【ジョジョ】東方星白金【幻想入り】 (135)

承太郎「徐倫の……この精神力なら……無事に生きのびる…な…」
承太郎「…………」

~~~~~~~~~~~

承太郎「…………?」

刑務所の中で仮死状態になったはずの承太郎は、いつの間にか森の中で意識を覚醒させていた。

(何だ?ここは……森?)

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1376609772

(おれは確かに、さっき徐倫を見届け……気を失ったはずだ……)
(だがおかしい、身体もピンピンとしていやがる……)
(………!)

承太郎「服が……変わっている」

承太郎は今、かつてあの宿敵DIOを倒した際に着ていた学ランを身に付け、海の中でも決して取らなかった帽子を被っていた。
その顔は高校生の時と同じ、年齢よりも上に見える、濃くて凛々しい顔立ちであった。
そう、彼はなんと、かつてDIOを倒した時の年齢まで『戻って』いたのだった。

承太郎「スタンド攻撃か……?」
承太郎「いや、それならばとっくにおれを攻撃するなりなんなりしているはずだ……」
承太郎「やれやれ、どうやらやっかいな事になっちまったみてーだな……」
(……学ランか……)

承太郎は身に付けている学ランを見て、昔の出来事を思い出していた。
共に旅をした仲間のこと、倒していった敵のこと、死んでいった仲間のこと、そして……DIOのことを。

承太郎「……感傷に浸っている場合じゃあない…な。」
承太郎「まずは、ここが何処なのか……把握しなきゃあならねーな……」

そう呟いて立ち上がり、森の中を散策し始めた。

とりあえずここまで

ぼちぼち再開ィーッ

森の中を、二匹の妖怪が歩いていた。

妖怪1「……フー、だいぶ歩いたな……それにしても腹が減ったぜ……」
妖怪2「うかつに人間が食べられなくなってから、俺たちゃ動物を食うしかなくなっちまったからな……」
妖怪1「だがたまには人間も食いたいぜ……」
妖怪2「我慢しろ……ん?」

承太郎「…………」
承太郎(何だ……こいつらは?)

妖怪1「見ない人間だ……ってことは、外からの人間か!運がいいぜ、全くよォーッ!」
妖怪2「デカくて食いごたえがありそうだ!ヒヒ、覚悟してもらうぜ、人間ンーーッ!」

そう叫び、妖怪達は承太郎へ襲いかかる。
だが、この妖怪達は後悔することになる。この『人間』にケンカを売ったことを……

承太郎「……やれやれ。なんだか知らねーが……」
承太郎「かかってくるのならぶちのめすッ!」
承太郎「『星の白金(スタープラチナ)』ッ!」

承太郎の背後に、古代の拳闘士のような格好の大男が現れる。
これは承太郎の精神力そのものであり、力を持った像(ヴィジョン)……
承太郎はこの像(ヴィジョン)を、『スタンド』と呼んでいる。
この『スタンド』、『スタープラチナ』は迫り来る妖怪達を射抜かんとばかりに、目にも止まらぬ速さで拳を振るう!
妖怪達はたちまち吹っ飛び、地面へと叩きつけられた。

妖怪1「………!?」
妖怪2「な、なにが……」

妖怪達は自分達が何をされたのかわからずにいる。
それもそのはず、『スタンド』は『スタンド』を持つ者、『スタンド使い』にしか見えないのだ。

承太郎「…………」ザッ

妖怪1「ひっ!」
妖怪2「た、助けて……」

承太郎「てめーら……何者だ?ここは一体何処だ?」

妖怪1「に、人間なんかに教えることなんざ……」

承太郎「………」ギロッ

妖怪1「ひっ!わ、わかった……」
妖怪2「お、俺たちはよ、妖怪、だ……」

承太郎「……妖怪…だと?」

妖怪2「アンタは外からの人間だろう……わかんねーのも無理はねえ」

承太郎「外……?一体何の話だ?ここは何処だ?」

妖怪1「ここは幻想郷……人々の『幻想』が集う場所だ。」

承太郎「幻想郷……か。」

妖怪1「そうだ……アンタみたいな『人間』がたまたまここに来ることは少なくはないのさ……」

承太郎「………そうか……大体の状況は掴めて来たな……」
