覚はあるのか!?」

誠子「いや……」

淡「でも、すごいおもしろいですよっこれ!」

菫「そういう問題ではない」

照「菫も見る?」

菫「見るわけがないだろ、今は部活の時間だぞ」

菫「そんな事で全国大会優勝できると思っているのか?」

尭深「」チッ

菫「聞こえたぞ」

菫「……そもそもそんなに食い入るようにして、いったい何を観てるんだ?」

照「機動戦士ガンダムユニコーン」

菫「……ガンダム?」

淡「そう、ガンダムでっす!」

菫「……お前達、こんな年にもなってガンダムって恥ずかしくないのか?」

照尭誠淡「」ヤレヤレ

菫「おい」

誠子「全然おもしろいですよ?」

菫「そんなわけあるか」

菫「でっかいロボットが戦争するアニメだろ?女子高生が観るのは非常識だろう」

尭深「」ヤレヤレ

菫「おい」

尭深「……観ればおもしろさが分かる」

照「」ウンウン

菫「……とても観る気にはなれないな」

淡「いや、観ましょう!」グイグイ

菫「ちょ、なにをする!」

菫「部活をしなくてはいけないだろっ!」

誠子「まあまあ」

淡「部活の一環と思って」

尭深「観ましょう」グイグイ

菫「な……」

菫「これのどこに部活の要素があると言うんだ……」

照「観ればすべてが分かる」

菫「……」

菫「……仕方ない」

淡「やった!」

誠子「ちょうど一巻があるので、それを観てみましょう」

菫「……」

尭深「……」

照「……菫はダブルゼータ観た?」

菫「ダブルゼータ?知らないな」

照「そっか」

菫「それを観ていないとダメなのか?」

照「いや……」

誠子「観ていないと楽しめないというわけではありませんが、観ているとより理解が深まるというか……」

菫「そうなのか……」

淡「とりあえず観ましょ!」

菫「」シブシブ







菫「○○か……」シリーズの者です。今回はマニアックな作品になりそうですすいませんm(__)m




ヴァナージ『私のたった一つの望み……可能性の獣……希望の象徴』

ヴァナージ『父さん……母さん、ごめん……俺は—』

ヴァナージ『行くよ』

菫「」ゾクゾクッ

菫「……」

オードリー『っ!?……ヴァナージ?』

マリーダ『姫様っ?』

マリーダ『くっ……ファンネルっ!』キュイン

ヴァナージ『ここから……』

ヴァナージ『ここから出て行けぇぇ!!』ドゴォォォ

菫「」ゾクゾクッ


オードリー『……』

オードリー『……ガンダム』

_____________________________

淡「はい、終わりー」

照「……」

誠子「どう……でした?」

菫「……」

菫「すごく……かっこよかった」

淡「やったっ!」

照「」コクッ

菫「……なんか、ゾクゾクした」

淡「」ウンウン

尭深「BGMがかっこいい」

誠子「」ウンウン

菫「……」

菫「続き……」

淡「……?」

菫「……続きは無いのか?」

誠子「ありますけど……今ここには無いですね」

菫「」ショボン

照「」クスッ

淡「はは〜ん、すっかりハマってしまいましたね〜?」

菫「う、うるさい」

菫「ただ、続きが気になるだけだ」

淡「それをハマったって言うんですよっ!」

菫「……///」

照「誠子」

誠子「はい?」

照「明日続き持ってきて」

誠子「わかりました。二巻持ってきますね」

照「」コクッ

照「いいよね、菫?」

菫「……ああ。たまにはこういうのも……な」

尭深「」ズズズ

淡「部長がこんなことでいいのかな〜」ニヤニヤ

菫「なっ……お前らが—」

淡「ウソですよっ!明日も観ましょうねっ」

菫「……ああ」

菫「(……)」






照「あ、誠子」

誠子「こんにちは」

照「持ってきた?」

誠子「もちろん」

照「じゃ、部室で観よう」

誠子「」コクッ

淡「あ、みんなー」フリフリ

照「」フリフリ

淡「早く部室行きましょっ!」

照「」コクッ

照「」テクテク

淡「」テクテク

誠子「」テクテク

照「」ピタッ

淡「……?」ピタッ

照「尭深が……部室の前で立ってる」

誠子「鍵が無かったんですかね?」

淡「タカミー、なんで入らないの〜?」フリフリ

尭深「」ハッ


尭深「……」

尭深「部長が……」

誠子「……?」

尭深「とりあえず中を見てください」

照「?」

照「」チラッ

菫「」ウズウズ

菫「」マダカナ

菫「」ユニコーン

菫「」ヴァナージ

菫「」ウズウズ

菫「」ジュドォォォォ

照「……」

照「すごく……ウズウズしてる」

誠子「うわ……」

淡「なんと……」

尭深「入りづらい」

誠子「確かに……」

照「……」

照「」ガチャ

菫「」ハッ

菫「……遅かったな」

照「うん……」

誠子「こんにちは……」

淡「こんにちはっ!」ヒョコッ

尭深「」ペコリ

菫「ああ、ところで—」

誠子「ユニコーンですよね?持ってきましたよ」ガサッ

菫「……」パァァ

尭深「(わかりやすい)」

照「じゃ、観よう」

菫「」コクッ

誠子「(麻雀はいいのかな……?)」

尭深「(ダブルゼータ観たのかな……ジュドーのオーラが……)」



誤植申し訳ないですm(__)m


フロンタル『当たらなければどうということはない』

照誠尭淡「おぉ」

菫「……?」

_____________________________

ヴァナージ『あんただけは、墜とす!』

フロンタル『ヴァナージ君、聞こえているならやめろ。このままではお互い大気圏で燃え尽きることになる』

ヴァナージ『くっ……』

ヴァナージ『……今度は外さない』キュイン

ギルボア『—』メシャァァァ

ヴァナージ『ギルボア……さん?』

_____________________________

淡「はぁ」

尭深「」ジーン

照「……終わっちゃった」

誠子「どうでした?部長」

菫「……すごく良かったんだが—」

菫「シャアアズナブルって誰?」

照誠尭淡「え?」

照「……」

淡「(シャアをしらないとは)」

誠子「(ダブルゼータ観たんじゃなかったのかな……)」

尭深「……シャアはアムロのライバル」

菫「アムロ?聞いたことある……」

尭深「シャアはガンダムシリーズではすごく有名。ファーストガンダムと呼ばれる作品に出てます」

尭深「もし興味があったらファーストガンダム、ゼータガンダム、ダブルゼータ、逆襲のシャア、ユニコーンの順に観た方が良いかもしれません」

菫「……そうなのか」

菫「分かった」

菫「それじゃ、私は帰るから—」

誠子「え、部活は……?」

菫「すまない、用事ができた」

淡「(絶対観るつもりだよあれ)」

尭深「」コクッ

照「」フリフリ

菫「」フリフリ

バタン

照「……」

淡「こうしてまたガンダムマイスターが出来上がったとさっ!」

誠子「まったくですね」クスクス

尭深「……」ズズズ



是非、BGM「UNICORN」と一緒に見ていただきたいですm(__)m

次の日

淡「あっ、テルー、今日も一緒に行きましょっ!」

照「あ、淡……行こう」

照「」テクテク

淡「」テクテク

照「」ピタッ

淡「……」

淡「またですか……」

尭深「」チラッ

照「」フリフリ

尭深「」ペコリ

淡「またですかっ?」

尭深「」コクッ

照「」チラッ

菫「」シュウセイシテヤル

菫「」アムロアムロアムロ

菫「」ブライトサーン

菫「」グイングイン

淡「……」

照「……」

尭深「……」



誠子「はぁ……」テクテク

誠子「(三巻持ってないって言ったらみんなガッカリするかな……)」

誠子「」テクテク

誠子「!」

照尭淡「!」

誠子「あれ、みんなして何を—って、まさかまた……」

照「」コクッ

誠子「……あの」

照「?」

誠子「言いにくいんですが……」

淡「……?」

誠子「……三巻持ってないんです」

照淡尭「」

淡「なんと……」

照「……」

尭深「撃墜されるかもしれない……」

誠子「そんな……」ガタガタ

菫「」ガンダァァァム

菫「」アクシズ

菫「」ハマーン!

