スザク「これはナナリーメーカーだ」ルルーシュ「なんだと?」 (262)

ルルーシュ「スザク」

スザク「どうしたんだい?」

ルルーシュ「……いや。なんでもない」

スザク「そうか」

ルルーシュ(ナナリーは今、牢屋にいる。顔ぐらいは見たいが、俺の立場上それすらもできない)

ルルーシュ(ゼロ・レクイエムを完遂するまで、俺がナナリーに近づくことは許されない……!! 許されないんだ……!!)

ルルーシュ「……ふぅ」

スザク「……」

C.C.「ピザはまだか。全く、何をやっている」

スザク「C.C.。少し良いかい?」

C.C.「何故私がお前の言うことを聞かねばならない?」

スザク「ルルーシュのことなんだ」

C.C.「……仕方ないな」

C.C.「元気がない、だと?」

スザク「ああ」

C.C.「別に気にするようなことなのか、それは。奴はもうすぐ死ぬ身だ。たとえ不治の病であっても関係などないだろうに」

スザク「確かにそうだ。けれど、ルルーシュの親友としては見て見ぬ振りはできないというか……」

C.C.「ふぅん。なら、お前はどうしたいんだ? 元気付けたいのか? 間もなく殺す相手を」

スザク「……いけないことかい?」

C.C.「よくわからないな、お前の考えていることは」

スザク「殺す相手だからこそ、全ての憂いを払拭したいと思ってもいいはずだ」

C.C.「分かったよ。勝手にしろ」

スザク「協力してほしい。ルルーシュを元気付けるために」

C.C.「なんで私がそんなことを……」

スザク「原因は何だと思う?」

C.C.「……単純にナナリーと話せないからとかだろ?」

スザク「そんな簡単な理由なわけがないじゃないか」

C.C.「なんだと? 私の考えが間違っているとでもいうのか?」

スザク「今更、その程度のことで落ち込むほど柔な男じゃないと僕は信じている」

C.C.「貴様の意見など知らない」

スザク「もっと深い理由があるはずだ……」

C.C.「本人に訊けばいいだろう」

スザク「ルルーシュが素直に答えるとは思わない」

C.C.(面倒だな)

スザク「そもそもナナリーに会えないのが理由なら、会えば済む話じゃないか」

C.C.「お前な、今のあいつがナナリーにどんな顔で会えば良いと思っている?」

スザク「いつもの仏頂面で構わないと思うけど」

C.C.「できるわけがないだろ。一応、ナナリーは死刑囚なんだからな」

スザク「立場の問題か」

C.C.「そうなるな」

スザク「いや、やっぱり信じられない。ルルーシュがそんなことで悩んでいるなんて」

C.C.「分かった。なら、これをルルーシュに見せてみろ。それで全てがはっきりする」

スザク「これは……ナナリーの囚人服姿の生写真……!!!」

ルルーシュ「はぁ……ナナリー……」

スザク「ルルーシュ。今、良いかな?」

ルルーシュ「……どうした?」

スザク「君に見て欲しいものがあるんだ」

ルルーシュ「なんだよ」

スザク「これだ」

ルルーシュ「これは……!?」

スザク「今現在のナナリーだ」

ルルーシュ「……」

スザク(君が脆弱な人間でないことを僕が証明する)

ルルーシュ「フ、フフ……」

スザク「ルルーシュ?」

ルルーシュ「フフフ、フフハハハ……アーッハッハッハッハッハッハッハ!!!!! 良い様だな!!! ナァナリィ!!! フフハハハハハハ!!!!!!」

スザク(やはり、ルルーシュが落ち込んでいる原因はナナリーではなかったみたいだ。じゃあ、なんだろうか……)

ルルーシュ「ヒャーッハッハッハッハッハッハッハ!!!!」

スザク「C.C.の考えは外れていた」

C.C.「……馬鹿な」

スザク「僕なりに想像してみたんだけど、聞いてくれるかい?」

C.C.「聞くだけならな」

スザク「ルルーシュは今の生活に疲れているんだと思う」

C.C.「数ヵ月後には死ぬんだ。我慢してもらえばいい」

スザク「公務の場合は当然だ。けれど、それ以外、つまり自室では悪虐皇帝にも癒しは必要になるはず」

C.C.「不必要極まりないだろ」

スザク「君もピザを食べることで日頃のストレスを発散させているはずだ」

C.C.「別にそんなことはしていないが」

スザク「とにかく、今のルルーシュには癒しが必須なんだ」

C.C.「それで? 私に坊やを癒せというのか? まぁ、私とて無駄に生きてきたわけではないからな。子どもの、いや、男のあやし方は心得ているつもりだ」キリッ

スザク「ルルーシュにとっての癒し……癒しとなると……やっぱり、ナナリーか……。でも、ルルーシュはナナリーと会いたがらないし……」

C.C.「おい」

スザク「うーん……。難しいな……」

スザク「どうしたらいいだろうか……」

ジェレミア「どうかしたのか」

スザク「ジェレミア卿。お疲れ様です」

ジェレミア「私に疲れはない。これも忠義の成せる技」

スザク「そうだ。ジェレミア卿、ルルーシュのことで相談が」

ジェレミア「皆まで言う必要は皆無。……ルルーシュ様のお元気が低下していることだろう」

スザク「その通りです。気づいていましたか」

ジェレミア「当然である」

スザク「自分は今のルルーシュがとても疲れているように思えます。そこでどうにかして癒しを与えてやりたいと考えています」

ジェレミア「それは良策。私も是非ともその考えに、忠義に賛同させてくれ」

スザク「はい。ルルーシュにとっての癒しといえば……」

ジェレミア「妹君であるナナリー様を置いて他になし」

スザク「でも、そのナナリーにルルーシュは会おうとしない。もう、どうすればいいか……自分にはわかりません……」

ジェレミア「……私に妙案がある。任せてほしい」

スザク「は、はい! お願いします!!」

ジェレミア「――と、いうわけだ」

藤堂「……」

千葉「なんだそれは? そんなことを藤堂さんに持ちかけてなんのつもりだ!!」

ジェレミア「君の意見が聞きたい。藤堂鏡志郎。知将としての顔をも持つ君に」

千葉「ふざけるな!! 我々はブリタニアに協力などしない!!」

藤堂「待て、千葉」

千葉「藤堂さん……」

藤堂「私たちは既に囚人だ。拒否権などない。働けといわれれば、体を動かすしかあるまい」

千葉「しかし……!!」

ジェレミア「話が早くてお助かりました」

藤堂「ルルーシュは妹であるナナリーからしか癒しを受けない。そういう条件だな?」

ジェレミア「その通り。しかし、神の悪戯か、ルルーシュ様はナナリー様を観賞することすら叶わず」

藤堂「では、仮の妹を作ってしまえばいい」

ジェレミア「仮?」

藤堂「そうだ。ルルーシュが持つ理想の妹をだ」

恥将・藤堂の出番かよ

ジェレミア「クローンか」

藤堂「それは技術的に不可能だろうし、仮にできたとしても今からでは妹が誕生するまでに10年以上かかることになる」

ジェレミア「なるほど。では、誰かに演じてもらうか」

藤堂「その通りだ。演者を用意する」

ジェレミア「だが、問題もある。ルルーシュ様に理想の妹像をお訊ねする必要がある」

藤堂「そこに遊び心を加えればよい」

ジェレミア「どのような?」

藤堂「女性の演者を用意し、ルルーシュが思い思いの育成をする」

ジェレミア「ふむ」メモメモ

藤堂「分かりやすく、ステータス表なんかを用意するといいだろう」

ジェレミア「一理ある」

藤堂「そこで勉強をさせたり、バイトをさせたりして、格ステータスを上げていき、ルルーシュが思い描く理想の妹を作り上げ、存分に癒しを受ければいい」

ジェレミア「育成とはこれはまた趣がある。私生活も充実したものになるはず」

藤堂「肝心のステータスは、そうだな……スタミナ、知力、気力、プライド、モラル、気品、気立て、センス、魅力、武勇、信頼度あたりを用意して……」

千葉「藤堂さん!!! どうしてしまったんですか!? 藤堂さん!!」

ジェレミア「できた!! 我が忠義の証!! ルルーシュ様を癒す良策が!!!」

スザク「本当ですか!?」

ジェレミア「その名も『ナナリーメーカー』だ」

スザク「それは一体……?」

ジェレミア「ルルーシュ様にナナリー様の分身を用意し、与えることは我が忠義に反することであり、またルルーシュ様を貶める行為である」

スザク「そうですね。ナナリーの代わりはいないですから」

ジェレミア「なればこそ、ルルーシュ様自身にナナリー様を作って頂く」

スザク「ルルーシュ……自身に?」

ジェレミア「はい、その通りでございました」

スザク「どうやってそんなことを?」

ジェレミア「まずは演者、つまりナナリーメーカーの素体となる婦女子が必要となる」

スザク「どんな人が適任ですか?」

ジェレミア「やはりルルーシュ様の言われたことを即座に実行できる演技力と瞬発力を兼ね備えた者が良い」

スザク「そうなると……」

ジェレミア「該当者はいるだろうか」

その条件じゃカレンか咲世子あたりしか当てはまらなさそうだが…

C.C.「寝る前はミックスピザに限るな」

スザク「ここにいたのか、C.C.」

C.C.「なんだ? あっちへいけ」

スザク「ジェレミア卿」

ジェレミア「むむ……。ジェレミア・スキャンを開始する。むむ……C.C.のステータスは以下の通りとなる」

スタミナ 150
知力   50
気力   50
プライド 200
モラル  30
気品   80
気立て  10
センス  120
魅力   190
武勇   70
信頼度  200
性格   非行

スザク「なるほど。次にいきましょうか」

ジェレミア「うむ」

C.C.「おい。まて。この不愉快な表を私に押し付けてなんのつもりだ? おい」

スザク「詳しい話はまたあとでする。とりあえず今は、そのステータス表を無くさないようにしてほしい」

オレンジにスカウター付いてたのか!?

