英寿、茜、奏、みく「ここからのハイライトは……」飛羽真「俺たちが決める!」 (92)

前作、セイバー×デレマス飛羽真「物語の結末は!」茜、奏、みく「私たちが決める!!!」 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/i/read/news4ssnip/1660878596/)の続編です。デザイアグランプリにて不敗神話を築いた仮面ライダーギーツこと浮世英寿が、今回自身の知らない世界での『謎のゲーム』に緊急参戦することとなります。

果たして、そのゲームの真実とは一体。そして、前作のセイバーの世界に何が起こったのか。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1688398757

デザイア宮殿

英寿「この世界は……一体何が起こってるんだ、姉さん?」

ツムリ「その設定、ここでも持ってくるんですね……ええ、ふと気がついた時、どこか様子のおかしい世界が目前に広がっていたのです。
どうやらこの世界は、私たちの知る世界とは違う世界のようです」

英寿「違う世界……?創世の力で創り変えられた世界じゃないってことか」

ツムリ「そもそも、現状で世界を創り変えられるのは創世の力を受け継いだ貴方だけのはずです。となれば、この世界は私たちのいた場所とは違う……いわば、並行世界のようなものでしょうか」

英寿「並行世界……タイクーンやナーゴ、バッファ、パンクジャック、ましてや運営もいない。そんな世界にどうして俺たち二人だけが……」

事務所

茜「ふぅっ……おはようございますっ!!!!!!!!!!!!!!!!」カッ!!!!!!!!

みく「いぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!うっっっさいにゃ!!!!なんでわざわざ耳元で叫ぶんだにゃ!?」

茜「えへへっ、何となくですっ!」

みく「何となくじゃねぇにゃ!超爆音で鼓膜破れたかと思ったにゃんよ!?」

奏「ふっ、みくも茜も、相変わらず仲が良いことね。こんな朝早くから痴話喧嘩だなんて」

みく「あ、奏ちゃんもおはようにゃ……って、痴話喧嘩じゃないにゃんよ!?これは仁義なき乙女の戦いなんだにゃ!」バッ!!

茜「じん、ぎ……?よく分かりませんが、バトルというならど~んと受けて立ちますっ!!そうですね……カレーライス大食い対決なんてどうでしょうっ!!」ワクワクキラキラ

奏「……」

みく「……はぁ、その天然さには、流石のみくも置いてかれる一方にゃんよ……」

茜「へ?」

奏「やれやれね……まあいいわ。それで?今回の作戦はどうするのかしら、二人とも?」

みく「うーむ、そうにゃんね……まーたジャマト達が陣地に乗り込んできたら面倒にゃ。今回は一旦守りに入って、陣地の確保と防衛強化に徹するにゃ!」

茜「分かりましたっ!!前回は最後の方にジャマトに陣地を奪われ、最下位ギリギリになっちゃいましたからね……今回は堅実に行きましょうっ!!」

奏「陣取りゲーム……今月のお題は、ジャマトの攻勢を凌いで、いかに多くの陣地を獲得するか、よね。私たちみたいに事務所のアイドル達は、グループを形成して競い合い、一位を目指し戦い続ける」

みく「そうにゃ。そして、この『シンデレザイアグランプリ』で見事『デレ神』の座に登り詰めたグループは、自分の理想の世界を叶える権利が与えられるんだにゃ!!
もう負けないにゃ、今度こそは絶対、みく達の理想の世界を叶えるんだにゃ~っ!!」

茜「えいっ、えいっ、おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!!!!!ですっ!あっ、早速開始時刻になったみたいですよ!変身しましょう!」カチャ

みく「りょーかいにゃ!」カチャ

奏「ええ、分かったわ」カチャ

【デザイアドライバー……ENTRY】
【デザイアドライバー……ENTRY】
【デザイアドライバー……ENTRY】

英寿「……シンデレザイアグランプリ。この346プロダクション内で行われる、理想の世界を叶えるゲーム、か」スッ…

英寿「……俺も、少し探らせてもらうぞ。アイドル達」カチャ

【デザイアドライバー……ENTRY】

渋谷スクランブル交差点屋外ビジョン

「シンデレザイアグランプリをご覧のオーディエンスの皆さま、こんにちは!本日の司会担当を務めます、ナビゲーターのちひろです!」

ちひろ「本日も、私ら事務所のアイドル達が、己の理想をかけて競い合うリアリティーアイドルショー、シンデレザイアグランプリが始まりますよ!
今月は陣取りゲーム、ジャマトや他グループとビル内の陣地を取り合い、最終日までにより多くの陣地を確保していたグループがデレ神に輝きます!」

ちひろ「さあ、デレ神となり、理想の世界を叶えるのはどのグループなのか!このデレグラ、一瞬も目を逸らせませんよ!お楽しみにっ!!」

【ウオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!!!!!!!!!】

デレグラ会場、346プロダクション本社内

みく「にゃっはっは!!まさかこのちっちゃな部屋が新たなる拠点だなんて、他のグループも、ましてやジャマトも気づけないにゃんね!」

茜「ええ!!なんてったって、ちょーちっちゃいんですから!ちょーです!ちょーちょーちょーーーちっちゃいんですっ!!!」

奏「……てか、ここ階段下の物置よね。部屋というより……用具入れに近くない?」

みく「……」

茜「……」

奏「……さては、初手からめちゃめちゃビビったわね」

みく「にゃっ!?び、びびびび、ビビってなんかな、ななな、ないにゃ!?ただ、ビル内のジャマトを避けて辿り着いた場所がここなだけで、べ、別にこっ、こここここここここ怖い、わけじゃないにゃいしぃ!?」ブルブルブルブル

茜「そ、そそそそそそそそそ、そうですぅっ!!!」ブルブルブルブル

奏「……前回のジャマトの襲撃が、よっぽどトラウマになったのね。勝ち確の状況から一転、ボロ負けになったんだもの、無理はないわ」

奏「でもそれじゃ、理想の世界は叶えられないわよ。私たちの……理想の、世界」

みく「うーん、みくの、りそ、う、の、世界……?」

茜「理想……私の、理想の、世界……?」

奏「そう……って、どうしたの、そんなピンと来ない顔して。まさか願いを忘れたの?全くお寝坊さんね、私たちの願いは……」

奏「……あ、れ……?私、たち、の……えっ……!?なん、だったかしら……思い出せない!?」



茜「はっ!?みっ、みくちゃん、奏ちゃん、あれ見てくださいっ!!!」

ジャマト【ジ、ジャッ、ジャッ、ジャァァ……ッ】

みく「へっ……にゃにゃぁぁぁぁっ!!??じ、じじじ、ジャマトにゃ!?な、なんでこんなところに!?」

奏「っ!?まずいわ、まだこんな狭いところしか陣地を持ってないのよ!ここを取られたら、私たち終わりよ!!」

茜「分かっています!こうなったら……もう、やるしかありません!!」バックルセット

【聖剣ソードライバー!】

茜「変身!!!!!!!!!!」カチッ

【烈火抜刀!ブレイブドラゴン!烈火一冊、勇気の竜と火炎剣烈火が交わる時、真紅の剣が悪を貫く!】

茜セイバー「物語の結末は……私が決めます!!」READY FIGHT

奏「っ……とにかく、今は戦うしかないみたいね。みく、行くわよ!」バックルセット

みく「ふ、ふん!!こ、こやくなんか……こわくなんか、にゃ、にゃいっ!!!」バックルセット

【聖剣ソードライバー!】

奏「変身!」

みく「へ~んしんにゃ!!」

【烈火抜刀!ブレイブドラゴン!】

奏セイバー「行くわよ、火炎剣烈火……」READY FIGHT

みくセイバー「ふん!このデッカい剣で、すぐに終わらせてやるにゃ!!!」READY FIGHT

茜セイバー「行きますよ……全ては私たちの、理想の世界のためにっ!!!」バッ!!