淡「……だってあんなに楽しみにしてるのに」

誠子「」ガクブル

照「……」

照「……行ってくる」

淡「ちょ、テルー早まりすぎ—」

ガチャ

菫「お、遅かったな」ギンッ

照「……」

照「(すごいプレッシャー……)」

照「菫……目が赤いよ?」

菫「あ、ああ。昨日徹夜でファーストと逆シャアを観たからな」ギンッ

照「そ、そう……」

菫「今日のこのときのために私は漫画まで読んだぞ?」

菫「ガンダムオリジン、C,D,A,……」

菫「予習はバッチリだ」ギンッ

照「……」

菫「それと、アムロはUCに出てこないのか?」

照「え……どうかな……それは」

菫「是非アムロは出てきて欲しいっ!」

照「……」

菫「……そういや、あいつら遅いな」

菫「照、何か知らないか?」

照「……」

照「そのことで話がある」

菫「ん?」

照「……」

照「……誠子、三巻持ってないんだって」

菫「……」

菫「な……に……?」

菫「持ってない……だと?」

菫「……」

照「」コクッ

菫「そうか……なら仕方ないな」

菫「」ハァ

菫「」ガックシ

淡「あ〜あ……」

誠子「え、これってやっぱり私のせい?」

尭深「」コクッ



照「誠子」

誠子「は、はいっ!」スタスタ

照「いつ三巻買うの?」

誠子「そうですね……来週あたりでしょうか」

照「じゃそれまで待とう、菫」

菫「……」

菫「」コクッ

尭深「……」スタスタ

淡「……?」

尭深「……部長」

菫「?」

尭深「全く関係無いのですが……」

菫「……?」

尭深「これからゲームセンターにいきませんか?」

菫「ゲームセンター?お前と?」

菫「どうしたんだ急に……そんな俗っぽい所に行けるわけ……」

尭深「いえ、見せたいものがあるんです」

菫「見せたいもの?」

尭深「」コクッ

誠子「(なんだろういきなり……)」

照「……?」

淡「タカミー、私も行っていいですかっ!?」

尭深「」コクッ

尭深「みんなで行きましょう」

菫「……?」






尭深「ここです」

菫「……ここは?」

尭深「マイナーなゲームセンターです。名前はSKYN」

淡「SKYN……?」

照「すこやん……」

尭深「」コクッ

菫「な……どういうことだ?」

尭深「すこやんこと小鍛冶プロが営業してます」

菫「……訳が分からないな」

尭深「……」

淡「そういや、小鍛冶プロって変な都市伝説ありませんでしたっけ?」

誠子「えっと……確か、付いた異名が『神出鬼没すこやん』」

照「聞いたことがある……どこにでも現れるっていう噂」

菫「……大丈夫なのか?」

尭深「大丈夫です。私たちが来る事はすでに知らせていますので」

尭深「とにかく入りましょう」

菫「ああ……」

淡「(大丈夫なんですかっ?ここ今にも崩れそうですよっ?!)」

菫「(……ついていくしかないだろう)」



健夜「いらっしゃいませー」

健夜「あ、渋谷さん」

健夜「こっちだよ」テマネキッ

尭深「はい」

尭深「」スタスタ

菫「……」ジー

健夜「?」

尭深「部長、こちらです」

菫「あ、ああ」

菫「」スタスタ

照「……」スタスタ

淡「(やっぱり何かおかしいですって!)」

淡「(全然ゲーム置いてないし、おかしいですよここっ!)」

菫「(……)」

誠子「」スタスタ

淡「(セイコまでっ!)」スタスタ

淡「(どんどん暗くなっていきますよっ?!)」

菫「(……渋谷を信じろ)」

淡「……」

誠子「(いったいどこへ向かっているんだろう……)」スタスタ

照「」スタスタ

淡「(テルーっ!)」

照「なに?」

淡「(引き返しましょっ!なんかおかしいですって)」

照「……」

照「淡には感じないの?」

淡「え……なにを」

照「この先の空間が私を呼んでいる……」

淡「」

照「だから私は進む」スタスタ

淡「」ボーゼン

淡「待ってくださいよっ!私も行きますよっ!」ショウガナイナァ






健夜「さ、着いたよ」ガチャ

尭深「……」

菫「な……」

照「これ……」

誠子「すごい……」

淡「なんと……」

健夜「どうかな……ネェルアーガマのブリッジ内部を模したシミュレーションゲーム」

尭深「……」

照「……」

健夜「もちろん原寸大で作ってあるから座れるよ?」

健夜「弘世さん、艦長席に座ってみて」

菫「え……?」

菫「私がですか?」

健夜「」コクッ

菫「……」

菫「」ヒョイッ

菫「……」

フイン

「メインエンジン起動」

「システムチェック……オールグリーン」キュィィィィン


一同「おおっ!」

菫「な……これは」

健夜「実際に戦闘もできるの。まだ発進してないから敵は来ないけど」

健夜「じゃ、みんな座ってみて」

健夜「全面フルスクリーンだから実際の視界と一緒だよ」

淡「……感動ですっ!」キラキラ

誠子「(あんなに嫌がってたのに)」

誠子「……」

誠子「あれ……?」

誠子「シートが一つ足りなくないですか?」

健夜「宮永さんだけ別室だよ」

照「?」

淡「え〜テルーと一緒に居たい〜」

菫「わがまま言うな。そこに座ってろ」

健夜「あ、ごめんね?でもこれは宮永さんしかできないと思って……」

誠子「(宮永先輩だけ……?)」

健夜「それに……大星さんは……」

淡「え?」

「発進準備完了」

健夜「あ、できたね」


健夜「じゃ、渋谷さん、後はお願いね」フリフリ

淡「(なにか言いかけた……?)」

渋谷「了解です」ピシッ

淡「(え……なんかすごいノリノリなんですけどっ!)」

健夜「じゃ、宮永さんはこっちに来て」

照「了解!」ピシッ

淡「(テルーもっ?!)」

誠子「……」

菫「おい渋谷、どうしたらいいんだ?」

尭深「部長……いや、艦長」

菫「な、なんだ?」

尭深「……発進しましょう」

菫「発進……?」

菫「いやしかしどうやって発進を—」

菫「」ピキーン

菫「……ここか」クイッ

ゴゴゴォォォ

淡「え?え?地震?」

誠子「まさか……動いている……?」

尭深「いや、この部屋全体が震動している」

菫「感じる……ネェルアーガマの鼓動が!」

誠子「なんと……」

淡「大丈夫なんですかっ!?そんなことしてっ」

尭深「すこやんなら大丈夫」

誠子「なんと便利な……」

フィーンフィーン

菫「!?」

尭深「……二時の方向に高熱源反応……距離二千!」

淡「え、ちょっといきなり過ぎませんかっ?」

誠子「レーダーに感っ!ミサイルですっ」

淡「セイコまで〜」

誠子「淡……ここは戦場なんだ」

淡「そんな〜私は見てるだけでいいのにっ!」

菫「ミサイル来るぞっ!迎撃しろっ!」

誠子「そんな……間に合いませんっ!」

菫「クソッ……各員衝撃に備えろっ!」

ズドーン グラグラ

淡「」キャー

淡「もう、おうちに帰りたいよ〜」グスッ


別室 擬似コックピット

照「……これは」

健夜「宮永さんが座る所……コックピットだよ?」

照「コックピット……?」

健夜「そう、ユニコーンのコックピット」

照「そんな……私操縦なんてできない……」

健夜「恐れないで……自分の中の可能性を信じて、力を尽くせば道は自ずと開けるよ」

照「……勝手ですよ」

健夜「勝手で居られるのは大人の特権だよ?」

照「……」

健夜「……それじゃ、がんばってね」フリフリ

照「っ!」

ガシャン

照「(私が操縦……?)」

照「(どれがトリガーかな……)」ガチャガチャ

照「(暗い……)」

照「(でも……このコックピット、落ち着く……)」

照「(……)」

フイン

照「!?」


照「(モニターが……)」

咲『おねぇちゃん?』

照「咲……?」

咲『……許してくれるかな……?』

照「……?」

照「何……?」

咲『あの日のこと……』

照「……咲?」

照「(聞こえてない……?)」

咲『本当は……もっと……もっと……』

照「(この台詞……どこかで)」

照「」ピキーン

プツン

照「咲っ!」

照「咲っ、応答してっ!」

照「……」



BGM「UNICORN」


菫『照?聞こえてるか?』

照「……菫」

菫『ネェルアーガマが攻撃を受けている。行けるか?』

照「……」グシグシ

菫『照!ユニコーンしか望みはないんだ、頼むっ』

照「……」

照「……勝手だよ」

菫『……?』

照「大人はみんな勝手だよ……」

照「あの日までは幸せだったのに……」

照「……」

菫『……』

照「……やる」

菫『……なに?』

照「墜とせば良いんでしょ?」

菫『ああ……』

照「ハッチ開けて」キュイィィィン

