「こちらスネーク、これよりIS学園に編入する」(103)

大佐「スネーク、新しい任務だ。」 

スネーク「どうした大佐、またメタルギアでも見つかったのか。」

大佐「あるいはもっと驚くべきものかも知れん。スネーク、君はインフィニットストラトスという兵器を知っているだろう。」

スネーク「もちろんだ大佐。一言で言えば“当世最強の兵器”だな。で、そのISがどうかしたのか?」

大佐「聞いて驚くなスネーク。君にはISの適正がある事が分かった。

スネーク「なに!?ISは女性しか操れないんじゃなかったのか!?」

大佐「そこなんだスネーク。本来女性しか持ち得ないIS適正を、男性たる君が持っている。これがどれ程異常な事かは分かるな?」

スネーク「ああ。」

大佐「この異常の解明の為、君にはIS学園に編入して欲しい。」

スネーク「…わざわざ編入する意味があるのか?普通の研究所では?」

大佐「分かってくれスネーク。男のIS乗りともなると、たかが研究所に抱え込めるものではないのだ。君の安全の為にも、IS学園の独立性は必要だ。頼む。」

スネーク「………」

大佐「それに、今回の任務は異常解明までの休暇と捉えても良いのだ。君もこの所の任務続きで疲れているはずだ、どうか受け取って欲しい。」

スネーク「分かった、IS学園に行こう。それがベストなんだろう?」

大佐「ありがとうスネーク!今回はこちらからも出来るだけサポートできる、困った事があったら連絡してくれ!」

スネーク「無線でか?」

大佐「いや、今回は潜入任務ではない。専用の携帯端末を支給するからそれを使ってくれ。電話番号は***-140-85**だ。」

スネーク「了解だ。で、編入はいつだ?」

大佐「急な話ですまないが、明後日だ。」

スネーク「随分だな。初期装備はどうなっている?」

大佐「抜かりはない。制服は君専用の物を用意してある。教科書類も明日届くはずだ。どうだ、至れり尽くせりだろう?」

スネーク「いつもと違って大盤振る舞いじゃないか。ひょっとして銃器も貰えたりするのか?」

大佐「無論だ。護身用に好きな軽火器を持っていくと良い。IS学園の懐は広いからな。」

スネーク「本当に大盤振る舞いだな・・・よし、甘えさせて貰おう。」

大佐「一応銃器の使用には注意を払うんだぞ。他に聞きたい事はあるか?」

スネーク「いや、十分だ。」

大佐「よし。それでは良い学園生活をな、スネーク。」

スネーク「了解だ大佐、今回もよろしく頼む。」

男性でありながらISの適性を持っている事が明らかになったスネーク。
彼の新しい任務はIS学園に編入する事だった。英雄はIS学園に何をもたらすのか。



スネークという存在をISの中に入れてみたいと思って数日前から考え始めた。
スネーク側の時間は特に決めていない。ISの方は物語が始まったとほぼ同時。
一夏は存在してはいるがIS適正の発覚は無く無事に藍越学園に入学している。よって彼に関する話はほぼ出てこないので悪しからず。

もしかしなくてもスネークはメアリー・スーになると思う。ご注意ください。

スネーク「ここがIS学園か・・・」

トゥルルルトゥルルル 

大佐「IS学園に到着したようだな、スネーク。」

スネーク「大佐。」

大佐「まずは職員室へ向かうんだ。そこで織斑千冬という人物に会え。」

スネーク「了解。これよりIS学園に編入する。」

-IS学園職員室前-

ガララッ

スネーク「失礼する、織斑千冬という人は居るか?」

一般職員「!」 ティン!

ビーッビーッ

スネーク「待て、俺はスネークだ!編入生だ編入生!」

一般職員「何だ、あんたか・・・」

スネーク「全く・・・で、織斑千冬はいるか」

カツ カツ 

織斑千冬「失礼した。私が織斑千冬だ、ソリッドスネーク。」

トゥルルルトゥルルル

大佐「彼女が「ブリュンヒルデ」、織斑千冬だ。IS操縦技術において彼女を超える者は存在しないだろう。この学園に関して聞きたい事があるなら彼女に聞くと良い。」

織斑千冬「あなたがスネークか。噂は聞いている。何でも、メタルギアから世界を救い続けた英雄だと」

スネーク「ナスターシャの本を読んだのか?複雑な気分だな。」

織斑千冬「まるで映画のような作戦だったらしいな。装備を現地調達して最後は機動兵器を壊すとは・・・だがダンボールで敵を欺く事にも驚いたぞ」

スネーク「FOXHOUNDではいつもの事だ。というか、俺の任務は大概そんなものだ。」

織斑千冬「世間話はこれくらいにしよう。教室まで案内する、ついてこい。」

ガララッ

-廊下-

カツ カツ 

織斑千冬「IS学園について聞きたいことは?」

スネーク「俺は既に中年なんだが、そもそも教室に居ていいのか?別のカリキュラムとかでも構わないんだが。」

織斑千冬「いわゆる五教科に関しては受ける必要はないが、ここはIS学園だからIS操作訓練なども学習要綱の内だ。おおよそカリキュラム通りに受けてもらうからには、教室に居てくれねば困る。」

スネーク「了解。」

織斑千冬「それと、学園内では君を生徒として扱う事になる。若造ばかりだが教師の指示には従ってやって欲しい。」

スネーク「気にしないさ。若くても有能な奴はいる・・・」

織斑千冬「あと、勿論だが学園は禁煙だ。煙草が吸いたいなら職員用の喫煙室を利用してくれ。」

スネーク「分かった・・・」

-教室前-

織斑千冬「私の案内はここまでだ。あとは担任の山田真耶の指示に従え。」

スネーク「ありがとうオリムラ。」

織斑千冬「気にするな。それではなスネーク。良い学園生活を。」 カツカツ

ガラガラ

山田真耶「おやスネークさん!ようこそ一年一組へ!担任の山田真耶ですよろしく!」

スネーク「よろしく頼む、山田先生。」

山田真耶「はい!ささ、中へどうぞ!皆待ちくたびれてますよ!」

山田真耶「皆さん、編入生ですよ!拍手拍手ー!(スネークさんどうぞ!)」

パチパチパチパチ フゥーーー! イェェェ!