ジャマト【ジャマァァァ……ジャマァァァァァァッ!!!!!】

奏セイバー、みくセイバー、茜セイバー「とりゃぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!」ダッ!!!

この世界のどこかに存在する本屋

「……ん?」

「むむ?どうしたの、飛羽真?そんなボーッと宙を見つめて」

「ああ、いや、芽衣ちゃん……なんていうか、その……」



「急に嫌な、胸騒ぎがして、さ……」

みくセイバー「はぁ、はぁ……や、やば、い、にゃ……」フラフラ…

ジャマトライダー【ジャッ、ジャッ、ジャァァ、ッ……】ユラァ

奏セイバー「まさか、アイツらもデザイアドライバーを使えるなんて……この前まで、変身なんかしてこなかったのに……?」

茜セイバー「ジャマトも、私たちとの戦いを経て、進化しているということでしょうか……っ!?危ない、みくちゃんっ!!」バッ!!

みくセイバー「っ!?茜チャン!!」ドン!!!

【ジャ、ジャ、ジャ、ストライク!!!】

茜セイバー「ぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!」ガン!!!!!

みくセイバー「茜チャン!!!」

奏セイバー「茜っ!!」

茜セイバー「ぐぅっ、あ、ぁぁ、っ……」バタッ

ジャマトライダー【グッ、フッフッ、ハァッハッハァ……】スッ…ガシッ

奏セイバー「離れなさい……その子から、今すぐに離れて!!手を、離しなさいよ!!」ダッ!!!

みくセイバー「ぐ、うぅっ……その手を、離せ、だにゃぁぁぁぁぁっ!!!」ダッ!!!

奏セイバー「ダメ、間に合わな……やめて、やめてぇぇぇぇっ!!!」

【ジャ、ジャ、ジャ、ストライク!!!】

茜セイバー「う、っ……たす、け、て……だれ……か」

茜セイバー「……と、う、ま……さ、ん……」ボソッ……

ジャマトライダー【ジャァァァァァァァァァァッ!!!!!!】ブン!!!



「……理想を諦めるには、まだ早いぞ」スッ

【マグナムシューター40X!!CHARGE,TACTICAL SHOOT!!】

ジャマトライダー【!?ガァァァァッ!!】バタッ

奏セイバー「!?」

「こんなところで終わってたら、一生理想は叶えられない。最後の瞬間まで、諦めずに立ち向かえ。本当に、大切な何かを願うならな」

奏セイバー「あな、たは……」

【SET】

みくセイバー「だ、れ……なんだ、にゃ?」

「変身」…パチン

【DUAL ON, GET READY BOOST!& MAGNAM!】

「……仮面ライダーギーツ」



ギーツ「さあ……ここからが、ハイライトだ」READY FIGHT



【BOOST TIME!】

ジャマトライダー【グ、グフ、ゥゥッ……?】ユラァ

ギーツ「フッ……ハァァァァァァァッ!!!!!」



【MAGNAM, BOOST, GRAND VICTORY!】



ジャマトライダー【ジャッ!?……ジャァァァァァァァァァ!!!!!!!!!】

英寿「ふぅ……間一髪のとこだったな、お前ら」

みく「ギー、ツ……って、一体なんなんにゃ、アンタ!?」

英寿「俺は浮世英寿。少し訳あって、この世界のゲーム『シンデレザイアグランプリ』を探らせてもらっていた。どうやらドライバーも、バックルも、IDコアも、俺たちの世界と共通のものらしいな」スッ

奏「それってデザイアドライバー……本来なら、この346プロダクションからアイドルへと与えられる支給品のはず……どうしてアイドルでもない貴方が、それを持っているの?」

英寿「それは……っと、その前に、まずはアイツの様子を」

みく「っ……!?そ、そうにゃ、茜チャン!!茜チャン、大丈夫にゃんか!!」

茜「う、っ……みく、ちゃん……」

みく「本当に、本当にごめんだにゃ!みくがビビって気抜いたせいで、茜チャンが庇って、こんな目に……」

茜「……平気、です、っ。私たちはいつでも一緒の、大切な友達、ですから。一人では抱え込まないで、みんなで力を合わせる……そう、一緒に『約束』しましたから!!」

英寿「……」

茜「あ、はっ、は、はぁ……っ……」カクッ

奏「……今はゆっくり休んでなさい、茜。起きるまでの間、私たちが絶対に守るからね」スッ

みく「うん……絶対に守る。約束だにゃ、茜チャン」スッ

英寿「ふっ、約束、か。どうやらこの世界は、俺たちの世界よりも『絆』に重きが置かれているらしいな。こんなチーム戦のデザグラも、どこかではあり得たのかもな」

みく「デザ、グラ?……な~に言ってんのかサッパリにゃんけど、仲間や友達と一緒に力を合わせることは、みく達が絶対に忘れないでいることなんだにゃ」

奏「ええ、不思議と、そのことは強く私たちの心に刻まれてるの。まるでかけがえのない、『誰かとの繋がり』みたいにね」

英寿「……そうか。その気持ち、大切にしておくんだな」

奏「もちろん、言われなくても、よ」

英寿「よし、このゲームについて、少しだけ情報が掴めた。俺は今後もゲームを探るために行動していく。そこでだが……俺をお前達のパーティーに加えてほしい」

みく「にゃっ、英寿チャンが、みく達の仲間に?」

英寿「ただでとは言わない。安定した情報収集の礼に、お前達のデレ神入りをサポートしてやる。このゲームとは違うが、俺はこの手のゲームには慣れてるんだ。きっと力になれるさ」

奏「さっきの戦いぶりを見てたら、それは何となく分かるわ。私たちも、そこまで歴が長い訳じゃないの。こちらからもお願いさせてもらうわ」

英寿「ああ。よろしくな、アイドル達」グッ

みく「うん、よろしくにゃ!!」グッ

数時間後、デレグラ内

【MAGNAM, STRIKE!】

ギーツ「……確保は、これで、っと。よし、ここら一帯は全て俺たちの陣地になった」

みくセイバー「おお、流石にゃ、英寿チャン!!バリバリの強さを見せてくれるにゃんね!」

奏セイバー「ホント、不思議な人……初心者でないなら、一体どこでこんな強さを身につけたのかしら」

ギーツ「ははっ、まあ、伊達に2000年生きてないからな」

みくセイバー「ん、ん?……さては、英寿チャン、茜チャンばりの天然キャラだにゃ?」

ギーツ「どうだか。信じるも信じないもお前の自由だ、ほら、次が来るぞ」スチャ



他グループメンバーライダー【にゃはは~ん♪アタシが勝ったら、この世界、ちょ~シゲキ的なメチャクチャ世界にしちゃお~っと!】READY FIGHT

他グループメンバーライダー【あー、早くこんなこと終わらせて、寝てても永遠に印税が入ってくる世界にしたーい。てか、運営様も杏の言いなりにしてやろーっと】READY FIGHT

ギーツ「……ほう、運営、か。さながら、この346プロダクションの関係者、いやむしろエンタープライズそのものか?」

他グループメンバーライダー【もし一位になったら、日頃お世話になってるお父さんやお母さん、凛ちゃんや未央ちゃんに目一杯喜んでもらえる世界にしたいな!えへへ……そのためにも、私、頑張るからねっ!】READY FIGHT

みくセイバー「みんな、自分自身の理想を掲げて、ゲームを戦ってるんだにゃ。誰かの理想が叶えば、その分だけ叶わない不幸が生まれる……みんながみんな、幸せになれるわけじゃないんだにゃ」

他グループメンバーライダー【ぐふふふふ……アタシが勝ったら、この事務所中、いや、世界中の女の子のお山を永遠にもみもみ、わきわきできる世界に……うひっ、た、堪らんっ!!!】READY FIGHT

みくセイバー「って、いやいやいや、おおおおい!!!!?そんな世界、死んでも叶えさせるわけねぇだろうがにゃ!!?」ダッ!!!

