真涼「はたらく暁の聖竜騎士さま」鋭太「おい」 (44)

鋭太「夏休みの登校日か…」

真涼「…」

鋭太(真涼、明らかにイライラしているな。いや、原因はわかってるんだが)


生徒A「これ彼氏と遊園地に行って買って貰ったんだー」

生徒B「いいなー」

生徒A「やっぱりこういうのは金額より、思い出だよ思い出!」

生徒A「これを見るとね…えへへ。彼氏と楽しかったのを思い出すんだー」

生徒B「いいなー」

生徒A「それに遊園地に行ったお金ね、彼氏がバイトで頑張って稼いでくれたんだ!」

生徒A「私の為だって…きゃーーーー」

生徒B「羨ましいなぁー」


鋭太(俺と真涼は恋愛アンチだからこういう会話を聞くだけで…)

真涼「」ギロッ

鋭太(こっち見んな)

■帰り道

真涼「一緒に帰る…というか、会う自体が久々ね」

鋭太「そりゃあ夏休みだし。会う必要もないしな」

真涼「…私のメール無視してるわね」

鋭太「10通に1通は返信してるだろ?」

真涼「私はあなたの彼女なのに、クラスの子みたいにデートに行っていないわ」

鋭太「偽彼氏(フェイク)だしな」

真涼「…実は黙っておくつもりだったのだけど」

鋭太「ん?」

真涼「最近また告白してくる連中が増えたの。鋭太じゃ役不足だって」

鋭太「ま、まあ、そうかもな」

真涼「それに最近あなたが私を放置しているのが噂になっているのよ。それで…」

鋭太「やだ。デートには行かない。俺はこの夏すべての呪縛から解放されて、勉強するって決めてるんだ」

真涼「…」

真涼「はぁ~。わかったわ。もうっ」

鋭太「…」

鋭太(な、なんなんだ!?)


鋭太(なんでそんな悲しげな顔するんだよ)

鋭太(いつも通り、ノートで脅せばいいだけなのに)

真涼「…」シュン

鋭太(あ~~~~~~~~~~もう!)

鋭太「わかった!1日!1日だけだからな!」

真涼「ほ、ほんとう?」

鋭太「ただし、デートは1回1日だけだからな!」

真涼「約束してくれるかしら?」

鋭太「ああ、約束してやるよ。絶対に1回行く。命かけてもいいぜ」



真涼「ふふっ。ありがとう鋭太」

鋭太「え?あっ、ああ」

鋭太(や、やっべぇ。久々にこいつのこんな笑顔見たら…俺までニヤけそう…に…)

役不足?