カレン「すぅ……すぅ……」

スザク「カレンは眠っているようですね」

ジェレミア「では、ジェレミア・スキャンを行うとしよう」

スザク「どうですか?」

ジェレミア「カレンのステータスはこうなる」

スタミナ 255
知力   10
気力   150
プライド 80
モラル  50
気品   40
気立て  30
センス  50
魅力   70
武勇   160
信頼度  255
性格   犬

スザク「わかりました。では、最後の人のところへ」

ジェレミア「ああ。我が忠義の為に!!!」

カレン「ん……?」

カレン「なに、この表……? スタミナ……255……? もっと、あるわよ……まったく……すぅ……すぅ……」

オレンジ「戦闘力たったの5……ゴミか」

扇「」

アーニャ「……」

スザク「寝ていますか?」

ジェレミア「脳波の状況を見るに、熟睡しているようだ」

スザク「では……」

ジェレミア「ジェレミア・アイ」キュィィン

スタミナ 40

知力   120
気力   40
プライド 90

モラル  130
気品   150
気立て  80
センス  100

魅力   150
武勇   60
信頼度  40
性格   無垢

ジェレミア「候補は以上となる」

スザク「では、あとのことはお願いします」

ジェレミア「任せよ。ジェレミア・ゴッドバルト!! ルルーシュ様の忠義のために!!! 必ず!! 必ず!! 癒しを届けてみせよう!!!! オール・ハイル・ルルーシュ!!!!」

アーニャ「……うるさい」

ステータスに随分偏りが見られるが
これはオレンジの判断か、それとも>>1の嗜好なのか

ルルーシュ「はぁ……ナナリー……」

スザク「ルルーシュ。少し見てもらいたいものがある」

ルルーシュ「なんだ、またか?」

スザク「この3人のことはよく知っているだろ?」

ルルーシュ「C.C.にカレンにアーニャか。それがなんだ?」

スザク「そう。でも、今日からは違うんだ」

ルルーシュ「何が違う?」

スザク「この3人は……いや、これはナナリーメーカーだ」

ルルーシュ「なんだと? どういう意味だ?」

スザク「ルルーシュ。最近、疲れているだろ?」

ルルーシュ「ん? まぁ、そうだな」

スザク「これからプレイベートでは十分に癒されてくれ。君の理想を体現する妹と生活することで」

ルルーシュ「意味が分からないが?」

スザク「この3人を理想のナナリーにすればいいんだよ、ルルーシュ」

ルルーシュ「だから、意味が分からないぞ、スザク」

魅力ってなんだよ

ジェレミア「解説は私、執事役を務めさせて頂く、ジェレミア・ゴッドバルトがご説明いたしました」

ルルーシュ「ジェレミアまで、何の真似だ?」

ジェレミア「よろしいですか、ルルーシュ様。これからルルーシュ様にはタイプの違う3人の中から1人を選んでもらい、これから1ヵ月間同じ部屋で生活してもらいます」

ルルーシュ「何故だ?」

ジェレミア「そこに癒しがあるからです」

ルルーシュ(なんだこれは……こいつら……俺をどうするつもりだ……!! ここへ来て謀反か……!?)

ジェレミア「そして1日に1度だけ、ルルーシュ様はナナリーメーカーに指示を出すことができます」

ルルーシュ「……」

ジェレミア「その指示した内容によりステータスが変化していくことになります」

ジェレミア「そして1ヶ月後、ステータスの数値とルルーシュ様が選ばれた妹によって様々なエンディングが用意されております」

ルルーシュ「エンディングとはなんだ?」

ジェレミア「ルルーシュ様がお作りになられた妹との生活です」

ルルーシュ「……おい。スザク」

スザク「さ、ルルーシュ。選んでくれ。C.C.かい? それともカレンか。あるいはアーニャか。僕のオススメは育てやすいカレンだけど」

ルルーシュ「だ、だから、どうしてこんなことを企てたんだ? それにこの3人はこの企画に賛成しているのか? 加えて、年頃の男女が同じ部屋というのは……問題が多いだろ」

ジェレミア「レクリエーションの一環と考えていただければ、幸いです」

ルルーシュ「いや、しかし。俺にこんなことをしている余裕など……」

スザク「余裕をみせてこその皇帝のはずだ。僕を失望させないでくれ、ルルーシュ」

ルルーシュ「なに?」

スザク「こんな遊びにすらかまけている暇もないほどに、心にゆとりがないのか? ルルーシュ、君は変わってしまったようだね。昔の君なら、一笑して「余裕だ」と発言していたよ」

ルルーシュ「そうか?」

スザク「そうだ」

ジェレミア「ルルーシュ様。3人の許可は頂いておりますし、ここはご決断を今すぐに、早急に、とても急いでほしいのです」

ルルーシュ「し、しかし……口で説明されただけでは……なんとも……」

スザク「そう言うと思って、レクチャー用のVTRがある」

ルルーシュ「そんなものまで……」

ジェレミア「ある方に実践してもらっています。それを見ればどのように妹と毎日を過ごせばいいのか一目瞭然でしょう」

ルルーシュ「そ、そうなのか……」

スザク「見てくれ」ピッ

ルルーシュ(俺を心配してくれていることはわかった。無碍にするわけにもいかないし、ここは付き合うとするか……)

>>29
たぶんオレンジから見た魅力(=将来が楽しみ度)だからアーニャぶっちぎりなんだろ

星刻『……』

天子『あ、あの……しんくぅー? 今日は……何をすればいいですか……?』モジモジ

星刻『……』

天子『あの、指示をしてくれないと……私……困ってしまうのですか……』オロオロ

星刻『……』

天子『あ、あまり、みつめないで……しんくぅー……』

星刻『……』

天子『な、なにか言ってくれないと、私の知力や魅力が低下するっていわれていて……』

星刻『……』


ルルーシュ「……こうして妹を眺めるだけでいいのか?」

ジェレミア「失礼しました。これは既に七日経過しており、星刻は無我に達してしまったあとでした」

スザク「こっちが一日目だ」ピッ


天子『星刻、これからよろしくお願いします。妹の天子です』

星刻『……』

星刻『で、では……あの……天子様……着替えから……』

天子『は、はい』スルッ

星刻『ぐはっ!!!』

天子『し、しんくぅー!!!』


ジェレミア「今ので魅力とセンスが上昇しました」

ルルーシュ「着替えだけでか?」

ジェレミア「どんなに些細なことでもステータスの変動に繋がりますので」

ルルーシュ「中々、シビアなルールだな」

スザク「どうだろう、ルルーシュ。理解してもらえたかい?」

ルルーシュ「要するに躾を行うようなものだろ?」

ジェレミア「流石はルルーシュ様。ご理解がお早い」

ルルーシュ「選んだ女を俺好みの妹に仕立てあげれば、エンディングとなるわけだな」

スザク「ああ。で、どうするんだい? やはり初心者はカレンがいいと思うんだけど」

ルルーシュ「1日、時間をくれ。こういうことはじっくり先を見据えて、戦略を練らなければならない」

ジェレミア「御意。では、結論は明日に」

つまり三次元エロゲ?

ルルーシュ「候補は3人か……。ルール上、途中でナナリーメーカーを替えることはできない」

ルルーシュ「となると……」

ルルーシュ「まず除外するのはC.C.だな。こいつは指示を出したところで恐らく言うことなど聞かない。性格も非行とあるしな」

ルルーシュ「残るは、カレンかアーニャになるわけだが……」

ルルーシュ(カレンはスザク曰く育てやすく初心者向き。性格が犬というから多分、犬のように従順なのだろうな)

ルルーシュ(アーニャも無垢と表記されている以上は、やはりそれなりに指示に従ってくれるのだろう)

ルルーシュ「だが、しかし……。カレンと同じ部屋は……精神衛生上よろしくない……」

ルルーシュ「アーニャは背格好からナナリーと重ねてしまう……」

ルルーシュ「いっそのこと神楽耶や咲世子がいれば迷うこともないんだがな」

ルルーシュ「――ええい!! 悩んでも選択肢が増えることはない!!!」

ルルーシュ「ここはスザクのオススメを選ぶのが上策のはず」

ルルーシュ「そうだな、カレンなら「着替えは俺の見えないところでやれ」とか言っていれば問題ないだろうし」

ルルーシュ「フフフハハハハハ。なんだ、余裕じゃないか!!」

ルルーシュ「いける……!! 必ず、俺好みの妹にしてやるぞ、カレン!!!」

ルルーシュ「フハハハハ!!!」

ただの新婚生活になる予感しかしない

翌日

ルルーシュ「ここが俺とカレン……いや、ナナリーメーカーの部屋となるのか」

ジェレミア「はい。そのとおりでございました」

スザク「良かったよ。ルルーシュがカレンを選んでくれて。これで心配しなくてすむ」

ルルーシュ「何の心配だ?」

スザク「いや。こっちの話だ」

ルルーシュ「それよりそろそろカレンが来るんだろ? スザクは自室に戻れ」

スザク「分かっている。それでは、ジェレミア卿」

ジェレミア「任せよ。この執事、ジェレミア・ゴッドバルトに」

ルルーシュ(遊戯の一種。そう思えば良い。この二人は俺のストレス負荷を和らげようとしてくれているんだ。感謝しておかないとな)

ジェレミア「それでは、ルルーシュ様。ナナリーメーカーをここへ召喚いたします」

ルルーシュ「頼む」

ジェレミア「いでよ!! 妹の器となるものよ!!」

カレン「……」

ルルーシュ「来たか。くくく……。たっぷりと可愛がってやるぞ……」

ジェレミア「では、ルルーシュ様。本日の指示をお願いしたします」

ルルーシュ「なに? まだいいんじゃないのか?」

ジェレミア「いえ。公平性を期すために指示は1日が始まるときにお願いします」

ルルーシュ「このレクリエーションに公平性まで求めるとは……」

ジェレミア「私、ジェレミア・ゴッドバルトは何事にも全力で、全力で!!! 取り組みます」

ルルーシュ「流石だ、忠義の男よ」

ジェレミア「勿体無きお言葉です」

ルルーシュ(1日の初めに指示を出すのか……。それも一つだけ……。難しいな……。まずはカレンのステータスを確認してみるか)

カレン「……」

ルルーシュ(知力が異様に低いのが気になるな。俺のナナリーが馬鹿では困る)

ルルーシュ「よしカレン。勉強を行え」

カレン「……」

ルルーシュ「返事はどうした?」

カレン「はいはい」

ジェレミア「ルルーシュ様、算数ドリルは各学年用を取り揃えております。好きなのをお選びください」

ドリルって小学生かよ

カレン「馬鹿にしてるの!?」

ジェレミア「待て、紅月カレン。いや、今はナナリー様か」

カレン「どっちでもいいけど」

ジェレミア「説明したはず。君は今、10歳~12歳の設定であると」

カレン「そういわれても」

ルルーシュ(こんなに成熟しているのに10歳とはな……。くくく……)