奏セイバー「……はぁ、理想の色も、人とりどりね」

ギーツ「みくセイ……言いづらいな。みく、奏、これを使え!!」バッ

みくセイバー「うにゃ!?これ、バックル?何のやつだにゃ?」パシッ

奏セイバー「これ、何かしら?これもドライバーに刺せばいいの?」パシッ

ギーツ「ん?お前ら、ニンジャとゾンビも知らないのか?まさか、そのバックルだけしか使ったことないとか?」

奏セイバー「え?そうよ。私たちは、いくらミッションボックスを開けても、必ずこの赤白バックルが出てくるの。てっきり、もう使えるバックルは指定されてるのかと思ってたわ」聖剣ソードライバー

ギーツ「能力固定なんてゲームにならないだろ、そんなんじゃ。はぁ、お前らも運営から嫌われてる太刀か、大変だな」

みくセイバー「ええっ!?じゃあこれ、ハズレバックルだったってことにゃ!?あんなスッゴイ剣も付いてきたから、めっちゃイイやつだと思ってたのに……」シュン

ギーツ「長くテザグラで戦ってきた俺も見たことのない……ホント、不思議なバックルだな。ハズレかどうかはさておき、どんなバックルも使い方次第だ。ニンジャとゾンビを使って、その剣の力を存分に引き出してやれ」

奏セイバー「分かったわ、私たちの初デュアルオン、見せてあげる」スッ

みくセイバー「よ~し、新鮮味全開だにゃ!」スッ

【SET】

【DUAL ON, ZOMBIE!烈火抜刀!ブレイブドラゴン!】

【DUAL ON, NINJA!烈火抜刀!ブレイブドラゴン!】

奏セイバー・ゾンビフォーム「ふぅ、この毒々しい雰囲気、ずっと使い続けたら本当の生ける屍になりそうね」READY FIGHT

みくセイバー・ニンジャフォーム「剣に熱風が纏われてる……アッチアチの旋風、いっちょお見舞いだにゃ!」READY FIGHT

ギーツ「ふっ、気分は爽快か。なら俺も」スッ

【聖剣ソードライバー!】

ギーツ「奏、みく、お前らの取りすぎた分のバックル、借りるぞ」パチン

【DUAL ON, MAGNAM!烈火抜刀!ブレイブドラゴン!】

ギーツ・セイバーフォーム「ふっ、さあ、狐の化かしを見せてやるよ」火炎剣烈火!マグナムシューター40X!

他グループメンバーライダー【わっしわっし、わっきわっき……って、ええ!?いつの間にかすごいことになってんだけど、あっち!?】

他グループメンバーライダー【あー、やばいねこれ♪流石に、今は逃げたもん勝ち……へ?】クルッ

【ZOMBIE, SABER, VICTORY!】

【NINJA, SABER, VICTORY!】

【MAGNAM, SABER, VICTORY!】

奏セイバー・ゾンビ「火炎浄火斬(かえんジョーカーざん)」スチャ

みくセイバー・ニンジャ「火炎忍風斬(かえんにんぷうざん)だにゃ!!」ザン!!!!

ギーツ・セイバー「……火炎来降斬(かえんライフルざん)!!」ザン!!

他グループメンバーライダー【あ~~れ~~~~~~~~~~~っ!!!!!!】

デレグラ、休憩場・サロン

みく「……てか、なんでさっきジョーカー斬なんてカッコつけたんだにゃ……ゾンビにゃんだから、もっとこう、ドクドク斬!とかでも良かったんじゃ?」シャキーン

奏「……いやいや、ない。そっちの方がないでしょ。それにほら、ゾンビを浄化、の方が洒落てる感じするでしょ?あら、ドクドクちゃん?ぷっ、ぷぷっ」

みく「にゃ!?むっ、むき~~~~っ!!!おんのれ、よくもみくを辱めてくれたにゃんね……ぐっふっふ、いい度胸してるにゃんか……」ニヤリ…ワキワキ

奏「いや、貴方が勝手に自滅して……って、ちょ!な、何よ、その変な手つきは!?」サッ

英寿「セイバー……剣士か。悪魔を連れてたこの前のアイツみたいに、このバックルも、誰かの力を具現化するものなのか?」スッ

みく「観念するにゃ……お覚悟ぉぉぉぉっ!!!!」バッ!!

奏「うおおおっ!?嫌よ!誰がお覚悟ぉ~されるかって!た、助けてっ、英寿さん!」

みく「ぬ、しぶとい奴だにゃ……茜チャン!出番だにゃ!!」ビシッ!!

茜「はいっ!ラジャーです!!」ピョコッ…ガシッ!!

奏「っ!?ち、ちょちょちょ、まっ、待って待って!ご、ごめんごめんって!だから、それだけはやめ……いいぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……」ワッシワッシコチョコチョ

英寿「……で?もう体調は大丈夫なのか、茜」

茜「はいっ!みんなが守ってくれたおかげで、元気100倍になって帰ってきましたよ~~っ!!!う~~っ、ボンバーーーーーっ!!!!!!!!」メラメラメラメラ

奏「は、はひ……なん、で、こんな、こ、と、に……」ピクピク

みく「茜チャンも英寿チャンも、ものの見事なスルーだにゃ……」ツンツン

茜「英寿さんが私たちの仲間に入ったことは、みくちゃん達から聞きました。力を貸してくれて、本当にありがとうございます!」

英寿「気にするな、タダじゃないんだ。別に感謝する必要もないんだぞ」

茜「いえいえ、英寿さんはもう、私たちの大事な仲間なんですから!えへへっ!」

英寿「……ふっ、全く律儀な奴らだな」

英寿「……ところで、お前達に聞きたいことがある。さっき言ってたこのバックル……セイバーって名前に、何か思い当たる節はないか?」

みく「にゃ?セイバー、ってこの赤白バックルのことだにゃ?」カチャ

英寿「ああ、俺の予想が正しければ、このバックル、この力はきっと……とにかく何でもいい。何か、これについて違和感を感じることはないか?」

茜「……あ、そういえば」

茜「その、せいばー、に関係するかは分かりませんが……ジャマトに襲われて、命の危険を感じた時、ふと誰かの名前を呼んだんです」

奏「名前?」

茜「はい、確か『とうま』って……そうです!確かにそう言って、私は誰かの名前を呼んでたんです!!」

英寿「とうま?お前らの知り合いか?」

みく「とう、ま……何にゃ、この感じ……?」ドクン

奏「何、かしら……思い浮かべると、何でか懐かしくて、切ない、気持ちになる。
知らない人のはずなのに、心が、会いたいって……叫んでる」ドクン

英寿「……そういえば、お前らの理想って何なんだ?エントリーする際に、デザイアカードに書いてないのか?」

奏「……もう、とっくに忘れたわよ」

英寿「え?」

みく「もう、理想なんて分からないにゃ。最初はきっと、みく達にも自分の叶えたい世界があったはずなんだにゃ。なのに」

茜「幾度もゲームを繰り返し、世界が創り変えられていく内に、いつの間にか忘れてしまったんです。明確な目的もなく、このゲームに参加した記憶だけがあるから、だから私たちはこうして、ゲームに参加する以外ないんです」

奏「思えば、いつからこんな日々が始まったのかしらね。私たちにとってゲームが当たり前になった日……かつてあったはずの日常が、壊れてしまった日。戻りたくても、もう戻れないの」