承太郎(やれやれ……事は思ったよりも深刻らしいな……)

承太郎は特殊な力を持つ者の一人だ。特殊な力はすなわち幻想と言って良い。
仮死状態になったはずみでスタンドが幻想郷に飛ばされ、本体も共に幻想郷に飛ばされてしまった、という事なのだろう。

妖怪1「ここは『迷いの竹林』……一度入れば滅多に抜けられねー。」
妖怪2「あんたは果たして、ここから出れるかな……?ヒヒ!」

承太郎「……なるほどな……」

そう言って、地に伏している妖怪達に背中を向け、森の中を再び歩き出した。

妖怪1(チ、チクショー……!イラつくぜェ~~!人間のくせにッ!)
妖怪2(き、気に食わねえ……後ろから襲いかかってやる!)

懲りずに承太郎の背後から忍び寄る妖怪達。

妖怪達(くらえェェーッ!)

承太郎「……やれやれ。学習しねー奴等だ……」

承太郎は歩みを止めずに、背後からの襲撃をスタープラチナで対応する。

スタプラ「オラオラオラオラオラオラオラオラァッ!!」
妖怪達「ぶげェッ!」

妖怪達は再び吹っ飛び、そのまま気を失った。

承太郎「油断もスキもねー奴等だ……しばらく再起不能になってもらうぜ。」

そのまま歩みを進め、森の奥へと進んで行った。
それを遠目で見ている者がいるとも知らずに……

てゐ「……あの人間……何者?」

一旦ここまで
書き溜めたらまた再開

再開波紋疾走(リスターティングオーバードライブ)ッ!

承太郎「……なるほど、『迷いの竹林』か……確かにそうみてーだな……」

迷いの竹林をしばらく歩いていた承太郎。
いくら承太郎といえど、複雑な地形と幾多の竹が入り組んだ所では思うように抜けられない。
すなわち承太郎は今、迷っていた。

承太郎「やれやれ……ここで野垂れ死ぬのだけはカンベンして欲しいぜ……」

承太郎がこの森から出られるのかを案じ始めた時。

てゐ「……ちょっとあんた!」

承太郎は、背後から少女の声を聞いた。

承太郎「……なんだ……?」
承太郎「ッ!?」

承太郎は、声のした方向を振り向き驚愕した。
そこにはワンピースを着た華奢な黒髪の少女がいた、そこまでは良かった。
だが、その少女の頭には立派なウサギの耳が当たり前のように生えていたのだ!

承太郎(こいつも……妖怪か……?)
承太郎「……何の用だ?」

てゐ「迷ってるんでしょ?道を教えてあげようか~?」

承太郎「………何?」

承太郎は先程襲われたのもあって、妖怪に対して半信半疑だった。

承太郎「……てめえ……何者だ?」

てゐ「そんなに警戒しないでよ~。道を教えてあげるって言ってるのに。」

承太郎「……本当か?」

てゐ「うん。まずはここを左に進んで……」

道を教えてくれる、というのでとりあえず信じる事にした(もし襲われたらぶちのめすだけだ)

承太郎「……左、か……」

てゐ「それで右に曲がったあと、また右に進んでもう一回右に進むと外に出られるよ!」

承太郎「…………そうか……」

そう言って、このウサ耳の少女に背を向け、歩き出した。
そして承太郎の背中が見えなくなってから、てゐは大笑いした。

てゐ「あっはっは、バカね!元の場所に戻ってくるだけなのに!」
てゐ「さて、私は早い所逃げよーっと……」

と、いざ走り出した所で何者かに背中の裾を掴まれた。

てゐ「あぎっ!」

承太郎「………」

それは、先程てゐに背中を向けて歩いていったはずの承太郎だった。

てゐ「ゲッ!やばい!」

逃げようと進むが、足が空回りするだけで前に進めない。
それもそのはず、首ねっこを掴まれて宙に上げられているのだ。

承太郎「やれやれだ……その道順通りに進めば元の位置に戻ってくるなんて、小学生でもわかるぜ……」

てゐ「あ、あんた……見えなくなったはずなのに一瞬でここまで……何者なの?!」

承太郎「答える必要はねー……さっき逃げ出そうとしていた所をみると、帰る家があるな?せっかくだ……案内してもらおう。」

てゐ「うう……不覚……」ブツブツ

そう言ってウサ耳の首ねっこを掴みつつ道案内してもらい、迷いの竹林を今度こそ正しく進んだのだった。