菫『……?』

照「ハッチを開けて!出撃する」

菫『あ、ああ』

菫『ハッチ開放!』

尭深『了解、ハッチ開きます』

照「……」

菫『……照』

照「……なに?」

菫『……必ず戻って来いよ』

照「言われなくてもっ」キュィィィィン






そうです、人が居ないゲーセン(?)に居ます。
描写不足でした。申し訳ないですm(__)m

擬似ブリッジ

尭深「ユニコーン発進しました」

菫「……」

菫「照……頼んだぞ」

ピピピッ

誠子「!?」

誠子「これは……高速でアーガマに接近する敵影を捕捉!」

菫「なにっ?」

菫「迎撃ミサイル発射っ!」

尭深「……そんな……あの[ピザ]リの中をあんな速さで……」

菫「くっ……まさか」

誠子「赤い彗星……」

菫「ユニコーンはっ?」

尭深「向かってます!」

菫「全機出撃翌用意!ユニコーンの支援に廻れ」

淡「(なんか……白熱してる)」

淡「(私もなんかしなくちゃ……)」

淡「」タタタッ

菫「淡、どこへ行くっ!戦闘中だぞ」

淡「ちょっと……トイレ」

菫「なにっ?早く行ってこい!」

淡「は〜い」タタタッ





淡「」ヒョコッ

淡「」キョロキョロ

健夜「あれ、大星さん」スタスタ

淡「」ビクッ

健夜「どうしたの……?」

淡「……」

淡「(……)」

淡「私も……」

健夜「?」

淡「私もなにか役に立ちたいんですっ!」

淡「私になにか特別な事をやらせてくださいっ!機銃でもなんでも良いんですっ!みんなの……みんなの役に立つことをっ!」

健夜「……」

健夜「」クスッ

淡「な、なんで笑うんですかっ!」

健夜「だって……たかがゲームなのにそんなに真剣になってて」クスクス

淡「///」カァァァ

健夜「でも……真剣になれることは良いことだと思うよ?」

淡「……」

健夜「実はね、大星さんがここに来ることは知ってたの」

淡「え……それは」

淡「タカミーが小鍛冶プロに言ったからじゃないですか?」

健夜「違うよ?」

健夜 「ここに、このタイミングでってこと」

淡「え……そんなまさか」

健夜「あなたが力を求めて来るって事」

淡「そんな……」

健夜「だからちゃんと用意してあるの」

健夜「もう一つのコックピット」

淡「……?」

健夜「さ、こっちだよ」







淡「これは……」

淡「コックピット……?」

健夜「」コクッ

健夜「大星さんが乗る機体はRX-0 バンシィ」

淡「機体?バンシィ?」

健夜「あ、まだ観てなかったかな?後々登場してくるガンダムなんだけど……」

淡「え、いや……私はガンダムに乗るんですか?」

健夜「」コクッ

淡「……」

淡「でも……私、こんなの操作できません」

健夜「特別な事をしたいんでしょ?それに、そう言って宮永さんは乗りこなしてる」

淡「テルーが?」

健夜「」コクッ

健夜「だから、大星さんも大丈夫」

淡「そんな……」

健夜「じゃ、がんばってね」ガシャン

淡「ちょ……」

淡「……」

淡「(暗いよぉ……)」

淡「(怖い……たかがゲームなのに)」


淡「(照は乗りこなしてるの……?)」

淡「(全然操作が分からない……)」

淡「(怖い怖い怖い怖い—)」

キュィィィィィィィィン

淡「な、なに?!」

NT-D

淡「え……これって」ガシャガシャ

キュイィィィィィン

淡「ちょ、やめ—」キュインキュイン

淡「え……機体が勝手に」

淡「(制御が……できないっ)」ガシャガシャ

誠子『カタパルトデッキ、扉開きますっ!』

菫『なにっ?!おい、誰が乗ってるんだ!』

淡「あ、スミレっ!私ですっ」

菫『淡……?どうしてそんなとこに……』

淡「え……いや、なんかその……」

菫「……?」

菫『それに……なんだその黒い機体……』

淡「えっと……バンシィですっ!」

菫『バンシィ……?』

淡「はいっ!……そんな事よりも、今はピンチなんですよねっ?!」

菫『あ、ああ。まずい状況だ』

淡「私が出ますっ!」

菫『お前が……?』

淡「大丈夫ですっ!私……みんなの為に尽くしたいんですっ!」

菫『そんなお前が……』

菫『いや……』

菫『……必ず戻って来いよ』

淡「……」

淡「もちろんっ!」

淡「(……まだ完全に制御はできないけど)」

淡「(やるしかないっ!)」

淡「大星淡、バンシィ、出ますっ!」



健夜「……」

健夜「やっぱり見込んだ通りになった……」

健夜「彼女たちは牌に愛された子じゃない……」

健夜「ニュータイプ……」

健夜「麻雀連盟……あなたたちの好きにはさせないっ!」ゴッ


                   
                  次回予告


赤い彗星を前に必死に抵抗を続ける照と淡であったが、彼女たちには辛く哀しい運命が待ち受けていた

そして小鍛冶健夜の真意は如何に

次回 episode2『淡い彗星』

少女達はその儚い命に炎を灯す





照「(赤いモビルスーツ……)」

照「(……何、あの動き……)」

照「(目で追うことができない……)」

照「(防戦一方……このままでは墜とされる!)」

菫『照!』

照「?!」

照「なに?」

菫『淡がそちらへ向かった』

照「淡が……?」

淡『テルー』

照「淡……どうして」

淡『みんなと一緒に戦いたくてっ!』

照「……」

淡『あ、テルっ!後ろっ!』

照「!」ピキーン

ギュイン

照「うっ……」

照「……このままでは」

照「淡」

淡「」ピキーン

淡『……了解』

照「え?」

淡『え?』

照「(挟撃しようって言おうと思っただけなのに……伝わった……?)」

淡『(テルーの声が聞こえた……)』

淡『挟撃ですねっ?!』

照「」コクッ

照「いくよっ!」ギュィィィン

淡「了解ですっ!」キュイィィィィィン




菫「左舷、弾幕薄いぞっ!」

菫「……状況はっ?」

誠子「ユニコーンとバンシィが赤いモビルスーツに挟撃を仕掛ける模様」

菫「よし……足止めは成功している……」

尭深「0時の方向に熱源反応……モビルスーツです!……本艦に急速に接近中!」

菫「今度は何だっ?」

尭深「あの機影……サザビー……!?」

誠子「まさか……」

尭深「間違いありません!」

菫「くそ……ここまでなのか……」

誠子「さらに後続に四機……」

尭深「そんな……」

菫「終わった……」

ピピピッ

誠子「!?」

菫「なんだっ!?」

誠子「……本艦後方に突如現れた識別信号不明の艦から通信要請!」

菫「こんな時にっ!……繫げっ!」

誠子「はい……繋がりましたっ!」

菫「……本艦はネェルアーガマ、所属を明らかにせよ」

咲『あ……繋がりましたよ部長!』

久『あら、上出来じゃない!よくやったわ、咲』

咲『えへへ///』

菫「……」

誠子「……」

尭深「……」

菫「あー、もう一度告げる。貴艦の所属と目的を明らかにせよ。こちとら構っている暇はないっ!ここは戦闘区域だぞ」

咲『ひっ』ガクブル

久『あらあら、ずいぶん気がしょっているのね』

菫「なにっ?!」

久『こちらは……え〜となんだっけ?』

まこ『ネェルアーガマMk2じゃ』

久『そうそう、ネェルアーガマMk2です。あなたたちの味方よ』

菫「味方……?」

尭深「(ネェルアーガマMk2……?……これもプログラムなの?)」

誠子「艦長!第二波、来ます!」

菫「くそ……おい、ネェルアーガマMk2!ここはとりあえず共闘しないか?お互い身の上も知らない同士だがここで墜ちるのは癪だろう?」

久『もちろん、そのつもりよ』

久『すでにMS隊を出撃させてあるわ』

菫「そうか……協力感謝する」

誠子「艦長!さらに増援です!」

菫「……」

菫「Mk2に懸けるしか……」







久「……」

咲「部長……あ、いや艦長」

久「ん?」

咲「ネェルアーガマの人たちって……」

久「……たぶん別の場所でやってるんでしょうね」

久「……」

久「(白糸台の……弘世菫)」

久「(……命を懸ける覚悟はできてる?)」

久「(……それにしても戦況が芳しくないわね)」

久「まこ」

まこ「なんじゃ?」

久「デルタプラスで出られる?」

まこ「もちろんじゃ」

まこ「さぁて、腕が鳴るのぉ」

久「……和は?」

まこ「まだ時間がかかるようじゃ」

久「そう……」

咲「……」ウツムキ

久「……心配?」

咲「えっ……それは……」

久「行ってきても良いのよ?」

咲「でも……私の仕事が……」

久「大丈夫。あなたが抜けても戦力に影響は無いわ」

咲「それって……私が必要無いみたいに聞こえます……」