英寿「……」

【これまで、数えきれないほどのゲームで多くの犠牲者を生んできた。彼らの幸せは、女神の元へと集められ、たった一人の勝者の大きな幸せに還元される……】

【敗者の幸せを奪って、勝者だけに与える。そうやって人々の幸せを支配してきたのが……『創世の女神』だ】

【誰かの理想が叶えば、その分だけ叶わない不幸が生まれる……みんながみんな、幸せになれるわけじゃないんだにゃ】

英寿「まさか、この世界にも創世の女神が……アイドル達の理想を願う心を奪って、一体、どうして……?」

英寿「この世界にも……母さんみたいに、誰かが『創世神』として利用されてるのか?」





「えーここで、デレグラ運営より緊急通告をお知らせします。私、本日の司会を務めました、ナビゲーターのちひろです」ジージージー

英寿「……ん?」

みく「何にゃ?もう今日のゲームは終わったはずにゃんけど……」

ちひろ「本来、今日のゲームは終了のはずでしたが……ある1チームの不正行為が発覚し、現在運営側より対処の方針が定まった旨をお伝えします」

奏「不正行為?それって……」

茜「私たちが、英寿さんをパーティーに加えたこと、でしょうか……?」

英寿「ふん……どうせ今決めたルールだろ。人気の少ない物置にジャマトを送り込み、出現バックルを固定し、意地でもお前らをデレ神にさせないつもりらしいな」

ちひろ「結果からお伝えしますと、これより、デレグラは制限時間なしの延長戦に突入します。陣地は全て没収となり、今日のゲーム結果は無効となります」

みく「はぁっ!?ひ、酷すぎるにゃ!!あんなに死に物狂いで頑張ったのに、これじゃ意味がないにゃ!」

英寿「仮面ライダー失格にならなかっただけマシだな。ただ、嫌な予感がする。制限時間なしの延長戦……」

ちひろ「しかし、ただ一つ、このゲームを終わらせる方法があります。それは……」

茜「……えっ!?」

奏「……な!?」

みく「……にゃ!?」

英寿「っ……ほら、見たことか」



ちひろ「ゲームへと不正参加したプレイヤー、仮面ライダーギーツ……そして、同グループ三人のアイドルを排除することです」ジージージー

ファンタジック本屋かみやま

「……ダメだ、全然、書けない」

「飛羽真、なんだか今日、変だよ?……原稿の締め切りは、俺が決める!!とか言って、いつもは図々しいくらいの執筆バカなのに。まだたった数行しか書けてないじゃん」

「ねえ、芽依ちゃん……なんかさ、思うんだけど」

「うん?」

「俺たち……何か、大切なことを忘れてないかな?」

「大切なこと?うーん、何のことだろ?次のエッセイの締め切り……じゃないよね」

「原稿もそうだけどさ……確かに俺は小説家だ。でも、小説家だとしても……いまいちピンと来ないんだ。何か他に……俺が忘れてる、何かがある気が……」



ツムリ「文豪にして、剣豪……小説家にして、世界を守る『剣士』。と言えばどうでしょうか」スッ

「……へっ!?ええっ!?だ、だだだだだだ、誰っ!いつからそこに!?飛羽真、し、知り合い?」

「……剣、士……アンタ、何者だ?俺のこと、何か知ってるのか?」

ツムリ「そのポケットの中にある本、貴方のものでしょう」

「……っ!?これ、は……」スッ



【アメイジングセイレーン!】



ツムリ「数年前からずっと、貴方の記憶に突っ掛かりを覚えさせていた本……と、この世界のバックログに記載がありました。貴方が完全に記憶を失わないよう、最後のバックアップの役割を担っていたようです」

「この本が、俺の記憶、を……っ!!」

「う、っ、ぐふ、ぁぁぁぁっ……!!!」ガバッ

「飛羽真!?飛羽真っ、飛羽真!!大丈夫!?」サッ

ツムリ「本来の記憶が戻ろうとしているのでしょう。さあ、目覚めの時です、神山飛羽真様……いや、仮面ライダーセイバー」ガチャ

【ミッションボックス……デザイアドライバー】

「はぁ、はぁ……っ……?」

ツムリ「閉ざされた記憶を取り戻し、今一度この世界の危機を救うのです。貴方は全知全能の書に選ばれし主人公、今日からではなく、生まれながらの仮面ライダーなのですから」

「仮面、ライダー……」




ツムリ「さあ、ドライバーのIDコアに、手を……」


デレグラ延長戦 346プロダクションビル外敷地

茜「変身!!!!!!!!!!」カチャ

【SET, DUAL ON, BEAT!烈火抜刀!ブレイブドラゴン!】

ギーツ「くっ、新手のお出ましか……」スッ

【SET, BOOST!MARK Ⅱ !!】

茜セイバー・ビートフォーム「次々と追手が来ます!みんな、気をつけて!!」READY FIGHT

ギーツ・ブーストフォームマークⅡ「この状態は長く保てない……一気にケリを付けてやる!!」READY FIGHT

他グループメンバーライダー【……】ユラッ…

他グループメンバーライダー【……】ユラッ…

他グループメンバーライダー【……】ユラッ…

他グループメンバーライダー【……】ユラッ…

みくセイバー・ニンジャ「一体どうしちゃったんだにゃ、みんな!?頭に変なものがついて、様子が変にゃ!!」

奏セイバー・ゾンビ「みんな、洗脳されてる……運営によって、私たち四人を殺す駒にされてるのね」

茜セイバー・ビート「火炎尾飛斬(かえんビートざん)!!!!!みんなの洗脳は、頭に付けられたこの機械を壊せば解けるみたいですよ!!」ザン!!!!

みくセイバー・ニンジャ「みく達もやばいにゃんけど……事務所のみんなを犠牲にするなんて、出来ないにゃ!!洗脳を解いて、みんなを元に戻すにゃんよ!!」

ギーツ・ブーストマークⅡ「相変わらず律儀な奴らだな……援護は、俺に任せろ。お前らは機械の破壊に専念するんだ!」

奏、みく、茜「了解!!!」

ツムリ「……いくら英寿様とはいえ、三人をフォローしながら戦うのは無理があります。貴方にも、彼女達に加勢してもらいたいのです」

ツムリ「ブランクがあるとは思いますが、どうかお願いします。ギーツと共に、この改竄された世界を救い出してください……セイバー」



飛羽真「……分かった、みんなのことは、俺に任せてくれ」スッ

【デザイアドライバー……ENTRY】



芽依「うっち、何のことかよく分かってないけど……だけど、やるならとことんやってきなよ、飛羽真!生きて戻ってきて、原稿の締め切り、ちゃんと守ってもらうんだからね!」グッ

飛羽真「うん、分かってるよ、芽依ちゃん。この世界のこと、全部ケジメを付けてから……みんなを楽しませられる、とびっきりの大作を!期待しててよ!」

【SET】

飛羽真「……変身!!」

【DUAL ON, BOOST!烈火抜刀!ブレイブドラゴン!】

セイバー・ブーストフォーム「ここからの結末は……俺が決める!!」火炎剣烈火!

ジャマトライダー【ジャッ、ジャマァ……】

ジャマトライダー【ジャッ、ハッ、ハァ……】

他グループメンバーライダー【……】

他グループメンバーライダー【……】

ギーツ・ブーストマークⅡ「よし……一斉に、行くぞ!!!」ダッ!!!

茜セイバー・ビート「うおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!!!!!!」

みくセイバー・ニンジャ「うにゃあああああああああああああっ!!!!!!」

奏セイバー・ゾンビ「……はぁぁぁぁっ!!!」

【絶対に助ける……この世界のどこに居ようと、例え記憶を失っていたとしても、助けを求める声がある限り、必ず!!】



セイバー・ブースト「俺が……必ず、守る!!!」READY FIGHT


【BOOST TIME!】

みくセイバー・ニンジャ「にゃああ……って、にゃにゃ!?なんだにゃ!?」ズザッ

ギーツ・ブーストマークⅡ「……ん!?なんだ、急に空間が歪んで……!?」

セイバー・ブースト「強化……火炎十字斬(ブースト・かえんじゅうじざん)!!!!」

【BOOST, SABER, GRAND VICTORY!】

セイバー・ブースト「ハァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!!!!!!!!!」ザン!!!!!!!