カレン「まぁ、いいか。はい、お兄ちゃん。ドリル貸してよ」

ルルーシュ「分かった。では高学年用の解いてもらおうか」

カレン「はい」

ルルーシュ「どうしても分からないところがあれば俺に訊いてくれても構わないからな」

カレン「……」

ジェレミア「では、ルルーシュ様。また明日」

ルルーシュ「ああ。ありがとう」

ジェレミア「いえ」

カレン「えーと……分数の割り算ってどうやるんだっけ……」

一期の頃は成績上位の常連だったのに…

ルルーシュ「……」

カレン「えーと……ああ、思い出した……こうだ……」カキカキ

ルルーシュ「やればできるじゃないか」

カレン「まあ、これぐらいはね」

ルルーシュ「……」

カレン「なによ?」

ルルーシュ「いや、そういえばナナリーにもこうやって教えていた時期があったと思ってな」

カレン「ふぅん」

ルルーシュ「いいか、カレン? お前もこの企画に参加した以上は、それなりに真剣にやってもらう!! お前の信条、プライドは捨てろ!!」

カレン「指示するなら明日にしてもらえる?」

ルルーシュ「……そうだったな」

カレン「今日はもうルルーシュの言うことを聞く必要はないから」

ルルーシュ「くっ……そうなるのか……!!」

カレン「はい。ドリル終わり。よーし、自由にさせてもらう」

ルルーシュ「何をするつもりだ!! カレン!! お前にはおしとやかに育って欲しいと思っている!!!」

カレン「筋トレするの」

ルルーシュ「馬鹿な!! それは恐らく、きっと、いや、絶対に魅力や知力を下げる行動だ!!! やめろ!!!」

カレン「いーちっ……にーぃっ……さーんっ……」グニッグニッ

ルルーシュ「やめろと言っているだろう!!! 狂ってしまう!!! お前をナナリーにするための完璧なプランが!!!」

カレン「しーらないっ」

ルルーシュ「くぅぅ……!!!」

カレン「ごーぉっ……ろーくっ……」

ルルーシュ「おのれ、スザァァク!!! どこが初心者向けだ!!! どこが育てやすいんだ!!! まるで俺の言うことなど聞かないぞ!!!」

ルルーシュ「俺のを裏切ったのか!!! スザァァァク!!!!」

カレン「……」

ルルーシュ「ダメだ……もう、俺の目指すナナリーには……なりえない……」

カレン「ねえ、お兄ちゃん?」

ルルーシュ「な、なんだ?」

カレン「ナナリーは機械みたいにルルーシュの指示に従ってくれていたの? ずっと昔から、ルルーシュの言うことを10割聞いてくれていたの?」

ルルーシュ「それは……」

しれっとスザクの名前叫ぶなwwww

ルルーシュ(確かに。幼少の頃のナナリーは、俺の言うことなどあまり聞かずに走り回っていることもあったな……)

カレン「妹は兄の奴隷じゃない。それは覚えておいてね」

ルルーシュ「……なるほどな。どうやら、俺が間違っていたようだ」

ルルーシュ「兄という立場を利用し、全てを縛り付けるなど愚の骨頂。いい妹に育つはずもない」

カレン「そうそう」

ルルーシュ「よし。プランの練り直しだな。見ていろ、カレン。俺色に染めてやるからな」

カレン「……う、うん」モジモジ

ルルーシュ「フフフハハハハハ」

ジェレミア「ルルーシュ様。公務のお時間です」

ルルーシュ「もうそんな時間か。――カレン。留守を頼むぞ」

カレン「はい」

ジェレミア「どうですか、ルルーシュ様? ナナリーメーカーの様子は」

ルルーシュ「悪くない。出鼻を挫かれる形にはなったが、まだまだ修正はできる。ここから俺の手腕を魅せるときだ」

ジェレミア「オール・ハイル・ルルーシュ!!」

ルルーシュ「カレンはナナリーに変わる!!! 変えられる!!!!」

ルルーシュ「ただいま、カレン」

カレン「おかえりー」

ルルーシュ「食事はもう済ませたのか?」

カレン「まだだけど」

ルルーシュ「そうか。何がいい? 作ってやるよ」

カレン「ハンバーグがいいかしら」

ルルーシュ「分かった。少し待っていろ」

カレン「はい」

ルルーシュ「でも、お前も料理ぐらいはしたらどうだ?」

カレン「お兄ちゃんがいるから、その必要もないと思うけど」

ルルーシュ「何を言っている。兄として妹の手料理も味わいたいんだよ」

カレン「ふーん……」

ルルーシュ「ひきにくは……あった。よし……」

カレン「……手伝ってもいいけど?」

ルルーシュ「いいよ。お前は筋トレでもしていろ」

カレン「――お風呂先に入ってもいい?」

ルルーシュ「どうぞ。レディーファーストだ」

カレン「覗いたら、弾けさせるから」

ルルーシュ「妹の入浴を観賞する趣味はない」

カレン「どーだが。前科あるくせに」

ルルーシュ「あれはお前からだろ」

カレン「ふんっ!」

ルルーシュ「全く……」

ジェレミア「――ルルーシュ様」

ルルーシュ「どうした?」

ジェレミア「本日の結果をご報告いたします」

ルルーシュ「ステータスの変動か。よし」

ジェレミア「こちらです」

ルルーシュ「ちぃ……。やはり知力が低下しているな……。だが気立ての数値が上がっている……。魅力も若干上昇か……」

ジェレミア「では、おやすみなさいました」

知力10からさらに低下ってどうすんだよ

数日後

ルルーシュ「ただい――」

カレン「あ。おかえり」

ルルーシュ「何をやっている?」

カレン「晩御飯作ってみたんだけど? 朝に指示したでしょ」

ルルーシュ「ああ、そうだった。しかし、あれだな、カレンがキッチンにいると……」

カレン「何よ。似合わないって言いたいの?」

ルルーシュ「いや。お嫁さんみたいだ」

カレン「なっ……」

ルルーシュ「きちんと俺の出した課題のほうもやっているな。偉いぞ」

カレン「それぐらい別になんともないから」

ルルーシュ「それより晩御飯はまだか? こっちは公務の疲れが溜まっているんだ」

カレン「ちょっと待って。味見してるところだから」

ルルーシュ「どうせ美味いんだろ。味見する必要はないんじゃないか?」

カレン「もう……黙ってて……」

ジェレミア「こちらが本日の結果です」

スタミナ 255
知力   25
気力   240
プライド 50
モラル  90
気品   70
気立て  130
センス  70
魅力   90
武勇   150
信頼度  255
性格   忠犬

ルルーシュ「この際、知力には目を瞑るか……」

ジェレミア「ルルーシュ様は随分と褒めて育てているようですが、これでいいのですか?」

ルルーシュ「まずはカレンを手懐けるところからだ。カレンはああいった性格だからな。褒めさえすればどうにでもなる」

ジェレミア「なるほど」

ルルーシュ「そして徐々にナナリーへと近づけていく」

ジェレミア「具体的には?」

ルルーシュ「とにかくナナリーは優しいからな。明日から花でも育てさせるか」

ジェレミア「流石、ルルーシュ様」

数日後

ルルーシュ「おはよう。カレン」

カレン「……おはよう」

ルルーシュ「今日の指示だが……」

カレン「……」

ルルーシュ「何を隠している?」

カレン「え? な、なんでもないから……」

ルルーシュ「目が泳いでいるぞ」

カレン「いいから、指示を出して!!」

ルルーシュ「秘密にしていることを話せ」

カレン「そ、それ卑怯なんだけど……」

ルルーシュ「答えろ。指示には絶対のはずだろ?」

カレン「……お花……枯れちゃいました……」

ルルーシュ「たった数日で……!? 何をしている!!! カレン!!!」

カレン「ご、ごめんなさい……あげる水の量を間違えちゃって……」

>>66の数値を見ると初期から比してプライドと武勇が下がったな

ルルーシュ「……はぁ」

カレン「わざとじゃない!」

ルルーシュ「花に謝ったのか?」

カレン「え?」

ルルーシュ「カレン。お前は一つの命を終わらせてしまったんだぞ? 分かっているのか?」

カレン「あ……」

ルルーシュ「謝るんだ」

カレン「……お花さん、ごめんなさい」

ルルーシュ「反省したか?」

カレン「した」

ルルーシュ「ならいいんだ」

カレン「ごめん、お兄ちゃんから貰った花だったのに」

ルルーシュ「気にするな。お前に動植物を愛でるだけの優しさがあればそれでいいんだ」

カレン「お兄ちゃん……」

ルルーシュ「そろそろ仕事に行ってくる。留守を頼むぞ」

数日後

スタミナ 250
知力   40
気力   250
プライド 40
モラル  120
気品   95
気立て  190
センス  95
魅力   100
武勇   100
信頼度  255
性格   駄犬

ジェレミア「ルルーシュ様。とうとう最後の週となりましたが、調教のほうはどうなっておられますか?」

ルルーシュ「概ね順調だな。カレンのナナリー化は7割完了していると言ってもいい。とはいえ、まだ3割はカレンのままだ」

ジェレミア「まさかあの紅月カレンが花と会話をするまでになるとは思いませんでした」

ルルーシュ「ふっ。ナナリーなら当然の行動だ」

ジェレミア「では、最後の仕上げとなりますね」

ルルーシュ「ああ。ところで、本当にエンディングを迎えたあとはカレンと共に生活してもいいのか?」

ジェレミア「勿論です」

ルルーシュ(複雑だな……。このまま一緒に居ても俺はカレンのことをナナリーとしては見れないのに……。カレンは俺のことを本当の兄と思っている節すらある……)

駄犬て

翌朝

カレン「起きて……ねえ……」ユサユサ

ルルーシュ「ん? 朝か……」

カレン「今日は早いって言ってたでしょ?」

ルルーシュ「そうか、悪いな」

カレン「ほら、お兄ちゃん。顔洗ってきて」

ルルーシュ「そうするよ」

カレン「……」

ルルーシュ「どうした、カレン。俺の顔に何かついているか?」

カレン「ううん……。別に」

ルルーシュ「変な奴だな」

カレン「なによ。せっかく起こしてあげたのに」

ルルーシュ「はいはい。気の強い妹は扱いに困るな」

カレン「早く用意しなさいよ!!」

ルルーシュ「はいはい」

数日後

ルルーシュ(そういえば、明日で終わりか。このレクリエーションも)

カレン「ふんふーん」

ルルーシュ(カレンも家事をするようになったし、言うことがないな。妹の手料理を味わえるなんて……夢のようだ……)

ルルーシュ「夢か……そうだな……。この一時は儚い幻想のような……」

カレン「おにーちゃん」ギュッ

ルルーシュ「おいおい、どうした急に甘えてきて」

カレン「あのね……お兄ちゃん……」

ルルーシュ「なんだ?」

カレン「ずっと……ずっと隠してきたことがあるんだけど……」

ルルーシュ「隠してきたこと?」

カレン「今日……それを言いたくて……」

ルルーシュ(なんだ……? 俺の知る限り、花を3度も枯らしたことを以外に秘匿にしていることなどカレンにはないはずだが……)

カレン「こんなこと……いけないことだって、わかっているけど……。どうしても今、言っておきたい」

ルルーシュ「あ、ああ……。何でも言ってくれ」

カレン「――私、紅月カレンは、お兄ちゃんのことを一人の男性として愛しています」

ルルーシュ「……」

カレン「お嫁にして」

ルルーシュ「……まて……何を急に……」

カレン「お兄ちゃん、好きです。結婚してください」

ルルーシュ「待て!! ナナリーはそんなこと言わない!!!」

カレン「でも……」

ルルーシュ「やめろ!! 仮に!! 仮にだ!!! ナナリーがそのようなことを思っていても!! 口になどしないはずだ!!!」

カレン「……」

ルルーシュ「お前はナナリーではない!!!」

カレン「そりゃそうだけど」

ジェレミア「――ルルーシュ様。落ち着いてください」

ルルーシュ「ジェレミア!! これはどういうことだ!!! 俺は完璧に!! カレンをナナリー化させたはずなのに!!!」

ジェレミア「ルルーシュ様。今は別室のほうへ移動いたしましょう」

カレン「……」

ルルーシュ「おかしい……!! 何故だ……!! どこで育成を失敗していた……!! 俺の戦略は一分の隙もなかったはずなのに……!!!」

スザク「ルルーシュ。カレンの最終ステータスを見てくれ」

ルルーシュ「なに?」

スタミナ 230
知力   60
気力   210
プライド 100
モラル  180
気品   115
気立て  210
センス  105
魅力   110
武勇   85
信頼度  255
性格   雌犬