カツ   カツ   カツ   カツ   カツ

スネーク「待たせたな!」


生徒A「ほ、本物よ!本物のスネークよ!」
生徒B「ダンディ!ダンディ!ダンディ!ダンディ!」ウォォォォ!
生徒C「この殿方っべーですわ!マジべーですわカッケーですわ!」

山田真耶「それではスネークさん自己紹介を!」

スネーク「ソリッドスネーク35歳。趣味は登山と犬ぞりだ。よろしく頼む。」

パチパチパチパチ
ワアアアァァァァァ!
フゥーーーーー!
パチパチパチパチ・・・





トゥルルルトゥルルル

大佐「うまくIS学園に編入できたようだな。健闘を祈るぞ、スネーク」

今回はここまでとさせて頂きたい。
次回の更新は・・・日曜日ぐらいでしょうかね。つぎからIS本編に沿った事を書く予定でございます。

キンコーン

山田真耶「今回の授業はここまで。みなさん、良い学園生活を送りましょうね!」

ハーイ

ガラガラ

ザワ・・・ザワ・・・


生徒達(誰が最初に声かける・・・?)


セシリア「(核の脅威から世界を救い続けた英雄・・・やはり近寄りがたい傑物・・・でも、やはり尊敬してしまいます)」

箒「(あれが伝説の英雄・・・何故ISに乗れる・・・まさか姉さんの・・・?)」

箒・セシリア「「まぁ、声をかけなきゃ始まらないか」」

生徒達(行くのか、あの二人!)

セシリア「あ、あの、スネーク・・・さん?」

スネーク「さん付けは良い。今は君らと同じ生徒だ。」

セシリア「分かりましたわ!」


箒(先を越された・・・)


スネーク「で、君は?」

セシリア「私はイギリスから来た代表候補生、セシリア・オルコットと申します。以後お見知りおきを。」

スネーク「イギリスの代表候補生・・・そうか。君はどこで訓練を?」

セシリア「主に軍で。既に就役したIS乗りの方に教えて頂いてましたわ。」

スネーク「中々根性があるじゃないか。」

今回、短くはあるけどもここまで。

キャラを崩さないか心配なまま書いてたがね、よくよく考えてみたらそんな事はどうしようもない事だったよ。
キャラは原作の言動で作られるものなんだから、原作に有り得ん事をやるSSにおいては気にしたら駄目な事だね。

水曜日にはまとまった量を出したいものです。

セシリア「英雄に褒めて頂けるなんて光栄ですわ。」

スネーク「英雄だなんて止してくれ。俺はただの傭兵だ・・・。」

セシリア「でも貴方は世界を・・・」

スネーク「それは結果論だ。任務に踊らされた結果の、ただの副産物だ。」

セシリア「・・・」

トゥルルルトゥルルル

大佐「そう自分を卑下するなスネーク。君が核から世界を救い続けたのは事実だ。」

スネーク「だが大佐、やはり俺は歯車に過ぎない。英雄と呼ばれるには何もかも足りないんだ。・・・いや、殺した人数は」

大佐「それ以上は言うなスネーク。君とて望んで人殺しをしたわけではあるまいし、君自身が直接人を救ったのも一度や二度ではあるまい。」

スネーク「・・・俺が救った奴らは、たまたま立場が同じだっただけだ。それに・・・・・・」

(殺戮を楽しんでいるんだよ貴様は!)

(とどめとどめを刺す時のお前の顔)

(実に生気に満ちていたぞ)

セシリア「スネーク!」

スネーク「・・・なんだ。」

セシリア「誰がなんと言おうと・・・たとえ貴方自身が言おうと、貴方は立派な方ですわ。・・・英雄でなくても。」

スネーク「・・・なかなか、根性のある奴だな・・・」

セシリア「英軍出身は伊達じゃありませんわ。・・・ISならスネークにも負ける気はなくてよ?」

スネーク「言うじゃないか。格闘なら俺も負ける気がしないな。」

セシリア「ISは不慣れですの?」

スネーク「さっきも言った通り、ISに触れてまだ日が浅い。教官にはなんとか勝てたが辛勝も良い所だ。」

セシリア「なんと・・・私以外にも教官を倒した方が・・・」

スネーク「どうやら自慢できる事らしいな。ついでに言うと、俺のISに装備されていた物が役に立った。」

セシリア「もの?」

スネーク「色々ある。スモーク・スタン・ノーマルグレネード、対物ライフルにスティンガー、他にもな。今回の任務は豊富な装備にありつけた。」

セシリア「実弾兵器ばかりですわね。ビームはお使いにならないの?」

スネーク「ビームは性に合わん。それに、残弾数が分かりにくいのもある。シールドエネルギーを圧迫しないのも利点のひとつだな。」

セシリア「要塞のようなISですわね・・・他には?」

スネーク「ダンボールだ。」

セシリア「は?」

スネーク「ダンボール。」

セシリア「・・・じ、冗談でしょうダンボールなんて!ISがダンボールなんて被って何になるんです!?」

スネーク「だが現に、教官を倒す鍵になったんだ。それは間違いない。」

セシリア「信じられませんわ・・・。話には聞いていたけど。」

キンコーン

ガララッ

山田真耶「みなさーん席についてくださーい授業を始めますよー。」

スネーク「この話は後だ。席につけ。」

セシリア「え、ええ。」

-授業開始-

山田真耶「この時間は、クラス代表を決めようと思いますが・・・」チラ

スネーク「?」

山田真耶「スネークさん、やってみる気はありませんか?一言で言えば試合に出る役割ですよ。」

スネーク「・・・勘弁して欲しいんだが。俺はこの学園に出向している期間も未定、言わば期間留学生のようなものだ。立場ある身になるのは気が引ける。」

セシリア「先生!スネーク・・・さんはこう言ってますから私が!」

山田真耶「そうですか?ならセシリアさんでも構いませんが・・・皆さんの意見も汲もうかと。」

生徒A「スネークさんが良い!」
生徒B「セシリアさんが良い!」
生徒D「むしろ二人擁立すれば良い!」
ガヤガヤガヤガヤ

山田真耶(紛糾してますね・・・このままでは何も決まらない可能性が・・・)