パリン……バタッ、バタバタッ

茜セイバー・ビート「うわぁぁっ!!!?な、何ですか、この一撃の衝撃波は……っ!?周りのみんなの機械が、一斉に壊れましたよ!?」

ギーツ・ブーストマークⅡ「ブーストバックルに、例の赤白……まさか、お前!?」

セイバー・ブースト「……ああ、記憶を取り戻してくれたツムリから、ブーストバックルと俺のバックルを借りたんだ。俺は仮面ライダーセイバー……小説家の神山飛羽真だ!!」ボオッ…

奏セイバー・ゾンビ「と、うま……っ!?」ビキッ!!!

みくセイバー・ニンジャ「っ!?ひょっとして……飛羽、真、チャン……にゃ?」ビキッ!!!

茜セイバー・ビート「飛羽真、さん……!?そう、です……思い、出しました……私たちの、本当の、願っていた理想!!!」ビキッ!!!

数ヶ月前 とある日の事務所

奏『っ!?飛羽真、さん……私たちの側に確かにいた、あのプロデューサーさんのこと!!二人とも、覚えてない!?』

みく『飛羽真チャン……!?そういえば、そうだったにゃ!!みく達、あの時飛羽真チャンと一緒に、化け物になったPチャンと戦って、ライブに出て、それから……』

茜『みんなでパーティーを開いている内に、気づいた時にはいなくなってて……そうでした、私たち、何故こんな大事なことを忘れていたのでしょうか!!』

もう一度会いたい、せめてもう一度だけ、あの人に……そう強く思う心。



奏『記憶が、今になって戻ったなんて、どういうことなのかしら……』

みく『これはきっと、『奇跡』なんだにゃ!!みく達がもう一度飛羽真チャンと会うための、幸運の女神様の祝福だにゃ!』

茜『はいっ!!!もう、今は私たちのプロデューサーではないですが……それでも、感謝を伝えることなら出来ますよねっ!!またお話ししたり、バーベキューしたり、まだまだ一緒にやりたいこと沢山あったんですから!』

奇跡より生まれたその心が、強固な願望を宿した時……この物語の引き金が引かれた。



【その理想、俺がもう一度叶えてやろうか?】


ガーンガーンガーン……

茜『ん?今、誰かの声が……ぇ、っ……?』

みく『鐘の、音が、聞こえ……にゃにゃっ!まずいにゃ、今日もデレグラに参加しなきゃだにゃ!』

奏『ええ、今日も私たちの理想の世界のため、頑張りましょ』

茜『はいっ!じゃあ、今日も張り切りますよ~~~っ!!!』メラメラ

……気づいた時、この世界は再編され、全く異なる世界に生まれ変わっていた。この事務所のアイドルは皆、シンデレザイアグランプリへのエントリーが義務付けられ、その催し物が全世界中のオーディエンス達によって盛り上げられている、昨日までとは全く似つかない世界。
全ての人間の理想の世界が叶う……実際には無数の戦い、多くの不幸と犠牲の果てに、たった一つの理想だけが叶う世界。

みく『もう負けないにゃ、今度こそは絶対、みく達の理想の世界を叶えるんだにゃ~っ!!』

平穏な日常が消え去ったのは……彼女達が神山飛羽真の存在を思い出した、あの日の奇跡から引き起こされたものだった。

奏セイバー・ゾンビ「飛羽真、さん……私、たちが、会いた……っ!?そうよ、ずっと、ずっと会いたいと思ってたじゃないの……!!?」

茜セイバー・ビート「私たち、またしても飛羽真さんのことを、忘れて……ああっ!!何ということでしょう!!」

みくセイバー・ニンジャ「ごめん……ごめんだにゃ、飛羽真チャン!!みく達、本当はずっと飛羽真チャンに会いたかった!!ちゃんと……今までありがとうを、直接会って言いたかったんだにゃ!!」

セイバー・ブースト「みんな……俺だって、俺だって忘れてて、思い出したくてもずっと思い出せなくて……謝るのは、こっちの方だよ!!ごめん、本当に、ごめん!!」

ギーツ・ブーストマークⅡ「はぁ……律儀なのは、こっちも同じか。どちらも悪いことなんてない、黒幕は、この世界を好き勝手創り変えて利用した運営ども、だろ?」

セイバー・ブースト「ああ……そうだ、みんなのこと、今まで守ってくれてたんだよね。本当にありがとう、助かったよ」スッ

ギーツ・ブーストマークⅡ「……ふっ、コイツらが律儀なのは、お前の癖が移ったからかも、な」スッ……ガシッ

セイバー・ブースト「えっ?」

ギーツ・ブーストマークⅡ「ははっ、安心しろ。化かしじゃない、単なる褒め言葉だ」

セイバー・ブースト「……何だか、面白い人だね。会えて嬉しいよ、英寿!あっははっ!」

パチッ、パチッ、パチッ……スタ、スタ、スタ

セイバー・ブースト「ん?」



【はっはっはっ、やるじゃないか。このシンデレザイアグランプリ、地獄のエクストラタイムをまだ生き抜いているとはな】フッ



みくセイバー・ニンジャ「ふん、地獄も何も、そっちが勝手に始めたことにゃんか!」

茜セイバー・ビート「そうですよっ!!!……ところで、どちら様でしょうか?」

奏セイバー・ゾンビ「ちょっ!?あんな仮面付けた怪しい雰囲気、どう考えても黒幕に決まってるじゃない!さながら、運営のゲームマスター様かしら?」

【ゲームマスター……とは、少々舐められたものだな。創造主、いや、この世界を制する神そのもの、くらいには崇め奉ってもらわねば】

ギーツ・ブーストマークⅡ「お前は……何者だ?その仮面の裏の、素顔を見せろ」グッ

【ふっ……いいのか?】カチャ……バッ



浮世英寿「その素顔が……お前と同じ、浮世英寿、だとしても」

ギーツ・ブーストマークⅡ「!?」

セイバー・ブースト「っ!?どういう、ことだ?だって、英寿は今、俺の隣に……」

浮世英寿「その英寿は、こことは違う別の世界から現れた、いわば侵入者だ。お前にデザイアドライバーを渡したツムリも、同じくな」

奏セイバー・ゾンビ「別の世界……並行世界、ってこと?」

みくセイバー・ニンジャ「てことは……英寿チャンは、みく達とは違う世界から来たってことにゃ!?」

茜セイバー・ビート「このデレグラを探っていたのも、それが理由なんでしょうか……?」

浮世英寿「はぁ、俺の計画……というより、『俺を生み出した本』の計画は完璧なはずだった……ただ一つの異端の存在を除いて、だ」

浮世絵寿「俺は浮世英寿、新たに生まれたこの禁書……『仮面ライダーギーツ』の主人公だ」スッ

【……ギーツ創世神話!!かつてより悠久の時を巡る狐の力で、此処に、全ての理想の世界が創世される!!】

セイバー・ブースト「ワンダーライドブック!?『仮面ライダーギーツ』の物語って、どういうことだ!?」

浮世英寿「……この世界には、S級の禁書を封印する禁断のベースが存在する。そこには、お前のような戦士の物語を綴った物語が数多く存在し、その新たな一節として生まれたのが、この仮面ライダーギーツというわけだ」

みくセイバー・ニンジャ「で、でもにゃ、何でそんな本が、急に生まれたんだにゃ?」

浮世英寿「ふっ、はっはっはっは!!!まさか、何も違和感に気づかないとは滑稽なものだな!」

みくセイバー・ニンジャ「な、何なんだにゃ!!」

浮世英寿「仮面ライダーギーツの舞台は、勝者の理想の世界を叶える大会、デザイアグランプリ。理想を叶える……理想とは、叶って欲しい、そう強く、強く心から願うもの。
心当たりはないか?奇跡を目の当たりにして、誰かに会いたいと、強く願っただろう?」