久「あら?そういう意味で言ったわけじゃないんだけど」

久「それよりも私からのお願い」

久「和の所へ行ってきてもらえない?」

久「和……不安だと思うから」

咲「……」

咲「分かりました」

咲「」タタタッ


久「……」

久「(咲……あなたも彼女たちと同じ運命をたどる事になる……)」

久「(でも、私が止めてみせる……)」

靖子「残酷だな……」スタスタ

久「……なんで出てきたのよ」

靖子「ニュータイプがどれほどのものかと思ってな」

久「……嘘つき」

靖子「お前がそう苛つくのも分からんでもないが少しは冷静になれ」

久「最初から冷静よ」

靖子「麻連を倒すんだろ?」

久「……」

靖子「そんなんじゃ、倒せるものも倒せないぞ」

久「……分かってるわよ」

久「咲達を……救う」

靖子「その気持ちを忘れないことだ……お前が倒れたらGAMEOVERだからな」

久「……」






和「……」

和「(これが前回の出撃で手に入れたニューガンダム……)」

和「(……すごく怖い)」

和「(いつもならデジタルの思考ができるのに……)」

和「(咲さん……)」

グウィン

咲「和ちゃんっ!」

和「咲さん?!」

咲「ごめん……出撃前なのに……邪魔だったよね」

和「そ、そんなことないですっ!咲さんに来てもらって嬉しいです」

咲「そうかな……」

咲「ニューガンダムの調子はどう……?」

和「……まずまず、といったところでしょうか」

和「サイコミュに慣れていないのでファンネルがうまくはたらいてくれるかどうか……」

咲「そっか……」

和「咲さんはどうして来てくれたんですか?」

咲「え……」

咲「どうしてかな……」

咲「和ちゃんが……呼んでる気がして」

和「……ニュータイプということでしょうか」

咲「そうなのかな……でも私は普通の人だし」

和「いえ、そんなはずありません。普通の人が麻雀であんなに強い訳ありません」

咲「……」

咲「あのね—」

久『こちらブリッジ』

久『和、行ける?』

和「え……」

咲「……」

久『あら……お邪魔だったかしら?』

和「いえ」

和「準備完了しました」

久『そう……それじゃハッチ開けるから待機して』

和「了解しました」

和「それでは咲さん、私が戻ってからお話の続きをしましょう」

咲「うん……がんばってね」

和「はい……」

ガシャン

咲「……」

咲「(ニュータイプ……)」


誠子「ネェルアーガマMk2からの増援で戦況は安定っ!」

菫「よし、後は照と淡だな……」

尭深「……サザビーとニューガンダムが戦闘を開始しました」

菫「よし、本艦は後退する。Mk2と並走し、突破を目指す」

尭深「了解、全乗組員に告ぐ。本艦は—」

菫「(これでこの場は凌げるはずだ……)」

菫「(……)」



淡「当たれっ!この……このっ!!」ガッ

照『淡、冷静に』

淡「だ、だって!」グイングイン

照「」ピキーン

淡「」ピキーン

ヒュンヒュン


照『……このシナンジュ……誰が乗ってるの?』

淡「え……分かりません……でも、プログラムじゃないんですか?」

照『この動き……コンピューターが為せる技とは思えない』ギュイン

淡「そんな……」

照『淡も感じたはず……プレッシャーを……』

淡「そんな……」

淡「そんなオカルトありえませんっ!」ゴォォッ

照『淡……なにかおかしい』

淡「え?」

照『なにかが変』

淡「そんな……こんなときにっ!」ギュン

淡「大体最初から変でしたよっ!ずっと言ってたでしょっ」

照『違う……もっと異質な……』クンッ

照『悪……』

淡「悪……?」

照「」ピキーン

照『淡っ!』ガシッ

淡「わっ!ちょ、なにすr」

照『ハイメガ粒子砲……』

淡「あぶな……」

照『!』

照『モビルスーツが退いていく……』

淡「もうっ、なんなのっ!」

照『……一度退こう』

淡「え……」

照『なにか嫌な予感がする……』

淡「……」


誠子「艦長、敵モビルスーツ隊撤退していきます」

菫「む……このタイミングで……」

菫「(クリア……なのか?)」

尭深「ユニコーンとバンシィも着艦……」

菫「よし—」

プツン

菫誠尭「!?」

菫「(ブレーカーが落ちた……?)」

パッ

尭深「補助電源が……」

菫「……照明だけだな」

誠子「なんでしょう……終わりなんですかね?」

尭深「……」

バンッ

尭菫誠「!?」

透華「そこまでですわ!」カチャ

菫「……は?」

透華「あなたたちには死んでもらいますわ」

誠子「ちょ……それモデルガンだよね?え?」

尭深「……」


菫「なにかの演出か?」

透華「何を言ってるんですの?」

菫「それはこっちの台詞だ」

透華「あなたたち、自分たちが何をしているのか分かってますの?」

菫「……?」

誠子「ゲーム、ですよね?」

透華「は?」

菫「は?」

透華「……」

透華「とぼけるのも大概にしなさい!あなたたちは立派な戦犯ですわ」

菫「戦犯……?」

誠子「なにがなんだか……」

照淡「」タタタッ

照「菫、コックピットが……」

透華「な……こっちにも」

透華「手を挙げなさい」

淡「わっ!」

照「!?」

淡「な、なんですか、この人……」

菫「分からない」


透華「そろいもそろってとぼける気ですか。分かりました、ちゃんと白状すれば危害は加えませんわ」

菫「だから何を白状しろと……」

透華「……」

菫「……」

透華「……本当に知らないのですの?」

菫「何を」

透華「……ここの責任者はどなたですの?」

菫「責任者……?」

尭深「……小鍛冶プロ」

透華「小鍛冶……やはり癒着していましたわ」

菫「いったい何を言っているんだ君は」

透華「小鍛冶プロを呼んできてくださいまし」

菫「あ、ああ」

菫「渋谷、頼む」

尭深「はい」

尭深「」スタスタ バタン

透華「本当に何も知らないようですわね」

菫「君が言っていることはすべてわからない」

透華「……あなたたちはどうしてここに?」

菫「……さっき出て行った渋谷って奴がここを見せたいって」

透華「……あなたたちはこれをどのように認識しているのですか?」

菫「これ……?」

透華「この大規模な空間のことですわ」

菫「……ただのシミュレーションゲーム」

透華「……」

透華「騙されていらっしゃいますわね」

菫「騙されている……?」

透華「ええ……」

菫「……」

透華「とりあえず、小鍛冶プロを待ちましょう」




透華「……」

菫「……」

照「……」

淡「……」

誠子「……」

バタン

一同「!」

健夜「……」

菫「あ、小鍛冶プロ……」

健夜「……知られちゃったね」

透華「やっぱりですわ!貴方を屠ります」カチャ

菫「いったいどういうことなんですっ!それに、渋谷は—」

健夜「死んだよ」

菫「は?」

照「!」

淡「タカミーが……?」

誠子「そんな……」

健夜「私がやったの」

菫「な……」

透華「やはりもっと早く始末すべきでしたわ……地獄へ墜ちなさい」キッ

健夜「」タタタッ

透華「待ちなさいっ!」タタタッ

菫「……」

照「……」

誠子「そんな……死んだ……?」

淡「ウソ……ですよね?」

菫「……確かめよう」

照「」コクッ






菫「嘘だろ……」

照「頭を……」

誠子「そんな……目を開けてよ」ユサユサ

淡「タカミーっ!!」ユサユサ

照「……」

菫「……」

照「……」

誠子「」ウルッ

淡「どうなってるのっ?!」ブルブル

照「……」

誠子「部長っ!どうなってるんですかっ!」

菫「分からない……なにがなんだか」

照「誠子、冷静になって」

誠子「冷静で居られる訳ないですよっ!」バンッ

菫「……」

照「このままでは私たちまでこうなるかもしれない……」

淡「」ブルブル

菫「警察に電話だ……」

照「」スッ

照「……」

照「」ツーツー

照「繋がらない……」

菫「なに?」

菫「……」スッ

菫「」ツーツー

菫「……私もだ」

淡「怖い怖い怖い怖い」プルプル

誠子「出口が……開きません」

照「……閉じ込められた」

菫「……」

淡「どうするんですかっ、スミレー」ウルウル

菫「……分からない」

誠子「そんなっ……部長でしょアナタはっ!」

照「誠子、落ち着いて」

誠子「くっ……」

菫「なんとかここから出る方法を考えよう」

照「」コクッ


照「……」

照「」ピキーン

照「……」

菫「この扉は電動か……」

誠子「ブレーカーが落ちてて電力がいってないみたいですね……」