セシリア「・・・先生?」

山田真耶「はいセシリアさん?」

セシリア「私とスネークさんと、クラス代表の座を賭けての決闘はどうでしょうか?きっとそうじゃなきゃクラスが収まりませんわ?」

山田真耶「・・・本気ですか?相手は英雄ですよ?」

スネーク「俺は英雄なんかじゃない。今までも、これからも。」

セシリア「正直、勝てるかどうか分かりません。でも、挑戦してみたいと思って。・・・実を言うと、以前から。」


山田真耶「・・・いいでしょう。一週間後まで、スネークさんには訓練を受けて貰い、然る後に決闘を行います。」
スネーク「無視か」

生徒A「英雄の・・・戦い!」
生徒B「代表候補生と英雄の、一騎打ちよ!」
生徒D「血が滾る!熱くなる!」

山田真耶「図らずも、皆の意見も一致のようですね?では、一週間後にスネークさんとセシリアさんの決闘を行います。」

トゥルルルトゥルルル

大佐「休暇と言ったな?」
スネーク「そうだ大佐助けて」
大佐「あれは嘘だ」
スネーク「ホアアアアア」

はい、今回はここまで。

4時半まで何をしとるんだ私は。度し難いな。

大佐「一週間だ。」

スネーク「ああ。」

大佐「君は、一週間でセシリア・オルコットに勝たなければならない。正確には、それだけのIS技能を手に入れて貰う事となる。」

スネーク「難儀な話だな。休暇はどこに行ったんだ全く・・・。」

大佐「すまない。だが、教師がああ言った以上君が退くわけにも行くまい。とりあえず、練習相手を見つけるんだ。」

スネーク「了解。・・・どこに行ってもやる事は同じ、か。」

大佐「教室を見回せ。君の嗅覚なら優れた操縦者を見つけられるはずだ。」

スネーク「了解。」

スネーク「あの日本人は確か・・・。」

大佐「篠ノ之箒だな。あのIS開発者、篠ノ之束の実妹でもある。」

スネーク「彼女に協力して貰えないか聞いてみる。」

大佐「だがスネーク、資料によると彼女のIS適性はCランクだ。あくまでも並の筈だが、良いのか?」

スネーク「いや、彼女で良い。・・・なかなか良い目をしている。」

大佐「目・・・。」

スネーク「そういう事だ。とりあえず、行ってくる。」

  スタスタ

スネーク「君が篠ノ之箒だな?」

箒「・・・そうだが。何か用か?」

スネーク「聞いていたと思うが、俺は一週間後にセシリアと戦わなければいけない。単刀直入に言うが、力を貸して欲しい。」

箒「・・・彼女のISは遠距離攻撃が主体なんだから、私に言われても練習にはならないと思うが・・・。」

スネーク「いや、是非とも君に練習相手になって欲しい。」

箒「・・・私はIS適性が高くない。別の人を探してくれないか?失礼する。」 ガタッ スタスタ

スネーク「その動きだ。」

ピタッ

箒「・・・動き?」

スネーク「明らかに武道をやっている者の動きだ。・・・それも有段者だな?」

スネーク「それに、目だ。」

箒「目?。」

スネーク「いい目をしている。年の割に多くの事を知っている目だ。」

箒「・・・・・・・・・交換条件がある。」

スネーク「良いだろう。大抵の事は出来るつもりだ。」

箒「貴方の事を教えて欲しい。男である貴方が何故ISに乗れるのか、そこにヒントがあるかも知れないから。」

スネーク「・・・良いだろう。だが、こんな所で話せる過去は背負ってない。」

箒「屋上で良いか?」

スネーク「それで良い。」

箒「ならば放課後、この棟の屋上に。そこで待ってる。」

スネーク「感謝する。よろしく頼む。」


トゥルルルトゥルルル

大佐「何とか約束を取り付けられたようだな。だがスネーク、良いのか?君自身の事を話す事になってしまったが。」

スネーク「元々隠し立てするような過去じゃないからな。それにIS開発者の妹なら何か知っている事もあるだろう。」

大佐「君がそう言うなら私は何も言うまい。とにかくこの一週間、彼女にIS操縦を見て貰え。」

スネーク「了解。」

一夏さんは藍越学園で楽しくやっとるんです。嫁は蘭でしょうな。とにかく、どえらい事に巻き込まれる役目はスネークが引っ被っておるんです。

この数日ずるずるやってきたけど次の更新は29日にします。

スネーク側の時間決めてないって言ったけど「ナスターシャの本」が既に出てる設定なんだよ・・・。
「シャドーモセス島の真実」が刊行されてるという事はそのままフォックスが格納庫の床のシミになった事を表しているんだなコレが。