ルルーシュ「これがどうした?」

スザク「君は勘違いをしている」

ルルーシュ「なに?」

スザク「結果はこの数値が全てだ。君がどうカレンに接し、教育したかは、はっきり言ってあまり問題じゃない。このステータスがナナリーと同等でなければ、誰もナナリー化しない」

スザク「そう。ナナリーエンドは絶対に訪れない」

ルルーシュ「ぐぅぅ……!! 馬鹿な……!!! そ、そんなルールが……!!! い、いや、確かにジェレミアは数値でエンディングが変化すると……。そういうことだったのか……」

もうお嫁さんでいいじゃん





すぐ未亡人になるのか

ジェレミア「ご苦労様でした」

カレン「あー疲れた。あんな感じでよかったんですか?」

ジェレミア「上々だ」

カレン「個人的にはもう少し……付き合ってもよかったけど……」

ジェレミア「それはルルーシュ様次第。このカレン雌犬エンドで満足するというのなら、それもまた良し」

カレン「その言い方どうにかなりませんか?」


スザク「どうする、ルルーシュ? このエンドを受け入れて、雌犬と化したカレンとゼロ・レクイエムまで共に過ごすかい?」

ルルーシュ「そんなわけにはいかない……」

スザク「だろうね。僕としても是非ともナナリー化した女の子と最後の日まで一緒に居てほしいところなんだ」

ルルーシュ「スザク……。やはり、お前は俺のことを思って……」

スザク「友達だろ? 僕たち」

ルルーシュ「ふっ。そうだな」

スザク「リセットするかい?」

ルルーシュ「そうだな。リセットするなら次はアーニャで始めたい。カレンは確かに親しみやすいが、ナナリー化は至難の業のようだ」

スザク「分かった。アーニャだね。すぐに準備するよ」

ルルーシュ(ナナリー化させるには、ナナリーの数値に近づけなければならないことはわかった)

ルルーシュ(となれば、初期値がナナリーに近いであろうアーニャを選択するのも、必然だ)

ジェレミア「出でよ!! 妹の器となるもの!!!」

アーニャ「よろしく」

ルルーシュ「来たか、アーニャ」

アーニャ「呼ばれたから」

ルルーシュ「これから1ヵ月、よろしくな。そして、お前を俺の妹にしてみせる」

アーニャ「キモイ」

ジェレミア「それではルルーシュ様、指示を出してもらえますか?」

ルルーシュ(そう。この初日の指示から布石を打っておかなくてはならなかった)

ルルーシュ「アーニャ。花を育てることを命じる」

アーニャ「わかった」

ルルーシュ(くくく……。見ていろ。アーニャのステータスをナナリーそのものに……ん? そういえば、ナナリーのステータスはどこで知ることができるんだ?)

ルルーシュ(いや。知る必要などない。俺はナナリーのステータスぐらい既に把握しているのだからな。ナナリーのスタミナは20、知力は200、気力は――)

アーニャ「育てる花、チューリップしかない……。なんでもいいけど」

翌日

ルルーシュ「朝か……」

アーニャ「……」

ルルーシュ「おはよう。アーニャ」

アーニャ「おはよう、ルルーシュ」

ルルーシュ「花への水は?」

アーニャ「もう終わった」

ルルーシュ「そうか。朝食は?」

アーニャ「パン、食べたけど」

ルルーシュ「そ、そうか……」

アーニャ「行ってきます」

ルルーシュ「まて!! どこに行くつもりだ!!」

アーニャ「ジェレミアのところ。ダメ?」

ルルーシュ「……ダメではないが」

アーニャ「ありがとう。行ってきます」



ルルーシュ「……」

アーニャ「ただいま」

ルルーシュ「おかえり」

アーニャ「おやすみ、ルルーシュ。ベッドに入ってきたら、ころす」

ルルーシュ「まて、アーニャ」

アーニャ「なに?」

ルルーシュ「今、何時だと思っている?」

アーニャ「2030時」

ルルーシュ「こんな遅くまで遊ぶなんて何を考えている?」

アーニャ「私の勝手。この遊びに付き合えばジェレミアが遊んでくれるって言ったから」

ルルーシュ「お前は俺の妹のはずだ」

アーニャ「……」

ルルーシュ「妹の素行を正すのも兄の務めだ」

アーニャ「ルルーシュ……」

数日後

ジェレミア「ルルーシュ様、大変です」

ルルーシュ「どうした?」

ジェレミア「まずはこちらをご覧ください」

スタミナ 10

知力   120
気力   10
プライド 200

モラル  70
気品   150
気立て  40
センス  85

魅力   160
武勇   50
信頼度  5
性格   非行

ルルーシュ「何故だ……。何故、ステータスの下落が止まらない……」

ジェレミア「それよりもアーニャがストレスで病気になってしまったようです」

ルルーシュ「病気だと!? 今朝は元気だったぞ!?」

ジェレミア「ルルーシュ様の指示がアーニャに大きな負担を与えていたのでしょう……」

ルルーシュ「な、何を言っている。俺はアーニャのことを思って……!! 常に……!!!」

もしかしてナナリーじゃなくマリアンヌ化すんじゃね

ジェレミア「ですが、こうして結果に出てしまっています」

ルルーシュ「とにかく、アーニャのところへ向かう!! 公務は明日に延期だ!!」

ジェレミア「イエス・ユアマジェスティ」

ルルーシュ「――アーニャ!!」

アーニャ「……」

ルルーシュ「アーニャ、大丈夫か?」

ジェレミア「……」

アーニャ「ジェレミア。いらっしゃい」

ジェレミア「うむ」

ルルーシュ「具合が悪いならどうして言ってくれなかったんだ!?」

アーニャ「ジェレミア、喉かわいた」

ジェレミア「水でも持ってこよう」

アーニャ「ありがとう」

ルルーシュ「答えてくれ!! アーニャ!!!」

アーニャ「……」

ルルーシュ「無視をするな!!」

アーニャ「……」

ルルーシュ「なんてことだ……!! 俺の妹が不良に……!!」

ルルーシュ(いや。これは当然の結果か……。アーニャのためだと思ってやってきたことは、ただの抑圧でしかなった)

ルルーシュ(俺はナナリーにこんな仕打ちをしていたか? 無論、した記憶はない!! ないじゃないか!!!)

ルルーシュ「アーニャ……すまなかった……。俺が悪かった」

アーニャ「……」

ルルーシュ「これからはアーニャの好きにするといい。好きなだけジェレミアと会えばいい」

アーニャ「……ホント?」

ルルーシュ「こうして病気になってしまうほうが困るからな」

アーニャ「ルルーシュ……」

ルルーシュ「アーニャ……」

アーニャ「私、いい子になる」

ルルーシュ「お前は初めからいい子だよ」ナデナデ

アーニャ「嬉しい」

数日後

スタミナ 60

知力   150
気力   60
プライド 250

モラル  30
気品   180
気立て  10
センス  90

魅力   190
武勇   40
信頼度  0
性格   不良

ルルーシュ「……」

スザク「ルルーシュ……」

ルルーシュ「俺は間違ってなどいないはずだ……」

スザク「なら、このまま続けてみればいい」

ルルーシュ「なに!?」

スザク「君が間違っていないというなら、続けるべきだ。そしてその結末を見届ける義務がある」

ルルーシュ「残り15日間、俺はアーニャの、妹の非行を看過し続けなればいけないというのか!! スザァク!!!」

スザク「それが君の選んだ道だから」

最終日

ルルーシュ「ただいま、アーニャ……」

アーニャ「おかえり。ルルーシュ、話があるんだけど」

ルルーシュ「なんだ?」

アーニャ「私、ここから出て行く」

ルルーシュ「な、なぜだ?」

アーニャ「ジェレミアのところに嫁ぐ。一緒にみかん農園することも約束したから」

ルルーシュ「何を勝手なことを言っている!!! 兄の許しなく、そんな話を進めるな!!!」

アーニャ「もう決めたから」

ルルーシュ「まて!!! アーニャァァ!!!!」

アーニャ「バイバイ」

ルルーシュ「まってくれぇぇぇぇ!!!! もう1度話し合おう!!! 話し合えば分かる!!!」

ジェレミア「ルルーシュ様」

ルルーシュ「お前が……!! お前が俺の妹を……!!!! ジェレミアァ……!!!」

ジェレミア「別室へ参りましょう」

ジェレミアから大人の余裕を感じる…

スタミナ 100

知力   200
気力   80
プライド 255

モラル  0
気品   200
気立て  0
センス  100

魅力   220
武勇   10
信頼度  0
性格   不良

アーニャ「ジャレミア」ギュゥゥ

ジェレミア「ルルーシュ様。この数値では、この結果は当然のものかと」

ルルーシュ「……」

スザク「これが妹NTRエンド……。バッドエンドだね」

ルルーシュ「どうやら、俺には無理なようだな……ナナリーエンドなんて……」

ジェレミア「ルルーシュ様、お気を確かに」

アーニャ「ジェレミア、遊んで」ギュゥゥ

ルルーシュ「今は……一人に……させてくれ……」

スザク「……」

所詮人は自分以外の誰かになんてなれないって事よ…

ルルーシュ「ふぅ……」

ルルーシュ(今回のレクレーションではっきりしたな……。どうやら俺がナナリーを育てたのでなく、ナナリーは望んであのように成長したんだ)

ルルーシュ(俺はきっとナナリーに対して窮屈な生活を強いてきたんだろう。カレンやアーニャのような結果にならなかっただけ、良かったと思う)

ルルーシュ「いや、違うな。ナナリーが強かったんだ。身も心も。だからこそ、歪まずに成長してくれたんだ……」

ルルーシュ「俺は……最低の兄だったんだな……」

ルルーシュ「すまない……ナナリー……」

ルルーシュ「できることなら……俺は……お前にきちんと謝りたい……。そして訊きたい……。今まで幸せだったのか、俺と一緒にいて良かったのか、と……」

ルルーシュ「……」

C.C.「おい」

ルルーシュ「なんだ?」

C.C.「このステータス表はもう捨ててもいいのか?」

ルルーシュ「ああ。いいんじゃないか?」

C.C.「……私は貴様の妹になどなりたくないが、こうして認められないのも腹が立つな」

ルルーシュ「何の話だ」

C.C.「坊や? 私では妹になれるはずがないとか、愚かなことを考えているんだろ? でもな、それは大きな間違いだ」

ルルーシュ「何を言っている?」

C.C.「言ってみろ」

ルルーシュ「は?」

C.C.「お前が考えるナナリーのステータスを言ってみろ。その通りにこのステータスを書き換え、そしてステータス通りに振舞ってやろう。特別だぞ」

ルルーシュ「もういい。やめろ」

C.C.「私が言えといってる。だから、言え」

ルルーシュ「こんな感じだ」

スタミナ 20
知力   200
気力   60
プライド 150
モラル  250
気品   100
気立て  120
センス  120
魅力   250
武勇   10
信頼度  255
性格   天使

C.C.「分かった。少し待っていろ」

ルルーシュ「あ、おい! 全く。何を考えているんだ、あの魔女は」

ルルーシュ「疲れたな……。もう寝るか……」

C.C.「にーにー?」

ルルーシュ「ぶっ!? な、なんだ!!?」

C.C.「みてみてっ。今日ね、にーにーのために料理つくってみたの、食べてみて」

ルルーシュ「断る」

C.C.「どうして……そんなこというのぉ?」

ルルーシュ「何が入っているか分からないからだ」

C.C.「ひ、ひどい……」

モラル  205↓
信頼度 215↓

ルルーシュ(ステータスが激減した!?)