奏セイバー・ゾンビ「……まさか!?」

浮世英寿「ああ、そうさ。この仮面ライダーギーツが誕生した理由……それは他でもない、お前達三人の『理想を追い求めた心』だ」

浮世英寿「お前達の神山飛羽真に会いたいという、強い理想の心……その強さが遠く離れた世界の、女神の『創世の力』を手繰り寄せ、その結果『全ての人間の理想を叶える本』が誕生した。このデレグラというシステムを用いて、理想を叶える物語がな」

浮世英寿「後は簡単だった。本の化身である俺が、自由に理想を叶える世界を創り出すために、邪魔な存在の神山飛羽真を無力化させたんだ。全知全能のワンダーオールマイティを取り込み、世界を改竄し、セイバーの物語を消し去り……新たにギーツの物語を構築した。
創世の女神など不要、俺自身が創世神として、この世界の幸せを管理するんだ」

茜セイバー・ビート「そんな……私たちの理想を願う心が、この最悪の事態を引き起こしてしまった、ということですか……?」

奏セイバー・ゾンビ「飛羽真さんに、会いたいって……私たちは、ただ願っただけ。それなのに、それが大勢のみんなの不幸を招いた……」

みくセイバー・ニンジャ「そんにゃ……理想を求めることは、幸せになろうとすることは、誰かを不幸にすることだって、言うのかにゃ……?」



ギーツ・ブーストマークⅡ「……いいや、それは違う」


奏セイバー・ゾンビ「英寿、さん……」

ギーツ・ブーストマークⅡ「誰かの幸せが誰かの不幸になる……一部の存在だけが幸せになり、他の大勢が不幸になる。長い歴史の中で、何度も起こってきたことだ」

茜セイバー・ビート「……っ」

みくセイバー・ニンジャ「……」

ギーツ・ブーストマークⅡ「でも、それが全てだったわけじゃない。自分の幸せが、違う誰かの幸せを生み出すことだってあった。幸せを感じるからこそ、相手も幸せになることだってあった」

セイバー・ブースト「……英寿」

ギーツ・ブーストマークⅡ「俺は、そんな幸せの可能性を信じる。幸せがまた別の幸せを生み出す、誰もが幸せになれる世界は、きっと創れる。俺が……必ず創ってみせる」

浮世英寿「ふん……これまで、多くの不幸の上に成り立った人生を送ってきた、そんなお前が言えることか?」

ギーツ・ブーストマークⅡ「俺は幸せの功も罪も知ってる。だからこそ俺が、本当の理想郷へと世界を導いていくしかないんだ。いつか世界中の人々が幸せになれる、そんな日を目指して」

ギーツ・ブーストマークⅡ「そのためにも、誰かの不幸で幸せを生み出すお前を……これ以上放っておくわけにはいかない」

浮世英寿「ふっ、まあいい……だが、俺の計画は見事に頓挫してしまったわけだ。別世界から現れた貴様とツムリにより、神山飛羽真もアイドル達も記憶を取り戻し、再会を果たしてしまった。軸であった彼女達の理想が果たされた以上、俺の力も弱まりつつある。
……こういう真似は、したくなかったが」スッ



【……無銘剣虚無!】ガチャ!!



浮世英寿「あの忌々しい白い本……奴さえ存在しなければ、全ての願いが叶う理想郷が続いたものを……こうなった以上、その本もろとも貴様らを葬り去る以外無い」スッ

セイバー・ブースト「ワンダーオールマイティの力で、無銘剣までもを支配下に……」

浮世英寿「残念ながら、これからも理想を叶え、俺の物語を続けるためだ。お前達の理想を願う心もろとも、ここで退場してもらおう!!」バシュ!!



【ギーツ創世神話!……抜刀】

浮世英寿「……変身」シィッ…



【……エターナルレジェンド!虚無、神獣の炎で全てが無に帰す!】

ファルシオン・ギーツ創世神話「さあ、この世界の主の座をかけた、最後の戦いを始めるぞ!!」READY FIGHT

ギーツ・ブーストマークⅡ「……セイバー」スッ

セイバー・ブースト「英寿……ん?これって」ガチャ

【フィーバースロット!】

ギーツ・ブーストマークⅡ「……それと、ひとつ聞きたい。お前はアイドル達の願った幸せを、恨んでいるか?」

セイバー・ブースト「え?」

ギーツ・ブーストマークⅡ「元を辿れば、お前がアイドル達と出会わなければ良かった話だ。お前のセイバーの物語を壊したのは、アイツらだ。それでもお前は……アイツらを許すか?」

茜セイバー・ビート「……」

奏セイバー・ゾンビ「……」

みくセイバー・ニンジャ「……」



セイバー・ブースト「……そんなの、当たり前だろ」スッ……ガチャ

【REVOLVE ON, SET FEVER!】


セイバー・ブースト「うまくいかないことなんて、現実の人はもちろん、本の登場人物でさえ、みんなが経験することだ。
俺だって何度もある。でもそこで諦めないで頑張ることが出来たのは、自分を支えてくれる、大切な仲間達がいてくれたからなんだ」グルグル…

【『???』・GOLDEN FEVER!】

セイバー・ブースト「仲間と力を合わせれば、自分一人じゃ出来ないことさえも、出来るようになる!世界を一つずつ変えていくことだって……だから俺は、茜ちゃんも、奏ちゃんも、みくちゃんも、仲間を絶対に見捨てたりしない。
この世界は、誰かと共に紡いでいく、みんな自身が主人公の物語なんだ!!」スッ!!!

【JACK POT HIT, GOLDEN FEVER!!】

……ソードライバーバックルは、かつてのセイバー世界の残骸。単体では程度の知れたハズレバックルでも、仲間を信じる力、絆が手繰り寄せた運が合わさることで、本来の姿を取り戻す。

デザイアドライバー、セイバーIDコア、ソードライバーバックル、フィーバースロットレイズバックルは、その姿を変化させ……この世界に再び、かの伝説の剣士を甦らせた。

【聖剣ソードライバー!!……刃王剣クロスセイバー!!】スチャ!!!

奏セイバー・ゾンビ「飛羽真さん……っ」

みくセイバー・ニンジャ「全く、もうっ……いいこと言って、変に泣かさないでにゃ……!!」

茜セイバー・ビート「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!!と~~う~~ま~~さぁぁぁぁぁん!!!!」

ギーツ・ブーストマークⅡ「ふっ、ああ、お前ならそう言ってくれると思ってた。理想を願うことは、誰かの不幸を願うことじゃない。俺たちならそれを、証明できる」スッ

【MARK Ⅸ!】

セイバー・ブースト「仲間も友達も、みんな一心同体だ。俺はみんなと力を合わせて、全てを乗り越えてみせる。思いの強さは、どんな逆境が迫ろうとも負けない、大きな力になるんだ!!」スッ

【アメイジングセイレーン!かつてから伝わる、美しい歌声が今、こだまする……!】



【SET IGNITION, REVOLVE ON】

【聖刃抜刀!】

茜、奏、みく「いけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!!!!!!」

ギーツ、セイバー「変身!!!」

【刃王剣クロスセイバー!創世の十字!煌めく星達の奇跡と共に!気高き力よ勇気の炎!クロスセイバー!クロスセイバー!クロスセイバー!交わる十本の剣……!!!】

【DYNAMITE BOOST!GEATS Ⅸ!READY……FIGHT!!!】



ギーツⅨ「ここからのハイライトは……」

クロスセイバー「……俺たちが決める!!」

ファルシオン「アイドル達との絆で、刃王剣とドライバーを取り戻したか……どこまでもしぶとい奴だ。その愚かさを、身をもって知れ!!」ダッ!!!