 
………


鋭太「あ?なんで?」

真涼「私の為にバイト頑張ってね。鋭太」

鋭太「俺と違う方向に帰ろうとするな!納得してないぞ!」

真涼「今日のクラスの恋愛脳共の話を聞いていなかったの?」

鋭太「…ああ、彼氏と遊園地に行ったのどうのって話か?」

真涼「ええそうよ。その話の中で…」

鋭太「そういえば『遊園地に行ったお金は、彼氏がバイトをして稼いだ』とかどうのこうの言ってたな」

真涼「ええそうよ。それで」

鋭太「もしかしてお前もああいうのに憧れるの?」

真涼「え?は?…………はあ?」

>>2 修正
真涼「最近また告白してくる連中が増えたの。鋭太じゃ役不足だって」

真涼「最近また告白してくる連中が増えたの。鋭太と私じゃあ釣り合わないって」


>>5
ありがとう

鋭太「じょ、冗談だ!だからそんな怖い顔すんな!」

真涼「怖い顔だなんて…」プクー


鋭太「まあ、お前の事だから『彼氏からのプレゼントをみんなに見せつければ、変な虫が寄ってこなくなります』とか言うんだろ?」

真涼「…それでいいわ。じゃあ期待してるわよ鋭太」

鋭太「あーはいはい。バイトはしねーけどな」

■次の日

愛衣「え?どこで!?季堂くんどこでバイトするの!?」

カオル「バイト?いいんじゃないかな?」

鋭太「え?なんで?」

カオル「バイトって社会勉強になりそうだし、大学への進学の時に少しは役に立つかもだよ?」

鋭太「う~ん。そうか?」

愛衣「教えて!ねえ!愛衣ちゃん通うから!通い妻になるから………妻だって、キャーーー」


カオル「それに少しでも貯金しておけば。ほら、大学生活で…いくら奨学金付きでもバイトは必要になるでしょ?」

鋭太「ああ、その時に楽になるかもな」

カオル「そうだよ。下手すると大学で勉強とバイト…勉強も医学部なら今まで以上に大変だろうし」

愛衣「愛衣ちゃんまた大勝利しちゃう?しちゃうかも?」

鋭太「勉強で忙しいから、勉強とバイトの両立の練習も兼ねた方がいいって事か」

カオル「うん、そういう事」

愛衣「夏休みのバイトは申請が必要なの!私が学校側に提出しておいてあげるから、ここにバイト先の住所を書いて!」

鋭太「…」

愛衣「タッくん?ねえタッくんってば!」

鋭太「うっせええええええええええ!」

愛衣「って、ここ図書館よ!静かにしないとダメじゃない」

鋭太「お前が言うな!」

カオル「あははは。あーちゃんは元気だなー」

愛衣「で、どこでバイトするの?」

鋭太「教えたらどうする気だ?」

愛衣「だって、ウエイターのタッくん…えへへ。紳士的な顔で…キリッてして…えへへ」

カオル「あっ、それいいかも」

鋭太「おい!変な妄想してるんじゃねええぇ!」

■数日後

鋭太「いらっしゃいませー…って」

千和「えへへ、来ちゃった」

姫香「エイタがマグロナルドのコスプレしてる」

鋭太「コスプレじゃねーよ。あっ今から昼飯か?」

千和「うん。えーくんの初バイトを応援しにきたんだ」

姫香「わたしこういうお店初めて。楽しみ」

鋭太「ありがとうな二人とも。じゃあ今日は俺の奢りな」

千和「ううん、いいよ。えーくんは自分の為に頑張ってるんだもん。足引っ張りたくないし」

姫香「うん。わたしも」

鋭太「まあ、そう言わずにさ」


千和「じゃあ、肉2倍盛り魔王バーガー10個」

姫香「わたしはシェイーク100個。旅館のお客様へのお土産にする」

鋭太「おい!!」

 
………


鋭太「ったく、あいつら普通のセットを頼みやがった…せっかく奢ってやるのに」

先輩「いい友達じゃんか」

鋭太「先輩!?」

先輩「お金が必要でバイトしてるんだろ?それをわかってくれるいい友達だと思うぞ」

鋭太「あ、ありがとうございます」

鋭太(この先輩、俺と声が似てるんだよなー)

 
………


愛衣「」ニコニコ

鋭太「えーと、ご注文は?」

愛衣「キリッっとして」

鋭太「へ?」

愛衣「キリッとして『お嬢様、ご注文は?』って言って。紳士みたいに」

鋭太「はぁ~」


鋭太「お、お嬢様、ご注文は?」キリッ

愛衣「あ…あぅぅぅぅぅぅ//」

鋭太「あ、あーちゃん!?」

愛衣「愛衣ちゃんお外走ってくるうぅぅぅぅ!」

鋭太「ち、注文は!?」

 
………


鋭太「いらっしゃいませー」

真涼「ふーん。頑張ってみるみたいね」

鋭太(ああ、この流れは全然予想できた。予想通り)

真涼「じゃあ、スマイルをお持ち帰りで」

鋭太「どこにだよ!」

真涼「もちろん家に…って何を言わせるのよキャッ」

鋭太「なにが『キャッ』だ!気持ち悪いわ!」


真涼「えーじゃあー、べ、別に鋭太の事なんて好きじゃないけど、一人寂しそうだからお持ち帰りしてあげるわっ」

鋭太「ツンデレ風に言うな!っていうか寂しそうってなんだよ!寂しそうって!」

真涼「だって、毎晩一人でさびしく」

鋭太「うおおおおおおおおおおおおおおお!!!」

真涼「さて、冗談はさておき…そうね。サラダを頂こうかしら」

鋭太「ありがとうございます。280円になります」

真涼「じゃあ、カードで」

鋭太「すみません。当店ではクレジットカードはご使用できません」

真涼「…え?」

鋭太「…」

真涼「あ、あら?」

鋭太(真涼が真っ青になってる…初めて見るぞ。こんな真涼)