C.C.「なら、もういい。勝手にしろ、そして餓死しろ、バーカ」

ルルーシュ「……」

ジェレミア「ルルーシュ様。よろしいですか?」

ルルーシュ「ジェレミア。これはどういうことだ?」

戦闘系以外超スペック過ぎるwww
さすがシスコン童帝

ジェレミア「イージーモードということらしいです」

ルルーシュ「イージーモード?」

ジェレミア「ルルーシュ様がナナリー様のステータスをお伝えしたと聞きました」

ルルーシュ「ああ。そうだな」

ジェレミア「今現在、C.C.のステータスはナナリー様と同格。つまり、このまま1ヵ月間、ステータスを維持し続ければ……」

ルルーシュ「ナナリー化するということか?」

ジェレミア「ルルーシュ様のプライドが許さないだろうとは伝えておいたのですが……」

ルルーシュ「……」

C.C.「ふんだ……にーにーなんて、きらーい」

ルルーシュ(あの魔女があそこまで捨て身になるとは……。何か思うところでもあるのだろう)

ルルーシュ(奴に借りを作ったまま死ぬのも癪だな)

ルルーシュ「ふっ。いいだろう。ナナリーメーカーをイージーモードで最初からだ」

ジェレミア「よろしいのですか?」

ルルーシュ「俺も見てみたいからな。ナナリーエンドを」

ジェレミア「かしこまりました」

C.C.だけにピザが攻略のカギを握る気がする

ルルーシュ「C.C.。さっきはすまなかったな」

C.C.「にーにーとは口きかないっ」

ルルーシュ「それは参ったな。折角、ピザをとってやろうと思ったのに」

C.C.「……」

ルルーシュ「口をきいてもらえないんじゃ、お前にどのピザがいいのか訊くこともできないし、ちゅうもんは できないな」

C.C.「ミックスピザぁー!!」

ルルーシュ「口、きかないんじゃなかったのか?」

C.C.「そんなのうそ! にーにーこと大好きだもん!」

ルルーシュ「そうかそうか。なら、もうこんなことするなよ?」

C.C.「はぁーい。ごめんなさぁーい」

モラル 210↑

ルルーシュ(よし。上がったみたいだな)

C.C.「ピーザっ、ピーザっ」

ルルーシュ「はいはい」

C.C.(これを一ヶ月か……。何故、こんなキャラにしてしまった……。私の愚かしさが憎い……)

ルルーシュ「ほら、ピザだぞ」

C.C.「ぅわぁーい。ピザだぁー!」キャッキャッ

ルルーシュ「たくさんあるからゆっくり食べろ」

C.C.「にーにーはぁ?」

ルルーシュ「勿論食べるさ」

C.C.「はい、あーん」

ルルーシュ「やめろって」

C.C.「むぅ」

信頼度  210↓
魅力   255↑

ルルーシュ(こんなことで変動されては困るな……。ステータスの維持など困難ではないか)

C.C.「にーにー、あーん!」

ルルーシュ「あ、あーん」

C.C.「おいしい? ねえ、おいしい?」

ルルーシュ「ああ。美味しいよ」

C.C.「えへへっ」

ルルーシュ(いや。まてよ……。今、魅力が上がったな。つまり、この状況を作れば簡単に魅力値は上げられることになる)

ルルーシュ(そして、知力値も勉強させればいいだけで、とても分かりやすい)

ルルーシュ(このステータスを維持するための方法で、もっとも簡単で確実なものは……星刻が行っていたことを真似ればいいだけだ……)

ルルーシュ(よし!! これなら完璧だ!!! もう俺を止められるものは存在しない!!!)

ルルーシュ(フフフハハハハハハハ!!!!! 勝った!!!! 俺の完全勝利は約束された!!!!)

C.C.「どうしたのぉー?」

ルルーシュ「……」

C.C.「にーにー?」

ルルーシュ「……」

C.C.「や、やだ……あまりみないで……はずかしい……」モジモジ

ルルーシュ「……」

C.C.「みないでったらぁ」

ルルーシュ「……」

C.C.「いい加減にしろ、坊や」

ルルーシュ「……」

ルルーシュ(そう。何も指示を出さず、ただじっとC.C.を見続ければいい。そうすればステータスは殆ど変動せず、維持できる)

ルルーシュ(まさか星刻の戦術が役に立つとはな)

C.C.「どこをみている?」

ルルーシュ「……」

C.C.「おい。何とか言え」

ルルーシュ「これから1ヵ月、殆どの時間をお前を見るためだけに使う」

C.C.「なに……?」

ルルーシュ「それが分かったとき、お前はナナリーと化す」

C.C.「今でもナナリーのつもりだがな」

ルルーシュ「安心しろ。俺が更にナナリーに近づけてやる」

C.C.「それは喜んでいいのかな、にーにー?」

ルルーシュ「自由にしてくれて構わない。俺はそんなお前を見続けるだけだからな」

C.C.「迷惑だといったら?」

ルルーシュ「同じ部屋にいるんだ。常に視界に入り込んでいても問題はないはずだが?」

C.C.「にーにー、嫌い」

>>119
ルルーシュ「それが分かったとき、お前はナナリーと化す」

ルルーシュ「それが終わったとき、お前はナナリーと化す」

数日後

ルルーシュ「ただいま」

C.C.「んー」

ルルーシュ「ふぅ……」

ルルーシュ(さてと、今日もC.C.を眺めるだけの夜がやってきたな……)

C.C.「ん? チーズくんが少し臭うな……。洗濯するか」

ルルーシュ(こうして眺めている分には外見通りの少女にしか見えないんだがな……)

C.C.「でも、洗濯するたびに小さくなっていくのが厄介だな。さて、どうしたものか」

ルルーシュ(小首を傾げる仕草も、愛らしいといえば愛らしい)

ルルーシュ(星刻もこのようなことを考えながら、天子様のことを観察していたのだろうな)

C.C.「にーにー。これ、洗濯しておいてほしいな」

ルルーシュ「……」

C.C.「わかった。自分でする」

気立て 125↑

ルルーシュ(こういうことでも上がってしまうのか。上がり過ぎないようにしなくてはな)

数日後

ルルーシュ「ただいま」

C.C.「すぅ……すぅ……」

ルルーシュ「寝ているのか。眺めるには丁度いい」

C.C.「うぅん……」

ルルーシュ「……」

ルルーシュ(おかしい……。ありえない……。しかし……)

C.C.「すぅ……ぴざぁ……すぅ……」

ルルーシュ(こいつを見ているだけで日頃の疲れが取れていくような気がしてくる……)

ルルーシュ(何故だ……)

C.C.「すぅ……すぅ……」

ルルーシュ「どうしてだ……。俺の疲れを取ってくれるのはナナリーの笑顔だけだったはずなのに……」

スザク「ルルーシュ」

ルルーシュ「スザク……!」

スザク「それはC.C.がナナリー化しているからじゃないか?」

ルルーシュ「いや。それは比喩だろう? C.C.はどう角度を変えてもナナリーには見えない」

スザク「違うよ。君の中でC.C.とナナリーが同等のものになり始めているということだ」

ルルーシュ「な……!?」

ルルーシュ(俺の中でナナリーと同格の存在に……!? この魔女が!?)

C.C.「うぅーん……ぴざぁ……」

ルルーシュ(認めたくはない……ないが……!!)

スザク「残すところは10日余り。それだけの時間があれば、きっとルルーシュの中でC.C.とナナリーは同化することになる」

ルルーシュ「同化? 同化だと!?」

スザク「そうだ。もうルルーシュはC.C.がナナリーにしか見えなくなるよ」

ルルーシュ「そんなこと……」

スザク「ありえないと思うのはいい。けれど、そうなったとき一番困惑するのは、ルルーシュだろう」

ルルーシュ「もしC.C.がナナリーにしか見えなくなったそのときが……」

スザク「ああ。ナナリーエンドだ」

ルルーシュ「く、くくく……。非現実だな。起こるわけがない。そんなこと!!」

スザク「けれど、起こる。間違いなく」

ルルーシュ(俺は確かにC.C.を眺めて癒されている……)

ルルーシュ(もし、万が一……この状況で、この精神状態で、C.C.のことがナナリーに見えてしまう事態になれば……)

ルルーシュ(確実に俺の心はC.C.に奪われる……!!!)

ルルーシュ「それだけは絶対にあってはならない!!!」

スザク「ルルーシュ……」

ルルーシュ「C.C.がナナリーに見えて誰が得をする!? 百害あって一利もない!!!」

スザク「ルルーシュ。言ったはずだ。僕はナナリー化した女の子と最後まで一緒にいてほしいと」

ルルーシュ「しかし!! 許されることではない!! 世間は許そうが、俺だけは許せるわけがないだろうが!! そんなことを!!!」

スザク「何故だ!! ナナリーで癒されるならそれでいいじゃないか!!」

ルルーシュ「それとこれとは話が別だ!!! この魔女をナナリーだと錯覚していいわけがないんだよ!!! スザァク!!!」

スザク「君の立場ではナナリーに会えない!! この方法以外に会うことはできないんだぞ!!」

ルルーシュ「関係ない!! これは俺の意思だ!!!」

スザク「わかった……。そこまで言うのならもう何も言わないよ……」

ルルーシュ「すまないな……。俺にも譲れないものはある」

スザク「それは僕も同じだ。僕はルルーシュを癒してあげたい。それだけなんだ」

数日後

ルルーシュ(スザクの馬鹿な発言の所為で警戒してみたものの、やはりC.C.をナナリーと見間違うことはなかった)

ルルーシュ(そうだ。そんなことあるわけがない。C.C.で癒され始めたからって、見間違うわけがないんだ)

ルルーシュ「ただい――」

ナナリー「あ、お兄様」

ルルーシュ「……!!!!」

ナナリー「おかえりなさい」

ルルーシュ「……」ゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシ

ナナリー「あの、そんなに目を擦るのはやめたほうが……」

ルルーシュ「ナナリー……?」

ナナリー「お兄様」

ルルーシュ(この部屋にはC.C.しかいないはずだ……! ナナリーが牢から出てくることは不可能だ! そもそもここまで一人で来ることもできない……!!)