~~~~

鈴仙「ほらほら、おやつですよ……」

永遠亭。ここは先程承太郎を騙そうとしたウサ耳の少女、てゐの住処である。
そしてこの、犬に餌を与えようとしている少女は鈴仙・優曇華院・イナバ。
てゐと同じようなウサ耳を生やした、この永遠亭の住人である。

???「………」プイ
鈴仙「……やっぱり食べませんね……」

その横には柔和な笑みを浮かべているBB……女性がいた。
この医者のような格好をした女性の名は八意永琳、同じく永遠亭の住人である。

永琳「しかし、変わった犬ね……」

そう呟く永琳の隣には、一人の男が座っていた。

???「ハハ、そいつはコーヒーガムが大好物でね……」

その男は褐色の肌を持ち、アラビア系の装束を纏っている。
彼が犬にコーヒーガムを投げてよこすと、犬は目にも留まらぬ速さでコーヒーガムへと食いついた。
その様子を、鈴仙が羨ましそうに見ている。

???「……やってみるかい?」

男は鈴仙にコーヒーガムの箱を差し出す。

鈴仙「……いいんですか?」

???「構わんよ……だが、決して箱の方は見せないようにな。箱ごと持っていかれてしまうからな……」

鈴仙「………ありがとうございます、アヴドゥルさん!」

鈴仙は嬉しそうに犬にコーヒーガムを与える。
その様子を、その男は微笑を浮かべつつ見ていた。

ここで、もう一人の男性が居間に入ってきた。

???「永琳さん、皿洗いは終わりましたよ……」

永琳「あら……助かるわね。」

???「いえ……僕もここに留めて貰っている身なので、少しはお役に立てればと。」

居間に入ってきた男は長身で緑色の学ランに赤い髪、そして特徴的な前髪が目立つ男だ。

永琳「そう……ありがとうね、『花京院』くん。」

花京院「ええ……」

先程の褐色の男とこの男、そして今鈴仙が嬉しそうにコーヒーガムを与えている犬の正体。
それは、かつてDIOとの戦いで壮絶な死を遂げたはずの『モハメド・アヴドゥル』、『花京院典明』、そして『イギー』であった。

ここまで。
続きは明日か深夜

『再開』とはッ!
スレッドの荒野に!
続くべきSSを
投下することだッ!

てゐ「………そっちを右に進んだら出られるよ……」

承太郎「そうか……よし、世話になった」 ドスン

そう言って、てゐの首ねっこを離す。てゐは地面に尻餅をついた。

てゐ「イテテ……全く、レディに向かって失礼ね!」

承太郎「……おれはうっとーしい女は嫌いなんだ。ガマンしろ」

てゐ「うう……あんまりだァ……」

承太郎「……この先か。」

迷いの竹林の出口らしき所にようやく着いた承太郎。
注意深くてゐと共に出て行く。

鈴仙「あ、てゐ!何処に行ってたのよ!」

そこには、承太郎の家ほどの大きさの豪邸があった。
てゐとかいう名前らしい……こいつと同じようなウサ耳を生やしたブレザー姿(中々挑戦的だ)の少女が犬に餌をやっている。
ん……?あの犬……まさか。

てゐ「この人間を騙そうとしたら道案内させられて……」

永琳「あら、お客さんね……」

鈴仙「騙そうととするからでしょ……って、うわ。大きい人間……」

鈴仙に見上げられていたが、承太郎は全く気付かなかった。
何故ならその目は、屋敷内の二人の人間へと向けられていたからだ。

承太郎「………てめーら………」

アヴドゥル「……承太郎。」

花京院「承太郎………なのか?」

承太郎「……何故だ?何故死んだはずのてめーらがここにいる……?」

意外すぎる再会に、戸惑う承太郎。

アヴドゥル「……ここは『死んだ』スタンド使いが集まる場所……」

花京院「スタンドは即ち幻想、だから死んだらスタンドがここに来る……つまり、本体もここに来るという事だ。」コジツケカモシレンガネ

承太郎「……それで、死んだてめーらがここに……?」
承太郎(あの犬はイギーか……)

アヴドゥル「承太郎。おまえはまだここにくるべきではない…」

花京院「現実世界でのおまえはいわゆる『仮死』……おまえには娘がいるのだろう?」
花京院「やるべき事が……まだあるんじゃあないか?」

承太郎「………何故知っている?」

アヴドゥル「我々は幻想郷(ここ)から現実(そちら)を覗き見る事ができる……」
アヴドゥル「おまえがして来たことは全て把握しているよ……」

花京院「とはいえ、どうしたら戻れるのかなどくわしい事はわたしにもわからない……」
花京院「わたしは死んだ身だからな……戻れるはずがない。」

承太郎「………」

承太郎が、どうすれば帰れるのか……
それを考え始めたその時。

永琳「話に水を注すようで悪いけど……」

承太郎「……なんだ?」

永琳「承太郎くん……でいいのかしら?」

承太郎「……おれはこんな見た目だが、一応実際の年齢は40過ぎだ。『くん』はやめてくれるか……」

永琳「あら、そんな事言ったら私なんて億単位よ?年上は敬いなさい」

承太郎「!?」
承太郎(どう見ても四十代だろう……)
承太郎(外の世界の常識に囚われてはいけない、と言う事か……)

