【安価コンマ】オリウマ娘と共に (910) 【現行スレ】

日本ウマ娘トレーニングセンター学園――通称トレセン学園。

トゥインクル・シリーズでのデビューを目指すウマ娘たちが集う、全寮制の学園。その輝かしい門を、また一人のウマ娘が――。



【貴方】はトレセン学園の新人トレーナーです。

トレーナーとしてウマ娘と向き合い、担当ウマ娘を活躍させてあげましょう。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1709398953

今月最初の模擬レース、まだ担当を持たないウマ娘たちがターフのトレーニングコースに集まっている。それを【貴方】は観客席から眺めます。

……【貴方】はまだペーペーの新米。名だたる名家のウマ娘や、この時点で才能を認められているウマ娘なんてベテラントレーナーが担当をすることでしょう。

しかし、それでも。

【貴方】自身が担当したい、そう思える走りを見せるウマ娘を見つけるために。【貴方】は模擬レースを観戦します。



今から担当ウマ娘を安価コンマで作成します。

バ場適正:コンマ直下
1〜5 芝
6〜9 ダート
0 両方

こんな時間なので自分で

バ場適正:芝GダートA



距離適性:コンマ直下
12短距離
34マイル
56中距離
78 短距離マイル
90 マイル中距離

コンマ

距離適性:スプリンター

ウマ娘のG1だとJBCスプリントが目標になったり、頑張ればマイルも行けるかもしれません。



脚質適正:コンマ直下
1〜25逃げ
26〜50先行
51〜75差し
76〜00追込み

コンマ

バ場適正:芝GダートA
距離適性:スプリンター
脚質適正:逃げ



【貴方】は芝の模擬レースを数回見た後、ダートのレースを見に行くことにした。

……丁度今からダートでの何回目かの模擬レースが始まるタイミング。ゲートが開き、各ウマ娘が走りはじめ……。

そのウマ娘は:コンマ直下
1〜3 堂々の一着だった
4〜7 ギリギリ掲示板入らないくらい
8〜0 ドベ

コンマ

結果:掲示板ならず



では、そんなウマ娘の名前や性格を決めます。

名前、性格、口調や見た目や趣味、レースにかける思いとか夢。採用できそうでしたら採用します。

一度寝ます。おやすみなさい。

そのウマ娘は――:安価下1〜4

名前
アズマカケルホシ
見た目
肩にかかるくらいの赤髪で前髪ぱっつん。正面の広範囲が白(特大流星の表現)赤い瞳。健康的な小麦色の肌で身長は高めだが胸尻は小さめ
口調
ハキハキしっかり話せる。語尾に「!」付きがち。付かないときは意に添わなかったり不調だったりわかりやすい
性格
真っ直ぐで純真。逆境も自分一人で立ち向かえる娘。というか今までそうするしかなかった
趣味
食べられる野草探し

没落したお家の再興

こんにちは
まだ募集しているので上げさせてもらいます

すみません、ウマ娘4人募集のつもりでしたがあの安価の取り方だと>>11-14になってしまいますね。

あと一人募集しています。18時になったら締め切らせてもらいます。

「……っ」

レースが終わる。見事1着でゴールしたウマ娘の元に、何人かのトレーナーが集まっている。確かに、見事の差し足であった。

……しかし、【貴方】の目線は別のウマ娘の方を向いていた。ゲートが開いた瞬間、我先にと先頭に躍り出た銀髪のウマ娘。

最初こそ好スタートだったものの、ずるずると落ちていき、他のウマ娘に抜かされて行きそのまま6着。その逃げウマの彼女は、ゆっくりと人混みから逃げるようにコースを離れて行ってしまった。

「もしかしてあのウマ娘のことが気になるんですか?」

声を掛けられる。とても丁寧な物腰の先輩トレーナーだった。彼は少し困ったような顔をしながら【貴方】に言う。

「あの子は……なんて言うんですかね。少し性格に難ありと言いますか」

……性格に難あり?

【貴方】はその先輩トレーナーに礼を言って。コースを離れ、彼女を追った。

彼女はすぐに見つかった。トレーニングコースを抜けてすぐの切り株の近く。彼女はそこに何か用があるのかもしれない。

『ちょっといいかな?』

「っ誰!?」

声を掛けると勢いよく、彼女は振り返った。驚かせてしまったかもしれない、そう思い頭を下げる。

『ご、ごめん。そんなに驚かせるつもりじゃ……』

「…………」

……何も言われない。数分の静寂。それを打ち破る様に――笑い声が聞こえてきた。

「ぷっ……ぷはははは!」

「大の大人が頭下げて、なっさけなーい! わざわざアタシに謝りに来たのー?」

――――とても馬鹿にされてしまった。思わず、目をギョッとしてしまう。

「えー、お兄さん。もしかしてトレーナー? ぷふっ……もしかしてさっきのレース見て、わざわざアタシに声掛けに来たの? 6着のアタシに? 間違えてるんじゃなーい?」

ニヤニヤと笑いながら、【貴方】の事を見てくる彼女。いわゆるメスガキ、というのだろうか。

台詞:安価下2

1 キミを、スカウトしたい。
2 ……その口調はどうなんだ。
3 自由安価

……その、馬鹿にしたような口調はどうなんだい』

【貴方】は目の前にいる銀髪のウマ娘に対して言う。大人に対して、いえ誰に対しても、そのような小馬鹿にしたような口調はあまり好まれないはずだ。

「えー? お兄さんもしかして怒ってるー? やーんこわーい! ぷっ、ふふふ……」

『……』

……成程、性格に難ありとはこういうことか。もしかしたら、このような感じで他のトレーナーにも話していたのかもしれない。

しかし、何故わざわざこんな嫌われるような……もしかしたら、これから自分のトレーナーになるかもしれない相手に対して。

『キミは』

「ん?」

【貴方】は言う。

『……何故、走るんだい』

「何その質問? アタシが何で走るか……うーんそうだなぁ」

――知らなーい! アタシは、アタシが走りたいから走るの! それだけじゃ、悪い?

あははは! そう笑って、彼女は行ってしまった。引き留めようと思ったが、もう追いつけなさそうな距離にまで行ってしまった。

小さな身体からは想像もつかない、トップスピード。青みがかった銀髪が、まるで銀色の炎のように靡く。

……明日も模擬レースはある。もしかしたら、明日また行けば会えるかもしれない。

次の日、また模擬レースを見に行く。

「あ、ストーカーのお兄さんじゃん。何々、今日も私に謝りに来たの?」

また笑われてしまった。どうやら別に昨日のことを反省をしているわけではないみたいだ。

『キミの走りを見に来たんだ』

「……ぷっ、なにそれ。ほんと見る目ないねお兄さん、アタシなんかよりもっとすごい子いるのにわざわざ?」

「早く担当見つけないと、お兄さんみたいなよわよわトレーナーは職無しになっちゃうよ?」

よわよわトレーナーと来たもんか。確かに【貴方】は新米ではあるが……。

『そんなに、自分を卑下しないでくれ』

『キミの走りは――』

「お、おーっと! じゃ、じゃあアタシ走ってくるから! バイバーイお兄さーん!」

……行ってしまった。

模擬レース結果は:コンマ直下
1 一着!
2〜9 前とあまり変わらず
0 ドベ

――逃げる逃げる逃げる。ダートを踏みしめて、土埃を撒き散らし。逃げる逃げる逃げる。

後ろから他のウマ娘が追う。しかし間に合わない、届かない……!

『――』

そして、彼女は一着でゴールした。が、しかし……。

「はぁ、はぁ……! はぁ、はぁ。はぁ……うっ……くぁ」

息も絶え絶え、今にも倒れ込みそうなくらいフラフラだった。まさに、全身全霊の走り。

『っ!』

急いで彼女の元に駆け付けて、倒れそうな彼女を抱える。

「はっ、はぁ……? おにー、さん。なに、そんな必死な顔して……馬鹿みたい」

『いいから、ほら。歩ける?』

「…………」

――保健室に向かおう。

彼女の脚を冷やす。そして簡単な手当て。新米ではあるが、簡単な処置くらいは出来る。

「ねえお兄さん。そんな、担当トレーナーでもないのに。なんでこんなことするの?」

担当トレーナーでなくてもこれくらいはするだろう。と、手当てをしながら言う。

「もしかして、アタシの脚に興味があるのー? やーん、セクハラじゃんお兄さん。変態、スケベー」

ポカポカと足で蹴られる。別に痛くもない、じゃれつくような蹴りだった。

「…………ほら、もう良いってば。あのレースは、ちょっと無理しちゃっただけだから。そんな、良いって」

「お兄さん聞いてるー? 私の脚に興味津々で聞こえてないかなー? もしもーし! 他のトレーナーさんに言いふらしちゃおうかなー!」

台詞:安価下2
1 ……そうだ、君(の脚)に興味津々だ
2 なんで、あんな走りを?
3 自由安価

『そうだ』

「へっ?」

『自分はキミに……興味津々だ』

あの脚に、あの速さに。あの走る姿に……自分は魅了されたんだ。

【貴方】は、はっきりと彼女の目を見て言った。

『だから、前みたいにあんな……自分を卑下しないでほしい』

メスガキウマ娘ちゃん:コンマ直下
1〜2 あばばばばばばばば(チョロ)
3〜8 ……ふーん、やっぱ見る目ないね。お兄さん。
9〜0 …………どうせ、また貴方も

「……ふーん、やっぱ見る目ないね。お兄さん」

彼女は、笑わなかった。

「今回はたまたま、たまたまだよ。マグレで一着取れただけ」

『マグレだとしても』

『自分は、キミのあの走りに……惚れたんだ。だから……』

【貴方】は昨日彼女追ったのだ。その走りをもっと永く見たいから、追ったんだ。

「…………」

「……じゃあ良いよ。お兄さん」

彼女は……笑った。

「アタシのトレーナーなってよ、お兄さんまだいないんでしょ?担当」

「アタシはアタシの為に走るから。お兄さんは勝手に気持ちよくなっててよ」

ぷぷぷ、とニヤニヤ笑いながら……【貴方】にそう言った。

『分かった』

「……は?」

『キミのトレーナーになって、あの走りの……手伝いをさせてくれ』

「…………キモ。ほんと、意味わかんない」

「シルヴァーパピヨン」

それが彼女の名前だ。そういえば、今の今まで彼女の名を訊いていなかった。

パピヨン「……宜しくね、変態でキモくて脚フェチのお兄さん」

『……だから昨日も言ったが、そう言った言葉遣いは』

パピヨン「えー?アタシちょっと分かんないかもー?」

――――こうして、ダートを駆ける気性難?ウマ娘。シルヴァーパピヨンとの担当契約が結ばれた。

人を煽るような口調をした彼女だが、どこか危なっかしい雰囲気が隠せない。まだまだ心を開いてもらっているとは限らないが……ゆっくりとお互いを知って行こう。

そして、いつの日かG1も――。

パピヨン「……どうせ、お兄さんも。すぐ……」

名前:シルヴァーパピヨン
バ場適正:芝GダートA
距離適性:スプリンター
脚質適正:逃げ

一人称:アタシ

性格:ワガママ自分大好きの気性難(期待されて応えられず落胆させるのはもう耐えられないから最初から好かれないようにするため)
口調:メスガキ
見た目:青みがかっている銀髪フォーテールで低身長巨乳
趣味:尻尾手入れ(するのもされるのも)
レースにかける思い:今はない、走りたいから走ってるだけ



それでは、今回はこれで。おやすみなさい。

ありがとうございます。がんばります。



パピヨン「何この部屋。なんか小っちゃいし、面白くなーい」

次の日。トレーナールームに案内して早々、パピヨンは文句を言いながら流れるように備え付けの小さな冷蔵庫に向かった。

パピヨン「えー!? 水とかお茶しかないの!? お兄さん普通もっとバリエーション増やしておいてよ! ニンジンジュースとか、炭酸とか!」

『分かったよ……』

ぶーぶー文句を言われてしまった。まさかいきなり冷蔵庫を開けられるとは思わなかったが、まあ……慣れるだろう。

……今回トレーナールームに案内したのは、今後のトレーニング方法や出走レースの確認などの話し合いの為だ。あとは諸々の書類の確認などもあるが……。

パピヨン「でー? お兄さんこんなちんけな場所で、アタシに何するつもりー? やーん、もしかして……そういうつもり?」

『先ほど話しただろう。トレーニングや今後の話を……』

パピヨン「あ、それって建前だと思ってたー? ぷふふ――んもー、冗談! 冗談だってー!」

彼女は備え付けの小さなソファに当然のように座り、「ほらほら早く喋ってー?」と急かし始める。

『まず聞いておきたい、パピヨン。キミには……夢はあるかい?』

パピヨン「この話前もしなかったっけ? 別に? 特に夢とか、走りたいレースがあるー。とかそういうのはないかなー」

アタシは走れればいいの! そして、勝てたら嬉しいな! と、明るく言ってのけた。

……では、考える。彼女の走りを考えると、ダートの、それも短距離が一番の戦場になるだろう。しかし――スタミナを鍛えれば、マイル距離も行けるかもしれないが……。

(……あの時のレース)

走り終わった後、フラフラになって倒れそうになっていたあのレース。もしかしたら適正的に厳しいかもしれない――。

さて、今後どうなるか分からないが――。


今後のレースは:安価下2
1 ダートの短距離を兎に角狙って行こう
2 マイルも考えよう。

『……スタミナをつけてマイルも狙って行こう』

彼女のあの速さは魅力的て短距離でこそ輝くだろう――しかし、レースが終わった後のあの消耗は見過ごせない。

スタミナをつけ無事にレースを走り終える、そしてマイル距離のレースも走ることが出来れば。

『きっと色んなレースに出て、沢山走ることが出来る』

パピヨン「えー? でも体力づくりとかやだなーアタシ。あれでしょ? タイヤ引いたりとか、夏の砂浜を朝から晩まで走ったりとか」

あながち間違えてはいないので、【貴方】はこくりと頷く。露骨に嫌な顔をするパピヨン。

『体力があれば途中で落ちることも無くなる、それに……勝ちたいんだろう?走るからには』

パピヨン「それは……まぁ、そうだけど? はー……ん、まあ。イヤになったら止めるからそれで宜しくねお兄さん!」

……担当ウマ娘のやる気を維持するのもトレーナーの役目だ。頑張ろう。

パピヨン「……さーて!お兄さんの隠し物とかないかなー!見つけたら写真撮ってウマッターに上げちゃお!」

……話すことはもう終わったが、なんだかパピヨンが危ないことをしそうだ。特に何か隠しているわけではないが、流石に止めて欲しい。

折角だ、彼女を止めるためにも何か話をしよう。まだ出会って一週間も経っていない。お互いの事を知るために、なにか……。

何か話してみよう:安価下1〜2
1 学業の話
2 仲のいいウマ娘の話
3 自由安価

『……その、勉強は大丈夫なのか』

パピヨン「……え。お兄さんどうしたの。いきなり親戚のおじさんみたいなこと言って』

『お、おじさん……』

すん、と真顔で言われた。

……少し悲しい気持ちになった。

パピヨン「ぷぷ、お兄さん傷ついてる〜。おもしろ〜い!」

パピヨンちゃん、頭:コンマ直下
コンマが01に近いほどバカ、00に近いほど天才じゃ……

そう言えばこの子の学年って:安価直下
1 中1
2 中2
3 中3
4 高1
5 高2
6 高3

パピヨン「ま、でーもー……お兄さんが不安がるようなおバカさんじゃないよ?アタシ」

追試?とか赤点とかは心配いらないから、安心してねー。と、手をひらひら振りながら言う。

……まあそういうのなら心配は要らないだろう。彼女を信じよう。



ご飯食べます。離席。

中1で胸でかいのは、ダスカとか見るとまああるか……って感じです。

次ウマ娘との関係安価あります。

『……トレセンに仲のいい子は』

パピヨン「あのさー!お兄さんなんかほんっ……とーに!おじさんっぽい!」

コミュニケーション下手糞すぎ!コミュ障!話題よわよわ!

『い、いや。その……キミは、少し喋り方が特徴的だから』

【貴方】は必死に言うが、パピヨンは呆れたようにジトーっとした目で見つめてくる。

……中学一年生に、こういわれるのか。自分は。

パピヨン「ま、お兄さんそういうの苦手そうだもんねー。女性経験無しでしょ?絶対そうでしょ!ぷぷぷ!」

『…………』


パピヨンと仲がよさそうな、関係ありそうなウマ娘:安価下1〜4まで。

現在公式から登場しているウマ娘から、何か関りのありそうな子を募集。パピヨンとの関係とかも書いてくれると嬉しいです。

上手く書けなそうな場合ちょっと採用できない場合もあります。

また、同室はオリウマにする予定なので無しでお願いします。

シリウスシンボリ

パピヨンの天敵


こんなかんじ?

>>51
そんな感じで大丈夫です。
このレスは抜かしてお願いします。

>>51,52,54,55
安価ありがとうございます。

寝ます。お疲れさまでした。

【貴方】トレーナーはもう少し、年相応のお兄さんにする予定だったんですけど、なんかおっさんって感じになっちゃいました。

パピヨン「例えばスカーレットとかー?入学前から仲良かったけど、まさか同じクラスになれるなんてって思っちゃったし……あ。アタシがなかよし〜のウマ娘ちゃんのことね?」

『ああ、名前は聞いたことがある』

スカーレット……ダイワスカーレット。芝の模擬レースで堂々の一着を取り、話題沸騰中の彼女。

確かウオッカという子も一緒に話題に上がっていたな、確か同室でライバル……だとか?

パピヨン「…………うわ、なんかお兄さんからアタシお友達の名前出てくるのなんかキモ。ストーカーみたい」

『キミなぁ……』

流石に言い過ぎだ、と叱ろうとするが。「やぁんごめんなさ〜い」と、謝られてしまった。

パピヨン「あーとーはー……あ、じゃあ。アタシの――」

「す、すみません。ここがシルヴァーパピヨンさんの、トレーナールームで――」

ガチャリ、と扉が開きそこにいたのは――とても小柄なウマ娘だった。

パピヨン「あ、フラワーじゃーん! やっほー、どしたのこんなところまで来て」

フラワー「パピヨンちゃん、さっき先生が呼んでたよ?なんか、提出物が……みたいな?」

パピヨン「げ。あのせんせー後で提出するって言ったのに……アタシにはアタシのペースがあるのに――あ、この子ニシノフラワーね。アタシの幼馴染」

フラワー「あっ!は、初めましてパピヨンちゃんのトレーナーさん!ニシノフラワーって言います!」

ぺこりと頭を下げてとても丁寧なあいさつをする彼女に釣られて、こちらも丁寧に頭を下げて自己紹介をする。

パピヨン「フラワーはねー、アタシより年下なのにすっごいんだよー?なんてったって飛び級!飛び級だよ飛び級!凄いでしょ!」

フラワー「そ、そんな凄くないって。恥ずかしいよ……」

顔を赤くしながらわちゃわちゃとパピヨンの口を塞ごうとする、ニシノフラワー……飛び級なんて制度があったのかと思ってしまうが。確かに、そういうオーラのようなものを感じないことも……ない。

……それにしても幼馴染。先ほどのダイワスカーレットの話と言い、パピヨンは結構仲が良い子が多いのかもしれない。

【貴方】はそれに胸をなでおろす。良かった、クラスで孤立する担当ウマ娘は居なかったんだ……と。

パピヨン「……あ、絶対今変なこと考えてる。ほら、早く行こフラワー!じゃーねーお兄さん!冷蔵庫補充しておいてよ〜?」

フラワー「し、失礼しました!パピヨンちゃんのトレーナーさん!」

……浸っていたら行ってしまった。まあ、今日は軽い打ち合わせだけで、明日からトレーニングだから良いのだが……。

『……取り合えずスーパーに行くか』

ワガママな担当のお願いを無視したら、なんだか嫌なことが起きる気がする。

フラワー「ね、ねえパピヨンちゃん」

パピヨン「どしたのフラワー?」

フラワー「その……あのトレーナーさんとは、大丈夫そう?」

パピヨン「……んー、まだ分かんないかも!アタシのお眼鏡に叶わなかったら、こっちからお兄さんをポイしちゃう、かも!」

フラワー「……きっと、大丈夫だよ。だって、パピヨンちゃんを選んでくれたトレーナーさんだよ?」

パピヨン「えー?そうかなぁ……」

パピヨンの同室は――:安価下3

1 アズマカケルホシ
2 デザートファントム
3 グリーンシルフィー

3

オリウマ娘設定作って待ってたら以前の選択式だったでござる

>>64
すみません、配慮に欠けていました。事前に以前募集した子から選択すると言っておくべきでした。



パピヨン「あ、シルフィーもう帰ってきてたんだ。おつかれ〜」

シルフィー「は、はい……おかえりなさいパピヨンさん……」

提出物を適当に提出して寮の部屋に戻ると、もうアタシの同室グリーンシルフィーが戻っていた。

アタシと同い年で、ちょーっと声が小っちゃい良い子ちゃん。ほんと、優等生って感じー。

パピヨン「あー!もう宿題してるの!?ねーねー、なんか今日配られた宿題、学力調査みたいな感じだったしちょっと……写させて!」

シルフィー「へっ!? だ、だめ、ダメですよぉ……! じ、自分の力でやらないと……!」

パピヨン「そんな硬いこと言わないでよ〜。アタシとシルフィーの仲じゃーん……あ、うそ、うそうそうそ!ごめんごめん、冗談! 冗談だから!」

シルフィー「……! !!」

な、泣かせちゃうのは違うもんね。うん。まあこれくらいやれば……嫌ってくれるよね。

シルフィー「……わ、分かんない所は……一緒に考えましょう。そうしたら、大丈夫……ですから」

パピヨン「うん?」

シルフィー「……?」

…………一緒に宿題することになった! なんで!

パピヨン「――やぁあああああああ!!!」

――ダートコースを一気に駆ける。この瞬発力は確かに彼女の武器で、これを鍛えればきっとメイクデビュー、いや重賞レースでも通用するだろうことが分かった……が。

パピヨン「ぁああああぁあ……」

へろへろへろ……と、勢いが落ちてゴールを通過する前に殆どその勢いはなくなってしまった。

――短距離であれば持つかもしれないが、ダートの短距離レースは少ない。基本的にはマイルや中距離が主で、短距離だけに絞るとなるとあまりレースには出られないかもしれない。

だからこそ、マイルでも走れるよう体力を付ける必要がある。【貴方】は改めて再認識する。

『お疲れ、少し休憩しよう』

パピヨン「ふぇ〜……お兄さん!疲れた!走るのは楽しいけど、疲れた!」

【貴方】の手からドリンクを奪い取り、飲み始める。確かにパピヨンの走りを確認するために数回走らせたが、まさかもう飽きが来たか……。

『キミの走りが見たいんだ。キミをよく知らないと、どんなトレーニングが良いかとか、アドバイスが出来ないだろう?』

パピヨン「アタシは兎に角走れればいいの!アドバイスとか別にいーらーなーいー!この加虐趣味!」

『……』

……まだ【貴方】は新米トレーナーだ。こういった場合どうすればいいのか、教本の内容を思い出してみる……やる気を引き出すために……。

しかし、中々彼女の気分を引き出すのは難しそうだ。ならば……。


【貴方】は……:安価直下
1 ……プールに行こうか(スタミナトレーニング)
2 併走トレーニングでもしてみようか(他キャラと絡み)
3 ……今日頑張ってトレーニングしてくれたらなんでもするよ(?)

パピヨン「や〜ん。いきなり水着に着替えてこいなんて……お兄さん、変態すぎ〜」

屋内プール。そこには数人のウマ娘とそのトレーナーがおり、トレーニングを始めていた。

プールトレーニングはスタミナ付けるのにうってつけだ、走るトレーニングに飽きたなら、こちらでやる気を出して欲しかったが……。

パピヨン「お兄さんの視線が、アタシの体をジーっと見つめてる〜!変態お兄さーん!ぷ、ぷくくっ!」

『……ほら、早くプール入って』

パピヨン「あー、照れてる!お兄さんかっわい〜!はいはーい、頑張りまーす」

泳げるの?:コンマ直下
1〜4 泳げるよ
5〜7 ビート版ヨシ!
8〜0 ばぼ!ぶくくくく!ぶぼば!

寝ます。おやすみなさい、ありがとうございました。

泳げました。中々やりますね。

どっかでステゴの血は入ってそうですよね。シルヴァーって聞くとシルヴァーソニックでオルフェ産駒ですし。

基本スペック高め中一スプリンターメスガキ。



パピヨン「ぷは〜……ひー、あー……きゅうけ〜」

25メートル時点でバタフライを止め、ぷかぷかと浮いて休み始めたパピヨン。

……もし泳げなかったらどうしようか、そんな考えすら吹き飛ぶ見事なバタフライだったが……如何せんすぐにバテてしまった。

『ほら、止まらない止まらない。まだ始まったばかりだぞ』

パピヨン「え〜? お兄さんひっどーい! そんなにアタシが泳ぐ姿が見たいの? ワガママー」

ワガママはどちらだ、と声に出しそうになるのをグッとこらえる。ぶーぶーと文句を言うパピヨンをどうにかこうにかおだてて、泳いでもらう。

『よっ!流石!』

『パピヨンの泳ぐ姿が眩しい!』

『ウマ娘のマーメイド!』

パピヨン「…………っ」

『……待て、待て。なんで黙ってプールから上がって……パピヨン!?』

……何も言わずに逃げようとしたパピヨンを連れ戻し、なんとかプールトレーニングを完了した。

芝を走り、走り。プールで泳ぎ、泳ぎ、たまにサボられ――なんとかシルヴァーパピヨンとのトレーニングは上手くいっていた。

――これならきっとメイクデビューでも活躍するだろう、が……。

パピヨン「お兄さーん!ちょっとー!ジュースきれてるんだけどー!ちゃんと補充しておいてよー!」

メイクデビュー、短距離を走らせるかマイルを走らせるか。確実に勝つのなら短距離だろうが、今後の事を考えるとマイル距離でデビューし、改めて今後の事を考えるのも手かもしれない。

パピヨン「ねー!お菓子ないのお菓子!アタシポッキー食べたいんだけど!トッポー!」

……しかし結局はパピヨンが走ってくれるかどうか。彼女が嫌がればまた考え直さなければならないが――。

パピヨン「おーにーいーさーんー!」

『……聞いてるよ。あとでスーパーに寄るよ』

パピヨン「んもー、アタシが言う前にちゃんと補充しておいてよね!プリンとかも買ってきてねー?」

……案外こういうところは中学生らしい。普段の言動も……まあ、それらしいと言えばそれらしいなと、【貴方】はなんとなく頷いてしまう。

さて、ではメイクデビュー。シルヴァーパピヨンは……。


メイクデビュー――:安価直下
1 ダート1200m
2 ダート1600m
3 ……いや、彼女に決めてもらおう。

『なあ、パピヨン』

パピヨン「んー?」

『キミは、最初のデビュー戦……短距離とマイルどちらを走りたい?』

【貴方】自身が決めるより、彼女に決めてもらったほうがきっと良いだろう……そう考えた【貴方】は、パピヨンに問いかける。

パピヨン「えー?アタシとしてはどっちでも良いんだけど。どっちでも走れるんでしょ?」

『気分で良い、なんとなく短く走りたいとか。ちょっと長い距離走りたいとか、それくらい気軽で』

パピヨン「ぷぷ、気分で良いの〜?お兄さん、もしかして考えるの放棄してぜーんぶアタシに丸投げ〜?」

『キミの気分が大切なんだよ、キミが走りたいレースを走らせてあげたいんだ自分は』

パピヨン「…………なにそれ」

……なんだか、引かれてしまった。

距離は:コンマ直下
1〜5 ……短距離
6〜0 じゃ、マイル

パピヨン「……短距離」

ほんの少しの沈黙の後、彼女はそう呟いた。

短距離か、確かに最初は自分の得意な距離で走りたいか。【貴方】はすぐに納得して頷く。

『分かった、じゃあメイクデビューは短距離で走ろう』

パピヨン「……当然でしょお兄さん!アタシ、確かに沢山走りたいけど、デビューから躓いて未勝利戦をうろちょろなんて趣味じゃないから!」

アタシの走りで〜……お兄さんをビビらせちゃうから。と、自慢げに笑う。

パピヨン「あ、じゃあアタシそろそろ部屋戻るから!今日はお疲れ〜、ちゃんとジュースとお菓子用意しといてよね!」

『ああ、また明日。お疲れパピヨン』

パピヨン「…………」

短距離、アタシが今自信を持って走れる距離。一番強く走れる距離。

確かに勝ちたいからこの距離を選んだ――その理由は勿論ある、けど……。

パピヨン「……ぅー」

――嫌われたくない。あんなに気を付けたはずなのに、嫌われたくないと一瞬でも思っちゃった。

メイクデビューでもし勝てなかったら……期待を裏切っちゃう。

パピヨン「…………走ろ」

アタシは、夜のダートコースへと向かった。

トレーニングやパピヨンとの関係も進み、次のレースも決まったので少し自由安価入ります。

初めてなので、こういうイベントが見たい。というのをレスしていただければそれを採用して書きます。【貴方】とパピヨン以外でも、以前募集したパピヨンと関係のありそうなウマだったり、グリーンシルフィーの登場もありです。

見たいイベント:自由安価下3まで。



寝ます。お疲れさまでした。

夜のダートコースでナカヤマフェスタとばったり
らしくないとからかわれつつ走りを見てもらうことに

おつ
そういえばシルフィーちゃんは適正と距離はどうなります?



ナカヤマ「――おいおい、なんだからしくねぇことしてんじゃねぇか」

パピヨン「はぁ、はぁ……あ、ナカヤマ先輩」

夜のダートコース、走り込みをしているとナカヤマ先輩に声を掛けられる。

……ナヤカマフェスタ先輩。入学したばかりの時に、ちょっと喋ることがあってからなんだか気に入られて、今の今までちょくちょく喋っている。

結構素行不良だけど、ヤンキーとかそういうのとはちょっと違う感じの……ぷぷ、お兄さんだったらあんまりかかわるなとか言うかな?

ナカヤマ「なあパピヨン?お前そんな真面目に練習とかする奴だったか?」

パピヨン「……別に〜? アタシだってメイクデビュー前にはちょっとくらい練習するする〜」

ほら、もしデビューに失敗しちゃったらどうしよ〜?みたいな。この前先輩が言ってたスリル?心のヒリつき?

ナカヤマ「……ククッ、随分と可愛らしい一面もあるじゃねぇか」

パピヨン「むっ……」

ああもううるさいなぁ!と、ちょっと怒る。しかし先輩には全く効いていない。逆に笑われる。

パピヨン「もー!何なの先輩!アタシ、珍しく真面目なんですけど!」

ナカヤマ「キャンキャン吠えるなよ――後輩。じゃ、小さな心臓がバクバクのお前の走りで、一つ賭けでもさせてもらうか」

パピヨン「……賭け?え、やだ。アタシ今お金ないんだけど」

ナカヤマ「賭けるのはお前の脚。私が提示するタイムで3ハロン走れるかどうか……もしお前が走れたら、明日メシでも奢ってやる」

パピヨン「ほんと!?やったぁごちそうさまでーす!」

ナカヤマ「そしてもし走れなかったら……当然、お前が私に奢るんだぞ?」

「はいはい分かってる分かってる!明日何食べようかな〜……」と、後輩の話は聞こえていない様子に、ナカヤマは呆れたように笑う。そして――。

パピヨン「はぁああああ!?今のなし!ノーカンノーカン!もっかいもっかい!」

ナカヤマ「ハハハ!そんな走りじゃ一か八かもありえないか!いいか、まずお前の走りは――」

――そしてもう一度、ダートを走る。

『あれ』

パピヨン「おはよ〜お兄さーん……あれれ、何か探してるの?」

『補充したばかりのニンジンジュースが何故かもう無くなって……すまん!買いに行ったはずなんだが……』

空のペットボトルすらないから、そのまま盗られたか……?【貴方】の呟きに、パピヨンの視線がそーっと斜め上に。

パピヨン「あ〜……も、もードジだなお兄さん!い、いーよいーよ!ニンジンジュースは!」

『いや、けど……』

パピヨン「じゃ、じゃあ今度一緒にスーパーに買いに行こ!アタシ、そういう気分かもー?」

『……???』

明らかに普段の様子と違うパピヨンに首をかしげる【貴方】。もしかして、なにか悪いことでもしたんじゃないか――。

……そこまで考えて、【貴方】はパピヨンを信じよう。と思った。そんなことはしないはずだと。

パピヨン「あ、あはは〜……はは」

>>84
決めてなかったので決めます。

グリーンシルフィーの適性は……:安価直下
1 ダート!
2 芝!
3 両方走れる変態!

芝を走る子です。距離は……:安価直下

1 短距離
2 マイル
3 中距離
4 長距離

中距離が主戦場なだけでマイルや長距離も走れるかもしれません。

ダート走れる子だったらライバル路線もありでしたが、別にパピヨンと同期のダートウマを募集してもいいかもしれませんね。

では、グリーンシルフィーのトレーナーさんの話を。

グリーンシルフィーのトレーナーは:安価直下
1 もう契約してます
2 まだいません

パピヨン「あー、ねーねーシルフィー。シルフィーってもうトレーナー居るんだっけ」

トレーニングを終えて暇だったので、机に向かって何か作業をしているシルフィーに訊いてみる。

なんだっけ、結構色々小説とか絵本とか作ってるんだっけ?見たことないけど。

シルフィー「ふぇっ!?は、はい……この間、トレーナーさんが契約してくれて……」

パピヨン「おー!じゃあそろそろデビューして走るんだ?」

シルフィー「ど、どうでしょう……?まだデビューの予定は決まっていないので、パピヨンさんと同じ時期に走る……というのは、ないかもしれません……けど」

あー、しっかり準備してから走るタイプねー。シルフィーって。

パピヨン「ふーん……あ、じゃあ。トレーナーさんどんな人なの? アタシのトレーナー……?は、ちょっとアレだけど」

ちょっと変態で、キモいお兄さん。そういうと、シルフィーは目をギョッとさせて。

シルフィー「だ、ダメですよぉ……!そ、そんな風にトレーナーさんを言ったら……!」

パピヨン「ぷくく!だって本当のことだし〜?んで、シルフィーのは〜?」

シルフィー「え、ええっとぉ……」


シルフィーのトレーナーさんは:安価下1〜2

性別や簡単な性格とか。ちゃんと登場するかは分かんないです。

シルフィー「すっごい、真面目な人……です。スーツと眼鏡が凄い似合ってていて、なんだか
……大人の女性、って感じで」

パピヨン「えー、なんだかかたっくるしそ〜。大丈夫?息苦しくない?」

シルフィー「そ、そんなことないですよ!と、トレーナーさんが、私を選んでくれたから……その想いに、答えたいんです……!」

……それに、ちょっと憧れてるん、です。私も、あんな風に大人の女性に……みたいな。

パピヨン「…………へ〜。シルフィーって、そういうとこあるんだ」

シルフィー「えっ……えっ?」

やっぱ、綺麗なお姉さんとか仕事が出来る人とか見ると憧れるもんなんだ〜。アタシ、よく分かんないけど。

パピヨン「あ〜でも、そういう人に限ってオフの時すっごいだらしないとか、よくあるよね」

シルフィー「……そ、そうですか?」

パピヨン「そうだって!ほら、仕事はバリバリの人が、私室は汚部屋みたいなの!ドラマとかでよくあるじゃん!」

シルフィー「う、うーん。そうなんですかね……でも。そういうのって、結構創作だけだったり……しませんか?」

パピヨン「あーでもアタシのも、ちょっとリアルだらしなさそ〜。料理とか絶対できないでしょ」

シルフィー「あ!私のトレーナーさんは、料理できるって言っていました……!」

……消灯時間が来るまで、シルフィーとトレーナーさんの話で盛り上がった!

うーん、やっぱお兄さんはトレーナーの中でもだめだめな部類かなぁ。キモさはダントツかもだけど。

一旦ご飯食べます。離席。

オフの日のシルフィートレーナーががっつりシルフィーにお世話されちゃうのが見たいです。

定番だけど良いですよね

パピヨン「……んー?」

コースに人だかりが出来ている。なんだなんだと歩きながら見てみると……。

ルドルフ「――!」

パピヨン「あー、ルドルフ会長さんか」

シンボリルドルフ会長。このトレセン学園の生徒会長さんで、無敗の三冠馬とかいう凄い人。

そりゃそんな人がトレーニングしてたら人だかりもできるよね。

……にしても、あんな色んな人に期待されても、全然気にせずトレーニング。それが当然みたいな、期待されて当たり前みたいな……凄いなぁ。

パピヨン「アタシには真似できな――きゃっ!」

「……アンタ、周りをよく見て歩きな。そんなに皇帝サマが好きなら止まって見学しな」

思わずぶつかりそうになったのを、身体を大きくひねって避ける。

――あれ、もしかしてこの人。ナカヤマ先輩の……。

パピヨン「……シリウスシンボリ、先輩」

シリウス「へぇ?私のことを知っているか。勉強熱心な子犬だ……どうした、そんな目をして」

パピヨン「あ、アタシは子犬じゃなくてパピヨン!シルヴァーパピヨン!貴女の同室のナカヤマ先輩と仲良くさせて貰ってます!」

シリウス「……ナカヤマと?ふん、アイツと仲良くとは、なかなかどうして吠えるじゃねぇか。なぁ、子犬」

シルヴァーパピヨン、パピー。随分と子犬にお似合いの名前じゃねぇか。と、目の前のシリウス先輩に、笑われる。

……なんだか無性にムカつく!

パピヨン「はぁ〜?アタシ、そんな子犬とか言われたくないんですけど?先輩だからって、ちょっと勝手にあだ名付けないでくれます?」

シリウス「……ははっ、そんな覚えた眼でそう睨むなよ子犬」

……瞬間、アタシの顎を手で杭っと持ち上げられて――こ、これ。顎クイ……!?

パピヨン「……っ!」

シリウス「さっきみたいに吠えてみろよ、私に対して震えながらキャンキャンな」

パピヨン「うが〜! 止め……て! アンタ嫌い! なんかゾワゾワする!」

――そう吐き捨てて逃げる。なんだかあの人、雰囲気というか、喋り方が……キモい!

シリウス「……ふっ。面白いなあいつ、後でナカヤマに訊いてみるか」

――――メイクデビュー当日。中山レース場、空は青く晴れ、快晴。

【貴方】は今、初の担当ウマ娘、シルヴァーパピヨンのメイクデビューを迎えていた。

担当ウマが緊張しているかもしれない、ならばそれを解消してあげるのがトレーナーとしての役目だ――。

パピヨン「すご!ねーお兄さん!ここお菓子置いてる!食べよ!」

『……』

……別に緊張はしていなさそうだった。

『なあ、パピヨン。キミ……緊張はしていないみたいだな』

パピヨン「ん?別に緊張とかしてないけど〜?もーしかしてー……お兄さん、緊張してるの!?」

うわ、マジ〜?大人なのに、中学生よりガチガチとかなっさけな〜!ぷぷぷ〜!

……ここぞとばかりに煽られる。しかし、これでめげるなら彼女のトレーナーはやっていけない。

『……もう一度確認しておこう。中山ダート1200mの出走人数は10人、作戦は――』

パピヨン「あー大丈夫大丈夫!作戦はアタシが走りたいように走る!それで一番最初にゴールを通る、それで良いでしょ?」

ま、お兄さんはプルプル震えながらアタシの走りを見ててよ?と、にやりと笑い。パドックに向かおうとする……。

【貴方】は、引き留める。

パピヨン「え〜、何々?アタシもう行くんだけど――」


『――頑張れ。パピヨンは、パピヨンの走りを見せてくればいい』

キミの圧倒的な逃げを、期待しているよ。と、【貴方】は、言った。

パピヨン「…………!」

……一瞬の、沈黙。パピヨンは困った表情をして。

パピヨン「……お兄さん、ちょっと恥ずかしいよ〜?ぷぷ」

そして、駆け足で行ってしまった……

メイクデビュー!結果は:コンマ直下
1 圧倒的勝利!!!
2〜8 勝利!
9 あちゃ〜
0 おおっと

勝った!

それじゃあ、今日はこれで寝ます。お疲れさまでした。


そしていきなりですが、パピヨンと同期のダートキャラ募集します。前回のキャラ募集と同じように送ってくれると嬉しいです。

同期ダートウマ:安価下1〜3

よろしくお願いします。

パピヨン「――!」

ゲートインが完了し、各ウマ娘一斉にスタートし最初にハナに立ったのは3番シルヴァーパピヨン。

1バ身、2バ身と差を広げ戦闘を進む彼女の後に続くように、他のウマ娘が各々のペースで走り始める。

パピヨン「あ、は――」

思わず、笑みが零れる。最近は泳いだりするばかりで、あまり走れていなかった分。その走りはとても、気持ちのいいものだった。

全身に風を受け、風を切る音をその耳で感じる。そして目の前には誰も居ない――パピヨンは小さな頃から走ることが大好きなウマ娘だった。

楽しい、楽しい。走りたいから、走る。走ることが楽しいから、走る。彼女はただそれだけだった。

――コーナーを曲がり最終直線。6番と8番のウマ娘が、パピヨンに迫る。

パピヨン「――もっとっ!」

が、しかし。飽きても飽きてもやらされたプールトレーニングのおかげか、彼女にはまだスタミナがあった。

迫るが、縮まらない。差が一向に縮まらないまま、先頭のパピヨンはどんどん前へと走り――!

ワァアアア……!観客席から、歓声が上がる。【貴方】の担当ウマ娘、シルヴァーパピヨンは見事メイクデビューを華々しく勝利を飾った。

『パピヨン……!』

思わず手を力強く握りしめる。そうか、パピヨンはやったんだ……!

パピヨン「……勝った。勝った、勝った……!」

ゴールを通過した彼女は、その勝利を噛み締めていた――噛み締めている、はずだった。

『パピヨン……?』

しかし、なんだろう。なんだか猛烈に嫌な予感がする。彼女はそうだ、ワガママで、初めて会った時初対面でも【貴方】を馬鹿にした――。

パピヨン「は〜〜〜? ちょっと、なに喜んでんの?」

――歓声が、止まった。

パピヨン「アタシが勝つなんて当然でしょ!アタシはもー、すっ……ごい強いんだから!こんなデビュー戦何かで騒がないで!」

『お、おい。パピヨ――』

パピヨン「ぷぷ、ぷははは!こんな当然の勝利に、きゃーきゃー喜んじゃってぇ……バカみたーい!見てるだけの人ってなーんにも分かんないんだ!」

――――今にも倒れそうだ。ああ、終わった……血の気が、サーっと引いていく。

彼女を迎えに地下バ道に行くと、その彼女は何もなかったように笑い手をひらひらと振ってきた。

パピヨン「あ、お兄さーん。どうだった、アタシの走りー?」

『き、キミなぁ……』

……観客に向かってあんな発言。観客に対しても、他の出走ウマ娘に対しても失礼だ。そんなことは当然で【貴方】は、それを叱ろうとするが。当の本人は全く聞く耳を持たなかった。

パピヨン「あ、もしかして怒ってる?だって本当のことでしょ?お兄さんももっともーっとアタシを凄いレースで走らせたいんだから、こんなところで負けてられないよー?」

『だからと言って、あんな台詞は――』

パピヨン「……問題、ないでしょ?」

『……!』

時々、思う。もしかして……彼女のこの言動には、何か意味があるんじゃないかと。ただ煽るだけじゃない、ただ意味もなく嫌われるような言動をしているわけではないのだと。

ほんの少し、パピヨンのトレーナーをしていて、【貴方】は、そう思った。

「――すみません、シルヴァーパピヨンさんよろしいでしょうか!」

パピヨン「……んー?」

記者「先ほどのレースお見事でした!あ、わたくしこういうもので……」

手渡された名刺を見ると、ウマ娘レース雑誌の記者だった。有名でもなければ無名でもない、そこそこの雑誌――デビューを見事勝利した、パピヨンに取材をしたいのだろう。

記者「では単刀直入に聞かせてください!次のレース予定は!レース後に、あんな啖呵を切った、彼女の次のレースは――全日本ジュニアでしょうか!」

『……すみませんが取材の方は』

パピヨン「えー?良いじゃん良いじゃん、アタシを取材だなんてよっぽど見る眼があると思うな、この記者さん」

記者「はは、そりゃ当然ですよ!あんな見事な逃げ、あのヒール振り!取材せねばなりませんよ!」

ぐっ!と拳を握り締める記者。なんだなんだこの二人……。しかし、まあ、そうだ。

――全日本ジュニア優駿。川崎のレース場で行われるデビューしたばかりのウマ娘だけが出ることのできる、マイルのダートG1。

確かに出走して一着を取ることが出来れば、パピヨンの人気は格段に上がるだろうが……しかし距離が問題だ。

マイル1600mをパピヨンは耐えられるのか……?プールトレーニングは行っているが、それでも……。

(……)



次のレースは:安価直下
1 ええ、挑戦します。全日本ジュニア優駿。
2 いえ、今のところは他のダートレースを目標にしています。
3 ……大事な話ですので、パピヨンと話し合い決めていく予定です。

遅い時間なので寝ます、お疲れさまでした。安価は下でお願いします。

レースは基本ゲーム準拠です。実際にあるレース名とかはあまり詳しく知らないので、何かあったら教えてくれると嬉しいです。

海外のダートレースとかはパピヨンが行けそうなら行きたい気持ちです、ドバイとかね。

『……ええ、挑戦します。全日本ジュニア優駿』

パピヨンは言った。アタシは走れればいい、走りたいから走ってるだけ――ならば、ここで彼女が一着を取り、マイルでも走れることを証明できれば。彼女はより沢山のレースで走ることが出来るだろう。

記者「そ、それはつまり!全日本ジュニアにおいてもパピヨンさんの見事な逃げを決めると!?」

『え、いや。確かにパピヨンは逃げウマですが――』

記者「これは新しいダート新星ですね!お時間ありがとうございました!この後のウイニングライブも楽しみにしています!それでは!』

そして記者は行ってしまった……変なことは言わず追い返したほうが良かったかもしれない。が、しかし良い機会であるのは確かだ。

【貴方】は、チラリと横に立っているパピヨンを見る。

パピヨン「……や〜ん。お兄さんがアタシのことちらちら見てる〜、キモ〜い!」

『その、すまない。自分一人で決めてしまって』

パピヨン「あ、全日本ジュニア?別に気にしてないけど?アタシはただ走るだけだし、お兄さんは走れっていうなら、アタシ走るよ?」

G1でもマイルでも〜……アタシは変わらず走るだけ。知ってるでしょお兄さんなら?と、プププと笑いながら言う。

『……そうか。じゃあ行こうパピヨン、全日本ジュニア優駿でキミの走りを見せつけよう』

パピヨン「は〜い。ま、アタシなら全員ぶっちぎって超逃げ勝ちなの確定だよね〜」

――こうして、【貴方】とシルヴァーパピヨンは初のG1、初のマイル距離に挑戦することになった。

これがどのような結果になるかは、誰にも分からない――。

ダスカ「すみませーん、シルヴァーパピヨンさんの控室で間違いないでしょうか……あ、パピヨン」

控室に戻り少し休憩していると、コンコンと丁寧なノック。どうぞ、と声を掛けるとそのウマ娘が入って来た。

フラワー「パピヨンちゃんメイクデビューお疲れさま!とても良いレースだったよ!」

ダスカ「でもレース後のあの発言!ああいうのは控えなさいって、前に何度も……!」

パピヨン「だって本当のことじゃーん。アタシ、別に間違ったこと言ってないし〜?」

『フラワーと……ダイワスカーレット?』

ダスカ「あ、ご存じだったんですね。アタシ、ダイワスカーレットって言います。パピヨンのトレーナーさん」

パピヨンの同期であり芝レースで話題になっているダイワスカーレット。確かパピヨンと仲良くしてもらっているらしいが……。

『初めまして、スカーレット』

パピヨン「てか、あれ。スカーレットとフラワーって仲良かったっけ?」

フラワー「丁度控室に行く途中でスカーレットさんに会ってね、お互いパピヨンちゃんに用があったから……」

ダスカ「そうよ、パピヨンのデビューを応援しに来たんだから!」

パピヨン「へ〜?二人とも優しいじゃーん。ありがと〜!」

ダスカ「でも、怪我なく終わって良かった……あとはウイニングライブだけね!」

『……ウイニングライブ』

ウイニングライブ。パピヨンは一着だったから当然センターで歌い踊るのだが……。

『パピヨン。キミ……ダンス練習は』

パピヨン「ん〜、授業でちょっとやったくらい?」

フラワー「パ、パピヨンちゃん大丈夫なの?ちゃんと踊れる?」

パピヨン「大丈夫大丈夫!アタシの事を応援してくれるファンの皆さんに、感謝の気持ち伝えちゃお〜!ぷふふ!」

……すこぶる心配だ。レースの事ばかりで、全くダンス練習は出来ていなかった……授業で練習したとは言うが、観客の前で無事踊れるか……。


ウイニングライブは……:コンマ直下
1 完璧!
2〜9 可もなく不可もなく
0 あちゃ〜

パピヨン「――♪」

取り合えずミスなどをすることはなく、パピヨンはウイニングライブを終えた。しかし、なんだかどこか危なっかしい。

隣で踊るウマ娘にぶつかりそうになった場面など、見ていてハラハラしてしまう。

……しかし、その歌声や踊りのキレなどはだいぶ完成されていた。

(……他の子と一緒に踊らせてみたりするのも必要かもしれない)

パピヨンはあまり周りを考えない、だから周囲を見渡す協調性が培われれば……。

『まあ、それを今考えるべきではないか』

センターで歌って踊る担当ウマ娘を見る。

パピヨン「――――♪」

……あんなことを言ったばかりだとは思えないほどの、笑顔だった。

自分も頑張らなければ。【貴方】は、そのライブを聞き、再確認した。

『……』

メイクデビューの次の日。【貴方】は、トレーナールームでメイクデビューの録画を見ていた。

パピヨン「あれ〜、お兄さん。そんなビデオなんか見ちゃってどしたの?もしかして〜……タイプな子でもいた?」

『ああ、パピヨン。実はな……』

パピヨンと同期のダートウマ娘の情報を集めるべく、色々なレースを見ていたのだが……その中でも今話題の子のメイクデビューを見ていた。

ライム「やぁああああああああ――!」

――ステラライム。パピヨンの一週間前にデビューしたばかりのダートウマ娘。この子も、きっとパピヨンと同じ全日本ジュニア優駿に出場するだろう。

そしてその走りは……。

ステラライムの脚質は:安価直下
1 逃げ
2 先行
3 差し
4 追込み

前から3番目辺りに付き、最後の直線で一気に抜き差す。お手本のような先行差し……ステラライムの地力がハッキリと分かるメイクデビューであった。

ライム「――やりました、やりましたよトレーナーさん!トレーナーさーん!」

パピヨン「ぷぷ、元気な子だね〜」

『まだ分からないが、きっとこのステラライムが全日本ジュニアでは有力バとなるだろうな』

それに、きっとこの子はマイラー……スプリンター気質のパピヨンと彼女ではそもそものスタミナ勝負で負けて刺されてしまうかもしれない。

パピヨン「……ふーん。じゃ、アタシはこの子に追いつかれないように沢山スタミナ付けて、逃げ切れば良いわけ?」

『まあ、そういう訳なんだが』

スタミナ、それにパワーもスピードも何もかもがまだパピヨンには足りないかもしれない。だが……それをどうにかして送り出すのがトレーナーだ。

『頑張ろうパピヨン、自分がキミを勝たせるよ、そのためのトレーニングも――』

パピヨン「うわ、なんかキモ。勝たせるよ……だって〜!ぷぷぷ!カッコいいこと言ったつもりだ〜!」

……頑張ろう。パピヨンは勝てないウマじゃないはずだ。

『さて、ではトレーニングを始めよう』

プールは勿論ジムでの筋力トレーニング、それに他ウマ娘との併走……やれることは沢山ある。

『それに、彼女のやる気維持もしなくては』

昨日安売りしていた為大量に購入したジュースやお菓子をトレーニングルームに置いておくことも忘れない。それ以外にも、何か彼女のためにやって上げれることがあるかもしれない……。

『……ただ年頃の女の子の好きな物やことって知らないな』

まあ、やれるだけやろう。さて、トレーニング内容をもう一度考え直してみよう……。

見たいイベント:自由安価下3まで。



前のように、イベントを書いてください。

パピヨン視点でも、【貴方】視点でも。

ダスカ「パピヨンの好み……ですか?」

パピヨンの好きなものを探るべく、【貴方】はクラスメイトであるダイワスカーレットに話を聞くことにした。

彼女ならきっと色々と教えてくれるだろう。

『本人に直接聞くことも考えたんだけどね、ちょっと……』

――え〜!アタシの好きなものが知りたいのお兄さ〜ん!年下の女の子のそういうの知りたいって、なんか必死!ぷぷぷ!

……こんな感じの事を言われるだろうと思い、なんだかめんどくさくなりそうだったので止めたのだった。

ダスカ「あはは……まあ、アタシもパピヨンの事は色々知ってるつもりですけど、好きなものと言われると……」

『好きな食べ物とか、趣味とかでも構わないんだが……』

ダスカ「そうですねぇ」


パピヨンの好きな物とか趣味とか:安価直下
1 尻尾の手入れとか好きですよ
2 ……お兄さんをからかうことって
3 自由安価

ダスカ「そういえばパピヨンって尻尾の手入れが好きなんですよ」

『尻尾の手入れ?』

ダスカ「あの子がする尻尾の手入れ、凄い丁寧で気持ちが良いって評判なんです」

ウマ娘にとって尻尾とは感情表現などにも使われることがある大事な部位だ。専門のシャンプーやトリートメント、櫛など沢山の種類があり、匂いなども気を付けないと気分が悪くなったりすることもある……らしい。

尻尾は生えていない為よく分からないが。パピヨンにそんな趣味があったなんて……知らなかった。

ダスカ「沢山オイルとかシャンプーを持っているんですよ。そのウマ娘にあったものを探して、職人みたいに櫛を使って」

『なるほど……』

ダスカ「あ、あと。するのも好きだけどされるのも好きだって」

『!』

されるのも好き。もしかしたら、自分が上手に尻尾の手入れをしてあげれたら、パピヨンのやる気に繋がるかもしれない!