ルルーシュ(誰かが連れて来た? いや、そんなことをする馬鹿者は俺の周りにはいない……!! なにより、ナナリーを連れて来るメリットもない……!!)

ルルーシュ(考えられる可能性は……目の前にいるナナリーはC.C.であるということ……!!!)

ナナリー「お兄様。おかけになってください。話したいことがあるんです」

停まってたか
これはC.C.と思ってぞんざいに扱ってやらかすパターン

てす

ナナリー「ずっと心に引っ掛かっていることがありました。ダモクレスでの一件のことです」

ルルーシュ(どこからどうみてもナナリーにしか見えない……。ナナリーメーカーなどただの児戯だと思っていたのに)

ナナリー「あのとき、お兄様に悪魔と叫んでしまった。それがどうしても気になってしまって。牢の中でも眠れない日が続いていました」

ルルーシュ(だが、まてよ。目の前にいうのがC.C.なのだとしたら、ナナリーに対して言えなかったことやできなかったことが実行可能になったということだ)

ルルーシュ(C.C.と俺は赤の他人!!! 男と女なのだからな!!!)

ルルーシュ(だが、本人の意思確認もしておかないとな。後々、問題になれば面倒ではあるし、ナナリーにしか見えないC.C.が元に戻ることもあり得る)

ナナリー「よくよく考えれば、お兄様にも考えがあって……」

ルルーシュ「お前は俺のことをどう思っている?」

ナナリー「え?」

ルルーシュ「長い間一緒に居たんだ。悪意や負の感情があるとは思えないが……」

ナナリー「それは……」

ルルーシュ「お前に対しては酷いことも言ってきた。時には感情的になり、言葉の暴力をぶつけたこともあった。そんな俺にお前は好意を持っているのか?」

ナナリー「……」

ルルーシュ「どうなんだ?」

ナナリー「お兄様は、どうなのですか? 私のことは……その……まだ好きですか? 悪魔と罵ってしまった私のことを」

戻ってきたか

ルルーシュ「正直なところ、よく分からない」

ナナリー「そ、そうですか……」

ルルーシュ「しかし、今こうしてお前を見つめているだけで、俺の中にある泥や血が洗い流れていくようだ」

ナナリー「お兄様」

ルルーシュ「勿論、匂いやこびり付いた汚れまでは取れることはない。でも、それでも、お前が傍にいるだけで穏やかになれる」

ルルーシュ「お前と一緒にいるこのときだけ、俺は人間に戻ることができる気がする」

ナナリー「それって……」

ルルーシュ「さあ、次はお前の番だ。お前は俺のことをどう思ってい――」

ナナリー「お兄様っ!!」ギュッ

ルルーシュ「なぁ……」

ナナリー「私も愛しています!」

ルルーシュ「言ったな?」

ナナリー「はい。言いました」

ルルーシュ「もう後戻りはできないぞ? 俺はお前を使い、できなかったことをさせてもらう……。フフフ……フフハハハハハ!!!!」

ナナリー「な、なにをされるおつもりですか?」

アカン






アカン

ジェレミア「ナナリー様とご面会させるのか!?」

スザク「ルルーシュの精神状態はもう限界です。ナナリーメーカーだけではとても誤魔化せないほどに」

ジェレミア「しかし」

スザク「ゼロ・レクイエムを前にして、弱る男を見たくないんです」

ジェレミア「そのために荒療治か」

スザク「はい」

ジェレミア「危険な試みと言わざるを得ないが……。致し方なし」

C.C.「ここに居たのか」

スザク「C.C.。ナナリーは連れて来てくれたか?」

C.C.「ああ。言われたとおりにしておいた」

ジェレミア「ルルーシュ様が困惑されていなければ良いのだが」

C.C.「結局、この愚策を選ぶとはな。私やカレンのやったことが無意味だろ」

スザク「そんなことはないよ。あれはあれでルルーシュも楽しんでいたしね」

C.C.「本当か?」

ジェレミア「やはり私はルルーシュ様の様子を確認しておく。なぜか胸騒ぎがする」

ナナリー「こ、これでいいのですか……?」モジモジ

ルルーシュ「よく似合っているぞ。くくく……。囚人に下着などいらないだろう?」

ナナリー「スースーします……」

ルルーシュ「ナナリーの写真を見たときから、常に抱いていた違和感はやはりこれだったな。何故、下着なんて身に付けるのか」

ルルーシュ「死刑囚は布一枚で十分だ。フフハハハハ」

ナナリー「うぅ……」

ルルーシュ「おっと。あまりやりすぎるとステータスが下降してしまうな。自重しよう」

ナナリー「ステータス?」

ルルーシュ「ここまで悪辣な行動は初めてだからどうなるか心配だったが、変動がないところから察するにお前もこうされることを望んでいたようだな」

ナナリー「そ、そんなことありませんっ! お兄様の前で……こんな姿に……なるなんて……望んでなんて……」

ルルーシュ「どの口が言う? 言われるがままに下着を脱ぎ捨てておいて」

ナナリー「くっ……」

ルルーシュ「見ろ。信頼度やモラルが下がらない。お前だって嫌いではないということだろう?」

ナナリー「ち、ちがいます!」

ルルーシュ「ふんっ。痴女が。俺としては好都合だけどな。フハハハハ!!!!」

現実とゲームの区別が付かなくなるとこうなるのか…

ナナリー「こんな……折角、私はお兄様のことを……なのに……こんな仕打ちをうけるなんて……」

ルルーシュ「さてと。あとはいつも通りに観賞することにしよう。最終日とはいえジェレミアが来るまでは終わりではないからな」

ナナリー「な、なにを……」

ルルーシュ「右からのアングルがいいな」

ナナリー「や、やめてください」

ルルーシュ「何を今更恥じることがある。お前はいつも俺の前では平気な顔をして服を脱いでいただろうが」

ナナリー「い、いつの話をしているのですか!? それにそれはお兄様が着替えを手伝ってくれるからで……」

ルルーシュ「ほう……左から見るのも……フフハハハハ……。いいぞ!! これは凄い!! どこをどうみてもナナリーでしかない!!!」

ナナリー「いや……みないでください……」

ルルーシュ「いいや!! 見る!! 俺がどれだけ自分を抑制、抑圧してきたか!!! お前に分かるのか!!!」

ナナリー「ど、どういうことですか……?」

ルルーシュ「全てを投げ出し、全てを忘れ、ナナリーと一緒に眠りたいときもあった。入浴したいときもあった」

ナナリー「な、な……!」

ルルーシュ「俺も馬鹿じゃない。そんなことを年頃のナナリーに行えば嫌われることなど目に見えている。故にしなかった、できなかった。別のことで気を紛らわせていた」

ナナリー「お兄様……そんなことを……!!」

これで想定以上にナナリーから怒りや憎しみを買う事になったな

ルルーシュ「しかし、俺はそんなことをする必要はなくなった。お前がここにいるからか」グイッ

ナナリー「うっ……」

ルルーシュ「匂いや肌の触り心地まで全てナナリーと似ている。いや、同一といってもいい。C.C.も体質の影響か、かなり肌に艶と張りがあったが……」

ナナリー「やめてくださいっ」

ルルーシュ「本当に嫌なら逃げ出せばいい。だが、お前はそこから動こうともしない。つまりは悦んでいるんだろう?」

ナナリー「お兄様……」

ルルーシュ「背筋を曲げると見えてしまうぞ?」

ナナリー「あっ……」バッ

ルルーシュ「いいぞ!! ナナリーらしい恥じらいだ!!!」

ナナリー「お、お兄様は……やはり……悪魔です……」

ルルーシュ「お前は魔女で痴女だけどな」

ナナリー「うっ……ぐすっ……ひどい……ひどすぎます……うぅ……」

ルルーシュ「泣く演技も秀逸だな。嗜虐欲を掻き立てるのが美味いな」

ルルーシュ(そういえば、C.C.は奴隷を経験していたな。なるほど。この演技は体に染み付いたものということか)

ナナリー「ぐすっ……うぅ……おにいさま……うぅ……」

ジェレミア「ルルーシュ様、失礼いたしま――」

ルルーシュ「次は下から……」

ナナリー「いやぁー」

ジェレミア「ルルーシュ様!!!」

ルルーシュ「なんだジェレミア。邪魔をするな」

ジェレミア「な、なにをされているのですか!?」

ルルーシュ「これがナナリーエンドなのだろう?」

ジェレミア「なにを……」

ルルーシュ「ジェレミアにはC.C.がいるようにしか見えないだろうが、俺にはナナリーがここにいるとしか思えない」

ジェレミア「……」

ルルーシュ「感謝する。ナナリーメーカーはここに完成した」

ルルーシュ「俺はC.C.をナナリー化させることができた」

ジェレミア「ルルーシュ様。お見せしたいものが」

ルルーシュ「なんだ?」

ジェレミア「ジェレミア・チェェック」キュィィン

スタミナ 5
知力   180
気力   10
プライド  200
モラル  255
気品   140
気立て  100
センス  90
魅力   110
武勇   5
信頼度  5
性格   痴妹