だがこれはSSだ。

-屋上-

箒「来たか。時間通りだな。」

スネーク「時間にルーズだと女に嫌われるからな。で、聞きたい事がるんだったな。」

箒「色を好む、か。まあいい。聞きたい事というのは、まず私の姉と接点があるのかどうかという事だ。」

スネーク「篠ノ之束か。いや、噂に聞く程度でしか知らないし、あった事もない。」

箒「そうか・・・。うん、だったらもう聞きたい事はないよ。」

スネーク「もういいのか?」

箒「ああ。接点がないならあんな人が他人に興味を持つはずが無いからな。」

スネーク「酷い言いぐさだな。どうやらかなりの偏屈のようだ。」

箒「偏屈も良い所だ。あんなものを面白半分で作ってニコニコしながらばら撒くんだから。・・・核より恐ろしい人だ・・・。」

スネーク「結果的にそうなっただけで、もとは宇宙開発ようだったはずだ。そこまで言わなくてもいいだろう。」

箒「宇宙開発の過酷な環境に耐えられる代物が平和のみに使われるわけがないじゃないか!」

スネーク「それでも、兵器は使うやつ次第のただの道具だ。」

箒「そんなの、私は絵空事だと思うよ・・・。こんなにも多国にわたって普及すれば、いずれは悪人の手に渡ってしまうような事もあるだろう・・・。」

スネーク「・・・。」

箒「・・・すまない、話が過ぎたようだ。・・・練習を始めよう、時間もないから。」

スネーク「・・・複雑な家庭のようだな。」

箒「そう言えば、スネークに家族はいるのか?」

スネーク「俺に家族はいない。俺は孤児だった。・・・途中までは。」

箒「すまなかっ・・・途中まで?」

スネーク「子供の頃、俺はオハイオの小さな町にいて既に訓練を受けていた。初陣は19歳。グリーンベレーとして出動した湾岸戦争だった。」

箒「歴史に聞く戦争に出ていたのか・・・。」

スネーク「ある時、別の特殊部隊に入ってまた訓練を受けた。その時に俺の上にいたのが“BIGBOSS”だった。」

箒「BIGBOSS・・・。」

スネーク「俺は奴を信頼してた。・・・だが、ある任務で敵の黒幕だった事が分かってな。」

箒「・・・殺したのか。」

スネーク「・・・俺の手で、二回も。まともな武器がなかったから酷い方法でな。」

箒「・・・。」

スネーク「そんなところだ。練習を始めよう篠ノ之。」

箒「箒でいい。私もスネークと呼ぶ。」

スネーク「なら箒、よろしく頼む。」


トゥルルルトゥルルル

大佐「これから一週間、鍛えてもらうんだなスネーク。」

はいここまで。つづきは金曜。あとジョニーは出ないよ。かわいい女の子に近づくと下痢になるってのにIS学園なんかに絡んだら肛門がいくつあっても足りないよ。

-自室-

トゥルルルトゥルルル

大佐「スネーク、あれから一週間経ったが、調子はどうだ?」

スネーク「良好だ。ISならではの戦いは性に合わないと思っていたが、慣れると便利だな。それに戦術も幅広いものが取れる。」

大佐「それは良かった。・・・で、セシリア・オルコットには勝てそうか?」

スネーク「さあな。武装を調べてみたが、正直想像の及ぶ物ではない事ぐらいしか分からなかった。」

大佐「そうか・・・。」

スネーク「だが、勝機もないわけではない。俺のIS兵装は対IS攪乱用の物が多い。なんとかなるだろう。」

大佐「信じているぞ、スネーク。」

スネーク「了解、大佐。」

短くて悪いが、加えてしばらく更新できませんよって、あと一週間は待ってな。
本当に一週間で戻ってくるさかい、ちっと待っとってな。

-試合当日 控室A-

山田「間もなく始まります。スネーク君、用意を。」

スネーク「全て出来ている。いつでもいけるぞ。」

山田「良い事です。では、5分後にステージへ。」

スネーク「了解。」


-控室B-

織斑千冬「用意はいいか、オルコット。開始まであと10分だ。」

セシリア「完了していますわ。いつでも戦えます。」

織斑千冬「良し。では5分後にステージに上がってこい。」

セシリア「分かりました。」

トゥルルルトゥルルル

大佐「スネーク、いよいよだな。」

スネーク「ああ、いよいよだ。」

大佐「彼女、セシリア・オルコットは教官を倒すほどの実力者だ。君も同じ肩書きを有してはいるが、ISの経験は向こうの方が上だ。」

スネーク「ああ。ISに触れて、俺はまだ数か月にも満たない。・・・だが、負けるつもりはない。俺も、この道十年のベテランだからな。」

大佐「頑張れよ、スネーク。」




セシリア(周りからは、この戦いは私が成り行きに任せた結果のように見えているのかも知れません。事実、あのクラスの雰囲気が無ければ、こうして試合をする事も無かったでしょう。)

セシリア(でも)

セシリア「私があの方との試合を、少しばかり期待していたのも事実です。・・・私はあの人と戦って、何かをつかもうとしているのでしょうか。」

-アリーナ-

生徒A「どっちが勝つと思う?」
生徒B「セシリアさんじゃないの?代表候補性だし実力は相当なもんでしょ!」
生徒C「でもでも、スネーク君は英雄だよ?本人は頑なに否定するけどね。」
生徒D「IS経験と戦場経験の違いはどうでるのかな。楽しみだね!」


織斑千冬「生徒達も興奮しているようですね、やはり。」

山田真耶「興奮もしますよ、だってあの英雄の戦いが見られるのですから。私も同じ気持ちですよ。」

織斑千冬「同じ意見だよ、私も。どんな戦い方か、正直気になる。」




アナウンス「間もなく、一年一組のセシリア・オルコットさんと、同じく一組のソリッドスネーク君の模擬戦を開始いたします。」

アナウンス「両者、前へ。5カウントののち試合を始めます。」

「5」

セシリア「加減は要りませんよね?スネーク。貴方のような人にはもちろん。」


「4」

スネーク「俺は敵に手加減を求めた事はない。遠慮せずにかかってこい。」


「3」

セシリア「正直なところ、貴方との試合を楽しみにしておりました。私より強く、多くを知っている人を。」


「2」

スネーク「どういう意味だ。」


「1」

セシリア「格上の存在を求めていたんですの。」


「ゼロ。試合開始。」

トゥルルルトゥルルル

大佐「スネーク、気を付けろ彼女の武装は」

セシリア「スターライト!」ドゥッ

スネーク「ビーム兵器だったな!」サッ

大佐「そういうことだ!なるべく複雑な動きで照準から逃れ続けるんだ!君ならできる!」


スネーク「そうは言ったものの・・・。」

セシリア「流石はベテランの兵士・・・!射線のずらし方にも優雅さが感じられますわ!」ドゥッ

スネーク「有り得ない程の連射速度だな。余り余裕がないな・・・!」サッ

スネーク「実弾兵器への対応はどうするのか、見せて貰うとしよう!」ダダダダダダダ

セシリア「オーソドックスに過ぎますわね!アサルトライフル如き、簡単に避けられましてよ!」バッ

スネーク「グレネードランチャーならどうだ!」ボンッ

セシリア「爆風位ならこのシールドを削れもしな・・・閃光!?」バッ

スネーク「数秒くれたな!貰った!」ダダダダダダダ

セシリア「ぐっ・・・!センサーは生きていてよ!食らいません!」バッ

スネーク「スタングレネードは効果が薄いか。センサーに救われたなセシリア。」

セシリア「さすがにやる方でしたわ・・・武装も多彩、しかもまだ有りそうな余裕とは・・・。」

スネーク「どうした、もう終わりか?」

セシリア「・・・とっておきを、お出ししますわ・・・!ブルーティアーズッ!」ヒュンヒュン

スネーク「出たな・・・!」ジリッ

大佐「これからが本番だ、スネーク。彼女のブルーティアーズは全く新しい兵器だ。全方位からビームが狙ってくるぞ・・・!」

スネーク「オタコンが喜びそうな兵器だ!」

セシリア「行きなさい!」ヒュンヒュン ビシュビシュビシュビシュ

スネーク「クソッ!」バッ

はいここまでー!もう無理ねるねるねる

大佐「スネーク、ジリ貧は戦況はあちらの有利にするだけだ!打開策を見つける事を最優先にしろ!」

スネーク「分かってる!」

セシリア(この方にほんの少しでも主導権を渡したらやられる・・・!最後の最後まで気を抜かない事が勝利への道!)ビシュビシュ ドウッ

スネーク(今の俺に一瞬でケリを付ける装備はないが、一瞬あれば奴の装備は奪えるかもしれん・・・。)