【ギーツバスターQB9!】

ギーツⅨ「理想の世界は……俺たちの手で創造する!!」スッ

ガーンガーンガーン……

ファルシオン「ふん、破壊と再構成を繰り返し、瓦礫に俺を閉じ込めるつもりか……だが!」

【必殺黙読、抜刀……大神話、無双斬り!】

ギーツⅨ「っ……」

ファルシオン「いくら創世の力で創り出そうとも、虚無の力で、全て無に帰すまでだ!!……消えろ!!!」ブン!!!



ギーツⅨ「……ふっ、なんてな」

【アメイジングセイレーン!】ガーンガーンガーン…

ファルシオン「っ!?なぁ、っ!?消したはずの瓦礫、が、身体に……どう、して……」ググッ…

クロスセイバー「忘れたのか?創世の力は、俺にも備わってる。お前が全てを無に帰そうと、俺が何度でも創り変えるまでだ!!」バッ

ギーツⅨ「ははっ、まんまと化かされたな。創世の力を持つ奴が二人もいて、狼狽でもしたか?」

ファルシオン「舐めるな……破壊と創造など俺にだって容易いことだ!!最後に勝つのは……俺だ!!!」

クロスセイバー「英寿!その創世の力を使って、どんどん世界を創り出して攻撃してくれ!!俺も創世の力と、この『改竄の力』で援護する!!」アメイジングセイレーン!

ギーツⅨ「創世に改竄か……俺が俺なら、お前もお前で何でもありだな。お前、小説家なんだろ?俺が創る世界の品定め、お手柔らかに頼むよ」

クロスセイバー「ははっ、校閲なんて流石に初めてだよ。英寿の創る物語、期待してるよ!さあ、行こう!!」

【刃王必殺リード!既読十聖剣!刃王クロス星列斬!!】

【BLADE, BOOST CHARGE!BOOST TACTICAL VICTORY!!】

茜セイバー・ビート「ううっ……私たちにも、何か出来ることはないでしょうか……」グッ

奏セイバー・ゾンビ「戦えるなら、私たちだって、英寿さんの……飛羽真さんの力になりたい……」グッ

ツムリ「皆さん!!」スッ

みくセイバー・ニンジャ「へっ!?う、うにゃぁっ!!また急に誰か出てきたにゃ!?」

ツムリ「この世界のゲーム、シンデレザイアグランプリの参加者様ですね。私は英寿様の姉……ではなく!関係者のツムリと申します。皆様に、渡したいものが」ガチャ

【ミッションボックス……フィーバースロット!】

奏セイバー・ゾンビ「これって、バックル?」スッ

ツムリ「先程飛羽真様が使用した、フィーバースロットレイズバックルです。飛羽真様は皆様との絆を元に、このバックルを使用することで、剣士としての力を取り戻しました。
この世界にとって、『絆や約束』が大きな意味合いを持つとなれば……それを強く持つ皆様にも、一発逆転のチャンスが巡ってくるはずです」

みくセイバー・ニンジャ「……絆、にゃんか」スッ

茜セイバー・ビート「約束……当然です、みんなで力を合わせて立ち向かうって、あの時、一緒に約束したんですから!!」スッ

ツムリ「……有無を聞く必要はなさそうですね。皆様の文字通りの幸運を、期待しています」

茜セイバー・ビート「……いつだって、私たちは一心同体ですっ!!!」カチャ

奏セイバー・ゾンビ「……離れてたって、また巡り会える」カチャ

みくセイバー・ニンジャ「……その確信が、みくたちの力になってくれるにゃ!!」カチャ

【SET FEVER!】



【『???』・GOLDEN FEVER!JACK POT HIT, GOLDEN FEVER!】

ファルシオン「ぐぅ、っ……」ガクッ

ギーツⅨ「どうした、大々と俺を謳う分には、随分と打たれ弱いじゃないか。『ギーツ』の不敗神話はそんなものか?」

ファルシオン「俺、は、仮面ライダーギーツの……この世界の、主人公だ……俺が、この物語を、支配、するんだ……」

ファルシオン「く、そ……うがぁっ!!」ガーンガーンガーン…

クロスセイバー「……もう諦めろ、お前一人の想像力じゃ、俺たちの力を越えることはできない。奪われた世界を、返してもらうぞ!」アメイジングセイレーン!



「よかった、間に合った!飛羽真チャン、英寿チャン!!」

クロスセイバー「ん?……えっ!?みんな、その姿は!!」

【愛情のドラゴン!勇気のドラゴン!誇り高きドラゴン!エモーショナルドラゴン!神獣合併!感情が溢れ出す……!!】

みくセイバー・エモーショナルドラゴン「お待たせだにゃ!みく達も、一緒にトドメをさすにゃ!!」ジャキッ

【Don't miss it!ドメタリックアーマー!ドハデニックブースター!ドハクリョックライダー!ドラゴニックナイト!すなわちド強い!!】

奏セイバー・ドラゴニックナイト「ふふっ、懐かしいわね、この抜刀の感じ。やっぱり、こっちの変身の方が、私には馴染むわ」ジャキッ

【バキッ!ボキッ!ボーン!メラ!メラ!バーン!シェイクハンズ!エレメンタルドラゴン!エレメントマシマシ、キズナカタメ!!】

茜セイバー・エレメンタルプリミティブドラゴン「メラメラバーーーーーンっと!!新しい力を携え、私たちも参上ですっ!!!最後まで側にいますからね、飛羽真さん、英寿さん!」ジャキッ



クロスセイバー「みんな……」

ギーツⅨ「……ふっ、賑やかでいいじゃないか。みんな合わせて、盛大に打ち上げと行くぞ!!」

ファルシオン「ま、まだ、だ……ゲームの勝者は、俺だ……この物語の主人公は、俺なんだぁぁぁぁぁぁっ!!!」

【必殺黙読、抜刀】

ギーツⅨ「もう、お前の思い通りにはさせない」

クロスセイバー「ああ、世界を綴るペンは、取り戻させてもらう」

ギーツⅨ、クロスセイバー「この結末を創造するのは……」

茜セイバー、奏セイバー、みくセイバー「私たちだっ!!!」

【DYNAMITE BOOST TIME!刃王必殺読破!必殺読破!ドラゴニック必殺読破!必殺読破マシマシ!】

クロスセイバー「狐龍・白夜全能創世斬(こんりゅう・びゃくやぜんのうそうせいざん)!!!!!」

ファルシオン「ぐぅおりゃぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」ザン!!

ギーツⅨ、クロスセイバー、みくセイバー、奏セイバー、茜セイバー「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!!!!!」ザン!!!!!!!!!!



【BOOST Ⅸ VICTORY!刃王一冊斬り!エモーショナル必殺撃!ドラゴニック必殺斬り!エレメンタル合冊斬り!】



ファルシオン「ぐぅ、ぐ、がぁぁ……ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!」ガン!!!!!