ルルーシュ「なんだこれは?」

ジェレミア「ナナリー様の現在のステータスです」

ルルーシュ「おいおい。何を言っている? 何故、信頼度がない? 多少の増減はあったが、200以上をキープしていた。それに性格も天使のはず」

ジェレミア「それはC.C.のステータスでしょう」

ルルーシュ「だから、これはC.C.のステータスだろ?」

ジェレミア「いえ。これはナナリー様のものです」

ルルーシュ「ジェレミア。何を言っている? ここにはC.C.と俺たちしかいないんだぞ?」

C.C.「呼んだか?」

ルルーシュ「な……!?」

ナナリー「うっ……ぐすっ……」

ルルーシュ「なぜだ……? はは、C.C.メーカーを発注した覚えはないが……?」

C.C.「坊や、何をやらした?」

ジェレミア「ルルーシュ様。ここにおられるのは、正真正銘ナナリー様です」

ルルーシュ「信じない」

ジェレミア「ですが……!!」

ルルーシュ「ここにいるのはC.C.だ!!! 誰がなんと言おうとも!!! C.C.だ!!!!」

C.C.「にーにー、C.C.はこっちだ」

ルルーシュ「お前はC.C.だな!!」

ナナリー「え?」

ルルーシュ「そうだと言え!!!」

ナナリー「私がC.C.さんに見えますか?」

ルルーシュ「がっ……ぁ……!!!」

ナナリー「こんな裸同然の姿にしてまで、お兄様には私がC.C.さんに見えるのですかっ!?」

ルルーシュ「う……うわぁぁぁぁぁ!!!!!」

オワタwww

スザク「あ。いいことを思いついた。ルルーシュがあれだけのめり込めるということは、きっと他の人も楽しめる。ビデオゲームにしてみれば良いかもしれない」

スザク「ナナリーメーカーの他にアーニャーメーカーとかどうだろう」

ルルーシュ「スザァァァク!!!!」

スザク「ルルーシュ? どうした?」

ルルーシュ「C.C.からきいたぞ!!! 貴様がナナリーを……ナナリーをぉぉ……!!!」

スザク「会いたかったんだろ?」

ルルーシュ「何故お前は、いつもいつも、俺の障害となるんだ!!!」

スザク「何かあったのか?」

ルルーシュ「何かあったどころではない!! 俺は……俺は……ナナリーにとんでもないことを……」

スザク「そうか……」

ルルーシュ「……もういい。ゼロ・レクイエムを始めるぞ。今すぐに。この世に未練はない」

スザク「何を言っているんだ!! ルルーシュ!!! そんな気持ちで死ぬなんて俺が許さない!!」

ルルーシュ「ならば、どうすればいい!? 何か策でもあるのか!? 俺がナナリーから信頼を取り戻せる策が!!!」

スザク「君は三度も経験したはずだ。もう上級者だろ? どうしてそんなに弱気なんだ?」

ルルーシュ「どういうことだ……? まさか……スザク……!!」

収容所

ナナリー「はぁ……。私のステータス……。どうして魅力値と信頼値が低いのでしょうか……」

ルルーシュ「入るぞ」

ナナリー「お、お兄様!?」

ルルーシュ「今日から30日で、お前を理想の妹に仕上げる」

ナナリー「な、なにをいっているのですか……?」

ルルーシュ「黙れ。これが最初の指示だ」

ナナリー「お兄様……」

カレン「ちょっと!! ルルーシュ!! 何を考えてるの!? 私でもう一度ナナリーメーカーするんじゃないの!?」

アーニャ「ルルーシュ……」

ルルーシュ「外野は黙っていろ!!」

藤堂「ふむ」

千葉「……」

ルルーシュ「全てを憂いを排除し、俺は俺のなすべきことをするだけだ」

ナナリー「お兄様……」

めっちゃつまらない考えだと
ナナリーにギアスキャンセラー→「我が理想の妹となれ!!」で終わりな気もする

ルルーシュ「そうそう。まずはプレゼントを渡しておこう。お前の信頼度が異常に低いからな」

ナナリー「は、はぁ」

カレン「私、もらったことないけど」

アーニャ「私も」

ルルーシュ「ほら、これだ」

ナナリー「これは……!!」

ルルーシュ「ダモクレスの鍵だ」

ナナリー「リボンまで……。いいのですか?」

ルルーシュ「当然だろ? 今日から始まる共同生活だ。これぐらい礼儀だ」

ナナリー「お兄様……」カチカチ

信頼度 85↑

ルルーシュ(流石はプレゼント。効果は抜群だな)

ナナリー「ふふっ」カチカチカチ

ルルーシュ「それとお前にぴったりな服も用意した。きてくれるか?」

ナナリー「服ですか? は、はい」

ミノフスキー粒子で何とかすりゃいいじゃん
サンライズだろ

五つほど都市が消し飛びました

支援

>>178
刹那「了解、トランザムバーストを使う!!」

カレン「はい、着せたよ」

ナナリー「どうでしょうか?」

ルルーシュ「ああ。似合う」

信頼度 90↑
魅力  100↓

ルルーシュ(おや。魅力が下がったな。おかしな話だ)

ナナリー「お兄様、どうして急にお優しく……」

ルルーシュ「いや、なに幾ら死刑囚にとはいえ、俺はやってはならないことをしてしまい、結果ナナリーのステータスを大きく落とすことになった」

ルルーシュ「完璧主義の俺としてはそれが許せなかった」

ナナリー「つまり、私からの信頼を取り戻したいと?」

ルルーシュ「勘違いするなよ。ナナリー本人の信頼など犬のエサにしかならない」

カレン「犬?」ピクッ

ルルーシュ「俺が欲しいのはナナリーメーカーの信頼だけだ」

ナナリー「……」

ルルーシュ「さてと。仕事に行って来るか。また夜にくるからな」



ルルーシュ「ただいま」

ナナリー「おかえりなさい」

ルルーシュ「ご飯は食べたのか?」

ナナリー「冷めた食事を頂きました」

ルルーシュ「なんてものを食べているんだ? 全く。待っていろ。俺がすぐに用意するから」

ナナリー「いえ、そんな」

ルルーシュ「気にするなって」

ナナリー「はい……」カチカチカチ

カレン「私には?」

アーニャ「お腹すいた」

ルルーシュ「お前たちは今回ナナリーメーカーではないだろうが。喋るな」

カレン「信頼度 40↓」

ルルーシュ「ナナリー、なにがいい?」

ナナリー「なんでも構いませんが」カチカチ

また押してるよ…

まともなナナリーなんかいないんだね…

>>193
親兄弟もマトモじゃない人達ばっかりだし仕方ないさ

もしや寝落ちか?

>>1
もしやさるか水遁でも喰らった?