淡「タカミーぃぃ」ユサユサ

菫「……」

誠子「私たち……どうなるんですか?」

菫「わからない……」

照「菫」

菫「?」

照「コックピットに行ってくる」

菫「コックピット……?」

照「ここで待ってて」

菫「あ……ああ」

照「」スタスタ

菫「……」









靖子「若年ニュータイプを開発する……それが麻連のやろうとしていることだ」

久「……どうして少女じゃなきゃいけないの?」

靖子「……知らないな」

靖子「だが麻雀のそれはニュータイプのそれと似ているらしい」

靖子「先を見通す能力がニュータイプとしての力を解放する……」

靖子「そして……」

靖子「少女を麻雀で覚醒させ、麻連はニュータイプの芽を摘み取る……残酷な話だ」

久「そうね……」

靖子「そして裏で軍事兵器として利用する……ニュータイプは道具というわけだ」

靖子「軍事兵器といっても実験の段階のようだがな」

靖子「もちろんの事だが……人権なんてあったもんじゃないぞ」

久「……」

靖子「……あまり言いたくはないが……家畜同様の扱いらしい……」

久「……」

靖子「しかし若年ニュータイプは精神疲弊が激しく、ニュータイプとしての力を使いすぎると……」

久「……死ぬ」

靖子「」コクッ

靖子「どんどん使い物にならなくなっていくからこうして定期的に大会を開くというわけだ」

久「……」

靖子「白糸台は……宮永照か」

久「ええ」

靖子「この育成装置を使ったということは……覚醒した可能性がある」

久「……」

ピピピッ

久「!」

久「白糸台の通信がロスト……?」

靖子「……まずいな」



だらだらとガンダムについて話して作者の知識自慢みたいなスレになるかとおもったがこの展開は面白い
あと投下が終わりなら終わりと言ってほしい

>>63

申し訳ありません。以後気をつけますm(__)m

擬似コックピット


照「……」

照「」ピッ

メインシステム 起動

システムチェック……オールクリア

照「(わたしなら……できる)」キュイィィィィン

NT-D

フィィィィィン

照「……」

照「(電力が戻った……)」

照「(これでみんな—)」

照「」フラッ

照「!?」ガシッ

照「(……!?)」

照「(目の前がぐるぐる回る……)」

照「(……)」

照「」スクッ

照「」ヨタヨタ

照「」ヨタヨタ

照「(菫……)」ヨタヨタ







和「いきなりの後退要請なんて……どうしたのでしょうか」

咲「そうだね」

和「とりあえずブリッジに戻りましょうか」

咲「うん—」

咲「」ピキーン

咲「お姉ちゃん?」

和「?」

和「どうしたのですか?」

咲「え……あ、いや、なんかお姉ちゃんの気配がしたような……」

和「お姉さん……?」

咲「うん……」

咲「どうしたのかな……」






擬似ブリッジ


誠子「それにしても、宮永先輩はどうしてコックピットなんかに……」

菫「分からないが……なにか手立てがあるはずだ」

淡「タカミぃぃぃ」グスグス

菫「おい、淡—」

キュイィィィィン 

菫誠「!?」

菫「……電力が戻ったのか?」

誠子「そうみたいですね……これも着いてますし」

菫「照が、何かしてくれたんだな……」

誠子「」コクッ

淡「タカミぃぃぃ」ユサユサ

菫「……亦野」

誠子「はい?」

菫「淡と……渋谷を連れて先に外に出てくれ」

菫「また落ちたら本当に閉じ込められてしまうかもしれない……」

誠子「……部長はどうするんです?」

菫「私は照と一緒に行く」

誠子「わかりました……先に外で待ってます」

菫「頼む」

誠子「」コクッ

誠子「……大星、立って」

淡「……タカミぃぃ」ヒック

誠子「……ほら行くよ」

淡「……タカミぃは」ヒック

淡「……私が……背負います」ヒック

誠子「分かった」

淡「……」モゾモゾ

誠子「それでは」

菫「ああ、すぐに追いつく」

誠子「」スタスタ

淡「」ヨタヨタ




菫「……」

菫「(……行ったか)」

菫「……」

菫「(照がどうにか電力を復旧してくれたんだよな……)」

菫「(……)」

菫「(やけに遅いな……)」

菫「(様子を見に行くか……)」

菫「」スタスタ




擬似コックピット前 連絡通路

菫「(こっちで合ってるよな……)」

菫「」スタスタ

菫「!?」

照「」ハァハァ

菫「照っ!」タタタッ

照「あ……菫……」

菫「どうしたんだ、こんなところに倒れ込んで」

照「ちょっと眩暈が……」ハァハァ

菫「おい、大丈夫か?」

照「うん……たぶん……ちょっと疲れちゃったから……」

菫「……肩につかまれ」スッ

照「……ごめん」ガシッ

菫「……」ヨタヨタ

照「扉……開いた?」ヨタヨタ

菫「ああ……お前が何かしたのか?」

照「うん……ちょっとね」ヨタヨタ

菫「……そうか」

菫「誠子と淡は……先に行ったよ」

照「尭深は……」ヨタヨタ

菫「……淡が……な」

照「……そう」ヨタヨタ

照「私たち……どうなっちゃうのかな……?」

菫「……」

菫「そんな事は後で考えれば良い」

菫「とにかくここから出るぞ」

照「……うん」ヨタヨタ



出口前


菫「確か……ここを抜ければ外だ」

照「うん」

菫「もう一人で大丈夫か?」

照「うん、ありがと」

菫「じゃ、先に行かせてもらうぞ」スタスタ

照「うん」

菫「」スタスタ

パァン

照「……?」

菫「」ピタッ

菫「な……に……?」

照「すみ……れ?」

菫「」ズルッ ドサッ

照「菫っ!」

菫「……逃げ……ろ……照」

照「え—」

カチャ

尭深「あなたは連れて行きます」

照「……たか……み?」

ゴッ

照「うっ……」ドサッ

菫「ま……て、しぶ……や」

尭深「……オールドタイプは屠れとの命令ですが……」

尭深「その腹部の傷では助からないでしょう」

尭深「さよなら、部長。亦野と天国でお幸せに。大星は連れていきます」

尭深「さ、そのニュータイプを連れていってください」

ハギヨシ「はっ」

菫「……くそ……」

尭深「」スタスタ

菫「て……る……」

菫「」ガクッ



これにて本日の投下は終了です。
明日の投下は夜頃になりますm(__)m

病院

菫「……」

菫「」パチッ

菫「……うっ」

憩「あ、気づいたぁ?」

菫「……ここは」

憩「う〜ん……レジスタンスってトコやろか」

菫「……レジスタンス?」

憩「」コクッ

菫「」ハッ

菫「照はっ!?」

憩「……」フリフリ

菫「え……」

憩「私たちが到着したときにはもう、居いひんかった……」

菫「そんな……」

菫「」チラッ

憩「あ……」

菫「亦野……?」

菫「おい、亦野、起きろっ」

憩「……」

菫「亦野っ!」

菫「うっ!」ズキッ

憩「……まだ痛むやろ?寝とき」

菫「……」

菫「亦野は……」

憩「頭を……撃ち抜かれてる」

菫「そんな……」

菫「どうなってるんです!!どうしてこんな……」

憩「……私にも、想像つかへんな」

菫「」グスッ

憩「……」

菫「……どうして私は助かったんですか?」

憩「ん?ああ、ちょうど銃弾が内臓に当たらなかったんや。不幸中の幸いやったね」

菫「……」

憩「……」

憩「お連れさんのことはお気の毒に……」

菫「……」

憩「……動けるようになったらブリーフィングルームに来るとええ」

菫「……照は……」

憩「?」

菫「照は、どうして連れて行かれたんですか?」

憩「……」

憩「そのこともブリーフィングルームで話すわ」

菫「……」

憩「とりあえず休むとええ。それと、私の方が年下やで」

菫「え……」

憩「ま、お互いタメでええよ」

菫「……」

憩「ほな」フリフリ

菫「……」

菫「(……)」

菫「(照……)」





それでは本日の投下はこれにて終了です。
次回の投下はレールガン観るので不定期になります。申し訳ありません。

稔『日本国民の皆様、こんばんは。このお時間は先日全テレビ局がジャックされ、発信された麻雀連盟の声明について討議していきたいと思います。それではまずご覧ください』



狐面『ごきげんよう、日本国民の諸君。我々は麻雀連盟。明日からこの日本の唯一の軍事機関となる』

狐面『突然の事で何の事か分からないという諸君、今から我々の計画をお話しよう』

狐面『まず言っておきたいのは、昨今の世界は諸君の思っているほど平和では無い。その理由を説明しよう。戦争と呼べる争いは今のところ無いが、多くの国は戦争の準備をしている。さて、なぜだろうか。答えは簡単な事だ。今後、戦争が起きるから、だ』