スネーク「早めに仕掛けなければ・・・。」ガサゴソ

セシリア(あのバックパック型の収納スペース・・・搭載装備が推し量れない。何をいくつ装備しているのやら・・・。)

スネーク(スモークグレネードが効きそうだな。)

スネーク(いや、待てよ・・・確かISのセンサーには赤外線可視化装置が標準装備としてあったはずだ。切り替えにかかる時間を考慮しても数秒あるかないか・・・。)

スネーク(一体どうしたら・・・。)

大佐「スネーク、チャフは持っているのか?」

スネーク「!」

セシリア「何か策を講じておいでのようで。でも、そんな隙を許す私ではなくてよ!」ドウッ

スネーク「ならば、隙を作るまでだ!(礼を言うぞ大佐!)」ピンッポイ 

セシリア「次は何ですの・・・?」

ボフッ

セシリア「煙幕ですの?ですがISのセンサーにそんな小細工は・・・」

スネーク「まだだ!」ポイ   バンッ

セシリア「チャフ・・・!しまった、センサーが!?」

スネーク「センサーに頼っているようでは二流だ、セシリア!」

大佐(君が言うのかね)

セシリア「まだ・・・ティアーズがあります!実用化された無線兵器にチャフは効きません!」ヒュンヒュン

スネーク「それを待っていた・・・!」

セシリア「な、何を言って・・・!」

スネーク「このスモークの中でも、ティアーズの推進装置は分かり易いな!」キュイイイイイイイイイイイイ

セシリア「な、何ですのその音は!不吉極まりないですの!」

スネーク「レールガンだ。」

セシリア「えっ」

スネーク「レールガンだ!」

セシリア「聞こえていますわ!でも、最低でも2・3mはあるはずでしょう!?一体どこにそんな装備が・・・!」

スネーク「バックパックだ!」キュイイイイイイイイイイイン

セシリア「嘘ですわ!そんなの有り得ません!いくらISの装備が量子化されていると言っても限度が!」

スネーク「やかましい!」ズガシャアアアアアアアア

セシリア「あああああああああ!」ドオオオオオン

ボフウウウウウウ

スネーク「勝った・・・!」

セシリア「まだですわ!まだ終わって・・・いませんわ!」

スネーク「対物ライフルだ!」ズガンッ

セシリア「んのっく」ワナワナ

スネーク「・・・!」ズガンズガンズガン

セシリア「うう・・・!(弾が尽きるまで耐えきれば・・・)」

スネーク「パトリオットだ!」ガガガガガガガガガガガ

セシリア「キャアアアアアア!!」

山田真耶「千冬先生、あれは・・・!」

織斑千冬「ああ。特殊部隊の母、ザ・ボスが愛用していたという銃・パトリオットだな。まさか現物を拝めるとは・・・。」

山田真耶「給弾機構が∞の形をしている・・・弾切れしないわけです・・・。」

セシリア「ああ、もう駄目・・・。」バタッ 

スネーク「ようやく倒れたか。流石はIS、ここまで堅いとは思わなかった・・・。」



山田真耶「セシリア・オルコットのシールドエネルギー枯渇により、勝者、ソリッドスネーク!」




山田真耶「勝敗を決したのは自分の装備を十二分に活用した、経験の差でしょうか。」

織斑千冬「そもそも場数も違うだろうが、概ねそれで合っているだろう。あんなに洗練された動きの兵士は初めて見た・・・。」

山田真耶「千冬先生よりも、ですか?」

織斑千冬「多分な。彼のいた戦場と私たちIS乗りのいる戦場は全く違うが、それでもなお彼の経験は我々の戦場でも活きている。やはり、年季が違うな。」

はい、今日はおしまい。続きは火曜日。
残暑が去るのを有りがたく思う一方、勿体なさのような焦燥を覚える今日この頃。秋のもの悲しさを埋める人は誰ぞおらぬものか。

次回、Metal Gear Stratos
「武器や装備に頼ってはいけない」 お楽しみに。

パネエっしょうちのスネークさんは?
スネークさんにはこのままメアリー・スーを貫いてもらうんでそこんとこよろしく。

-控室A-

大佐「おめでとう、スネーク。君のIS操縦能力はかなりの域に達しているようだな。」

スネーク「止してくれ大佐、さっきの戦いはハッキリ言ってただの集中砲火だ。あれで勝てたのは運が良かったに過ぎない。ISの運用法としては及第点も貰えん。」

大佐「だがスネーク、大したダメージも貰わずに敵を倒せたのはなかなか上出来だろう?あの男も喜んでいたし、そう卑下するな。」

スネーク「ダメージを負うわけにはいかなかったんだよ大佐。必要に迫られた結果だし、最初にイメージしていた戦い方もさほど上手くは・・・」


ウィーン   カツカツ カツカツ


セシリア「勝者の卑下は眩く見えましてよ、スネーク?」

スネーク「セシリア。もう大丈夫なのか?」

セシリア「シールドエネルギーを削られきっただけですから。気絶したのも弾幕に中てられたからですわ。・・・そんなことよりも、聞きたい事がありますの。」


スネーク「何だ?」

セシリア「貴方のISは一体いくつ兵装を搭載出来るんですの?余りに豊富過ぎて少し疑問に思いますわ。対物ライフルとレールガンを二つとも装備するというのも・・・容量的にどうなっているのか・・・。」

スネーク「まぁ、並の機体よりは多いだろうな。最初にISが届いた時にある男と吟味してみたが、彼に言わせてもやはり装備に余裕があるようだ。」

セシリア「ある男?整備の方ですの?ならば是非とも話を伺いたいのですが。」


ウィーン    カツ カツ カツ カツ


オタコン「お呼びかい?」

セシリア「・・・貴方は?」

オタコン「僕はハル・エメリッヒ。スネークのISの為にこの学園に来た、兵器技術者だ。といっても、僕が主に担当するのは装甲や装備などのいわゆるガワの部分だけどね。」

セシリア「エメリッヒ・・・。そうですか、貴方が・・・。」

オタコン「そう、REXの開発者だ。ちなみにあのレールガンと対物ライフルは僕が手を加えた物。ISにも効くようにテクノロジーを研究してみたんだ。・・・結果は上々だったみたいだね。」