『スカーレットありがとう!今度またお礼をするよ!』

ダスカ「へっ?あ、は、はい……ま、待ってください?もしかして尻尾の手入れを――ト、トレーナーさん?!」

取り合えず、急いで本屋によって……あと尻尾のオイルとシャンプートリートメント……。

パピヨン「あー、疲れた〜……お兄さんジュース!」

『はいはい』

トレーナールームのソファに倒れたパピヨンの手に、冷えたニンジンジュース入りのコップを手渡す。勿論ストローを差して。

パピヨン「ん、よろしい」

ちゅーちゅー飲み始めるパピヨン。そして【貴方】その話を始める。

『……実は今日はキミにしてあげたいことがあるんだ』

パピヨン「……え、なになに〜?もしかしてエッチなこと?きゃ〜!お兄さんにセクハラされちゃう〜!」

スマホを見ながら、いつものように笑うパピヨン。その態度はいつも通りなので【貴方】は気にせず続ける。

『嫌なら言ってほしい。今からキミの尻尾を手入れさせてほしいんだ』

パピヨン「へー、尻尾の手入れ?良いじゃん良いじゃん、アタシ実はちょーっとそっちにはこだわりが――――」

彼女の言葉が、止まった。手に持っていたスマホが、ぽとりと体に落ちる。

【貴方】を見つめ固まってしまったパピヨン。

パピヨン「…………は?」

『だから、尻尾の手入れをさせて欲しいんだ。不快だったら言ってくれ』

【貴方】トレーナーの尻尾手入れ:コンマ直下
01に近いほど下手糞、00に近いほど上手



ご飯の為離席。

尻尾手入れ、滅茶苦茶親しい仲じゃないとさせてくれたりしないと思います。異性なら特に。

と、いう訳でパピヨンの尻尾の手入れの許可を貰った。

パピヨン「…………」

本屋で買った「誰にでも分かるウマ娘の尻尾手入れ!」の内容を思い出しながら。道具の準備をする。

『それじゃ、尻尾に触るからな』

パピヨン「変な風に触ったら怒るから……んっ」

尻尾に少し触れた瞬間、彼女の口から小さな吐息。思わず手を止めてしまう。

『だ、大丈夫か!?や、止めるか!?』

パピヨン「ちょ、ちょっとびっくりしただけだって……ほら、お兄さんか言ったんだから手を止めないでよ」

……そう言われて、もう一度手入れを続ける。尻尾を持ち上げ、手に持った専用の櫛を尻尾に入れる。

毛並みに沿ってすーっ、すーっと櫛を動かして……。

パピヨン「……お兄さん下手糞。触り方もそうだけど、櫛の入れ方も動かし方も最悪」

『え、あ、ごめん……』

……流石、職人と言われるような彼女に対して付け焼き刃の知識を付けただけの自分では、この時点でもう駄目らしい。

なんだか、申し訳ない気持ちでいっぱいになってしまう。

パピヨン「はぁ……ほら、櫛の入れ方はそんな真っすぐじゃなくて、ちょっと斜めに入れて」

『……あ、ああ』

パピヨン「そうそう。それで優しく撫でるみたいに、尻尾の先に向かって三回くらい」

彼女の言われたとおりに櫛を動かす、確かにさっき自分でやった時よりも尻尾が綺麗になった……気がする。

パピヨン「この櫛入れもシャンプーとリンスをしてからの方が良いんだけど、ここじゃね〜。ほら、次はオイルを用意して、因みに匂いは?」

『……柑橘系の匂いの奴を買ったよ』

パピヨン「柑橘系……なんでそれを買ったのか、アタシ知りたいな〜」

『……キミにはこの匂いが合うと思ったからだよ、もしかして苦手な匂いだったか?』

パピヨン「…………いや、別に〜?じゃ、それを手にしっかり馴染ませて、尻尾全体に塗り込んで」

『ああ』

毛の裏表全体に均等にオイルを塗り広げると、段々尻尾全体に光沢が帯びてきた。

パピヨン「そうそう、そんな感じ……ん〜……あ〜……」

……尻尾が小さくフリフリ揺れている。

『……これで終わりか?』

パピヨン「えっ?……あー、そう。オイルも塗ったし終わり終わり。お兄さんお疲れさま〜」

『その、なんだ。キミの言うとおりにしてしまったけど……どうだった?」

パピヨン「へたっぴ!お兄さん何もかも不器用すぎ!ん〜……まあアタシの言うとおりにして20点くらい?」

尻尾を大きく振ってみて、点数を付ける。そんなに低いのか……と、なんだか悲しい気持ちになる。そもそも、彼女の言うとおりにやってこれなのだから、本当はもっと低いのだろう。

パピヨン「……だから、今度はもっと練習してきてね。またテストするから、お兄さん?」

『え』

パピヨン「じゃ、お疲れさま〜!また明日〜」

……行ってしまった。

パピヨン「……〜♪」

シルトレ「本日はありがとうございます、まさか一緒にトレーニングをして貰えるとは」

『ああいえ、こちらこそ。色々と勉強させてもらいます……グリーンシルフィーのトレーナーさん」

今日は坂路ダッシュのトレーニングをする予定だったが、グリーンシルフィーのトレーニングと被ってしまったため、一緒にトレーニングをすることになった。

パピヨン「やぁあああああ!!!」

シルフィー「…………っ!」

……普段は飽きっぽいパピヨンだが、同室のシルフィーがいるおかげかいつもより長くトレーニングを続けられている。これは良い傾向だ。

シルトレ「……シルヴァーパピヨン、良い鍛え方をしていますね。販路をもう複数回往復していますが、スプリンターだというのに、まだ走れている」

『……スタミナには少し気を付けているんです』

グリーンシルフィーのトレーナーさん今まで何人もの重賞勝利ウマ娘を輩出したベテラントレーナーだ。そんな方からそう言われると、なんだか少し気恥ずかしい。

シルトレ「スタミナは大事です、体力は全ての基本となりますし何より怪我の防止になりますから」

『……レース中に体力が無くなったことで、意図しない走りをした結果衝突や転倒。色々ありますよ』

シルトレ「はい。確かにスピードなども大事ですがまず体力、次に体力だと私は思っています」

……模擬レースでのパピヨンの走りを思い出す。確かに一着でゴールした後、倒れそうになっていた。あれは事故に繋がる。

『……実は今パピヨンのスタミナを底上げしたいと考えていまして、プールトレーニングを多くしているんですが、他に何かいいトレーニングはないですかね』

シルトレ「……ああ、そういう。そうですね、スプリンターの彼女のスタミナを引き上げるとするなら、まず――」

パピヨン「あー!お兄さん坂路飽きた!お菓子!」

シルフィー「パ、パピヨンさん……!」

……ああ、もう駄目だったみたいだ。

パピヨン「あ、この人がシルフィーのトレーナーさん?ふーん、確かに出来る女って感じ?」

シルトレ「ありがとうございます、パピヨンさん」

シルフィー「あ、その、トレーナーさん……」

シルトレ「……ふふ、そんな心配そうな顔をしなくても良いわよシルフィー。少し休憩しましょう?」

シルフィー「!は、はい」

『パピヨン、キミなぁ……』

パピヨン「ん?どうかしたお兄さん?それとジュースは?」

……溜息を吐いて、【貴方】お菓子とジュースを手渡す。少しだけだぞ、と念押しするがあまり聞こえていなさそうだ。

『……担当ウマ娘のトレーニングへの集中力を維持するためには、何をすればいいんですかね』

シルトレ「あぁ、そうですね……やはりご褒美だったり、同じトレーニングを集中させなかったりやり方はありますが。確かに、彼女は少々大変そうですね」

パピヨン「あれ、もしかしてアタシの話してる?やっぱアタシっていつも話題になっちゃう〜」

――折角だ、色々話しを訊いてみよう。ベテラントレーナーの知恵を借りよう。


何か訊いてみよう:安価下2
1 トレーニング後のケアは何を?
2 ご褒美というのは?
3 ……グリーンシルフィーのレース
4 自由安価

今日はこれで終わります、ありがとうございました。

安価はこれで採用します。下2は来ないですね時間も遅いので。


トレーナーに尻尾手入れ許すってそういうコトですね、ええこれは

>>150
このメスガキウマ娘もしかしてチョロい?

やっていきます。



『ところで、何ですけど』

グリーンシルフィーの今後のレースは……と、訊ねると。シルトレさんは眉間に皴を寄せて、こちらを見る。

シルトレ「……何かそれを聞いて、そちらの陣営に何かメリットが?」

『あ、いえ。そういうつもりじゃ……すみません、少し気になってしまっただけで』

パピヨン「あー、お兄さんデリカシーないこと聞いたんだ!新米トレーナーだからって、良くないんだ〜」

シルトレ「……そんな落ち込まないで下さい。まあ、まだこちらはメイクデビューもまだですから……少しくらいなら


デビューは秋ごろを予定していて、そこからはシルフィーの夢の為にレースを走って行きたいと考えています。

『夢、ですか』

シルフィー「は、はい。その、夢というか、約束なんですけど……」


――シルフィーの夢:安価直下
グリーンシルフィーの適性距離は中距離で芝です。
1 ……G1勝利
2 3冠……
3 トリプルティアラ……
4 自由安価

シルフィー「トリプルティアラが……夢、なんです。親友との約束で……」

パピヨン「あ、前に話してた夢ってトリプルティアラなんだ」

シルフィー「……うん。親友と一緒に、テレビで見たレースが秋華賞だったんです。そして、その勝ったウマ娘さんが……」

凄い、綺麗だったんです。その勝ち方も、走る姿も。全部……輝いて見えたんです。

パピヨン「……ふーん」

シルトレ「私は彼女のこの夢を聴いて、取らせてあげたいと思ったんです。トリプルティアラ――それに、この子にはそのポテンシャルがある」

勿論、それを引き出すのが我々トレーナー何ですが、と。眼鏡をクイっと動かし、堂々と言った。

……ウマ娘のポテンシャルを引き出すのがトレーナー。その言葉に【貴方】は頷いた。

パピヨン「ま、アタシはそういう夢とかないけど〜……お兄さんは、アタシを沢山走らせてくれるよね?」

『それは、勿論だよ』

キミの走りに惚れたから、自分は担当トレーナーになったのだから……。

『ほら、そろそろ坂路に戻ろう』

パピヨン「うげ〜……あー、シルフィー行こー」

シルフィー「あ、え、はい!それじゃあ、失礼します!」

――こうして、暗くなるまで坂路トレーニングは続けられた。

夢、約束、使命……そういう物はないかもしれないが、【貴方】はパピヨンが望むとおりに走らせてあげよう。そう思った。

先輩トレ「よう、トレーニングやってるな」

『あ、先輩。お疲れさまです』

パピヨンのトレーニングを見ている途中、トレセン学園に来たばかりの時にお世話になった先輩トレーナーから声を掛けられた。

先輩トレ「……成程あの走ってるウマ娘がシルヴァーパピヨン。メイクデビューで凄い事を言った……」

『うぐっ』

……パピヨンのあのメイクデビューはトレーナー間でも少し話題になっていることを【貴方】は把握していた。

あのような態度はいかがなものか、とか。トレーナーの指導はどうなっているんだ、とか。それにネット上でも物議を醸していたり……。

なんだか、胃が痛くなってきた。

『……ですが、パピヨンの走りは本物です。確かにパピヨンは……問題のある子ですけど、その走りを見たら、皆が認めますよ』

先輩トレ「確かに、あの瞬発力には目を見張るものがあるがなぁ……」

『あとはそれをどれだけ持続させて、最後まで走らせてあげるか。そうすればきっとパピヨンは……G1も取れます』

先輩トレ「随分とまあ、気に入ってるんだな」

パピヨン「――ねー!お兄さん!飲み物!」

遠くから、パピヨンの声が聞こえる。この声色はだいぶ疲れてイライラしているようだな……。

『パピヨンお疲れさま、ほら』

パピヨン「ん!」

こういう時はジュースではなくスポーツドリンクを渡す、そして一緒に汗を拭くためのタオルも。

パピヨン「もう暫くこのトレーニングやりたくない!明日は別のにして!」

『ああ、分かっているよ。メニューは複数用意してるから、後で部屋で確認しよう』

パピヨン「当然でしょ!あーもー、お兄さんデザート用意しといてよ!」

そう言い残して、パピヨンは起こりながらコースに戻っていった。

先輩トレ「……大変だな、なんか。デザートとか用意してるか?」

『ああはい、最近ハチミー……?とかとコラボしたプリンがあるらしくて、それとコンビニで最近発売されたエクレアを』

先輩トレ「…………取り合えず担当ウマ娘との仲は悪くなさそうで安心したよ」

なんだか、ワガママお嬢様と執事って感じだな。と呆れたように言われてしまった。

……そうだろうか?【貴方】は首を傾げた。

――シルヴァーパピヨン宣言!全日本ジュニア優駿でも逃げ切りか!

(……バッチリ書かれてるな)

あのメイクデビューであった記者の記事だろう、あの時の会話を元にだいぶこちらがヒールのように書かれている。

『シルヴァーパピヨンとその担当トレーナーはG1でも華麗な逃げ切りを決めると記者に対して宣言し、当日のメイクデビューでは勝利後、己の強さをアピールするように観客を煽り……』

……ネット上でも、この記事は話題になっているようだ。まあ、メイクデビューで勝ったばかりの子がこんなことを言ったらなぁ……。

パピヨン「あー、お兄さんもしかしてそれ……アタシの記事?」

『あ、こら!』

後ろから読んでいた雑誌を取られてしまう。しまった、彼女にこういうのはあまり見せたくなかったが……仕方ない。

パピヨン「ふーん……ま、ウマッターでもちょくちょくアタシの名前見るし、こういうのも書かれるよね〜。てか、これあの時の記者さんのでしょ」

……あ、写真写りちょっと悪い!もっと可愛く撮って欲しいんだけどな〜、と。パピヨンはあまり内容については気にしていなかった。

『……大丈夫か?』

パピヨン「は、なにが?デビューを上手く飾ったウマ娘が、ちょっと調子に乗ってる〜って思われてるだけでしょ?」

勝てるわけがない、逃げ切れない、期待されていない――パピヨンはなぜか、嬉しそうに言った。

パピヨン「ま、だから別にアタシは気にせず走るだけだよ〜お兄さん」

『……そうか。キミが気にしていないならそれでいいが……少し間違えてる』

パピヨン「?」

『自分は、キミが勝つことも、逃げ切ることも信じているし、期待もしている……だから、頑張ろう』

【貴方】はパピヨンの手を握り、言った。ジーっと彼女の瞳を見つめると、パピヨンの方から視線をずらされてしまった。

パピヨン「…………っ!バカみたい。じゃ、アタシプール行ってきまーす」

『……ああ、少ししたら自分も行くから先に準備していてくれ』

戦いは冬――まだやれることはある。頑張ろう……と、心の中で誓った。

イベント:安価直下
1 ステラライム「私と併走トレーニングしてくれませんか!」
2 パピヨン「ねーお兄さん、ちょっと休日暇?」

ライム「――失礼します!こちらシルヴァーパピヨンさんのトレーナールームで合っているでしょうか!」

『うわぁあ』

コンコン、というノックが聞こえていたものの、想像以上に大きな声であいさつが飛んできて情けない声が出てしまった。

『……ステラライム?』

ライム「はい!ステラライムと申します!よろしくお願いします!」

とても礼儀正しく、はきはきとした喋り方のウマ娘。ステラライム……おそらく全日本ジュニア優駿にも出走するだろう、パピヨンのライバルとなるかもしれないウマ娘。

そんな彼女が、いったいどうして……。

ライム「あの、もし宜しければ本日シルヴァーパピヨンさんと併走トレーニングをお願いしたいのですが!どうでしょうか!」

……成程、そういうことか。確かに、同じダートウマ同士、こういう機会はパピヨンにとって貴重だ。

それに、もしかしたら色々と情報収集が出来るかもしれない……!

ステラライムのトレーナーさんは:安価下1~2

性別や簡単な性格などをお願いします。また、設定は全て採用出来るわけではないのでご了承ください。シルトレさんにあった幼馴染設定みたいな。

ライトレ「――いやぁ、今回は併走トレーニングありがとうございます!こちらもシルヴァーパピヨンさん陣営とは一度お話をしてみたかったんです」

『いえいえ、こちらこそありがとうございます。今回は色々と勉強させてもらいます』

ライトレ「はは、いえいえこちらこそ色々と……」

パピヨン「うわ〜、なんかペコペコしてる〜!なんだか情けな〜!写真撮っておこ!」

ライム「パピヨンさん、勝手に写真を撮ってはいけませんよ!ちゃんと許可を取らないと」

パピヨン「え〜?別に良くない?ライムって真面目〜」

……なんだか、真面目なコンビだ。こちらとは正反対……とまではいわないが。だいぶ違った雰囲気の二人だった。

ライム「――では、パピヨンさん!そろそろ始めましょう、同世代のダートを走る方と併走するのは初めてなので、少し楽しみなんです!」

パピヨン「え、もう?アタシ、もうちょっとしてから〜……」

『ほら、待たせてないで早く行ってきな。貴重な機会』

パピヨン「お兄さんひっどーい!何その言い方!はいはい、分かりましたー!やればいいんでしょやればー!」

……よし、今日はちゃんとコースに向かったな。パピヨンが素直に行ったのを見て、【貴方】は思わず微笑んでしまう。

ライトレ「……笑う要素ありましたか?」

『え?』

パピヨン「――っ!」

ステラ「やぁあああ!!!」

併走しながら走っている形ではあるが。パピヨンが逃げ、それ追うステラライム……そう見えてしまう。

抜かそうとする方と、抜かれまいとする方。お互いがお互いをかき立てている……が。

パピヨン「……はぁ、はっ……!くっ、このっ……ぉ」

……すぐにパピヨンの勢いが落ち、ずるずると下がってしまう。

ステラ「あ、パピヨンさん!」

それを見たステラライムが心配するように駆け寄る……まだまだスタミナには余裕がある感じで、本番のマイル1600mは十分走り切れるだろう。

ライトレ「……シルヴァーパピヨンさんは、本来スプリンターですよね。なのに全日本ジュニアに挑むというのは……何か理由が?」

『……最初に決めたのは自分でしたが、パピヨン自身が走りたいと言ったので』

ライトレ「なるほど、確かに担当ウマ娘の意思や夢というのは大事ですね……しかし、それを叶えるために無理をさせて怪我をさせてしまう可能性がある。というのは、良くないと思います」

『怪我には最大限の注意をしています、トレーニング後のストレッチやアイシングは欠かせませんし、スタミナを鍛えるために――』

ライトレ「……成程ね」

……ああ、この視線。分かってしまう、自分が無理やりパピヨンをマイルで走らせようとしているとしている、そう思っている視線だ。

『……エゴに見えますか?』

ライトレ「私自身としては、ウマ娘本人が走りたいからといって無理はさせたくない。彼女には彼女の進むべき道があると思うのですよ」

……マイルでは走らず、短距離だけを目指し走るシルヴァーパピヨンの姿。その意見はごもっともだと【貴方】は思う。当然だと【貴方】は思う。

自分が言ったマイルも走ろうという言葉で、無理やり走らせているのかもしれない。けど……。

『パピヨンがどういう風に走るのか、走りたいのか……それを見つけてあげるのも、自分の仕事だと思うんです』

夢なんてない、走りたいから走る彼女が、気持ちよく走れる道を見つけたいと【貴方】は言った。

ライトレ「……では、こうしませんか?簡単な模擬レースをしましょう」

――ダート1600m左回り、全日本ジュニアと同じ条件でステラライムさんと模擬レースをして……もし走り切れなければ。

ライトレ「もう一度考え直してほしい、シルヴァーパピヨンさんが走る姿は、少し痛々しいんです。走り終わると今にも倒れてしまいそうな、彼女の走りは」

『……』

模擬レース……:安価直下
1 受ける
2 受けない
3 パピヨンの意思を訊きたい



ご飯食べるため離席。再開できなさそうだったらまた連絡します。

パピヨン「走る!」

『即答だな、キミは』

ステラライムとの模擬レースを走るかどうか、本人に聞きに行ったが……即答であった。しかし、【貴方】は当然かと思った。

――走るか、走らないか。この二択があるなら……彼女は走る。

パピヨン「アタシがマイル距離を走れるかどうか不安なんでしょあのトレーナーは?ま、そういうのアタシどうでもいいけど、なんかムカつくし〜?」

『ムカつくって……』

パピヨン「だってそうでしょ〜?しっかり走って、しっかり勝ってくるよ、お兄さん?」

『……分かった、なら作戦なんだが――』

パピヨン「あーあー作戦とか知らない!お兄さん、そんなトレーナーみたいなことしないでよ。頭の中に作戦とかあったら、アタシ楽しく走れないから」

『トレーナー何だがな、自分は……しかし、まあ。キミがそういうなら、何も言わないよ』

――好きなように走って、逃げ切っておいで。あとのことはレースが終わってから考えよう。

パピヨン「……ぷぷ、分かってるじゃん。お兄さん」

ステラライムとの模擬レース――結果は:コンマ直下
1 限界ギリギリだけど逃げ切り!
2〜3 限界まで粘ったけど……
4〜9 負け!
0 おおっと

それでは、今日はこれで終わりにします。おやすみなさい。

負けてしまったが、これからスタミナをつけてG1を狙っていくか、G1を諦めるか、それとも……。

――ゲートに入り互いに出走準備を整える。そして、ゲートが開いた瞬間一気に前に飛び出す。

パピヨン「――!」

気持ちのいいスタートダッシュ、グングンと前を行き、自分の走りを始めていく。

ステラライムはシルヴァーパピヨンを後ろから見ながら進む……これもまた自分の走りだった。

第二コーナー周り向こう正面、そして第三コーナーに向かい。

パピヨン「……っく!」

……シルヴァーパピヨンに明らかな疲れが見える。気持ちよくハナを行く走りが、ゆっくりとスピードを落としていく。

ライム「…………!」

そこを見逃すステラライムではない、普段のペースではないがスパートを切り、一気に抜かしに行く。

パピヨン「はぁ、はぁ……!ぅ、こ、んのぉ……っ!」

今までのトレーニングで付けたスタミナを全て使って、気合でハナを維持する……が、第四コーナーを回り最終直線に向かったところで――隣にステラライムが並んだ。

ライム「やぁああああああ!!!」

パピヨン「っ!ああぁああああああ……!」

必死にシルヴァーパピヨンは走るが、もう並ばない。シルヴァーパピヨンの視界には自分だけのコースではなく、ステラライムの走る背中が。

一バ身、二バ身と、どんどん差が広がっていき……ステラライムが今、ゴールを一番に通過した。

ライム「はっ、はぁ……よし!」

パピヨン「――はぁ、はぁ……ぅ、くぁ、はっ……」

5バ身。それがステラライムとの差だった。ヘトヘトになりながら今ゴールしたシルヴァーパピヨンは、ゆっくりと止まり体全てを使って息を整えている。

『パピヨン!』

【貴方】は急いで彼女の元に駆け寄る。

パピヨン「はっ、はーっ……ぅ、おにいさん、必死な顔……情けな」

『無理して喋るな、いいから』

ライトレ「……走っただけでその体力の消耗、やはりシルヴァーパピヨンは――」

『それでも、走り切りましたよ』

ライトレ「はい?」

『彼女はしっかり1600mを走り切りました、確かに何もかも使い切った走りでしたが……彼女は走れるんです、1600を』

ライトレ「っ。貴方はシルヴァーパピヨンに怪我をさせるつもりですか!貴方のワガママで選手生命を……!」

『アドバイスありがとうございます。今回の件は……こちらとしても色々と考えさせてもらいます』

今回は並走トレーニングありがとうございました、こちらにとっていい経験になりました。

そう言って【貴方】はシルヴァーパピヨンを抱えて保健室に向かった。

ライム「ふぅー……もしかしてトレーナーさん、パピヨンさんのことを心配しているんですか?」

ライトレ「……ああ、ライム。彼女の適性を無視した走りは、脚にダメージが多すぎる。いくらケアをしても、もし何かあれば……」

ライム「確かに、パピヨンさんの走りは全力!という感じですが……けど、多分ですけどトレーナーさん」

パピヨンさんは来ると思います。ステラライムは汗を拭いながら言う。

ライトレ「……それはいったいどうしてだい?」

ライム「だってパピヨンさんって――すごい楽しそうに走るんです。横に並んだ時、凄いへとへとで今にも倒れそうな表情なんですけど、嬉しそうというか、笑顔……ではないんですけど」

――そんな彼女が、G1という大舞台を逃すとは思えないんですよね。

ライトレ「…………そういった思いを折り合いを付けるのが、トレーナーという仕事なのだけどね」

ライム「……あ、そうでした!トレーナーさん、さっきの私の走りどうでしたか!」

ライトレ「え?」

ライム「どうでしたか!」

ライトレ「……はは。ああ、とてもいい走りだったぞライム――この調子で頑張って行こう」

優しく微笑んで、軽くクシャクシャとステラライムの頭を撫でる。

ライム「ん!ありがとうございます!私、もっともっと頑張ります!」

念入りなマッサージにテーピング、なんとかマイルの距離を走り切ったパピヨンの足をケアをする。

これにももう慣れたもので、まだ契約もしていないときのあの時よりもうんと手際よくなった。

パピヨン「あー、負けちゃった……ライムめちゃ凄かった、これはアタシ――」

『それ以上はダメだよ、パピヨン』

パピヨン「……まだ何も言ってないんですけど〜」

あーあ、とパピヨンの口から不満そうな声が。それをしっかり聞きながら、ケアを続ける。

……現時点で同世代のステラライムに完膚なきまで敗北したのだ、パピヨンにも思うところがあるのだろう。

パピヨン「ねー、お兄さん。もしかして……さ、その……呆れた?」

『……呆れた?』

パピヨン「あんなに色々トレーニングしてあげたのに、マイルに向けて頑張ったのに負けるのか!……みたいな」

一瞬、何を言っているのか分からなかった。しかし、貴方は思考を切り替え、パピヨンに向かい合う。

パピヨン「だから、さ……あの。嫌いになった?だったら、お兄さんももっと強いウマ娘を担当して、さ――」

『パピヨン』

――今まで見たことのない、パピヨンの表情。ぐしゃぐしゃで、今にも崩れてしまいそうな、そんな表情。


なんか言ってあげよう。:安価下2
1 自分はそんなことしないよ。自分はシルヴァーパピヨンの担当だからね。
2 ……随分と、パピヨンらしくないね。
3 自由安価



ご飯食べるので離席。安価下2です。

『……自分はそんな、嫌ったり呆れたりしないよ』

だって自分はキミの……シルヴァーパピヨンの担当だからね。と、【貴方】は彼女を見つめながら言った。

パピヨン「……お兄さん」

『……だからそんな表情しないでくれ。自分は、キミの走りに魅了されたんだ」

確かに、今日は負けた。だから……勝とう。次またステラライムと走るとき、君のあの逃げ切りで。

パピヨン「…………ぷぷ」

――今、パピヨンの表情が変わった。いつもと同じ表情に。

パピヨン「お兄さん、今すっごい恥ずかしい感じだったよ〜?あー、ほんと、ほんと、ちょっとさ、お兄さんのくせに……」

『……』

パピヨン「…………アタシは勿論走るよ、全日本ジュニア優駿。それで、今日のリベンジしちゃお?お兄さん?」

『ああ、勿論だ。リベンジしよう、ステラライムに!』

パピヨン「…………おー!」

そして、パピヨンは。屈託のない笑顔を浮かべ、右手を真上に上げた。

パピヨン「――お兄さんってほんと、アタシのこと好きだよね〜」

『え』

保健室からトレーナールームに戻り、【貴方】はパピヨンにいきなりそんな事を言われる。

パピヨン「アタシ、ちょっとワガママだから他の人にちょっと嫌われがちなのに、お兄さんずっと付き合ってくれるし……もしかして、ロリコン?」

『やめてくれ、やめてくれ本当に』

パピヨン「……あ、それとも。このおっぱ――」

『次のレースの話をしよう!キミみたいな女の子が、そんなこと口にするのは止めた方が良いぞキミ!』

パピヨン「ぷぷ……は〜い。それで、次のレースって……」

『……一旦、ダートの別のレースに参加して、マイルで体力をしっかり残して走り切れるのかを確認したいんだ』

川崎で走れるレースがあればよかったんだが、マイルだとなくて他のレース場になってしまうが。と、【貴方】は手元の資料を見ながら言う。

ダート1600m左回り――プラタナス賞。十月に東京競バ場で開催されるレース。

『で、もし良かったらパピヨンにはこれに参加してほしいんだが……どうだ?』

パピヨン「ふーん……おっけ〜!アタシ的には、走るレースが増えるのは大歓迎だし〜?」

『分かった、じゃあレースの出走登録はしておくよ、じゃあ……プラタナス賞に向けてまずはスタミナだな』

パピヨン「またプールでしょ?ずーっとそれは嫌だけど……ま、その辺はお兄さんに任せるね〜?」

『ああ、任せてくれ』

――プラタナス賞。その結果で、今後を考えよう。

さてこの後は……:安価直下
1 もう少しイベント
2 レースまでスキップ!

ではもう少しイベントやります。今まで通りお願いします。

見たいイベント:自由安価下3まで。

すみません全然書けてませんでした、一回寝ます。ありがとうございました。

もう少しテンポよくしたほうがよろしいでしょうか。オリウマとトレーナーがイチャつくのを書きたいんですけど、レースとかどんどんやって成長とかシナリオ進めたほうがよろしいでしょうか。すみません、色々聞かせて欲しいです。

今のペースで良き
書きたいものが見たいのだ

>>190
すみませんありがとうございます。今のペースでやっていきます。
あともう少しパピヨンとトレーナーのイチャつき増やしますね……ちょっと今日距離近くなったので。

シリウス「そういやナカヤマ、お前最近随分と可愛がってる後輩がいるらしいな?」

ナカヤマ「はぁ?」

いや、パピーと呼んだ方が良いか?あんな風に必死に吠えるんだからなぁ、と。シリウスが言うと、ナカヤマは理解したように笑った。

ナカヤマ「ハハっ、もしかしてお前もあいつを気に入ったか?周りを煽ることで自分を守る、可愛らしい奴だろう?」

シリウス「ふん……随分とパフォーマンスが好きみたいだな。前のメイクデビューでもそうだったが、まるでピエロだ」

ナカヤマ「ベットする価値もない道化を演じてはいるが……周囲はダマされ続ける程バカじゃない。アイツが走り続ければ……ま、そういう健気な所に私は惹かれたんだけどな」

だからあの時賭けた、アイツを裏切るみたいにな。

シリウス「……本当に気に入ってるんだな、あの子犬を。私にとってはただのキャンキャン吠える後輩だったんだが――」

ナカヤマ「おもしれー奴だよ、シルヴァーパピヨンは。きっとお前も気に入るさ」

シリウス「ふん……それじゃあ、次のあいつのレースは期待させてもらおうか?」

パピヨン「ん〜、フラワーの尻尾はいつもつやつやで良いね〜。触り心地も最高だし、ずっとナデナデしちゃうかも」

フラワー「ふふ、ちょっとくすぐったいよパピヨンちゃん。前に教えてくれた手入れをやってるだけだよ、だからほんと、パピヨンちゃんには感謝してるんだ」

パピヨン「え〜、まあアタシの尻尾手入れは職人技だけど〜?えへ、フラワーも手先器用だし、アタシのおかげだけじゃないって、才能があるんだよ才能〜」

思わず笑ってしまう、やっぱり人の尻尾を手入れするのは楽しい。丁寧に丁寧に尻尾に櫛を入れるたびに、みるみる尻尾が綺麗になる……それに、人にありがとう。と言われるのは、嬉しい。

その人の想いに答えるのは……ああ、これ以上はないない。嘘、全然そんな事無いや、うん。

パピヨン「はい、おーわり!もうだいぶ手入れされてたからすぐ終わっちゃった」

フラワー「ん、ありがとうパピヨンちゃん!それじゃ、今度はこっちがやるね」

今度はアタシが背中をフラワーに向け、フラワーがアタシの尻尾を手入れする。お互いに尻尾の手入れをしあうのは、昔からよくやっていることだった。

……思えば、初めて尻尾の手入れをしたげたのもフラワーだったなぁ。うんうん、なつかしー。

パピヨン「んっ……やっぱフラワーの手入れは気持ちー。ほんと、お兄さんとは大違い」

フラワー「ふふ、これもパピヨンちゃんが教えてくれたことを――え、お兄さん?」

パピヨン「そうそう、お兄さんってばすっごい雑で!尻尾の触り方とか、櫛の入れ方とかも最悪!ま、アタシがやり方教えてあげて、少しはましになったけど」

フラワー「あ、へ?へ、へ〜……そ、そう、なんだ?」

……あれ?なんだかフラワーの様子がおかしい?

フラワー(し、尻尾がふりふり揺れてるんだけど……パ、パピヨンちゃん……!)

パピヨン「あーでも、男の人の手?って言うのかな、ちょっとゴツってした感じの手で触られるのは、ちょっと新鮮で――」

フラワー「パ、パピヨンちゃん!ちょっと、今から集中するから!静かにして貰っても、いいかな!?」

パピヨン「え?」

――ど、どうしたんだろういきなり。ま、でもそれだけ真剣にやってくれるって言うのは、嬉しいなぁ。

フラワー(……そ、そんなに進んでるんだ。凄い嬉しそうに話すし……あ、ぅ。顔が熱いよぉ……!)

ライム「――すみませんパピヨンさん!お隣宜しいですか!」

パピヨン「んぐっ! ちょ、ビックリした〜……ライムじゃん」

食堂でご飯を食べていると、後ろから大きな声で呼ばれる。だれだれ!?と思ったけど、ライムならまあ……いっか!

パピヨン「ぷぷ、勝手にすれば〜?アタシは別にいいけど」

ライム「ありがとうございます、それじゃあ失礼しますね!」

……ほんと、こんな真っすぐ来られるとちょっとアタシも苦手なんだよね。ああでも、あんまりにも捻くれてるのも苦手だけど、あの先輩みたいな。

パピヨン「……ライムもさ、変わってるよね〜。アタシ、ちょっと嫌われてるのに、そんな奴と絡んでると、変な噂とか流れるかもよ?」

ライム「……嫌われてるんですか?」

そう、嫌われてるの。前のメイクデビューのあれとか、あの雑誌のインタビューとか……やれ態度がどうの、レースに対しての想いがどうのみたいな?

ま、それが狙い通りではあるんだけどね。だからちょっと色んな子に目の敵にされてるんだよね〜。うんうん。

ライム「ああ、そういうことですか。ですが、私は嫌っていませんよパピヨンさんのこと!」

パピヨン「え」

ライム「確かに嫌われてる……のかもしれませんが。私は貴方をとても好いています!あの日走ったとき、とても純粋というか、走りに対して真摯と言いますか……とにかく!」

私は、貴方のことを嫌ってないです!と、言って。どでかいトンカツをむしゃりと食べた。

……はー、やっぱり苦手だ。こんな嫌いじゃない、好いていますとか、なんてことない感じで言われると、ほんと……。

パピヨン「…………っ」

……あー、ヤバイ。堪えろ、嬉しくない、全然嬉しくない、あー、だからアタシは……あー!


なんかライムに一言:安価下2
1 ……ぷぷ、別にアタシはライムのこと好きじゃないけどね。
2 ま、そんなこと言ってもレースじゃ敵だけどね〜。
3 自由安価

パピヨン「ま、そんなこと言ってもレースじゃ敵だけどね〜」

ライム「敵……?」

パピヨン「え」

流石に驚いた。いやいや敵でしょ。次のG1一緒に走るんだから、アタシとライムは敵、戦う相手でしょ?

ライム「敵、というのは少々違うと思います。私はパピヨンさんの事を……ライバルだと思っています!」

パピヨン「ライバル」

――ライバル。好敵手。そんな、真っすぐな目で、見ないでほしい。

ライム「確かに前の模擬レースでは私が勝ちましたけど……パピヨンさんはそれで諦めたりする人じゃないですよね?」

パピヨン「……」

ライム「全力で練習して、必死に頑張って……私はまた、貴方に勝ちます。パピヨンさん」

パピヨン「…………っ」

止めて、止めて、止めて。そんな目で、そんなライバルとか、期待した目で――アタシを見ないで!

ライム「……あ、え?パピヨンさん……?」

パピヨン「……ん〜なに、どうしたの?アタシの顔に、何か付いてる?」

ライム「いや、その……凄い顔をしていたので……大丈夫、ですか?」

パピヨン「大丈夫、って……ぷぷ。大丈夫大丈夫、アタシは全然……大丈夫だから」

だから、全然遠慮とかしないでね〜?アタシは、ライムの……敵なんだから。

パピヨン「じゃ、そういうことで〜。言っとくけど、全日本ジュニアではアタシが勝つから、そこんとこ宜しく〜」

ライム「あ、はい!それじゃあパピヨンさん!」

……少し駆け足でその場を離れる。

ああ、だから嫌。嬉しかった、嬉しかったけど……嬉しいほど、辛くなるから。

は〜……口の中が酸っぱい。もっと練習頑張らないと……なぁ。

プラタナス賞当日、控室。【貴方】の担当ウマ娘、シルヴァーパピヨンは……。

パピヨン「……ふ〜」

――メイクデビューの時とは打って変わって、静かだった。深く深呼吸をして、自分の心を落ち着かせていた。

『パピヨン、集中してるな』

パピヨン「えっ!?あ、いや、ちょっとお兄さん!いるならいるって言ってよ!影薄いんだから!」

『いや、ずっとここに居たんだが……』

パピヨン「はー、ほんと信じられない!お兄さん、そのうち逮捕とかされるよ!不法侵入で!」

『……』

……そこまでか。

パピヨン「あーあ、らしくないとこ見られちゃった……ま、ここでしーっかり逃げ切って勝って、お兄さんを安心させてあげるから」

お兄さんは、指を加えて見てて?と、パピヨンはにやりと笑って言う。

『ああ。勝ってこいパピヨン、今まで必死にトレーニングしてきたんだ。だからきっと――逃げ切れる』

パピヨン「ぷぷ。それじゃ、言ってくるね〜」

プラタナス賞、結果は:コンマ直下
1 余裕の逃げ切り!
2〜7 ギリギリの勝利
8 2着
9 3着
0 おおっと

パピヨン「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ――!」

最後の直線、必死にハナを切るがそれにも限界が来る。

後ろから来るウマ娘が、今にも落ちそうな逃げウマを抜かそうと走る――しかし、抜かさせない。並ばせない。

必死に足を動かし、必死に腕を振ってスピードを維持する。今にも倒れそうになるが、気合で堪える。

パピヨン「はっ、はぁ、はぁ……!はっ、ぁ、ぁああああああぁああ!」

4バ身、3バ身、2バ――どんどん後ろとの距離が詰まる。だが――!

一番最初にゴール版を通過したのは、シルヴァーパピヨンだった!

――2着との差はクビ差。残り数メートルでもあれば、シルヴァーパピヨンは抜かされていたギリギリの勝利。

パピヨン「はっ――ぁ、うっ。はぁ、はぁ……!」

汗がダラダラと零れる。あまりにも限界のため、前のメイクデビューの時のような煽りはパピヨンの口から出てこない。

【貴方】は急いで地下バ道に向かい、フラフラと倒れそうな彼女を迎えに行く。

『パピヨン……!』

パピヨン「ぁ……?は、お兄さん……なに、その顔。キモ……」

――どさっ。と、パピヨンが【貴方】に抱き着く。いや、倒れ掛かる。

パピヨン「あっ……ごめっ、ちがっ…………あー、いいや。全部使ったから、もう動けないやアタシ」

悪いけど、もう少しこうさせて……匂いとか嗅がないでよ。と、パピヨンが言う。

……【貴方】は、パピヨンを抱きしめる。

パピヨン「はっ?いや、ちょっとセクハラ……!はぁ、もう。最悪……最悪最悪、ぅ〜……はぁ」

『……良い走りだった。だから、今はしっかり休んで欲しい。お疲れさま、パピヨン』

彼女は、何も言わない。

ダートの砂まみれの尻尾が、ゆらりゆらりと小さく揺れた。

それでは寝ます、ありがとうございました。

G1挑戦もあるので、そろそろ勝負服安価とかもしたいですね。ステラライムの方も一緒に。

あとそろそろ【貴方】トレーナーの脚に尻尾を絡ませて独占欲発揮するやつもやりたいですね

なんか痛い感じの方向に進んでますね。耳かきは好きなのでやりたいです。



パピヨン「それでお兄さーん、アタシの言ってたクッション買ってくれた?最近流行ってるウマ娘もダメになっちゃうクッション〜」

トレーナー室。つい先日マイル距離でも勝つことのできたシルヴァーパピヨンは――今見事にだらけていた。

パピヨン専用となったソファに寝そべり、スマホをポチポチいじり、当然のようにスナック菓子をムシャムシャ食べている。

『……この前注文したばかりだから、あと一週間後くらいだな届くまで』

パピヨン「え〜!?ちょっとお兄さんダメじゃん!アタシはもう今!クッションにダイブしたかったの!」

『しょうがないだろう、人気なんだから……というか、だ。キミ……だらけすぎじゃないか?』

パピヨン「ん、なにが〜?トレーナー室はお兄さんの部屋、お兄さんの部屋ならアタシの部屋でしょ?」

これまた見事なジャイアニズムだ。自分の担当ウマ娘ながら、ここまで堂々としているとなんだか怒る気にもなれない。

『はあ……それじゃあ耳だけこっちに向けてくれ』

先日、確かにプラタナス賞に勝利することは出来た――が、だからと言って安心という訳では決してない。

ギリギリの勝利、ギリギリの体力。そして――ステラライムの存在。

『今後もスタミナトレーニングを継続して行っていくとして、後は瞬発力』

――最後の限界までそのスピードを維持するために、最後のスタミナでどれだけのスピードを出せるかどうか。

勿論スタミナが尽きないことが一番だが……。

今後のトレーニングは:安価直下
1 沢山スタミナ付けていこう
2 早さも体力も同じくらいに
3 ……あとはパピヨンの強みを伸ばしたほうが

『どちらもバランスよく行っていこうか』

瞬発力を重視するか、スタミナを重視するか。確かにそれを決めるのは大事かもしれないが、今この時点ではどちらもやったほうが良いだろう。

そしてなにより、パピヨンの飽きが来ない。【貴方】はそう考えた。大事なことである。

『という訳なんだが――聞いていたか?パピヨン』

パピヨン「え〜?ちゃんと聞いてたって、お兄さん。そんな疑うような目されると、アタシ泣いちゃうかも?」

パピヨン「勝ちたい気持ちは、ちゃーんとあるからね〜。アタシ、敵だからねライムの」

『……キミはどちらかというとライバル、じゃないか?』

パピヨン「……お兄さん、そういうとこアタシちょっと嫌いかも」

『え』

――何はともあれ、練習を重ねていこう。大丈夫、パピヨンは勝てる……!

すみません寝てました、今日はこれだけです。おやすみなさい

こんな時間ですがイベント募集です。トレーニングでもパピヨンと他ウマ娘の交流でもトレーナーとのイチャでも、なんでも。



見たいイベント:自由安価下3まで。

パピヨンと大先輩の交流がみたい。60年代にヤシマっていうのがいるからそれとの会話とか

すみません、まだウマ娘となっていない実在する競走馬の登場はちょっと難しいです……そのため>>220は不採用とさせて貰います。

なのでカネヒキリとかクロフネとかそういう馬も出せません。事前に言っておらず申し訳ありませんでした。

オリウマ娘3人組の私服募集します。23時まで。
1人だけでも3人全員でも。いきなりですが、よろしくお願いします。

パピヨン「へ〜、ライムの私服って結構清楚な感じなんだ〜?」

ライム「清楚……そうですかね?」

シルフィー「なんだか、麦わら帽子とか似合いそう……ですよね」

――今日は休日。ショッピングモールに集まったアタシたち三人。

そう言えば全然遊んだりしてないなと思って誘ったけど、結構ノリいいじゃん?断ったらムリやり連れていく予定だったけど……。

ライム「好きなんですよね、ワンピース。その……可愛いので」

シルフィー「わっ……分かります分かります!良いですよね……!お嬢様、みたいな感じで……!」

パピヨン「えっ、何々?もしかしてそこ結構趣味合う感じ?」

お互いなんだか恥ずかしそうにしながらキラキラさせちゃって。え、なんかアタシだけハブられてるみたいでなんか嫌なんだけど〜?

パピヨン「ライムってもしかして結構乙女?ふーんへー?シルフィーはなんとなーくそんなかなって思ってたけど、意外〜」

ライム「なっ…い、いいじゃありませんか!パピヨンさんだって、そんなゴスロリチックな……」

パピヨン「アタシに一番似合うのがこういう服なんだ〜。実際凄い似合ってるでしょ?」

フリルいっぱいの派手なゴスロリじゃなくて、落ち着いた感じのゴスロリ。ぷぷ、お兄さんが見たらどんな反応するかな〜。

シルフィー「ゴスロリ、良いですよね……!私には、ちょっとハードル高いですけど……憧れます!」

パピヨン「シルフィーはだいぶ守備範囲広いよね〜」

何でも受け入れるじゃん。強いオタクじゃん。

寝ます。おやすみなさい。



トレセン学園から一番近い所にあるショッピングモール。色んなウマ娘専用の服とか靴がたっくさん売ってる、トレセン生ご用達の場所。

……ま、全然通販とかで事足りると思うけどね〜。まあ、実際に見てみたいって気持ちは分かるけど。アタシもよくブラシとかは自分で買いに行くし。

シルフィー「こ、ここの映画館ってマイナーな映画とかも放映してくれたりしておすすめですよ……!」

ライム「映画ですか!むむ、最近見ていませんね……今放映してる中でおすすめとかありますか?」

シルフィー「……! っ!!」

パピヨン「うわ、シルフィーのオタク魂が喜んじゃってる。キモ〜」

お耳がパタパタ動いちゃって。ほんと自分の好きなもの語ってる時嬉しそ〜。ふんすふんすって。

パピヨン「あれ、もしかして映画見る流れ?アタシ、今日は新しい手入れ用品見たいんだけど」

ライム「でしたら私は今日新しい調理器具が欲しくて!まあ、ですが他の二人に合わせます!」

パピヨン「別に一つの場所にしか寄れないわけじゃないけどね。ぷぷぷ、ライムって料理とかできるんだ」

ライム「はい!よく幼馴染の子に作ってあげたりしてました!」

シルフィー「へー、凄い……お、幼馴染……!?」

へー、なんかすご。ライムってヒロイン?

……ま、アタシもヒロイン寄りだけど?いや、どっちかというとプリンセス?姫?

どうしよ?:安価直下
1 シルフィーおすすめ映画を見る会
2 アタシによるアタシのためのお手入れグッズ探し
3 ライムのドキドキクッキング編
4 まずご飯食べない?

こんばんは、これだけです。



シルフィー「こういうショッピングモールのフードコートって……ちょっとワクワク、しますよね」

パピヨン「あ、分かる!何食べよっかな〜って、見て回ってる時間とかもアタシ好き〜」

ライム「確かにショッピングとかと同じで考えてる時も楽しいですよね!こういったフードコートは!」

珍しく全員の意見が一致した瞬間!ん〜、ハンバーガーうま!

パピヨン「はむはむ……」

ライム「ふふ、パピヨンさんのほっぺにケチャップ付いてますよ!私が拭いてあげましょうか?」

パピヨン「はむっ……!むぐっ、は〜!?なに、その優しい微笑み!別にアタシ一人で拭けるんだけど!」

というか拭いて欲しいとか言ってないんだけど!あ―なんかムカつく!

シルフィー「あ、でもパピヨンさんって……その、結構妹っぽい、ですよね。トレーナーさんも、お兄さんって呼んでますし……」

パピヨン「別にアタシは妹とかじゃないんですけど〜?お兄さんはお兄さんだから、お兄さんって呼んでるんですけど!」

あー!なんかニヤつかれてる!ムカつくムカつく!ちょっと子供っぽいって言いたいわけ!?ムーカーつーくー!

パピヨン「ふーんだ、ライムもシルフィーにもポテトシェアしてあげないから」

ライム「え!そ、そんな……!ポテトのシェアをしてくれないなんて!それが青春の象徴だというのに……!」

シルフィー「ライムさんって、結構ノリが良いタイプですよね?」

あーもううるさいうるさい!

何かお喋り:安価下2
1 レースの話
2 ライムの幼馴染の話
3 パピヨン「フードコート全制覇得点……?」
4 自由安価

テーオーロイヤル強すぎ。

こんな時間から、やります。



シルフィー「そ、そういえばライムさん。その、お、幼馴染って……」

お、シルフィー突っ込むじゃーん。と心の中で思いながら、アタシも後に続くように突っ込む。

顔を真っ赤にしながら聞いちゃう耳年増ちゃんめ〜。このこの。

パピヨン「あ、それアタシも気になる〜。もしかして……男の子?」

ライム「はい!私と同い年の男の子です!家が隣で、親同士の交流もあったので小さい頃から遊んでいて」

シルフィー「い、家が隣の幼馴染……ですか」

パピヨン「すご。ベタじゃん」

ライム「幼馴染ってこういうものなんじゃないですか?」

おお、なんだか強い。しかし、ほー……同い年で男の子で、ふーん。ご飯とかも作っちゃう……。

パピヨン「好きなの?その幼馴染」

シルフィー「ぱ、パピヨンさん!?」

ぷぷぷ、この手の話題に乗らないのは中学生ウマ娘の名折れ!別にそうじゃなくても普通に面白そ〜!

で、どうなの?:安価下2
1 あー、好きとかそういう関係じゃないんですよね
2 なっ、はっ!?いや、私は全然そんなんじゃ……
3 ……(顔真っ赤)
4 自由安価

ライム「…………」

うわ、あのライムが顔真っ赤にして黙っちゃった……うわ、うわ〜〜〜!

シルフィー「わっ、わぁっ……!」

パピヨン「ライム顔真っ赤じゃーん!ほらほら、その幼馴染くんのどういうところが好きなの〜?アタシ内緒にするからさ〜、ちょっとだけ教えて〜」

ライム「うっ、ぁ……ちょ、ほんと……や、止めてください!お、怒りますよ!?」

パピヨン「ぷぷぷ、ライムが怒っても全然迫力ないって〜!」

シルフィー「お、幼馴染さんとは付き合ったり……!?」

ライム「シルフィーさんも!そんな、私はまだ付き合ったりとか……」

パピヨン「まだ!?」

ライム「えっ、あ……!も、もう!本当に勘弁してください!」

うわ〜おもしろ!シルフィーは興味津々だし、ライムは顔真っ赤だし……。

……最高!

パピヨン「ほらほら〜今ここで喋っておかないと今後また聞きに来ちゃうよ〜?早く喋って楽になっちゃいなよ〜」

ライム「ぅ〜…………そ、その。凄い、優しい人で……私の作ったご飯、美味しいって食べてくれて……だから、その沢山料理の練習もして……」

パピヨン「!」

シルフィー「!!!」

――この後もっと詳しい話を訊こうと攻めたら拗ねて何も話してくれなくなっちゃった!

うーん、もっと面白そうこと訊けそうだったのに……。

シルフィー「ご、ごめんなさいライムさん……その、ちょっと調子に乗り過ぎました……」

パピヨン「そうそう、ごめんってライム〜。アタシたちもうしないから〜」

ライム「…………」

うーん、滅茶苦茶怒ってる!ま、確かにちょっとやりすぎたかな?

パピヨン「だからもう許してよ〜、ジュース奢ってあげるから。ね?」

ライム「……ふーん」

シルフィー「ど、どうしましょうパピヨンさん……!」

パピヨン「まあずっとプンプン怒ってるなんてことないと思うけど、ちょっとからかいすぎちゃったね」

ま、次行こ次〜。

どうしよ?:安価直下
1 映画見たくなってきちゃったかも
2 ちょっとアタシ料理に興味出てきたかも〜
3 今からライム用の尻尾オイルを買いに行きます
4 自由安価

パピヨン「ほらほら!ポップコーン買おうポップコーン!塩とキャラメルミックスの奴!」

ライム「ちょ、ちょっとパピヨンさん……!……わ、ポップコーンなんて数年ぶりに食べますよ私」

シルフィー「ふふ、確かにポップコーンとかはあまり食べないですよね。袋売りの物とかは、私たまに食べるんですけど……」

取り合えず映画を見よう!と、ショッピングモールの映画館に来たけど……むむむ、ポップコーン結構色々種類あるんだ。

ライム「はは……えっと、それでシルフィーさんおすすめの映画て、今やってる中だと……」

シルフィー「あ、はい!そうですね、今やってる中だと――」

どれ見ようかな:安価直下
1 スポ根もの
2 動物感動もの
3 甘々恋愛もの
4 怪奇サメ映画

――――シルフィーのおすすめで見た映画はスポ根ものだった。

ダービー優勝を夢にトレセン学園に入学したウマ娘が、トレーナーと共にトレーニングに励み、ライバルたちと戦い最後には優勝を手にする。そんな感じのお話。

内容はベタベタのベタだったけど〜……うん、面白かった!登場人物の心理描写とか、レースの表現とかすごいしっかりしてて、思わず手に汗握っちゃった!

ライム「シルフィーさん!凄い面白かったです映画!ダービー優勝に向けひた向きに頑張る主人公と、それを支えるトレーナー……!レース中の迫力とか、音楽のダイナミックさ!」

シルフィー「はい、はい!大きな画面で、左右から大きなサウンドのBGMが流れて臨場感たっぷりなのを楽しめるのも、映画館で映画を見るメリット……ですよね」

ライム「いやぁー……良かったです本当に。パピヨンさんはどうでしたか!」

パピヨン「うん、アタシも面白かった〜。久しぶりに映画見たけど、やっぱ良いね〜」

ライム「ですよね!いやぁ、私手に汗握っちゃって……なんなら今ちょっと走りたくなってきました!」

シルフィー「えっ!?そ、そんなに熱中してくれたんですか……!」

パピヨン「えー……そこ目を輝かせて喜ぶポイント?」

なんか二人ともズレてるんだよねー。まあ、アタシが言えたことじゃないかもしれないけど、そんな走りたくなったとか……ねぇ?

走るのは好きだけど、それはそれじゃない?

ライム「――パピヨンさん!」

パピヨン「へっ!?あ、アタシ!?」

ライム「次のレースでは、私たちも……これくらい白熱のレースをしましょうね!」

あー……はいはい。そういうやつね。いやぁ、ビックリしちゃったじゃん。

パピヨン「……ん。アタシの気持ちのいい逃げで全員ビックリさせちゃうね〜?」

ライム「その逃げを私が後ろから抜かします!気持ちよく!」

シルフィー「ふふ、こういう流れもスポ根みたいですよね……」

――その後。色々と買い物やなんなりをして、トレセン学園に戻った。

ライムがウキウキで夜のコースに向かって行ったけど……全く、ほんと……こういうとこなんだろうね。

…………アタシも、ライムとは別の場所で少しだけ走った。ほんの気まぐれに、ほんの少しだけ。

『キミって憧れのウマ娘とかいるのか?』

パピヨン「え、なにお兄さんそんな事訊いて……プライバシーの侵害だよ?」

『これだけでか……』

キモ〜、みたいな顔で見られている。

『キミは走るのが好きだろう?なら、こういう走りをしてみたい!って憧れるウマ娘がいても良いと思うんだが……』

パピヨン「もしかしてアタシとコミュニケーション取ろうとしてる?んも〜、お兄さん女性慣れしてなさ過ぎ〜!そんな話題じゃ、女の子は喜ばないよ〜?」

ドン引きな顔から、小ばかにしたような顔に。表情がコロコロ変わるのは彼女らしいが……隙を見せただけでこうなるか。

パピヨン「はぁ、憧れのウマ娘、憧れねぇ……うーん、そうだなぁ」

憧れのウマ娘とは――:安価直下
1 ……まあ、いないわけじゃないけど。
2 いない!憧れの走りはアタシの走り!