狐面『しかしながら、日本は平和ボケした国だ。技術だけは一人前だが、やはり後手に回れば必ず敗戦するだろう』

狐面『そこでだ、我々が民間軍事企業として戦争の日本代表を担おうというわけだ』

狐面『悪役は我々が買って出る、悪い話では無いはずだ』

狐面『ちなみに、政府に我々を拒否する権利は無い』

狐面『我々が独自に開発したMS、衛星砲は今現在、日本にある』

狐面『試し撃ち、なんてことにならないようにせいぜい気をつけてくれたまえ』


稔『と、こういうわけなのですが……』

靖子『恥ずかしいセリフをよく言えたものだ』

稔『たしかにその通りですね……いきなり過ぎてついて行けません。国民の皆様には是非落ち着いた行動をとっていただきたいと思います』

靖子『そうだな』

稔『それにしても、開戦宣言とは堂々としていますね』

靖子『どうせアニメの見過ぎだろう。そんな事はできるはずも無い……と言いたい所だが、』

稔『と、いいますと?』

靖子『事は深刻になっている。今や麻雀連盟と言えば国際的な軍事機関というのは裏では常識だ』

稔『なんと、そうなんですか?』

靖子『ああ、真実だ。衛星砲も、MSで制裁というのも麻雀連盟なら実行するだろう。まぁ、日本を失えば元も子も無いという噂もあるが……』

稔『……MSというのは人気テレビシリーズ「機動戦士ガンダム」に出てくるロボットの事ですよね……?そんなものがあるとは思えないのですが……衛星砲も』

靖子『ふむ……まぁ、確かに……それでは、君は背後を君の目で見えるか?』

稔『え……いや、見えませんね……鏡でも使わなければ……』

靖子『そういうことだ。人は現在起きていることを180°の視点でしか見ることができない。つまり、麻雀連盟がMSを創り上げている、という事実を否定できる者は誰も居ないのだよ』

稔『なるほど……それでは藤田プロはこの声明は警戒すべき、と?』

靖子『まぁ、そうだな……まずは事を急ぐなと警告したい。ああは言っているが、まだまだ底が見えない状態だ。私には……もっと大きなものを計画しているように思う。もっとこのことには時間が必要だ。時間……がな』

稔『時間……ですか?』

靖子『まだ役者が揃っていない……あっちも……こっちも……な』

長らくお待たせしました。
本日はこれで投下終わりです。
次の投下は明日です。

ブリーフィングルーム


菫「……」

菫「こんなことが……」

憩「……」

菫「……照は—」

憩「そのことについては—」

久保「私から話そう」

憩「隊長……」

菫「……」

久保「お前が白糸台の部長か……」

久保「私はレジスタンスの指揮を執っている、久保だ」スッ

菫「……」

久保「ふん……まぁいい」

久保「それで—」

菫「照はどこです?」

久保「……」

久保「彼女のことは忘れろ」

菫「……は?」


憩「……」

菫「忘れろ……?」

久保「ああ、そうだ」

菫「それはどういう—」

久保「死んだ」

菫「は……?」

菫「死ん……だ?」

久保「先日死体で発見されたよ」

菫「……」

菫「死んだ……」

憩「……」

菫「これは……夢か……」

菫「……そうだ、夢なんだ……」

菫「……おい、夢と言ってくれよ!」ガッ

久保「現実だ」

菫「」フラッ

憩「ちょっと!大丈夫?」

菫「……嘘だ」

菫「認めない……こんな世界……」

久保「認めろ。お前が生きていかなくてはいけない世界だ」

菫「嫌だ」

菫「照がいない世界で生きる価値なんて無い」

久保「……そうか、残念だよ」

久保「憩っ!」

憩「はい」

久保「そいつを独房にぶち込んでおけ」

憩「……」

久保「……どうした」

憩「いえ、なんでもありません」

久保「ふん」クルッ

久保「」スタスタスタ

菫「……認めない」ボソッ

憩「……」



本日の投下はこれで終わりです。
長らくお待たせしてしまったのをお詫びします。

レジスタンス 司令官室

憩「隊長……」

久保「ん?」

憩「……ええんやろか……あんなこと言って」

久保「……心配か?」

憩「……少し」

久保「ああ言っとくのがあいつの為だ……」

久保「生きてる、なんて安易に伝えることの方が残酷だ」

憩「そうやろか……」

久保「現実はいつも残酷だ」

久保「それにどう立ち向かうかが重要なだけだ」

憩「……」

久保「それはそうと、ちゃんと独房に入れてきたんだろうな?」

憩「」コクッ

久保「あいつにはまだ頑張ってもらわないとな」


ここまでのあらすじ

白糸台高校三年生かつ、白糸台麻雀部部長の弘世菫は同じく白糸台高校二年生の渋谷尭深に誘われて、小鍛治健夜の経営する貧相なゲームセンターに訪れた。
異様な雰囲気にたじろぎ、別室に案内されると、そこには見たこともない機械が備え付けられていた。
どうやらそれはシミュレーションゲームのようで、なかなかリアルなものであった。そこで、白糸台麻雀部エースの宮永照、白糸台麻雀部大将の大星淡はニュータイプとしての能力に目覚める。

そして、一行がシュミレーションゲームに没頭していると、突如停電が起きる。ただならぬプレッシャーを感じ取った照であったが、健夜がここまで導いてきた尭深の死を告げる。
なんとか脱出を試みるものの、死んだはずの尭深の銃弾によって菫は倒れ、照と淡は何者かに攫われてしまう。