と、何処かの巫女のような思考に辿り着いた承太郎。

承太郎「………まあいい。それで…何だ?」

永琳「わからない事があるなら、紅魔館の図書館に何か文献があるかもしれないわよ?」

承太郎「紅魔……館?」

永琳「ええ、吸血鬼の主が住んでいるわ……」

承太郎「………ッ!まさかッ!」

承太郎の頭にDIOの事がよぎる。

永琳「……?主っていうのはこんなお嬢さんよ?」

承太郎「……そうか……」フゥ

アヴドゥル「私も紅魔館には行ったことがないな……」

永琳「あら、ならこれを機会に行けば?」

アヴドゥル「遠慮しておくよ……吸血鬼には悪い思い出しかなくてね。」

永琳「?」

花京院「………」
承太郎「………」

永琳「まあいいわ。紅魔館はここから迷いの竹林を抜けて、魔法の森を進んだ所の霧の湖にあるわよ」
永琳「あなたはてゐに会っているから、迷いの竹林は楽々抜けられるでしょうね」

承太郎「………?どういう事だ?」

永琳「ああ、この子には人間に幸運を与える能力があるのよ」

承太郎「能力……!?」

アヴドゥル「と言っても、スタンドではない。全く別の性質のものだ。」

スタンド使いかと警戒した承太郎に、アヴドゥルが補足する。

承太郎「……そういうものか。」

知らない事について言及しても仕方が無いので、妥協することにした。

永琳「ええ。紅魔館へなら三刻もあれば着けると思うわ。」

承太郎「よし。わかった……」

承太郎「……じゃあな。てめーら……」

アヴドゥル「ああ。」
花京院「戻れると良いな……現実世界(あちら)に。」
イギー「………」

承太郎「……ああ。」

そう言い残して永遠亭に背を向け、再び迷いの竹林へと歩み始めた。

~~~~~
承太郎「……何とか……『迷いの竹林』からは抜けられたようだな……」

なんとか迷いの竹林を抜けた承太郎。
あたりを見回すと、大きな森があるのが見えた。

承太郎「さて……あれが『魔法の森』って奴か……」
承太郎「やれやれ……図書館に行くだけでここまでの手間とはな。」

そして魔法の森の入り口に辿り着いた承太郎。
ふとある店を見つけた。

承太郎「……香霖…堂?」
承太郎「見た所店のようだな……」

少し興味を持ち、店の中に入って行った。

八意先生も見た目は十代後半~二十代ぐらいのハズなんだよなぁ…
というか神主が「みんな見た目は少女」って明言してる

霖之助「いらっしゃ……おや、珍しいお客さんだね……」

そこには様々な道具と、見た所普通の店主がいた。

承太郎「……ここは店のようだが……何だ?」

霖之助「ここは……まあ、簡単に言ってしまえば道具屋かな。」

承太郎「道具屋……か。」

それにしては棚がカオスな事になっている、と思ったが口には出さないでおいた。

>>57
マジか
ならスマンね

承太郎「普通のコンピュータもあるのか……」

霖之助「『普通の』……?もしかして君、」

承太郎「……おれは外の人間だが……どうかしたか?」

霖之助「本当かい!?外の世界の事をいろいろ聞かせてくれよ!」ガタッ

承太郎「あ、ああ……(なんだ?こいつ……)」

とりあえず外の世界観や文化などを簡単に説明してやった。

霖之助「おお……凄い……勉強になったよ!」メモメモ

嬉しそうにしている霖之助を見て、少々不審な目で見つめる承太郎。
ここには変人しかいないのか……とは思ったが、これも口には出さないでおく。

霖之助「お礼と言ってはなんだが……ここの商品をどれか一つ持って行っても良いよ。」

承太郎「……良いのか?おれは情報を与えただけなんだが……」

霖之助「構わないよ。外の世界の事が少しでも分かったしね。」

承太郎「そうか……ならもらおう。」

棚には本当に色々な物があった。
コンピュータにウォークマン、F-MEGAのカセットやケータイにテレビ……

承太郎「……?何だこれは……」

ふと、棚の一角に電灯らしき物を見つける。
電灯と言ってもとても大きい物が、背負うためのジェットパックのような物の肩の部分に左右に二つ付いている。

霖之助「ああ、それか……森の中で拾った物だよ。」
霖之助「肩に背負って使うらしいんだけど……目的が少し特殊なんだ。」