パピヨン「……まあ、いないわけじゃないけど」

いないわけじゃない、自分から訊いておいてあれだが少し意外だった。

パピヨンにも憧れのウマ娘がいたのか……これは、今後の為にも訊いておかないといけない。

『誰なんだ、それは』

シルヴァーパピヨンのあこがれのウマ娘:安価下3まで
ウマ娘とその理由もお願いします

それじゃあ寝ます、残った安価は下でお願いします。

お疲れさまでした。

ステラライムのトレーナーが結婚してなかったら幼馴染くんの脳みそぶっ壊れてそうだなぁって思いました。

パピヨン「……ゴールドシップ先輩」

『え』

ゴールドシップ――その名前を知らない者はこのトレセン学園には存在しないだろう。

破天荒、奇人変人、トリックスター。そんな言葉が似合う奇行を繰り返し、暴れまわる――そんな彼女を憧れて……?

パピヨン「ちょっと!お兄さん絶対勘違いしてる!奇行とかに憧れてるわけじゃないって!」

アタシはあんな変人になりたいわけじゃないの!あくまで走り!走りだけ!

『あ、ああ……』

ま、まあそうだろう。【貴方】はホっと胸をなでおろす。

パピヨン「あの後ろから一気に抜いて行くのとか、見てて気持ちいいでしょ?アタシにはそういうの出来ないけど、ああいう見てて気持ちのいい走り」

……やりたいなぁ。と、こぼすパピヨン。

パピヨン「ま、アタシはそういうガラじゃないけど――」

『やりたいと思うなら、やろうパピヨン』

パピヨン「へ?」

『走りたいように走るんだろうキミは。なら……走ろう!見てて気持ちのいい逃げを!』

キミの背中を走るウマ娘全員に見せつけて、最初から最後まで先頭を往く――そんな走りを!

パピヨン「……ぷっ、あははは!なにそれ、アタシにそんなこと出来ると――」

『キミにそれが出来ると思うから言ってるんだ!パピヨン!』

パピヨン「っ」

パピヨン「…………あ、あ〜!アタシ、ちょっと用事あったから、また明日ね!明日〜!」

『えっ?あ、ああ……また明日、お疲れさま!』

――急にトレーニングルームを飛び出していったパピヨン。

……【貴方】はまたトレーニングを考えないとな、と言い。沢山の書類や本が詰まれた机に向かった。


パピヨン「……ほんと、ほんとお兄さん……さぁ……!」

パピヨン「なんで、あんな、期待して……ああ、そっか」

トレーナーだから。担当だから……アタシの走りに魅了されたから。

お兄さんは、アタシに期待してるんだ……。

パピヨン「なら、お兄さんだけには……応えないと」

パピヨン「お兄さん、お兄さん……アタシ、頑張るから……」

『ついに届いたな――勝負服』

パピヨン「そりゃぁ、アタシはそろそろG1レースで走るウマ娘になるんだし当然だよね〜」

勝負服。それはウマ娘が特別なレースに出走する際に着用する衣装。身に着けると何やら不思議なパワーが与えられるというらしいが……それはウマ娘にだけ分かるとか。

今まではゼッケンに体操服を来て出走していたが、今後G1のようなレースを走るならこの勝負服を身にまとうことになる。

『それじゃあ、早速試着してみてくれ。サイズに間違えとかあるなら直さないといけないからな』

パピヨン「は〜い。それじゃ、お兄さん?変態のロリコンじゃないなら、ちょ〜っと部屋から出て行ってもらえるかな?」

『あっ、わ、悪い!それじゃあ着替えたら言ってくれ!』

パピヨン「ぷぷぷ、ほんとお兄さんってばキモ〜い!」

――

シルヴァーパピヨンの勝負服は:23時まで募集。

シルヴァーパピヨンのの勝負服の見た目を募集します。今日はあまり出来なさそうなので23時までに来た中から選ぼうと思います。

トレセン学園の制服(ただしミニミニスカートに色調反転している)でシマシマニーソ


耳飾りデザインもしたいと思う

すみません、やっぱり更新難しそうなので今日はこれだけで終わりです。おやすみなさい。

パピヨン勝負服と一緒にステラライム勝負服の募集もしたいと思います。何かあったら送ってくれると嬉しいです。

>>261
沢山デザインしてください。耳飾り何も考えてなかったですし、右か左かも分からないので。

決めてない部分は積極的に採用していきたいです。

こんばんは、21時で締め切ろうと思います。

何かあればよろしくお願いします。

パピヨン「じゃーん。どうどう?似合ってるでしょ」

その場でクルリとターン。一回転した後、彼女は【貴方】を見てニヤリと笑う。

ダボっとしたカジュアルな感じの一枚パーカー。赤い炎の模様と、背中にはその熱で溶けかけの銀色の蝶。

ビリビリと破けたダメージソックスを履き、走りにくそうなピンヒールのブーツ。これで走れるのかと疑ってしまうが、きっと問題ないのだろう。

そして……いや、その。

『……キミ、パーカーの下は』

パピヨン「……あ〜〜〜!!!ぷっ、ぷくくくく!お兄さんへんた〜い!勝負服似合ってるぞ〜とか、そういう言葉より前に、アタシのパーカーの下が気になるんだ!」

『なっ……!』

パピヨン「いいよいいよ?お兄さんなら特別に〜……ちらり?」

『ちょ、おい、やめっ……やめなさい!ああ、悪かった!」

パーカーをたくし上げようとするパピヨンを止め、大きな声で謝る。その謝罪を聞いてなお、彼女はぷぷぷと笑っている。

パピヨン「ま、ちゃんと履いてるから大丈夫だって〜。あー、おもしろ〜。お兄さんも、そういう反応するんだ〜」

『……前々から言っているが、そういう言動は良くないと』

パピヨン「はいはい反省してま〜す。は〜……あ、サイズとかは全然大丈夫だよ?ちょっと前にぴょこぴょこジャンプとかしたけど、平気だったし」

『ん、ならいいな。それと……ああ、似合ってるぞ。その勝負服、キミらしいな』

パピヨン「……ぷぷ。ありがと、お兄さん?」

今日はこれだけです。すみません。お休みなさい。

イベント:安価直下
1 G1に向けたトレーニング
2 ニシノダスカともう一人と雑談

パピヨン「っ!やっ、ぁあああああああああ!!!」

『……』

カチリとストップウォッチのボタンを押しタイムを確認する。上がり三ハロンのタイムは前に比べると格段に速くなり、前の限界ギリギリの走りに比べるとだいぶ余裕が出てきた。

繰り返し行われたプールトレーニングと坂路トレーニング。そして瞬発力を強化するための筋トレとラダートレーニング。スタミナを切らさず最高速で駆け抜ける――それが出来れば苦労しないが、それを実現させるためにまずは基礎。

特別なトレーニングも、作戦もいらない。【貴方】はシルヴァーパピヨンの思い描く走りを見るために、ただひたすらに基礎トレをおこなった。

……そろそろ飽きて来ただろうな。

パピヨン「あー!飽きた!お兄さんちょっと――」

『ああ、一度休憩しようかパピヨン。アイシングをするからこっちにおいで』

パピヨン「……はーい」

ぶーぶーと何やら文句が聞こえてきそうだが聞こえないふり。彼女の足を軽くマッサージして、そのままアイシングを開始する。

パピヨン「は〜……ん、ねーお兄さん。アタシ、どうだった?」

『いい走りだったよ。さっきのタイムもだいぶ早くなっていたし。あの逃げならきっと――うわっ!?』

パピヨン「そうじゃないそうじゃない!違うってば!」

いきなり頭をグリグリと揉みくちゃにされ声を出す。彼女の顔を見ると分かってないな〜、と言わんばかりの表情。

パピヨン「……惚れた?さっきの走りで」

『……ああ。キミの走りから目が離せなかった。もう一度惚れ直したよ』

パピヨン「ん〜……お兄さんほんとキモ〜い。ほんと、めちゃキモい。終わってる〜!」

『んなっ……!キミが訊いてきたんだろ!?』

パピヨン「ぷぷぷ!はっずかし〜!」

……こんなやり取りも数回目。いつか分からせてやりたいと考えたこともあったが……今は彼女の走りだけを考えよう。

二戦二勝。ダートを駆ける我が担当ウマ娘が、一番にゴールを通過する走り。彼女が気持ちよく、楽しく走るために――【貴方】は力を尽くす。

『……ほら、そろそろ練習に戻ろう。パピヨン』

「あーお腹いた〜い……ぷぷ。オッケーお兄さん。頑張ってくるね〜」

――寒い冬の夜空。決戦の日は、もうすぐそこだ。



お久しぶりでこれで終わりです。次ステラライムとの勝負、G1全日本ジュニア優駿です。

勝つも負けるもコンマ次第。怪我無く走り切って欲しいです。

パピヨン「あー絶対外寒い!やだやだ勝負服で外出たくない!」

『えぇ……』

G1、全日本ジュニア優駿当日。各出走ウマ娘が控室で様々な準備をしている中。【貴方】の担当ウマ娘シルヴァーパピヨンは……騒いでいた。

パピヨン「だって今日すっごい寒いよ!?しかも夜だし!あー勝負服もっと暖かいのにすればよかったぁ!」

『そんなこと言われてもキミなぁ……出走前になれば集中で寒さとか気にならないんじゃないか?』

パピヨン「寒いものはさーむーいー!やだー!風邪とか引く!」

わーわーきゃーきゃー。と騒ぐその姿はあまりにもこれからG1の大舞台で走るウマ娘とは思えなかったが……今更だ。【貴方】は知っている、彼女は走るときは真面目だし、ふざけない。

……しかし、まあ。彼女の勝負服はチラチラ肌色が見えているし、寒いのは本当なんだろう。なら、【貴方】が出来ることは……。

『ほら、パピヨン。手を出して』

パピヨン「え〜……なに、ポッケから手出したくないんだけど〜……は〜。んも、しょうがないな――ひゃっ」

パーカーのポケットから嫌そうに手を出すパピヨン。白く綺麗でとても小さなその手を、【貴方】は自分の出てぎゅうと握りしめる。

『さっきまで暖かいペットボトルとか持っていたから、ちょっとはカイロ代わり……なんて、ならないか』

パピヨン「…………セクハラだよ普通にお兄さん?え、分かってる?」

『え』

パピヨン「やぁん!トレーナーのお兄さんに無理やり身体触られました〜!たづなさんとかクラスの先生にチクって上に報告してもらお〜!」

『わ、悪かった!悪かったから!はぁ……無理するもんじゃないな』

パピヨン「ぷぷ、でも女性経験ゼロのお兄さんにしては〜……頑張った方なんじゃない?」

パピヨン「あ、そろそろ時間。それじゃ――」

『ああ、ちょっと待ってパピヨン』

――楽しく走っておいで。キミが思うとおりに、走りたいように走れば、きっと大丈夫だから。

パピヨン「……うわ、なにそれ。アタシが楽しく走ってないって言うの?お兄さん」

『いや、そういうつもりじゃないが……その、ちょっと緊張してるんじゃないかって思ったから』

走りたいから走る。パピヨンが走りたいように走る。だから【貴方】はそれに魅了されたし、担当のトレーナーになった。

彼女の走りへの想い、その根っこ。それを忘れて走るというのは……良くないことだと思う。

『忘れないでほしいんだ、そういう気持ち。確かに緊張もするだろうけど、走るときは……キミには楽しんで欲しい』

パピヨン「はいはい、緊張とか意味わかんないけど、お兄さん」

アタシはアタシらしく、いつも通り走るだけ。沢山練習もしたし、努力もしたけど……最後はやっぱりそこだよね。

パピヨン「そして、ステラライムにリベンジ……しちゃうから。それじゃ〜ね、お兄さん?」

『ああ、行ってこい!』

――そして、彼女は行ってしまった。

どの様な結果になるかは分からない、が――きっと彼女なら。シルヴァーパピヨンなら。

……観客席に向かおう。そして見届けよう。

パピヨン「……あ」

ライム「あ!パピヨンさん!」

しまった。誰にも会うつもりなかったのに……あー、やらかした。

地下バ道でステラライムがこっちに向かってくる。

パピヨン「やっほーライム。偶然だねー……うわ、なんかすご」

勝負服を身にまとったライム。緑や黄色、城を中心としたなんだか春っぽい爽やか〜な感じの勝負服だけど……背中すご!だいぶ空いてる!

パピヨン「寒くないの?背中、すっごい空いてるけど……大胆だね?」

ライム「はい!最初はちょっと寒く感じましたけど、今はもう全然!レース前ですし、なんなら暑いくらいで!」

パピヨン「やば〜……」

うーんその感覚、ちょっと分かんないかも。アタシまだ寒いし。

ライム「……パピヨンさん。今日もアタシが勝ちますよ。G1の大舞台でも、私は貴女を差し切って……一番にゴールを通過します」

パピヨン「ふぅん……ま、出来るものならやってみれば?ま、今日のライムはずーっとアタシの後ろ姿だけを見ることになると思うけど」

ライム「ふふっ、そうこなくっちゃ――それじゃああとはレース中に走りで答え合わせを!今日は良いレースにしましょう!」

元気よくハキハキと。そして、ライムは駆け足にコースに向かって行った。

――んじゃ、アタシも行こう。

ワァアアアアアアア……!と、観客席から歓声が上がる。そうだ、そう言えばアタシG1どころか重賞も初めてだった。この歓声を訊いて思い出すなんて、なんだかなとアタシでも思う。

あーでも、お兄さんからも何回も言われてたかも。まあ、結構聞き流してたし。

――さあ、ダートに続々とウマ娘が姿を現しました。

ライム「……よし」

――5枠8番。今回のレース一番人気、ステラライム。前走では見事な末脚を発揮しましたが、G1という大舞台でもそれを発揮できるか。

パピヨン「……」

――3枠4番。二番人気シルヴァーパピヨン。逃げウマ娘としては同世代に比べ一級品。鮮やかなスタートダッシュを決め、今宵も逃げ切ることが出来るか。

あー、なんかそれっぽいこと言ってる。はー……てか二番人気なんだ、もっと低いのかなとか思った。一番人気はライム何だろうな、って確信だけはあったし。

パピヨン「あー……」

……なんだか頭がすっきりする。さっきまでだいぶ緊張してたのに、不安とかもいっぱいあったけど。こうなるとアタシもウマ娘なんだな、って感じがする。

走ることしか考えられない。走ることに集中したい。

はー、と白い息。寒い夜の風がびゅーと吹くけど、全然寒くない。むしろ火照った身体に心地いい。

ゲートに、入る。

――すっかり陽が落ちました、川崎レース場。ダート1600全日本ジュニア優駿に14人のウマ娘たちが挑みます。

――今日の主役は一番人気ステラライム。この評価を覆すことが出来るか、二番人気シルヴァーパピヨン。

――各ウマ娘、ゲートイン完了。出走準備整いました。

ふー……っ、と息を吐く。そして、構える。

アタシの今まで、全部見せて、リベンジして――そして勝つ!

――さあ、今ゲートが開きスタートいたしました!

結果は――:コンマ直下

1 逃げ切り逃げ切り!
2〜4 ギリギリの勝利!
5〜8 ギリギリの負け……
9 掲示板
0 おおっと

ちょっと時間かかりそうなのでもう一つコンマ

パピヨンのレース後様子:コンマ直下
1〜3 くやしいくやしい!
4〜6 ちょっと泣きそう
7〜0 お兄さん嫌わないで……

――シルヴァーパピヨン好スタートを切り前に進み、先頭に立ちます。

スタートダッシュに成功し、ハナを握る。アタシがこのレースのペースを作り上げる。

風を切る音と後ろから追ってくるウマ娘の足音。それしか聞こえない。うん、良い感じ。

――二番手には一バ身ほど離れて9番。次に1番、11番、そして他ウマ娘が集団に固まり、一番人気ステラライムこの位置です。

パピヨン「ふっ……ふっ……!」

最初のコーナーを外に大きく膨らまないよう気を付けながら曲がる。後ろから聞こえてくる足音は……変わらない、アタシの速さも変わっていない。

――陽の落ちた川崎レース場で、ウマ娘たちの走りが輝かしく映ります。

――向こう正面でも変わらず戦闘はシルヴァーパピヨン、その後方に二バ身ほど離れ、集団が少しずつ伸びこの位置に1番、その後ろに9番、ステラライムは足を溜めている。次に――。

逃げる、逃げる、逃げる。まだ脚は止まらない。今までだったらここで少し苦しくなっていたけど、まだ脚は動く!

お兄さんとのトレーニングのおかげ、なのかな!ああ、楽しい――!先頭を自由に走るのは、風をこの身に受けるのは気持ちが良い――!

パピヨン「はぁああああああああ!!」

そのまま第三コーナーに差し掛かる。

――さあ、第三コーナーを曲がり最終コーナー!戦闘は相も変わらずシルヴァーパピヨン、だが後方のウマ娘が次第に迫る!

パピヨン「っ!」

少し外に膨れた……!けど、これくらい……なら!

パピヨン「はっ、はぁ、はっ――!?」

この、感じ……!

ライム「――やぁああああああ!!!」

――最終直線、ここで外からステラライム!ステラライムがシルヴァーパピヨンに迫る!

――それに続くように最後方から13番!9番と続く!シルヴァーパピヨン逃げ切れるか!

パピヨン「はっ、はぁ、はぁ、はぁ……!はぁあああああ!!!」

後ろから来る足音がドンドン大きくなる。逃げる、大きく腕を振って、逃げる。最終直線で、もう体力は殆ど使い切ったけど――まだ、走れる!

逃げる、逃げろ!先頭はアタシのモノ、アタシのモノ……なの!!!

ライム「――っ!!!」

――残り200メートル!シルヴァーパピヨンとステラライムの一騎打ち!その差は半バ身!

――逃げるシルヴァーパピヨン!追うステラライム!このデッドヒート、並ぶか……並んだ!並んだ並んだ!

視界の一番端に、ライムの顔が見えた。嫌だ、いやだいやだいやだ!負けたくない、負けたくない――!

ライム「やぁああああああああ!!!!!」

パピヨン「ぁああああああああ…………っ!!!!」


……あと少し、あと少しでゴール版。なの、に――!この、脚が、もう…………っ!

――残り100――ステラライム!ステラライムかわした!先頭はステラライムだ!

アタシの視界に、ライムの背中が映る。

――――そしてステラライムが今!ゴールインッ!!!二番手にはシルヴァーパピヨン!三番手には13番――。

ライム「はぁ、はぁ、はぁ――はぁ…………!!!」

パピヨン「はぁーっ、はぁーっ…………っ!はっ、はぁ、うっ…………ぉぇ…………」

頭に酸素が巡らない、血が流れない。今にも吐いちゃいそうなくらい、気持ち悪いのに……何故だか思考は鮮明だ。

負けた、負けた。最後に後ろから差されて、負けた――あんなに頑張ったのに、あんなにやったのに……!

ワァアアアアアアア……!!!と、大きな歓声が上がる。

ライム「…………っありがとう、ありがとうございました!本当にありがとうございました!!!」

大きな声で感謝の言葉、そして観客席に向かって大きく手を振るステラライム。それでまた歓声が大きくなる。

凄いなぁ、本当に。凄いなぁ……アタシは、もうそんなことできないよ。

ライム「……パピヨンさん!」

パピヨン「はぁ……ぁ、ライム?」

ライム「へへ、今日も私の勝ち、ですね!でもパピヨンさんの走りも凄かった……!最後の最後まで、本当に勝負が分かりませんでした
……!」

パピヨン「ぷ、はは……そんな風に言わないでよ、勝者が言っても嫌味に聞こえるよ?」

ライム「そ、そんなつもりじゃないですよ!本当に、本当にいい勝負だったから――はい。やっぱり、私はパピヨンさんをライバルだと思ってます!」

アタシの手を握りしめる。

ライム「貴女がどう思っているのかは分かりませんが――だから、また走りましょう!もっともっとも―っと走って、貴女の口から、ライバルだと言わせて見せます!」

パピヨン「……!」

ライム「それでは、また!次のウイニングライブで!」

――ライバル。ライバルかぁ、前にお兄さんにも言われた、その言葉。

…………。

『――お疲れさま』

パピヨン「ねえお兄さんちょっとあれさせて」

『え?あ、あれって――うわっ!?』

控室に戻ってきたパピヨン。初めて負けたレース、何があっても良いように身構えていたが、何をされるかと思えば……いきなり、抱きしめられた。

ぎゅうと、お腹に顔を埋めて。あの時の、前のプラタナス賞の時みたいに。

パピヨン「ごめん、負けちゃった。でも、でも……お兄さんはそういうの、失望とか、しないでしょ?」

『……それは、勿論』

パピヨン「でも、そういう怖さとか全部置いといて……アタシ、悔しい。悔しい、悔しい悔しい悔しい!あんなに頑張ったのに!あんなに走ったのに!最後の最後までアタシが先頭だったのに!なのに、負けた……!」

『……』

パピヨン「またライムに負けた!負けて、なのにライバルだって言って、あんなキラキラした眼で……!アタシ、アタシ……悔しい!勝ちたい、勝ちたいよ……!」

『……』

何か一言:安価下2
1 ……その悔しさを糧にして、また頑張ろう
2 自由安価

『……その悔しさを糧にして、また頑張ろう』

頭を撫でる、【貴方】のお腹に顔を埋め悔しさを口にするパピヨンの頭を、くしゃりと撫でる。

『そうやって悔しがれるなら、まだ大丈夫。キミはまだまだ強くなれる、まだ沢山……走れるよ』

パピヨン「……アタシ。決めたお兄さん」

――ステラライム。アタシ、ステラライムのライバルになる。

『……』

パピヨン「あっちはずっとライバルだって言ってるけど。アタシがそう思えるように。ライムにふさわしいライバルになって……期待に、応えたい」

『……そっか』

『キミに、新しい理由が出来たな。あのキミが誰かのライバルになりたいだなんて……な』

パピヨン「な、なに。おかしい?」

『そんなことはないさ、立派な理由だと思う。だったら、もっと頑張らないとな』

パピヨン「…………あー!なんかムカつく!なんか理解あるトレーナーみたいなこと言って!キモ!キモ!最低!」

ガシガシと足を蹴られる。しかし、やはり手加減をされているのかあまり痛く……いた、痛い!

パピヨン「それじゃ、アタシライブあるから!それじゃあね!」

――出て行ってしまった。

自分の走りが出来ればいい。それで他はあまり考えなかった彼女が、ステラライムという相手を気にしている――。

……来年からのクラシック級。どうなるか楽しみだ。

今日はこれで終わりです。お疲れさまでした、おやすみなさい。

次はクリスマスとかお正月とか。

ステラライムがライバルしてくれてとても嬉しいです。正統派に良い子で正統派に強いので。

メイケイエールとナムラクレアに頑張ってほしいです。

サンタパピヨンはプレゼントを上げるんじゃなくてプレゼントを搾り取る方ですね。

――全日本ジュニア優駿から数週間。【貴方】は今後のレースの事を考える。

『……ステラライムのライバルになる、か』

ステラライムはマイルダートを主軸に走るウマ娘。それは今までのレースや全日本ジュニア優駿からも明らかだった。

……となると四月に行われるG3マリーンカップや、六月のユニコーンステーク辺りに出走する可能性はありそうだ。

『しかし、なぁ』

パピヨンが走りたいのならそれを止める理由はない。しかし、やはり【貴方】の頭には……短距離を走る彼女の姿が思い浮かぶ。

今でこそスタミナをつけマイルを走れるように頑張っているが、根っこの部分はスプリンター。そこで華麗に逃げ切る彼女を見たくないわけがない。

『……昇竜ステークス、天保山ステークス……まあ、ここを走るとなると』

時期の関係で彼女はステラライムと走れなくなってしまう。まあ、これは【貴方】のエゴだ。最後に決めるのはやはり彼女、シルヴァーパピヨン。

ステラライムは今後もっと強くなっていくだろう。ならこちらももっともっと強くならないといけない――トレーニングメニューの見直しや、フォームの確認なども必要だろう。

『それにしても……今日はクリスマスか』

……パピヨンはいない。きっとクリスマスだし他の子と遊んでいるんだろう。

クリスマスイベント:安価直下
1 『一応プレゼントとか用意したんだけどな……』
2 パピヨンサンタさん襲来
3 パピヨンにパーティー誘われる
4 自由安価

パピヨン「――ぷぷ、お兄さんもしかして〜……クリスマスなのに一人ぼっち〜?」

トレーナー室の扉が開かれて、そこからパピヨンが顔だけ覗かせてこっちを見ている。

『ぱ、パピヨン?』

パピヨン「寂しそ〜なお兄さんの為に〜……じゃーん!パピヨンサンタさんで〜す!」

ニヤニヤと笑うパピヨンは、そう言いながらぴょん。とトレーナー室に入ると……なんと。

『どうしたんだ、その服』

――サンタさんだった。可愛らしい赤と白を基調とした、ウマ娘サンタさんの衣装。

パピヨン「ぷぷ、お兄さんにはちょ〜っと刺激が強かったかな〜?でも、ほらほら?嬉しいでしょ〜?」

この前ショッピングモールに遊びに行ったら売ってたんだ〜。アタシに似合いそうだったから思わず買っちゃったの。と、彼女は当然のように言って。

……そしてパピヨンは【貴方】の隣にピッタリとくっ付いた。

『……キミ、こういうのは良くないよ。もっと自分を――』

パピヨン「はいはい真面目なお兄さんは偉いでちゅね〜!ぷぷぷ!ほらほら、パピヨンサンタさんに、何か欲しいものとかないんでちゅか〜?」

なんだか今日のパピヨンはいつにもまして勢いがあるな。とかなんとか思う。

【貴方】は考える。ここで欲しいものを素直に言っても良いものか。しかし、何を頑張っても揶揄われる未来は変わらないような――。

『……欲しいもの、か』

パピヨンサンタさんに――:安価直下
1 欲しいものが、ある。
2 実はこっちからもプレゼントがあるんだ。
3 ……最近ちょっと舐められすぎてないか?

パピヨン「あ、もしかして〜……いやぁん。お兄さん、アタシにちょっと欲望丸出しの――」

『……そうだ、実はキミにプレゼントがあるんだ』

パピヨン「……へ?」

机の引き出しに入れていたそれを取り出す。一応クリスマスということで、トレーナーとして大人として用意をしておいたものを。

パピヨン「いやいや!お兄さん、今回はアタシがサンタさんなんだけど〜!ぎゃくぎゃく!」

『でも……じゃあ、要らないか?』

パピヨン「要る!」

――こういうところは本当に素直だと感心する。まあ、彼女が気に入るかどうかは分からないが――。

パピヨンへのプレゼント:安価1〜3
何かプレゼントできそうなものを。

ウマ尻尾用オイル

ウマ耳ケア用品

ごめんなさい、これで終わりです。おやすみなさい。



尻尾か耳か:安価直下
1 >>300
2 >>302

パピヨン「……あ!これアタシが欲しかったやつ……!」

『え、本当か?』

クリスマス用の包装を取り、中にはウマ娘の尻尾に使うオイル。色々とパピヨンに合いそうなものを探してプレゼントしたんだが……どうやらお気に召したようだ。

『良かった、丁度キミが欲しかったもののようで。頑張って選んだかいがあったよ』

パピヨン「え、うそ!結構これ高かったと思うんだけど……え、やば!お兄さんありがとう!うわ〜……」

年早々に目を輝かせて、耳をぴょこぴょこさせ、尻尾をふりふりと我慢できなさそうに横に揺らして。

……あのパピヨンがこんなに喜んでいるのを見るのは初めてかもしれない。

パピヨン「え、じゃあお兄さんお兄さん!早速やってよ!」

『え?』

パピヨン「尻尾の手入れ!ほら!早く早く!前教えてあげた通りにやれば大丈夫だから!」

はーやーくー!ほらはーやーくー!と急かされて、【貴方】は急いで準備をする。

……自分から言い出しておいてあれだが、このサンタのコスプレをしているウマ娘はプレゼントをどうしたのだろうか?まあ、気にはならないが。

これだけです、おやすみなさい。



パピヨン「…………〜♪」

櫛を適切な角度で入れて、優しく梳く。撫でるように尻尾の先に向かって三回。

尻尾の毛の流れが綺麗になったのを確認して、【貴方】がプレゼントしたオイルを手の平に馴染ませる。そして、尻尾全体に広げていく。

……スッキリとした匂いが、ふわりと部屋に広がる。

パピヨン「あ、この匂い好き……ん〜。やっぱりお高いだけあるな〜、アタシじゃ中々手を出せないくらいのお金のはずなんだけど〜……」

『……お金は沢山貰える仕事なものでな』

トレーナーは結構高給だ。ただそれで貰ったものを使うことが出来るかどうかは別の話だが。

……使う機会のないお金を、こうして使えるのなら本望だ。

パピヨン「ふん、ふふん、ふ〜……ふ〜ん。んっ……お兄さん、そこ。そこもう少し撫でて……」

『はいはい』

尻尾の付け根の手前くらいを、指先ですりすりと撫でる。

パピヨン「ん〜……ん、まあ。お兄さんにしては、上手いかもね〜……♪」

『もっと上手になれるように精進するよ、プロ』

パピヨン「ふふん、上級者を敬う姿勢忘れないでよ〜?ぷぷぷ……」

――クリスマス。トレーナー室にトレーナーとサンタ姿のウマ娘が一人ずつ。

尻尾を梳く音とオイルの音、そして可愛らしい彼女の鼻歌だけが聞こえている……。

たずなさん見逃して



――お正月。トレーナー室にいると。

パピヨン「あ〜お兄さん、こんな時もお仕事してる〜」

『ん、ああ。パピヨン、どうしたんだいきなり』

パピヨン「――いやぁ、暇そうなお兄さんがいるんじゃないかな〜って思って?ちょっと顔見せに来ただけだよ〜」

あ、お菓子貰っていくね〜と、いつも通り変わらずお菓子を棚から取り出してソファに横になって――。

フラワー「パ、パピヨンちゃん……!」

……突然、扉からひょこりとフラワーが飛び出してきた。

『え、フラワー……?』

フラワー「あ、パピヨンちゃんのトレーナーさん!明けましておめでとうございます!今年もよろしくお願いします!」

『あ、ああ……あけましておめでとうございます、今年もよろしくお願いします……』

とても丁寧に挨拶をされたので、こちらも丁寧に返してしまう。というか、何故フラワーがここに……。

パピヨン「げ、フラワー。ちょっと待ってよ、アタシにはアタシのペースってのがあるんだって」

フラワー「それはそうかもしれないけど、早々にくつろぎ過ぎだよ……!ほら、新年の挨拶しないと……」

パピヨン「…………あけおめことよろ〜。お兄さ〜ん」

サクサク、とスナック菓子を食べながら。

フラワー「パピヨンちゃん……!」

『は、はは……』

「今後もパピヨンちゃんをよろしくお願いします!」と言い残して、フラワーはトレーナー室を去っていった。

パピヨン「フラワーってば、いつもお世話になってるトレーナーさんにはちゃんと挨拶をした方が良いよ〜って、アタシをグイグイここまで引っ張って……」

『礼儀正しい子なんだな』

パピヨン「そうそう、フラワーは礼儀正しくて真面目で良い子なんだ〜」

そういうパピヨンの表情はなんだか嬉しそうだった。フラワーと幼馴染という彼女としては、ちょっと誇らしいのかもしれない。

パピヨン「まあ、それにしてはちょ〜っと強引な気もするけどね。別にお兄さんに挨拶とかよくない?」

『それはそれで少し悲しいけどな……』

パピヨン「そう?お兄さん、そういうの気にするんだ〜?へ〜……」

あ、というか。と、パピヨンが話を変える。

パピヨン「新年の抱負、とかあるのお兄さん。アタシ別にそういうの――あ、いや、一応あるけど」

『パピヨンの新年の抱負?』

パピヨン「ステラライムに勝つ。アタシの走りで、逃げ切って――っていうのは、お兄さんならもう知ってて当然?結構話してるしね」

『……なるほどな』

なら、自分の新年の抱負は――と、【貴方】は。


【貴方】の新年の抱負:安価直下
1 自分もキミをライバルに勝てるウマ娘にするよ
2 スタミナをつけて余裕を持てる走り
3 ……必殺技だな!

『キミをライバルに勝てるウマ娘にするよ』

パピヨン「ぷぷ、何当然のこと言ってるのお兄さん。一応トレーナー、って形なんだからそれくらいの仕事して貰わないと」

一応トレーナー、ではなくちゃんとトレーナーなんだが……と言いたくなったが、グッとこらえる。

『じゃあ、そのためにも早速トレーニングをしないとな』

パピヨン「……は!?お兄さんもしかして外出ろって言ってる!?やだやだ元旦からトレーニングとか!外出たくない寒い!ストーブとかエアコンのあるここから出たくない!」

『いやいやキミなぁ……』

パピヨン「やーだー!やーだー!」

――いやいやキミもライバルに勝ちたいと言っただろう。

結局。トレーニング後に好きなお菓子とジュース、尻尾手入れを念入りにすることを条件に、トレーニングを承諾して貰った。

ライム「――はい、ありがとうございます。今後もトレーナーさんと共に研鑽を積み、頑張っていきます!」

小さなテレビで【貴方】とパピヨンは、ステラライムのインタビューを見ていた。

『……凄いな、彼女』

パピヨン「ねー、もう今の時期のダートの新星?期待の新顔?みたいな」

その番組はダートで活躍中の彼女にフォーカスしたものだった。トレーニング風景や、レースにかける思い。質疑応答などなど……。

パピヨン「てか、ライムがこれならアタシにもちょっとは取材が来てもいいんじゃないの?」

『キミが来る取材全部いつもの調子で煽ったりバカにしたりで追い返すからだろう……』

メイクデビューの時のような走り終わった後に観客をバカにする、みたいなことはあまりなくなったが。それでも彼女は変わっていない。グイグイ来るインタビュー取材には、色々と好き勝手言って門前払い。

……そのせいで最近は雑誌に記事が書かれても、なんだか問題児とか気性難とか、態度や性格云々みたいなそんな悪い記事が書かれがちだ。

『キミがそういうの気にしないというから放置はしているが、本当にいいのか?』

パピヨン「良いの良いの〜、アタシはそういうもんだから〜」

何て、言いながら欠伸。

……まあ、本当にまずそうな一定のラインを超えた記事だけはこちら側で処理はしているが。まあ……。

記者「――それで、次走についてですが」

ライム「次走については――」

次走:コンマ直下
1〜5 マリーン
6〜9 ユニコーン
0 ――短距離!?

ライム「六月に開催されるユニコーンステークスにしようと考えています」

ユニコーンステークス。パピヨンの次走にも考えていたレース、それにライムが出走する。

パピヨン「……ふーん」

『……どうする?パピヨン』

パピヨン「当然。ライムにリベンジのチャンス〜……アタシが逃すわけないでしょ?」

ライム「あ、そうだ。すみません!少しマイク、お借りしてもよろしいですか?」

突然、ライムはそう言うと記者の一人からマイクを受け取ると。

ライム「――パピヨンさん。見ていますか?」

パピヨン「んぇ?」

パピヨンの口から、情けない声が漏れる。

ライム「もし良かったら――来てください!また貴女とレースをしたいです!いつでも、受けて立ちますから!」

パピヨン「――」

思わず、口が開いてしまう。【貴方】も、パピヨンも。

テレビでの名指しをしての宣戦布告。あのライムからの……驚いた。まさかこんなことをする子だったとは。

ライム「……あ!これ、生放送じゃないんでしたね……!す、すみません!少しなんだか気持ちが昂ってしまって――」

パピヨン「…………」

『パピヨン、パピヨン?』

パピヨン「え、あ、うん!?ど、どうしたのお兄さん!?」

――まだぽかーんとしていたパピヨンを引き戻す。

『……こりゃ、ますます負けられなくなったな』

パピヨン「…………うん、負けられない。負けられないよ、本当に」

――――こちらの次走も決まった。G3ユニコーンステークス。

次は、勝つ。レースでリベンジを果たそう――。

やりますイベント。前にも書きましたが、ウマ娘化されていない競走馬の登場などはNGです。

あと時間がとても空いてしまい申し訳ないです。



見たいイベント:自由安価下3まで。

ちょっとイベント前後させます。

今日はこれだけです。おやすみなさい。



ライム「――――♪」

パピヨン「んっ?」

あんまり人のいない校舎の裏。なんとなく探索がてらそこに向かうと――なんだか聞いたことのある声。

パピヨン(……ライム?)

ライムの声じゃん。しかもなんだか嬉しそう?

……電話をしてるみたいだけど、誰だろ。そう思った瞬間、アタシはまず――盗み聞きをすることにした。

ライム「――うん、うん。次の休みは家に帰る予定だから、その時一緒に――え?なになに、ご飯?」

あー、分かった。これあれだ、幼馴染だ。物陰からチラリとライムの様子を伺うと……?うわ、凄い乙女の顔!

ライム「えー、んもー。○○くんってば、ほんと私のご飯好きだよね……うん。分かった分かった美味しいの作るよ。じゃあ今度一緒に買い物行こうね」

……というか、雰囲気全然違う。なんだか、凄い年相応って感じ。これをネタに色々からかったり――いややめておこう、また拗ねちゃう。

ライム「あ!というかちゃんと勉強してる?○○くん、あんまり自分で勉強したがらないからな〜……ふふ、うん。知ってる知ってる、私がいなくても、ちゃんと一人で勉強してるんだよね?じゃあ今度テストの結果見せてもらおうかな〜」

パピヨン(……)

え、付き合ってるでしょこれ。付き合ってないの?フードコートであんな顔真っ赤にしてたのに、やっぱちゃんと付き合ってるでしょ?

ライム「……えっ?いや、そんな良いって……ふふっ。ちょっと恥ずかしいよ……んもう、じゃあ約束ね。うん、約束約束」

約束!?何を約束した!?彼氏……じゃない幼馴染は何を言ってライムを照れさせた!?

――ああ駄目だ、なんかこっぱずかしい。戻ろ……。

ライム「ってことがあったんだけどねスカーレット!まじ、あんなの付き合ってるよほんと〜!」

ダスカ「アンタねぇ……いや、まあ。話を聞く限り、分かるけど」

食堂で二人、昼食を食べながらそんな話をする。スカーレットも分かってくれたようで嬉しい!

ライム「早く付き合っちゃえばいいのに〜って思うけど、あれかな。お互い今の関係を崩したくないから告白できない〜みたいな奴かな」

ダスカ「ちょっと止めなさいよ、そういうのあんまり――というか、アンタが言えた話?」

ライム「は?」

――アタシの話?

ダスカ「この際ハッキリ言うけど、アンタもライムさんと同じ感じよ?えっ、これで付き合ってないの?みたいな」

ライム「いや、なにそれ意味わかんないんだけど?なに、アタシと誰が付き合ってないって?」

ダスカ「トレーナーに決まってるでしょ?ねえパピヨン、あんた学園内の同年代の間だと……結構噂されてるのよ?」

――年上のトレーナー相手にもグイグイ行って、トレーナー室を私物化。入り浸り。

ダスカ「距離近いし、尻尾の手入れとかもさせてるって――それ、だいぶ凄いわよ?アタシから見ても」

ライム「…………」

結果:安価直下
1 え〜?意味わかんないんだけど〜?
2 ……?(無自覚)
3 ……!??!?!?

いつかデジたんと邂逅する日があるだろうか

パピヨン「……!??!?!?」

顔が、ぼん、と熱くなる。耳の先までぽっぽと火照って、熱くて熱くて堪らない。

え、いや。いやいやいや!?アタシと、お兄さんがそんな……いや、そんな、えっ……!?

ダスカ「うわ、顔真っ赤。もしかして……」

パピヨン「う、うっさい!うっさいバカ!いや、意味わかんないんですけど!は〜!?」

ライムと幼馴染のアレ、と同じって……そんなわけ、ないでしょ!?

まあ、確かにトレーナー室で最近よくゴロゴロするし、尻尾の手入れも……まあそこそこやって貰ってるけど!距離感とか、別に普通……そう普通なんだけど!

まったく恋愛脳!なんでもかんでもキャーキャー騒いで、ほんっと頭悪い!

パピヨン「ふーんだ!勝手にそう言ってろ!あーもうそれじゃあアタシは用事あるからこれで!」

ダスカ「……はいはーい。それじゃ気を付けて〜」

あースカーレットのバカ!バカ!バーカ!

『それで、どうしたんだよ。いきなり』

パピヨン「うっさい、黙って仕事してろ」

『……はいはい』

カタカタとタイピング音。あー本当に仕事再開しちゃった、お兄さん。

……いや、別に。普通でしょ。普通、だよね?トレーナー室で横になるくらい、別に他の子もしてるし……うん、そう。普通普通、アタシが変に意識する必要なんてない、なーい。

スカーレットがちょっと頭の中お花畑で、恋に恋しちゃってる感じのそんなあれになっちゃってるだけで……。

…………。

パピヨン「ねえ、お兄さん」

『ん?』

パピヨン「その、えっと……こうやって担当ウマ娘が、トレーナー室でダラダラしたりするのって……変、というか普通じゃなかったりする、のかな?」

『?……いや、別に変ではないと思うぞ?』

パピヨン「!!!」

――だ、だよね〜!お兄さんがそう言うなら、全然普通だよね〜!

だからアタシの距離が近いとか、付き合ってないのが信じられないとか……変じゃありませ〜ん!普通で〜す!

はー焦った!ビックリした!全然お兄さんとか好きじゃないし!あー、意味わかんないわーほんとー!

パピヨン「ぷ、ぷぷ!だよね〜?一人ぼっちでお仕事してるお兄さんにとって、アタシみたいな花は目の保養になるもんね〜?」

ずっとずっとトレーナー室でアタシを見れるなんて……お兄さんもしかして超ラッキー!?

『な、なんだなんだ?いきなり……あ、そうだ。この前コンビニでおしるこ買っておいたから、レンジで温めて食べていいぞ』

パピヨン「え、ほんと!?わ〜い!お兄さん気が利くじゃーん!」

――これがアタシとお兄さんの普通。うんうん、普通普通。

>>330
イベントとかで名前が出たらガッツリ邂逅しそうです。
デジたんならそのうちひょっこり出て来そうな気がしないでもないですけど。

これだけですけどちょっと時間空きます。日付変わるくらいになりそうです今日の更新。

パピヨン「え、他の子も一緒……?」

『ああ、知り合いのトレーナーが担当している子なんだが、今日一日だけ面倒を見て欲しいそうなんだ』

自主トレーニング用のメニューは渡したが、一応。と、お兄さんがアタシに言うけど……ふーん。

パピヨン「ま、おっけおっけ〜。ぷぷ、お兄さんってキモいからその子に嫌われなように頑張りなよ〜?」

『はは……というかキミもだよ。いつもの感じでその子に話しかけるなよ?一応同い年なんだから、仲良くしような』

パピヨン「え、なにそれ?いつもの感じって、ん?」

『……』

さーて、その子はどんな子かな〜?面白い子だと良いけど〜……。

モブ「えっと、こんな感じですか?」

『そうそう、そんな感じだ。ただもう少し手のふりを意識して、足首を――』

パピヨン「…………」

つまんない、つまんないつまんないつまんないつまんない!つまんない!!!

はー、なに!?アタシをほっといてあっちの子ばっかり構って……そっちはメニューあるんでしょ!?

……う"〜。

『……ん。どうしたんだパピヨン』

パピヨン「言われたトレーニングやったから来ちゃった〜。んで、どうどう?その子」

モブ「あ、パピヨンさん……お疲れさまです!」

『ああ、基礎もしっかりしているしフォームも綺麗だ。トレーナーの指導が丁寧なおかげだろうな……これでまだデビューしていないって言うんだから驚きだよ』

モブ「えへへ……そんなことありません!私なんてまだまだ……」

…………随分褒めるじゃん。随分嬉しそうじゃん。アタシの方が早いし走りも綺麗なんだけど。

モブ「……えっ?」

『それに見てくれ、このトモ!走り終わった後にも様子を見たが、あらためて見ても綺麗だ!』

このトモなら引き締まっていてあんな走りが出来るのも納得だ――いやぁ、芝適正だからパピヨンとは走ることはないかもしれないが。ダート適性があったらきっとライバルだったな。

……は?いや、そうじゃなくて――なに。なんでそんなトモとか見て、キモ。ほんと、キモ……!

パピヨン「え〜なにお兄さん、ほんとキモいよ?普通にセクハラだよ、ね〜?」

モブ「え、いやそんなことは……いや、あの、尻尾……」

『……う、そうかもしれないな。すまん……気を付けるよ』

どうも、私○○です。デビュー前のウマ娘、やってます。

今。トレーナーさんの知り合いのトレーナーさん……に面倒を見てもらっているんですが――。

『というか、パピヨン。キミ早くトレーニングに』

パピヨン「え、何?聞こえな〜い」

――シルヴァーパピヨンさん。同い年でもう先にデビューをしている、私からすれば先輩みたいな凄いウマ娘、なんだけど……。

…………ずっとトレーナーさんに尻尾絡ませてる!右足に、尻尾がぐりんと!

しかも全然気にしてないし……え、無意識?トレーナーさんは何も言わないの?日常茶飯事?

パピヨン「ぷぷ、○○も言った方が良いよ〜?セクハラされてる〜って、キモいもんね。脚をペタペタ、キモい目でニヤニヤ見られてさ」

モブ「あ、はは……」

パピヨンさんあなたは今尻尾でトレーナーさんの右足をすりすりしてますよ!気づいて!いや、もしかして私が悪いの!?

――嫉妬ってこと!?うわ、やっぱりパピヨンさんとトレーナーさんって実は付き合ったりして……!?きゃーすご!

『よし、それじゃあ○○ちゃんも、もう一度走ってみようか。さっきのアドバイス通りに手のふりを意識して――』

モブ「あ、はい!分かりました!」

と、いう訳でコースを何回か走ってタイムを計測して貰ったのですが――いや、その時チラチラと私はトレーナーさんの方を見たんですが……。

……パピヨンさん距離近い!すごいもう密着ですよ!うわ〜……凄いなぁ、凄いなぁ……。

――結局、今日一日は私、付きっ切りで指導して貰って。パピヨンさん、時折凄い目で私のこと見てて……凄い経験でした。はい。

パピヨン「ねえ、なんでアタシここにいるのかな?帰っていい?」

ナカヤマ「ククッ、まあいいじゃねぇか。付き合えよパピヨン……丁度人手も足りねぇんだ」

シリウス「まさかここまで来て逃げるなんて、白けた選択するんじゃねぇよな?」

いや、こっちは白けてるんだけど。なんかいきなり連れてこられて……なに?

ゴルシ「ふっ……いいぜ、出しなお前の超能力!ゴルシちゃんのゴルシプラチナでカード全部奪い去ってやるぜ!」

パピヨン「いや意味わかんないんですけど?ゴルシ先輩」

――しかもなんかゴルシ先輩いるし。ちょっと緊張するんだけど。

ナカヤマ「ルールは簡単なポーカー……しかしそれじゃつまらねぇ。賭けるのは明日の食券――」

ゴルシ「なっ……ナカヤマテメェ!奪い合おうってのか、アタシたちの胃袋を!」

ナカヤマ「当然だろう?負けたら明日の昼飯は無し。その分勝者が胃袋を満たす、当然の摂理だ――」

シリウス「ハハッ!良いぜ、かかってきな!あいにく腹は減っていないが、アンタらが空腹で顔を歪ませる様は拝んでおきたいな!」

パピヨン「なに?なんなのそのノリ。アタシ付いていけないんだけど」

――難しい。なんだか難しいよコレ。なんかゴルシ先輩の後ろがザワザワしてるし。

……え、というかアタシも賭けるの!?え〜……ええいままよ!アタシは強いから負けない!。

結果は:コンマ直下
1〜25 ゴルシさまの勝利
26〜50 ナカヤマの勝利
51〜75 シリウスの勝利
76〜00 パピヨンの勝利

すみません今日はこれで終わりです。おやすみなさい。

コンマはこの下でお願いします。

ダートでオリウマもう一人増やそうか悩みましたが、ライムとのライバルバチバチなってるときにもう一人追加はどうでしょうか。

募集するだけして採用出来ないのは、良くないですよね。

全然レースには出せてあげそうな気がしてきたのでもう一人ダートでキャラ募集したいですね。取り合えずパピヨンやってるときはこれが最後の募集のつもりで。

パピヨンと同じ適性の、短距離マイル走れそうな子を。今日の夜募集したいと思うので、よろしくお願いします。

こんばんは、この時間ですが新キャラ募集したいと思います。とりあえずこれで暫くは募集はありません。

前回と同じように送ってくださると嬉しいです。

同期ダートウマ:安価下1〜3

よろしくお願いします。

ゴルシ「どうらっしゃーい!これがゴルシ様の実力じゃーい!」

シリウス「ちっ……」

ナカヤマ「くっ……ほら持っていきな。勝者の特権だ」

パピヨン「えっえっえっ」

――な、なんだか分からないうちに負けてる!?え、アタシ明日のご飯ヌキ!?

パピヨン「――もっかい!」

ゴルシ「おいおいパピヨン……往生際が悪いな!もう一度勝負がしたいってんなら賭けてもらうぜ!お前の魂……そのデッキを!」

パピヨン「え、これトランプ各自で持ち合うの!?」

ナカヤマ「ほら、さっさと渡しなパピヨン。お前の食券――もしくはおやつを!」

シリウス「というかパピー……お前表情に出やすすぎだろ」

パピヨン「え」

嘘だぁ!アタシ多分ポーカーフェイスだし!

ナカヤマ「はっ、まだお前には勝負は早かったかもな」

ゴルシ「んま、アタシとしては中々楽しめる勝負だったけどな〜?パピヨーン、お前――化けるぜ」

ま、生地で終わるか麺に進化するかはお前次第だがな――。

パピヨン「……意味わかんないんですけど!」

――とりあえず食券買ってなかったから、お兄さんの買い溜めしてくれたお菓子からいくつかを持って行ってそれでオッケーになった!ごめんねお兄さん?テヘペロ。

パピヨン「あ"〜疲れた!お兄さん休憩!」

『はいはい、それじゃ一回脚を確認するよ』

冬のダートコース場。先日の雪の影響で稍重の状態になったコースは、練習にうってつけだった。

……パピヨンが頬を膨らましながら、脚を【貴方】に見せる。スプリンターらしい引き締まった太腿に、がっちりとした筋肉。同世代と比べても、この下半身の完成っぷりは飛びぬけているだろう。

『……うん、問題はなさそうだな。何か違和感とかはなかったか?キミはあまり馬場状態が悪い時走らないからなぁ』

パピヨン「ん、別に違和感とかはないけど……ちょっと走りにくいかも。アタシこれやなんだけど」

『はは、まあ馬場状態が良いことに越したことはないが、こういう馬場も練習しておかないと』

パピヨン「は〜、雨とか降る日はレース中止にすればいいのに。足元ぐちゃぐちゃでドロドロ、尻尾も泥んこで本当に嫌なんだけど!お兄さんどうにかしてよ!」

『……てるてる坊主とか作るよ』

とかそんなことを喋っていると――。

「――――はっ、はぁああああ……!」

――ダートを走る一人のウマ娘の声が聞こえる。

パピヨン「むっ……」

『あの子は……』

長く伸びたサイドの黒い髪がなびく。赤い耳のカバーが、まるで怪しい獣の瞳のように揺れ動き――そして一気にコースを駆けていく。

――見事な瞬発力。この馬場状態でもこの速さを引き出せるとは、凄いパワーの持ち主だと。【貴方】はその走りを見て思う。

パピヨン「――お兄さん、おーにーいーさーん-!」

『へっ?あ、ああ。どうした、パピヨン』

パピヨン「……なに、そんなにあの子の走りが良いの?ふーん……」

『……ああ、良いトモをしてる。もしかしたら、パピヨンのトレーニングに活かせるかもしれない』

その時、ふと閃いた!なんて言うつもりじゃないが、不良馬場でも走るその姿、もしパピヨンもあのように走れたら――。

『ん、あれ。パピヨン?』

パピヨン「ねーちょっとそこの!うん、そこの走ってる黒い子!ちょっといいー?あ、勝手にそっち行くから!」

「うぇっ!?ふぇ、あ、その――!?」

マンティ「は、はじ、初めまして!ぶ、ブラックマンティスって、言います……よ、よろしくお願いしますぅ……」

連れて来てしまった。パピヨンのこういう時の行動力は、見習わないといけないなぁ。

……それにしても、ブラックマンティス、か。

『申し訳ないが、その……随分とレースの時とは雰囲気が違うんだな?』

【貴方】が記憶している限り、ブラックマンティスのこんな風におどおどした雰囲気ではなく、どちらかというとオラオラ!とした感じの雰囲気だったはずだ。しかし……。

マンティ「あ、あぅうぅ……そのぉ、わ、私。緊張するとちょっと、吹っ切れちゃうと言いますか……ひぅ」

パピヨン「二重人格的な?へー、おもしろ!ねえねえ今やってみてよ!オラオラー?って言うの!」

マンティ「ふぇ、ふぇええ……」

『こら、止めないかパピヨン。その、マンティスも済まない、いきなりこんな風に呼び出してしまって……』

マンティ「い、いえ。わ、私は、全然構わないんですけど……」

パピヨン「呼び出したのアタシだしね〜。よし、じゃあちょっと走ろうマンティス!アタシと併走併走!模擬レース!」

マンティ「ふぇ、ふぇえぇえ!?」

――――パピヨンのその一声で、ブラックマンティスとのレースが始まった。

ダート1200、馬場状態稍重――パピヨンにとっては、久しぶりの得意距離。

『……』

ブラックマンティスの事は以前から知っていた。デビューから3戦2勝、デビュー戦を一度負けてしまうが、そこからは連勝中――勢いに乗っている、ともいえるかもしれない。

マンティ「う、うぅ、うぅううう……」

パピヨン「ふふん、ふん、ふーん。気持ちよく逃げ切っちゃうぞ〜!ぷぷぷ」

――今後、他のレースで戦うことになるかもしれない。今回のレースは突発の出来事だが、想像以上の収穫があるかもしれない。

マンティ「――くくっ。おい、お前。俺様から逃げ切る、だと?随分と生意気な口利くじゃねぇか!」

パピヨン「……は!?え、なに!?こわ!?」

模擬レース:結果は――:コンマ直下
1 楽勝勝ち〜!
2〜5 勝ち〜
6〜9 負け……
0 格の違い――。

ナミュールもダノンベルーガも惜しかった〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ブラックマンティスの脚質決めます。お好きなものをどうぞ。

脚質:安価直下

1 逃げ
2 先行
3 差し
4 追込み

それじゃあ今日はこれで終わりです、おやすみなさい。

短距離マイルで最後方から一気で駆け抜けるブラックマンティス。凄いカッコいいし魅了されそうで良いなって思いました。

普段とのギャップもまる。


パピヨンは道悪もいける感じね

マンティちゃんは(マンティちゃんも)個別シナリオで色々曇りありそうな適正……良い!