気づくとベッド。菫は照の死を告げられ、自暴自棄になるが……


レジスタンス 独房

菫「……」

菫「(照……私はどうしたら良いんだ……)」

菫「……」

菫「!」

菫「(独房と言っても、テレビがあるなんてな……)」

菫「……」ボー

『次のニュースです』

『先日報道した、麻雀連盟に動きがありました』

『民間の方から映像が届いています。それでは見てみましよう』

『これは……先日の声明に出てきた狐面ですね……それと……女性でしょうか……』

『……と、これだけなのですが—

菫「照っ?!」

菫「(照……?生きているのか……?)」

菫「……」

菫「(どういう事だ……分からない……)」

菫「(とにかく、確認しないと)」ダッ

レジスタンス 司令官室

憩「隊長!」バンッ

久保「なんだ?ノックもせずに……」

憩「弘世菫が脱走しました!」

久保「そうか……」

憩「そうか、って……追いかけなくていいんですか?きっとニュースを見たんですよ!!きっと宮永照を取り戻すために—」

憩「もし麻雀連盟のところへ行ったら……どうなることか」

久保「心配するな……あいつには頼もしい奴らがついているさ……」

憩「頼もしい奴ら……?」

久保「ああ」

久保「あいつだけが希望なんだ」



レジスタンス 連絡通路

菫「」タッタッタ

菫「(照……)」タッタッタ

菫「(頼む……生きていてくれ)」タッタッタッ

「待ちなさい」

菫「!?」

久「一人で行くつもりかしら?私も連れてってよ」

菫「お前は……あの時の……」

久「あら、覚えててくれたの?ありがと」

咲「あの……」

菫「ん?君は照の妹の……」

咲「お姉ちゃんを……助けに行くんですよね?」

菫「……」

菫「ああ……生きているか分からないが」

咲「お姉ちゃんは生きてます!」

菫「……なぜそんなことがわかる?」

咲「聞こえるんです……お姉ちゃんの声が」

菫「そんなまさか……」

久「本当よ。この子はニュータイプなの」

菫「ニュータイプ……そういうことか」

咲「私も行きます!お姉ちゃんを助けたいんです!」

菫「しかし……危険が……」

久「大丈夫、この子は私が守るから」

菫「……」

菫「分かった、行こう」



麻雀連盟本部

菫「ここが……」

久「外観はただのゲームセンター……でもその地下には巨大なMS工場があるのよ」

菫「……でも、簡単に入れるのか?」

久「無理ね。入り口で止められるわ」

菫「ならどうすれば……」

久「ちゃんとそのプロを呼んでるわ」

菫「プロ……?」

桃子「ちーっす」ヒュン

菫「!?」

菫「なんだこいつ……いきなり現れたぞ」

久「通称ステルスモモ。ステルスで潜入できるわ」

菫「人間か……?」

桃子「もちろんですっ!さ、私の肩に触れてください」

菫「肩……?」ポンッ

桃子「これであなたもステルスっす」

菫「そうなのか……?」

久「それじゃ、咲も行くよ」

咲「はい」ポンッ

一同「」スタスタ




麻雀連盟本部 連絡通路

久「思ったより人が居ないわね……」スタスタ

菫「……ここに照が」ボソッ

久「……」スタスタ

咲「」ブルッ

久「咲?」

咲「お姉ちゃん……?」

菫「何っ?」

咲「お姉ちゃんが……この先に居る……」

菫「」ダッ

久「ちょっと!一人じゃ危険よ!」

桃子「ステルス消えちゃうっすよ?!」

菫「構わないっ」タタタッ

菫「(照……照っ!)」タッタッタッ


麻雀連盟本部 MS格納庫

菫「」タッ タッ …

菫「」ハッ

菫「……」

菫「ユニコーンガンダム……?」

菫「(こんなもの……本当に作るなんて……)」

菫「」ハッ

菫「(あれは……)」

照「……」

菫「照……」

照「」クルッ

菫「照っ!」

照「……」

菫「やっぱり……生きてたんだな」

菫「照……帰ろう」スタスタ

照「」ビクッ

菫「おい……感動の再会にそれは無いだろ」

照「……?」

菫「照……?」

照「……誰?」

菫「……?」

菫「何……言ってるんだ……」

照「あなたは……敵?」

菫「敵なわけ—」


尭深「照、攻撃しなさい」

照「……了解」

照「」カチャ

菫「なっ!?」

照「」パンッ

菫「くっ」

尭深「ふむ……外しましたか……やはり再調整の必要がありますね」

菫「渋谷っ!照に何をしたっ!」

尭深「……」スッ

菫「待てっ!」ダッ

尭深「照、こちらへ」

照「」ヒュン

菫「くそっ……」

菫「渋谷!なぜこんなことをするっ!」

尭深「……」

菫「答えろ!」

尭深「……」

菫「この……」

尭深「……あなたの相手はこちらの方で十分でしょう」

淡「」スッ

菫「淡……?」



尭深「さぁ、淡。菫を屠りなさい」

淡「了解……」

淡「」シャキン

菫「まて淡、目を覚ませ」

ギュイイイン

菫「うっ!」

菫「(なんだこれ……頭に何か……)」

(スミレ……聞こえる?)

菫(淡……なのか?)

淡「」ヨタヨタ

(はい……でも、体が言うこと効かないんです……)

淡「」ヨタヨタ

菫「……」

菫(どうして……こんなことに……)

(私は強化人間として……タカミー達に再調整されたんです……)

菫「……」

淡「」ヨタヨタ

淡「」コテン

菫「淡……?」

尭深「……」チッ

菫「」キッ

尭深「」スタスタ

菫「待て、渋谷尭深っ!」

淡「」ゼェ  ゼェ

菫「お、おい、大丈夫か」タタタッ

(すみません……こんな形でしかスミレと話せなくて……)

菫(いや、かまわない……それよりも、再調整って……?)

(私もよくは知らないんですが……どうやらニュータイプを完全なる奴隷にするための洗脳のようで……)

淡「」ゴホッ

菫「淡……?」

菫「血が……」

(ごめんなさい……私は再調整を受け、MS開発実験のためにニュータイプの能力を使いすぎて……もう、ダメなんです……)

菫(ダメって……どういうことだ……?)

(もう……生きることができない……)

菫「そんな……バカな話があってたまるか!」


(……ニュータイプの能力の一つは先を見通す力……私の死期もわかってしまうんです)

菫「淡……」

(テルーは……もっと酷い事を受けてます……)