承太郎「特殊……?」

霖之助「何でも、『人間の敵を打ち倒す』ためのものらしい……」

承太郎「……?」

霖之助「でも、試しに使って見てもただの電灯だったよ。人体に害は無いようだし……」

承太郎「………」

注意深く観察すると、背中の部分ににスイッチがあったので押してみる。
すると、電灯の部分から鋭い紫の光が放たれた。
だが、それで終わりだった。身体にも特に変化があるようには思えない。

承太郎「………」

霖之助「そういえば君はここから魔法の森に行くと言っていたね。」
霖之助「魔法の森の中は薄暗いから、持って行ったら役に立つんじゃないかな?」

承太郎「なるほど……よし、こいつをもらう。」

霖之助「ああ、色々ありがとう。」

こうして承太郎は、謎の装置を背負いつつ魔法の森へと入って行ったのだった。

ここまで。
書き溜めたらまた再開

一つだけ筆者から質問が。
第五部でポルナレフは最終的に亀に乗り移りましたが、
チャリオッツレクイエムが破壊された時点でポルナレフはシルバーチャリオッツを失ったのでしょうか?
ストーリーに関わるかもしれないので、一応聞いておきます。

少なくとも本編において失ったかどうかは一切明言されていない
チャリオッツ・レクイエムが破壊されてもポルナレフにダメージ行ってないから失ったのかもしれないし
本体がもう死んでたからダメージが行かなかっただけで失ってないかもしれない

使ってる描写は無いから、独自解釈でもいいんではないでしょうか

スタンドを発現させる為の依り代である肉体が滅びた上にスタンドのヴィジョンも破壊されたから、使えなくなっている可能性が大きいが、
>>73の言うとおりかも知れない
何が言いたいかというと、レクイエム破壊後にスタンドを発現させている描写は皆無なので、>>1の裁量にお任せしたい

吉良の親父やカルネ、アクセル・ROみたいな例外もいるけど、
彼らのスタンドはポルナレフのシルバーチャリオッツとタイプが異なるから参考にならないな…

>>73->>74
なるほど、ありがとう。
では書き溜めたら再開しますのでお待ちください

>>75
ありがとうございます。
では書き溜める作業に戻りますので、今しばらくお待ちください
恐らく深夜か明日になるかと思われ

空裂再開合図(スペースリスターティングアイズ)

承太郎「……なるほど、『魔法の森』確かにそんな雰囲気だな…」

魔法の森を進む承太郎。
森の中は薄暗くてジメジメとしていて、沢山のキノコが群生している。

承太郎「だが、この装置……『普通の光』を放つ訳ではないらしいな……」

装置の光を、薄暗い所のキノコに当てる。
すると、キノコが僅かに枯れ始めた。

承太郎「この装置、間違いねえ……『紫外線』だ。それもかなり強力……」
承太郎「一体なんの為にこんな装置を作ったのか知らねーが、うかつに使わない方が良さそうだぜ……」

そう呟き、装置のスイッチを切る。
周りは薄暗くなるが、『スタープラチナ』で周りの様子を確認できるため問題はない。

承太郎「……そう言えば、キノコに紫外線を照射すればビタミンが増えると聞いた事があるが……」

先程紫外線を当てたキノコをちらと見る。

承太郎「……見るからに毒素を含んでいそうだな……食べるのはよしておくか。」

と、再び森の中を進み始めたその時。

???「………しししっ」

承太郎「………!?」

承太郎の目の前に、小さな人形のような、手足の生えた奇妙な生物が現れる。
いや、これは生物ではない……

承太郎「『スタンド』ッ!」

???「ミツケタ、ゾ!」

そう言って、目の前のスタンドの目のような部分がカシャ、カシャと言う音を立てて発光する。写真を撮っているのか……?
そうこうしている内に、その『スタンド』は一目散に逃げて行ってしまった。

承太郎「………ッ!待て!」

追いかけようとするが、相手が小さいのと、薄暗いのとですぐに見失ってしまった。

承太郎「………何だ、今のは……?」


・・
・・・
その頃、妖怪の山。
製版所のような建物の中で、赤い帽子のようなものを被った少女と、学ランを来た太った少年が会話をしていた。