雑に曇らせたいからエイプリルフールで担当契約解除ドッキリして欲しい
メスガキをギャン泣きさせたい

>>359
ライム以外曇りやす過ぎる……マンティもじっとりしますね。
>>360
やるとしたらもう少しメスガキと仲良くなってからですね。

やります。ちょっとだけ。



パピヨン「――――!」

マンティ「はっ、はっ――」

最終コーナー。パピヨンがいつもの逃げをかましているのに対して、マンティスはまだ後ろにいた。

これが現実のレースだったら最後方、しんがりの位置。中距離や長距離のレースならまだしも、短距離のレースでこの差をひっくり返すのは難しいだろう。

――最終コーナーを曲がり、最終直線。このまま悠々とパピヨンが逃げ切れる――なんて、そんな考えは一瞬で吹き飛ぶ。

マンティ「は――」

ビデオで見ただけでは分からない。空気が一瞬にして変わるのを【貴方】は感じた。

パピヨン「――っ!?」

そしてそれ以上にパピヨンは空気が変わったことに反応し。肌がぞわりと震える。まるで――ハンターに狙われる獲物になったような、そんな気分。

マンティ「は、は――はははははは!おら、おらおらおらぁ!!!俺様から、逃げられると思ってんじゃねぇええええ!!!」

――――ドン。と、大地が震える。爆発をしたかのような圧倒的な末脚。

パピヨン「っ!ぁああああああああああ!!!」

マンティ「らぁあああああああああああ!!!」

逃げるパピヨン。詰めるマンティス。グングンと差を縮め、最初にゴールしたのは――。

パピヨン「はーっ……!はっ、はぁ、はぁ……!」

――パピヨンだった。差は2バ身。

マンティ「ふーっ……ふーっ……!っだぁ、こんのぉ……!」

真冬、二人のウマ娘から湯気が上がる。今回勝ったのはパピヨンだったが――あの気迫、もし何か一つでもズレていたら、勝ったのはマンティスだっただろう。

パピヨン「あぁああー……ちょっと、マンティ!何あの走り!なんか、ぞわぞわした!」

マンティ「は、はは!これが俺様の走りだ!調子に乗ってる奴ら、全員ぶっ差して――全員ぶった斬ってやる!これが俺様のレース!は、ははは!」

――睨み合う。今後お互いにレースを続けていたら、確実に戦うことになる。それをはっきりと意識させる模擬レース。

マンティ「今回はお前の勝ちにしておいてやるよパピヨン!けど、もし調子に乗って逃げてたら――次は狩る!そして斬る!」

パピヨン「ぷ、ぷぷぷ!あー、ねえそれ狙ってやってんの?キャラ作りすぎて笑っちゃうんだけど〜……ま、でも。うん、斬れるもんなら斬って見なよ」

どんな刃もアタシには届かないから――と、パピヨンは泥だらけになりながら、にやりと笑って言った。

マンティ「――言ってろ!」

そして、マンティスは走り去っていった。

パピヨン「…………あぁあああ〜!!!お兄さん、なにあれ!めっちゃ疲れたんですけど!」

『はは、お疲れさま』

パピヨン「これも全部お兄さんがキモいからなんだけど!脚フェチの変態ロリコン!鼻の下伸ばして生徒の脚ジロジロ見る変態!」

『あのなぁ……』

汗だくのパピヨンにタオルを渡し、熱を帯びた脚に冷却スプレーをかける。

――ブラックマンティス。次出遭う時、パピヨンは逃げ切れるか、それとも――。

マンティ「あ、あのあのすみませぇん!先日は、その、お騒がせしました……!」

パピヨン「んま!お兄さんお菓子んま!ありがとーマンティ!んま〜!」

――次マンティスとパピヨンが出会ったのは。マンティがだいぶお高そうな菓子折りを持ってトレーナー室にやってきたときだった。

感覚短いですけどもう一度イベント募集です。

今回は2つです。

それじゃあおやすみなさい。お疲れさまでした。



見たいイベント:自由安価2まで。

シルフィー「……え、えっとこの番号で合って、ますよね?」

――申し訳ないんだけどこの書類を届けて来てくれないかな?そんなお願いを引き受けたのが今日、休日のお昼。私は今トレーナーさんの寮室の前に居ます。

……あ。は、初めまして!グリーンシルフィーと言います。最近はメイクデビューに向けてのトレーニングをトレーナーさんと行っている、そんな普通のウマ娘、です。

そしてここはトレセン内に存在するトレーナーさんの為の遼。普通は生徒のウマ娘は立ち入り禁止らしい……のですけど、それが真っ当に守られているところを見たことがありません。

……ピーンポン。と、インターホンを鳴らします。すると中からどたどたと音が。

「はいはーい!今出ます今出まーす!」

シルフィー「あ、トレーナーさん!こんにち――」

シルトレ「んぁれ。通販じゃない……ぁれれ?」

――その衝撃に、私は一瞬脳がクラリとしました。

いつものスーツからは考えられない、だぼだぼの緑色のジャージ、胸元にはどこかの学校の校章が。

いつものぴっちりとした上方からは考えられない、雑に髪の毛を後ろに纏めたポニーテール。

――顔が真っ赤、お酒臭い。

シルトレ「……シルフィーじゃーん。どしたの?」

シルフィー「え、あ、え?いや、えっと、その……?」

言葉が上手く出ません。あのトレーナーさんが、あのトレーナーさんがこんな……こんな姿を。

シルトレ「ぁ、もしかしてその書類?んー……ひっく!あー、忘れてたやつかぁ、別に期限はまだ先なんだから、後で出も良かったのに……んー、でもありがとシルフィー!」

シルフィー「へっ!?あ、わ、私はお願いされただけでひゃぅ!?」

――と、突然ハグされましたぁ!?と、トレーナーさん、顔、ちかっ……!?

シルトレ「ぎゅーしたげる。ん〜……よーし、じゃあトレーナーが何かご馳走してあげる!さぁさぁ入って入って!」

シルフィー「い、いや私は――あ、トレーナーさん引っ張らないでくださいぃ……!」

これだけです。おやすみなさい。




シルフィー「うっ……」

それはそれは、とてもすごい部屋でした。

飲み干してある一升瓶、一升瓶、缶ビールの空き缶、空き缶、しぼんだパック酒……あと適度に散らばった着替えやらなんやら。

――以前、パピヨンさんと話したことが、まさか本当になるなんて……!

シルトレ「あー、散らかしててごめんねー。うー……もっと片しておけばよかった」

シルフィー「トレーナーさん……」

だらしのないトレーナー、飲兵衛なトレーナー。普段との天変地異みたいなギャップに、私は――。


どうなっちゃう:安価直下
1 シルフィー「こ、こんなにお酒飲んだら駄目ですよ!」
2 シルフィー「流石にだらしなすぎます!片づけます!」
3 シルフィー「トレーナーさん……」ゾクゾク

しっとりじっとりした湿度高めのシルフィーちゃんもあります。



シルフィー「こ、こんなにお酒飲んだら駄目ですよ!」

ばっ!と、私はトレーナーさんが今にも飲もうとしているお酒を取り上げます!お酒は飲んだことありませんが、体に悪いことは知っています!それに、こんな量……!

わ、私が……私がトレーナーさんの体を守ります……!

シルトレ「えーっ!?シルフィーそんな意地悪しないでよ〜!うー、酷いなぁ……」

シルフィー「そ、そんな顔しても駄目――あっ!?どこからお酒を……!」

どこからか取り出したパック酒をもう一度取り上げます!……ど、どれだけのお酒を抱えているんですか!?

シルトレ「あ"〜……私のお酒ぇ……」

顔を真っ赤にして悲しそうにわーんと、私に縋りつくトレーナーさん……ちょ、ちょっと。なんだか、ビックリしちゃいます……。

シルフィー「い、いいですかトレーナーさん!お酒を飲む量は適量!適量です!こんな沢山飲んだら死んじゃいますよ!」

シルトレ「私のお金で買ったお酒なんだし、別にいいじゃーん。シルフィーは分かってないなぁ」

シルフィー「わ、分かりたくないですよぉ!」

――結局。今日はうやむやにされて終わってしまいました……トレーナーさん、何処からあんなにお酒を……。

次の日。

シルトレ「それじゃあトレーニングを始めましょう、シルフィー」

シルフィー「…………」

シルトレ「……シルフィー?」

シルフィー「ぇ!?あ、は、ひゃぁい!?」

――まるで別人。昨日のトレーナーさんと、今日のトレーナーさんは、本当に別人みたいで……。

……もしかして、二重人格?なんですか?

シルフィー「……あ、あの。トレーナーさん……」

シルトレ「?どうかした?」

シルフィー「あの、お酒はもう飲まないで下さい……ね?というか、飲まないですよね?」

一応の確認。もしかしたら、昨日のトレーナーさんは夢で。本当のトレーナーさんは、お酒とかそう言うのは一切口にしない――。

シルトレ「ふふっ、安心してシルフィー……今日は飲まないから」

シルフィー「そ、そうですよね!ですよね!わ、私、なんか変な事訊いちゃって――あれ?」

……今日は?

休日。【貴方】はパピヨンと一緒に出かけることになった。

最近のパピヨンはトレーニング続きで、しっかりとした休養を取れていなかった……今日はじっくりと体を休めて欲しかったが――。

『自分と一緒でいいのか?』

パピヨン「え、なにが?」

キョトン、とした顔のパピヨン。いわゆるゴスロリ?のファッションを身にまとって、なんだかお人形さんみたいだなぁ……と、今日初めて見たとき思ったが、口には出さなかった。

『いやほら、自分みたいなのが一緒だと、休まらないんじゃないか?もっと伸び伸びしたいだろ』

パピヨン「あー、なるほどね〜。お兄さんとアタシが休日に私服でこんな出かけてたら〜……ぷぷ、お兄さん変態だし捕まっちゃうかもね〜」

そりゃ心配もするか〜。と、いつもの調子で笑われる。

『あのなぁ……いや、まあ。可能性はあるからな……それ』

パピヨン「え〜!?ウケる〜!ぷぷぷ!職質されたらこっそり写真で撮ってあげるねお兄さん?ウマッターで拡散しちゃうから」

『勘弁してくれ……』

……いや、流石にそこまではパピヨンでもしない。これでも担当とそのトレーナーとして付き合ってた仲だ……。

……いや、いや助けに入ってくれるよな……?。

最近は一日一安価で申し訳ないです。今日はこれで。

おやすみなさい。



『ゲームセンターか……』

そこはゲームセンターだった。しかし意外だ、パピヨンもこういう場所で遊ぶのか……いや、そりゃ普通の女の子だし、同級生と遊んだりもするか。

パピヨン「そうそう。行ってみたかったんだーゲーセン。最近あんま行ってなかったんだけどね」

『自分も最後に来たのは学生時代以来だな』

昔はそこそこ遊んでいたつもりだが、トレーナー資格取得の勉強を始めてからは行かなくなったからなぁ……。

【貴方】は思い出す、学生時代にゲーセンに友達と入り浸った光景を……。

パピヨン「うわ、なんか感傷に浸ってる。キモ……」

『……ほら、何をするんだゲーセンで。今日はキミの休日だ、お金くらい出すよ』

パピヨン「え、ほんと!?うわ〜、お兄さんなんかお金で気を引こうとするおじさんみた〜い!ぷぷ、まあでもお金は貰っちゃお〜」

……そういえば、パピヨンはこのゲームセンターで何をする予定なのだろうか。

結構大きめのゲームセンター。人もウマ娘も楽しそうに遊んでいるが、パピヨンは……。

パピヨンと――:安価直下
1 クレーンゲーム
2 格闘ゲーム
3 プリクラ
4 その他(自由安価)

『クレーンゲーム?』

パピヨン「そうそう。たまにやると結構楽しいんだよね〜」

実はアタシ、クレーンゲーム結構得意なんだよ?と、自慢げな顔で言うパピヨン。

『自分はあんまりクレーンゲームやった事無いんだよな。へぇ、ぬいぐるみとかは分かるけど、お菓子とかもあるもんなんだな』

パピヨン「10円お菓子の詰め合わせみたいなのとか、夢あるよね〜。もし取れたらお兄さんの所に補充しておかないと」

……普通にクラスメイトとシェアとかすればいいんじゃないかと思ったが。本人は何だか楽しそうなので、まあそれで良いか。

【貴方】もお菓子は好きだ。パピヨン用にお菓子をたくさん買い込んでいるから、少しずつ間食するのも増えていっている。

『……お』

色々なクレーンゲームを見ていると、それが目に付いた。

――ぱかプチ。ウマ娘グッズの中でも特に人気の高い、二頭身サイズのぬいぐるみ。基本的にG1を勝利したウマ娘や、それ以外に輝かしい成績や成果を残したウマ娘が販売されることが多いが……。

(……まあ、いないよな)

当然だ。ぱかプチ化の話なんて一切来ていないし、もし仮に販売されていたらそれはそれで問題だ。

パピヨン「あ、お兄さんもしかして……ぬいぐるみ欲しいの?」

『え』

パピヨン「ぱかプチじゃんしかも〜。え、なに、他のウマ娘のぬいぐるみを取って……なにするつもり〜?キモーい!」

『いや、別にそんなつもりはないけど……よし』

パピヨン「ま、確かにお兄さんじゃ一つも取れなさそうだよね〜。何百円でも無駄にして、結局成果ゼロ。似合う似合う〜!」

『……む』

そう言われると……なんだか。やってやりたくなるな。

……財布から百円玉を取り出す。

パピヨン「おっ!」

『見てろよパピヨン。キミの部屋に沢山お友達を増やしてやるからな……!』

――いざ尋常に勝負!

一日一安価コンマ。もうしわけないです。

おやすみなさい。




結果は:コンマ直下
1〜5 ダメでした……
6〜8 一個とれた!
9 二個も!
0 五個も!?

ぱかプチ発売はきっとG1ウマ娘である必要はないけどクラシック級以上でオープンウマ娘以上かつ人気ウマ娘じゃないといけない

だからキンイロリョテイさんはアカン子の頃からぱかプチ出てるけどオグリやルドルフと同期の1度だけ何とかG3G2勝てたくらいの娘のぱかプチは無い

あとウララのぱかプチは公式からは出てないのに公式グッズ同然の扱いで出回ってる

パピヨンちゃんのパンツの色教えてください

ワンコイン、チャレンジできる回数は三回。そしてその結果――。

『おおお取れた!』

一つ、取れた。少し緩いアームだったが、ビギナーズラックというのだろうか。

……思わず声が出てしまった。はっ、となってパピヨンの方を振り向く。

パピヨン「…………ぷっ。よかったね、おにーさん?」

『くっ……い、いいだろう別に。ほら、キミにあげるよパピヨン』

なんだか、顔がちょっと熱くなる。ニヤニヤ笑う彼女にゲームで取ったぱかプチを手渡す。

パピヨン「顔真っ赤じゃーんお兄さん。あ〜、ほんとおもしろ〜……でも、うーん」

受け取ったぱかプチの顔を、何回かふにふに。そして、パピヨンはほんの少しだけ考えて――受け取ったそれを【貴方】に戻した。

『え』

パピヨン「このぬいぐるみは、お兄さんの部屋に置くことにしまーす!ほらほら、お兄さんが持って持って〜」

お兄さんの部屋にあったら、お兄さんも触れるし、アタシも触れるでしょ?なんて提案、パピヨンにしては珍しいと感じる。

パピヨン「お兄さんさっきからぬいぐるみのパンツ気になってそうだし〜……アタシがいないときに、こーっそり確認してね?」

『キミなぁ。いや、本当にキミなぁ……」

パピヨン「あ、もしかして……ぬいぐるみじゃなくて、アタシのおパンツの方が気になっちゃったりして――ひゃぁん!?」

流石に止めておいた方が良いと思ったので、少し手加減をして額にデコピン。

『ほら、他のも見に行こう。まだまだありそうだぞ』

パピヨン「うわーん虐待虐待!担当トレーナーに暴力されました〜!」

『あ!こら大きな声で言わない!ああ、もう分かったから!あとで何か奢ってあげるから、な!?』

パピヨン「それそれ〜!お兄さんはそれでいいの〜!ほんとお兄さんって弱すぎ〜!」

――ゲーセンのゲーム代。お昼代、その後のショッピング代。

…………暫くは、節約しないといけないな、と【貴方】は空っぽになった財布を見て思う。

すみませんこれだけです。次、G3ユニコーンステークスでリベンジステラライムやります。

おやすみなさい。

>>385-386
人気がしこたまあれば重賞勝っていなくてもぱかプチ発売されたりしそうですよね。分かります。

>>387
キミが思う色がきっとそうだよ!

流れるように殴られてるファル子かわいそ……

パピヨンは攻め攻めだけど攻められるとくっそ弱いと思ってます。弱い。

すみません、ユニコーンステークス延期します。やりたいことあったので。



パピヨン「バレンタイン?」

――二月。なんだかクラスが浮足立っているのが気になったからスカーレットに訊く。

ダスカ「そ、アンタもトレーナーにあげたりしないの?明後日にはバレンタインだけど」

パピヨン「え〜?誰が誰にチョコあげるって〜?まあ、お兄さん女の子からチョコとかもらった事無さそうだし〜?」

バレンタインとかにはあんま興味ないけど、お兄さんをからかう材料に出来るのは面白いかも?

ダスカ「……そうかしら?アタシ、アンタの「お兄さん」は結構貰ったりしてそうだと思うけど?」

パピヨン「は?」

――目の前のおせっかい同級生は何を言って?ははーん、お兄さん知ったかぶりだな?

ダスカ「アタシが言うのもあれだけど――トレーナーってモテるのよ?結婚したい職業ランキングとかでも結構上位だし……」

結構モテそうな顔してると思うわよ?アンタのお兄さん。ちょっと老け顔な気がしなくもないけど。

パピヨン「…………」

ウオッカ「よう!何の話してんだよ、パピヨンにスカーレット!」

パピヨン「……別に何の話もしてないけど〜?」

空いていた隣の席に勢いよく座るのはウオッカ。スカーレットの同室で、分かりやすいくらいのライバル。

……あんまり話したことはないけど、結構良い子。うん、雰囲気というかなんというか。

ダスカ「バレンタインの話よ、バレンタイン。ウオッカもトレーナーとか出来たらバレンタインチョコ渡すでしょ?」

ウオッカ「なっ……!?な、ななな!?おま、スカーレット!俺はそんな……!」

ダスカ「……まあ、トレーナーがまだいないアタシらが考えても仕方ないけど」

パピヨン「…………」

チョコ。チョコ?え、お兄さんモテるの?いや、いやいやそんなそんなバカでしょ?だってお兄さんとかキモいし変態だし――顔とか、いや。顔は……いやいやいや。

ウオッカ「うぅ……ま、まあ感謝の気持ちで、とかで渡すことはあるかもな!パピヨンも渡したいなら渡せばいいんじゃねーか?」

パピヨン「感謝……」

…………感謝の気持ち。

ま、それなら、別に変じゃないかも?仮にもトレーナー、なんだし。そう、そうだよね。チョコとか、別に普通……。

パピヨン「ま、まあ〜?それなら、全然、チョコとか……いや!お兄さんってばきっと寂しい思いしてるから、しょうがなく!」

――そうと決まれば材料を買ってこなくちゃ!ぷぷ、お兄さんってば、美味しいチョコ食べて気持ち悪い笑顔浮かべちゃったりして〜?

ダスカ「……別に手作りじゃなくてもいいと思うけど」

ウオッカ「そうか?感謝の気持ちって言うなら、やっぱ手作りだろ!」

ダスカ「アンタ、そういうところ律儀よね〜……あいつもだけど」

パピヨン、お菓子作り腕前:コンマ直下
01に近いほどダークマター、00に近いほどめちゃうま

材料とレシピ本を買って、早速キッチンへ。アタシ以外にも何人かウマ娘がいて……チョコの甘い匂いが広がっている。

ああ、皆チョコとか手作りするんだ。なんて思った。まあ、アタシもそうだけど。

パピヨン「さーてと」

――ま、アタシにかかればチョコくらい余裕だし?料理とかあんましたことないけど、まあやればそこそこできちゃうタイプだし?

パピヨン「…………」

出来たのはなんだかぐちゃぐちゃとした泥っぽいチョコ。なんか焦げ臭いし、なんか……ダメなやつ。

パピヨン「チョコ難しくない!?」

本だとさも簡単にやってるけど全然出来ないんだけど!?無理して結構色んな材料買ってきたんですけどこっちは!?

パピヨン「う"〜……」

まずい、まずいまずい!このままだと――お兄さんにチョコ渡せない!

確かにちょっと上級者向けっぽいレシピを買ってきちゃったけど……だって出来ると思ったんだもん!出来る気がしたし!


どうするパピヨン:安価直下

1 助けを呼ぼう
2 アタシに出来ないことはな!自力で!
3 自由安価

パピヨン「…………」

スカーレットとかウオッカ、あとライムとかシルフィーとか……うん。アタシの周り結構料理上手そうな子多い。

誰かに頼めば、きっと上手くいくんだろうけど……。

パピヨン「……なんかやだ」

そう、なんかやだ。からかわれそうだし、なんか笑われそうだし。

アタシに出来ないことはない!今は始めたばかりだから、ちょっと上手くいってないだけ!

パピヨン「よ〜し……」

ほっぺたをパシっと叩いて気合いを入れる。どれもこれも全部お兄さんのせいだ、だから後で色々して貰わなくちゃ。

――レシピと向き合う。ネットの力も使って、どうにか形にして――いや、完璧なものを!

結果は?:コンマ直下

コンマが高いほど上手に出来ました!低いと当日に完成させられて無さそう。

そう言えば、作ろうとしてた上級者向けレシピのチョコって……:安価下1〜2



チョコの形とか、どういうチョコかとか。

チョコケーキとか、クッキーとか生チョコとか。分かれば大丈夫です。

バレンタイン当日。パピヨンのトレーニングはお休みということで、【貴方】は溜まりに溜まっていた仕事を黙々と片していた。

『…………』

いつもは騒がしいトレーナー室も静かで、この日は絶好の仕事日和だった。が、しかし……。

『……そういえばバレンタインか。今日は』

ふと思い出す、昨日先輩トレーナーがそんなことを言っていたのを。

何でもバレンタインの日は担当ウマ娘からチョコが貰えるのだとか。義理なのは分かるが、それでもやっぱり嬉しいと。ウキウキな様子だったのを。

……バレンタイン。学生時代から縁のないイベントだった、貰えるのは大抵親からだけで……いや、しかし。今ウマ娘のトレーナーとなった今、【貴方】はパピヨンからのチョコを――。

『いや、貰えてないな』

時刻はもう夜遅い、もうパピヨンは部屋でごろごろしている頃だろう。チョコを渡すならもうとっくに渡しているだろうし、そもそも……義理だとしてもチョコを渡してくれるか?

『貰えたとしても、なんか凄い奴だろうな。凄い辛いとか、酸っぱいとか……』

まあ、貰えないものを考えても仕方がない。そろそろ終わりそうな仕事を茶っちゃかと片付けて、着替えて眠ろう――と、その時。

こんこんこん、と。なんだか小さなノック。

『……?はーい』

こんな時間に一体誰が、と思いながら【貴方】は扉を開けると――。

パピヨン「ふぁぁあ……」

『パ、パピヨン……?』

パピヨン「んぅ……おにーさん、ふぁぁ。入れてー……」

眠そうな目を擦っている担当ウマ娘がそこにいた。門限の時間はもう過ぎているだろうに――。

『い、いや。パピヨン、もう門限の時間過ぎてるだろう?早く戻らないと』

パピヨン「なんでぇ……?んむ……ほら、おにーさん、ちょこ……ちょこ作ったから」

……パピヨンの手には、小さな包み袋。ちょこ、チョコを、作ってくれたのか?

…………いや、いやいや。それは嬉しいが、それでも今は。

『チョコ作ってくれたのか?こんな時間まで……その気持ちは嬉しいけど、パピヨン。今日はもう帰って――パピヨン!?』

チョコの入った袋を【貴方】に手渡すと。彼女はふらふら〜っと、トレーナー室に入り。よたよたと、【貴方】がよく仮眠に使うソファに向かって行き……。

パピヨン「ぐぅ………」

そのまま、横になって。一瞬で眠ってしまった。

『ぱ、パピヨン!?パピヨン!?!?』

急いで駆け寄って名前を呼ぶ。しかし、彼女は一向に起きる気配はない、あまりにもぐっすりと眠ってしまっている………。

………そして、気づいた。アルコールの匂い。

『……ウイスキーボンボンか?』

おやすみなさい。



まさか、味見をし過ぎてこんなになってしまったのか?ウイスキーボンボン自体、子供でも食べれるものではあるが、どれだけの量を摂取して――。

………いや、それだけ【貴方】に美味しいチョコを渡したかった。そう考えるととても嬉しいのだが、それがウイスキーボンボンでなければの話。

パピヨン「むにゃむにゃ………んむぅ、んぇ………」

『……はあ』

……まあ、今回だけ許してあげよう。気まぐれでワガママな彼女の、好意を。素直に受け取ろう。

しかし。そんな彼女をどうしたものか。

パピヨン「えへ………おにー………しゃん………むにゃ」

どうしようか。:安価直下
1 ………寮長には後で自分から言っておいて、ここで寝かせてあげよう
2 いや流石に駄目か、寮まで運ぼう
3 自由安価

この部屋で気持ちよく寝かせてあげよう――と、そう思ったが流石に不味いと思い寮まで運ぶことにする。

だが起こすのも申し訳ない、こんなになってしまうまで頑張っていたんだ。しっかり休ませてあげるのが、【貴方】の役目だろう。

『さて』

………どうやって運んだものか。

パピヨン「すぴー………んえぇ」

こうやって寝ている姿は年相応なんだがなぁ、ああ涎なんて垂らして。

口周りの涎をティッシュで拭う。さて、どうしたものか………。

ヒシアマ「おいおいそこのアンタ!トレーナーはこの先立ち入り禁止――っとぉ?」

『すみません、この子をお願いしたいんですけど……』

美浦寮。そこは学園の向かいに存在する二つある寮のうちの一つ。そこの寮長であるヒシアマゾンに引き留められ、【貴方】は止まる。

まあ、もとより寮長を頼る予定だったので都合が良かった。と、【貴方】は暢気に考える。

『確かこの寮ですよね、シルヴァーパピヨンは』

ヒシアマ「……ははーん、なるほどね。事情は大体理解したよ」

彼女は【貴方】とパピヨンを見て、にやりと笑い。小さな声でそう言った。

ヒシアマ「それにしてもまあ、とんだお姫様だねぇパピヨンは。随分と幸せそうじゃないかい」

『……そうですかね』

トレーナー室から、その小さな身体をひょいっと持ち上げ、出来るだけ起こさないように運ぼうとした結果――【貴方】はお姫様抱っこでパピヨンを持ったまま、寮まで向かった。

持ち上げたときにあまりにも軽すぎて「軽っ!?」と声が出てしまうくらい、パピヨンは軽かった。まだまだ中学生の彼女なのだから、それも当然と言えば当然だが……なんだか心配になってしまう軽さだった。

この身体でよくあの速さを出せるものだ……もう少し食事に気を使った方が良いのかもしれない。

ヒシアマ「おおっと、ほらほら部屋に戻りな!それじゃ、パピヨンのトレーナーもお疲れさま、このお姫様は貰い受けるよ」

ざわざわと様子を見に来た寮のウマ娘たちが、ヒシアマゾンの一声で散っていく。【貴方】はお姫様抱っこですやすや眠っているパピヨンを、彼女に渡す。

『すみません、それじゃあよろしくお願いします』

――そして、【貴方】はトレーナー室に戻る。

机に置いていた、その包み袋を開ける。中には不揃いの形をしたウイスキーボンボン、触れてみるとなんだか妙にざらざらしていたり、ちょっと溶けかかっていたり……。

『……強いなぁ、アルコール』

そのウイスキーボンボンは、とても強い大人の味わいだった。

いつも通りの平日。【貴方】の担当ウマ娘シルヴァーパピヨンはトレーニングを終え、トレーナー室のソファでぐでーんとだらけている。

パピヨン「ぷはは!なにこれおもしろ〜!んむっ……もぐもぐ……ぷ、ぷぷっ!」

『……』

スマホを片手にショート動画。もう片方ではスナック菓子をむしゃむしゃと。まるで自宅かのようにだらけ、緩み切った担当ウマ娘。

いや、別に怒るつもりはない。これだけだらけた姿を見せてくれるというのは、信頼されている……信頼されているのか?トレーナーという立場でありながら、ちょっと舐められているのではないか?

『…………』

パピヨン「……ちょっとおにーさーん。何アタシのこと見てるの〜?ぷぷ、アタシはさっきのトレーニングで疲れてるんだから、足のマッサージくらいしてもいいんじゃないの〜?」

脚をバタバタさせながら、彼女は自分にそんな要求。マッサージならさっきうんとやってあげたんだが……というか、さっきからその姿を見ていると……思う。

『キミ、ちょっと……ふっくらしてないか?』

パピヨン「…………は?」

パピヨン「うわ、うわうわうわうわ!うーわー!それセクハラ!?お兄さんそういうことする人!?」

『いや、前々から思ってたが……全体的に肉付きが』

パピヨン「きも!お兄さんきも〜い!そんなんだから彼女も出来ないんだよ〜!?」

――なんで自分はここまで言われなくちゃいけないんだ。

『なあパピヨン、前のバレンタインの時に味見で沢山チョコを食べたりしてたよな?それ以外にも今みたいに寝っ転がりながらお菓子を食べたり……』

ちょくちょくお菓子を補充はしているが、最近はその消費量もどんどん増えていっているように思える。

パピヨン「むぐっ……べ、別にーじゃん。ちゃんと走ってるし、体重とかも――」

『増えてないのか?』

パピヨン「…………変わってないですけど〜?」

……ちょっとかまをかけてみるか。

『――トレーニング中に見えるお腹と結構ぷにっとしてるよな。キミ』

パピヨン「――はぁ!?!?!??!?」

さっきまで寝そべっていたパピヨンが、大きな声と共に起き上がる。

パピヨン「は、いや!お腹って――なんでバレ……!?この、変態!担当のお腹見るとかキモ!キモキモキモ!変態変態変態!」

『………ダイエットするか』


パピヨン「やだやだやだ!ダイエットとかやりたくない!別に脚が遅くなったりしてないでしょ!?それにアタシちょっと痩せ気味だったし!」

『確かにキミは軽い方だが――太り気味はトレーニングにもレースにも支障が出るからなぁ』

パピヨン「う"〜……じゃあちょっとお菓子食べるの我慢するから!もうそれで良いでしょ!?」

『……それだけで痩せれるとは思わないがなぁ』

――次のレースまでもうそろそろ。これは早急に対応をしなくては。

お久しぶりです、そしてこれだけです。おやすみなさい。

色仕掛けはちょっと腕に胸を押し当てたりとかそれくらいです。あとハグとか。まあ程々くらいの気持ちで。

まあ多分童貞だろうなとは思います。



どうしよう:安価直下
1 とりあえず練習量増やそうか
2 友情トレーニングで脂肪を燃焼
3 ……痩せたらご褒美あげるよ
4 自由安価

パピヨン「――――うっ」

ダイエットの話をしたその翌日。【貴方】はパピヨンをダートコースに連れていくと、パピヨンはあからさまに――嫌そうな顔をした。

ライム「あ、パピヨンさーん!こっちですこっち!」

マンティ「きょ、今日は、よろしく、お願いします……!」

――まさか連絡を入れた次の日には付き合ってくれるとは思わなかった。二人のトレーナーの懐の広さには感謝しかない。

(……まあ。敵情視察とか、そういうのだろうな)

同じダートを走る同期のウマ娘。マンティスは勿論、次のレースで戦うことになるライムも合同練習に付き合ってくれたというのは……きっとそういうことだろう。

これを機会に改めてパピヨンには根性を、そして肉体を手に入れて欲しいという意図が殆どだったが。こちらもライバルの走りを今一度確認しておくべきだろう。

パピヨン「帰る」

マンティ「え……えぇ〜!?」

ライム「あー!パピヨンさんが帰っちゃう!ちょっとパピ……パピヨンさーん!」

『こらこら』

パピヨン「うぁ〜!併走トレーニングとか聞いてないんですけど!しかもこの二人!はず〜!」

首根っこを掴んで、むりむりパピヨンを二人の元に連れて行く。

――思いっきり脚を蹴られた!痛い!

――――という訳で。マンティスとライムに手伝ってもらい一緒にトレーニングをすることになった。

パピヨン「はぁ、はぁ、はぁ……はぁ〜……!」

ライム「ほらほらパピヨンさん!まだまだ走りますよ!」

マンティ「ほっ、ほっ……だ、ダイエットだもんね。沢山走って、燃焼、しよ〜……」

パピヨン「マンティが美味しいお菓子持って来たのも原因だと思うけど〜!?」

マンティ「え、えぇえぇ!?ご、ごめっ……ごめんなさいぃ……!」

ライム「あー!人のせいにして!パピヨンさんそういうところよくありませんよ!」

……結構な時間走り込んでいるというのにまだまだ息を切らしていないライム。マンティスも少し息を切らしているが、ここから一気に最高速で突っ込んでくるだろう。

パピヨンも普段ならそろそろ休憩を始めそうだが、まだ走り続けている。……うん、普段からそうしてほしいがこれを言うと逆効果だろう。

ライム「それにしても、この時期に私と練習だなんて……パピヨンさんのトレーナーさん、度胸ありますよね」

私としてはとても嬉しいんですけど、トレーナーさんは渋い顔していましたよ!

ライム「……シルヴァーパピヨンの走りを今一度確認してきて欲しい。なんて言われましたけど――どんな走りをしようが、私が勝ちますから」

パピヨン「――は?」

ライム「おっと、ちょっと本音が」

パピヨン「――――へー、上手いじゃん、敵を煽るのが。そんなやっすい挑発、アタシは買わないけど?」

マンティ「あ、あの……!もしかしてそれ、私も……ですか?」

ライム「ふふっ、どうかなー?言っておきますけど、私は誰にも負けませんよ?」

強いライバル、強い相手、全身全霊で戦って――最後は私が勝つ。

……そうだ。ライムって温厚な性格だけど……実は結構、こういうところがある。

思えば初めて会った時もライムから併走トレーニングを申し込んできたし。ライバル宣言だって、あれはアタシを認めて、戦いたかったから――。

パピヨン「はっ……!」

ついでみたいにマンティも殴ったし。あーあー、この同世代ダートナンバーワン候補め。敬語で調子に乗ってる。

マンティ「――――私も、貴女と戦います、から……刈り取って見せます。ライム、さん……」

ライム「へぇ、マンティさんも結構言うんですね!ふふ、貴女のレース映像は沢山見ていますから、早く実際に体験させてくださいね!」

パピヨン「――とりあえず、その伸びに伸びまくった天狗の鼻、アタシがぶち折ってやるから。覚悟しておきなよ」

ライム「そのお腹でですか?」

パピヨン「うぐぅ!?」

――あ、あー!ライムが言った!言った言った!

マンティ「な、なんて、酷い事を……!」

ライム「今の私はこれくらい言っちゃいますよ〜?さあさあ!どんどんペース上げていきましょう!」

パピヨン「や、痩せたらライムも追いつけないくらい早くなって――!次のレース覚悟してよほんと!」

ライム「あはは!じゃあ早く痩せないとですね!」

――――こうやって、アタシたちは陽が暮れるまで走った。お兄さんが止めなかったら、多分ずっと走ってたかも。

ライム「じゃーん!見てみてこの引き締まったお腹〜!見惚れちゃう美しさ!」

『ぶっ!?』

暫くしたある日、ライムは体操服を捲り、そのお腹を露出した。

『……パピヨン!いきなりそんなはしたない――!』

ライム「ぷぷっ!でもぉ?おにーさんがアタシのお腹ぷにぷにとか言ったんだよ?じゃあ確認するべきじゃな〜い?」

『だとしてもだなぁ……!』

ライム「は〜これだからお兄さんは……キモ変態なんだよね。んま、それがお兄さんなんだけど」

――ダイエットには成功した!さらに前の練習のおかげか、最近の練習にもやる気を見せている。

さあ、本番まであと少し。ユニコーンステークスが――始まる!

こんな時間にお久しぶりです。そしてお休みなさい。

ブラックマンティスのトレーナー安価をします。そろそろ登場しそうな気がするので。

ライムやシルフィーの時のように送って貰えると嬉しいです。


ブラックマンティスのトレーナー:安価下1~3

ユニコーンステークス。G1ジャパンダートダービーの前哨戦の位置づけとなるレースであり、同世代の有力なダートウマ娘が出走するレース。

『……と、いう訳で。キミのリベンジ相手であるステラライム以外にも沢山の強敵が集まることになる。今から同じレース相手の走りを見て貰うが――』

パピヨン「それ、意味ある?結局のところ、アタシが常に前を走って勝ち!これだけじゃない?」

――と、ソファにもたれ掛かりながらぶーぶー文句を言う、【貴方】の担当ウマ娘。

まあ、言いたいことは理解できる。常に全力で走り、それで勝てるのなら他のウマ娘の走りや作戦なんて考える必要がない。

『けど、それでキミは前負けただろう?』

パピヨン「むっ」

あのG1の舞台で、キミは最後ステラライムに差されて負けた。負けて、キミは悔しいと言って、次は負けないと心に決めた。

『軽く頭に入れておくだけでもいいよ。このウマ娘はこのタイミングでそろそろ仕掛けてきそうだ、とか。そういうのを覚えておくだけでも、キミは十分走れるだろう?』

――パピヨンは基本、序盤の段階からトップスピードを維持してスタミナが切れてもなお粘り続ける。そんな逃げの走りをするウマ娘だ。

途中で息を入れたりはあまりしない――だからこそ、そろそろ相手が来そうな時に、根性を入れる必要がある。

パピヨン「……ま、アタシそこそこ出来るし?ちょっと見てすぐ覚えて、早くトレーニングに行っちゃうもんね」

『その意気だパピヨン!それじゃあ、まずはこの――』

競争相手一人一人の走りと説明をし、一緒にレースの解説も入れながら。事前の情報共有を終えておく。【貴方】の話を聞くパピヨンの姿勢は、存外真面目だった。

――――レース当日。東京レース場。梅雨の時期だというのに雨は降っておらず、快晴の青空だった。

『……どうだ?調子の方は』

パピヨン「ん、別にいつも通り……いや、ごめん嘘ついた。ちょっと緊張してる」

控室。体操服に着替えたパピヨンは、【貴方】の問いに対して少し間が空いた後そう答える。

パピヨン「リベンジのつもりで今日負けたら、なんだか格付け完了されちゃうみたいでなんか嫌でしょ?ライム相手にそれはなんか悔しいし、ムカつく」

『はは……じゃあ絶対に勝たないとな。大丈夫、キミが頑張ったことは自分が良く知っているよ』

いやサボったりもしてたし、ダイエットとかもあったけど――それで、あの敗北の日から彼女のトレーニングに対する向き合い方はうんと変わっている。やるときはしっかりとやる、そんな子だ。

『……じゃあ、行ってこい。キミが――ステラライムの「ライバル」になってこい』

パピヨン「――うん。行ってくるよ、お兄さん」

ゲート前。軽く準備運動をするアタシに、一番人気が話しかける。

ライム「――前のダイエット以来ですね!パピヨンさん!」

パピヨン「ダイエット言うな!併走トレーニングって言え、併走トレーニングって!」

ライム「ふふっ、ごめんなさい。どうです?あれからきちんとトレーニングはしましたか?」

なんて余裕の表情。これが一番人気の余裕って奴?

……いや、ライムはそういう油断とか慢心はしない。この表情だって、アタシにはそう見えるだけで……。

パピヨン「……ふん。今から戦う相手の心配?言っとくけど――今日は勝つよ」

ライム「いいえ、今日も私が勝ちますよ!では、後の話はレース後に!」

そう言い残して、ライムはゲートに向かって行く。その後ろ姿には、なんだかオーラのようなものが見える。

……いいや、負けない。きっと、勝つ。

――ライムの期待に、お兄さんの期待に。あんなに嫌いだった期待に――応える番だ。

こんな時間にしか更新出来てなくて申し訳ないです。おやすみなさい。


ユニコーンステークス、結果は――:コンマ直下

1 これが「ライバル」だ――!
2〜5 ギリギリの勝利!
6 ギリギリの負け……
7 2着
8 3着
9 掲示板
0 おおっと

――梅雨の時期に燦燦と輝く太陽の下、東京レース場。砂塵が舞う中で15人のウマ娘がゲートに入ります。

――一番人気は勿論このウマ娘、ステラライム。全日本ジュニア優駿優勝ウマ娘としての実力を見せつけることはできるか。

――二番人気、シルヴァーパピヨン。前走ではステラライムに敗れ、このレースでリベンジなるか。

大丈夫、大丈夫。アタシなら――勝てる、今のアタシなら、強くなったアタシなら――。

――各ウマ娘、ゲートイン完了。出走準備が整いました。

――さあ、今まさにゲートが開く!G3ユニコーンステークス、スタートいたしました!

パピヨン「――っ!」

――ほぼ揃った出だし、その中からスーッと前に出て行くのは7番シルヴァーパピヨン。やはりのこのウマ娘が先頭を走ります。

スタートダッシュは完璧。後ろからは、事前に知っていた3番と11番、そして12番のステラライム。

うん、分かる。大丈夫、アタシはちゃんと走れてる、なんなら今までで一番――調子が良い!

――7番シルヴァーパピヨン、どんどん前へ行く。その後を追うように、3番と11番、そして一番人気12番ステラライム。

――しかしどうでしょうか、少しかかり気味かもしれません。

パピヨン「はぁ、はぁ、はぁ……!」

コーナーを曲がり、向こう正面。まだ全然余裕!もっと、もっと走って!どんどんどんどん前に進んで――!

このまま逃げ切る!そして、今度こそ、アタシは、アタシは――!

パピヨン「はっ、ははっ、ははははっ――!」

――シルヴァーパピヨン独走!これはこのまま逃げ切るか!?四バ身、五バ身離れて、11番、8番、3番……中断には……。



『…………パピヨン?』

真っ先にパピヨンの走りの違和感に気づいたのは【貴方】だった。

いつもと変わらないパピヨンの逃げ。掛かり気味、とは思わない。今のパピヨンだったらあれくらい前に出たとしても十分走り切れるスタミナがある、そう確信がある。

――しかし、どこか妙な走りだった。まるで、何かに追われているような、後方のウマ娘からとか、ステラライムから追われているとか、そういう話ではなく――もっと、精神的な。

『…………』

何か焦っている、何か縛られているような――今までの自由に楽しく走るパピヨンの逃げとは正反対の、そんな逃げ。

――しかし、もうレースは後半戦。【貴方】はもう見届けることしか出来ない。



パピヨン「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ!もっと、もっと先――!」

――第3コーナーを曲がり、最終コーナー。他のウマ娘がそろそろ仕掛けてくる。勿論、あのステラライムも。

気合いを入れろアタシ!スタミナの最後の最後まで使い切って、後は気合いと根性で!

スタミナはまだある!だから、この瞬間!もっと腕を振れ!脚を動かせ!それで、それで――!アタシは勝てる!

心臓がバクンバクンうるさい!今にも肺がはち切れそう!だけど、それでも!

今まで裏切ってた期待に、ようやく初めて応えられて――!


パピヨン「――――ぁ、れ?」


――――最終コーナーから最終直線。脚に力を入れ、踏み出した瞬間。

――――ガクン、と。全身から力が抜ける。


――さあ、最終コーナー!先頭のシルヴァーパピヨン、このまま逃げ切れるか!後ろのウマ娘との差は縮まってきている!


腕が動かない、脚が動かない。心臓だけがうるさくて、周りの音が、何も聞こえない。

パピヨン(なんで――なんでなんでなんで!?動くでしょ、いつもなら動くじゃん!?意味分かんない、分かんない分かんない分かんない!)

ライム「っ!やぁあああああああ!!!!!」

――さあ後方から一気に12番ステラライム!そしてそれに並ぶように11番と8番のウマ娘が迫る!

パピヨン(ライムが、来る。早く走らないと、逃げないといけないのに――なんで、どうして――)

力が入らない。まるでもうスタミナを全部使いきっちゃったみたいな、そんなはずないのに、だって。今日、アタシはライバルになるんだって、ライムがあんなにアタシに――!

パピヨン「ぁ……」

ライム「――――!」

――アタシの視界に、ライムの背中が、映った。

それに続くように一人、また一人とアタシを追い抜いて行って……。

それで、アタシは――。

――ステラライムゴールイン!無敗の連勝記録は未だに継続!2着は11番、そして3着は8番の――。

とりあえずこれだけです。おやすみなさい。

「――君の走りは凄いなシルヴァーパピヨン!今の年でその速さなら、きっとダート重賞……いやG1勝利だって夢じゃないな!」

――小学生の頃の記憶。誰かが言ったこんな言葉を、アタシはずっと覚えていた。

走ることがずっと好きだった。思うがままに走って、大地を蹴って、風を感じて……それが何だか楽しくて、気持ちよくて。だからずっと走っていた。

フラワー「パピヨンちゃん凄いね!私はあんな力強くダートは走れないから……でも、私ももっともっと早くなって――」

幼馴染のフラワーからも凄いと言われた。アタシからしてみればフラワーの方が断然凄いと思うけど。それでもやっぱり。褒められることは嬉しかった。

――だから、沢山走った。早く走るための練習も沢山やって、小学生ウマ娘が出るレースにも出て、それで一着になって。周りから褒められて。

アタシが走ると笑顔になって、喜んでくれて――だから沢山走って、走って、走って、走って――。


――――あるレースで、私はびりっけつになった。

短距離レースもあるけれど、やはりダートはマイルや中距離のレースが主戦場だと誰かに言われ、そのまま一気に中距離のレースに挑んで、そのまま撃沈。

その時は周りの人は励ましてくれた、距離が長すぎたからマイルに行こうと。そして、次にマイルのダートレースに挑んで……下から二番目。

――いくら走っても一着になれない。二着にも三着にも、掲示板にも入れない。

走り方を無理やり変えてみても、結果は変わらない。残るのは気持ちの良くない走りをしたモヤモヤと、周りからの哀れむみたいな視線。


誰かが言った。「――ちょっとがっかりかも」


誰かが言った。「あんなに期待したけどこれじゃあ……」


アタシに失望する言葉、アタシに落胆する言葉。あんなに褒めてくれた、笑ってくれたみんなが、がっかりした表情でアタシを見る。

……練習した、沢山練習をした。フラワーにも手伝って貰って、色んなレースの本も読んで、体力づくりのトレーニングをして――勝てなかった。掲示板に、入れなかった。

心が痛い、心臓がはち切れそうになって、何度も泣いちゃって。勝てなくて、裏切ってしまって、期待に応えられなくて――。

パピヨン「――――ぐすっ、ひぐっ。ごめっ、ごめんなさっ……!うぁ、あぁあぁあ……!」

――だから、アタシは…………。

――――ワァアアアア……!

歓声。一着になったステラライムに歓声が沸き上がる。今世代屈指のダートウマ娘、その無敗記録がまた継続したんだから。まあこの歓声も当然だよね。

ライム「ありがとうございます……!ありがとう、ございます!!!」

歓声に対して、大きな声で感謝の気持ちを。そして大きく手を振って応えるステラライム。

パピヨン「はぁ、はぁ……はぁ……っぷ。おぇ……はぁ……」

それに対してアタシは必死に呼吸を整えて、今にも倒れそうになりながらその姿を見ているだけ。

――情けない。バカみたい。ああ、アタシはやっぱり……こうなんだ。

パピヨン「…………っ」

アタシはライムに捕まる前に、逃げるように地下バ道に歩いて行った。

『…………お疲れさま』

控室に砂まみれで戻ってきたパピヨンに、【貴方】はお疲れさまと声を掛ける。

しかし、パピヨンから返事はない。

『取り合えず脚を休ませようか。脚を痛めてしまったりしては元も子もない、アイシングとテーピングを――』

パピヨン「……ねえ、お兄さん」

『……』

パピヨン「アタシ、頑張ったよね。アタシ、あんなに頑張って、お兄さんのトレーニングも、しっかりやって……体力も付けて」

パピヨンの口から、言葉が溢れてくる。

パピヨン「アタシ、アタシ……お兄さんの期待とかも全部、ダメにしちゃって……!ライムの、あんなアタシに宣言とか、ライバルって言ってくれて……!なのに、アタシ、ほんとダメで……!」

『パピヨン』

パピヨン「うぐっ……ぐすっ……アタシ、全然、ダメで……走れなくなっちゃってぇ……!ぅぁ、あぁ、うぁあぁあああ……!」

ボロボロと涙がこぼれる。今まで溜まっていたモノを全部吐き出すみたいに、沢山溢れている。

『……』

パピヨンに何か行動:安価下1〜3までで



これだけやります。こんな時間にすみません、おやすみなさい。

パピヨン「アタシ、頑張ったのに。頑張ったのにぃ……!最後、全然脚が動かなくなっちゃってぇ……!ぐずっ、ぅぁ……あぁあぁあぁ……!」

パピヨン「今までの全部、ダメになっちゃって……!あんなに一緒に、頑張って……頑張ってくれたのに!お兄さんもアタシ、裏切っちゃって……!」

ごめんなさい、ごめんなさい……!お兄さん、ライム……ごめんなさい、ごめんなさ……っ!あああぁぁぁあああぁ……!

――顔が涙と鼻水でぐしゃぐしゃ。そんな顔から、彼女は謝罪の言葉を何度も何度も吐き出す。

ああ。と、【貴方】は理解した。

(――――なんて、責任感の強いウマ娘なんだろう)

根っこの部分が頑張り屋なことは今までの付き合いで理解していた。しかし、なぜそんなに頑張り屋なのかの理由がハッキリわからなかった。

走るのが好きだから?いいや違う。それももちろん有るだろうけど、大部分は――責任感なんだ。


――期待を背負う。それに絶対応えるために、努力をする。


――絶対に期待に応えるという責任感。そして絶対にそれを妥協しない。


――それがきっと、シルヴァーパピヨンというウマ娘なのだ。


『……落ち着いたか?』

パピヨン「ぐすっ、ひぐっ……ずびっ……ぅぁ……」

『ああもう、顔がぐちゃぐちゃだ……ほら』

言いたいことを吐き出し、落ち着き始めたパピヨンの涙をハンカチでそっと拭う。そして次にティッシュで鼻の周りの鼻水を拭きとってあげる。

……ずびーっ!と、鼻もかませる。

パピヨン「ずびっ……ぐすっ、ありがと……」

『……なあパピヨン。キミはダメだダメだと自分の事を言うけど……ダメなんてことはないと思うんだ』

確かに、今日は負けた。自分自身も今日こそはパピヨンが勝つことに期待していたし、それは嘘じゃない――けど。

『今日この日の為に頑張ったことも、努力したことも。そしてそこに至るまでの経緯も全部全部……ダメだったなんて言わないでほしい』

パピヨン「……」

勝負の世界においては結果が全て――それは否定しない。だが、その結果に至るまでの全てを否定して、ダメを押し付けてしまうのはあまりにも悲しい。と、【貴方】は、そう思う。

『パピヨンが頑張ったことを自分は知ってるよ。だから、キミがダメじゃないってことも、勿論知っている』

パピヨン「……お兄、さん」

『そして、まだ終わりじゃない。だってキミはまだまだ走るだろう?』

ウマ娘である限り、ダートを走る限り、シルヴァーパピヨンとステラライムは今後も戦うことになる。ならば、リベンジの機会はまだまだたくさんある。

『また、頑張ろう。今日負けてしまった事も、次に繋がるから。その為に自分は――キミのトレーナーになったんだ。シルヴァーパピヨン』

そう言うと【貴方】は優しく笑って……シルヴァーパピヨンの頭を撫でた。

パピヨン「うひゃ!?ぁ……」

『……何度でも言うけど。キミはダメじゃないよパピヨン……ほら、そろそろウイニングライブに行こうか』

時計を見ると、そろそろライブが始まる時間。このままだと周りに迷惑が掛かってしまう。撫でるのを止めて、パピヨンの背中を軽く、押してあげる。

パピヨン「…………ぅ、うん。あの、えっと、お兄さん!」

アタシ、アタシね――!まだ、まだ沢山!走るから!お兄さんが、そう言ってくれる限り!

――そう言い残して、パピヨンは控室から飛び出していった。

『…………ああ、それも知ってるよ。パピヨン』

――――ウイニングライブ、ステージ裏。

ライム「――あ!パピヨンさん……!」

パピヨンの姿を見たステラライムが駆け足に向かってくる。

ライム「レースが終わってすぐ、話したいことがあったんですけどもうパピヨンさん行っちゃってて……それで、えっと……」

パピヨン「ねえ、ライム!」

眼を真っ赤にしたパピヨンを見て少し動揺したライムに対して。パピヨンは、宣言する。

パピヨン「アタシ――次こそは勝つから!まだまだ沢山走るし、まだまだ終わってないから!だから!」

今日勝ったからって、油断したら――次は全部置き去りにしちゃうから!

と、言ってやった。周りのウマ娘からの視線が集まる、けど本人は気にならない。

ライム「……!ふふっ、全然大丈夫そうじゃないですか、パピヨンさん――ええ、勿論。油断もしませんし、慢心もしません。だから――次また走るときは、戦いましょう!全力で!」

――ライバルとして!

パピヨンはその言葉を聞いて。なんだか嬉しそうに、全然変わらないじゃん。と笑った。

G3ユニコーンステークス。五着、シルヴァーパピヨン。

一番人気にして見事一着であったステラライムのテレビでの宣言もあって、期待も高まった彼女のその着順は、観客に失望を抱かせた。

――しかし、まだ彼女は諦めていない。勝つことも走ることも、今までであったらそこで終わっていたかもしれないが――終わらない。

『……』

【貴方】はネットや新聞等での評判を見ながら、思う。

――ここからシルヴァーパピヨンは始まっていくのだぞ、と。

彼女は真面目なウマ娘で、一度背負った期待はなんとしてでも応える、そんな妥協をしないウマ娘なんだぞと。

『……自分ももっと頑張らないとな』

梅雨の六月が終わり、七月になる。クラシックの夏。暑い暑い夏。それはつまり!

――夏合宿の始まり!

『……改めて、トレーニング内容を見直さないとな』

夏合宿前!見たイベント:自由安価下3まで。



おやすみなさい。

パピヨンもよくやってるなぁと思いました。

水着だ水着だ!