セシリア「・・・とっても効きましたわ。で、聞いてもよろしいかしら?」

オタコン「ISの装備についてだったね。それにはまず、スネークのISが一体どういう用途を想定して形態変化を遂げたかを知ってもらう必要がある。」

オタコン「君もスネークが軍属として生き続けてきた事は知っていると思う。スネークは特に、潜入任務を得意としているんだ。FOXHOUNDに入る前からね。」

オタコン「更に、スネークが渡り歩いてきた戦場は過酷で、更に異常とも言える能力を備える敵が数多く存在した。」

スネーク「超能力者にシャーマン、ステルス迷彩を着た忍者や跳弾を操るガンマン・・・。一つの戦場でこれだけの敵に出会う事もあった。」

セシリア「俄かには信じられない話ですわね・・・。それで?」

オタコン「それらの記憶をISが読み取った結果、その時スネークが取った「強敵達への対抗策」が反映されているんだ。そして、「潜入任務に必要な装備品」の記憶も。」

セシリア「つまり?」

オタコン「簡単に言えば、装備をたくさん持てるように形態変化したのが、今の彼のISなんだよ。強敵を打ち破るための強力な武器やその目を欺くための様々なアイテム。それらを丸々携行できるように形態変化して、今の彼のISは出来上がったんだ。容量を打鉄と比べるなら、対比にして10:1ぐらい。約十倍、驚異的な数値だね。」

スネーク「引き換えの様に機動力は平均以下だがな。さっきの戦いで銃弾を避けられ続けたのは運が良かった。」

セシリア(・・・それを聞くと、私は純粋にスネークさんに負けた事が分かりますわね。装備を有効活用し切って、つまり自分の力を出し切っていたスネークさんに、後手の先を取られて押し切られた・・・という事でしょう。)

オタコン「この機体が搭乗者に要求する二つの要素は、かなり難しい。」

オタコン「まず敵の攻撃に極力当たらない事。特に射撃偏重の猛攻を仕掛けてくる敵には特に気を付けないと、一発足に食らって動きを止めると容易に抜け出せないからね。」

オタコン「そして、搭載された全ての装備を活用できるように習熟しておく事だ。これは中々に難しいと思う。まったくスネークぐらいだよ、あんなに多彩に銃を活用しきれるのはね。」

オタコン「今の所スネークは大体こなせているけど、少し心配な所もある。機動性の低さは、IS戦ではかなりの不利だから。いくら火力が高いとしても、当たらなければどうということはないからね。」

えい終わり。次は金曜ね。

それはそうとスネークさんのIS(名前なし)、絶対にシャープではないし顔も出てないと思うんだ。ゲームでも戦闘中に目立った表情の変化をこっちに向けないし、顔出してスイスイ飛びながら撃ち合うのもらしくない。やっぱ地上から堅実にヤルのがスネークさんな気がする。

セシリア「貴重なお話を、どうもありがとうございましたオタコンさん。」

オタコン「どういたしまして。突破の糸口は見つかったかい?再挑戦はいつでも受けるよ。・・・彼がね。」

スネーク「オタコン。」

オタコン「ハハハ。じゃ、僕はISの調整をしなきゃならない。失礼させてもらうよ。」

カツ カツ カツ カツ ウィーン

スネーク「で、セシリア。」

セシリア「何ですの?」

スネーク「まだ用があるんじゃないのか?」

セシリア「・・・ええ。ISの話を聞くのも目的でしたが、それ以上にお礼を申し上げたくて。」

スネーク「礼?俺が何かしたのか?」

セシリア「もちろんですわ。・・・私と戦ってくださいましたわ。」

スネーク「そんな事が、どうして礼に?」

セシリア「私に、格上との戦いをさせてくださったからですわ。」

スネーク「格上?だが俺はISに乗ってまだ一年も・・・」

セシリア「そういう事ではありません。もっと何というか、潜り抜けてきた修羅場の数とか命のやり取りとか、私には想像もつかないような世界から来た人と、私は戦いたかったのです・・・。」

トリ付けるの忘れてた失礼
そしてこんなにも遅れてしまってゴメンね。

スネーク「・・・憧れか?」

セシリア「いいえ。義務ですわ、私の。」

スネーク「どういう事だ?」

セシリア「私は常々思っておりました。“IS学園にはISをスポーツ位にしか考えていない生徒ばかりだ”と。裏を返せば・・・」

スネーク「お前は、“ISを兵器と認識している”わけだな。・・・で?」

セシリア「私は、イギリスの代表候補生です。ゆくゆくは私は、イギリスという国家の矛になるつもりです。そんな私には、この学園の平和過ぎる方々との戦いは毒と言っても過言ではありませんでした・・・。」

スネーク(・・・その年で、自らの意志で戦う事を決める・・・)

セシリア「勿論IS学園にも強者はいます。更識さん達などは最たる例でしょう・・・でも、絶対的な格上が私には必要だと思いました。学園の域を超えた熟練者が、私がイギリスの矛となるには必要だと・・・。」

スネーク「それが俺か・・・。」

火曜日!火曜日の夜には必ず

セシリア「でも」

スネーク「ん?」

セシリア「やはり、敗北は気分良くありませんね・・・。」

スネーク「負けに慣れてないのか?優秀な証拠だ。」

セシリア「・・・。」

スネーク「どうした。」

セシリア「今までは、自分が強いから負けが少なかったと思っておりました。・・・ですが、貴方と戦ってからは・・・“運が良かっただけ”・・・そう思っています。」

セシリア「軍で訓練を受けておりましたが、同期に当たる人たちにティアーズで負けた事はありませんでした。それを私は自身の強さゆえだと自負しておりましたが・・・なんだか、ただ運が良かっただけのような気がしてなりません。全ては良い偶然の連続と言うか・・・。」

スネーク「そこまでだ。」

セシリア「え・・・?」

スネーク「君はまだ若い。強い弱いを論じる前に、まだ戦場にすら立っていない“少女”だ。」

セシリア「・・・はい・・・。」

スネーク「ゆくゆくはイギリスの矛になるという君も、今は学生でしかない。」

スネーク「だったら、ただ励めば良い。」

セシリア「・・・!」

スネーク「君はまだ若く無限の可能性がある、そればかりかその無限をただ一つの目的に注ぎ込もうとしているじゃないか。君は、誇るべき人間だ。・・・だから、卑下はするな。運も実力のうちだ。」