???「写真は撮れたど、射命丸さん!」

そう言って、太った少年が写真を渡す。
写真には、先程の承太郎が写っていた。

射命丸「いやあ、助かります!これは謝礼金ですよ!」

それを受け取った少女が、何枚かの小銭を太った少年に渡した。

???「しししっ、ありがとうだど!」

射命丸「いえいえ、外から来た人間の写真も撮れたことだし。これで文々。新聞の前途は明るいですね!」
射命丸「これからもよろしくお願いしますよ、『重ちー』さん!」

重ちー「しししっ!」

その太った少年の正体とは、かつて『吉良吉影』に殺された少年、矢安宮重清こと『重ちー』であった……

・・・
・・

一方、承太郎は。

承太郎「……また……『迷った』のか……?」

絶賛路頭に迷い中であった。
ただでさえ薄暗いと言うのに複雑な地形も相まって、迷いの竹林ほどではないにしろ初見で抜けるのには難しすぎた。

承太郎「やれやれ、まいったぜ……このままじゃあ、マジに日が暮れちまうかもしれねーな……」

日が沈み始め、魔法の森を右往左往し始めたその時だった。

アリス「……あら」

承太郎「………ん?」

木陰から、金髪の少女が現れた。
身長は割と高く(とはいえ承太郎には遠く及ばないが)、白く薄い肌をしている。

アリス「人間?こんな所に来るなんて珍しいわね……」

承太郎「……すまんが、紅魔館という所に行きたいのだが…….」

アリス「紅魔館に……?何の用?」

承太郎「何…ちょいと図書館ってのを使わせてもらうだけだ。」

アリス「……今から紅魔館に行くと夜中になってしまうわ。私もこれから帰る所だから家に来なさい。」

承太郎「………良いのか?」

アリス「ええ。その様子なら大方迷ったのでしょう?せっかくだから上がって行きなさい。」

こうして、成り行きでアリスの家に上げられる事になった承太郎。
とりあえずここの住人達に敵意はないと見て良さそうなので、ありがたく言葉に甘える事にした。

承太郎「……凄い数の人形だな……」

アリスの家の中にはおびただしい数の人形が飾られていた。どれも今にも動き出しそうなほどリアルな仕上がりとなっている。
現に何体か動いていたが、もう驚かなくなっていた。

アリス「……それにしても、大きい身体ね……」

承太郎「血筋だ……気にするな。」

アリス「ふうん……?」

承太郎「それにしてもおまえ、何者だ?森の中の家といい、この動いている人形といい……」

アリス「私は魔法使いよ」

承太郎「……魔法……使い?」

アリス「ええ、魔法の森の中に住んでいるのは大体魔法使いよ……私が知っている魔法使いはもう三人ほどいるけど、一人を除いてロクなのがいないわね。」

承太郎「……そうか。」

アリス「その内の一人は紅魔館にいるわ。パチュリー・ノーレッジ……まあ、ずっと図書館で本を読み続けてるような引きこもりだけどね。」

承太郎「……そうか……」

アリス「あなた……無口なのね。」

承太郎「……気にするな。」

アリス「そう……」

承太郎が無口なため、アリスも話題を振る事はなく、二人とも黙々と紅茶とクッキーをたしなみ続けた。なんと味気の無いティーパーティだろう。

アリス「さて、そろそろ日も暮れて来たし……寝るわよ。」

承太郎「……見た所一つしかベッドが無いように見えるが。」

アリス「当たり前でしょう、一人暮らしなんだから……その辺の床で寝なさい。」

と、タオルケットを投げてよこした。

承太郎「やれやれだ……床で寝るハメになるとはな……」

仕方が無いので、床にタオルケットを敷いて寝転がる。

アリス「……襲ったりしないでよね?」

承太郎「俺にそんなシュミはねー。あと俺の実年齢は40過ぎだ。」

アリス「冗談よ。ふふ……」

承太郎「………やれやれだ。」

こうして、承太郎は眠りに着いた(必ずしも気持ちの良いものではなかったが)。

次の朝……

承太郎「じゃあな。世話になった……」

アリス「ええ。紅魔館ならここから北に進んで行けば見つかるわよ。」

承太郎「ああ、じゃあな……」

承太郎はアリスの家を出発し、紅魔館へと向かって行った。

