アテム「実践レベルのデッキ?」 (16)


アテム「相棒。新しいデッキを作るのか?」

アテム「相棒。また新しいデッキを作るのか?」

遊星「遊戯さんに謝らないと…」

アテム「理想VS現実」

アテム「使えないカードなんてない」

の続きになります。

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遊戯「これは…」

アテム(どうしたんだ?相棒)

遊戯「今度公式から“TACTICAL-TRY DECK”と言われる、所謂“構築済みのデッキ”が発売されるみたいなんだ」

アテム(構築済みのデッキ?そんなの昔から何度も発売されてるじゃないか)

遊戯「それが、今回発売されるデッキの売りは“実戦レベルのデッキ”らしいんだ」

アテム(…いや、それについても不思議なことはないんじゃないか?)

アテム(前から言われていたはずだぜ。初心者はまずストラクチャーデッキを3つ揃えろ──とかな)

遊戯「まあそれはそうなんだけど…ここは百聞は一見に如かず、かな」

遊戯「ほら、ここに今度発売される構築済みデッキ“TACTICAL-TRY DECK 終撃翌竜サイバー・ドラゴン”のカードリストがあるからキミも見てみなよ」スッ

アテム(ああ。わかった──)チラッ


【TACTICAL-TRY DECK 終撃翌竜サイバー・ドラゴン】

【モンスター】
サイバー・ドラゴン(3枚)
サイバー・ドラゴン・コア(3枚)
サイバー・ドラゴン・ヘルツ(2枚)
サイバー・ドラゴン・ネクステア(1枚)
サイバー・ダーク・キメラ(1枚)
壊星壊獣ジズキエル(1枚)
セリオンズ“キング”レギュラス(1枚)
銀河戦士(2枚)
灰流うらら(2枚)
増殖するG(2枚)


【魔法】
パワー・ボンド(2枚)
エマージェンシー・サイバー(3枚)
サイバー・リペア・プラント(1枚)
サイバーダーク・ワールド(1枚)
機械複製術(1枚)
機械仕掛けの夜-クロック・ワーク・ナイト-(2枚)
三戦の号(1枚)
三戦の才(1枚)
発禁令(1枚)
サンダー・ボルト(1枚)
ハーピィの羽根帚(1枚)
ライトニング・ストーム(2枚)
墓穴の指名者(2枚)
禁じられた一滴(1枚)

【罠】
レッド・リブート(1枚)
無限泡影(1枚)


【EXデッキ(10枚)】
サイバー・エンド・ドラゴン(1枚)
サイバー・ツイン・ドラゴン(1枚)
キメラテック・メガフリート・ドラゴン(1枚)
キメラテック・フォートレス・ドラゴン(1枚)
キメラテック・ランページ・ドラゴン(1枚)
サイバー・ドラゴン・ノヴァ(1枚)
サイバー・ドラゴン・インフィニティ(1枚)
サイバー・ドラゴン・ズィーガー(1枚)
閃刀姫-アザレア(1枚)
転生炎獣アルミラージ(1枚)


アテム(!? こ、これは…)

遊戯「きっともうひとりのボクは今、ボクと同じことを考えていると思う」

アテム(ああ。相棒…このデッキは──)

遊戯「──そう。君も感じてる通り、このデッキはガチすぎるんだ」


遊戯「このデッキは名の通り【サイバー・ドラゴン】デッキのはず…」

遊戯「けれど収録リストを見ると、このデッキにはサイバー関連以外のカードが多すぎるんだ」

アテム(ああ。確かに相棒の言う通り、サイバー・ドラゴンのカードが半分くらいしかないな)

遊戯「そして、さらにここで厄介なのが、このデッキに入っている“サイバー以外のカード”が優秀過ぎること」

遊戯「手札誘発は勿論、魔法・罠カードに関しても、まるで現環境のカード使用率上位を詰め込みましたってレベルでね」

アテム(…カードの使用率?)