という訳でパピヨン水着安価やります。夏合宿では周りも本人もスク水なので、とりあえずパピヨンだけ。



パピヨンのお兄さんからかい水着:安価下3まで募集

紐が多めのかっこいいタイプの黒ビキニ

紐水着3歩手前くらいのガイドラインギリ違反くらい攻めた布面積極小水着

蝶に包まれてる模様のワンピースタイプ水着
胸とかそれ先端見えない?て感じだけど実際は肌色生地になってるだけで寧ろ露出は少なめ

悩んで時間かかりそうなので、ちょっとコンマやります。どれも良いよね。



水着どれだ:コンマ直下。0はもっかい。

1〜3 >>488
4〜6 >>489
7〜9 >>490


――出会いは図書室でした。

シルフィー「――も、もしかして、絵本。好きなんですか?」

マンティ「へっ!?ぁ、ぇ……?は、ひゃ、ひゃい……!」

図書室の小さな机で、絵本を読んでいる彼女。見てみると他にも何冊か絵本が積み重なっていて、それだけで「ああ、絵本が好きなのかな……」と、分かりました。。

……普段なら絶対にしない。自分から話しかけるなんて、しかもこんないきなり。

けど、トレセン学園で友達が欲しいというのもちゃんとした……そう、健全な欲求だと、私は思います。

シルフィー「ご、ごめんなさい!いきなり話しかけちゃって……私、グリーンシルフィーと言います。貴女は……」

マンティ「わ、わた、私は……ブラックマンティス、と言います」

これが、私とマンティさんとのファーストコンタクトでした。


シルフィー「す、凄いです……!絵の雰囲気と文章が見事にマッチしていて、しっかりと絵本の世界観に引き込まれてしまいました……!」

マンティ「シルフィーさんの本も……す、素晴らしいです……!お話の展開が……凄いはっきりしていて、最後の場面では……思わず、な、涙が出てしまいそうで……!」

――初めて会ったあの日から。私たちはこんな風に作った絵本をお互いに読み合って批評する、ということをよくするようになりました。

自分だけでは見えてこない視点、感想を聞ける……少し恥ずかしい気持ちもありますけど、とってもいい時間でした……!

……パピヨンさんに一度読んでもらおうとしたことはあるんですけど。その、ちょっとハードルが高くて……その。

マンティ「し、シルフィーさんは、絵本以外にも色々やってるんですもんね。小説とか……絵本以外にも、色々読んだりした方が良いんだろうな、という気持ちはあるんですけど……」

シルフィー「!しょ、小説に興味がおありですか……!?」

来ました来ました!で、ではどうしましょう……?マンティさんなら長めの長編小説でもしっかりと読み切れそうですが、最初はやはり、短くまとまっていて分かりやすいものが――。

いえ、好きなジャンルを読んでもらって小説が面白いものというのを分かって貰うためには、少し儚くて優しい雰囲気のファンタジー系の……。

マンティ「し、シルフィー、さん……?」

シルフィー「……あっ!?ご、ごめんなさい……!そ、そうですね……ま、まずは短編集などを読んでみて、どんなジャンルが好きか探してみるのが良いかもしれませんね……私の見立てだと、マンティさんは――」

――絵本や創作の話をこんな風にしながら、紅茶を飲んだりお茶菓子を食べたり。まるでティーパーティー……トレセン学園でこんなことが出来るなんて、と。思わず顔が綻んでしまいます。


そして、私たちはトレセン学園に通うウマ娘。ならば必然的にレースの話は切っても切り離せない話題で。

シルフィー「……そうですか。マンティさんはJBCスプリントを目標に」

マンティ「は、はい……国内で短距離のダートG1は、その一つだけですから……わ、私の走りなら十分狙えると、トレーナーさんも……」

――私の同室、パピヨンさんと同じダートを走るウマ娘。短距離ということは、もしかしたら同じレースに出ることもあるかもしれませんね……そうなったら、どちらを応援したら……。

マンティ「…………が、がんばり、ます!まだまだ先のレースですけど、そのG1に勝てれば、きっと……!」

シルフィー「……?」

何か覚悟を決めたような表情。けどどこか必死な表情――私にはそれの見覚えがあります。

(……パピヨンさんも、前に)

そう、パピヨンさんも前にこんな表情をしていました。マンティさんのレースに懸ける思いがそうさせるのでしょうか……ですが、それを聞く勇気は、私にはありませんでした。

マンティ「そ、そういえば。シルフィーさんは今後のレースは……ど、どうするんですか?」

シルフィー「あ、は、はい。えっと……」

――私は。


グリーンシルフィー、桜花賞戦績:コンマ直下
1〜3 一着!
4 二着!
5 三着!
4〜6 掲示板!
7〜9 掲示板にも……
0 おおっと


オークス戦績:コンマ下2
1〜3 一着!
4 二着!
5 三着!
4〜6 掲示板!
7〜9 掲示板にも……
0 おおっと

桜花賞惨敗、オークス一着!

少し離席します。グリーンシルフィーサイドでもドラマがありそうで良いですね。

シルフィー「秋華賞のトライアルレース、紫苑ステークス。次はそこに出走するつもりです」

春、私は桜花賞で惨敗し――そしてオークスで見事勝利した。だから次は秋華賞を目指す。

私の夢、トリプルティアラ。最初の一歩でそれが無くなったとき、私は――酷く酷く落ち込んで、このままじゃオークスも駄目だと出走すら諦めそうになって、それで……トレーナーさんは……。

シルフィー「オークス、そして秋華賞を勝って二冠バに。それが今の私の目標で、夢ですから」

マンティ「す、凄いですね……シルフィーさん。私も頑張らないと……」

シルフィー「……はい、マンティさんなら勝てますよJBCスプリント。でも、その……同室のパピヨンさんも、ダートを走るのでもしかしたらマンティさんだけを応援、とは出来ないかもしれません」

マンティ「ぁ、え……!?パ、パピヨンさんが同室なんですか……?ご、ごめんなさい!そ、そんな、気まずかったですよね……!」

シルフィー「い、いえいえいえ!そんな謝らなくても……!あ、ほ、ほらそういえば新しいお茶菓子を用意してるんです!食べましょう食べましょう!」

マンティ「へ?ぁ、は、はい……!」

――こうして、私とマンティさんのティーパーティーは終わった。

私はティアラ路線、マンティさんはダートを。きっと一緒のレースで走ることはないかもしれないけど――こうやって、趣味を通じてお喋りが出来るのは、なんだかとっても楽しいし、心地いい。ですね。

……さて!私も、秋華賞――その前の紫苑ステークスに向けて頑張らないと!

パピヨン「――――む、むむむむ……」

――アタシは今、水着を選びにこのお店に来ている。目的は勿論、夏に着る水着を買う為――もあるけど!もう一つ目的として!

パピヨン「お兄さんをドキドキさせちゃうような水着はどれかなぁ……」

そう!スク水でも全然普通にしていたあのお兄さんを、ドキドキさせて顔を真っ赤っかにさせちゃうようなそんな水着を買って……お兄さんをからかう!

あの人、アタシの身体見ても全然キモい反応しないし……いや、キモい反応するけど、もっと……もっとこう!ねぇ!?

パピヨン「……アタシ、結構自信あるんだけどなぁ」

同い年、いや他のウマ娘と比べても大きい方だと思うんだけど……スカーレットとかと比べると負けちゃうかも?って気がするけどアタシ身長低いし。

……脚とかも、結構魅力的?だよね、きっと。

パピヨン「やっぱり肌面積とかが多い方が……」

お兄さんもそういうの好きだよね?これとか殆ど紐みたいな……い、いや!いやいやいや!これはない!これはないないない!

――もっと普通な、けどちょっとドキっとしちゃうような……そんな水着……あっ!

パピヨン「これだ、これにしよ!」

『……パピヨンに追い出されてしまった』

トレーナー室で仕事を片付けていたら、いきなりパピヨンが来て「出て行って!」と言われてしまった。

……いや、別にそのこと自体は良いんだが。パピヨンは部屋の中で何をしているんだろうか。

パピヨン「はーいお兄さん。準備できたから入って良いよ〜」

中からパピヨンの声が聞こえてくる。その言葉の通りに、【貴方】はトレーナー室に入ると……そこには。

パピヨン「じゃ〜ん……どう?新しい水着買っちゃったんだけど……お兄さんの感想、聞かせて欲しいな〜?」

――水着姿のパピヨンがいた。蝶のような模様があしらわれたワンピース水着。

パピヨン「ぷぷ、お兄さん見惚れちゃってる?やんや〜ん、そんなじっくり見ちゃって、お兄さんのエッチ〜」

『え?あ、ああ……すまない』

思わずジッと見てしまった。ふむ、ふむ……。

『……だいぶトモも成長したな。全体の筋肉量も偏っていないし……こうやってみると、だいぶ綺麗な身体をしているな』

パピヨン「えっ?い、いや……そんな……いやいや……えっ?」

『スプリンターらしい良い下半身だ、だから後は心肺能力と柔軟性、そういう部分を鍛えていくべきだろうな』

それこそ、夏合宿では遠泳を多く行ったりしても……いや確か夏合宿ではビーチでクイズ大会が行われるらしいから――。

パピヨン「……〜〜っ!あ、あーもう!お兄さんほんっと意味わかんない!もっとこう!あるでしょ!?」

『え』

パピヨン「言うべきこととか!水着なんだから!ねぇ!あ、あーもー……ほら!チャンスあげるから!」

顔を朱色に染めながら、パピヨンは自分にびしぃ!と指を指す。

……な、何だろう。

なんか言ってあげよう!:安価下2
1 ……水着似合ってるな
2 身体を見せるだけなら水着になる必要なかったんじゃ…
3 …………?
4 自由安価

『……水着、似合ってるな』

パピヨン「!!!」

彼女の顔が、一気にぱあっと明るくなる。

パピヨン「っ!で、でしょ〜!?この水着、折角お兄さんの為に――ぁ、いや、ちがっ…………も、もう!ほんとお兄さんってば変態なんだから!」

アタシの水着姿で鼻の下伸ばして、にやにやしちゃって!まあでも、お兄さんだししょうがないよね!と、なんだか早口でまくし立ててくる。

パピヨン「ぷ、ぷぷぷ!あー、良かった……じゃない!ほらもうおしまい!アタシの水着姿なんて他の人じゃ中々見れないんだからね!?ほら出て行って!出てって!

『……え、ちょ。押すなって……!』

顔が真っ赤なパピヨンに押され、部屋から追い出されてしまう。

……水着が似合ってると思ったのは、本当なんだけど。どうして……。

パピヨン「……〜〜っ!ぅ〜……!!!」

――【貴方】をトレーナー室から追い出した後、嬉しそうにガッツポーズを小さくするパピヨンの姿がそこにはあった。

結局【貴方】はドキドキしたの?:コンマ直下

1〜6 ……?
7〜9 ……年頃の女の子がそういうのを着るのは、良くないと思う
0 ……いや、まあ……まあ。

多分最後までお兄さんパピヨンにドキドキしたりとかそういう目で見たりとかしなさそう。

今日はこれで終わりです。お疲れさまでした。おやすみなさい。

パピヨン「ライムのトレーニングを探るよお兄さん!」

『……はあ』

ユニコーンステークスから数日、トレーニングが休みの今日この頃。いきなりパピヨンはそんなことを言い出した。

『……ライムのことなら直接訊けば、それこそ一緒にトレーニングも』

パピヨン「お兄さんバカ!? ライムはライバル……じゃなくて敵!敵なんだからもう軽々一緒にトレーニングしたりなんて手の内晒しはしないでしょ!」

『ああ、まあ……』

ぷんすこ怒る担当ウマ娘の意見も分かる、けどあのライムがそういう提案を断るだろうか……ああ、でもライムの担当トレーナーさんは、そういうのしっかりしているだろうなぁ。

……興味がないわけではない、敵情視察……そう敵情視察。自分自身、ライムがどのようなトレーニングを行っているのか気になるところだ。

パピヨン「ね!ね!?お兄さんも気になるでしょ!?」

『だけど、そんなトレーニングを見させてほしいなんて――あいたっ!』

蹴られた!脚を!痛い!

パピヨン「だから探るの!お兄さんほんっと察せないね!隠れてこっそりと観察するの!そう……スニーキング!」

『スニーキング』

……ダンボールとか用意した方が良いんだろうか。

ライトレ「――少しペースが落ちているぞ!最後の一週も全力で!」

ライム「はい!トレーナーさん……っ!やぁあああああああ!!!」

――ダッ。と、ライムが駆けると同時に、風を割く音が聞こえてくる。

ダートの土が舞い上がり、まるでダートを往く流星のようで……。

パピヨン「……ちょっとお兄さん、お兄さん。何ボーっと見てるの」

『え、あ、ああ。悪い……』

パピヨン「今日はライムの練習を全部糧にするつもりで行くよ!お兄さんも一応トレーナー何だから、少しは頑張ってよ!」

酷い言われようだなと思う。まあしかし、折角担当ウマ娘がやる気を出しているのだから、それに全力で乗っかるのもトレーナーの役目だ。

――という訳で、自分たちは今ステラライムの練習を物陰からこっそりと伺っている。わざわざ黒いサングラスを二つ自費で購入し、あんパンと牛乳も……いやこれ刑事の尾行か?

パピヨン「もぐもぐごくごく……にしてもライム、相変わらずはっやいなぁ……前走った時よりも断然早くなってる気がするし」

――ステラライムのトレーニングを見始めて思った印象として、とても基本に忠実である。ということだ。

ライムのトレーナーさんは結構熱い人だが、トレーニングはとても論理的だ。無茶は絶対にさせず、しっかりと基本を押さえる。走りの土台をしっかりと築いている。

だからこ――単純に強い。王道のようなレース展開も。最後に抜け出す走力も、走り切るスタミナも全てを兼ね備えているからこそできる。つまり、基本が出来ているんだ。

ライム「っぁあああああああああああああ!!!」

ライトレ「……よし、いいぞライム。いったん休憩にしよう、しっかりと水分補給をしておいてくれよ」

ライム「はぁ、はぁ……!はい、分かりましたぁ……!」

パピヨン「うわ、すっごい担当とトレーナーっぽい。お兄さん、見習えば?」

『……いや、まて。それだけは君に言われたくないぞ』

おやすみなさい。



スニーキング:コンマ直下
1 パピヨンうずうず
2〜4 バレてない!
5〜8 ライム「パピヨンさーん!どうしたんですかそんなところで!」
9〜0 ライトレ「……何やってるんですか」

ライトレ「――次走のジャパンダートダービーでは長い直線のロングスパートが勝負になる。だからそこでの先行争い、それを制することが勝ちへとつながる」

ライム「はい!」

ライトレ「だからスパートをどれだけ維持できるか、持続力を鍛えるためにもこれから先はそう言ったトレーニングが多くなる」

足腰を重点的に鍛えるための筋トレや、最後まで走りきるための体力づくり……まあ、今まで通りと言えば今まで通りだが。と、ライムのトレーナーさんは難しい顔をしながら言う。

ライトレ「2000mはライムにとっても未知の距離だ、今までのトレーニングとレース結果からも適性はしっかりとあることは分かっているが――」

ライム「トレーナーさん!大丈夫です!私、しっかり2000mでも勝って見せますから!」

にっこりと笑い、ライムはトレーナーさんに向かってぐっ!と親指を立てる。

ライトレ「……そうか、ならしっかりと勝つためにトレーニングを続けよう。君の幼馴染にも、カッコ悪い所は見せられないからね」

ライム「えっ!?あ、ちょ……トレーナーさん!?その話は関係ないと思うんですけど!?」

ライトレ「ははは」

ライム「うぁー!」

揶揄うように笑うトレーナーと、顔を真っ赤にして起こるライム。これが、彼女とトレーナーの練習風景だった。

パピヨン「…………」

『……』

……なんだか、本当にお手本のようなトレーナーとそのウマ娘だと感じた。

パピヨン「……ジャパンダートダービー」

『……一応言っておくけどパピヨン。キミは』

パピヨン「分かってる、分かってるって……距離的に絶対無理だし、そもそも出れないでしょアタシじゃ」

これまで4戦2勝、出走登録自体は出来るだろうが……他に出るウマ娘も多い、抽選が必須になりそうだ。

パピヨン「ライムは次のG1に向けて練習、シルフィーはオークスに勝って秋華賞へ」

……アタシの周りG1勝ってる子多くない?と、そんなことを言いたげな目。

『ならキミも早くその仲間入りをしよう。次の目標もしっかり定めて、練習をすれば……きっと勝てるさ』

練習をすれば絶対に勝てるわけじゃないけど、それは無駄にならない。キミは理解しているだろう?

パピヨン「分かってるよ、お兄さん」

ライトレ「はは、なぁにそもそも2000mを走り切れるか不安になったときはちょっと長いマイルだと思えばしっかり走れるだろう!」

ライム「……ちょっと長いマイル?」

ライトレ「ちょっと長いマイルだ!走れないことはない、そう思うことでメンタルもカバーだ!」

おおっとなんだか遠くで愉快な話題が出てきた。

パピヨン「あ、やっばこっちに近づいてくる……撤退撤退。逃げるよお兄さん!」

『ああ!』

――アンパンと牛乳を両手に持ち、【貴方】とパピヨンはその場から逃げ出した!

『……次のレースの話をしよう、パピヨン』

夏合宿が近づいてきたある日、トレーニングを始める前にパピヨンをトレーナー室に呼び出す。

パピヨン「次のレース、かぁ。アタシは走れれば何でもいいんだけど――」

『それでも、今回はキミの意見が欲しい。今後キミがどういうレースを望むのか、ある程度指標があったほうがこちらとしてもやりやすいんだ』

――ライムのライバルとしてありたい。だとしても流石にジャパンダートダービー……中距離は、現時点では無理だ。

それにライムの追いかけを何時までもするわけにもいかない。ライムはライムの、そしてパピヨンにはパピヨンのレースがある。

『……短距離でも、マイルでも。次走じゃなくてもこのレースに出走してみたいとかそういうのでも構わない。地方のレースを巡るでも、それこそ海外でも』

パピヨン「ん〜……そう、だなぁ。アタシ的には……沢山走りたい。沢山走ってまず実績を作って、それで……ぷっ」

ぷはっ、あはは!と、突然パピヨンが笑いだす。

『ど、どうした!?』

パピヨン『あー、ごめんごめんお兄さん。いや、前のアタシだったら……言わなかっただろうなぁ、実績を作って〜とか」

――なんせ実績があるとその分人気になって頑張らないといけないから。と、パピヨンは言う。

パピヨン「でも今はそれが欲しいな。まずは慣れないと、まだちょっと……ムリかもしれないけど。少しずつ、少しずつ」

『……そうか。それは……とても、良いことだな』

――成長というのだろう。トレーナーとして、本当に嬉しいことだ。

パピヨン「と、いう訳で短距離でもマイルでもなんでも!沢山走りたいな!お兄さん、その辺色々叶えて欲しいな〜?」

おねが〜い。と、担当ウマ娘がウインクしながらおねだりする。任せろそれが仕事だと言わんばかりに、胸を張る。

パピヨン「……お兄さんって、自慢げだとちょっとキモいよね」

『自分も怒るぞいい加減』

さてさて、それは置いておいて。パピヨンの次走は――。




パピヨンの今後のレース展開についての安価です。深夜の為時間は長めに。

全てのレースが決定するわけではありません、こういうレース走らせたいとか、こういう路線で頑張りたいとか。そういう物です。

目標レース:(将来的に出たいレース名、○○が出走するレースとかでも大丈夫です)
(出来るだけウマ娘ゲーム内であるものでお願いしたいですが、なくても出来るだけ頑張ります。海外とか殆どゲームにないので)

次走:(次走で走りたいレース名、作中は現在クラシック6月後半です)
(書かなかった場合、目標レースから考えてそれっぽいのを選びます)

その他:(何か付け加えたいことや、こういうローテ組みたいとか何かあれば。絶対ではありませんが出来るだけ取り入れます)

上記のテンプレで書いて欲しいです。初の試みなので出来るだけ柔軟にやってみます。

因みにパピヨンは「出来るだけレースに出たい」そうです。クラシック期間に「3〜4回」くらいはレースに出たいかもしれないです。

それではおやすみなさい。質問等あれば何でもお願いします。



パピヨンの今後のレースは――:18時まで募集。

目標レース:(将来的に出たいレース名、○○が出走するレースとかでも大丈夫です)
(出来るだけウマ娘ゲーム内であるものでお願いしたいですが、なくても出来るだけ頑張ります。海外とか殆どゲームにないので)

次走:(次走で走りたいレース名、作中は現在クラシック6月後半です)
(書かなかった場合、目標レースから考えてそれっぽいのを選びます)

その他:(何か付け加えたいことや、こういうローテ組みたいとか何かあれば。絶対ではありませんが出来るだけ取り入れます)

ちょっと調子悪そうだし精神を鍛える面でも障害レース一回だけ走っとく?
東京ジャンプステークスとかあるし

なかなか見れなくて遅れてしまいました、すみませんありがとうございました。

テンプレで書いてきてもらったものを採用するつもりだったんですけど、何か分かりにくかったのか来ないで終わっちゃいました……申し訳ないです。

今日は更新できないので、もう少しだけ時間延長してみたいと思います。明日の21時までで。

来なかったら>>524,525から予定通り選びたいと思います。

時間過ぎましたがこれで終わりたいと思います、ありがとうございました。

次走は「エルムステークス」「クラスターカップ」「ながつきステークス」「東京盃」ですかね。障害レースはちょっとお留守番!

最終目標は国内G1だったり国外G1だったり、まだ決めませんが候補には上がってくる感じで。パピヨンに意識だけさせておきましょう。

では、早速次走決めます。

ではおやすみなさい。



次走は――:安価下3までで一番コンマが大きいもの

1 8月前半に札幌で行われるG3「エルムステークス」
2 8月後半に盛岡で行われるG3「クラスターカップ」
3 9月後半に中山で行われるOP「ながつきステークス」
4 10月前半に大出行われるG2「東京盃」

次走は「エルムステークス」です。1700mの今まで最長距離ですが、何とか頑張りましょう!

そして札幌でデートです。ありがとうございました。

「エルムステークスにしよう」

8月前半に札幌で行われるエルムステークス。距離は1700mと少し長いが、時期も丁度いい。

パピヨン「エルムステークス、エルムステークスかぁ……えっ。ってことはもしかして夏合宿途中で抜け出す感じ?」

「まあ、そうなるな」

パピヨン「えぇ〜!?アタシ、合宿中の夏祭りとか楽しみにしてたんですけど!」

「……札幌にも夏祭りはあるさ、ただまあ友達と行ったりは出来ないかもしれないが……」

確かに夏祭りに友達と遊びに行く予定が合ったりしたのかもしれない、だったらエルムステークスではなく少し後の――。

パピヨン「はぁ〜……いや、いいよ。別にそういう予定があったわけじゃないし、ちょっと気になってたな〜くらいの気持ちだったし」

そう言うと、彼女はプイっとそっぽを向いてしまった。何かまずい事を言ってしまったかと不安になるが、きっと大丈夫だろう。

「……そうか?じゃあ、予定通りエルムステークスで行こう。札幌だし美味しいものも沢山あるだろうな」

パピヨン「お、そういう話題出したってことは全部お兄さんの奢りだかんね?」

「えっ」

パピヨン「ぷぷぷっ。ごちそうさまで〜す!」

――と、いう訳で次走は札幌で行われるエルムステークスに決まった。

とりあえずはエルムステークスを勝つことを目指して、そこから先は――どこまで羽ばたけるか、ゆっくり相談して考えていこう。

パピヨン「うっわ〜!綺麗な海!え、すご。滅茶苦茶夏じゃん!」

夏合宿初日、パピヨンが海を見てキラキラと目を輝かせている。

「海は初めてか?」

パピヨン「うん!始めて来た!うわ、砂浜とかこんな感じなんだ……わ〜……!」

……やっぱり年頃の女の子っぽい所はあるんだよな、この子。しかし、予定だと初日は簡単なトレーニングで終わらせる予定だったし。うん、そうしよう。

「……よし、パピヨン!今日はトレーニング無し!海で思いっきり遊んで来い!」

パピヨン「えっ!?いいのお兄さん!?」

「ああ、まあ初日くらい大丈夫さ。それに他のウマ娘も、結構遊んでるみたいだし、良かったら友達でも誘って遊んできな」

パピヨン「お兄さんやさし〜!え、なんか別人みたい!あとで変な事とかするつもりでしょお兄さん!」

「酷い言い草だな……はあ、けどあまり遠くまで行ったりするんじゃないぞ、あと適度な水分補給と休憩を――」

パピヨン「はいはい分かってるって!じゃあちょっと、行ってきます!」

――そして彼女はぴゅーんと飛び出していった。

夏だ、海だ!(初日):自由安価下2まで。

絡みたいキャラとのイベントや、【貴方】とのイベントとか、それ以外にもそれっぽいイベントです。



お久しぶりなのにこんな時間で申し訳ないです。




水着:安価直下
1 スク水
2 >>490

今気づきましたすみません上げてなかったですね。

サンオイルイタズラパッと思いつくの塗って貰うやつだけなんですけどそれですよね多分。

安価は下でお願いします。

モブ「はー、ちゃんと塗っておかないと痕になっちゃうし、塗っとかないと……」

水着に着替えようと脱衣所に向かうと、知らない子がせっせとサンオイルを塗っていた。

あー、確かにアタシも塗っておかないと日焼けになっちゃうし塗っておかないとなぁ。

パピヨン「…………!!!」

その瞬間、アタシの頭に電撃が奔る!天才的な閃き!

そうだ、アタシの水着を見ても全然慌てなかったお兄さん。そのお兄さんを慌てさせる絶好のチャンス!顔をまーっかにさせて、あの別に興味ないですけど〜?みたいな表情、ぐちゃぐちゃにさせちゃう……!

パピヨン「じゃあ早速準備準備〜」

スク水……じゃなくて今日はあの水着でもいっか。練習の時だけスク水にすれば問題ないでしょ〜。

――あの日のリベンジ!しちゃうぞ!

パピヨンが飛び出して行ってから数分後、彼女は小走りに何かを抱えながらこちらに向かって来た。

パピヨン「ねえお兄さーん?ちょっとお願いあるんだけど」

「……キミ、学校指定の水着はどうしたんだい」

パピヨン「今日は休憩って言うからこっちにしちゃった。あれ、もしかしてダメだった?」

「全く……練習の時は着替えるんだぞ」

あの日トレーナー室でお披露目してくれたワンピースの水着。青い空の下、海で見るその姿はとても眩しくて、なんだか一段と似合っているように見えた。

「それで?お願いって」

パピヨン「実はサンオイル塗るの忘れちゃって〜、だからお兄さんに背中塗って欲しいんだ〜」

「…………は?」

思わずそんな声が出てしまった、いや。なんでそんな……。

「別に自分じゃなくても良いだろう、ライムとかシルフィーとか知り合いのウマ娘に……」

パピヨン「え〜?でもライムもシルフィーもまだ荷物の準備とかしてるっぽいし、早く塗らないとアタシの肌に染みとかできちゃうよ〜」

ねえねえお兄さん塗ってよ〜。と、上目遣いでお願いをしてくるパピヨン。普段我が儘を言う時の声、こうなったらこの担当ウマ娘は引き下がらない。

「…………はぁ。分かったよ、けどあんまり文句言わないでくれよ」

パピヨン「っ!やったぁ!お兄さんやっさし〜!」

砂浜に広げられたビーチシートと、大きなパラソル。そこに仰向けに寝そべったパピヨンと対峙する【貴方】。

……とても丁寧に手入れされた尻尾が、フリフリと嬉しそうに揺れている。

パピヨン「それじゃあ背中、お願いね?ぷぷ、ちょっと際どいところ触ってもバレないかもよ?」

「からかわない。ほら、こっちも塗るのなんて初めてなんだから、ジッとしてなさい」

パピヨン「はいはーい」

サンオイルを適当な量手の平に出してみて、馴染ませてみる。さて……どうしたものか。

……取り合えず、背中にそっと触れてみる。

パピヨン「ひゃっ……!?」

「っ!?だ、大丈夫か!?」

パピヨンの口から出た声に、反射的に手を放してしまう。

パピヨン「だ、大丈夫大丈夫……ぷ、ぷぷ。お兄さんってば恐る恐るしすぎでしょ。ほんっと女性経験とかないんだ〜?」

「……あんまりトレーナーにそんなこと言わない。ほら、塗らないと染みになっちゃうんだろ」

パピヨン「あっ、話しそらした。やんやん、お兄さんに身体まさぐられちゃ〜う」

「…………」

後でちょっとデコピンでもしてやろうかと思った。


サンオイルぬりぬりイベント:安価直下
1 パピヨンの方が恥ずかしくなってくる
2 パピヨン「こ、今度は、ま、前も塗って欲しいんだけど〜……」
3 めっちゃ知り合いに見られる。
4 自由安価

めっちゃ知り合いに見られました、その知り合いは――:安価直下
1 オリウマ娘勢ぞろい(ライムシルフィーマンティ)
2 ウオダス
3 自由安価



今日はこれだけです、お疲れさまでしたおやすみなさい。

一人だけスク水じゃないのもあれなので、オリウマ娘ちゃんたちの水着募集を少しだけします。

次の更新まで募集するので、こういうのが良いって人は送ってくれると嬉しいです。

パピヨン「…………」

『……』

最初は【貴方】をからかっていたパピヨンだがその口数もだんだん減ってくる。サンオイルを馴染ませた手で背中の肌をヌルヌルと触られて、くすぐったいような恥ずかしいようなそんな感覚。

そして思う「あれアタシちょっとやりすぎた?」

パピヨン「……っ」

……お兄さん、すっごい優しい手つき。アタシの肌に傷つけないように〜とか考えてるんだろうな〜。

それに、ちょっと気持ち良いかも……あれかな、なんかツボとかあってそこが刺激されてるみたいな?マッサージとかもちょっと勉強してみたら――。

『……ほら、背中は塗り終わった。もう大丈夫だぞ』

パピヨン「ぇ〜?もう終わり?お兄さん、アタシの肌をもっと触れるチャンスだよ?もっと丹念に塗り広げても良いんだよ〜」

『変なことを言うな!それに……結構人の目がな』

パピヨン「……へ?」

そう言われて気付く。そうだったここって夏合宿の砂浜。そこでアタシはお兄さんに背中を見せてサンオイルを塗って貰って――。

そして、アタシはうつぶせの状態から顔を上げて――。

ライム「あっ……!ど、どうもー……あはは……」

シルフィー「わっ、わぁ……!」

マンティ「ひゃぁあ……」

パピヨン「…………」

――見知った3人がそこにいた。

パピヨン「っ!?な、なんでそこに居るの!?」

顔が一気に熱くなる、ボンっと爆発するみたいに、夏の暑さじゃ誤魔化しきれないほどの熱。

な、なにアタシがお兄さんに塗って貰ってるところ見てるのこの――!?

マンティ「あっ!?やっ、その、パピヨンさ――!」

ライム「やっぱり来た!ほら逃げますよ!」

シルフィー「あ、あのぉ!わ、私は、男の人とそういうのは……!」

パピヨン「あっこら逃げるな!こらぁ!」

『…………行ってしまった』

……まあサンオイルは塗り終わったし大丈夫か。

それに、なんだ。と【貴方】は思う。

『……楽しそうで何よりだな、うん』

自分じゃできない、同期でライバルの彼女たちだからこそパピヨンのあんな表情を引き出せたのだろう。

……それがなんだか嬉しくて。【貴方】は荷物を持って宿舎に戻った。

パピヨン「むむむ……」

シルフィーはイメージに合ったフリル付きのワンピ。髪もポニテに束ねちゃったりして、とても夏って感じの水着姿。

マンティは黒いパレオタイプの水着。結構肌見せるの嫌なタイプかな〜とか考えてたけど、これまた結構肌色多めで。大人っぽいかも?

ライムは……。

パピヨン「幼馴染くんの趣味?」

ライム「怒りますよ!?」

花柄があしらった白いビキニ。いやぁ、水着としては王道と言っても良いそんな水着。むむ、やっぱりアタシもこれくらいストレートな水着の方が良かったかも……。

パピヨン「ま、アタシの方がデカいけどね」

ライム「パ、パピヨンさん結構そういうところありますよね……」

マンティ「……あ、あの。幼馴染って……?」

シルフィー「そういえばマンティさんは知りませんでしたね。実は……ごにょごにょごにょ」

ライム「あっ、あー!シルフィーさん拡散しないでください!やめっ、こらぁ!」

――最近はよくライムの幼馴染関係を弄りがちなアタシたち。まさか委員長みたいなライムがこういう立場になるとは……分からないねぇ。

まあちょっとLANEとかのグループでもからかい過ぎな気もするけど、ライムも本気で怒ったりして来ないし多分大丈夫。

……それに年頃の女の子にそういう話題は必要不可欠!気になって気になってしょうがない!。

マンティ「わっ、わぁ……!!!お、おめでとうございます?」

ライム「止めてくださいよありがとうなんて!だ、だから私は別にそういう仲じゃ――だ、だったら先のパピヨンさんだって!」

んー?

ライム「あんなにトレーナーさんにオイルを塗って貰って、幸せそうな表情で!しかも、なんな場所で!」

パピヨン「は、はぁ!?」

マンティ「あ、あれ凄いですね!パピヨンさん!わ、私じゃあんな大胆な……は、恥ずかしくて!」

シルフィー「しかもトレーナーさんとだなんて、不健全ですよ!あんな、男の人のごつごつした手で……!」

う"〜!こっちに矛先がきたぁ!アタシはこういう弄られるタイプじゃないんですけど!

パピヨン「ち、違いますけどぉ?ア、アタシのあれは……ご褒美!そうご褒美だから!キモいお兄さんにアタシにオイルを塗る権利をプレゼントしてあげただけだから!」

マンティ「……そ、それ、も、もっと凄い……!?」

シルフィー「は、はー!だ、だめ……!だめですよパピヨンさん!」

あれ、ちょっと間違えたかも?

ライム「ふふふ、どうですかパピヨンさん!これが弄られる側の気持ちですよ!」

くっ……何を勝ち誇った顔を!しかしこの状況はまずい、お兄さんとそういう関係なんでしょ?みたいな雰囲気になるのだけは避けないと……!

何か、何か手は――!はっ、これだ!

パピヨン「あ、アタシとお兄さんのことが知りたくば――あれで勝ってからにして!」

そしてアタシは、それを指差す。そう、ビーチフラッグ!!!

――――という訳でビーチフラッグ競争が始まった。正直凄い雑な展開な気がしなくもないけど、気にしない気にしなーい。

マンティ「……あ、あのぉ。パピヨンさんのお兄さんも気になるんですけど……えっと、勝った人に何か、ご褒美みたいな……」

ライム「あ、いいですねそれ!んー、海の家のご飯を奢るとか……でもあまりこういうお金の問題は好きではないんですよね」

パピヨン「――勝った人のお願いを何でもきくとか」

シルフィー「い、言いましたね!?」

ふふん、これくらいしないとね。流石にライン越えてるお願いとかはしないだろうし、まあまあ遊び程度にね、遊び程度に。

シルフィー「……ま、負ける気は勿論ないんですけど。私だけ芝メインなんですよね……」

ライム「でもシルフィーさんはオークス勝ってるじゃないですか!そんな関係ありませんよ!」

……そうだ、あそこの二人はG1ウマ娘。実績的にはこのメンツで群を抜いている――けど、アタシだって負ける気はない。

マンティ「…………」

……うん、マンティもばちばちにオーラ放ってる。分かるよ、遊びだけど――勝ちたくなっちゃうよね。競争、なんだから。

――――一番に旗を取って、あんな命令やこんな命令しちゃうぞ!いやお願い!お願いしちゃう!

旗を刺して距離を取り、四人でうつぶせになる。

――近くにいた子に合図のお願いをして貰う。その子が合図をしたらその瞬間、駆ける。

モブ「よーい……ドン!」

そして、ビーチフラッグ競争が始まった!一気に起き上がり一直線に駆ける!

誰が勝った?:コンマ直下
1-25 パピヨン
26-50 ライム
51-75 シルフィー
76-00 マンティ

ライムはビーチフラッグでも強かった。

ちょっと先の安価ですがライムの命令(お願い)安価もしちゃいます。

では、今日はこれで終わりにしたいと思います。おやすみなさい。



ライムの命令(お願い):安価下3まで

パピヨンに洗いざらい全部話してもらうとか、○○と○○でハグとか。なんでも。

パピヨンに:ユニコーンSでレース後、トレーナーさんと何かありましたよね?それを教えて下さい!

おつー
この同期達の会話好き好き大好き
ライムちゃんから覇王味を感じる

乙です
(半ばパピヨンに誘導される形で)シルフィーとマンティに恋人にしたいタイプの人間を発表してもう

こんばんは、安価残り一つです。

上げます。

自分だけなのは不公平なので、三人にも気になる人がいるかを言ってもらう
拒否権あり
(ただし、言外に自分は拒否したのに今後ライムに色恋関係でつっついてくるのはどうなのと含ませる)

ライムはのお願いは――:コンマ直下
1〜3 >>571
4〜6 >>572
7〜9 >>574

ライム「――――っやったぁ!」

パピヨン「……っ!」

マンティ「くぁ……!」

――あと一歩のところ、あと少しでフラッグに手がかかる瞬間アタシの後ろからグイっと腕が伸びて、ライムがフラッグを手にした。

スタートダッシュも上手くいったし、こんな短い距離ならアタシが勝つ――そう思っていたのに。負けた。

シルフィー「はぁ、はぁ……ふぅ、私が一番最後ですかぁ……せめて、もう少し勝負できたらよかったんですけど……」

3人がフラッグに辿り着いてから少しして、シルフィーが到着する。悔しそうな視線をライムに向けて、それに応えるようにライムは、笑った。

ライム「ふふ、シルフィーさんもバチバチでしたね。勿論パピヨンさんもマンティさんも」

マンティ「わ、わたしも、負けるつもりはなかったので……さ、流石ですね、ライムさん……」

ライム「……そんなこと言いながら、目が賞賛する感じじゃありませんよ?」

マンティ「へっ?えっ、あ、ご、ごめんなさい……!」

ライム「あ、いえいえ!そんな気にしていませんから!でも――」

――私、ちょっと最近そういう視線を沢山浴びてるので、敏感なんです。

なんてことを、当たり前みたいにライムは言ってのける。

パピヨン「……っ。言ってくれるじゃん、なに?それ、もしかして――勝者の自慢?私に負けた子からそういう視線沢山浴びちゃう、みたいな」

ライム「考えすぎですよ、パピヨンさん。でも、そういう風に取らえてくれるなら――こう言った甲斐があったかもしれませんね」

……あーもう!むかつくむかつく!

ライム「さて、パピヨンさんが言った事ですから当然。約束は守りますよね?」

パピヨン「うっ……」

――にやり、とライムはアタシを見ながら言う。だ、大丈夫。ライムならそんな酷いこと言わない、そこは大丈夫、だ、だよね?

マンティ「も、もしかして私にも何か酷い事を……!?」

シルフィー「え、ええっ!?ライムさんってそんな……!?」

ライム「な、なんで酷いこと言う前提なんですか!や、やりませんからね!?」

まあでも、少しは仕返しがしたいというのも、本音で……と。ちょっと恥ずかしそうにしながら、ライムは口を開く。

ライム「――三人にもいるんですか?気になる人が」

「「「――――!」」」

アタシたち三人の息を飲む音が聞こえる。

パピヨン「で、でもそれって」

ライム「勿論、拒否権はあります!けど……ねぇ?」

――好きな人がいない場合はどうすればいいの、という質問をしようとした瞬間。被せるようにライムはそう答えた。

しかしこの圧、そして笑顔。皆して私の事弄っといて拒否するのはどうなの?拒否したらもう二度とさせないからね?という、オーラ!

マンティ「ふぇ、ぁ、そのぉ……」

シルフィー「す、好きな人……ですかぁ……」

ライム「ふっふっふ。あ、でもパピヨンさんは分かり切ってますから、言わなくても良いですよ?」

パピヨン「は、はぁ!?なにそれ、どういうこと!?」

ライム「だってもう分かり切ってるじゃないですか。私もシルフィーさんもマンティさんもお互い理解してるので、無理して言わなくても良いですよ」

――あったまきた!なにそれ勝手に分かった風なこと言って!

パピヨン「別にお兄さんの事とか全然好きじゃないんだけど!?バカ?バカでしょバカ!勝手に勘違いしないで!」

マンティ「……あ、あのぉ。今、自分で」

パピヨン「好きじゃない!誰があんな臭くてキモい変態!」

シルフィー「お、おぉ……!見てくださいマンティさん……!今どきネット小説でも見ないくらいテンプレみたいな……!」

マンティ「ひ、ひぅう……」

ライム「じゃあとりあえず誰から発表して貰うかなー、ふふふ。今度は私が攻める番ですからね」


シルフィーの好きな人:安価下3まで募集。

好きな人の名前でも、好きなタイプでも多分ライムは優しいので許してくれそうです。

すみませんなんも考えないで安価してました。

23:10になったら締め切ろうと思います。安価は下にずらして下さい

次!マンティ!

マンティの好きな人:安価下2まで。50分で締め切り。

ライム「はいじゃあシルフィーさんから!」

シルフィー「え、ええっ!?わ、私からですか!?」

名前を呼ばれビクッと体を震わせて驚くシルフィー。その様子にライムはにやりと笑う。

ライム「ほらほら、早く言ったほうが楽ですよ?勿論黙秘権はありますが――」

シルフィー「わ、分かってますからぁ!うぅ、今までからかってすみませんでしたぁ……」

恥ずかしそうになんだか両手の指先を重ね合わせ、もじもじと動かす。

シルフィー「…………え、えっとぉ。そのぉ……し、親友の……お、弟くんなんですけど……」

パピヨン「弟!?」

やば、思わず声が出ちゃった。落ち着こう落ち着こうと、とりあえず立ち上がってしまったので座る。

シルフィー「ず、ずっと前からその……こ、好意は伝えられてたんです。凄いストレートに、でも、やっぱり親友の弟くんだし、冗談というか、今だけなんだろうなって思って流してたんですけど……」

ライム「……責められ過ぎて意識しちゃったんですか?」

シルフィー「っ!あ、あぅあぁあぁ……!!!」

顔を真っ赤にしてその場にしゃがみ込む。耳をぺたんと倒して、悲鳴みたいな情けない鳴き声を漏らしながら。

だってだってしょうがないじゃないですかぁ……会うたび会うたび好き好き言われたら意識しちゃいますよぉ……!

パピヨン「し、シルフィー……!」

ライム「それでは次はマンティさんですよ!存在を何とか隠していたのかもしれませんけどしっかりバレてますから!」

マンティ「ひっ、ひやぁああああ!?」

シルフィーがやられていた時一言も喋らなかったマンティに矛先が向く。まあ人数も少ないし正直意味ないと思うけど……まあ、でも、分かる。

マンティ「え、い、いやわたし、その……」

ライム「もうダメです、私はもう止まれませんよ!マンティさんだって居るでしょう!好きな人くらい!」

マンティ「そ、それは……ぅ。ぁ……ふぇ……」

眼をぐるぐると回しながら、手をわたわたと動かして滅茶苦茶に慌てている。

マンティ「…………ひぅ、あぅ、その……」

――――わ、私と同じくらいの。年齢の……男の子が、居るんです。

マンティ「トレセン学園に入学する前に、学校で……ぁぅ、作った絵本を、ほ、褒めてくれて」

凄い明るくて、クラスの中心みたいな男の子で。サッカーが凄い上手で……わ、私の事を夢を追いかけるライバル同士だって……言ってくれて……。

パピヨン「……うわ、凄いラブコメの主人公みたいなの」

マンティ「学校が離れてしまったのでもう会えないかなーって思ったんですけど……メ、メイクデビューの時に観に来てくれて……!あの、すごい、嬉しくて……!」

言葉から嬉しさが伝わってくるなぁ。というか喋ってる時声も身体もプルプル震えててなんだかこっちも恥ずかしくなってきちゃう。

マンティ「……い、以上、です……ぁ、あぅあぅぁぅ……」

あぁ、マンティもシルフィーと一緒にしゃがみ込んで震えだしちゃった。

ライム「――ふぅん。お二人もちゃーんと好きな人いるんじゃないですか。好きな人がいるのに、私の事をそんな風に……」

シルフィー「ご、ごめんなしゃぃ……」

マンティ「か、顔が、顔が熱いよぉ……!ふぇ、ふぇぁぁ……」

――よし、矛先が二人に向いてる間に逃げよ。

ライム「おおっと逃がしませんよパピヨンさん。ほらほら、言っちゃいましょうよ好きな人。誰なんです?その人のどういうところがどんなふうに好きなんですか?」

パピヨン「うがぁぁ!か、肩を掴むなぁ!」

ああもう逃げられない!滅茶苦茶力強く掴まれてる!こんのぉ……予測してたな逃げることを……!

……はぁ。仕方ない、なんかめっちゃニヤニヤされてるけど、ちゃっちゃと適当なこと言って終わらせよ。

パピヨン「……ええっとぉ、そうだなぁ。アタシが好きな人は……まずアタシより年下でぇ」

ライム「ん?」

パピヨン「身長は勿論アタシより低くて、アタシがリードしてあげれるような人でぇ。あとそうだなぁ……」

ライム「いやいやパピヨンさん!それは――!」

やっば、適当言ってるのがバレた?けどこれがアタシの好きな人だもんねー、嘘かほんとかなんて分かんないでしょ?ぷぷぷー。

パピヨン「あ!勿論アタシ一筋!絶対浮気とか許さないし、後は……お金沢山持ってて、優しくて……ちょっと苦労してる雰囲気とかあると嬉しいかも?大人っぽいし」

しかも、アタシの我が儘も許してくれて、案外ノリも良くて。でもちゃんと真面目な時は真面目で……書類作業とかしてる時の横顔とか雰囲気が、ちょっとカッコよかったりして。

ライム「……おおっと?」

パピヨン「アタシの走りが好きなのは当然で、ずっとずっと応援してくれて……アタシがヘマしちゃって泣いてる時もゆっくり待ってくれて、そんで頭とか撫でてくれて……あ、後はこれは絶対!」

――どんなアタシも絶対に受け入れてくれる人!どんなヘマしても絶対見捨てないで、見守っててくれる包容力のある男の人!

パピヨン「……が、アタシの好きな人でーす。はい、終わり終わり〜」

あー、適当言ったけどちょっと恥ずかしいかも。慣れないことするもんじゃないねー。

「「「…………」」」

パピヨン「……え、なに。みんなしてそんな目で見て……べ、別におかしくないでしょ!もしかして
アタシの好きな人にケチつける気!?」

別に文句ないでしょ!?具体性がないといけないわけじゃないし、ほらほら嘘じゃない嘘じゃない!

ライム「……へぇ、ほぉ、ふぅん……成程……実は一番やられてるのはパピヨンさんかもしれませんね」

パピヨン「……はぁ?」

シルフィー「こ、こういうの聞くのって、やっぱり恥ずかしいですね……ちょ、ちょっと控えます、私


マンティ「パ、パピヨンしゃん!わ、私……お、応援、してますから!」

パピヨン「ねえ待って、何その優しい眼!は、はぁ!?なに、ちょっと言いたいことがあるなら言ってよ!ねえ!きもいきもいきもい!」

――はー!?むかつくむかつくむかつく!意味わかんない!

ライム「……私も二人の恋応援していますよ!」

シルフィー「あ、ありがとうございます……私、でもどうしたらいいか……」

マンティ「わ、わたしも、その。連絡とかも来るんですけど、全然どう返したらいいのか……分からなくて」

ライム「きっとその人なら素直に返せば大丈夫ですよ!最近こういうことがあったとか、自然な日常会話を――」

パピヨン「無視しないでよ!はー!?ちょ……じ、自分がやられたからってやり返すのズル!なんでアタシだけ……!こらぁ!」

――――ほんっとー意味わかんない!頭来た!これからも弄る!!!

今日はこれだけ、おやすみなさい。

この子たちちゃんと同い年くらいの男の子好きになってて青春してる。


パピヨン「ん〜……まだまだだなぁ、40点をあげよう弟子」

『はいはい、師匠の評価は厳しいですね……っと。ほら、終わったよ』

夏合宿が始まって数日、砂浜でのトレーニングや遠泳によってぐしゃぐしゃになったパピヨンの尻尾を自分が手入れするというのもすっかり日課になってしまった。

……毎日やってる分上手くはなっているはずなんだが、中々彼女からの点数は増えない。やはり自分みたいなのが完璧に満足させるというのはまだまだ無理なんだろうか。

『……自分は練習できるから嬉しいけどさ、キミが自分で手入れをしても良いだろう?キミがやったほうが上手く出来るんだし』

パピヨン「え〜?お兄さん、こっちは練習でへっとへとなんだよ?その上手入れも自分でやれって酷くな〜い?」

『……そういうものかい』

パピヨン「そういうものそういうもの!あーお兄さん、ついでに肩揉んでよ。アタシおっぱいでっかいから激しく運動するとこっちゃって――あいたっ!?」

年頃の女の子がそんなこと言うんじゃありません、の意思を込めたチョップを軽く喰らわせる。そういうことを軽々しく言うと変な輩に変なことされるぞ。

……まあ肩は揉んであげよう。疲れているのは本当だろうし、これで疲労が取れるならいくらでもしてあげよう。

パピヨン「担当トレーナーに暴力振るわれたぁ……うぅ、色んな人に言いふらしてお兄さんの人生滅茶苦茶にしちゃう……」

『こらこら、止めてくれ本当に……悪かったって。でもキミみたいな可愛い子が……自分の身体で、そう言うこと言うもんじゃないよ』

パピヨン「へっ?」

『……悪い大人は沢山いるんだ、そういう言葉一つ一つから危険な目に遭う可能性も――痛っ、痛い。ちょっとパピヨン、尻尾――』

肩を揉みながらそう忠告してあげると、手入れをしたばかりの尻尾でぺしぺしと叩かれる。

パピヨン「…………かき氷食べたい、後で奢って」

見るとパピヨンの頬っぺたがまたぷっくりと膨らんでいる。しまった、またなにか機嫌を損ねてしまったか。しかし原因が分からない……注意されたことが、好きじゃないのか?いや、しかしなぁ。

『かき氷くらいならいくらでも奢るよ。でもなパピヨン、自分は本当にキミのことを心配して――あ、こら!』

パピヨン「お兄さんキモい!肩揉む手がイヤらしいから逃げる!かき氷はやっぱ明日!」

……行ってしまった。

ちょっと説教臭かったかもしれない。パピヨンは頭が良い子だ、あの子が軽率にそんな行動を……しないはずだ。けど、それでも不安になってしまうのがトレーナー、いや大人というもので……。

『……ちょっと過保護なのか?うーん』

パピヨン(可愛いって言われた可愛いって言われた可愛いって言われた……!!!)

駆け足で【貴方】の元から離れるパピヨン。その頭の中には言われたその言葉が繰り返されていた。

魅力的だ、とかは言われたことがあっても――可愛い、なんてことは言われたことがなかった。

パピヨン(やば、やばい。顔、あつ、あっつい……!)

――パピヨンは自分が可愛い事をしっかり理解していた。だからある程度そういうことを言われていたし、言われる事にも慣れている、と思っていた。

しかし実際はこれである。真っ赤になった顔を見られたくなくて必死に【貴方】から逃げている女の子。嬉しくて尻尾が揺れてしまうのも抑えきれないくらい、気持ちが揺さぶられてしまう。

パピヨン「うっ、うぅうぅう〜〜〜……!!!」

どれもこれも――あれだ、お兄さんとライムのせいだ。ライムがあんな恋愛話とかしてくるから、シルフィーもマンティもあんな恥ずかしそうに好きな人とか……!いや!面白かったけど!けど!

身近のそういう話を聞いてしまったから……意識しちゃう!本当に良くない!全然お兄さんとか好きじゃないのに!ほんっと最悪!

あーイライラする!特にお兄さん!当然みたいにあんなこと言って、どうせ可愛いとか魅力的とか、他の女の子にも言って――。

パピヨン(……いや、それは嫌!お兄さんにはアタシだけ!アタシだけ可愛いとか言って欲しい!)

自分勝手すぎる独占欲。彼女は我が儘で、自分のトレーナーには自分だけを見ていてほしい。そう考えるのが当然だと思うウマ娘だ。

アタシ一筋、絶対浮気とか許さない――これが。彼女の求める好きな人の要素の一つ。だからそれを【貴方】に求めるのはごく普通の事。

パピヨン「……別に普通だよね、普通。好きとかじゃなくても、これくらい……おかしくないよね」

――結局そう言い聞かせてもなんだかモヤモヤが晴れず、砂浜を一人で走り始めるパピヨンだった。

パピヨン「ふんっ!ぬっ、ぬぬ……ぬぁあああ!!!」

『よし良いぞ!足のつま先にまで力を入れて、弾いて進むのを意識して!」

腰のあたりに結んだロープの先にはそれはそれはとても大きなタイヤ。人間では数十人いてようやく押して進めそうなものを、ウマ娘は一人でずるずる引きずって進むことが出来る。

【貴方】はこういう光景を見るたびに「やっぱりウマ娘って凄いんだなぁ」と思わざるを得ない。

……腕相撲とかしたらこっちの腕が凄いことになりそうだ。

パピヨン「ふっ!ふぅ!ふあぁああああああああ!!!」

『……よし後少し!もう少し進んだら休憩しよう!』

――――夏合宿は進んでいく。トレーニングは勿論、息抜きも必要だ。

息抜きが少し多すぎるような気もするが、まあ彼女にはこれでも少ないくらいかも……しれない。

それにもう数日で自分たちは北海道に飛ばなければならない。

――最後の追い込みも、忘れずに頑張ろう。

夏だ、海だ!(エルムステークス前):自由安価下2まで。

ライトレ「はい、それでは――乾杯!」

宿舎から少し離れたところにある海の家。ライムのトレーナーさんに誘われて懇親会に参加することになった。

結構な人数のトレーナーがこの海の家にいる。知っているトレーナーさん、知らないトレーナーさんで半々くらいか……こういう機会にでも自分のような新米は交友関係を広げておくべきだろう。

シルトレ「どうしましたか。何やら緊張しているような顔をして」

『……どうも、シルフィーのトレーナーさん。いやぁ、恥ずかしながら交友関係がまだ狭いもので』

シルトレ「ああ、そういえば貴方はまだ新米、に当たりますもんね……こういう時にでも沢山色んな人と話してみてください』

……お酒があればいいんですけど、まだ仕事中ですから全員お茶とかソフトドリンクですね。と、悲しそうな顔をしながら彼女は行ってしまった。

表情は変わっていないけど。なんというか、オーラが哀愁漂っていた。

「――失礼、貴方がシルヴァーパピヨンさんのトレーナーさんでよろしいですか?」

『んっ……はい、そうですけど――ぉ?』

後ろから声を掛けられて振り返ると、誰も居ない――いや、居た。自分よりもだいぶ低い背丈の……少年?

マントレ「はっは。私はブラックマンティスのトレーナーをやっています、マンティスさんからは噂はかねがね」

『ぇ、あ……は、初めまして。パピヨンのトレーナーをやっています――貴方が、マンティスのトレーナーさんですか』

――知らなかったら迷子とかだと思ってしまうかもしれない。いや、溢れ出るオーラが老成しすぎている。それはないか?