~~~~


承太郎が、森の中を北へ進んで行く。

承太郎(俺は……紅魔館に行き、図書館で文献を探しに行く。)
承太郎(ただ。ただそれだけのはずだ………)
承太郎(だが何だ?北に進んで行けば行くほど、言いようのねえ不安感に駆られるこの気持ちは……)
承太郎(『紅魔館』に……一体何がある………?!)ゴゴゴゴゴゴ

紅魔館、図書館内部。
謎の男と、例の魔法使い……パチュリー・ノーレッジが他愛ない会話をしていた。

???「パチェ、次はこの本を借りていいかい……」

パチュリー「ええ、もちろん……それにしても良く本を読むわね……」

???「……フ、君がそんなことを言うのも何だとは思うがね……」

パチュリー「……それもそうね。」

謎の男は図書館の窓へと近づき、まだ日の登っていない南側のカーテンを僅かに開ける。
そして、今承太郎がいる方角を覗き見て……ニヤリと笑った。

???「来るか……承太郎」



   /└────────┬┐
  <    To Be Continued... | |
   \┌────────┴┘

ここまで

『再開する』『続きを書き溜める』
『両方』やらなくちゃあならないってのがSS作者のつらいところだな……

承太郎「やれやれ……ようやく『魔法の森』は抜けれたか……」

魔法の森を抜けた承太郎。そこには開けた湖があり、霧で良くわかりにくいが、湖の中心の島に立派な洋館がびえていた。
承太郎にはスタープラチナがあるため、霧などなんの問題なく見れるわけだが。

承太郎「あれが『紅魔館』か……」
承太郎(しかし……先程からのこのドス黒いプレッシャーはなんだ?)

心の中に何か引っかかるものを残しながらも、霧の湖の畔を進んで行く承太郎。
その時だった。

大妖精「ちょ、チルノちゃん!」
チルノ「あんた!」

承太郎「………?」

小柄な少女に声をかけられる。(飛んでいるが)
青いワンピースを着ていて、大きな赤いリボンに青い髪、青い目……よほど青が好きとみえる。
そして背中には、謎の透明な青っぽい羽のようなものが六枚生えている。これで空を飛んでいるのか……?
その後ろで、この少女を止めようとしている……これまた色は違うが同じような服を着た、緑髪をした少女がいた。

承太郎「………それは……おれに言ったのか?」

チルノ「そうよ!あんた、人間よね?」

承太郎「………そうだが。」

チルノ「あたいの力があればあんたみたいな人間なんてこてんぱんにできるんだから、そうなりたくなければこの湖から出てきなさい!」
大妖精「チ、チルノちゃん、やめなよ……この人なんか怖そうだよ?」
チルノ「いいのよ!こーゆーちょーしのったやつは、痛い目にあわせてやらないと!」
大妖精「でも……」

……めちゃくちゃな事を言う奴だ。
だがここでひくわけにはいかねーな……

承太郎「そいつは無理な相談ってもんだ……今からあの建物にいかなくちゃあならないんでな。」

と、紅魔館を指さした。


チルノ「言ったわね!さいきょーなあたいの力を見せてあげるわ!」
大妖精「ちょっ、チルノちゃん!」

承太郎「やれやれ。そんな寒そーな外見をしておいて、喧嘩っ早い奴だ……」

とりあえず『スタープラチナ』を出して、二人の目の前で寸止めする。
反応なし、どうやらこいつらには見えていないようだ……

チルノ「凍符……」

すると、少女がなにやらカードのようなものを取り出す。
直感だが……なにか……やべえぜ。

チルノ「パーフェクトフリ」
承太郎「『スタープラチナ ザ・ワールド』!」ドォォォン

瞬間、目の前の少女の動きがピタリと止まった。
少女だけではない。その後ろで、様子を心配そうに見ている少女も、波風漂う湖面も、飛びたたんとした鳥すらも、全ての時が『止まって』いた。
これこそが『スタープラチナ』の真骨頂、『スタープラチナ ザ・ワールド』である。

承太郎「やれやれ……いきなりめちゃくちゃなやつだ。だが……『つよい』とか言うのは……あながち間違いでもないらしいぜ…」

そう言いつつ、チルノの背後に回り込む承太郎。

承太郎「……時は動き出す」ドーーーン

チルノ「………ーズ!」
時が動き出すと共に、大量の光弾と氷弾が放たれる。
それらはやがて湖に着弾し、水飛沫と共に消えた。

チルノ「はぁ、はぁ、……やった?」

前方を確認しても、敵がいないのを確認する。

チルノ「ふっふっふっ、あたいってやっぱりさいきょーね!」
大妖精「ち、チルノちゃん……」
チルノ「?どーしたの?」

承太郎「おい」

チルノ「!?」

バカな!?攻撃したときに避けられるはずがない!ましてや人間に……!?
しかも後ろに回られたような感覚もなかった!
理解不能理解不能理解不能理解不能……
と、チルノは思考回路がパンクするかのようなスピードで理由を見出そうとするが、全くわからなかった。
それもそのはず、『時』を止められた事など、氷精では理解できる範疇を超えているからだ(わかっても、彼女の頭では処理できそうにないが)

承太郎「おいバカ……みたところここの湖に詳しいようじゃあないか?」
チルノ「うっ」

承太郎「『紅魔館』まで、案内してもらおうか」

チルノ「……あんた~~ッ、いまあたいのことバカ(⑨)って言ったな……(なんで知ってるのよ)」

承太郎「とにかくだ……知っているんだろう?案内してもらおう。」

チルノ「くっ、クヤシーーーッ!」
大妖精「チルノちゃん……」ハァ

今より少し時は遡り、紅魔館ーーー
『スタープラチナ ザ・ワールド』ドォォォン

咲夜「………!」
咲夜(これは……!)

