美穂子「上埜さんにプレゼントを贈ろうと思うの」
池田「……ハァ」
美穂子「？」
池田(また清澄の部長ですか)
池田(最近のキャプテンはいつもそれだし……)
池田(清澄清澄清澄清澄……もううんざりだし！)
池田(たまには私にプレゼントしてくれてもいいんじゃないですかね)
美穂子「華菜？」
池田「あー、えっと、アレでいいんじゃないんですか。アレで」
美穂子「アレ？」
池田「ムーミンのぬいぐるみです」
美穂子「ムーミン……？」
池田「はい、清澄の部長とムーミンってどこか似てるし」
池田「あの人、確か親が離婚してたと思うんで寂しさを紛らわすために」
池田「ぬいぐるみとかそういうのに囲まれたい願望があるかもしれません」
美穂子「そうっだったの……」
美穂子「それなら私がずっと上埜さんと傍にいてあげるのに……」
池田「なーに言ってるんですか、キャプテン！」
池田「あなたは風越のキャプテンでしょーが」
池田「部を引っ張る人が麻雀部を放置するわけにはいかないでしょーに」
美穂子「そ、そうよね。私は風越のキャプテンだからそんな我儘通用しないわ……」
美穂子「うん、決めたわ。私、上埜さんにムーミンをプレゼントするわ！」
池田(ぷぷぷｗｗｗこれで清澄の部長とキャプテンは険悪ムードになるしｗｗｗ)
美穂子「それでなんだけど……」
池田「ん？」
美穂子「よかったら華菜もその買い物に付き合ってくれないかしら？」
池田「え」
美穂子「華菜の方がそういうの詳しいみたいだし……」
美穂子「それに選んでくれたお礼もしなきゃね！」
池田「任せろだし！ぬいぐるみ選びはこの池田華菜ちゃんにお任せあれ！」
デパート
美穂子「……」
池田「キャプテーン！」ﾄﾞﾄﾞﾄﾞ
美穂子「華菜！」
池田「ぜぇはぁーぜぇはぁー……す、すみませんだし。妹の世話してたら遅れちゃいました……」
美穂子「ううん。私も今来たところだから気にしないで！」
池田「キャプテン……」ｳﾙｳﾙ
美穂子「今日はよろしくお願いします」
池田「はい！じゃあ、早速ぬいぐるみ売り場に行きましょう」
美穂子「うふふ」
池田「こっちですよ、キャプテン！」
美穂子「あらあら、そんなに急いじゃ危ないわよ」
池田「大丈夫ですよ！ほら、私についてきてくださ――」
ﾄﾞﾝｯ
池田「ぐわっ！」
「あら」
美穂子「だ、大丈夫！？」
池田「いたたっ……ご、ゴメンだし。ちょっと前方不注意だったし」
「こっちこそゴメンね～。それより大丈夫？立てる？」
池田「あ、大丈夫です。わざわざどうもだし――え」
美穂子「あなたは……上埜さん！？」
久「ん？美穂子と……池澤さん？」
池田「違うし！池田だし、池澤華菜って誰だし！」
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