【ギーツ、創世、神、話……】ビリビリ…

浮世英寿「ぐはっ、ぁ、ぁっ……そん、な……全知全能の書が、俺の元、を、離れていく……待て、行くな、行くなぁぁ、っ!!」

【ギーツ、創世、神、話…………ワンダーオールマイティ!!】

クロスセイバー「これで……この本も、世界も、全てを返してもらったぞ」パシッ

浮世英寿「っ、ぐ、ぁぁ、っ……俺、の、物語、が……世界、が、破、れて」サァァァ……



浮世英寿「が、ぁぁぁ、っ…………」サァァァ……

【MISSION FAILED】



奏セイバー「……これで、本当のゲームエンド、ね」

みくセイバー「うん、ゲームマスターの主人公様が消えたんだにゃ。デレグラも、これ以上続けることは出来ないにゃ」

茜セイバー「もうゲーム内で犠牲が出ることも、みんなが不幸に苦しめられることも……ありませんからね」

ギーツⅨ「ふぅ……これで、ひと段落は着いたのか?」

クロスセイバー「ああ、でもまだ、最後の仕上げが残ってる。書き上げる前の、最後の見直しとして……この本の状態を、完全に元通りに戻さないと」ボロッ…

ギーツⅨ「随分と損傷しているな……はぁ、このスター・オブ・ザ・スターズ・オブ・ザ・スターズ様の手を煩わせるとは、困った絵本ちゃんなことだ」ツン

クロスセイバー「す、すた……?よくわからないけど、力を貸してくれるなら助かるよ、英寿。最後まで……本当にありがとう」

ギーツⅨ「なに、これも理想郷を叶えるための、俺自身のケジメだ。最後まで付き合うさ、セイバー」

みく「……ねえ、やっぱり英寿チャンって、生粋の天然にゃんか……?」

奏「す、スター・オブ・ザ・スターズ・オブ・ザ・スターズって……何なのかしら?それ普通にスターで良くない?って思っちゃったりもしなくもないわよ」

茜「きっと、多分、なんか結構凄いってことですよっ!!!」キラキラ

みく「い、いや、そんなの、誰だって思うことにゃ……」

奏「はぁ……流石の茜には、英寿さんも叶わないわよ」

茜「へっ?……え、えへへっ!いやぁ、二人とも、そんなに褒めても何も出ませんよ~?」ニヤニヤ

みく「いや、全然褒めてないにゃんよ!?」

奏「て、天然が、今日一日で悪化してるわ……」

ワイワイガヤガヤ……

ギーツⅨ「……仲間、か」

クロスセイバー「ん?」

ギーツⅨ「いや、不意に思っただけだ。俺の世界では、自分以外のライダーは全てライバル……だからこそ、完全に心を許せる奴なんて、数えるくらいしかいない」

ギーツⅨ「この世界で、アイドル達と出会って、お前と出会って……仲間ってものが、少し、羨ましく思えたよ」

クロスセイバー「……そっか。案外いいものでしょ、仲間も?」

ギーツⅨ「まあな。俺が創る新世界も、それに近しいものを目指したい。お前達に会えてよかった、感謝するよ、セイバー」

クロスセイバー「……ふふっ、こちらこそ!英寿の新世界、今度俺もお邪魔させてもらうよ。また会おう、約束だ!」グッ

ギーツⅨ「ああ!」グッ

【アメイジングセイレーン!】

【BOOST Ⅸ STRIKE!】

【刃王一冊撃!セイバー!】



クロスセイバー「さあ、創世の力をワンダーオールマイティに!」バッ

みく「……デレグラに、これまでの不幸に、全部バイバイだにゃ!!」

奏「そして、おかえりなさい」

茜「私たちの……本当の世界へ!!」

ギーツⅨ「これからも元気で、達者でな……俺の『仲間』の、アイドル達」バッ






ガーンガーンガーン……




一ヶ月後 事務所

奏「ふぅ……お疲れ様、プロデューサー。それに二人とも」

みく「ぜーはー、だにゃ……ひっさびさにダンスレッスンやった結果がこれにゃんよ……め~ちゃめちゃつかれたにゃ……」フラフラ

茜「いくらゲームで戦っていたとはいえ、レッスン自体はご無沙汰でしたからね……」フラフラ

プロデューサー「え……っ?ご、ご無沙汰って?」

奏「あっ……!?い、いや、その、サボってたってわけじゃなくて、えっと……そ、そう!私たち、最近サバゲーにハマりだしてね?それで……」アタフタ

みく「うぐっ!や、やっば~!……そうだったにゃ、みく達しか記憶ないの、すっかり忘れてたにゃぁぁぁ……っ!!」コソコソ

茜「はっ!そ、そーでしたぁぁぁ……っ!!!」コソコソ

プロデューサー「もう……楽しむことは全然いいけど、それでハメを抜かしすぎたらダメだよ?いい?」

奏「え、ええ、もちろん、ちゃんと気をつけていくわ……ほ、ほら!二人も一緒に謝るっ!」グイッ

みく「のわっ!は、はいにゃっ!!すみませんでしたにゃっ!!」ペコッ

茜「も~~しわけありませんでしたっ!!!!!」ペコッ!!!!!

プロデューサー「おわっ!!ちょ、す、凄い迫力あるごめんなさいだねっ!?」

プロデューサー「はぁ……にしても、いつの間にかすっごい仲良しになったね、三人とも?」

奏「えっ?……ああ、まあ、そりゃ今までが今までだし、ね?」

茜「そうですね……今までいろ~~んなことが、ありましたから」

みく「本当に色んなことだったにゃ……でも、それらを全部乗り越えてこれたのは、いつでもこの三人で、一緒にいたお陰なんだにゃ!

これからも……みんなは、かけがえのない、大切な友達だにゃんよ!」

奏「ふふっ……私もよ」

茜「はい、私もですよっ!!!えへへっ……」

プロデューサー「そっか……良かったよ!みんながアイドルを通じて、大切なものを見つけることが出来て……本当にね!」

みく「にゃははっ!」

茜「あははっ!」

奏「ふふっ」

プロデューサー「ははっ……あ、そうだ!今度インタビューの案件入ったから、日にち忘れないように宜しくね?」

茜「おおっ!早速お仕事ですねっ!!どんなものでしょうか!!」

プロデューサー「ふっふん、そりゃ、聞いてビックリ!この前と同じで、あの超有名作家、神山飛羽真先生の最新作とのタイアップ第二弾だよ!!しかも、今度は先生本人が直接この事務所まで来てくれて……!!」

茜、奏、みく「えっ……ええええええええええええええええっ!!!!!!!!!!」

デザイア宮殿

ツムリ「……ふふっ、あの世界も元に戻り、私たちもこうして元の世界に帰ってきて、全てが元通りになりましたね」

英寿「ああ。あの後『俺たちが元の世界に帰れる物語』を本に書き、それを現実に反映させるなんてな……アイドルも剣士も、みんな何でもありな、摩訶不思議な世界だったよ」

ツムリ「本当にそうですね……そういえば、結局どうして私たちは、初めにあの世界に渡ることができたのでしょうか?」

英寿「……多分、あの白い人魚様のイタズラだろ。『俺たちが助けに来る物語』を描いたとか、そんなとこだろうな」

ツムリ「例の白い本の仕業、ですか。元凶も発端も全てが本によるもの……どこまでもファンタジックなものです」

英寿「ははっ、ロマンチックでもあったけどな。何はともあれ、悪くない世界だった」

英寿「……得られたものも、あったしな」

英寿「さ、これから忙しくなるぞ。一つ一つ地道にでも創っていかないとな、俺が目指す理想の世界を……仲間の力も借りて」

英寿「だから、手、貸してくれるよな。姉さん」

ツムリ「……私、も、ですか?」

英寿「ああ、だって仲間だろ?俺のデザグラを続けるって言った時も、そして今も、こうして着いてきてくれてる。今回だって、俺がデレグラを探ってる間に、あの世界のことを調べてくれてたんだろ。おかげで俺も助かった」

英寿「長い間、仲間とは縁遠い人生を送ってきた俺にも、ようやく一人じゃない時間が出来たんだ。
……お前のお陰だ。ありがとな、ツムリ」

ツムリ「英寿様……」




ツムリ「ふふっ、仲間というのも、案外悪くない、素敵な響きですね」

英寿「……だろ?」


「えへへ……って、あれ、ち、ちょっと待ってください!その姉さんって呼び方、まだ続けるんですか!?」

「えっ?いいじゃん、別に。ずっとこういう呼び方だったし、今更変えるのも変だろ?」

「そ、そうですけど、だからと言って恥ずかしくないわけでは……もう!英寿様ってば!!」

「……ははっ、まあまあ、姉さんに認めてもらえる弟になれるよう、頑張るからさ。それじゃ、今日からも改めてよろしくな」

「も、もう……分かりましたからっ」

「一緒により良い、誰もが幸せな世界を創れるよう、頑張りましょう……英寿様!」



「ああ、ここから始めるんだ……俺たちの、全ての人々にとっての、理想の世界をな!!」



fin.

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