真涼「そうね…」

鋭太「はぁ~。ほら奢ってやるから食べていけよ」

真涼「…いえ、帰るわ」

鋭太「いいから奢られろって、ったくみんな拒否すんだよなー。せっかく奢ってやるって言ったのに」

真涼「みんな?」


鋭太「ああ、千和にヒメに冬海。みんな拒否っちまいやがった」

真涼「…じゃあ、頂くわ。ご馳走になるわ鋭太」

鋭太「え?お、おう。食べてけ」

真涼「ふふっ。私が鋭太の初めて…悪い気分じゃないわね」

鋭太「なんだよ。それ……」

■バイト最終日

鋭太(1週間の短期とは言え疲れた…)

鋭太(それにしてもお金を稼ぐってこんなに大変だったんだな)

鋭太(確かにこれはこれで大切な社会勉強になるな)


鋭太「いらっしゃいませー」

真涼「ふふっ。今日もスマイルのお持ち帰りで」

鋭太「お客様?それはできないといつもって」

千和「えーくん、今日が最終日でしょう?だから来たよー…って、夏川?」

真涼「あらあら、どっかのチワワさんが肉の匂いに釣られてきたようですね」

千和「へぇ~、どっかの小悪女さんは毎日えーくんのバイトの邪魔してるの?彼女からストーカーにランクアップしたらどう?」

鋭太「お、おい。レジ前でやめてくれ」

愛衣「タッくん~。今日も食べに来たわよー。って別にタッくんがいるから来たわけじゃないんだからねっ」

姫香「エイタ。今日はマスターと来た。ギュっとして?」

真涼「あら?あなた達は…」

千和「あっ。みんなーこっちこっちー」

鋭太「おい。いい加減に注文してくれ…」

 