……この人年齢は幾つだろう?見た目なら自分よりも明らかにしただけど、しかしこれは……。

マントレ「まあ、色々と思うこともあると思いますが。折角の機会ですから、まずは楽しんでいってくださいね?まだまだ若いんですから、まずはそれが一番ですよ」

『は、はい』

い、行ってしまった……な、なんかおじいちゃんみたいだったな……あの人。

『……ええっと』

さて、どうしよう……とりあえず知っている人と話をしてみようか。

折角の機会だし、色々と……話してみたいこともある。


誰と話してみよう……:安価直下
1 ライトレ
2 シルトレ
3 マントレ

『……すみませんここ良いですか?」

マントレ「はい?……はい、大丈夫ですよ」

マンティのトレーナーさんの正面が空いていたので一言言って座らせてもらう。

マントレ「それにしても私と同席で大丈夫ですか?もっと同期との仲を築いたほうがいいと思うのですが……」

『ああ、いえ。マンティスとはうちのパピヨンが仲良くして貰っているのでそれのお礼もかねて……というのもありますけど、やはり一度話しておきたくて』

マントレ「ふふ、そうですか。そう言われてしまうと……なんだか小恥ずかしいですね。ふぅ……」

と、言いながら扇子を取り出してパタパタと扇ぎ始めた。何処から取り出した……?

マントレ「……では気兼ねなく何でも話しましょうか。私自身、貴方の期待する回答を得られるかどうか分かりませんが……やはり他のトレーナーの力にはなりたいですから」

にこりと笑いながら、マンティスのトレーナーさんはジーっと自分を見つめてきた。

パピヨン「――お兄さん、もしかして寝不足?」

ミーティングの最中、【貴方】の担当ウマ娘シルヴァーパピヨンが突然そんなことを訊ねられ、心の中で「しまった」と呟いてしまう。

別にそんなことはない、と返すも彼女の眼はジトーっと疑いの視線を向けている。こういう時の彼女は勘が鋭いし、頑固だった。おそらく誤魔化すことはできないだろう。

パピヨン「目の下のくま、隠せてないよ〜?それになんか最近ウトウトしてる気がするし〜……ぷぷ、夜遅くまで熱心に何をやってるのかなぁ。アタシに言えないようなことですか〜?」

――事実、最近は夜更かしが、徹夜が多くなっている。パピヨンの為の新しいトレーニングメニューを考えたり、今後のレースで戦うことになるだろう相手のレースを研究したり、その他大量の書類作業。それらを全てこなそうとすると自然とこのような生活になってしまった。

トレーナー寮にはここ一週間帰れていない、もっぱらソファで横になって仮眠をとるくらいで。それも最近はしていない。若いうちからこんな生活はよろしくないと分かっていても、担当ウマ娘を思うとこれでも足りないくらいだと【貴方】は思う。

パピヨン「お兄さんいけないんだ〜。眠い時は寝ないといけないし、疲れたときは休まないといけないんだよ?お兄さん、アタシには自己の管理が〜とか言っておいて、自分の事全然出来てないじゃーん」

ニヤニヤニマニマぷぷぷと笑われながら、眉間のところを人差し指でグリグリ通される。止めなさい、と一言言うと彼女はや〜ん怒った、なんて言いながらその人差し指を引っ込めた。

パピヨン「ほらほら、今日のミーティングは終わり終わり。お兄さんは寮に帰って、あったか〜いお風呂に入って体ポカポカにしてぐっすり寝な〜?」

お兄さんはもーっとアタシに尽くさないといけないんだから、寝不足で倒れられても困るんですけど〜?と、【貴方】を心配するような言葉。彼女は我が儘で自分大好きで周りを誤解させるような言葉を沢山言うが――こういうところは、とても優しい子なのだ。

『――ああ、そうだな。今日は久しぶりに戻ってぐっすり寝ることにするよ。パピヨンもごめんな、心配させてしまって』

パピヨン「んも〜、お兄さんったらアタシに言われないと睡眠も取れないの〜?ぷぷぷ、ほんっとダメダメだねお兄さん!これからはアタシが命令してあげないといけないかな〜?」

それじゃ、また明日お兄さん!アタシからの命令、ちゃんと守るんだよ〜?【貴方】に釘を刺すようにそう言い残して、、彼女は勢いよくトレーナー室から出て行った。まだミーティングの途中だったんだが……まあ、明日話せばいいか。

……さて。

『ちゃっちゃと終わらせるか』

…………まだ仕事は終わっていない。今ある仕事を終わらせて、彼女の命令通り早く眠ることにしよう。

パピヨン「…………」

パピヨン「ね〜お兄さん?ちょっとお耳貸してくれない?」

『……は?』

命令を聞いてから数日後、パピヨンから急にそんなお願いをされた。耳を貸してほしい?なにかこっそり話したいことでもあるのかと考えるが、どうもそんな雰囲気ではない。

パピヨン「実は最近、ヒト向けのお耳マッサージの道具を貰っちゃったんだ〜。折角貰ったんなら誰かに使ってみたいし、それならお兄さんが実験……じゃない、やらせてくれるかな〜って」

とても聞き慣れたおねだりをするときの声色で上目遣いで、パピヨンがその道具を見せてくる。

……耳かきに、綿棒。あと……白いふわふわ。それに何やらオイル?随分と沢山貰ったものだなと驚くが……まあ、大体何をするかは察しが付く。

『パピヨンのお願いなら聞いてあげたいが……悪い、今は少し忙しいんだ。また今度、時間に余裕があるときに――』

パピヨン「え〜!?ダメダメ!今、アタシがやりたいの!ねーねー!ちょっとだけちょっとだけだから〜!おーにーいーさーん-!」

両手をぎゅうっと握りしめられ、そのままゆさゆさと揺さぶられる。参ったな、これはいけない。パピヨンのお願いならできるだけ聞いてあげたいが……仕方がない。

『……ちょっとだけだぞ。それで、自分はどうすれば?』

パピヨン「!!!さっすがお兄さんやっさし〜!それじゃあ、そこのソファにアタシが座って……はい、どーぞお兄さん?」

嬉しそうに小走りでソファに向かって、彼女はぽんぽんとそのよく鍛えられた脚を、太腿を叩いた。ぺちぺちと肌を叩く音が聞こえてきて、なんだかそれも耳に心地よかった。

じーっと、綺麗な目がこちらを見ている。

『……いや、それは駄目だ。他の方法で頼む』

パピヨン「え〜?でもアタシ、この方法しか知らないんだけど?」

そんな目で見られても駄目なものは駄目だ。年頃の女の子がそうやすやすと大人の自分に肌の触れ合いを許すものじゃない。例えば自分がパピヨンの隣に座って耳をマッサージして貰うとか、せめてタオルを挟むとか――うわぁ!?

パピヨン「はいはい、お兄さんは女の子の生太腿の膝枕とか体験した事無いからドキドキしちゃったんだよね〜。はーい、もう逃げられませ〜ん。お兄さんはアタシの膝枕の虜で〜す」

……体を引っ張られて無理やり膝枕させられてしまった。日々のトレーニングでしっかりと鍛えられた脚。しかし硬いわけではなく、しっかりとした柔らかさも感じる。上からパピヨンに押さえつけられていて、自分の頬っぺたがむにゅうと押し付けられて……なんだか、より一層太腿の触感を感じてしまっている。

『分かった、分かったから。はぁ……すぐに終わらせてくれよ。こんなところ誰かに見られたら……』

パピヨン「他の色んな人にお兄さんが変態のロリコン脚フェチトレーナーってことがバレちゃうね〜?ぷぷ、じゃあ観念してアタシのお耳マッサージにお耳かきかきの実験台になってね〜?」

……もう隠さなくなったな。この子は。

パピヨン「――それじゃあ、まずはお耳にオイルを塗り塗りしちゃうね〜」

なんでもヒトのお耳専用のオイルなんだって〜、ちょっとお高い奴だぞ?なんて呟きながらパピヨンは手の平にそのオイルを垂らし、にゅるにゅると馴染ませる。自分の耳の近くでそれをされると、なんだか音が気持ちいい。

……なんだか良い匂いもしてきた。これはなんだろうか……よく分からないけど、安心する良い匂いだ。

パピヨン「それじゃ、次はこのオイルたっぷりのお手々でお兄さんのお耳をぎゅううう〜……♪」

耳がパピヨンの手の平に覆い尽くされる。オイルの感触が耳全体にじんわりを広がっていき、それがなんだかとても心地いい。次第に耳が温かくなっていき、耳の色んなところが敏感になっていくようだった。

パピヨン「耳には色んなツボがあるんだって。だからこうやって適当にギュ〜ってしたり、もみもみするだけでとっても気持ちいんだよ?お兄さんのお目目もトロトロ、なっさけなーい顔担当ウマ娘に晒しちゃってはっずかし〜」

こんな顔、アタシ以外に晒したきも〜!って目で見られちゃうから止めといた方が良いよ〜。

……耳をマッサージする手は止まらない。耳の外側から、耳たぶまでを親指と人差し指で挟むように揉まれぎゅっぎゅっぎゅ〜と指圧される。

ひとしきり揉んだかと思えば次は耳を畳むように全体を押しつぶす。普段なら少し痛いかもしれない動きだが、ポカポカになって柔らかくなった耳と、オイルの効果で全く痛くない。むしろ気持ちが良い。

『うぁ……』

パピヨン「……!あ〜!お兄さんキモい声漏れた!ぷぷ、うぁ〜だって。うぁ〜……!」

『ちょっと、止めてくれよ……恥ずかしいから』

ぎゅ、ぎゅ、ぎゅ、ぎゅ。ぎゅぅぅぅぅ……。

もみ、もみ。もみもみもみ……たぱたぱたぱ、たぱたぱたぱ。

パピヨンの笑い声を聞きながら、耳を触る手はどんどん勢いに乗っていく。揉んで、潰して、揉んで、軽く指で叩かれて。

しかし、どれも痛くない。気持ちよくて仕方がない。普段の疲れと睡眠不足も相まって、すぐに眠ってしまいそうになってしまう。

パピヨン「……は〜い。じゃあ次は耳かきでお兄さんのお耳の中をきれいきれしちゃうよ〜」

これも竹で出来た良いやつ?らしいよ。と半分閉じかけていた自分の視界にパピヨンはその耳かき棒を見せた。

……立派な耳かきだと思った。なんだか、耳かきと想像して最初に思い浮かべたら出てくる理想の耳かき。そんな感じだった。

パピヨン「じゃ、これからは敏感な部分をカリカリしちゃうからジッとしててね。ぷぷ、気持ちよくて気持ちよくてもぞもぞ〜って動いちゃうのも、必死に我慢だよ?」

『あ、ああ……』

……あのちょっと曲がった先端が、耳の中に入ってくる。別に信用していないわけじゃない、ただ……最後に他の人にやって貰ったのは、幼い頃母にやって貰ったっきり。

正直少し怖い。さっきまでのオイルマッサージの安心感が少し引いてくる、そう思うと体に力が入って、先ほどまでどうやってリラックスしていたか――。

パピヨン「……はい。いいこいいこ〜。よしよ〜し」

――するといきなり、パピヨンの手が自分の頭を撫でた。

『ぱぴ、よん?』

パピヨン「あ、ちゃんと手は拭いたよ?ほらほら、お兄さん落ち着いて落ち着いて、まずは深呼吸だよ……ぷぷ。手先の器用さなら誰にも負けない自信があるアタシを信じて〜、痛くしないから、落ち着いて……お兄さん、いいこいいこ〜」

……優しくパピヨンが自分の頭を撫でる。傍から見ればなんてみっともない姿、しかし。どうしようもなく安心してしまう。体の力がふんにゃりと抜けていく。

パピヨン「……♪はい、じゃあお耳かきかきスタート〜、ゆっくり入れるから安心してねお兄さん?」

……かさ。かさり。

パピヨンの優しい声と共に、耳かき棒の先が、耳の入り口に触れる。入り口部分をゆっくりとゆっくりと、くるくる円を描くようになぞりながら、中に入っていく。

パピヨン「くる、くる、くるくる〜♪」

『っ』

思わず声が出てしまいそうになる、マッサージで血流が良くなったんだろう。そのせいか一層敏感になった耳の中に耳かき棒が入ってきて……ぞわり、と。体も震えそうになる。

かさ、かさ……がさっ。かさ……かさり。

パピヨン「うわ、あんま確認してなかったけど結構汚いねお兄さん。んも〜、お兄さんは自分の身だしなみも整えられないんだから〜」

……その分、担当ウマ娘のアタシがお世話してあげないといけないんだから。困っちゃうよね〜。と、嬉しそうな声色で担当ウマ娘は耳かき棒を優しく動かしていく。

がさ、がさっ……すっ、すーっ……。

かり、かり。がさり……すーっ。すっ、すー……。

耳の中でがさがさと音が鳴り、耳の中に溜まっている汚れが掻き出されていく。たまに酷くこびり付いたものもあるようで、そういったものを剥がすとき耳かき棒の先端に力が入るのを感じると、少し気持ちが良い。

パピヨン「かり、かり……かりかり。かりかりかり……」

……無意識だろうか。パピヨンの口からオノマトペが漏れている。実際にされている耳かきと連動するように聞こえるその優しいオノマトペが、どんどん自分を眠気に誘ってくる。

耳の中に溜まっている汚れを、引っ掻いては取る。削っては取る。ゆっくりゆっくり周りを削り、落とさないように慎重に取る。

パピヨン「お兄さん本当に汚いね〜……でも、まあ。こういうの楽しいかも」

かり、かり、かり……かりかりかり、かりかりかり……がさっ。がさ、ごぞ。

ごぞ、ごぞ……がさっ。すっ……すーっ、すーっ。

パピヨン「…………♪すり、すり。かりかりかり〜……かり、かり。ごそごそごそ〜」

――――まずい、寝てしまう。先ほど耳にはツボが沢山あって、それが刺激されて気持ちがいいとは言われたが……これは、想像以上だ。

汚れの下に隠れていた肌が空気に触れて、少し痒くなってきたところを見逃さないとばかりにかりかりと掻いてくれる。溜まっていた汚れが一気に外に出て行くのが、気持ち良い。

うとうとと、瞼が重い。眠くて眠くて、仕方がない。

パピヨン「……ぷぷ、お兄さんだらしないお顔してるね?そんなに気持ちが良いんだ、アタシの耳かき」

『…………あぁ。気持ち良い、とても』

パピヨン「…………じゃ、もーっと気持ちよくしてあげるね。梵天を用意しまーす」

はーい、ふわふわふわ〜……ふわっ、ふわっ、ふわふわわ〜。

――ああ、あの白いふわふわ。あれを梵天というのか。

ふわふわが耳の中全体を一気に撫でる。ずぽずぽと耳の中を出たり入ったりして、次に中でくるくると回転しだす。

くるくる、ふわふわ。くるくる、ふわふわ……耳の中をこんなに甘やかされて良いものなのかと、思わず思ってしまう。

パピヨン「……ふ〜」

『……うぁあ!?』

すると突然、梵天が抜かれたと思うと――ふーっと、息を吹きかけられる。

パピヨン「サプライズプレゼントで〜す。お兄さん?ほらほら反対側にごろーんして、ごろーん」

……そうか、まだ片方しか終わってないなら反対側があるのか。ならお願いをするしかない。トロトロの脳みそでそう考えて、言われるがままにごろんと顔の向きを変える。

パピヨン「……!は、はーい。じゃあまずは、マッサージからね……ねえ、お兄さん」

『……ん』

パピヨン「眠かったらもう寝ちゃっていいからね。お兄さんなら特別に……アタシのむちむち膝枕で寝る権利をあげちゃいまーす」

――確かに、ここで眠れたらどれだけ幸せだろうか。しかし、それはいけない。

『いや、それは……遠慮しておくよ。担当ウマ娘の膝で眠ってしまうなんて良くないし。キミも嫌だろう――』

ぎゅぅううううう……。

『ぅぁあぁ』

パピヨン「…………じゃあ、カウントダウンしちゃうから。0になったらお兄さんは眠っちゃってね」

オイルに馴染んだ手で耳を潰されて、言葉を最後まで言わせてもらえなかった。しかし、なんだ。カウントダウン……?

パピヨン「10から数えて、0になったら……夢の中。ほらほら、お耳マッサージに、お耳かき。ちゃちゃっといくよ〜」

――――10。

ぎゅっ、ぎゅっ、ぎゅっ……ぎゅぅぅう……。

パピヨン「ほら、お耳を沢山揉みくちゃにして〜……耳たぶふにふに。お耳ぎゅっぎゅ」

もみ、もみ、もみ……ぎゅっ。ぎゅぅうううううう……。

……9。

パピヨン「寝ちゃえ寝ちゃえ、アタシのお手々に負けちゃえ〜……♪」

むぎゅっ、ぎゅむっ……ぎゅっ。ぎゅう。たぱ、たぱたぱたぱたぱ〜……。

……8。

パピヨン「はーい、じゃあ耳かきいきま〜す」

……がさっ。さすっ、すり……すり、すり。

パピヨン「すり、すり……ゆっくりお耳の中に入っていくよ……すり、すり」

……7、6、5。

パピヨン「ぷぷ、一気にカウントダウン進んじゃったね。ほらほら、夢の国はすぐそこだよ〜」

かり、かり、かり……がさっ。かり、ごそ……。

かりかりかり、かり……すっ、すーっ……すっ。すっ。

パピヨン「かりかりかり、かりかりかり……すり、すり、すり……かきかき〜……」

……4。

パピヨン「ぷぷ、涎垂れちゃってるよお兄さん。ほんと、いい大人なのに赤ちゃんみたい……」

パピヨン「……どうちまちたか〜?お目目がうとうとで、ねむいねむいでちゅか〜……ぷぷ、かわい〜……」

がさっ……がり、がり、かり、かり……ごそっ。

すっ、すーっ……すり、すり、すり。

……3。

パピヨン「ほら、あと少し。赤ちゃんは眠いの我慢なんてしなくていいの」

パピヨン「ほらほら、負けろ負けろ。担当ウマ娘の大事な脚の上で眠っちゃえ〜」

……2。

パピヨン「…………あ、おっきいのある。取っちゃえ取っちゃえ」

かき、かき、かき。かり、かり、かり。

…………がさっ。がり、がり、かり、かり。ごそっ……ごそごそ、ずずっ……。

パピヨン「……ふふっ」

……1

パピヨン「……やっぱりもう駄目みたいだね、お兄さん。今日はぐっすり眠って、明日たーっくさんアタシのために頑張ってね?」

パピヨン「…………それに。お兄さんに倒れられたりしたら、アタシ……泣いちゃうからね?」

パピヨン「……かり、かり。かき、かき。ごそ、ごそごそごそ……かきかきかき〜…………」

――――0。


パピヨン「――――は〜い。おやすみなさい、お兄さん?」

――――膝の上ですーすーと気持ちよさそうに眠っているお兄さんを見て、ほっと一息。あー疲れた、思ったより神経使ったな、耳かき。

パピヨン「……まあ、でも、ちょっと楽しかったけど」

切っ掛けはお兄さんをちょっと癒してあげたかったこと。尻尾の手入れで培われた手先の器用さで、何かできないか探していたところ――この耳かきを見つけた。

――効果はてきめんだった。あのお兄さんが、アタシの膝の上でこんなだらしない姿を見せるなんて……ちょっと、ゾクゾクする。

これは、ちょっとお高い道具を買って正解だったなと心の中でガッツポーズ。

パピヨン「おっとそうだそうだ。写真写真」

近くに置いていたスマホを取って、ぱしゃりと寝ているお兄さんの顔を撮る。

……ぷぷっ。ほんっと、なっさけな…………。

パピヨン「……♪」

尻尾の手入れの次は、こっちもちょっと極めてみようかな。なんて考えたりして。

アタシはお兄さんが目を覚ますその時まで。ニヤニヤと寝顔を見つめていることにした。

…………後でからかってやろ〜っと……ぷぷっ。

これだけです。とても耳かき楽しかったです。

おやすみなさい。

『あの、すみません。知り合ったばかりでいきなりこんな質問をするのも失礼かもしれませんが……』

マントレ「ええ、はい。全然気にしませんよ?」

こちらから気兼ねなく何でも、と話したのですから。貴方も遠慮しないでください。なんてマンティのトレーナーさんは言ってくれるが……ええい、ままよ!

『…………失礼ですが、おいくつなんですか?』

マントレ「……」

にこりと笑ったまま表情が何も変わらない。しまった、やはり年齢の話題はアウトだった――。

マントレ「いくつに見えますか?」

『!?』

――思わずぎょっとしてしまう。自分から訊いておいてこの反応は本当に失礼だが、これは流石に驚く。

まさかこんな合コンみたいな……いや、この人こういう訊き返しをしてくる人なのか――少し、意外だ。

『そう……ですね……ええっと』

……暫くどうしたものかと考えに考えて、絞り出すように、言った。

『……とてもお若いですから、20代……後半とか……』

マントレ「ほぉ、ほぉほぉ……成程」

うんうんと頷いて、にこにこと笑顔を止めない。ま、まずい。どうしよう、謝った方が良いか?いやしかし、年老いてるようにも見えないし――けど雰囲気は。

マントレ「ふふっ……すみません、少し意地悪をしたくなっただけです。すみませんね、こちらも困らせるようなことを言ってしまって」

『……へ?』

やはり私は少し幼いといいますか、童顔といいますか。そういう風に年齢を聞かれる機会も多いので……少しだけ恥ずかしそうにしながら言うマンティのトレーナーさん。

マントレ「年齢を聞かれたら誰にでもこういう話を振るんですよ、貴方の知っている方だと……ステラライムさんの
トレーナーさんや、グリーンシルフィーさんのトレーナーさんが新人の頃にも話して困らせた記憶がありますから」

『そ、そうだったんですか……』

――あれ、じゃあ。やっぱりこの人の年齢は……え?

『あの、すみません。知り合ったばかりでいきなりこんな質問をするのも失礼かもしれませんが……』

マントレ「ええ、はい。全然気にしませんよ?」

こちらから気兼ねなく何でも、と話したのですから。貴方も遠慮しないでください。なんてマンティのトレーナーさんは言ってくれるが……ええい、ままよ!

『…………失礼ですが、おいくつなんですか?』

マントレ「……」

にこりと笑ったまま表情が何も変わらない。しまった、やはり年齢の話題はアウトだった――。

マントレ「いくつに見えますか?」

『!?』

――思わずぎょっとしてしまう。自分から訊いておいてこの反応は本当に失礼だが、これは流石に驚く。

まさかこんな合コンみたいな……いや、この人こういう訊き返しをしてくる人なのか――少し、意外だ。

『そう……ですね……ええっと』

……暫くどうしたものかと考えに考えて、絞り出すように、言った。

『……とてもお若いですから、20代……後半とか……』

マントレ「ほぉ、ほぉほぉ……成程」

うんうんと頷いて、にこにこと笑顔を止めない。ま、まずい。どうしよう、謝った方が良いか?いやしかし、年老いてるようにも見えないし――けど雰囲気は。

マントレ「ふふっ……すみません、少し意地悪をしたくなっただけです。すみませんね、こちらも困らせるようなことを言ってしまって」

『……へ?』

やはり私は少し幼いといいますか、童顔といいますか。そういう風に年齢を聞かれる機会も多いので……少しだけ恥ずかしそうにしながら言うマンティのトレーナーさん。

マントレ「年齢を聞かれたら誰にでもこういう話を振るんですよ、貴方の知っている方だと……ステラライムさんの
トレーナーさんや、グリーンシルフィーさんのトレーナーさんが新人の頃にも話して困らせた記憶がありますから」

『そ、そうだったんですか……』

――あれ、じゃあ。やっぱりこの人の年齢は……え?

間違えて同じの2回貼っちゃいました。



マントレ「しかし暑いですねぇ。最近は五月六月の時期からも暑いですから、この夏のシーズンはより一層暑くなりますね」

『そうですね。蒸し暑くて蒸し暑くて、冷房無しではもう体調を崩してしまいそうですよね』

扇子をパタパタしながら暑い暑いと枝豆をぽりぽり食べているマンティのトレーナーさん。夏の暑さは過酷で、今の時期のトレーニングは肉体以上に精神の成長に繋がるだろう。

もっとも、やり過ぎはいけないが。熱中症なんてされては元も子もない。

『……あの、トレーニングについてお聞きしたいのですがよろしいでしょうか』

マントレ「はい?」

――効率の良いトレーニング方法とは、なんでしょうか。そう訊ねると、なんだか困ったような顔をされてしまう。

マントレ「……効率はとても大事ですよね。時間は有限で、期限は刻一刻と近づいてきますから。少ない時間でより最大のトレーニング効果を求めたいものです、勿論私もそうです」

しかし、だからと言って担当ウマ娘の意見を尊重しないトレーニングというのもかえって効率が悪くなるものです。

『……と、言いますと?』

マントレ「担当しているウマ娘によって効率のいいトレーニングは変わる、ということですよ。勿論、だからと言って本や資料のトレーニングが悪いという訳ではありませんが」

――パピヨンさんに合ったトレーニングをぜひ、ご自身の手で見つけてあげてください。それは担当トレーナーの貴方にしか出来ないことですから。

『……ありがとうございます。すみません、参考にさせてもらいます』

マントレ「ええ。お互い頑張りましょうね。こちらもこんなことを言っていますが、まだまだ勉強中ですので」

にこりと笑いながらそう言うが、あまりにもそんな風には思えなかった。

……本当に何歳なんだろうこの人。

マンティ「あ、ぱ、パピヨンさん……」

ライム「パピヨンさーん!こっちですよこっち!」

四人で集まって花火をしよう!ということになり、夜の砂浜に集まるアタシたち。どうやらアタシが一番最後に来たみたい。

パピヨン「んー、ごめんごめん。それで、花火は用意できたの?」

シルフィー「はい。宿舎に余っている花火が沢山あるみたいで、お願いしたらいくつか貰えました!」

嬉しそうに耳をぴょこぴょこさせているシルフィーの手には大きなビニール袋。その中に沢山の花火。

えーっとなになに?線香花火に、火花みたいな花火が真上にブシャーって出る奴、手に持つ花火……あ、打ち上げ花火もあるじゃん!

ライム「ふふ、パピヨンさんはこちらが夏祭りの時北海道ですから。ここで私たちだけで夏祭りの花火を先取りしちゃいましょう!」

パピヨン「え、なになに。もしかしてあのいきなりの花火発言ってアタシのこと考えてしてくれたの?え〜やっさし〜!」

もしかして、皆アタシのこと大好きなの〜?

マンティ「あ、えっと、わたっ。わたしは……!パピヨンさんが……一人だけ遠征なので」

ライム「そうですよ、一人だけ夏祭り楽しめないなんて寂しいじゃないですか!」

シルフィー「はい、パピヨンさんの事を思って計画したんですよ?」

パピヨン「…………え、待って待って。思ってた反応とちょっと違う」

……うわ、ちょっと恥ずかしい。別に遠征なんて大したことじゃないのに……。

――と、いう訳で早速四人の花火大会がスタートした!

パピヨン「すっご!今の市販の花火ってこんなカラフルなんだ、結構やるじゃーん」

市販で買える花火なんて久しぶりで、幼い頃にやったそれの記憶と比べるとだいぶ進化しているなぁ。やっぱ成長してるね〜どこも。

シルフィー「パピヨンさんパピヨンさん、そろそろ打ち上げ花火やっちゃいませんか?」

パピヨン「おっ、いいねいいね〜。じゃあどんどん火を付けちゃおう!」

付属のチャッカマンで打ち上げ花火に火をつけると、暫くしてから大きな音と共に花火が打ちあがり、パーンパーンと夏の夜空に綺麗な円を描いた。

マンティ「わっ……!び、びっくりしたぁ……け、結構凄いですねぇ」

シルフィー「ほんと、凄いですね……」

連続で花火が打ちあがる。ほんと、全然夏祭りで打ち上げられるようなものと比べても……いや、流石にそれは嘘かも。ちゃんとした奴の方が大きいし、綺麗だし、音もデカいし……。

……でも、こういうのも良いな。雰囲気あって。皆で見れるし。

ライム「パピヨンさん」

パピヨン「ん?」

打ち上げ花火がまだ続いている中、隣で座っているライムが話しかけてくる。

ライム「エルムステークス、応援していますよ。私応援していますから、テレビでもちゃんと観させて貰いますね!」

パピヨン「うげっ……別にいいでしょ、そんな応援とか。そっちはそっちで練習しなって」

ライム「いえいえ、ライバルの試合を確認するのも立派な練習ですよ。貴方ほどのウマ娘をマークしないなんて、怠慢ですよ怠慢」

……相変わらずこの子はアタシに対してこんなことばかり。そんな期待、アタシには荷が重いし背負いきれないんだけど……。

……でも。

ライム「じゃ、そんな期待に応えないとね。どう?優しいでしょアタシ」

んもー間違えです。




――と、いう訳で早速四人の花火大会がスタートした!

パピヨン「すっご!今の市販の花火ってこんなカラフルなんだ、結構やるじゃーん」

市販で買える花火なんて久しぶりで、幼い頃にやったそれの記憶と比べるとだいぶ進化しているなぁ。やっぱ成長してるね〜どこも。

シルフィー「パピヨンさんパピヨンさん、そろそろ打ち上げ花火やっちゃいませんか?」

パピヨン「おっ、いいねいいね〜。じゃあどんどん火を付けちゃおう!」

付属のチャッカマンで打ち上げ花火に火をつけると、暫くしてから大きな音と共に花火が打ちあがり、パーンパーンと夏の夜空に綺麗な円を描いた。

マンティ「わっ……!び、びっくりしたぁ……け、結構凄いですねぇ」

シルフィー「ほんと、凄いですね……」

連続で花火が打ちあがる。ほんと、全然夏祭りで打ち上げられるようなものと比べても……いや、流石にそれは嘘かも。ちゃんとした奴の方が大きいし、綺麗だし、音もデカいし……。

……でも、こういうのも良いな。雰囲気あって。皆で見れるし。

ライム「パピヨンさん」

パピヨン「ん?」

打ち上げ花火がまだ続いている中、隣で座っているライムが話しかけてくる。

ライム「エルムステークス、応援していますよ。私応援していますから、テレビでもちゃんと観させて貰いますね!」

パピヨン「うげっ……別にいいでしょ、そんな応援とか。そっちはそっちで練習しなって」

ライム「いえいえ、ライバルの試合を確認するのも立派な練習ですよ。貴女ほどのウマ娘をマークしないなんて、怠慢ですよ怠慢」

……相変わらずこの子はアタシに対してこんなことばかり。そんな期待、アタシには荷が重いし背負いきれないんだけど……。

……でも。

パピヨン「じゃ、そんな期待に応えないとね。どう?優しいでしょアタシ」

――アタシには夢がない。走りに対する思いとか、願いとか。そんな大層なものは存在しなかった。

けど、今のアタシには……それっぽいのがある。ステラライムのライバルになって――期待に応えて、そして。

…………勝つ。全員の期待に応えて、しっかり全部背負って、堂々の一着で。勝つ。

パピヨン「まずはエルムステークス。そこで勝って――ライムの場所まですぐに戻るよ」

ちょっと最近負け続きだったから、同世代最強さんの近くに早く戻ってこないと。

ライム「ふふっ、なんですかそれ。パピヨンさんはずっと、アタシと近いところに居たじゃないですか」

パピヨン「アタシにはアタシなりに思うところがあるの!はー、そんなんじゃ彼氏くんとの関係長続きしないんじゃないの?」

ライム「あっ!あ!あー!!!それはもうやらない約束じゃないですか!あー!しかも……は、はぁ!?彼氏じゃないですし、長続きしない……!?」

パピヨン「ぷははははは!」

――――こんなことを言っておいて負けるかもしれない。けど、もうアタシは――折れないよ。

未来がどうなるかなんて分からない、けど――だからと言って全部ダメにしちゃうのは良くないことだって。お兄さんに言われたから。

まだまだアタシは走り続ける。たとえどうなろうと――アタシは、応え続ける。

――もう二度と背負ったものを放り出したりしないから。

パピヨン「あーおもしろ〜……って、へ?な、なに?その怖い顔……あー!デコピンしようとしてる!ちょっとシルフィーにマンティ!この人暴力!暴力振ろうとして――あ"ー!」

アタシの叫びは丁度一番大きな花火の音と重なって、聞こえなかったみたいだった。

それじゃあ今日はこれで、おやすみなさい。



コンマも安価もしないの申し訳ないので、適当になにかやります。こんな時間ですけど。

パピヨン→ライム感情:コンマ直下

コンマが高いほど激重、低いほどカラっとしてる。

軽い気持ちでコンマしたらなんか凄いことになっちゃった
パピヨンが色々シットリしてきた

――――夏合宿を途中で抜け、飛行機に乗り北海道へ。そしてレース場。

今日はエルムステークス当日。担当ウマ娘シルヴァーパピヨンの様子はというと……。

パピヨン「ねえねえ、今日のレースが終わったら何か美味しいご飯ご馳走してね〜お兄さん?」

――上目遣いでご飯をねだっていた。まあ、それくらいなら全然良いんだが――。

パピヨン「あとあと、北海道観光もしたいし夏祭りも行きたいし……あ!お土産も買わないとじゃん!」

『……キミ、レース前だけど随分と余裕だな』

パピヨン「やだなぁお兄さん、ガッチガチになって本調子出せないより全然良いでしょ?だからお兄さんが出来ることは、可愛い担当ウマ娘のアタシのおねだりをきちんと叶えてあげること!」

はー楽しみだなぁ北海道ご飯!と、わざとらしい大きな声。

『……ま、それもそうか。それじゃあ飛び切り美味しいお店探しておくから、キミは早く行ってこい」

パピヨン「お兄さんわかってる〜!んじゃ、行ってくるね〜!」

――そして、パピヨンはルンルン気分で控室から出ていった。

距離も場所も初めてのこのエルムステークス。短距離適正であるのにマイル距離に挑み続けるその姿、これまでのレース結果も踏まえると、パピヨンの人気は今までで一番低い。

『……でも、そのための練習を行って来たじゃないか』

自分に出来ることは、もう信じて待つだけだ。そう思いながら、【貴方】は観客席に向かって行く。

エルムステークス、結果は:コンマ直下
1-2 余裕の勝利勝利
3-7 何とか勝利!
8 2着!
9 3着!
0 おおっと

――さあ最終コーナー!4番シルヴァーパピヨン逃げる逃げる!外から7番!そして内から1番のウマ娘が追うも差が縮まらない!

パピヨン「っ……!やぁあああああああああ!!!!」

――シルヴァーパピヨン先頭シルヴァーパピヨン先頭!しかし最後の直線厳しいか!段々と後方との差が縮まっていく!7番が迫る!

――おおっと10番のウマ娘が後方から追い上げる!4番手、3番手!そして7番のウマ娘と並び先頭を狙う!

パピヨン「――ああああああああああああああああっっっ!!!!」

――――先頭は4番シルヴァーパピヨン!今一着でゴールイン!重賞初制覇!見事な逃げ切り勝ち!

――そして二着は10番、三着に7番――。

パピヨン「はぁ、はぁ、はぁ……はぁ……?」

――レース版を駆け抜けて、ゆっくりと速度を落としていきながら止まる。夏の蒸し暑さでビショビショの汗で手の甲で拭い、観客席を見る。

わぁあああああ……!と、歓声。暫くアタシが浴びれてなかった、歓声。

――――あんなに、アタシには走り切れない見たいな雰囲気だったのに。勝ったら勝ったでこんな歓声。いや、ほんっと、ほんとー……に。

パピヨン「…………っぷ」

――さいっこー……!

パピヨン「ぷふ、ぷはははははははは!!!アタシには走り切れないとか、全然ダメ見たいなことばっかり言ってたくせに何この歓声!手の平クルクルでなっさけな!」

パピヨン「アタシが勝つのは当然なんだけど!なんで理解できてないのこの人たち!ぷぷぷぷぷ!」

――あ、お兄さんの悲鳴みたいな声が聞こえてきた。ぷぷっ……!きっも……!

パピヨン「はー……!」

久しぶりに、なんだかスッキリ走れた!気持ちよかったー!

すみませんこれだけです。おやすみなさい。

北海道でちょっとご飯食べて夏祭りできそうならやって、次のレース安価いきます。

ライムが出会った当初からグイグイ来る光属性過ぎてパピヨンの脳が焼かれちまってるんだ。

日常生活でもやられてるしレースではもっと脳焼かれてるし、表には出してないし本人も自覚してないけどお兄さんと同じくらい大好きなのがライム。

だからもしライムが曇ったりしたら凄いことなる。凄い。

『正座』

パピヨン「はーい、反省してまーす」

――レースが終わってすぐ控室に戻ってきた担当ウマ娘。褒めるでもなく、脚のチェックをするでもなく、最初にしたことはこれだった。

『……はぁ、キミなぁ。前にも言ったと思うが、そういう態度はだなぁ』

パピヨン「え〜?いやいやお兄さん、だって本当のことじゃん?」

――彼女のこういう言動を、自分は嫌われるためにわざとやっている物だと思っていた。が……初めてであった時とは良い意味でも悪い意味でも吹っ切れた彼女が、何故またあんなことを。

パピヨン「楽しかった楽しかった〜。ふんふーん」

……まあ、それはとりあえず後ででいいか。

『はぁ、重賞を勝って調子に乗るのは良いが、あまり乗りすぎると――いや、悪い』

あの態度は問題だが、それとこれは別問題。重賞初勝利、それで調子に乗らなければいつ乗るのか。今パピヨンはウッキウキの笑顔で、尻尾がフリフリ揺れていて。とにかくとてもとても嬉しそうで。

……それに水を差すのは。ダメだろう。

『こほん。パピヨン――重賞初勝利おめでとう。自分も、このレースを見ていてずっと興奮しっぱなしで、なんだか目頭が熱くなってきて――』

パピヨン「うわ、きも〜い!お兄さんなに?そんな自分の事みたいに喜んじゃって、泣きそうになっちゃったの〜?」

『そりゃあ自分の事みたいに喜ぶし感動もするだろ!キミは自分の担当ウマ娘なんだぞ!?』

パピヨン「……!」

ああ、パピヨンはそうやってすぐに茶化してくる。担当ウマ娘の勝利を自分のことのように喜べない奴なんてトレーナー失格だ。当然に決まっているだろう。

『――けどこれはまだ始まりだパピヨン!今後もっともっとレースに出て、勝って、そして――ステラライムに勝つ』

それが目標だもんな、と。パピヨンの両手をぎゅうっと握りしめて、言う。

パピヨン「……ぷっ。ぷははは!ほんっとお兄さんって……ヤバいよね。キモすぎて」

全然嫌そうな顔をせず、パピヨンは笑う。握りしめた両手をほどいてパピヨンはまた部屋から出て行こうとする。

パピヨン「でも……うん、そのキモさが今は一番嬉しいかな。お兄さんキモくてさいこ〜!」

『う、うん?』

褒められているのか貶されているのか分からない一言に、どう反応したらいいのか分からない。

パピヨン「んじゃ、アタシはちょっと真ん中で踊ってくるから――応援しててね、特等席で」

『……ああ、踊ってこい。そして見せつけてこい』

勝者はアタシだと。精一杯アピールしてこい。その言葉を聞いて、パピヨンは当たり前じゃーん。と言って控室を後にした。

――ああ、その笑顔が見れただけで。自分がどれだけ嬉しいか……キミは分かっているのだろうか。



ここで謝りたいことがあります。

すみません、>>519でライムの次走がジャパンダートダービーって書いてあるんですけどすっかり忘れていました。ジャパンダートダービーは7月の前半で夏合宿が始まってすぐなのでライムがその時期に楽しそうに恋バナしてることになっちゃいました。

なのでちょっと安価します。こういうスレやっていてこういうミスはほんと申し訳ないです。


1 描写してないだけでちゃんと出てたよ。(レース結果は後でコンマ)
2 なんか色々あってレース時期がずれてるよ(上と同文)
3 >>519をなかったことにして違うレースを次走にする。

安価下2まで

40分になったら締め切ります

ほんとすみません

それでは、ちょっと時期をずらして9月の初めにずらします。

ほんと気を付けます。申し訳ないです。

――――ウイニングライブは無事に終わった。センターで踊る我が担当ウマ娘の姿をこの目とカメラにしっかりと収め、とても満足することが出来た。

レース観戦中に熱くなった目頭が崩壊し、ちょっと溢れ出たが視線とカメラだけはブレさせなかった。

……そして、その次の日。

パピヨン「よーし!じゃあお兄さん!ゴチになりま〜す!」

『……行っておくが食べ放題じゃないからな、申し訳ないけどこっちにも財布の事情があってな』

経費でなんでもかんでも降りるわけじゃない、ここはしっかり自腹だ。その旨はきちんとパピヨンにも説明しているんだが……まあ関係ないか、ああ。

パピヨン「ま、そこは安心してよお兄さん?アタシ、あんまり食べない方だし」

『……いや食べろ。キミはもっと沢山食べて身体を付けるべきだ』

パピヨン「言ってることが全く逆になってる気がするんですけどお兄さん」

それはそれとしてまだまだ食べ盛りだろう彼女には沢山食べてもらいたい。

『……なんでも塩ラーメンが美味しいらしいぞ。この前とある芦毛のウマ娘がそう言っていて』

パピヨン「それ滅茶苦茶有名な人じゃない?とあるって誤魔化す必要ある?」

まあしかし勝手に名前を出すのもあれだ、自分も殆ど名前が分かるがあちら側としては名前を出したくない理由とかもあるのかもしれないし。

『まあ適当にぶらつきながら美味しそうなお店に入ってみるのも良いな』

パピヨン「えーもしかしてノープラン?お兄さん、デートはちゃんと女の子をリードするものだよ〜?」

ま、彼女いない歴が年齢のお兄さんにはわからなかったか〜ぷぷぷ。と、にやにや笑うパピヨン。

『キミ、いい加減起こるからな』

パピヨン「や〜んこわ〜い!お兄さんに乱暴されちゃ〜う!」

『……』

……デコピンしてやろうかと思った。


パピヨンと札幌デートだ:安価下2まで。

何かイベントとか、食べた食べ物とか。お好きなイチャつきを。



今日はこれでおしまいです。ありがとうございました。おやすみなさい

寝る前に確認したらなんかすっごいことなっててビビりました、どーしましょうねこれ。
取り合えず火曜日の今日は更新できます。よろしくお願いします。

あとぞろ目コンマありがとうございました。結構来て驚いてます。
何採用するか決めてませんが、ぶっちゃけキスくらいならまあいいんじゃないのって気もします。

――札幌の街並みをパピヨンと二人でぶらぶらと歩いていると、途中で水族館を見つけた。

まあ折角ならと水族館に立ち寄り。二人で色々と観れたら面白いだろう――そう思ったのだが。

パピヨン「わぁあああああ……!か、かわいっ……!」

『ああ、そうだな』

――丁度ペンギンが散歩をしている時間帯だったらしく、パピヨンがそれに釘付けになってしまった。目をキラキラと輝かせ、ぺたぺたと歩くペンギンを目で追い、そのまま一緒に向かって行きそうな勢い。

……彼女が普通に可愛いものとか相応に好きなのは知っていたけれど、こんなにハマるとは。まあ自分も初めて生でペンギンを見たが、ここまで夢中に……夢中になる可愛さだな。うん。

パピヨン「ちょ、お、お兄さん!お兄さん!ついて行こついて行こ!」

『はいはい、ちゃんと周り見てぶつからないようにな』

分かってるに決まってるじゃん!そう言ってペンギンの散歩について行くことになった。

……うん。これだけで今日は来てよかったな、水族館。

パピヨン「…………別にそんな夢中になんかなってないけど。ちょっと珍しいな〜って思っただけですけど」

『うんうん』

パピヨン「は〜!?何その反応!なっ、別に、アタシ好きじゃないけど!?」

……キミは攻められる立場になると一転して弱くなるなぁ。と思わざるを得ない。実際他の魚とかには目もくれずペンギンにだけ夢中になっていたじゃないか、とは……言わないでおこうか。

……ちょっと心配になるが、まあ問題ないか。

『……自分もペンギンにちょっと夢中になっちゃったな。可愛いよな、ペンギン』

パピヨン「!へ、へ〜!お兄さんペンギンに夢中になっちゃったんだ!まるで子供みた〜い!ぷぷっ、あー情けなーい!」

『ところで本当にペンギン可愛かったから、ここで売られてるペンギンのぬいぐるみを買おうと思ってるんだが、流石にパピヨンは要らないか――』

パピヨン「えっ!?欲しい!お兄さん買って!」

……ちょっと大きい奴を買ってあげようかな。


何かイベント:安価直下
1 レースを見てくれたファンが……
2 他の魚とかショーとか見ようか
3 その他(自由安価)

ファン「――あ、あの!もしかしてシルヴァーパピヨンさんですか!?」

パピヨン「……うん?」

水族館のベンチに腰を掛けて休んでいるとき、突然一人の女性が声をかけてきた。

――一瞬身構えるが、どうやら大丈夫そうな雰囲気。もしかして、これは……。

ファン「せ、先日のエルムステークス見てました!い、一着おめでとうございます!」

パピヨン「…………ぇ。何、もしかして……アタシのファン?」

ファン「は、はい!」

……困ったようにパピヨンが視線をこちらに向けてくる。裏表もなさそうな純粋な応援、全く慣れていなさそうだ。

…………ぷいっと視線を外す。

パピヨン「うぇ!?…………ぷ、ぷぷ。アタシのファンとか、ちょっと逆張りしすぎじゃな〜い?ほら、ライ……ステラライムとか応援しなよあっちの方が――」

ファン「わ、私!貴女の懸命に前を走る姿が好きで……!レース中も、全然目を離せなくて……!」

――体力が無くなるその瞬間まで!必死に全力で先頭を往くシルヴァーパピヨンさんの姿に、元気を貰ってるんです!ほんと、今ここで会えるなんて思えませんでした……!

『……』

…………正直、驚いた。こんなに熱心なファンが、パピヨンにいるなんて。ほら、パピヨンも珍しく狼狽えてる。

ファン「す、すみません!その……あ、握手して貰っても良いですか!?」

パピヨン「へっ!?ど、どうぞ!?」

あ、あーもう声がひっくり返ってる。

パピヨン「…………お、お兄さぁん」

『……嬉しいなら、何かファンサでもしてあげたらどうだ?」

パピヨン「ふぁ、ふぁんさぁ!?」

――――ちょっと面白いから見ていよう。


ファンサしてあげましょう:自由安価直下




今日はこれだけです。おやすみなさい。

パピヨン「あー……えっと、ねぇ」

……パピヨンの珍しい姿だ。ここまで困っているのは自分でも他の友達でもなかなかお目にかかれないだろうな。

普段あんな言動をしているパピヨンにとって、ファンからの純粋な好意は慣れていないのかもしれない。

ファン「じゃ、じゃあ!あの、握手もして貰って申し訳ないんですけど……!」

ファンの女性はそう言うと、カバンからカメラを取り出した。ずっと持っていたんだろうか……?

ファン「ツーショットお願いできますか!?」

パピヨン「しゃ、写真?ま、まあ、写真くらいなら全然……」

相手のお願いとその勢いに負けて、パピヨンはとてもぎこちない笑顔をしながらピースする。それに合わせるようにファンの女性もピースをして……。

……パシャリ。と、音が鳴る。

ファン「あ、ありがとうございます!ほんと、ほんと嬉しいです!」

パピヨン「あ、あはは……そっか。うん、お姉さんも嬉しいならアタシも嬉しいかも」

ファン「……!こ、この写真は一生大事にします!あ、もちろんSNSにあげたりとかもしませんから!」

ほんと、本当にずっと応援してます!だからこれからもレース頑張ってください!

……そう言い残して、ファンの女性はぺこぺこと頭を下げて行ってしまった。

『…………出来るじゃないか。ふふ、でもなんだ。ちょっと慌て過ぎだな』

パピヨン「……ねえ、お兄さん」

『ん?』

ぺたりとベンチに腰かけて、パピヨンは【貴方】に話しかける。

パピヨン「……居るんだね、アタシに。あんな、ファンとか」

『……そこだけ言われると凄い困っちゃうな……まあ言いたいことは分かる』

パピヨン「アタシ、昨日もあんなこと言ってるのに。ファンとか観客バカにしたし、普段もわざとあんな――なのに、あんな応援って」

『キミの走りはそれだけ人を夢中にさせるってことだよ。普段の言動とか、そういうのを全部無視して……走りには全部表れてしまうんだ』

――懸命に前に走る姿が好き。必至に全力で先頭を往く姿に元気を貰う。それがきっと、パピヨンの走りが周りに与える影響なんだろう。

『……これからも頑張ろうな、パピヨン』

パピヨン「…………あったりまえじゃん、お兄さん」

――やはり彼女の走りは人を魅了させる。普段の言動では誤魔化しきれない彼女の走り、それを応援してくれているファンの為にも――もっともっと頑張ろう。

パピヨン「あー……こういうの、嫌だったはずなんだけどなぁ……ぷぷ、ま、いっか」

――――水族館を出ると良い感じに日が暮れ、そろそろ晩御飯を食べなくてはいけない時間だった。

……と、いう訳で。

『……すみません、この塩ラーメンと……ウマ娘用のこっちの塩ラーメンを一つ』

折角なので塩ラーメンを食べることにした。普通のヒトが食べるサイズと、ウマ娘用のお値段そのままにボリュームがだいぶアップされたもの。

『ま、ちょっと遅いけどエルムステークスお疲れさま会だな』

パピヨン「え、お兄さんそれ本気で言ってる?アタシの初重賞勝利を、こんなラーメン屋さんで!?」

『……ダメか、やっぱり』

パピヨン「はぁ〜〜〜……ほんっとお兄さんって女の子のこと分かってないよね。もっとムードというか、女の子が喜ぶようなところでやらないと」

叱られてしまった。確かに晩御飯と一緒にお祝い、というのはダメだったか……いや、そういう話じゃないのか、今は。

パピヨン「……ま、今回は許してあげる。アタシも勝てて嬉しいし……今日はビックリなサプライズもあったしね〜」

……水族館でファンの方に出会ってから、妙にパピヨンの機嫌がいい。やはりパピヨンは――そういう応援されるとか、期待されるとかそういうのが……嬉しいんだな。やっぱり。

パピヨン「ちょっと、何その顔。ジロジロ見ないでよ――あ、来た来た!うわでっか!」

『はは、悪い悪い――うわ、すっごいなそれ』

自分の目の前に置かれた普通のサイズと比べて、ウマ娘用のそのサイズは倍近くあった。

――す、凄いな。いやこのサイズも余裕で平らげるのは分かるが――にしても圧巻だ。

パピヨン「…………ま、行ける行ける。それじゃいただきまーす!」

『いただきます』

パピヨン「――ねえ、もう一軒行こ」

『は?』

――塩ラーメンを食べ終わると同時に、パピヨンは満足そうな顔をしながらそう言う。いやいや、今ラーメンを食べたばかりじゃないか。

パピヨン「塩ラーメンは食べたし、次は味噌がいいな。ねえこの辺りで味噌ラーメンが美味しいお店調べてよ」

『いや、今ラーメン食べたばかり……』

パピヨン「アタシがまだ食べたいからハシゴしようって言ってるの!何回も言わせないでよ恥ずかしい!ほら、アタシのお祝いなんだからこれくらいいいでしょ!」

……いや、まあ。それはまだいいんだが……もう自分は結構満足してるんだよな。これ以上食べれるかどうか……。

パピヨン「…………ぷぷ、食べれないんだったらお兄さんはアタシがおいしそうにラーメン食べてる姿を見てても良いよ?貴重だよ〜?」

『……はあ、分かったよ。じゃあ歩きながら調べようか』

パピヨン「お兄さんわかってる〜!じゃ、行こ行こ!」

――結果、味噌ラーメンもしっかりと平らげスープまで飲み干したパピヨン。

……。やっぱりウマ娘の胃袋は凄いと思い知らされた。

それじゃあ今日はこれだけです。すみません安価無しで終わりそうなので、札幌から帰って夏合宿合流後、最後のイベント募集安価をやってしまおうと思います。

夏合宿終了後、次レース決め、そしてライムのダートダービーです。忘れないようにしましょう。

ありがとうございました。



夏合宿最後の:自由安価下2まで。

――札幌から帰ってすぐに夏合宿に合流。アタシとしてはもっとゆーっくりのんびりしてから行きたかったけど、お兄さんがどうしてもというので仕方なくすぐ戻ることにしてあげた。

あーあ、もう少し札幌っぽいところ見ていきたかったんだけどなぁ。もっと二人きりで、お兄さんとぶらぶら……。

パピヨン「皆久しぶり〜。元気にやってた?」

シルフィー「あ、パピヨンさん……!」

おお、三人ともいた。このダート三人娘、いっつも一緒にいるじゃん。

ライム「パピヨンさん!エルムステークスはおめでとうございます!重賞初勝利ですね!」

パピヨン「む、この二人のG1勝利組に言われるのはなんか変な気持ち。ね〜マンティ〜?この二人、ちょっと圧が強いし一人で囲まれて怖かったよね〜?」

マンティ「わっ、ひゃ!?パ、パピヨンしゃん……!?」

あー落ち着く……やっぱマンティだよね一番は。ライムもシルフィーもなんかテンション高めで疲れちゃうよ。

マンティ「わ、私も早く重賞に勝利して……み、皆さんに追いついて……み、見せますから……!」

パピヨン「ぷぷぷ。おー頑張れ頑張れ〜。マンティのレースならアタシ絶対応援しに行くからね〜?」

ライム「パピヨンさんが明らかに調子に乗っています……!しかし、どうにもレースに勝っただけの雰囲気じゃないような……」

シルフィー「も、もしかして……そ、そういうことなんでしょうか!」

……ん。なんかシルフィーがあわあわしながらこっちに来る、アタシはいまマンティにハグするので精一杯なんだけど。

シルフィー「パ、パピヨンさん!そ、その……さ、札幌で……と、トレーナーさんとはどこまで進んだんですか!?」

マンティ「!?」

パピヨン「なっ……は、はぁ!?ちょっとシルフィー、何言って――」

――あ、ま、まずい!この流れ――ライムもマンティも……!

マンティ「ど、どこまで……っていうのは。え、その……パ、パピヨンさん……!?」

ライム「パピヨンさんの事ですから、ちょっとは攻めたんですよね!?」

パピヨン「ちょ、ちょっと待って!は、なに!?その、あ、アタシがお兄さんの事……意識してるみたいな言い方!なんでアタシがあんなお兄さんを!」

この色ボケ恋愛脳ウマ娘三人組!すぐに恋だのトキメキだのに持って行って……!はーやだやだ!そう言うのは好きな男の子にすればいいのに!

全員揃って好きな子がいるのに!なんで別に誰も好きじゃないアタシを!