『そして時は動き出す』ドーーーン

咲夜「………」ハッ
咲夜(今のは……)

???「……今のは……感じたか、咲夜?」

咲夜「!……はい。貴方ではないのですか?」

???「ああ、わたしではない……『時の止まった』世界で秒数に例えるのも変だが、『五秒』ほどしか止まっていなかっただろう?」

咲夜「……そういえば……短かったですね。貴方はもっと長いのに……」

???「……今時を止めた人物には心当たりがある。長身でガタイの良い、学ランを着た男だ……」
???「彼はいずれここに来る。来たら通してやれ……」

咲夜「………?何故分かるのですか?」

???「さあな……『引力』というべきか、『運命』と言うべきか……」

咲夜「……?」

???「とにかくだ。『彼』が来たら通してやりたまえよ……わたしは図書館へと戻る。」

咲夜「はい……わかりました、『DIO』様……」

DIO「……………」
DIO「……」ニヤリ

~~~~~~

時は戻り、チルノに紅魔館に案内してもらった承太郎。
案内してもらっているあいだチルノはずっとブーブーうるさかったが(うっとーしい女は嫌いだぜ、全く)、とりあえず着く事が出来た。

承太郎「ここが……紅魔館」

魔法の森を抜けたすぐそこ。紅く巨大な洋館が、霧の湖の中にそびえ立っていた。
承太郎は今、その洋館の門の前にいる。

承太郎「で、だ……」

門の左端に目をやる。そこには、中華風の服を着た少女が椅子に座って爆睡していた。

承太郎「……なんだこいつは……?門番か……?」
承太郎「配置関係からしてそうとしか考えられないが……あまりにも不用心すぎやしないか……」
承太郎「だが……仮にこいつが門番だったとするならば、起こしておかなきゃあならねーな……」

そう呟き、門の前で爆睡している少女の前に立つ。

承太郎「おい。」

反応なし。

承太郎「………おい。おまえ。」

反応なし。

承太郎「………」イライラ

ゆすっても起きないので、スタープラチナで一発どついてやろうと思ったその時だった。

ドーーーンッ!!
承太郎「………!?」

『時』が『止まった』。

承太郎(くっ……身体が……!)

すると、門の中からメイド姿の女性が現れる。

承太郎(……時を止めているのはこいつか……?いや、そうとしか考えられねー……)グググ

咲夜「……美鈴……また寝てるわね……」
メイド姿の女性は、爆睡している中華風の少女を見つけるやいなや、その帽子にナイフを突き刺した。
そしてその後、女性は承太郎の方に視線を移す。

咲夜「あら、この方は……」
承太郎「………」
咲夜「『DIO』様が言っていた……」
承太郎(……!?)┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

その言葉を聞いた瞬間、承太郎に戦慄が走った。
承太郎(『DIO』が……『生きて』いるだと……!?)┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

承太郎(いや、生きているわけではない……仮に『ここ』にいるならば、奴は『死んでいる』と言う事か……)
承太郎(飛ばされた『スタンド使い』は善人だけじゃあないって事か、やれやれ……)

咲夜「……時は動き出す」

承太郎「………」ハッ
美鈴「ギニャーーーッ!!!」
時が動き出し、爆睡していた少女が悲鳴を上げて飛び起きた。

咲夜「美鈴……またサボったわね。」
美鈴「ふぇ!?さ、咲夜さん!?……ね、寝てなんかいませんよヤダナーアハハハハ……」
咲夜「ウソをつきなさい……後で説教よ」
美鈴「ひええーー……」

承太郎「……おい……」

咲夜「あら、お客様ね……美鈴、お通ししなさい。」

美鈴「へ?良いんですか?」

咲夜「良いのよ……ほら。」

美鈴「わ、わかりました……」ギギギギ

咲夜「さあ、お入りください……」

承太郎「……………」ゴゴゴゴゴ
承太郎(先程からのドス黒いオーラ……これはまさか、やれやれ……そういう事だったのか……)

紅魔館内部へと入って行く承太郎。
そこで待ち受けていた人物とは………

<==to be continued…

ここまで

「らせん階段」……! 「乙」! 「廃墟の街」! 「イチジクのタルト」!
「乙」! 「ドロローサへの道」! 「乙」! 「特異点」!
「ジョット」! 「天使」! 「紫陽花」! 「乙」! 「特異点」!「秘密の皇帝」!

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