菫「……」

淡「」ハァ  ハァ

淡「スミレ……?」ハァ ハァ

菫「……なんだ、淡」

淡「麻雀……楽しかったんだ……」ゼェゼェ

菫「……ああ」

淡「もっと……みんなと麻雀、したかった……」

菫「……」グスッ

菫「……ああ」

淡「一つだけ、約束……して」ゼェゼェ

菫「ああ……なんだ?」

淡「テルーを……宮永先輩を……助けてあげて……」

菫「……」

菫「ああ……約束するよ」ゴシ

淡「」ニコッ

菫「……」

淡「」

菫「……」

菫「」スッ

菫「」スクッ

菫「……潰す」ゴッ




今日の投下はこれでおしまい
次回の投下は不定期です


麻雀連盟本部 ブリッジ

狐面「なるほど……再調整か……」

尭深「はい……淡は失敗です」

狐面「分かった……そうだ、アレ、完成したよ」

尭深「アレ、ですか?」

狐面「ああ、そろそろMS格納庫に入れようと思うんだ—」

フイン

尭深「?!」

久「そこまでよ」カチャ

咲「」オドオド

狐面「……」

尭深「……竹井久」

咲「」チラッ

尭深「……」

久「あなたたちの計画もそこまでね」

狐面「ほう……勇敢だな」

狐面「要求を聞こうか」

久「麻雀連盟を潰す」

久「それと……宮永照を返してもらうわ」

狐面「ノー、と言えば?」

久「撃つ」


狐面「なるほど……」

狐面「」チラッ

尭深「」コクッ

狐面「答えは……」

狐面「ノー、だ」

パァン キュイン

照「……」カチャ

久「な……どこから……」

咲「お姉ちゃん……」

狐面「残念、だったな」

久「く……」

久「咲……下がってて」

咲「部長……」

照「」コツコツ

久「」カチャ

ギュイイイン

久「な……に、これ……」

久「頭が……」

照「」ギンッ

咲「部長!」

久「咲……逃げるのよ……」グタッ

咲「でも、そんな……」

照「」ギンッ

久「早くっ!」

咲「」オドオド

咲「っ!」タタタッ

久「それで……いいわ」

咲「」タタ…タ…

咲「あ……」


久「咲……?」

透華「お待たせしましたわ」バンッ

久「あんた……」

咲「龍門さん!」

透華「まったく、こんなところに単身で乗り込むなんて……でも、その度胸、買いますわ」

透華「ハギヨシ」

ハギヨシ「はっ!」シュン

シュン

狐面「?!」

ハギヨシ「」グイッ

狐面「くっ……」

尭深「マスター!」カチャ

透華「」パァン

キンッ

尭深「くっ……」

桃子「」ガシッ

照「?!」

桃子「つかまえたっす」ニッ

久「みんな……」

久「さ〜て、それじゃあ、いろいろ聞かせてもらうわよ」


麻雀連盟 MS格納庫       ☆BGM「UNICORN」推奨☆

菫「……このユニコーン、動くのか……?」

菫「」スタスタ

菫「確かこっちに……コックピットが……」

健夜「」カチャカチャ

菫「あ、あなたは……」

健夜「」ハッ

健夜「……弘世さん」

菫「どうしてあなたがここに……」

健夜「……」

菫「……」カチャ

菫「……あなたに……あなたに会わなければ……みんなは死なずに済んだかもしれないのに……どうして……」

健夜「……」

菫「なんか言ったらどうですか!!」

菫「あなたのせいで—」

健夜「ここに座って」

菫「な—」

健夜「もう整備は終わったから—」

健夜「あなたが来る事は知ってた」

菫「は……?何を言って—」


健夜「早く!」

菫「」ビクッ

健夜「宮永さんを助けたいんでしょ……?」

菫「だからっ……あなたさえ居なければ照はっ—」

ドンッ

菫「?!」トスッ

健夜「……」ピッ

メインシステム起動    パイロットのidを確認……照合確認

      メインシステムチェック    オールグリーン

視界良好    オートマチックモードに移行

菫「な、な……これは……」

健夜「恐れないで」

健夜「自分の中の可能性を信じて、力を尽くせば、自ずと道は開けるから……」

菫「なにを……勝手な……」

健夜「あなた達とは……もっと……」

健夜「平和な世界で麻雀がしたかった……」カチャ

菫「なにを言って……」

健夜「私は……この世界に居てはいけない……人を……不幸にするから……」

菫「」ハッ

菫「待って!」

パァン

ドサッ

菫「あぅ……あ……」

菫「……」

ガシャッ    フイン

菫「……」

菫「……」

菫「平和な……世界」

菫「……」

菫「照……」

菫「」ツー

菫「」ギンッ

キュイィィィィィィィィン

NT−D

菫「照……」

菫「待っていろ……今度こそすぐに行く」




麻雀連盟本部 ブリッジ

久「—ということは……麻雀連盟は—」

ゴゴゴゴゴッ

一同「?!」

久「何?……あなたが何かしたの?」

狐面「違うな……これはMS格納庫の方からだ……」

狐面「」チラッ

照「……」

照「……了解」ボソッ

フッ

透華「?!」

透華「逃げましたわ!」

久「!?」

ゴゴゴゴゴッ

咲「部長、崩れます!」

久「まずいわね……」

桃子「どうするんすか!」

久「あ、居たの?」

桃子「ひどいっす」

久「しょうがない、脱出するわ」

桃子「了解っす」タタタッ

久「さ、早く咲も脱出して」


咲「……」

久「……どうしたの?」

咲「部長は……どうするんですか」

久「……私はやることがあるの……お姉さんを助けるために」

透華「この二人を連行しますわ」

久「お願い」

透華「行きますわよ、ハギヨシ」

ハギヨシ「はっ!」シュン

久「ごめんね……咲」

咲「そんな……嫌ですよ」

咲「部長と……もっと麻雀したいです」グスッ

久「……」

久「地獄で待ってるわ」

咲「え……」

久「その時は……何回でも相手してあげるわ」

咲「そんなこと……」

久「」タタタッ

咲「部長!」

久「」グッ

咲「」グスッ

咲「……」

咲「」タタタッ

咲「(……お姉ちゃん)」




麻雀連盟本部 上空

菫「(格納庫の天井を突き破ったのか……)」

菫「(浮いている……変な気分だ)」

菫「……」

システム マニュアルモードに変更

  指示をお願いします

菫「!」

菫「そうだな……」

菫「照は……どこに居る」

検索を開始……反応無し

菫「なに……?」

菫「さっきは居たんだぞ」

熱を遮蔽する建物の内部に居る可能性があります

菫「……」

菫「くそ……」

ゴゴゴゴッ

菫「!」

菫「なんだ……」

前方に熱源反応

菫「(砂煙で……)」

バンシィ「」シュゥゥゥ

菫「(あれは……黒いユニコーン)」

検索結果……該当無し

菫「」ピキーン

菫「照……?」

菫「照が乗ってるのか……?」

菫「あのMSと回線を繋げ!」

承服

ヒュイン  sound only

菫「照……なんだろ……?」

「……」

菫「おい……なんとか言ってくれ」

「……」


菫「……」

「—目標を駆逐する」

菫「?!」

ガンッ

菫「!」

菫「くそっ……」ググッ

腕部 損傷
回避行動をとってください

菫「言われなくても……」

菫「」グッ

ユニコーン「」キュイィィィィン

ユニコーン「」ガッ

バンシィ「」ヨロッ

菫「照、聞こえてるんだろ!目を醒ませっ」

ユニコーン「」ググッ

バンシィ「」グググッ

菫「照……忘れたなんて言わせない」

菫「お前との記憶……私との記憶」

菫「麻雀をした記憶」

菫「一緒に……一緒に過ごした記憶—」

菫「覚えてるだろっ!」

「」ハッ

「……」

「すみ……れ……」

菫「照……」

「たす……けて」

菫「……ああ」

菫「待ってろ……今助ける!」

菫「」キュイィィィィィィン

菫「ユニコーン、もう一段階だ!」

危険です     これ以上はパイロットへの負荷が過剰です

菫「知ったことか……私はどうなってもいい」

菫「力を……貸してくれ」

……

菫「……頼む」ポロッ

承服

菫「」ハッ

リミッター解除   パワー最大出力  コード『UNICORN』


菫「……」

菫「……ありがとう」

菫「」キッ

菫「行くぞ、ユニコーン」グンッ

御意

ユニコーン「」ゴォォォォォォォ

バンシィ「」グンッ

バンシィ「」ガキィン

菫「はあぁぁぁぁぁっ!」

菫「照を……照を返せーーーーーーーーっ!」キュイィィィィィン

ユニコーン「」ギュン

バンシィ「」グラッ

ユニコーン「」ガシッ

菫「捕まえたっ」

システムハッキングを開始します    ハッキング中は全システムマニュアルモードになるので気をつけてください

菫「」コクッ

システム ハッキングモードに移行

菫「」グンッ

菫「?!」

菫「うぐ……」ギリギリ

パイロットの生命反応に異常    ハッキングを中止しますか?

菫「続けろ……」ググググッ

御意     現在58%を完了

菫「たのむ……急いでくれ」グググッ


現在67%を完了

(菫……)

菫(照……)

(ごめん……私がこんなこと……)

菫(……良いんだ……これで)

(……ずっとね、)

菫(?)

(ずっと……菫の声……聞こえてた……)

菫(……そうか……ちゃんと、届いてたんだな)

(……うん)

菫(一つだけ……心残りがあるとすれば……顔を見られない事か……)

(どうして……)

菫(すまない……先に逝くよ)

(っ……嫌だ……嫌だよ菫っ!)

菫(……)グスッ

菫(今まで……ありがとう)

(菫……?菫っ!)

菫(麻雀……楽しかったなぁ)

(嫌だ……待って!菫っ!)

システムハッキング100%     お疲れ様でした

菫「」ツー

パイロットのバイタルに甚大な被害    救援信号を送ります

菫「……照」

菫「……ありがとう」

菫「」パタッ


          カンッ



エピローグ1

ピッ

ピッ

ピッ

菫「……」

菫「……」

ピッ

ピッ

菫「」パチッ

菫「……」

憩「あら、お目覚めやね」

菫「あ……」

憩「……お疲れさん」

菫「私は……」

憩「そうやね……三日くらい寝とったかな……」

菫「助かった……?」

憩「MSに感謝せぇよ。救援信号出してくれなかったら今頃手遅れやで」

菫「そうか……」

菫「」ハッ

菫「照はっ!?」

憩「……」


菫「……そんな」

憩「」ニコッ

憩「無事や」

菫「あ……」

菫「そうか……良かった」ポロ

憩「ただ……」

菫「……?」

憩「ニュータイプの能力による脳へのダメージが深刻でな」

憩「後遺症が残るかもしれへん……」

菫「後遺症……?」

憩「……今も調整を行っててな……重度の記憶障害が残るかもしれへん……って」

菫「……」

憩「……有名な医師にも来てもらってるんやけど……ちょい厳しいみたいや」

菫「……大丈夫」

憩「……?」

菫「私が……記憶を取り戻す……」

憩「……」

憩「もしかしたら、アンタの事も覚えてないかもしれへんで?」

菫「大丈夫……必ず取り戻す」

憩「……」

憩「」クスッ

憩「そうやったな……白糸台の部長やもんな」

菫「必ず……」

憩「」ニコッ

菫「そうだ……」

憩「?」

菫「麻雀連盟はどうなった?」

憩「……ああ、その話か」

憩「その話はな……涙無しでは語られへん」

菫「……?」

憩「それは……」

憩「とある女子高生の物語—」

      もいっこ カンっ!

 もいっこ カンっ!




エピローグ2


ピッ

ピッ

ピッ

照「……」

照「」ムクッ

照「……」

照「」ボーッ

照「……」

おおっと、ここでドラ切りですか!弘世選手、やりますね

ああ、うまく躱し、なおかつ攻めに転じるとはな

照「……」

照「(テレビ……)」

照「……」

さて、この麻雀大会も佳境!オーラスへ向けて各々が全力を出します

照「……」

照「(麻雀……)」

ふむ、偉大なる英雄、弘世菫はどう出るかな……?

照「……」

照「(弘世菫……)」

照「……」

照「」ハッ

照「」ジーッ

菫『』クイッ

菫『』クイクイッ

照「」クスッ

照「菫……」

照「操縦桿握るクセ、出ちゃってるよ」

            もいっこ、カンっ!



これにて終了です。
本当はもっと長いお話だったのですが、引っ越しの際にデータが飛び、簡略化されてます。いつか完全版も書きたいと思います……

見てくださった方ありがとうございました<m(__)m>
途中からグダグダとやっていたので駄作になりましたが、支援ありがとうございました^^
それではまたどこかでお会いしましょうノシ

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