ルルーシュ「それじゃあ、また明日に来る」

ナナリー「はい」

カレン「ナナリー、大丈夫?」

ナナリー「はい。でも、あの、まだ状況が飲み込めないのですが」

アーニャ「ナナリーメーカーって言ってたけど」

カレン「女の子をナナリーにする遊びだって説明を受けたわ」

ナナリー「どうしてそのようなことを……」

アーニャ「ルルーシュがナナリーと遊びたいとか」

ナナリー「そこまでして、ですか」

カレン「辛かったら代わってあげる」

ナナリー「ルールはあるのですか?」

アーニャ「1日の初めにルルーシュが指示を出してくる。それは絶対に守ること。あとは好き勝手に行動してもいい。ジェレミアが独断と偏見でステータスを弄るらしいから」

ナナリー「指示を絶対に守る? それはお兄様のギアスでは……」

カレン「あー。そういう意図があったのかも」

ナナリー「お兄様はまた私にギアスを使うのですか……」

スザク「藤堂さん。このゲームデザインでどうでしょうか」

藤堂「ふむ……」

スザク「これならナナリーメーカーのほかにもアーニャメーカー、C.C.メーカー、天子メーカーも」

藤堂「コーネリアメーカーや千葉メーカーもできそうだな」

スザク「そちらの需要はあるでしょうか」



C.C.「楽しそうだな」

ルルーシュ「……」

C.C.「ナナリーと戯れることができて嬉しいだろぉ?」

ルルーシュ「ふん。俺はナナリーメーカーで遊んでいるだけだ」

C.C.「あと数十日後に死ぬ奴の行動とは思えないな」

ルルーシュ「スザクとジェレミアの気持ちを無駄にしたくないだけだ」

C.C.「屁理屈に詭弁。お前らしい」

ルルーシュ「黙れ、魔女」

C.C.「そもそも私のエンディングはどうなったんだ? まだ途中だっただろう」

スザク普通に藤堂達と話してるけどいいのかwww

翌日

ジェレミア「紅月、アーニャ。こちらへ」

カレン「なんですか?」

アーニャ「……」テテテッ

ジェレミア「今から音声の録音を始める」

カレン「録音?」

アーニャ「なんで?」


ルルーシュ「おはよう」

ナナリー「……」

ルルーシュ「では、今日の指示を出す」

ナナリー「指示? 絶対に守らなければならない指示は、指示ではありません。権力者の命令です」

ルルーシュ「それがなんだ?」

ナナリー「それは……ギアスと同義ではありませんか、お兄様。またお兄様は私にギアスを使うつもりですか?」カチカチ

ルルーシュ「ナナリー……」

説教はともかく引鉄引いたらあかんて

藤堂「ここに台本がある。この通りに読んでもらいたい」

カレン「えーと……。お兄ちゃん、なにしてるの? 起きてったら。……これなんですか?」

アーニャ「兄さん。私は、兄さんの奴隷じゃない。やめて」

ジェレミア「アーニャ。もっと嫌がっていないと臨場感がでない」

アーニャ「どうして?」

スザク「実の兄に襲われているところだからだよ」


ナナリー「お兄様は結局、このような方法でしか人を従わせることができないのですね。実の妹すらも」

ルルーシュ「……」

ナナリー「やはりお兄様は卑怯で、ずるくて……」

ルルーシュ「では、今日の指示だ。俺にマッサージを行え。俺が満足するまで休むことも許さない」

ナナリー「……嫌です」

ルルーシュ「指示には絶対だ」

ナナリー「私はナナリーメーカーなるものに参加した覚えはありません」

ルルーシュ「お前に拒否権があるとでも思っているのか?」

ナナリー「指示には従いません」

ジェレミア「む。ようこそ、いらっしゃいました」

コーネリア「何の用だ。痴れ者ども」

ジェレミア「こちらの台詞を読んでいただきたいのです」

コーネリア「――起きたか? 早く顔を洗ってこい、兄上。え? いいじゃないか、年上の妹がキッチンにいても」

カレン「妹なのに年上なんですか?」

アーニャ「複雑な家庭環境」

藤堂「血の繋がった年上の妹。設定はいいのだが、どのように生まれたことにするか」

スザク「主人公が未来に飛ばされたというのは?」


ルルーシュ「だが、お前は俺と共に過ごしているとき、ずっと従順だった」

ナナリー「そうしないと生きていけませんでしたから」

ルルーシュ「なるほど。もう俺に従わなくても生きていける。故に従わない。そういうことか」

ナナリー「はい」

ルルーシュ「やはり……か……」

ナナリー「お兄様……?」

ルルーシュ「ナナリー? 俺はお前を縛りすぎていたようだな……」

ルルーシュ「カレンやアーニャとの生活を通じ、見えてきたことがあった。俺の教育方針では歪んだ妹しか育たない、ということがな」

ルルーシュ「カレンは兄に恋をするような性格になり、アーニャは兄に反発するだけの妹だった」

ナナリー「お兄様……」

ルルーシュ「だというのに、お前は……ナナリーはこんなにも立派に育った……。それはナナリーが生まれたときから強かったのだろう」

ルルーシュ「生きるためとはいえ抑圧され、束縛されても慈しみを抱き続け、感謝を込めた笑顔を向ける。それを10年近くも……」

ルルーシュ「並大抵の精神力ではない。ナナリーにしかできないことだ」

ナナリー「そんなことは……」

ルルーシュ「すまなかった。俺は、お前にとって、いや、世間一般からでも不出来な最低の兄だった」

ナナリー「……」

ルルーシュ「そんな俺と居て、お前は幸せだったのか?」

ナナリー「お兄様は今、私に訊ねているのですか。それとも、ナナリーメーカーに……?」

ルルーシュ「当然、ナナリーメーカーのほうだ。ナナリーの意見などどうでもいいからな」


コーネリア「やめろ!! 腹違いとはいえ実の妹だぞ!! よせ! スケベっ!」

藤堂「腹違いでも年上である説明にはならないか」

ジェレミア「実は年下だったということにするしかない」

コーネリア完全にエロゲーになってんじゃないですか

ナナリー「なら、まだその問いには答えられません」

ルルーシュ「……」

ナナリー「昨日から始めたばかりですから」

ルルーシュ「それもそうか」

ナナリー「はい。そうだ。そんなに気になるのでしたら、ステータスに項目を一つ加えてみてはどうですか?」

ルルーシュ「なに?」

ナナリー「既存のステータスはジェレミアさんが独自につけているようですが、新しい項目は私が決めます」

ルルーシュ「……好きにしろ」

ナナリー「はい」


カレン「お兄ちゃん! 勝手にお風呂にはいってこないで!! この! 弾けろぉ!!」

スザク「BGMはジェレミア卿が制作するとして、SEはどうするんですか?」

藤堂「ばきぃ」

スザク「すごい」

アーニャ「兄さん、私の下着がなくなったけど、知らない?」

ジェレミア「いい作品の予感しかないな」

数日後

ナナリー「……」カチカチ

ルルーシュ「ナナリー、暇そうだな」

ナナリー「いえ。お兄様から頂いたダモクレスの鍵のレプリカは何故かずっと押していたくなる、丁度良いスイッチの硬さなんです」カチカチ

ルルーシュ「気に入ってくれたならそれでいい」ナデナデ

ナナリー「お兄様」スリスリ

ルルーシュ「何だ。甘えん坊だな」

ナナリー「お兄様がそのように育てたんですよ?」

ルルーシュ「そうだったか? きちんと自立した女に育てたつもりだったんだがな」

ナナリー「ふふ、ではお兄様の見通しが甘かったということですね」

ルルーシュ「やれやれ」


コーネリア「兄上? 私は兄上のために両手を血に染めた。私は兄上の幸せのために世界と戦ったのに……。どうして怯えている?」

藤堂「カレンメーカーのほうはどうなっている?」

ジェレミア「予定通りである」

カレン「おにいちゃん……私、可愛いくない?」

これもうゼロレクイエムしなくていいんじゃないかな

別の日

ルルーシュ「たまには散歩に行くか」

ナナリー「いいですね。でも、私は……」

ルルーシュ「俺に任せろ、ナナリー。こうやって抱きかかえれば……」

ナナリー「きゃっ。お、お兄様っ。もう」

ルルーシュ「ほら、行きましょうか、お姫様」

ナナリー「は、恥ずかしいですから」

ルルーシュ「何を言っている。兄妹だろ、俺たち。しっかり掴まっていろ」プルプル

ナナリー「はい」ギュッ

ルルーシュ「よし、行くか」プルプル


スザク「藤堂さん。SEの追加をお願いします」

藤堂「よかろう」

スザク「キスのときのSEが欲しいのですが」

藤堂「チュッ」

スザク「頂きました」

>藤堂「チュッ」
収録風景想像するとクソシュールwww

数日後 夜

ルルーシュ「今日の0時をもって、最後になるな」

ナナリー「……はい」

ルルーシュ「明日の朝にはお前のステータス次第で結末が変わる」

ナナリー「どのようなことをすればいいのですか?」

ルルーシュ「それはジェレミアが言ってくれるはずだ」

ナナリー「わかりました」

ルルーシュ「あと、お前が追加したステータスも同時に発表してくれよ」

ナナリー「それよりもお兄様? 今日は、いえ、今日こそは一緒に寝てください」

ルルーシュ「はいはい。今日は特別だからな」

ナナリー「はいっ」ギュッ


スザク「ジェレミア卿!! 千葉メーカーの開発が大幅に遅れています!! 音声収録が予定の2割も進んでいません!!」

ジェレミア「何故だ。何故、非協力的なのか」

藤堂「すまない。私の責任だ」

コーネリア「あぁ!! もっとはげしく!! にぃさまぁ!!」

ルルーシュ「ナナリー。まだ起きているか」

ナナリー「はい。お兄様」

ルルーシュ「もう日付が変わったな」

ナナリー「結果発表しますか?」

ルルーシュ「……そうだな。聞いておきたい」

ナナリー「ナナリーの幸福度は200です」

ルルーシュ「上限は255のはずだがな」

ナナリー「お兄様がもう少しこうして傍にいてくださるのなら、残りの55ポイントも差し上げます」

ルルーシュ「上限までいくと何かいいことでもあるのか?」

ナナリー「私が幸せになります」

ルルーシュ「それはいいことだな。俺も嬉しくなる」

ナナリー「はいっ」

ルルーシュ「お休み、ナナリー」

ナナリー「お休みなさい、お兄様」

ルルーシュ(ありがとう、ナナリー。それが聞ければもう思い残すことはない……)

翌日

ルルーシュ「起きろ」

ナナリー「え……?」

ルルーシュ「忘れていたわけではあるまい。今日は死刑執行の日だ」

ナナリー「お、にいさま……?」

ルルーシュ「ジェレミア。囚人たちを連れていけ」

ジェレミア「イエス、ユアマジェスティ」

ナナリー「お兄様!! そんな!! これがエンディングなのですか!! お兄様ぁ!!!」

ルルーシュ「遊びは終わったんだよ。ナナリー」

ナナリー「お、にぃ……さま……」

ルルーシュ「……ふん」


ゼロ「では、藤堂さん。後ほど会いましょう。僕がゼロであることは内密にお願いします」

藤堂「分かった。同志を売るような真似はせん」

コーネリア「む。ヴィレッタからの呼び出しか。行かねば」

アーニャ「音声、録音できた」

SSの藤堂さんが同志なんて言うとマトモな意味に取れない

数時間後

ミレイ「ゼ、ゼロが現れました!! ゼロがルルーシュ皇帝陛下の前へ!!」

ルルーシュ「貴様……!!」

ゼロ「……」グサッ!!

ルルーシュ「ぐっ……ぁ……!!」

藤堂「あれは……もしや……」

カレン「ゼロです。あれは、ゼロです!!」

ナナリー「お、にい、さま……?」

天子「しんくー。天子メーカーも作ってるらしいけど、買ってくれますか?」

星刻「既に予約しておきました。限定版予約特典には天子様等身大フィギュアがついてきますので」

天子「わぁ」

扇「千草メーカーはないのか?」

ルルーシュ「はぁ……ぁ……」

ナナリー「お兄様!! お兄様ぁ!! どうして……どうして……!!」

ルルーシュ(最後に俺はもらってはいけないほどの幸福をもらった……。ありがとう、スザク、ジェレミア……。幸せにな……ナナリー――)

「「ゼロ! ゼロ! ゼロ! ゼロ!」」

ミレイ「ルルーシュ……」

リヴァル「な……ルルー……シュ……」

コーネリア「今だ!! 囚人たちを解放しろ!!! 皇帝は討たれた!!!」

ヴィレッタ「扇ぃ!!」ダダダッ

「「ゼロ! ゼロ! ゼロ! ゼロ!」」

カレン「ルルーシュ……さよなら……」

ジェレミア「退却だ!! 退くのだ!!!」

「「ゼロ! ゼロ! ゼロ! ゼロ!」」

ゼロ「民衆よ!! 刮目せよ!!!」

ゼロ「2ヵ月後にとあるゲームが発売する!!! それから1週間毎に新作を発売していく!!!」

ゼロ「そのタイトルは『オトメーカー』!! 自分だけの娘をつくれ!!!」

「「ゼロ! ゼロ! ゼロ! ゼロ!」」

ゼロ「記念すべき第一弾は活発少女『カレンメーカー』だ!! 今すぐ予約すれば等身大カレンフィギュアがついてくる!!!」バッ!!!

「「ゼロ! ゼロ! ゼロ! ゼロ!」」

なんでいきなりゲームの宣伝してんだよwwww

等身大フィギュアって犯罪スレスレでは……ゴクリ

二ヵ月後

ナナリー「遂に発売となりましたね……」

カレン「なんか恥ずかしいけど」

ゼロ「ルルーシュが最後に幸せになれたゲームで、今度は世界中の人が幸せになる。こんなに素晴らしいことはない」

ナナリー「そうですね。でも、お兄様が笑顔になれたものなら、きっと世界も人種も超えて愛される作品になるはず」

カレン「カレンメーカーの売り上げはどうなの?」

ゼロ「200万本は売れているみたいだ」

カレン「それってすごいの?」

ゼロ「アーニャメーカー、天子メーカーは既に1000万本以上の予約があるみたいだけどね」

カレン「!?」

ナナリー「お兄様……。世界は必ず優しくなります。だから安心して私たちを見守っていてくださいね……」


藤堂「コーネリアメーカーの予約本数が伸びないな」

ジェレミア「コーネリア様はやはりニッチな層にしか受けないのであろうか」

藤堂「千葉メーカーと抱き合わせで発売してみよう」

ジェレミア「それよりもジェレミアメーカーも検討してみてはどうだろうか?」

>コーネリア「あぁ!! もっとはげしく!! にぃさまぁ!!」
この台詞の存在を大々的に宣伝すればきっと売れる
主に大きなお友達に

C.C.「もうすぐ、C.C.メーカーも出るらしい。熱演した甲斐があったよ」

C.C.「藤堂の趣味か、ジェレミアの奇行かはわからないが、私に幼少期を思い出して演じてくれと言われたときは驚いた」

C.C.「まぁ、可愛い妹を演じたのは初めてではなかったし、役になることは難しいことではなかったかな」

C.C.「予約数も好調だ。なんでも500万本は確実のようだな」

C.C.「そうそう。天子メーカーが出たのは知っているか? 初週の売り上げは1300万本らしいが、そのうちの1割は星刻が買った分だそうだ。笑えるだろ?」

C.C.「あとまだ企画段階の話だが、好評につき神楽耶メーカー、ジェレミアメーカー、ミラクルメーカーも出すつもりのようだ。世界に愛されるゲームにすると意気込んでいたぞ、ゼロもな」

C.C.「ルルーシュがもしあのとき、レクリエーションに参加しなかったら一つ幸せが生まれなかったことになるな」

C.C.「そう考えるとお前の死も無駄ではなかったな」

C.C.「世界を一つにし、優しくさせ、そして最愛の女と最後の夜を過ごせた」

C.C.「王の力は人を孤独にする。少し違ったな」

天子『おにいちゃんっ。今日はなにをするのですか?』

??「……天子様もいいが、やはりナナリーメーカーがないとな。ナナリーメーカーはないのか?」

C.C.「ナナリーの意向で、絶対に開発はしないとのことだ」

??「ないなら作るしかないか。独自に開発、制作をする。協力してくれるな、C.C.?」

C.C.「まずはC.C.メーカーをやれ。話はそれからだ」
                                 HAPPY END

なるほどハッピーエンド

……ハッピーエンド?? え゛!?!?

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