真涼「というわけで乙女の会の活動を行います」

姫香「おー」パチパチパチ

愛衣「ちょっと!私忙しいんだけど!」

千和「この新発売、勇者バーガーも中々美味しいねっ」

鋭太「俺の休憩時間がー」

真涼「今回のお題はいかにナンパされるかです。モテカワたるものナンパの一つや二つされないといけません!」

愛衣「あーでも、ナンパって相手が面倒なのよねー。いちいち断るのがね」

姫香「さすがマスター。わたしは一度しかされた事がない」

千和「…」モグモグ

鋭太「でも、真涼もそんなに言うほどされた事ないよな?」

真涼「いえそんな事はありません。世の中の男性達は私を見た瞬間に濡れ濡れです」

愛衣「へー、意外だなー。告白はあんなにされてたのにね?」

千和「やっぱり、見ただけで性格が悪いのがわかるのかな?」

姫香「会長が?信じられない」

鋭太「ああ違うんだ。こいつってさ、あまりに美人だから敬遠されてるんだよ」

千和「っ!?」

愛衣「学校ナンバーワンは伊達じゃないわね」

姫香「さすが会長。わたしとは次元が違う」

真涼「ええ、実を言うとその通りなんです。だからナンパについては冬海さんから説明をお願いします」

愛衣「どうやってされるかかー。そうねー。普通にやっていればされるんだけどね」

姫香「さすがマスター。マスターもわたしと次元が違う」

愛衣「そうね。他には…」

真涼「はぁ~…私とした事が、どうやらお題を間違ったようですね」

鋭太「…」

愛衣「そうとも言えないわよ?」

愛衣「ナンパされるって事は、服装や身なりを普段から気をつけてるって事でしょう?」

愛衣「常に周りの視線を気にするのって重要だと思うわ」

愛衣「だって、いつどこで運命の人と会うかわからないしね」

真涼「そうですね。ちょっと近くのコンビニまでジャージで行って、会ってしまったでは最悪な結果になりますしね」

姫香「なるほど、勉強になる」


鋭太「あっ、休憩終わりだ。じゃあな、みんなゆっくりしていけよ」

真涼「ええ、あと8時間ほどゆっくりしていくつもりです」

鋭太「ゆっくりしすぎだ!!」

■その夜

鋭太「よう」

真涼「どういう風の吹きまわしかしら?鋭太が私を呼び出すなんて」

鋭太「いや、最近のお前なんか変だから気になってな」

真涼「そうだったかしら?」

鋭太「乙女の会はグダグダだし」

真涼「そうね。否定しないわ」

鋭太「食事はあまり好きじゃないのに俺のバイト先に顔を出すし」

真涼「それは鋭太で遊びたかった……会いたかったから」

鋭太「さ、最後に、偽恋人(フェイク)のくせに俺と…俺が稼いだお金でプレゼントやデートに行きたいって言ったところかな」

真涼「それは冒頭で言った通り、学校で言い寄る男が増えたせいよ」

鋭太「夏休み中に増えるわけがねーよ。そもそもな」



鋭太「真涼…本当はさびしかったんだろう?」

真涼「…私の偽彼氏(フェイク)ごときが何を言ってるのかしら?」

鋭太「だったらさ、その偽彼氏(フェイク)ごときにバレナイようにしっかり演じろってんだ」

真涼「…」

鋭太「ほらよっ。これ」

真涼「え?」


鋭太「プレゼントだよ。欲しかったんだろう?」




真涼「時計…」

鋭太「俺のバイト代で買った時計だ。初めてなんだから大切にしてくれよ」

鋭太「あとついでに、さびしくなったらそれを見て思い出してほしい」

鋭太「お前は一人じゃない。俺もいるし、自演乙のメンバーだってお前の事を仲間として認めているって」

真涼「…」

真涼「ばーか」

鋭太「へ?」


真涼「だれがこんな安物を大切にしてあげるもんですか」

鋭太「なっ」

真涼「…でも、偽彼氏(フェイク)からの初めてのプレゼント…」

真涼「偽恋人(フェイク)を演じる上で大切だから、仕方なく大切にしてあげるわ」

鋭太「おい」


真涼「ふふふっ♪デザインは中々いいわね。プレゼントをくれた本人は間抜け面なのにね」

鋭太「おいいい!!!!」

真涼「ほら、今度はデートに連れて行ってくれるんでしょう?計画を練りましょう」

鋭太「あっ、それに関しては提案があってだな」

真涼「あら?グズ太にしては珍しく積極的ね」

鋭太「なんだよ!グズっておい!」

真涼「で、どこなのかしら?」

鋭太「図書館で勉強とかどうだ?真涼も好きな本が読めるし、俺は勉強が出来る」

鋭太「さらに冷房もある!これ以上の良物件はないぜ?」

真涼「ふふっ。いいわよそこで」

鋭太「だよなー。冗談…って、何だと!?」


真涼「私は鋭太と一緒ならどこでもいいって言ってるの。図書館デート楽しみね」

鋭太「な、なななななななな!」

鋭太(こ、こいつ冗談で言ってないのか…)

鋭太「じ、実は今のは冗談で、本当は遊園地にだな」

真涼「あら?鋭太は図書館以外も行きたいのね?」

鋭太「はあ?」

真涼「鋭太は私と遊園地に行きたいの?」

鋭太「あー、はいはい。そうですよ。行きたいなー真涼さんとー」

真涼「ふふっ。男が照れても可愛くないわよ」

鋭太「ってか、お前が連れていけって言ったんだろうが!」

真涼「あら?そうだったかしら?」

鋭太「あーわかったよ。日時は………………でいいか?」

真涼「ええ、用事があるけど、空けておくわ。鋭太の為に」

鋭太「っ!?」


真涼「あら?ゆでダコみたいよ?」

鋭太「うっせえ」

■帰り道

真涼「じゃあ、遊園地の前に図書館デート楽しみにしてるわよ」

鋭太「ああ、勉強の邪魔をしないなら誘うさ」

真涼「何か弁当を作ってくるわね」

鋭太「俺が作るからそれは止めろ」

真涼「ふふっ。鋭太の手作り弁当楽しみね」

鋭太「しまった…無駄な労力が」



真涼「わざわざ家まで送ってくれてありがとう」

鋭太「ああ」

鋭太(というか初めて家まで送ったぜ。いつも拒否るからな)


真涼「じゃあ、おやすみなさい鋭太」

鋭太「おやすみ真涼」

真涼「あっ、そういえば忘れていたわ」

鋭太「ん?」


真涼「プレゼントありがとう鋭太。末代まで大切にするわね」

鋭太「偽彼氏(フェイク)からのプレゼントなのにか?」

真涼「鋭太からだからよ」


………


鋭太(『鋭太からだからよ』と言った時の真涼…)

鋭太(今日一番の笑顔だった…)


鋭太(俺は皮肉にも少しだけ…)

鋭太(ずっとそばでその笑顔を見たいと思ってしまった)



鋭太(ああ、これからもずっと…)


       終わり

これにて終わりになります!
支援&見てくれてありがとうございました!
また機会があればよろしくお願いします!

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