パピヨン「別になんもないです〜。はー、お兄さんとかそういう対象じゃないんですけど」

シルフィー「て、手とか繋いだりしましたか!?」

マンティ「お、同じ屋根の下で何かトラブルとか……!」

ライム「もしかして安易に人には言えないような……!?」

あー!もう!同期の脳がこんなだとアタシが苦労する!

…………まあ、でも。いや……。


何かこの三人組にお話を:安価直下
1 …………キスとかしたよ〜(嘘)
2 ぷぷぷ、やんやんアタシの口からは言えないから……お兄さんに聞いてね?
3 自由安価(嘘でもほんとでも)

パピヨン「…………ぷぷ、どんなことしたと思う?」

「「「!!!」」」

パピヨン「えっとぉ……ちょっとアタシの口からは言えないかも。お兄さんも新米トレーナーで、緊張してたのもあったと思うけど、同じ部屋、同じベッド……やんやん」

――アタシの口からはちょっと恥ずかしくて言えないからぁ……お兄さんに聞いてね?

シルフィー「……ライムさん、マンティさん。こ、これは……」

マンティ「そ、そんな、ほ、本当に……!?パ、パピヨンさん……!」

パピヨン「でも、学校には秘密にしてね?アタシも……退学とか嫌だな」

ライム「パピヨンさん……!よし行きますよ二人とも!真偽を確かめに今!」

――ライムに引っ張られるようにシルフィーとマンティも行った。あの三人、やっぱりこういう話題になるとちょっとテンションおかしくなるよね。

パピヨン「ぷ、ぷぷっ……ぷはははは!」

あーおもしろ!お兄さんどうなっちゃうんだろ!

ライム「失礼します!」

『んあぁ!?す、ステラライム……?』

――パピヨンのこれからのローテを考えようと資料とにらめっこしていると、突然ステラライムが勢いよく入ってくる。

……そして後ろからブラックマンティスに、グリーンシルフィー……パピヨンと仲良くしてくれているいつものメンバー。

『ど、どうしたんだ。パピヨンならキミたちに会いに――』

マンティ「と、とト、トレーナーさん!?あ、あのあのあの……!」

シルフィー「パ、パピヨンさんと何やったんですか……!?」

ライム「う、嘘だとは思います!けど……もし本当に何かしてたら――!」

『なになになに!?は!?は!?』

め、滅茶苦茶グイグイくる!?怖い怖い!何がどうなってこんな――!?

――――結局、三人に事情を聴いて全て彼女の嘘だと教えてあげた。そ、そうですよね〜……みたいな反応をしていたが、半分くらい本気だと思っていた気がする。

……後で呼び出して一回本気で怒らないといけないような気がする。まかり間違って本当にクビとかになったらどうしようか……。

パピヨン「あ"〜……っつい!お兄さん暑い!」

『……練習でもすれば少しは暑さも紛れるんじゃないか』

パピヨン「だから今は休憩だって言ってるでしょ!メリハリが大事だってお兄さんそんなことも知らないの?」

……そう言ってもうだいぶここで休んでいるような気もするが、まあ……トレーニングメニューはしっかりこなしているようだし自分が何か言うことでもないか。

パピヨン「札幌も暑かったけど、それでもこっちに比べるとだいぶ涼しかったんだねぇ〜……はー、あっつ」

『……』

……暑そうにしながら胸元をパタパタと動かすパピヨン。取り合えず見ないように目線を逸らしておく。

パピヨン「……ん〜?どしたのお兄さん……あっ」

しまった、パピヨンに感づかれた。にやぁ……っと笑みを浮かべて、彼女はそこからとてとてとこちらに歩いてきて、空いている椅子に腰を掛け隣に座る。

パピヨン「いやぁ〜、ほんと〜に暑いねお兄さん?こうも暑いと、汗かいちゃって……は〜、困っちゃう困っちゃう」

『キミなぁ……はぁ、そういう事は止めた方が良いと何度も』

パピヨン「え〜?アタシは暑いからちょっと服をパタパタしてるだけなんですけど?むしろこんな当たり前なことをそんな風に言うお兄さんの方が……よーっぽどアレじゃない?ぷぷ」

より激しくぱたぱたぱたぱた動かすパピヨン。おそらくちょっとでも視線を戻せば色々と見えてしまうくらい近い場所で。本当にこの担当ウマ娘の活力は何処から来ているのか……少しでもトレーニングにそれを活かして欲しいと思わざるを得ない。

パピヨン「あ〜。暑すぎるし、いったん着替えちゃったりしようかなぁ〜……汗でビショビショだしぃ……」

『…………』

……どうしたものか。

【貴方】は……:コンマ直下。

1 そそくさと逃げる。逃げられるかは分からない。
2 ちゃんと叱ろう。彼女はまだまだ子供だしよろしくない。
3 ……ちょっと驚かすか。
4 自由安価

……やはりここは少し強めに言っておくべきだ。彼女のこういった態度も、人を驚かせてしまうような行為も、自分だから大目に見ているが他の人からしたら失礼で迷惑だ。

無論、レース後にやっているあの見てくれているファンへの態度――それもいずれはどうにかしなくてはいけない。

『パピヨン!』

パピヨン「ひゃっ!?」

肩をがっしりと掴んでパピヨンを逃げられないようにする、流石の行動に驚いたのかパピヨンは驚いたまま固まってしまったが――ハッキリと言ってあげよう。

『――そう言うのは俺だけにしろ!分かったな!』

パピヨン「――ふぇ!?」

……しまった、流石に言い過ぎたか。しかし何度言っても聞いてくれないのだから一度はこれくらい言っても……だがどうしよう。パピヨンが何も言えなくなってしまった。

パピヨン「ぁ、ぇ……?ちょ、いや、そ、ど、どういう……」

顔が真っ赤で、目がぐるぐると回っていて……ウマ耳もへたりと倒れてしまっている。む、ちょっと大声を出し過ぎたか……いや、どっちかというと思いっきり肩を掴んでしまっているのも……。

『わ、悪かったよパピヨン。ちょっと強く言い過ぎた……』

肩を離す、もっと優しく言ってあげるべきだったか……この辺りはマンティスのトレーナーさんとかに訊けば
いい方法を教えてくれたりするか――。

パピヨン「ご、ごめっ……ち、ちがっ……!バ、バカーっ!!!」

『!?』

考え事をした瞬間、パピヨンは大きな声でそう言って廊下に飛び出して行ってしまった。咄嗟の出来事に全く反応も出来ず、パピヨンの姿はもう一瞬で見えなくなってしまった。

『……ば、バカって』

……はぁ、後で謝っておかないとな。この辺りって何か美味しいスイーツとかって売ってたりするんだろうか……。

パピヨン「……! っ!……!!!」

「――俺だけにしろ!分かったな!」その言葉がアタシの頭の中から離れない。

肩をがっしりと掴まれて、とても真剣な表情を真っすぐぶつけてきて――俺だけにしろ。

パピヨン「お、俺だけにって……なにぃ!」

お、お兄さんが俺とか言うの初めて聞いたんだけど!し、しかもあれ……アタシを独占したいってこと!?

アタシがぱたぱたしてお兄さんを煽って、それを俺だけにって……!?お、おに、お兄さん……!?

パピヨン「う、うう、うううぅうううう〜!!!」

――顔が熱い、全部熱い。お兄さんにちょっと言われただけで、頭が意味わかんなくなっちゃって、まともに考えられない。

違う、好きじゃない。絶対好きじゃない!あ、アタシがお兄さんの事好きとか……あの色ボケ恋愛脳ウマ娘三人組と同じみたいじゃん!

パピヨン「お兄さんのバカー!アホー!うわぁん!!!」

お兄さんが変なこと言わなければ意識もしなかったのに!あんな肌パタパタとか、お兄さん以外にするつもりもないのに、言われるから意識しちゃうじゃん!お兄さんばかばかばかばかばか!まぬけ!

――あ、明日からどうやってお兄さんと顔合わせればいいの!?絶対また顔合わせたら思い出しちゃう……!

「――俺だけのパピヨン」

パピヨン「っ!?」

ち、ちがっ!俺だけのパピヨンじゃない!いや、意味は、似た感じだけど!あ、あ〜!も〜……やだぁ!お兄さんのクソボケぇ!

全然書けませんでした。暫くはこんな一安価とか安価無しが多くなりそうです。すみません。

おやすみなさい。

パピヨン「――はいっ、おーわり。どう?違和感とかない?」

シルフィー「いえ大丈夫です。すみませんパピヨンさん、今日もお願いしてしまって……」

パピヨン「良いの良いの、アタシがやりたいからやらせて〜って言ってるんだし。あ、今日使ったオイルは実は最近の新作なんだけど……大丈夫そうだね」

――シルフィーの緑色の尻尾がつやつやと輝いている。元からシルフィーは手入れも上手でアタシがわざわざやるほどでもないんだけど……それでもやっぱり、やりたくなってしまうのが性というもの。

だから時々、こうやってお風呂上りとか寝る前に尻尾の手入れをさせてもらっている。ん〜、ほんっとシルフィーの尻尾は綺麗で良いな〜。

シルフィー「自分でやるよりもパピヨンさんにやって貰うと気持ちが良いですね、手つきも凄い丁寧で、繊細で……今度改めて教えてもらえませんか?」

パピヨン「ん〜?でもシルフィーがアタシ並みに上手くなっちゃったらアタシがやれなくなっちゃいそうだし〜?ま、でも
オッケー。次の休みとかでしっかりとお手入れ教室開いちゃう」

アタシ先生が教えるウマ娘の尻尾手入れ教室〜……うん、中々いい響き。これは授業料でがっぽがっぽ!

シルフィー「……人はたくさん来ると思いますけど、あんまり悪いことは考えない方が良いですよ?たづなさんにも、トレーナーさんにも怒られちゃいますよ?」

パピヨン「むっ、別に考えてないけど〜?」

……なんでバレたんだろ。お兄さんはどうでもいいけど、たづなさんはちょっと嫌かも。めんどくさいし……あの人たまに凄い圧を感じるからな〜。

シルフィー「あ、そうだ。パピヨンさん、この間ライムさんが尻尾の手入れで悩んでいるって言っていましたよ。何でも、上手に出来ないんだとか」

パピヨン「むむむっ!?シルフィー、そういうのは早く言わないと〜!」

ほほう!ライムが尻尾の手入れで悩んでいる……!ライムめ、アタシが手入れ大好きなの分かっていてそういうの隠しちゃうんだ〜?こーれは、アタシがしっかり丁寧にお手入れしてあげなくては!

パピヨン「じゃあ明日早速やってあげないと〜。櫛とオイルとローションと……あ、折角ならお風呂上りに突撃して最高の状況で――」

と、いう訳でライムがお風呂から上がるのを監視――こほん。いいタイミングで発見したのでアタシの部屋に連行した。

……いやまあ、大体のウマ娘がお風呂に入る時間は同じ時間帯だし、監視とかしなくても大体予想は出来る。遅くまでトレーニングしてたとかなら、お風呂が遅くなったりもあるけど。

ライム「し、尻尾の手入れですか……?い、いえいえ、そんなパピヨンさんにして貰わなくても!わ、私は一人で出来ますから……!」

パピヨン「まあまあ遠慮しないでライム〜。それに聞いたよ?ライムって尻尾の手入れで悩んでるんでしょ?」

昨日シルフィーから聞いたんだ〜。というと、ライムは恥ずかしそうにぐぬぬ……みたいな顔をして、耳をぺたんと倒す。

……ぷぷっ。こういう表情、貴重かも。

ライム「し、シルフィーさん……!ぅ、も、もう……わ、分かりました。では……お、お願いします。出来れば、優しくお願いしますね……?」

パピヨン「待ってました〜!んもう、ライムももっと早く素直になればよかったのに、それじゃあ――あ、普段から使ってるオイルとかローションある?トリートメントとか……」

もしお気に入りとか、何かの成分で痒くなっちゃうとかそういうのがあるなら色々と考えなくちゃいけない。その辺りはちゃんと考えるべきだよね。。

ライム「い、いえ。そういうのは特にありませんし、お気に入りとかも……普通の市販の奴を使っていますから」

パピヨン「オッケー。じゃあアタシが持ってきた特製の奴を使っちゃうね。ほんと、なにか変な感じがしたら言ってね?すぐ拭いて別の奴を使うから」

――さて、それじゃあ早速始めちゃおう。お風呂上りなだけあってちゃんと尻尾はいい感じに湿っている。じゃあまずは櫛を入れて毛並みを……。

ライム「んっ……!」

パピヨン「んっ?」

櫛を軽く入れてスーッと撫でるように動かすと、ライムの口からそんな声が漏れて、体がビクンと震えた。

……もう一度、同じ場所からスーッと櫛で尻尾を撫でる。

ライム「んっ、ふっ、くっ……!ふはっ……!」

びくっ、びくっ……と、体が震える。びくびくと余韻でまだ身体が動いている。

パピヨン「――――なんだ、尻尾が弱いなら最初からそう言えばいいのに」

ライム「は、恥ずかしかったんですよ……!じ、自分でやろうとしても、くすぐったくて中々上手く出来なくて……!」

尻尾を触るとくすぐったくてまともに手入れが出来ない――成程、それは困る。アタシだったら悲しくてストレスが溜まっちゃう。

……それじゃあ人に頼むのも怖いはず。ちょっとミスしちゃったかも、そういう事情なら……もう少しやりようはあったかも?

パピヨン「ごめんごめん、それじゃあもう少し優しくやるから……くすぐったいって言うなら、細かい櫛よりも少し大きめの櫛でやった方が良いかも」

という訳で別の櫛に変えてチャレンジ。そして尻尾の根元にゆっくりと櫛を差し込んで……ゆっくりと、さっきよりも遅いスピードで、毛並みを整えていく。

パピヨン「はい、じゃあ今から行くよ〜。はい、すーっ……」

ライム「ふっ、ふふふふふ……っ!くっ、くふっ……ふはっ……!」

先ほどよりもマシだけど、やっぱりまだくすぐったそうで、笑い声が漏れている。

パピヨン「…………」

……どうしよう、ちょっと……ゾクゾクする。あのライムが、アタシの手で……体をビクビクさせて声を漏らしている。

…………ちょっとくらいなら。良いよね。

ライム「んっ……ふっ!くっ……ぁ!ひゃっ!?ちょ、ぱぴよんしゃん……!」

パピヨン「ごめんねライム。ちょっと念入りにやりたいから少しくすぐったくさせちゃうかも」

そう言って、櫛を尻尾に差し、ゆっくりと丁寧に撫でて毛並みを整えていく。すっ、すっ、すーっと、尻尾の表も裏も、一人じゃ上手く触ることのできない部分も念入りに櫛を入れていく。

ライム「……っ!ぁ、ふぁ……!くっ、ふふふっ……!ふはっ、あはははは……!そ、そこ、だめ……ですからぁ……!」

パピヨン「一人じゃできない部分だからね〜。少し我慢してね〜」

全体の毛並みを整えたので、次はオイルを広げていく。手で触ることになるから、櫛よりもくすぐったいし刺激も強いかもだけど……まあ、そこはアタシの手腕に任せて欲しい。

パピヨン「じゃ、根元から広げていくね。出来るだけ優しくするからね」

ライム「ほ、ほんと、ですか……?や、やさしくしてくださゃぁ!?」

ぬとぬとになった手で尻尾の根元に指を入れる、そして浸透させるために軽くわしゃわしゃと指を動かす。

ライム「あっ!ほ、ほんとっ、ぱ、ぱぴよんしゃ……!〜〜〜っ!」

……近くにあったアタシの枕に顔を埋め、へたりと上半身を倒す。必至にアタシの手入れの声を我慢しようとしているのか、より一層体がびくびくしている。

ま、アタシは続けていくだけだけど〜……ふふ。まさかこんな弱点があるなんて知らなかったな〜……でも安心してね?しっかり、尻尾の手入れはするしとっても気持ちよくしてあげるから……。

パピヨン「わしゃわしゃわしゃ〜……お痒いところはございませんか〜?」

ライム「ふっ、ふっ、ふぁ……!〜〜〜!〜〜〜!」

パピヨン「あ、ここかな?じゃあちょっとここをちょっと爪で引っ掻いて……かりかり」

ライム「〜〜〜〜〜!!!ふっ、ふーっ!ふぁ!?あっ、ひゃ……!も、いいかげんに……ひぅ!?」

パピヨン「じゃ、全体に広げちゃうね」

根元に入れた指を、尻尾の先までなぞるように動かしていく。尻尾の根元から先までを撫でて、終わったらもう一度根元から撫でる。尻尾全体にオイルが広がるように、光沢にムラが出ないように満遍なく撫でる。

ライム「ふぁ、ふはっ……!あっ、あはははは……っ!く、くふっ……!……っ!〜〜〜!」

パピヨン「ちょっと暴れないでよライム。危ないしムラが出来ちゃうから……ほらほら、あと少し、我慢我慢〜」

ライム「……ぁ〜〜〜〜っ!」

パピヨン「ごめんってライム〜!いや、結構絡まってたりしたから念入りにやりたくて……!」

ライム「あ、あれだけやっておいてなんですかそれは!」

――綺麗な毛並み、つやつやの青い光沢。とても満足のいく手入れだった――アタシにとっては。

しかしライムにとってはそうではなかったみたいで。顔を真っ赤にしながらアタシを睨み、プンプンと怒ってくる。こういうライムもまた珍しい。

ライム「も、もう二度と!二度とライムさんには頼みません!」

パピヨン「え〜!?そんな、もう今日みたいなことはしないってライム!優しくするから〜!でもほら!滅茶苦茶綺麗になったでしょ!?」

ライム「くっ……!ま、まあ、それはそうですけど……!」

パピヨン「次はもっと勉強して、滅茶苦茶気持ちよくしてあげるから!勿論くすぐったくはしない!ね、ね!?」

ライム「…………ほ、本当ですか?ま、まあ、私もこんなに綺麗にして貰ったのは、嬉しかったですし……こ、今回だけですからね」

――勝った!

と、いう訳で。アタシはこれから尻尾手入れをやらせてもらうことになった。あのライムがあんな、あんな声をあんな表情で……!

パピヨン(……アタシだけが独占しちゃってるんだよね、これを)

……罪悪感がないわけじゃない。でも、まあ……これもいいかなと思った。

取り合えずライムには後で尻尾手入れ教室に来てもらうことにしよう。自分で出来るようになった方が良いのはそうだしね。

お疲れさまです、00ボーナスの尻尾手入れです。

おやすみなさい。

流石に死ぬ
デュランダルデュランダルデュランダルデュランダルジャーニージャーニージャーニージャーニービリーヴビリーヴビリーヴ

は〜〜〜〜〜デュランダルデュランダル……は〜〜〜〜〜

落ち着いたのでやりまーす。これだけかも。



9月前半。

『……もう少し近くに来てくれないか』

パピヨン「べ、別にいいでしょこの距離でも。アタシは今この距離が良いの!」

次のレースの話をするためにパピヨンをトレーナー室へ呼び出したのだが、パピヨンが何故だが自分を警戒して全然近くに来てくれない。部屋の隅っこの方で、あの日水族館で購入したペンギンのぬいぐるみを抱きかかえながら睨みつけてくる。

……ま、また何かやってしまったか?まだあの時の注意が引いているか?はぁ……どうしたものか。

『……取り合えず話を始めるぞ。聞こえなかったらちゃんと近くに来てくれよ』

パピヨン「うるさーい!ばかばかばかばか!」

それになんだか妙に子供っぽいな……まあでも普段もこんな感じか?

『次走についてだが――』

エルムステークス、1700mをしっかりと走り切り一着を取ったパピヨン――夏の合宿を得て、しっかりとスタミナをつけた。これなら後はスタミナを維持しつつ走力を鍛えていくだけ。

――いや、話しはそう単純ではないが。今はとにかく、資格を得た――そう思うことにしよう。

(――短距離でG2東京盃、G1JBCスプリント、マイルならチャンピオンズカップ……いや)

パピヨンなら――もっと高みを目指せるんじゃないか。国内だけじゃない、海を越えて――そう考えてしまう。

『……』

パピヨン「ちょ、ちょっとなに。そんな見つめて……み、見つめないで!キモ!キモキモキモ!」

トレーナーとして。【貴方】は――。


次走は:安価下1〜3
1 10月前半、1200mG2東京盃(VSブラックマンティス)
2 11月前半、1200mG1JBCスプリント
3 12月前半、1800mG1チャンピオンズカップ(VSステラライム?)
4 世界へ視野を向けて。

『来月の東京盃――これに出よう』

エルムステークスからクラスが上がりG2、東京盃。マイルこそ走れるようになったが、パピヨンの真骨頂は短距離――きっとそこでも勝つことが出来るはずだ。

パピヨン「お、短距離じゃん。お兄さんもしかして――見たくなっちゃった?」

アタシがぶっちぎりで逃げ切って勝っちゃうところ?と、ニヤニヤ笑いながらパピヨンは自信たっぷりに言ってのけた。確かにそれだけ自信満々になる気持ちもわかる、しかし――久しぶりの実戦での短距離。そううまくいくとは思わない。

『……それに、東京盃と言ったら――ブラックマンティスも出走する』

パピヨン「……!」

あの日の模擬レース以来、たまに併走に付き合って貰ったりすることの多いブラックマンティスとは、ここが初めての対決。全てを切り裂く末脚と、圧倒的な迫力。あれを身をもって感じたことのあるパピヨンなら、その恐ろしさも分かっていることだろう。

パピヨン「ふーん……じゃ、アタシマンティに謝らないとじゃん」

『ん?』

パピヨン「アタシ、この前マンティに次のレース応援するね〜。とか言っちゃったけど、それは無理だなーって」

『……なるほどな。まあ、程々にな』

パピヨン「はいはーい。別に慢心はしないけど、ちょっと気合い入れて練習しなくちゃね」

――久しぶりの短距離だからか、気合も十分。これは良いトレーニングが出来そうだと、心の中で笑う。

パピヨン「ま、そのためにも英気を養わないとね。お兄さんちゃんと冷蔵庫にアイス入れてる?貰っちゃうねー」

『…………』

ダメかもしれないと、心の中で悲しくなった。

ごめんなさいちょっとだけ寝てました。



パピヨン「そろそろ始まるね〜」

『ああ、そうだな』

トレーナー室にあるテレビ、そこで【貴方】とパピヨンはレースを見る。ダートG1、ジャパンダートダービー。

――やはり本日の主役はこのウマ娘で間違いありません。これまで5戦5勝、無敗のウマ娘ステラライム。

ライム「…………」

――しかしこの距離は彼女にとっても初の挑戦。しかしそれを不安にさせない迫力と表情がうかがえます。

テレビにステラライムが映る。やはりステラライムの注目度は群を抜いており、大きな歓声が沸き上がる。

『……さて』

パピヨン「…………」

――さあ各ウマ娘ゲートイン完了。出走準備が整いました。

ライム「――!」

――さあジャパンダートダービー!スタートいたしました!

ステラライム、結果は……:コンマ直下
1〜4 一着!
5 二着
6 三着
7 掲示板
8〜9 あちゃぁ
0 おおっと

星、墜ちる。

それじゃあ今日はこれで終わりです。お疲れさまでした。おやすみなさい。

すみません訂正させてもらいます。ステラライム5戦5勝と言いましたが4戦4勝にさせてもらいます。

見返したらちょっと厳しかった……日程が……。



――さあスタートしました!おおっと8番少々出遅れ!バ群から3バ身ほど後方からのスタートとなります!

スタートと同時に一人出遅れが発生。しかし他のウマ娘は好スタートを切り、各々の位置に陣取っていく。

ステラライムは前方集団に位置取りゆっくりと進んでいく。先頭を往く逃げウマ娘を見ながら、他のウマ娘に混ざる形。

――先頭を進む4番、そしてそこから5バ身ほど離れた位置に固まって10番1番、内に5番ステラライム、その後ろに11番――。

パピヨン「…………」

『……少し囲まれているな』

王道のレース展開だが、それ故に今のライムの位置取りは苦しそうだ。前にも後ろにも囲まれ、中々そこから出ることは出来ない。その表情からも苦しさが伺える。

パピヨン「まだ大丈夫でしょ、始まったばかりだし」

『まあ、それはそうだが……』

そこからというものの中々レース展開は動かず、そのまま最終直線。先頭を走る逃げウマ娘がバテはじめゆっくりとペースを落とし始めた瞬間。

――さあ最終直線!ここからレースはどう動くか!ステラライム来ないのか!少々苦しいか!

――逃げる4番!追う10番!リードは3バ身!しかしどんどん差が縮まっていく!大外からなんと2番!先頭へと迫る迫る!

ライム「…………っ!!!ああああああああああああ!!!」

――残り200!ここで先頭変わり10番!追う1番と2番!最後は三人の争いになる!そこから少し下がりステラライムも追うがこれはこれはもう無理か!

パピヨン「……っ」

――内10番、外2番!ここでゴールイン!少々真ん中1番は苦しいか、3人もつれ合っての同時ゴールイン!これは写真判定!そして4着にステラライム、5着に9番――。


パピヨン「――――」

『…………』

――ステラライムが負けた。当然レースに絶対はない、しかしあのステラライムがこうやって負けるさまを見てしまうと――【貴方】はパピヨンを見る。

パピヨン「…………」

『……パピヨン』

前に出ることが出来ず自分の走りが出来なかった、初めての距離でスタミナが足りなかった、純粋に力が足りなかった――負ける理由には色々な物がある、しかしステラライムの場合それは自分の走りが出来なかったことにある。

――もし、最後囲まれていなかったら?こういう考えは禁忌だが、それでも――【貴方】は考えてしまう。

パピヨン「……ちょっと、走ってくる」

『あ、おいパピヨン!』

――――行ってしまった。ライバルであるライムの初めての敗北を見て、思うところがないわけがない。今はそっとしておいてやるべきか――。

『……大丈夫かな』

パピヨン「…………ふぅ」

――9月の夜はまだまだ蒸し暑い。軽く走り込みをしただけなのにムワっと汗が籠り、気持ち悪い。

お兄さんの期待を裏切ってしまうんじゃないかと不安になったとき、ちょっとモヤモヤすることがあったとき――兎に角アタシは走る。走ればその瞬間だけでも気持ちをリセットできるから――けど、ちょっと今回のそれは普段とは違った。

走っても走っても、なんだか引っかかる。小さなモヤモヤが残って消えない。

パピヨン「嫉妬、ムカつき……違う、違うのかな」

アタシがライムに初黒星を付けてやる!そういう気持ちも確かにあった、だけどそんなことで――いや、ダメだ分かんない!アタシがライムをどう思っていたのかが今更分かんなくなってきた!

ライバル!そう、ライバルになりたかったの!だから――アタシはずっとライムを。

パピヨン「…………そろそろウイニングライブも終わったかな」

――スマホを取り出して、電話をかける。プルル、プルルとコール音が鳴って。

ライム「はい、もしもし。パピヨンさんですか?」

パピヨン「――んっ、んんっ。こんばんはライム」

自分からかけておいて、ライムが電話に出たことに驚いて咄嗟に声が出なかった。喉を鳴らして、声を整える。

パピヨン「レースお疲れさま〜。見てたよテレビで」

ライム「あ、あはは――そうですか、見てましたか……」

――恥ずかしそうに頬を指でかく姿が見える。


ライムは――:コンマ直下

コンマが高いほど全然気にしてない!低いほどめっちゃ落ち込んでるし泣いてる。

ライム「――少し申し訳ないところを見せてしまいましたね。私としては、無敗のままパピヨンさんの挑戦を受け続ける予定だったのですが、それは叶いませんでしたね」

パピヨン「は〜?何その予定。ちょっと調子に乗り過ぎでしょ」

あはは、そうですよね――でも。と電話越しのライムが続ける。

ライム「――私はもっと強くなりますよ。この負けを糧に、私はより速く強く……ですから。もし私の今日のレースを見て勝てるなんて思っていたら……」

パピヨン「ぷっ、ぷふ、ぷはは!ちょっとライム、それはアタシを舐めすぎじゃない?」

負けた姿を見て、アタシなら行けるかも――そんな甘えた考え、してやるもんか。

パピヨン「あーあ、もっと落ち込んでたら慰めてあげる予定だったのに。負けたなら負けたらしく泣いてよね」

ライム「ふふ、泣いて勝ちに繋がるならいくらでも泣いてあげますよ。でも、そうじゃないでしょう?」

パピヨン「…………強すぎでしょ。ほんと」

ただただ圧倒される。このウマ娘は――ステラライム、ほんと……。

パピヨン「じゃ、また今度。次戦う時は黒星をもう一つ増やしてもらうから覚悟しといてね〜?」

ライム「――ええ、期待して待っていますよ。パピヨンさん」

――プツん、と電話が切れる。全く怖いウマ娘。ちょっと声が震えてたくせに、あんなこと言っちゃって。あーあ、まあ気持ちは分かるけど。

パピヨン「…………ま、安心だねとりあえず」

もしこれで本当に落ち込んで、うじうじしてたら――アタシどうしてたんだろ。アタシが言えたことじゃないのにね、同族嫌悪って奴?めっちゃイライラしてたかも。

あーあ、まあとりあえず良し!もうちょっと走って、部屋に戻ろーっと。

――――ニュースや新聞、雑誌ではジャパンダートダービーの事で持ち切りだった。

「ステラライム敗北。ダートの星ついに墜ちる」なんて、それらしい見出しでステラライムの敗因を語っていたり、勝利したウマ娘へのインタビューが乗っていたり。

パピヨン「めっちゃパピヨンのこと書かれてるじゃん。ほんっとよくやるよね」

『……不満か?』

パピヨン「別に?ただ――勝手にライムのこと、落ち込んでるとか悔しがってるとか、インタビューしてもないのに憶測で書くのは――ねぇ?」

『……キミ、そういうところちょっと怖いよな』

パピヨン「は?なにが?」

なんだかパピヨンの雰囲気が怖くなってきた。この話は少し止めておこう。

『さて、10月の東京盃に向けてトレーニングを続けていくべきだが――基本的には筋力トレーニングになる』

スタミナは十分、なら後は体を鍛えるだけ。

『ジムも坂路も使って、パワーを鍛えて力強いトモを手に入れる。あとは他のウマ娘の情報だが――』

パピヨン「はいは〜い。あとで適当に見ておくから資料置いておいてよ、それじゃ。ちゃちゃっとトレーニング始めよ、お兄さん?」

――ま、やる気は十分。あとはどれだけやれるかだな。

東京盃前イベント。:自由安価下2まで



今日はこれで終わりです。お疲れさまでしたおやすみなさい。

そろそろ自由安価厳しくなってきてそうなので、自分で色々イベント用意していった方が良いですかね?なんかあったら教えてください。

パピヨン「あ、マンティ。そういえばアタシも東京盃出ることになったからよろしくね〜」

マンティ「へ?は、はぃ……よ、よろしく、お願いします……」

――おかしい、思ってた反応と違う。アタシはマンティの反応にむむむとなる。

もっと「へ、へぇ!?そ、そうなん、ですかぁ!?」みたいな反応をしてくれると思ったのに……全然驚いてないじゃん!なんでなんで?昨日決まったばかりの話だから誰にも言ってないのに!

パピヨン「お、驚かないじゃん。もしかしてあれ?アタシなんて眼中にないみたいな?」

マンティ「えっ!?そ、そういう、意味じゃなくて……!ひぅう……パ、パピヨンさんは、で、出て来てもおかしくないと思っていたので……!」

パピヨン「なんか凄いアタシのこと意識してくれてる?やだ、ちょっと嬉しいかも」

――ま、いっか。どんだけ意識されてもアタシはいつも通り走るだけだし。どんなことしてくれるんだろ。

パピヨン「……あ、そうだ。実はアタシ、東京盃で勝ったらご褒美おねだりしちゃうんだ〜」

マンティ「ご、ご褒美、ですか?ど、どんな、ご褒美なんですか……?」

お、食いついてくる食いついてくる。このムッツリちゃんめ〜。興味津々のマンティに、にやりと笑って返す。

パピヨン「――ひ、み、つ!ちょっとマンティには教えられないかな〜、大事な大事なご褒美だからね。勿論お兄さんにはオッケー貰ってるんだけど」

マンティ「お、おおお……ふ、ふぇ。や、やっぱり凄いですね……!パ、パピヨンさんと、トレーナーさん……!」

まあお兄さんにはこんな話一切してないし、ご褒美の内容も全然考えてないけどね!ぷははのは。

パピヨン「んま、そういうわけだから!アタシは次負けないよ〜?」

マンティ「ご、ご褒美……わ、私も、そういうの……憧れます」

パピヨン「そうなの?じゃあねだっちゃえば?」

マンティ「…………へ?」

パピヨン「もしアタシに勝てたら、の話だけどね〜?重賞に勝ったんだし、それくらいあっても全然良いでしょ?」

マンティ「……そ、そう、かもしれませんね。そ、そっか。私も……それくらい……」

お、なんだかやる気出てきた感じ?ま、ちょっとの我が儘くらい叶えてくれるのがトレーナーだよね。お兄さんはそれやって当然だし。

――ま、アタシに勝てたら!の話なんだけど!




おやすみなさい、これだけです。

マンティ戦績はまだできてないので。とりあえずパピヨンとライムだけ載せときます。シルフィーはちょっと保留で。

シルヴァーパピヨン 5戦3勝
メイクデビュー 1着
Pre-OP_プラタナス賞 1着
G1_全日本ジュニア優駿 2着
G3_ユニコーンステークス 5着
G3_エルムステークス 1着


ステラライム 5戦4勝
メイクデビュー 1着
Pre-OP_カトレア賞 1着
G1_全日本ジュニア優駿 1着
G3_ユニコーンステークス 1着
G1_ジャパンダートダービー 4着

来週までまたお休みになりそうです。すみません。

ちょっと安価募集します。良い機会なのでパピヨン周りの設定を少しずつ埋めていきたいです。

まずはヒミツから。マックイーンが自分のかっとばせー!の寝言で起きるみたいな、ゲーム内で見れるあれです。なんか付け足したい簡単な設定を付けちゃってください。



シルヴァーパピヨンのヒミツ:安価下3まで募集

マンティ「――――」

和室に置かれたテレビにはレースが流れています。先頭を往くのは銀色の髪をなびかせ、思うがままに逃げるウマ娘。それを追うのは栗毛のウマ娘と芦毛のウマ娘。

――叫び声と共にゴールした逃げウマ娘が、ゆっくりとスピードを落としながら息を整える。そして何度も聞いた口調で観客席に――。

マントレ「……どうですか。イメージは付きましたか?」

マンティ「ふぇぇ!?あ、と、とれーなーしゃん!?お、おつかれさまです!?」

マントレ「ほらほら落ち着いてください。今冷たいお茶を入れますから」

和室の奥からとれーなーしゃん……ち、違います!トレーナーさんがにこにこと笑いながら、お茶の準備をしてこちらに向かってきます。

……冷たい。美味しいです。

マントレ「今日は一段と暑いですから、熱中症には気を付けませんと。ゆっくり飲んでくださいね、お茶菓子に羊羹もありますよ」

マンティ「あ、ありがとうございます……」

――この和室は私のトレーナーさんのトレーナー室です。ちょっと学校とか寮からは離れた場所にあって、なんだか……そう。雰囲気のある所に、このトレーナー室はあります。

ちりんちりんと風鈴が鳴って、風情を感じます?その辺は、まだまだ分からないことばかりですけど……落ち着く場所で、気に入っています。

マントレ「――エルムステークス、標的は勿論シルヴァーパピヨンさんですか」

マンティ「は、はい。それ以外にも沢山……ユニコーンステークスも、全日本ジュニア優駿も。た、沢山、見ました」

パピヨンさんだけじゃありません、それ以外の出走者の今までのレースも何度も何度も繰り返しリピート。その走りを頭に刻みつける行為。目を瞑るだけで、その走りがイメージできるように、ただひたすらに観察をしました。

マントレ「貴女には実力がある、しかし中々差し切れない。それは単に――他を知らなかった為です」

他の走者の走りを知れば、どのような動きをしてくるかが分かる。どのタイミングでスパートをかけるか、仕掛けてくるかが分かる。勿論それは完璧じゃないし、当然トレーニングによって強くもなっている。

マントレ「獲物を知れば狩りやすくなります。ですから、しっかりと頭に刻み付けて――自信にしましょう。自分はこの自慢の末脚で絶対に刈り取れる――ハッキリとそう思えれば、もう貴女の独壇場です」

マンティ「ふぁ、ふぁぃ……が、がんばり、ます!」

ええ、その意気ですよ。と、優しく私のトレーナーさんは微笑んでくれました。背丈は私と同じ……いえ、ちょっと小さいくらい?なのに、まるでおじいちゃんみたいな安心感を与えてくれます。

……何歳なんでしょうか?

マンティ「そ、それで。あの、と、トレーナーさん!その、お、お願いがあるんです!」

マントレ「はい?」

マンティ「も、もし私が東京盃を勝てたら――ご、ご、ご褒美を下さぁい!」

――は、はぅう。か、顔が熱いです!こ、こんなご褒美だなんて……わ、私らしくない。ひ、ひぁ。だ、ダメでしょうか……?

マントレ「……ふふ。はは、珍しいですねマンティスさんがそんなおねだりだなんて」

マンティ「ご、ごめっ!ごめんなしゃい!わ、わたし、と、とんだご迷惑を!」

マントレ「いえいえ構いませんよ、それじゃあもし一着で勝てたら――ご褒美をあげましょう。何かして貰いたいことなどはありますか?私に出来る範囲内ならいくらでも」

マンティ「へぇぁ!?あ、ぁ、ありがとうございます!ま、まだ考えてないんですけど……よ、よろしくお願いします!」

――――東京盃まであと少し!が、がんばり、ます!

ブラックマンティス 5戦2勝
メイクデビュー 3着
ジュニア級未勝利戦 1着
Pre-OP_昇竜ステークス 1着
Pre-OP_端午ステークス 2着
Pre-OP_天保山ステークス 4着



ブラックマンティス成績になります。本編と食い違う部分があったら優しく見逃して下さい。

更新もう少しだけ続きます。

――G2東京盃。JBCスプリントのトライアル競争に位置するそのレースには、自信のあるダートのスプリンターが集結していた。

ま、アタシもその一人なんだけど。一番人気らしく堂々とパドックに登場すると……おお、そこそこの歓声。

パピヨン「んま、よろしくね〜」

マンティ「――よぉ、パピヨン」

観客に向かってヒラヒラ手を振っていると、背後から声が。聞いたことのある声が、久しぶりの口調で。

パピヨン「お、マンティ。ぷぷ、もうやる気満々じゃん」

マンティ「前回の屈辱、敗北――きっちりと返させてもらうぜ。ヒラヒラ呑気に飛んでたら――俺様が刈り取るからな」

――いいかテメェら!この俺様の走り!その目ん玉に刻み込んでもらうぜぇ!

わぁあああああああああ……!!!と、アタシよりもデカい歓声。マンティってコアなファンが沢山居るんだよね。走りもハデだし、キャラも濃いし。

パピヨン「ま、そんなこと言って前にアタシに負けたのはマンティだけどね〜?ぷはは!そんな恥ずかしい事言わない方が良いよ?後で後悔しちゃうから〜?」

マンティ「言ってろ!」

――さぁて、初めての公式短距離レース。今までマイルでばっかり頑張ってたけど――一番気持ちよく走って、勝っちゃうから。

――――あー、楽しみ!

G2東京盃、VSブラックマンティス――結果は:コンマ直下

1 余裕余裕!
2-5 何とか……でもそれでも!
6-7 ――瞬間、首を何かに斬られた
8 背後のプレッシャーにやられて
9 二人してダメじゃん!?
0 おおっと

――さあ各ウマ娘一斉にスタートいたしました。まずは一番人気シルヴァーパピヨンが先頭を取る。その後ろにピッタリとくっ付いて8番、そこから2バ身ほど離れて先行集団、その後ろにぽつぽつと並び最高峰ブラックマンティス。

パピヨン「――」

アタシの後ろにピッタリとくっ付いたもう一人の逃げウマ娘――今までは自分が先頭の立場だったけど今回はアタシに譲る感じ?ふぅん……別にいいけど。

パピヨン「最初から一番前が一番気持ちいと思うけどなぁ……!」

しかし先頭を争いがないならそれはそれで、アタシはどんどん前へと進んでいく。

最初から最後まで全力全速で、スタミナ切れも考えないで一心不乱に前へ。逃げる逃げる逃げる。

――第3コーナーを曲がり最終コーナー。依然として先頭は10番シルヴァーパピヨン!最後まで逃げ切ることはできるか!

そんなの当然――!そう思った瞬間。


マンティ「――――は、はは、はっ――ははは!!!」


嫌な笑い声、そして世界が揺れたように錯覚する足音が、アタシの世界にズカズカと入り込んできた。

パピヨン「――――っ!」

――最終直線、8番はもう苦しいか……!?大外!大外から一気にブラックマンティス!ブラックマンティスがシルヴァーパピヨンに迫ってくる!?

マンティ「ぅおらぁあああああああああああああ!!!!!」

パピヨン「ふざけんっなぁ!!!」

脚を回す、腕を回す。大外から迫るそいつから逃げるために、必死に体を動かす。

まだまだ身体は動く。まだまだアタシは走れる。もっと、もっと早く――!もっともっともっと早く早く早く――!ここで負けたら、アタシだって――!

――残り200!シルヴァーパピヨン先頭シルヴァーパピヨン先頭!しかしブラックマンティスがもうすぐそこ!2バ身!1バ身!


パピヨン「ぁああああああああああああ!!!――っ!?」


マンティ「――並ばねぇよ、じゃあな」


――並ばない!ブラックマンティス大外から一気に先頭!そしてゴール!一着には2番ブラックマンティス!ブラックマンティス重賞初勝利!

――――一瞬で、アタシを抜かして背中を見せつけたマンティは。アタシを見て愉快そうに、笑った。

まるで、首をその鋭利な鎌で斬り落とされたみたいに。アタシは――負けた。速さで、負けた。

マンティ「は、はは、ははは――はははははははははっ!!!!見たかお前ら!これが俺様の走り!目に焼き付けたかぁ!」

――っわぁあああああああああああ!と、爆発みたいな歓声が、レース場に鳴り響く。

パピヨン:コンマ直下

コンマが高いほど別に落ち込んでないですけど〜?低いととても落ち込んでる。

しょうがないけどちょっと笑っちゃった

パピヨン「うっ……ぐっ、ず……!ぅあ……!」

『……ぱ、パピヨン』

――控室に戻ってきたパピヨンの様子はそれはそれは相当なものだった。

眼が真っ赤に腫れ、鼻水をずぴずぴとすすり、今はまだ我慢出来ているのかもしれないが――一瞬で崩壊してしまいそうなそんな危うさ。

『……お疲れさま。いい走りだった』

パピヨン「う"っ……も、もう少しだったのに、もう少しだったのにぃ……!うぁ、ぐす、ずび……!」

あと少しの所で、大外から一気に伸びてくる黒い影。観客席から見ていても今回のブラックマンティスの走りは――圧巻としか言いようがなかった。

よっぽど悔しかったんだろう。短距離で、しかも速さで――真正面から叩きのめされる。しかもその相手がブラックマンティスなのだからよっぽどだ。

パピヨン「次は……次は絶対に負けない……!次、あんな、絶対差せないくらい、早く逃げ切ってやる……ぅ、ぐすっ」

――。

どうしてあげよう:安価直下
1 ああ、次は頑張ろう。と言葉を投げかける。
2 ……頭を撫でてあげる。
3 自由安価

寝ます、おやすみなさい。

安価は下にずらして下さい。

『…………よく頑張ったな』

パピヨン「ぁぅ」

ゆっくりと手をパピヨンの頭に持っていき、優しく撫でる。サラサラと青みがかった銀色の髪が流れ、指の間を通り、撫でている自分も心地いい。

いい走りだった、次も頑張ろう――なんて言葉、ただの自己満足かもしれない。

パピヨン「……ぐすっ。ほん、と、お兄さん……バカ。バカ、撫でないでよ、頭……セクハラなんですけど……」

――けど、パピヨンの表情はとても嫌そうには見えない。そのセリフも全然嫌がっているようには聞こえない。だからきっと、これは間違いじゃない。

パピヨン「…………もっと撫でて、撫でて、慰めて。アタシ、すっごい悔しいから」

『……ああ、そうだな。キミが落ち着くまでこうさせてもらうよ』

パピヨン「……〜♪」

彼女は嬉しそうに尻尾をゆさゆさと振って。結局ライブギリギリの時間まで頭を撫でる行為は続いた。

――負けた。しかし今までの努力がある。ゆっくりと積み重ねて、糧にして――勝ちにつなげる。

まだまだ先は長い、頑張ろう――【貴方】もシルヴァーパピヨンも。

マンティ「――す、すみ、すみません。トレーナーさん……えっと、その、あの」

マントレ「はは、忘れていませんよマンティスさん。ご褒美、ですよね」

――東京盃から数日。私の初の重賞勝利に、トレーナーさんはとても喜んでくれました。あんまり表情とか、仕草には現れませんけど……分かります。とてもとても、喜んでくれました。

その様子に、私はなんだか恩返しができたような。今までのお礼が言えたようなそんな気持ちになって、当日はちょっとはしゃいじゃいました……は、恥ずかしい……。

マントレ「では、何でもおっしゃってください。マンティスさんのお願いですから、出来る限り応えさせて頂きますよ」

マンティ「そ、そんな、わ、私は別に……!あ、あぅあぅぁ……」

こ、この日の為に色々と考えてきました……!け、けど本当に大丈夫でしょうか……?こ、こわい、けど、これはご褒美で……!

え、ええぃ、ま、ままよ!


マンティス渾身のご褒美:安価直下
1 な、なで、撫でて欲しいです……
2 こ、今度、い、一緒に……お出かけとか……
3 自由安価

マンティ「こ、ここ!今度、い、一緒に……お、お出かけ……とか……」

マントレ「……はい?お出かけですか?」

マンティ「は、はい。す、すみませぇん!と、トレーナーさんと、二人で……お、お休みの日に……」

マントレ「…………構いませんが私とですか?面白くもないと思いますが」

マンティ「お、おお、お願いします……」

――トレーナーさんとはあんまりお休みの日に会ったりはしません。ですから、ずっと……のんびりお買い物とか、ご飯食べたりとかしてみたかったんです。

わ、私から言い出すのはなんだか迷惑かなとも思って……でも、今回。ご褒美という形なら――だ、大丈夫、ですよね?こ、これくらい……。

マントレ「はは、変わった人ですね。でも、分かりました。それではスケジュールを合わせますので、お出かけしたい日がありましたら事前に教えてくださいね?」

マンティ「よ、よろしくおねがいしまぁす……!」

や、やった。やった……!と、私は、小さくガッツポーズなんかしてしまった。

ちょっと時を遡り、グリーンシルフィーの紫苑ステークス。

秋華賞トライアル、紫苑ステークス。シルフィーの結果は:コンマ直下
1-3 一着
4-5 二着
6 三着
7-8掲示板!
9 掲示板すら……
0 おおっと

前哨戦は掲示板、それでは秋華賞本番は――:コンマ直下

1-2 ダブルティアラ!
3-5 二着!惜しい!
6-7 三着!
8 また掲示板……
9 掲示板も……
0 おおっと

秋華賞3着!

それじゃあ今日はこれで終わりです。お疲れさまでした。

シルフィーもオークスウマ娘だしようやっとる。もう少し全体的に1着確率上げても良いかなぁとも思いますが、まあこれはこれで。

ラッキーセブンゾロで1位とか…次のレースで補正とか…ダメ?

>>792
1位は無理ですけど何か次のレースでシルフィーに補正上げますね……
ダートに挑戦するのか芝で頑張るのか分かりませんが、詳しいこと内容はきっとシルフィー担当トレーナーが頑張ってくれてます。

――が1着でゴール!2着には――3着にはグリーンシルフィー……。

パピヨン「……シルフィー」

秋華賞。トリプルティアラ最後の冠――それを取ったのはグリーンシルフィーではなかった。

――悪くない展開だった。しかし最後の直線で中々伸びず終わってしまった。

『……惜しかったな。シルフィー』

パピヨン「うん、でも一着のあのウマ娘――強かったよね。着差はそんな離れてるわけじゃないけど、でも――」

『ああ、あの青鹿毛のウマ娘――今日に向けてだいぶ仕上げていた様子だった。しかしそれは一番シルフィーが、他の走者が分かっているだろう』

眼に見えて分かるほどのギラギラとしたオーラ、実際に肌で感じていた彼女たちはそのプレッシャーをより深く受けているだろう。感覚としてはそう――ブラックマンティスのあの追込みに近い。

パピヨン「ま、シルフィーなら大丈夫か。案外、もう次のレースのこと考えてたりして」

『そうか?』

パピヨン「アタシの周りのウマ娘はみーんなメンタル強めだからね〜。ほんっと、嫌になっちゃうくらい」

やれやれ怖い怖い〜、とポーズをとる。

『……キミも負けてられないな。さて、次のレースについて話そうか』

パピヨン「はいはーい」

パピヨンの次走について考えているレース。

一つ目は数週間後に開かれる短距離G1「JBCスプリント」、二つ目は来月前半に開かれるマイルG1「チャンピオンズカップ」

三つ目にチャンピオンズカップと同じ時期に開かれるに開かれる短距離G3「カペラステークス」……この三つか、今のところは。

『JBCスプリントにはブラックマンティスが、チャンピオンズカップの方には――おそらくステラライムが来る』

パピヨン「……ライム、まだ次走の表明とかしてないよね?もしかしたら東京大賞典とかに行っちゃうかもだよね」

『そこはステラライム陣営の判断にもよるが――まあ想定しておくには越したことがない。他にも出走したいレースの案があるなら、自分はキミの意見を尊重させてもらうが――次のレースが、クラシック最後のレースのつもりだ』

まあ、日程的にも詰められないしな。と、言うとパピヨンはそりゃそうでしょ。みたいな顔をした。

『……』

そして――これはまだ考えているだけのことだが。一つの案として考えているレースがある。

――ドバイゴールデンシャヒーン。BCスプリント。メトロポリタンハンディキャップ――短距離、マイルの海外ダートレース。

パピヨンが本領を発揮できるのが――海外だったら?日本の砂ではなく、海外の土でこそパピヨンは羽ばたけるんじゃないか――そう、考えてしまう。

もし、パピヨンに今以上に地力がついて"――ライバルに。ライバルに、勝てた時には――。"

(まあ、まだそれは考えることじゃないか)

取り合えず今は目の前を考えよう、未来のレースより今のレース。そもそもパピヨンに意思確認もしないでこんなことを考えている暇なんてない。

次走:安価直下
1 JBCスプリント(ブラックマンティス:リベンジ)
2 チャンピオンズカップ(ステラライム:リベンジ)
3 カペラステークス(地道な実績作り)
4 その他ダートレース(年内で良い感じのものがあれば)

『――カペラステークスに行くか』

パピヨン「えっ!?JBCスプリントとチャンピオンズカップは!?』

勿論リベンジの為にその二つのG1に出走するのも良い。パピヨンが出走したいというのなら勿論出走登録をする――しかし。

『ただ闇雲に、ライバルと同じレースを出ているだけではきっと……ダメだと思うんだ』

沢山レースに出て、レースに慣れる。そしてどんどん実力を付けて――それでようやく、リベンジに挑める。

『だから次はキミが力を付けるために走る。そして来年――分からせてやろう。キミというウマ娘の真価って奴を』

ステラライムにも、ブラックマンティスにも、他のウマ娘にも。キミを応援してくれているファンにも、キミに期待していない観客にも――度肝を抜いてやろう。

『……そういうの、大好きだろ』

パピヨン「――――ぷ、ぷは、ぷはは!お兄さんってそういうこと言うんだ!?ぷふはははは!ちょっと意外かも、お兄さんもそう言う年相応っぽいところあるんだ!?」

『……年早々って、別にいいだろう。普通だ普通』

パピヨン「だってお兄さん、いっつもムスっとしてるし〜?――でも、うん。良いね、お兄さん。それ、サイコー」

ぷはは、と笑いながらパピヨンは【貴方】に向けてサムズアップ。

パピヨン「アタシの走りを見た全ての人間に――期待させちゃうような、そんなレース。期待してない人間に、不意打ちで度肝を抜いて分からせる。うん、それっぽい。良い目標かもね?」

『ああ、その意気だパピヨン!やってやろう!

――ということで、次の目標はカペラステークス。着実に経験を積んでいこう。

カペラステークス前イベント:安価下2まで
1 パピヨンのヒミツ
2 パピヨン、ライムと彼氏の為に――食べる。
3 グリーンシルフィー、ダートの可能性
4 自由安価



これだけです。お疲れさまでした、おやすみなさい。

海外に行く条件として、「ステラライム、ブラックマンティス、グリーンシルフィーの誰かにレースで勝つ」を設定させてもらいます。

もし勝てて海外旅行行きたいなってなったら、考えてみてください。勝てるかはコンマ次第で。

ライム「――お願いしますパピヨンさん!わ、私の料理の感想を教えてください!」

ある日の放課後、アタシはライムにそうお願いされて食堂の席に座っていた。周りにはちらほら生徒がいるけど、ちょっとお喋りをしていたりとかが主で、ご飯を食べる!みたいな雰囲気の子は誰もいなかった。

パピヨン「ねえ、なんでアタシなわけ?シルフィーとか、マンティとか……あ、ほら。食べるの大好きな葦毛のウマ娘とか日本総大将とか呼んでさ」

ライム「それも考えましたけど、出来るなら私。食べて満足して貰いたいんです……そ、その人たちの胃袋を満足に満たすとか出来ません!」

何とも言えない責任感。こういうところがライムらしいなぁと思う、いやそれの被害を受けているのはアタシなんだけど。

パピヨン「というか、ライムなんでいきなりこんな?料理に目覚めたとか?」

ライム「あ、いや、えっと、そのぉ……」

――あれあれ急に顔が真っ赤になったぞ?おやおやおやぁ……?

ライム「……ら、来月はクリスマスじゃないですか?ですからその、あの。パピヨンさんにも話したとは思うんですけど、○○くんに……」

パピヨン「あ、なるほどね。彼氏君に料理作ってあげたいんだ、クリスマスの」

ライム「で、ですから!そういう関係じゃないですから!パピヨンさん!」

手をぶんぶん振って否定するその姿、怪しい。怪しいぞぉライム〜?ニヤニヤと笑ってからかってやる。

――成程、はいはい。つまりアタシを彼氏君に提供できる料理かの判断材料にしたいわけね?というか練習台と。

……………………。

パピヨン「………んま、別にいいけど。ほら、作ってきなよ料理。食べてあげるから」

ライム「――!す、すみません!ありがとうございます!で、ではある程度準備は出来ているのでちゃちゃっと作ってきますね!」

ぱぁっと、明るい笑みを浮かべてライムはキッチンへと走って行ってしまった。はぁ、嫌な笑顔。彼氏君にそんな美味しいものを作ってあげたいの?