アテム(待ってくれ相棒。そんなことができるのは…)

遊戯「うん。多分“彼ら”しかいないと思うよ」


~インダストリアル・イリュージョン社~


アテム「──来たぜ!ペガサス!!」ドン☆

ペガサス「ワッツ!?今度はいったい私に何の用デスか遊戯ボーイ!?」

アテム「ペガサス!このデッキを知っているな?」スッ

ペガサス「…これは2024年6月8日に発売される構築済みデッキ──“終撃翌竜サイバー・ドラゴン”の収録リストデスね?」

アテム「ああ。欲と金に目が眩んだお前達が発売しようとしているデッキだ!」

ペガサス「ホワッツ?欲とマネーがブリリアント・フュージョン?」

ペガサス「どういうことデスか?説明を求めマース!」


アテム「ペガサス!お前はこのデッキを“実践レベルのデッキ”と銘打ったな!?」

ペガサス「…そうデース。このデッキには超強力なカード達を詰め込みました」

アテム「ああ。お前の言う通り、確かにこのデッキには手札誘発や強力な魔法・罠カードが詰め込まれていて、今まで発売されたどの構築済みデッキよりも強く、多く売れるだろう──」

アテム「だがそれは、裏を返せば“ここまで強力なカード”をデッキに入れなければ、実践レベルのデッキが出来上がらないということ!」

アテム「そして俺が一番許せないのはペガサス!その事実を公式であるお前達が認めているということだ!」

ペガサス「……」

アテム「俺達決闘者の誇りを踏みにじり、あまつさえ決闘者の生みの親であるお前が“実践レベルのデッキ”とはどういうものかと答えを出してしまった!」

アテム「──説明を求めるのはこっちの方だぜペガサス!」


海馬「──黙って聞いていれば、しばらく見ない間に随分と情けない決闘者へと落ちたようだな。遊戯…!!」

アテム「なっ!?お前もここにいたのか!?海馬…!?」

海馬「ふぅん。当然だ。俺の闘いのロードはいつだってお前の元へと繋がっている」ドン☆

アテム「…海馬。悪いが今はお前の相手をしているわけには──」

海馬「ふぅん。俺が“そのデッキ”の開発に関わっていたとしてもか?」

アテム「何…!?どういうことだ!?海馬!!!!」

海馬「ふぅん。簡単なことだ──」

海馬「貴様はマスター・デュエル…通称MDを知っているか?」


アテム「MD?まさか──っ!?」

海馬「そうだ!MDは人種・国境・言語を超えて決闘を可能にした全く新しいデジタル・カード・ゲーム!」

海馬「今や全世界の決闘者達がこの世界で競い、闘っている!」

海馬「そして今、このMD内で無限に広がる決闘データの中から、カードの使用率や勝率等の算出が可能になったのだ!」

アテム「使用率だけでなく、勝率まで──!?」

ペガサス「そうデース。そしてこれらのデータを参考にし、決闘者の皆さんが使い、求めるカードをこのデッキに詰め込んだのデース!」

アテム「皆が使い…求めるカードを…?」

ペガサス「遊戯ボーイ。ユーの言う通り、このデッキは今までとは全く違うコンセプトで作られてマース」

ペガサス「デスが、このデッキには世界中の決闘者の魂の欠片がフュージョンされているのデース!」

ペガサス「だからどうか、そこまで邪険にしないで下サーイ!」


アテム「これもまた…決闘者の答えのひとつ…?」

アテム(俺のこの思いは…俺だけのエゴに過ぎないのか──?)

遊戯(──もうひとりのボク。ここはボクに任せてくれないかな)リィーン…

アテム「相棒?」

遊戯(──急に出てきてごめん。でもボクは、どうしても彼等に言いたいことがあるんだ)

アテム「…ふっ、わかったぜ相棒」

アテム「ここはお前に任せる──」スッ

遊戯「──っ!!」ドン☆


遊戯「ペガサス!ボクと決闘だ!」

ペガサス「!? ユーはもうひとりの遊戯ボーイ…?」

ペガサス「しかし何故ワタシがここでユーと決闘するのデスか?全く意味がわかりまセーン!」

遊戯「簡単なことだよ!ボク達が今ここでキミ達を認めてしまったら、いずれボク達はデッキを考えることをやめてしまう!」

遊戯「どれだけデッキを考えたところで、キミ達の考えた構築済みデッキを使った方が強い──」

遊戯「そんな事実を公式から知らされたら、決闘者としてこんなに屈辱的なことはないじゃないか!」

アテム(!相棒…!)

海馬「…ふぅん。貴様の言う未来では、皆俺達が選んだデッキで、俺達が提示する戦術でしか闘わなくなるということか」

海馬「ククク…なるほど。確かにそんなつまらん奴らなど、決闘者ではなく競技者に過ぎんな…」

遊戯「そうだ!ボクはそんな魂のない闘いをする人達を決闘者とは認めない!」

遊戯「だからペガサス!ボクと決闘者のプライドを賭けて勝負だ!」ドン☆

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