・・・明日再開します。ちょっと食中毒でトんでたもんで。

セシリア「・・・本日はありがとうございました。また、よろしくお願いしますね。」

スネーク「ああ。」

セシリア「では・・・。」 カツ カツ ウィーン

カツ カツ

オタコン「お嬢さんはお帰りになったみたいだね。」

スネーク「早いなオタコン。整備は済んだのか?」

オタコン「ほぼ無傷だったおかげで整備自体は早く済んだよ。仕事の八割はデータ収集って所かな。」

スネーク「そうか。」

オタコン「ただ、ISの戦い方については教官から意見が来てるよ。」

スネーク「織斑千冬か?」

オタコン「うん。“地上での動きは文句の付け所が無いが、ISの肝である空中機動が見られなかったのは残念だ”ってさ。僕としても空中戦闘は見てみたいから、僕からも頼むよ。」

スネーク「善処する。」

オタコン「それでスネーク、僕からも試合の話があるんだけど。」

スネーク「何だ?」

オタコン「火力でごり押しするのは今回限りにしようね。完封は素晴らしいけどあんなのはみっともないよ。」

スネーク「・・・わかってる、俺も少々大人げなかった。」

オタコン「今回の任務はデータ計測が目的の一つなんだから、色々やってくれないと。いわゆる“勝ちパターン”みたいなのは控えてくれ。」

スネーク「了解。」

オタコン「それじゃ、この話はおしまい。次は武装の話をしよう。」

スネーク「武装?」

オタコン「現在、君の武装は生身の兵士が使う火器の中から比較的パワーのある物を選択して構成されている。」

スネーク「ああ。それでもISのバリアには歯が立たないが。グレネードも効果が薄かった。」

オタコン「そこで、君専用のIS用火器を作ろうと思うんだ。どんなのが良い?」

スネーク「どんなのって・・・とにかくISに効く事が前提だな。セシリアにまともに聞いたのは対物ライフルとレールガンだけだった。」

オタコン「その辺は心配いらないよ。ISの火器開発技術に僕も一枚噛むことにしたから。」

スネーク「そうか。・・・だったら、できるだけ静かに威力を出せる火器が望ましいな。あとマズルフラッシュを消したい。・・・要はサプレッサーだな。」

オタコン「いつも通りで安心したよ。じゃあそうだな・・・三日あれば銃と投擲物は用意できるだろう。サプレッサーは一週間いるかな。」

スネーク「仕事が早いな。よろしく頼むぞオタコン。」

オタコン「既製品に手を加えるだけだからね。じゃ、早速作業に取り掛かるよ。」

スネーク(それは専用火器と言えるのだろうか・・・。)

オタコン「まだ何かあるかい、スネーク?」

スネーク「いや何も。俺は部屋に戻る。」カツ カツ

オタコン「お疲れ様。武装を楽しみにしててくれ。」

ウィーン

スネーク「次の戦闘で気を付ける所が増えたな・・・。また篠ノ之に頼むか。」






セシリアとの試合で勝利を収めるも、次への課題が浮上する事となったスネーク。全く新しい戦場に活を見出すことはできるのか。

次回MGS「十七式拳銃」、お楽しみに。

スネーク「転校生?」

箒「そうだ。今日付けで二組に編入らしい。」

スネーク「・・・国籍は?」

箒「中国。・・・十中八九スネークが目当てだと思う。」

セシリア「同感ですわね。始業からしばらく経ってますし、スネークのデータ目的でしょう。」

スネーク「戦う事になるだろうな。」

箒「その時はクラス対抗戦になるだろう。二組の代表に取って代わったらしいし。」

セシリア「人気ですわね、スネーク?」

スネーク「勘弁願いたいものだ・・・。」

箒「訓練のメニューを増やすか?せっかく専用機持ちが協力してくれるんだからな。」

セシリア「高速機動位しか教えられる所が無くてよ・・・。」

スネーク「そうだな。学年に3人だけの専用機持ちにご鞭撻を」


ガララッ


???「その情報、古いよ!」

スネーク「誰だ!」

鳳鈴音「アタシは中国から来た鳳鈴音!スネーク、まずは挨拶に゛っ」ボギャアッ

織斑千冬「既にHRは始まっている・・・慈悲はないぞ。保健室で頭を冷やすと良い。」

スネーク(躊躇なく頭部に一撃・・・教官向きだな、天職か。)

織斑千冬「では、HRを始める。鳳は廊下に出しておけ。」



-保健室-

鈴音「」

保険医「今日中に目を覚ますかしら・・・。」

鈴音「・・・うぅ・・・。」

保険医「あら・・・?」

鈴音「・・・俺たちは・・・未来へ伝え・・・て・・・いかなければ・・・。ロー・・・。」

保険医「未来?ロー?」

鈴音「・・・東欧へ・・・ビッグママに・・・会え・・・。マッドナー博士もそこに・・・。」

保険医「マッドナー!?この子いったい何を・・・!」

鈴音「ローズ・・・ローズ・・・ロ―――ズ!!」ガバッ

保険医「!」

鈴音「ハァ・・・ハァ・・・アタシは一体・・・ここは・・・?・・・うぅ、頭が・・・。」

保険医(今のはいったい・・・)

鈴音「保健室・・・そうか、アタシは・・・。」

保険医「え、ええ。あなたは千冬先生の一撃を食らってここに運ばれたの。・・・うわ言を言っていたけど大丈夫なの?」

鈴音「・・・大丈夫です。」

保険医「そう。・・・なら、早く教室に戻った方が良いわ。」

鈴音「はい・・・。」


タタタタ  ガララッ


保険医「マッドナーの名前を、あんな小さな子から聞くなんて・・・。中国では何が?」

大佐「中国からの転校生か・・・。」

スネーク「ああ。教室に挨拶しに来たが、織斑にすぐ排除された。」

大佐「ふむ。まぁ、仲良くしてやる事だ。そこは(ギリギリ)戦場じゃないからな。」

スネーク「そのつもりだ。」


ガララッ

オタコン「スネーク?」

スネーク「どうしたオタコン。」

オタコン「キミのIS装備が出来上がったから、それを伝えにね。キャンベルも見ていくかい?」

大佐「そうさせてもらおう。」


オタコン「もう一度、ISそのものの説明からするね。」

オタコン「機体名は“twin snake”・・・日本式に言うなら“双蛇”ってところかな。基本性能は一長一短、良い所は硬さと携行装備の多さだね。弱みは・・・ちょっと速さが足りない、かも知れない所かな。装備を持ちすぎると鈍重になる。」