ケーキとか作ってあーんとかするつもり?はぁ、アタシの方が今は長く付き合ってると思うけどなぁ。

…………ぽっと出の彼氏君め。いや、ぽっと出はアタシか。なーんて。思いながら頬杖をついて料理を待つ。

照り焼きのチキン、クリスマスリースみたいなサラダ、ブッシュドノエル――その他にも結構な量の料理。というか全体的に……豪華。

パピヨン「……というか、あと茶色くない?お肉多いね――あ、いいから。理由はなんとなくわかるから」

まあ男の子ってお肉好きだもんね、アタシも好きだけどさ。チキンとか。

ライム「あ、あはは……す、すみません。でも、無理して全部食べて貰わなくても大丈夫ですから!ちょっと張り切って作ってしまったなぁと思いましたので――」

パピヨン「は?残す?冗談でしょライム」

――全部平らげるから、ありえないんですけど。

コンマ6以上で太り気味。

コンマ直下

ごめんなさい、寝落ちしてました。いつもより早い時間ですけどちょっとやります。



パピヨン「…………ふぅ、ご馳走様」

ライム「ほ、本当に全部食べちゃいましたね!?で、でも沢山食べてくれて、アタシ嬉しいです!あ、ありがとうございます!」

――苦しい。お腹がもうパンパン、ちょっと見栄貼っちゃったかも……。

ライム「そ、それで感想を教えてもらっても……」

パピヨン「……一応言っておくけどこんな量、絶対彼氏君食べきれないからね」

まあ作り過ぎちゃったって言ってるからそこは大丈夫だと思うけど。ライムって張り切りがちだしねぇ。

……全部美味しかったけど、料理で気になったところとかをいくつか教えてあげる。

ライム「なるほど……ありがとうございます!」

パピヨン「アタシの好みで結構言ってるから、彼氏君が好きな味付けになるかは分かんないけどね。……
というか、さっきの質問だけど」

ライム「はい?」

パピヨン「マンティとかシルフィーがいない理由!そっちは教えてくれてないでしょ?」

――まあ、別にどんな理由でも良いけど。アタシが暇そうだったとか、そんな感じ?

ライム「パ、パピヨンさんが……一番はっきり感想を教えてくれそうだったので」

パピヨン「……別にそんな事無いと思うけど」

ライム「パピヨンさんが美味しいって思う料理になれば、○○くんも美味しいって思ってくれるんじゃないかなって、なんとなくそう思ったので……なのでまずはパピヨンさんの為に料理を作りたくて」

パピヨン「…………」

ライム「あ、あはは、すみません。私もなんでパピヨンさんだけ呼んだのか、上手く言語化できなくて……


パピヨン「……ふ〜ん、ま。別に何でも……いいけど、まあ、また何か作ったら呼んでよ。お兄さんにも沢山食べて身体を作れって前言われたし、都合がいいから」

ライム「え、本当ですか!?あ、ありがとうございます!」

パピヨン「…………」

――まあ、今この瞬間だけはアタシがライムを独占してるし、ちょっと気分が良いかも。

――秋華賞が終わってトレーナーさんが言った事は、「暫くは休憩しましょう」でした。

桜花賞7着、オークス1着、秋華賞3着――かつての親友と約束したトリプルティアラ、結局は一つしか冠は取れませんでした。

弟くんも秋華賞が終わってすぐ電話で、お疲れさまと励ましてくれて。とても――嬉しかったはずなんです。けど、私にはどうにも――喜べなくて。

シルフィー「…………」

トレーナーさんもきっとそんな私の気持ちが分かるんでしょう。ですから、一旦レースからは離れて来年からまた再始動――そういうつもりで言ったんでしょう。暫くは休憩しましょうと。

――――本当にそれでいいのか、という気持ちが私の中に沸々と沸き上がります。

トリプルティアラはもう取れません。というか桜花賞に惨敗した時点でその夢は無くなってしまいました。では、今後のレースは?アタシはまだまだ走れます、選手としてこれからも走ると考えたとき――ふと、もう一つの選択肢が浮かび上がりました。

シルトレ「――ダートですか?」

シルフィー「はい、芝からダートに転向して結果を残したウマ娘や、芝もダートも両方走れるウマ娘……その両方がいるのですから、可能性はあると思うんです」

シルトレ「…………そうですか」

きっと私のお友達にダートで走る子が多いから――その選択肢に気づけたのかもしれません。でも、だからと言ってダートを軽視しているわけではありません。

私でもダートなら輝けるかも――そんな考え、同室のパピヨンさんを見て言えるなら、とんでもないおバカさんです。

シルトレ「まあ、一度確認してみましょうか。トリプルティアラという夢を聴いて、私は芝での走りにばかり注目していましたが、可能性はあります」

シルフィー「は、はい!あ、ありがとうございます!」


結果は?:コンマ直下
1-5 芝を走ろう
6 まあ走れなくはないけど
8 普通に走れてはいます
9 両方いけます!
0 ――なんで芝を走って?

シルトレ「…………はい、お疲れさまです」

シルフィー「は、はぁ、はぁ……はぁ、はぁ」

全然走れませんでした。脚が思うように動かず、蹴っても蹴っても前に進まない。

――やはりそう現実は上手くいきません。ダートを走ってみると、パピヨンさんにライムさん、マンティさんの凄さが分かります。

シルトレ「ダートも芝も走れるという才能は稀有な物ですから、気を落とさないでくださいシルフィー」

シルフィー「はぅ」

……あ、頭を撫でられてしまいました。よしよしと優しい手つきで撫でられて……は、恥ずかしいです。

シルトレ「……焦らず行きましょうシルフィー。ゆっくりと準備をして――来年こそ勝負をしましょう。だって貴女は私が信じたウマ娘なんですから」

シルフィー「トレーナーさん……は、はぃ。あ、ありがとうございます……」

――本当は年明けから次走の話をしたい、という話でしたが。トレーナーさんと共にトレーナー室で次走の話をすることになりました。

目標を決め、しっかりと努力をして、またG1の大舞台で勝利を収めたら――きっとあの子も喜んでくれますよね?

――JBCスプリント、大井で開催されるダート短距離G1。東京盃でパピヨンと戦い、勝利したらブラックマンティスも当然出走するレース。

『現地で見に行かなくてよかったのか?』

パピヨン「別にいいでしょ、テレビで見れるんだし。あ〜でも確かに、現地でボロボロに負けたマンティをちょっと煽れないのは寂しいかも?」

ぷーくすくす、と笑うパピヨン。しかし【貴方】はパピヨンがそんなことをするウマ娘ではないことをとてもよく知っている。

素直になれないのなら無理やりにでも連れて行くべきだったかもしれない。いや、まあ……それはそれで後が怖いか。

――本日の一番人気、3番ブラックマンティス。東京盃で見せたあの直線一気を見せることが出来るか。

パピヨン「うわ、しかも一番人気じゃん。これってアタシって超強いウマ娘に勝ったからってことだよね?」

『……ああ、そうだな』

あの末脚を見て、ファンになった人も多いだろうに――一番人気という圧があっても、テレビ越しに見るブラックマンティスは何も変わっていなかった。

――堂々としている。その視線はただただ己の勝利だけを見つめていた。

マンティ「く、くは、はははは――!この俺様の勝利の踏み台として、お前らを使ってやる、だから光栄に思え――はははははっ!」

パピヨン「うわ、絶好調……ほんっと、凄いなぁマンティ」

あのキャラ後でどうしてんだろ。絶対恥ずかしいよね。……【貴方】は話を振られても苦笑いをすることしか出来なかった。

――大井レース場にスピード自慢のウマ娘が揃いました、ダートレースのスピード決戦JBCスプリント。今宵はどのウマ娘がダートスプリンターの栄光を手にするか。

――さあ各ウマ娘ゲートイン完了。出走準備整いました。

――――スタートいたしました!

JBCスプリントが、始まった。

ブラックマンティスは――:コンマ直下
1-4 一着!!!
5-6 二着!
7 三着
8-9 ダメだった……
0 おおっと

はじめての「おおっと」です。こういうことをやります。



おおっと――:コンマ直下
1-3 掲示板には"レコード"の文字
4-5 誰も狩人には追い付けない
6-7 脚を挫いて……。
8-9 故障発生
0 ――

――各ウマ娘出遅れることなく進んでいきます。先頭には逃げ宣言6番、その後ろにすーっと並んで9番、2番のウマ娘が並び先行集団、そして最後方にはブラックマンティス。

ブラックマンティスの何時もの展開。最後方、殿から他のウマ娘の様子を伺い、最終コーナー最終直線で一気に大外からごぼう抜き――これが、ブラックマンティスの戦い方だ。

その戦いを二回経験したパピヨンにとって、それは異様なプレッシャーを感じる走りだった。後ろから「何か」が来る。何か恐ろしい存在がぐんぐんと迫ってくる――恐怖以外の何物でもない走り。

パピヨン「やっぱいつも通りの展開だよね、結局マンティが全部差し切るか、差し切らないかの展開」

『……随分とマンティに肩入れしているな。友達だからか?』

パピヨン「はぁ〜?なにお兄さんそれ、キモいんだけど〜?……そりゃ、友達ってのもあるけど」

アタシに勝ったんだし、他の短距離で負けて欲しくなんかないって思うくらい、普通でしょ。

【貴方】からぷいっとそっぽを向いて、パピヨンはまたテレビを見る。

マンティ「――――は!」

――さあ、最終コーナーを曲がり最後の直線!未だ先頭は6番!後続との差は3バ身ほど!しかしここで大外から迫るウマ娘!3番ブラックマンティスが先頭を狙っている!

パピヨン「お、いけいけ〜!」

『随分と気の抜けた応援だな……』

狩人が足にググっと、力を入れ一気に前を往く。スパートをかけた鋭い切れ味の末脚は、そのまま前方のウマ娘を差し切って――――。



マンティ「――――っ!」


パピヨン「ぁ……?」

『――――!』

その瞬間。マンティの顔が酷く歪み、二人の顔から――一気に血の気が引いた。

――ブラックマンティス来ない!スーッと後方に下がっていく!これは故障発生か!?

故障発生。その言葉がパピヨン頭の中で繰り返される。しかし中々意味が理解できない。理解が追い付かない。

故障。故障、故障――スパートの時に脚を挫いた?いやでも、あれくらいマンティなら別に――――え、こしょう?もう、レースが出来ないとか――マンティが。マンティが?

『――おいパピヨン、パピヨン!』

パピヨン「へっ!?ぁ、お、お兄さん――?」

『落ち着いて、今キミ顔が凄いことになってたぞ。まずは大きく鼻からゆっくり吸って、口から吐いて――』

アタマがまだ混乱してる、お兄さんに言われるがままに深呼吸をするけど、なんだか変わったのか変わらなかったのか、よく分からない。

――一着は見事に逃げ切りました6番!JBCスプリントを制し、栄冠を手に入れました!初のG1タイトル!

――しかし、心配なのはブラックマンティス。今救急車に運ばれていきました、何事も泣ければよいのですが――――。

パピヨン「――――」

テレビで逃げウマ娘が一番にゴールをした、実況が聴こえてくる。けど、そんなのは全然……どうでもよくて……。

――ぷるるるる。と鳴るスマホの音にも、気が付けないまま。JBCスプリントは幕を閉じた。

マンティ「――――あ、パピヨンさんに、皆……」

ライム「マンティさん……!」

――後日、アタシといつもの仲間でマンティのお見舞いに行くことにした。病院のベッドの上で、患者衣を着ているマンティをみて……アタシは、また血の気が引いていく感じがした。

…………右足に巻かれたギプスから、目が離せない。

シルフィー「マンティさぁん……!うぅ、うぁあぁ……!」

マンティ「ひぁ!?ちょ、シルフィーさん……ライムさんも!?」

二人が涙目でマンティに抱き着きに行く、それを顔を赤くしながらマンティは抱き着かれている。

……ヘルプミー!な、目をこちらに向けられるけど、アタシには何も……はぁ。

パピヨン「……気持ちは分かるけど、マンティは怪我人だしそこまでにしておきなよ」

ライム「あっ、ごめっ、ごめんなさい……私、ちょっと、全然考えられてなくて……」

シルフィー「ぐすっ……ごめ、ごめんねマンティさん……だ、大丈夫?」

マンティ「だ、大丈夫。全然大丈夫ですからぁ……」

――へたっぴな笑顔で大丈夫というマンティ。けど全然大丈夫そうには――見えない。

マンティ「……全知半年の骨折、らしいです。スパートで力を入れ過ぎて折れちゃったのかもって、お医者さんが……」

――――半年?半年も、このままで……マンティは、走れないの?

マンティ「リハビリとかを頑張ればもっと早く治るかもしれない……けど、安静の為、半年は必要と」

ライム「――」

シルフィー「は、半年、も……」

マンティ「だ、大丈夫です!半年頑張って休んで、リハビリもすれば――また走れるようになりますから!」

ぎゅっと拳を握って、大丈夫とアピールをするマンティ。さっきから、そんなアピールが多くて、主張が激しい。

――あーだめだ。ずっと頭が、ふわふわしてる。

パピヨン「……し、しっかり、休んでね。アタシ……待ってるから」

マンティ「――――はい。わ、私も、またパピヨンさんと走りたい、ですから――」

ライム「う、うぅぁあ……!わ、わたし、も、マンティと走りたいよ"ぉ……!」

ああまたライムが抱き着いて、服に涙とか鼻水が……。

シルフィー「…………ぐすっ、今はしっかり休養してくださいね。また今度お見舞いに来ますから……」

――――こうして、お見舞いが終わった。最後にギプスにメッセージでも書こう!ということで、早く治ってねみたいなメッセージを書いて……終わった。

――――:コンマ直下

コンマ3以上で。

パピヨン「――――忘れ物しちゃった、はぁやらかした」

帰り道の途中、マンティの病室に忘れ物したことに気がついてアタシ一人病院に戻ってきちゃった。

……忘れ物だけ取って、早く帰ろ。なんだか今、マンティの顔とかちゃんと見れない気がする。というかさっき会った時も……全然話せなかった。

病院に入って、受付のお姉さんに話して、マンティの病室に向かう。なんとなく静かで、病院の匂いって感じの匂いがする。

パピヨン「……あれ」

……マンティの病室に誰かいる、そっとドアの窓から顔を覗かせて……見るとそれはマンティのトレーナーさんだった。和服で、アタシくらい身長のちっちゃな、妙に威厳のあるトレーナーさん。

マンティ「――――!――!」

マントレ「――」

マンティ「――っ!……っ!」

……声は聞こえない、けど何か話していることは分かる。何か言い争ってる……?

…………マンティが泣いていることも、分かる。ぼろぼろ大粒の涙が零れ落ちて、患者衣に小さな水玉を作る。

パピヨン「……っ」

アタシたちが来た時、全然泣いてなかった。アタシたちが泣いてばかりで――きっと、マンティは我慢してたんだ。今にも泣いてしまいそうなのを、堪えて。アタシたちに心配させまいと――大丈夫なアピールまでして。

――――いけないものを見てしまった気分。トイレにでも行って少し時間を潰してから、また来よう。

マンティ「――あ、パ、パピヨンさん……!ど、どうかしましたか?」

パピヨン「実は忘れ物しちゃって取りに来たんだ〜ごめんね、いきなり来ちゃって」

病室にはもうマンティしかいなくて、トレーナーさんの姿はなかった。アタシ的には嬉しいけど、何処行っちゃったんだろ……。

……不思議そうな顔をしているマンティ。その眼もとは、隠せないくらい真っ赤だった。トレーナーさんが戻ってくるかどうかも分からない、ほんとさっさと帰らないと……。

パピヨン「ん、あったあった……」

マンティ「…………」

忘れ物は見つかった、だからもう帰った方が良い。アタシはただの……友達だ。ブラックマンティスの同期で、同じレースも走った、ただそれだけの。

さっきのアタシみたいに、トレーナーさんが外で待ってるかもしれない!本当は大事な話があるのにアタシがいるせいで話せない……そう、きっとそう!だから、早く帰らないと――。

マンティ「……じ、実は私。ずっと……パピヨンさんに、憧れてたんです」

パピヨン「へっ?」

いきなりマンティが話し始める。どしたの突然、と思わなくもないけど……え、アタシに憧れ?

マンティ「私がこの学園に来たのは……お家の期待に応えるためなんです。私がもし結果を出せば、それだけでお家の威厳に繋がりますから」

――――期待に応えるために走る。期待、という言葉はアタシには――とても聞き覚えのあるものだった。

マンティ「入学した時はもうすぐに走るのも辞めちゃいそうなほど、辛くて……でもそんなとき、パピヨンさんの走りを見たんです。最初の模擬レースで楽しそうに先頭を往く、貴女の走りを」

とても気持ちよさそうに走るその姿を見て、私は――思い出しました。初めて走り始めたときに感じた風の気持ちよさを。

――そうだ、私は、この風が好きで走り始めたんだって。

パピヨン「――――」

ねえ、待って。待ってよ。そんな――肩の荷が取れたみたいな顔で自分語りしないで。自分だけで気持ちよくならないでよ。

マンティ「だから、この前の東京盃でパピヨンさんに勝った時は凄い嬉しくて!あ、でも抜くときにちょっと……あ、あんなことを言ってしまって……!ほ、本当にごめんなさい!けど、憧れてたあの走りを間近に見れてとても嬉しかったんです!」

風を感じれました、初心を思い出せました。家族の期待じゃなくて、私が走りたいから走る――そのレースが、どれだけ楽しいのかを思い出せました。

待って、ストップ。止めて――そんな話、聞きたくない。口を閉じて、閉じてよ――!

マンティ「ですから、こんな風に脚がなっちゃう前にパピヨンさんと走れて私は――――

パピヨン「は――――?」

――こんな風に脚がなっちゃう前に?アタシと走れて――良かったって?

――ふざけんな、ふざけんなふざけんな!



パピヨン「――――ふざけないでよ!!!!!」


マンティ「ひゃぁ!?パ、パピヨンさん!?」

パピヨン「何その言い方、何その雰囲気!?まるで――もう走れないみたいな、もうアタシと走れないみたいな!何気持ちよく自分語りしてるの!」

――身を乗り出して叫ぶ。ああもうムカつく!全部全部、全部イライラする!

パピヨン「――これからもアタシとマンティは走るんだよ!?その話し方、勝ち逃げのつもり!?」

マンティ「ぇ、いや、ちがっ……!そ、そんなつもりじゃ……!」

パピヨン「そんなつもりだよ!なーにが、憧れのパピヨンさんだ!憧れ憧れって、そんなウマ娘じゃないしアタシは!」

――アタシはアンタのライバルなんだけど!?だから一抜けとか許さないから――骨折でちょっとメンタル落ち込んでるのかもしれないけど、そんなの許さないから!

思いっきり叫ぶ、思ってること全部言う。友達だけど、ライバル!だから、これからもずっとずっと走るの!

マンティ「――――で、でも半年、半年も走れないんですよ!?リハビリも、とても大変らしいですし、今まで見たいに走れるかどうかも、分からないんですよ!?」

パピヨン「はぁ!?なにそれ、意味わかんないんだけど!」

マンティ「私はもうトゥインクルシリーズで、貴女と――同じレースには出られないかもしれないんです!半年の怪我は、そういうものなんです!お医者さんも、トレーナーさんも……そう言ってるんですよ!?」

――全治半年、完全に治るまで半年かかる。そこからトレーニングも含めたらまともに走れるようになるのは一年前後くらい。それまで時間をかけても、今くらい走れるようになるか――もっと時間がかかるのかもしれない。

真っ赤な目から涙をぼろぼろこぼしながら、マンティも叫ぶ。なんだ、そんな大きな声出せるんじゃん……!

マンティ「わたっ、私だって……!走りたいですよ……!もっともっと、パピヨンさんとも、ライムさんとも……シルフィーさんとだって……!走りたいですよぉ……!」

パピヨン「じゃあそうすればいいじゃん!もっと我が儘になろうよ!お医者さんに言われたから、トレーナーさんに言われたから……!?関係ないじゃん!?」


マンティ「う、うぁ、う"ぅ"ぅぁぁぁぅあぁ……!」

パピヨン「マンティは諦めないでリハビリ頑張る!アタシも頑張る!――マンティが勝負したくなるくらい、憧れなくなるくらいアタシが強くなって――一年後に立ちはだかるから!それに挑んで!」

――マンティにふさわしい相手になるために、走れないなんて思えなくなるくらい強くなって。待ち受ける。ゲームのラスボスみたいな、魔王みたいな、そんなウマ娘になる。

パピヨン「――絶対戻ってきてよ。待ってるから!アタシも滅茶苦茶頑張るからさ……!ぐすっ、期待して待っててよ!アタシもマンティに期待してるから!」

アタシもなんだかボロボロ涙が出てきて、溢れて止まらない。

――結局最後の方はお互いに何言ってるのか分かんなくなっちゃって。泣いて、怒って――最後にちょっと笑って、それは終わった。

頑張ろうね――なんて言い残して病室を飛び出し、病院から出る。ウマ娘専用の道路を、走って走って。スタミナが無くなっても走って走って――走りまくって。

パピヨン「お兄さん!!!」

『うわぁあ!?パ、パピヨン……?」

トレーナー室。バァンと勢いよく扉を開けると情けないお兄さんの姿が。こっちは色々やってきたばかりだというのに、呑気だと呆れてしまう。

パピヨン「――――ねえ、お願いがあるんだけど!」

――マンティにああ言ってしまった、期待させてしまっている。ならそれには全力でアタシが応えないといけない。

ラスボス?魔王?ようは――マンティが憧れてたアタシよりも圧倒的に強いアタシになって、最強のダートウマ娘になる。

その手段、その方法を――前に、聞いた気がする。



パピヨン「――――海外のダート!G1!獲るよ!」



思うのは簡単だ、これだって勢いだ。お兄さんには呆れられる、考え直せと言われるかもしれない。計画と違うとか――でもそんなの、アタシの我が儘で全部吹き飛ばしてあげる。

――――だって、アタシのトレーナーなんだよ。お兄さんは?これくらい、何も言わず受け入れて欲しいな。

今日はこれで終わりです、時間がかかりましたがありがとうございました。

マンティが骨折して、あーだこーだと進めたらこうなりました。マンティが憧れられないくらい圧倒的に強いウマ娘になって、また戦いましょう。

カペラステークス、そしてチャンピオンズカップ。クリスマス、大晦日、くじ引き――海を越えて。イベントは盛りだくさんです。

――――カペラステークス当日。中山レース場の控にでパピヨンと自分は居た。

レース展開や走り方、他出走者の最終確認と。レース後にむやみやたらと煽らないことの注意を数回して、体操着姿の彼女を送り出す。

『――行ってこいパピヨン。キミの走りを見せつけてこよう』

パピヨン「おっけーお兄さん。2番人気とか見る目がない人たちにアタシの走りでビビらせちゃう!」

『言っておくが、本当に煽ったりするなよ。なあ、何回も何回も言うが』

パピヨン「あー!はいはい分かってます分かってます!お兄さんほんっとーにしつこい!そんなんだからモテないんだよ?」

……それとこれとは話が違うように思う。けど、まあ……下手に言い返すつもりもない。

パピヨン「ぷぷぷ、もしかして図星〜?ちょっとは言い返してくれないと張り合いがないんですけど〜」

『ほら、早く行った行った。キミのファンが待ってるよ』

パピヨン「はいはーい」

――――「海外のダート!G1!獲るよ!」なんて、言葉を聞いた時は驚いた。が――正直嬉しいとも思った。

ライバルと戦うためにレースを選ぶのでもなく、自分の提案に乗っかるのでもなく。自分自身で考えてこのレースに出たいのだと言った。

真っすぐな瞳で、自分を見つめながら。海の向こうの大舞台で羽ばたきたいのだと、パピヨンが言った。

『……ならここでは負けられないよな』

カペラステークス、結果は:コンマ直下
1-3 余裕余裕!
4-7 勝利勝利!
8 2着2着!
9 3着3着……
0 おおっと

パピヨン「――っああぁああああああ!!!」

――十一番シルヴァーパピヨン逃げる逃げる!そしてそのまま一着でゴール!そして二着――三着には――。

少し危ないところもあったが無事に一番にゴールしたパピヨン。重賞二勝目ということもあり、ファンからの歓声も大きい。

パピヨン「――ぷぷ、当然なのに喜んじゃってはっずかし〜……あ、えーっと……いいやめんどくさ」

『ぱ、パピヨン……』

一瞬煽るのを止めようとした、その瞬間心の中でガッツポーズしてしまったが――はぁ。

いつも通り煽りに煽るシルヴァーパピヨン。それが他の走者に向けてではなく、観客に対してというのがまだ安心できるところか――いや、全然安心できない。

――後でまた叱ろう。

パピヨン「あー……でも最初から応援してくれた人は見る目あるじゃーん!ありがとねー!ぷはははは
!」

『お疲れさまパピヨン、いい走りだったよ』

パピヨン「ふ〜……疲れた疲れた。えへ、でしょ〜お兄さん?」

控室に戻ってきたパピヨンはそれは良い笑顔だった。

……こういう時自分はますます情けなくなる。叱ろうと思っていたのに、なんだかその気が無くなってきてしまう。

パピヨン「あれあれ、何か言いたいことがありそうな顔してるけど……どしたの?」

『……別に何も。うちの担当はよくやってるなと褒めてあげたかったんだよ』

パピヨン「え〜?絶対違うでしょ〜!ぷぷ、ほんっとお兄さんチョロいよね〜、一応トレーナーなんだからそういうときはちゃんとしないとでしょ?」

『…………』

……この前の発言で、成長したなと思ったがそれも撤回しなくてはいけないかもしれないな、と。思った。

――チャンピオンズカップ。ステラライムは:コンマ直下

1 圧倒的な――
2-4 一着一着!
5-6 二着
7-8 三着
9 掲示板
0 おおっと

一気に0来てビビる

おおっと――:コンマ直下
1-3 掲示板には"レコード"の文字
4-5 ダートを流れる星の煌めき
6-7 脚を挫いて……。
8-9 故障発生
0 ――

――まるで"流星"のようだと誰かが言った。

青いポニーテールが流れる星の軌跡を表すように、風を切り裂き靡いてく。青い星が残した残滓が、彼女の流れる道を示していく。


――最終コーナー!さあここで外からステラライム!ステラライムが仕掛けてくる!他のウマ娘を一気に抜き去り先頭のウマ娘との差を縮めに行く!


見るものすべての視線を釘づけにして、その速さと煌めきをどんどん高めていく、ダートを流れるその青い星は――誰が見ても圧倒的だった。


――凄い!なんて速さだ!?あっという間に先頭に立ちどんどん後続との差を広げに行く!1バ身!2バ身!3バ身!?どんどん広がっていく!


その流星の名は――ステラライム。"青の流星"とも呼ばれるようになる彼女は、誰がどう見ても覚醒していて――誰しもにそう思わせた。

ああ、このウマ娘が――現役最強なのだと。


――ゴール!!!ステラライム後続と5バ身の差を付け一着でゴール!

――そしてなんとレコード!掲示板にはレコードの文字!ステラライムG1二勝目にしてチャンピオンズカップレコードタイム!


ライム「――――っ!」


眼に見える程の青色の煌めきを輝かせながら。今一着でゴールしたステラライムは。


ライム「――ありがとうございました……っ!ありがとうございましたっ……!!!!」

――大きく観客席に頭を下げ、そしてめいいっぱいの感謝の気持ちを伝えていた。

――――歓声が、一際大きくなった。


翌日。

『…………』

――"チャンピオンズカップレコードウマ娘誕生!そのウマ娘の名はステラライム!"なんてタイトルで色んな雑誌や新聞でそのレースの事は特集されていた。

思えば全日本ジュニア優駿の時も彼女はこんな風に特集されていたな……流石G1二勝のウマ娘。

こちらは……特集組まれないなぁ。デビューしたばかりの頃に来たあの記者は今どこで何をしているのだろうか。

雑誌のページをめくる。現役ダート最強のウマ娘!……成程目を引くワードだ。最強なんて言葉を使われたら――どうにも意識せざるを得ない。

パピヨン「……みんなライムが最強だって?ぷぷぷ、まあ――分からなくもないけど」

ソファの隣でスマホを弄っていたパピヨンが、自分が見ていた雑誌を横から見てそう言う。あのレースを見た瞬間、自分もパピヨンも分からされたのだ、ステラライムが最強だという事実を。

――それくらい圧倒的だった。それくらいに、煌めいていた。

パピヨン「けど、それは――今だけの話でしょ?」

『ああ、今だけの話だ』

ステラライムは最強だ、そうこの瞬間だけは。

――最終的に最強のダートウマ娘になるのはシルヴァーパピヨンであると、このトレーナー室にいる一人のトレーナーと一人のウマ娘はそう確信していた。

パピヨン「――それじゃ、そろそろトレーニングに行こ?アタシ、今はやる気十分だから」

『ああ、勿論だ。キミがやる気なら――そのやる気に応えてあげるのがトレーナーの役割だからな』

――そしてキミを最強にするのが、自分の使命だ。

2回目のクリスマス、イベント:安価直下
1 いつもの4人でクリスマスパーティーだ!
2 ――ブラックマンティスの病室へ。
3 クリスマスもトレーニングを頑張る彼女に、ご褒美を。
4 自由安価直下

――トレセン学園に来てから2回目のクリスマス。去年はサンタさんになってお兄さんにたーっぷりプレゼントを用意してあげたっけ?いやぁ、アタシは良いウマ娘だなぁ。

でも今年のアタシはサンタさんじゃない。ただのクリスマスを楽しむウマ娘。たっぷりクリスマスの飾り付けがされたトレーナー室に。いつもの面子が揃っていた。

……で、そこでアタシが聞かなくちゃいけないことと言えば。

パピヨン「ライムさ、彼氏君とのクリスマスデートはどうしたの」

シルフィー「え、えええっ!?ク、クリスマスにデートの約束……してたんですか!?」

ライム「し、してない!してないしてないですって!?パ、パピヨンさん!?何を言ってるんですか!?」

――顔を真っ赤にして否定をするライム。うーんこれがダート最強と名高いウマ娘の姿……全然それっぽくない。

ライム「……クリスマスも普通にトレーニングでしたし、その。そういうのは帰省してからということになりまして……」

パピヨン「おー」

シルフィー「おー……」

ライム「止めてくださいその反応!」

いつも通りのやり取り、いつも通りの空気間。でもなんだか足りない、何時もいる一人のウマ娘が、その場にはいない。

――彼女の分まで、アタシたちが楽しまないと。

マンティ『あ、あのぉ……なんか、パピヨンさん……私がもういないウマ娘みたいな感じにしてません?』

パピヨン「あ、バレちゃった?」

シルフィー「ちゃ、ちゃんといますから!マ、マンティさんは大丈夫ですか?電波の調子とか、機械トラブルとか!」

マンティ『ひゃ、ひゃい!だ、大丈夫です……!』

――タブレットには今病院の一室にいるマンティの顔が映ってる。そう、マンティだけリモートなんだよね。

脚がまだまだ出歩ける状態じゃないから病室でパーティー――なんてことが出来るはずもなく。ならせめて、ということでこういう形での参加となった。

ライム「それにしてもマンティさんは気合いが入ってますね。サンタさんの帽子、似合っていますよ!」

マンティ『あ。ぅ、こ、これは、ナースの人がプレゼントしてくれて……!は、恥ずかしぃ……』

……よく見るとマンティの背景にもクリスマスっぽい飾り付けがされている。なんだかナースさんにだいぶ可愛がられているような雰囲気。

…………マンティっぽいなとなんとなく思った。

パピヨン「さてさて早速ご飯食べちゃおう!ライムが彼氏にふるまう予定だった料理、全部平らげちゃおうねシルフィー?」

シルフィー「こ、これが彼氏くんに込められた愛情の味なんですね……!」

ライム「まあ、美味しく食べてくれるのは嬉しいんだけど……!パピヨンさん!」

――こうしてクリスマスパーティーが始まった!

さぁて食べるぞ食べるぞ!

誰に話しかけようかな……:安価直下
1 グリーンシルフィー
2 ステラライム
3 ブラックマンティ

更新時間はもう少し早い時間にしたいですけど、なかなか難しいですね〜。たまに早めの時間に出来たりもしますけど、まあ時期によります。

シルフィー「もくもく……んっ、美味しい……!」

パピヨン「シルフィーって結構食べるタイプだよね」

シルフィーの手に持った紙のお皿にはこれでもかと盛られた料理。もくもくと食べては目をキラキラと輝かせている様は、なんだかおもしろい。

……もぐもぐ。やっぱりライムの料理は絶品だ、前に試食した時よりも美味しくなってる。

パピヨン「はーあー、クリスマスはもっとキラキラしてると思ったけど結局いつもの面子でご飯食べて……あんまいつもと変わらないじゃん」

シルフィー「ふふっ……私は楽しいですよ。パピヨンさんは、つまらないですか?」

……そういうことをアタシ言ってないんだけど。ズルい、つまらないとかそんなわけないでしょ。

ちょっと変化があると思っただけ!お兄さんも今仕事でいないし!てかお兄さんクリスマスに仕事!?かわいそ!

シルフィー「……クリスマスが終われば直ぐに年が明けて、そしてまたレースですね」

パピヨン「んね、レースレースレース、トレセン学園の生徒らしくそれくらいはしなくちゃね」

――走るのは好きだしそれは問題ない。好きだから走る、好きだから走り続けられる。

これが私の原点で、他にも色んな要素が付け加えられたけど――そこは変わらないと思う。ある意味で、お兄さんと出会ってから今に至るまでで、一番アタシが理解した部分かも。

勿論、誰かのために走るとか、期待を背負うとか、そう言うのもあるけどね。

シルフィー「ウマ娘は走るために生まれてきた……私も、パピヨンさんも、ライムさんもマンティさんも……誰しもが例外ではありませんよね」

語るシルフィーに頷く。そうでもなきゃ、アタシはきっとトレセン学園になんて来ていないからね。

ちょっと自由安価します。



シルフィーと何かお話。:自由安価直下

パピヨン「じゃあシルフィーが走る理由ってなによ」

シルフィー「走る理由、ですか?」

――ウマ娘は走るために生まれてきた。それはそうだと思うけど、走る理由や、走る為のエネルギーは千差万別。

自分自身の夢のため、憧れのため――アタシの場合は、期待に応えるため。そして、ライバルのため最強になるために、走る。

あ、もちろん走るのが好き!ってのは前提条件なので言わなかっただけだけど?

シルフィー「――最初は親友との約束を果たす為でした。トリプルティアラウマ娘になるのが、私が走る為のエネルギーになっていました」

けどそれは最初の冠の時点で果たせなくなってしまいました……あの時は、とても気分が落ち込んでいましたね。

パピヨン「ああ、そういえばそんなだったねあの時期」

言われてみると、確かに。桜花賞で負けてから暫くはシルフィーもう死にそうな表情だったっけ。心配になるくらいだったけど、何時の間にか立ち直ってたから特にアタシも何も言わなかったっけ。

シルフィー「トレーナーさんに言われました。夢破れても、最初で挫いてしまっても――走り続けるべきだと」

――親友との約束。今思えばウマ娘のアタシにずっとずっと走って欲しいために行った言葉――なんじゃないかなと、今ではなんとなく思います。と、クスっと笑う。

シルフィー「ですから私のエネルギーは親友との約束のため、というのは変わりませんけど。私が走り終えて――最後、親友に向かって無事に走り切った!と報告をするためかもしれませんね」

パピヨン「……大好きじゃん、その親友のこと」

シルフィー「――ええ、大好きです」

うわっ、やば……。

誰に話しかけようかな……(最後):安価直下
1 ステラライム
2 ブラックマンティ

ブラックマンティスの名前間違えてるのに気づいてたのに直し忘れてました……。



ライム「どうですかパピヨンさん!パピヨンさんのアドバイスを参考に料理したんですけど……!」

パピヨン「ん〜……ひゃくてんまんてーん」

ライム「!!!」

……分かりやすいくらいに満点の笑顔。嬉しそうだなぁ、ほんと。

このステラライムってウマ娘はずっと明るい。優しくて礼儀正しくて、前向きで――眩しい。

星のように明るくて、瞬いている。

パピヨン「…………」

そんなに輝いているから、アタシも――こんな風になっちゃった。暗いアタシを嫌になるくらい照らす一等星。それが――。

ライム「?パピヨンさん」

パピヨン「あ、いや。やっぱライムの料理はおいしいな〜って。やっぱり愛情かな?必要なのは」

ライム「も、もう!だからそうやって茶化すのは止めてください!」

パピヨン「ぷぷぷ!」

――だからずっと輝いていてほしい。曇らないで、陰らないで。アタシを照らしたその責任――取ってよね。

ライバルとか言いだしたのも悪い、あんなグイグイ来たのも悪い。ああ、ほんっと、出遭わなかったら――どうなってたんだろアタシ。

ライムと何かお話。:自由安価直下

パピヨン「そういえばレコードおめでと。テレビでちゃーんと見てたよ〜?」

ライム「あ、はい!ありがとうございます!」

――あのチャンピオンズカップ以来、テレビ番組でちょくちょくライムの事を見る機会が多くなった。そりゃあレコードを取るほどの実力で、明るくて真面目で良い子なんだから、うってつけだよね。

アナウンサーの人の質問にハキハキ答えてるのが好印象な感じ。変なこともあんまり言わないし。

パピヨン「レコード出した時の気持ちはどうですか〜?ステラライムさ〜ん?ほらほら、アタシにも教えてよ〜」

ライム「ちょ、ぱ、パピヨンさん止めてください……!んっ、脇腹突っつかないでくださいよぉ……!」

つんつんつんとライムの脇腹を攻撃。このこの、有名ウマ娘め。勝負服だったら背中をつんつんしてあげちゃうからね。

ライム「……正直な所、レコードを出した時の感動というのはあんまりないんです。それは勿論、嬉しい!みたいな気持ちはありましたけど……」

パピヨン「ふーん?」

――ああ、なんとなく分かったかも。

ライム「私としては、精一杯頑張った結果一着を取れてそれがレコードであってもなくても――それは同じ気持ちです」

どんな一着でもアタシは精一杯の感謝を伝えますし、同じくらい嬉しいです。

ライム「な、なんて。ちょっと傲慢ですかね。実はこれ、テレビでもあんまり言ってないんですよ……あはは」

パピヨン「うん、知ってる。聞いててちょっとモゴモゴしてるなって思ったもん


ライム「うぇ!?」

パピヨン「ライムがレース系で結構傲慢なのバレてると思うけどね〜。だって話してる感じとか、オーラとか凄いよ?」

ライム「そ、そうですか……?あ、あんまり意識はしていないんですけど」

――まあ無意識だろうなとは思う。だって、狙ってあんなこと言えたら驚きだよ。天然物の発言じゃなきゃあり得ないよ。

「――――私はパピヨンさんをライバルだと思っています!」

こんなセリフ、押しつけがましいにもほどがある。勝手にライバル認定して、勝手に期待して、勝手にアタシにはライムに勝てる力があるみたいなことを、明るく言って――。

――だから、アタシは。

パピヨン「――でも、アタシそう言うの嫌いじゃないよ?ライムらしいじゃん」

ライム「……?は、はい!ありがとうございま、す……?」

パピヨン「褒めてるの!だから素直に受け取っておきな〜?」

なんだか納得がいっていないみたいで、うーんと首をかしげているけど。本当にそういうところは嫌いじゃないよ?アタシは。

マンティ「――パピヨンさん、パピヨンさん」

パピヨン「ん?どしたのマンティ」

――タブレット越しにマンティに名前を呼ばれる。何時の間にかサンタさん帽子は取っていていつもと変わらない普段通りのマンディがそこにいた。

あーあ似合ってたのに、勿体ないなぁ。

マンティ「その、この前は……ありがとうございました」

パピヨン「……え、なんかやったっけアタシ」

マンティ「え、ええっ!?あ、あの、前に言ってくれたじゃないですか……!わ、我が儘になって良いって、リハビリ頑張れって……!」

パピヨン「ぷぷ、冗談だって冗談。覚えてる覚えてる」

いや、最初から覚えてはいた。マンティに改まってお礼を言われるようなことなんて、あれくらいしかない。けどアタシにとってあれはそんなお礼を言われるようなものじゃないと思う。

我が儘で良いなんて普通の女の子なら当たり前のことだと思うし。アタシはそれに付き合っただけ。むしろアタシの我が儘に突き合わせてる感じ。

――でも、それでマンティが元気になってくれたのなら、アタシも嬉しい。

マンティ「わ、私……頑張ります!だから、パピヨンさんも……頑張ってくださいね」

パピヨン「――うん。頑張る頑張る」

――――一年後、マンティが走れるようになったとき。最強のウマ娘として――立ちはだかる。その為にもまずは。

ライム「……?」

パピヨン「自分で作ったものだから全然良いと思うけど、そんなに食べると太るよ?」

ライム「ふぁ、ふぁい!?」

――あの青く輝く流星を、どうにかしなくちゃね。

日付変わったので今日はこれだけ、お疲れさまでした。

次のレース決めしてからお正月です。

パピヨン「ぷぷぷ〜、クリスマス当日に一人ぼっちで寂しい夜を過ごしたおにいさーん!寂しいのは分かるけど、可愛い担当ウマ娘をトレーナー室に連れ込むのはアタシどうかと思うけどな〜?」

『キミなぁ……』

クリスマスが終わり、【貴方】はシルヴァーパピヨンをトレーナー室に呼び出す。いつもの調子でいつもの感じに煽られバカにされ、何とも言えない表情をする【貴方】

実際今年のクリスマスは仕事の消化だけで終わってしまった。一応の休日ではあるが、新米の【貴方】にそんな休日はあってないようなもので、それは他のトレーナーにとっても同じだった。

『……そういうことを言っていると、もし自分が一人で過ごすことになったときに返ってくるぞ』

パピヨン「え〜?アタシ、そんな寂しいクリスマスを過ごす予定とかないからな〜。あ、ごめんねお兄さん?アタシクリボッチとか経験したことないから気持ちが分かんなくて〜」

『……』

――クリスマスという特別な日だからこそ、彼女の煽りが苛烈だった。正直、あまり一人ぼっちということは気にしていなかったが、ここまで言われてしまうと……ちょっと気にしてしまう。

パピヨン「ほらほら、寂しいお兄さんは何の用でアタシを呼んだのかな〜?アタシも暇じゃないんだからさ〜」

『キミ本当に後で怒るからな……はぁ』

【貴方】はため息をついて、話を戻す。パピヨンする予定だった話というのは、次走のレースについてである。

年明けてから最初の戦い、ここは慎重に決めたいところだが――今回に限っていえば。分かりやすい目標がある。

『――ドバイゴールデンシャヒーン』

ドバイ首長国にあるメイダンレース場にて行われる、ダート1200mのG1レース。ドバイゴールデンシャーヒン。年明けてから海外のダート短距離G1に出るとしたら、まず候補に挙がるものだ。

世界からダートスプリンターが集まり己の脚を競い合う電撃戦。参加するなら今しかないと、二人は思う。

パピヨン「けど――アタシとしては、一発かまさなきゃいけない相手ももちろんいるんだよね」

仮に世界を獲ったとしよう、しかし。その世界ではまだ勝てていない相手がいる。

勿論それは、ステラライムである。

『ステラライムが次に出走するであろうレースはG1フェブラリーステークス。東京レース場で行われる1600mのマイル戦だ』

――東京、左回り、1600m。この条件は、ステラライムに大敗したあのユニコーンステークスと同条件だった。

シルヴァーパピヨンの眉間に皴が寄る。

『もしフェブラリーステークスに出るのであれば、前哨戦としてG3根岸ステークスに出走するという手もある。が――その場合出走間隔がな』

出るレースによってはドバイでのレースは諦めて、他のレースに向けるという手もある。ライバルとの約束は一年後――それまでに、一度でも海外に羽ばたくことが出来れば。

パピヨン「ま、どんな結果になろうとお兄さんがアタシのために頑張ってくれるんでしょ?トレーニングか、スケジュール調整と」

『ああ、当たり前だ』

――どうなったとしても、パピヨンが走れるように調整をする。我が儘を聞いてあげることがトレーナーの仕事であると【貴方】は考える。

海の向こうへ挑戦状を叩きつけるか、最強のライバルと決着を付けるか、レースを経て経験を積むか。

さあ、次走は――。


次走:安価下3までで多いもの。多数決。※今回に限り、海外直行ありです。

1 3月後半、G1ドバイゴールデンシャヒーン
2 2月後半、G1フェブラリーステークス(VSステラライム)
3 1月後半、G3根岸ステークス



今日はこれだけです。おやすみなさい。

今回は多数決です。多かったものを採用します。そろそろ物語が大きく動き出しそうですが、どうなっても相手は最強レベルです。

記者「――――なるほどなるほど!ドバイゴールデンシャヒーンに挑戦ですか!」

トレーナー室のソファに腰を掛けるその男は【貴方】のそのセリフに目を輝かせ、テーブル越しに上半身をグイっと寄せ【貴方】に迫る。

――シルヴァーパピヨンに初めて取材をしたあの記者。今もなお取っておいた名刺から連絡して次の日にはもう来てくれた、あの日以来一度も取材には来なかったのでもう忘れられているのではないかとも思ったが、そうでもないようだった。

記者「いやぁすみませんね、わたくしとしてもパピヨンさんの取材に赴きたかったのですが、いかんせん下っ端なもので上からの命令で他のウマ娘ばかり……」

『いえいえ、気にしないでください。その上からの命令で取材をさせたくなるようなウマ娘に出来なかった、自分の責任ですから』

パピヨンの言動を差し引いても取材したくなるような、輝かしい成績のウマ娘であったら、きっと今頃取材陣に囲まれまくりである。それは流石に勘弁したいなと【貴方】はぼんやり考える。

記者「しかし海外初挑戦、しかもG1競争……少し無謀ではありませんか?パピヨンさんの戦績から考えますと、ジャイアントキリング狙いでしょうか」

それともパピヨンさんの本領は海外のダートであると?記者は問いを投げかける。

――確証はない。未だ海外で走ったことがないのだから、可能性は未知数であり、無限大だ。しかしいうなればそれは、パピヨンが海外の大舞台で惨敗するかもしれないという可能性もある。

無謀で、無鉄砲。考えなしで、勢い任せ。

『けどそれでも、自分は――パピヨンなら、やれると信じています』

自分はシルヴァーパピヨンのトレーナーですから。彼女の信じる、走りたい道を走らせてあげたいんです。

記者「なるほどなるほど……はい、貴方のシルヴァーパピヨンさんへの熱い思いは伝わりました。では、そのように記事は書かせてもらいます」

少々脚色は加えるかもしれませんが、きちんと載せさせてもらいますよ。と、笑顔で言う男。その笑顔にどことなく不安を覚えるが、まあ、大丈夫だろう。

『すみません、よろしくお願いします』

記者「ところで、何故わたくしを?シルヴァーパピヨンさんの海外挑戦ならば、もっと大きな雑誌でも取り上げられそうなものですが。自分で言うのも何ですが、木っ端の雑誌ですよ」

――――確かに、最初に呼んだ記者はこの男だ。だが別に他の雑誌にも宣伝するつもりだし、テレビで小さなニュースくらいはなるかもしれない。

けど、なんとなく【貴方】がこの男を最初に海外挑戦を伝えたのには――あの日の彼女の言葉が理由だった。

『……パピヨン曰く、よっぽど見る眼があるそうですから。貴方は』

――パピヨンの事を見透かしたように語ったあの日の男。真っ先にパピヨンを取材した記者の男。それを、パピヨンは見る眼があると言った。

それだけの理由、それっぽっちの理由。

記者「――はは。成程、記者としてそう言って貰えると嬉しい限りです。では私の記者としての人脈や能力を使い出来るだけこのニュースを広げましょう!さあ、日本中に伝えるのです!シルヴァーパピヨンさんがドバイの地で世界一に輝くのだと!」

『ええ、よろしくお願いします!』


雑誌の見本誌が送られてきたので確認をする。ぺらぺらと捲り大々的に書かれたその見出しを見る。


――――シルヴァーパピヨンは世界で羽ばたく!ドバイの地でその実力は覚醒!?


……まあ、いいか。ギリギリ、許容できるか……?

ああ、こら。そこの当事者ウマ娘。笑うな笑うな。ああくそ、なんで虹色でこんな見出し作るんだ……!



――次走が3月後半、G1ドバイゴールデンシャヒーンに決まった!

パピヨン「あけおめことよろ〜」

『雑だな、色々と』

――新年早々、トレーナー室にやってきたパピヨンはそう一言だけ言ってソファに腰を掛けた。

パピヨン「ほらほら、どうせお兄さんの事だしお汁粉とか用意してくれてるでしょ?レンジでチンしてきて〜」

『……はいはい』

まあ、用意はしてるんだが……。コンビニで複数個買っておいたので、自分のと合わせてレンジでチンをする。

パピヨン「アタシの部屋ちょっと寒いんだよね、シルフィーも寒いって理由でトレーナーのお部屋に温まりに行ってるし」

『へぇ、結構そういうウマ娘は多いんだな……なら、あれだな。炬燵でも出しておけばよかったか』

パピヨン「えっ!?炬燵あるの!?なんで出してないの!?あり得ないんだけど!?」

『……』

滅茶苦茶怒られた。

『ほら、お汁粉。あっついからゆっくり食べるんだぞ』

パピヨン「ん、ありがと〜」

…………。

はふはふと二人でお汁粉を食べる。特に会話はなく、静かな時間だけが過ぎていく。

――嫌な空気じゃない。パピヨンと二人きりで過ごすこの空間が、【貴方】にとって居心地のいい空気になっていた。多分パピヨンも似たようなことを考えているだろう。

『……』

パピヨン「はふっ、はふっ……あむっ。もぐもぐ……」

……ぼんやりと、お汁粉を食べるパピヨンを眺める。小さなお口にびよーんと伸びたお餅を入れて、熱そうにしながら食べている。あんなにゆっくり食べろと言ったのに……まあ、しょうがないか。

パピヨン「……何見てるのお兄さん。キモいよ?」

『はいはい、悪かったって』


新年、トレーナー室、二人っきり:安価直下
1 シルヴァーパピヨン世界挑戦、世間の反応
2 新年の抱負
3 自由安価





今日はこれでおしまいです。ありがとうございました、おやすみなさい。

『パピヨンは新年の抱負とか決めてるのか?』

パピヨン「新年の抱負ぅ?ああ、去年もこんな話したよね」

去年のパピヨンが語った新年の抱負は――ステラライムに勝つ。ライバルに勝つために、新たに気持ちを入れ替えてレースに臨むというパピヨンの意思表示。

ああ、もう一年も経ってしまったのか……と、なんだか寂しい気持ちになる。

パピヨン「んじゃ、今年の新年の抱負は――勿論、最強のダートウマ娘になる、だよね」

当然だよね、と言いながらハフハフとお汁粉を食べる。少し時間が経ったからか少し冷めて、落ち着いて食べることが出来ている。

――最強なんて軽々しく願えるものじゃない。最も強いと書いて最強で、その意味と果てしない道のりを、きっとパピヨンも分かっているはずだ。

――――けど。

『……自分がキミを最強にして見せるよ。シルヴァーパピヨン』

これくらいの我が儘を叶えて見せてこそ、トレーナーだ。

パピヨン「……ふふっ。お兄さんそんな大層な事言って、大丈夫〜?アタシお兄さんと長い付き合いだけど、そんな有言実行できるような人に思えないけど」

長い付き合いといってもまだ2年くらいだろ、と思わざるを得ないが――まあ、濃い付き合いだとは思う。

『そこは付き合ってくれよ。ほら、お汁粉食べ終わったなら容器捨ててくるから』

パピヨン「ん、ありがと〜やっさし〜」

『……』

――パピヨンと会話をしていると、ふと思うことがある。自分は心の底からパピヨンを最初の担当ウマ娘にしてよかったと思っている、しかし――そのせいでパピヨンの本来の力を引き出せていないのではないかと。

例えば、ステラライムのトレーナー。グリーンシルフィー、ブラックマンティスのトレーナー。自分の身近にはトレーナー経験が豊富なベテラントレーナーが沢山いる。

――自分がトレーナーじゃなければ全日本ジュニア優駿で一着に輝けていたかもしれない、ユニコーンステークスでの惨敗もなかったかもしれない。もっともっと効率的なトレーニングで、パピヨンを育てることが出来たかもしれない。

『……』

自分がパピヨンを最強にして見せる。これは嘘偽りのない本心だ。でも、パピヨンの事を思えば――夢を願うのなら。パピヨンのことを第一に考えるのなら。自分は――――他の人に、その役目を。

『…………あ、そうだアイスもあるな』

そんな事を考えながら、冷凍庫にアイスが残っているのを思い出し漁る。パピヨンは結構見た目でアイスやお菓子を選びがちだが、実は結構シンプルな味の方が好みだ。

チョコ系か、バニラ系か――まあ、ここはどっちも持って行って選んでもらおうか。それにパピヨンの事だ、自分が食べた方も食べてみたいというかもしれないしな。

『……よし』

――――パピヨンは、後悔していないだろうか。自分というトレーナーに絡まれて、担当トレーナーにしてしまった事を。

もしかしたら、心の奥、そんな思いを隠して……付き合っているのかも、なんて。こんな寝る前に考えてしまうようなことを、今考えてしまうなんて。早くアイスを持っていこう。

パピヨン「――あ、アイス!お兄さんやるじゃん!」

『ああ、丁度残ってるのを思い出してな。チョコとバニラどっちが良い?』

パピヨン「ん〜……じゃあバニラ!」

はいよ、と言ってバニラをパピヨンに渡すと嬉しそうな表情でアイスの蓋を剥がす。ストーブの熱も相まって、バニラのアイスはほんの少し溶けていた。

パピヨン「丁度いい感じに溶けておいし〜!うわ、お兄さんのチョコも良い感じじゃん。そっちも後で頂戴ね」

『分かってる分かってる』

――――今嬉しそうに笑うパピヨンも、自分でなければもっと、もっと笑わせてあげれたのかもしれない――。なら、自分は――もっともっと、もっともっともっと勉強して、パピヨンを笑わせてあげよう。

世界の、海の向こう側の、G1の舞台でこそ。彼女という蝶は笑顔で羽ばたくべきなのだ。

――もしそれでも、蝶を極上の舞台で羽ばたかせてやれないのなら、自分は。

パピヨン「あ、そうだ。お兄さんの新年の抱負って?」

『……そうだな、新年の抱負か』

パピヨンに問われ考える。改めて、今この段階で抱負を決めるとするならば――一つしかない。

『――――キミにふさわしいトレーナーになるよ、パピヨン』

どんな我が儘にも答えられる、キミのためのトレーナーになって見せる。

パピヨン「ぷぷ、カッコいいじゃん……でもちょっと自分に酔ってない?』

『キミなぁ……』

そう言いながら、自分はチョコのアイスをスプーンですくい、口に運ぶ。

……もうアイスはだいぶ溶けていて、ドロドロの液状になってしまっていた。

今日はこれだけ、おやすみなさい。

暫く安価コンマ少なめかもです。

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