大佐「その弱みというのはどの程度のものなんだね?」

オタコン「双蛇には好きなだけ装備を積めるけど、ある一定を超えて装備を超えるとシステムを圧迫して推進装置の出力が落ちてしまうんだ。駆動系には問題が無いあたり、ソフト面の問題だと思うよ。いつか解消できるといいんだけど・・・。」

オタコン「ま、ブラックボックスが多すぎて今の僕らじゃ解析も難しい。追々だよ追々。」

スネーク「引き続き頼む。で、武器は?」

オタコン「そっちは完璧だよ。IS用兵器をキミ用に変えるだけだったけど、ベストを尽くしたつもりだ。」

大佐「スネーク用・・・大体予想はつくな。」

オタコン「だろうね。とりあえずの威力と静音性は確保して、いくつかの銃器はマズルフラッシュも出ないようにしておいた。」

大佐「やはりサプレッサーか。うむ、いつも通りで安心したよ。」

オタコン「タフな武器も用意したから、今から整備室に行かない?射撃練習場で試し撃ちもしてほしいんだ。」

スネーク「分かった。」

オタコン「大雑把に言うけど、マルチミサイルポッドを一つとレーザーガン、更にパイルバンカーも趣味で作ってみた。」

スネーク「もはや戦場の最小単位が持つ武器ではないな。」

オタコン「同感だね。でも、君は今やIS操縦者だ。さっき述べた装備も十分に扱えるはず。」

大佐「ISならば可能だろう。エメリッヒ博士、説明を頼む。」

オタコン「分かった。ミサイルポッドだけど、これは米国のIS装備カタログにあった中でも一番良い物だよ。装弾数・威力・命中精度と三拍子揃った武器だ。火力そのものだね。」

スネーク「このレーザーガンは・・・。」

オタコン「そう。君の考えている通り、REXのレーザーのレプリカだ。そのままでも対IS武装として十分な威力を持っていたから、射程と照射時間を改良してみたんだ。秒間の照射熱量も相当の物だから、ミサイルの迎撃なんかにも力を発揮すると思う。」

大佐「素晴らしい武装だな・・・感心したよ。・・・ところでその・・・何だね、パイルバンカーとやらは?」

オタコン「平たく言えばREXの爪を大幅に強化した武器だよ。三叉のアームで敵をガッチリ捕まえて、巨大な鋼の杭で突き刺す兵器さ。」

スネーク「・・・楽には使えなさそうだな。かなりの近距離まで距離を詰める必要がある。」

オタコン「まあ使う場面はないと思うけどね。この武器の性質上、相手のシールドエネルギーを削りやすいことは認めるけど、いささか使い勝手が悪い。」

大佐「強力無比なじゃじゃ馬という訳か・・・。刀なら色々な振り方もあろうが、この形では貫くことしか出来んな。」

スネーク「そもそも、こんな武器を試合で使ってもいいのか?一歩間違えば相手を殺しかねないが。」

オタコン「大丈夫。一番弱い基準のシールドでも、一発で貫けなかったから。多少エネルギーが消耗してても同じ結果だったし,
人間を一撃で貫く心配はないよ。」

大佐「軍事関係者の我々だからこそ、IS“学園”に水を差すような真似はできんからな。」




ウィーン   カツ カツ カツ カツ

                                                                    “IS学園”
織斑千冬「・・・お気遣い感謝する。無秩序であったISの“扱い”に、ようやく一つの結果として日の目を見たのが、ここだ。ここならISは、寸での所で兵器では無いからな。」

オタコン(織斑千冬・・・。)

スネーク「・・・学園を出て、更に国境を越えれば、ISが戦争にたった今も使われているがな。」

織斑千冬「だが、この国のこの学園ではそんなお為ごかしが通用する。」

オタコン「平和ボケ出来るのは、裏を返せばそれだけ平和なんだ。“学園”の生徒ぐらいは甘受しても良い麻痺だと思うな。」



スネーク「・・・俺たちが入ってきたことに、何者かの意思を感じたのか?」

織斑千冬「そんな所だ。」

スネーク「俺は何も企んじゃいないぞ。」

織斑千冬「気にしなくて良い。モセスの時も、スネーク自身は何も知らされずに行動していたらしいからな。」

大佐「・・・ところで、用事があるんじゃないのかね?」

千冬「・・・クラス代表を勝ち取ったことへの祝福をしに来た。おめでとう、スネーク。その一挙一動、歴戦の二文字に足る素晴らしい物だった。近々に控える対抗戦に備え、より精進せよ。」

スネーク「ああ、ありがとう。」

織斑千冬「それと、これは注文なんだが・・・。」

オタコン「戦い方の是正、だね?」

織斑千冬「そうだ。ISの主な戦場は空中での高速度戦闘にある。今回のような地上のみの立ち回りも有って悪いものではないが、次からは心がけてほしい。・・・それと、火力のみで押し切るのは今回までにしてほしい。他の生徒が参考にし辛いからな。」

オタコン「悪かったね。でも、次はこうならないように装備を整えた。心配ないよ。・・・まだ何か?」

織斑千冬「今日の所はそれだけだ。・・・“スネーク”を模倣し手本にしようとする、“一般の”生徒は多い。どうかご配慮を願いたい。」

スネーク「分かった。」

織斑千冬「では、今後の精進を期待している。失礼した。」

ウィーン カツ カツ

オタコン「・・・課題が山積みだね?」

スネーク「そうだな・・・。教官に近いな、今回の任務は。休暇はどこに行ったんだ、大佐?」

大佐「ここまで君がISをデキるとは思わなかったんだ、許してくれ。」

オタコン「強い者の宿命だよ、スネーク。ノーブレスオブリージュさ。」

スネーク「・・・・・・。」

セシリア・オルコットに薄氷を履むが如し勝利を収めるも、ISについての拙さが浮き彫りになったスネーク。新しい戦場に見え隠れする何者かの意思は、彼をどこへ導こうというのか。
次回 Metal Gear Stratos
「愛国者の影」
お楽しみに。

日曜更新します。長らくごめんね。

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