愛「でっかい宇宙に愛さんがある」 (22)
スクールアイドル同好会の部室
璃奈「出来たよ愛さん、一人用の手作りロケット、窓の外を見て」
愛「おぉ~!小さいロケットだぁ~!可愛いぃ~!」
璃奈「……愛さん」
愛「?」
璃奈「死なないで……」
愛「……有難うりなりー、必ずスペースアイドルになって世界中の人達に歌を届けるよ!」
宇宙で歌うスクールアイドル、スペースアイドル。宮下愛の史上最大のチャレンジが始まった。
校庭
愛「わー!ロケットに寄せ書きが書いてある!」
歩夢『無理しないでね』
せつ菜『このすばらしい世界に大気圏より熱い歌を!』
侑『世界中にトキメキ隕石落としちゃえ!』
ランジュ『今日から愛は、宇宙一のスクールアイドルよ!』
果林『宇宙は、寒いから暖かい服を着なさい』
エマ『宇宙を渡ってスイスイスイ!夢を育てるスペースガール!地球もすぐにぽっかぽか!』
彼方『宇宙は、永遠の夜だけどすやぴしちゃ駄目だよ~』
ミア『Please come back for sure.』
かすみ『愛先輩!かすみんの可愛いパワーを地上から送るので頑張って下さい!』
栞子『前人未到の挑戦に挑む愛さんは、とても強い女性だと思います』
しずく『愛さんは、宇宙という闇の舞台を明るく照らす光です!太陽を演じる女優です!』
璃奈『从||>ᴗ<||从ファイトだよ』
愛「みんな有難う!愛さん超パワーアップしたよ!」
愛は、ロケットに乗った。
愛「いってきまーす!」
愛を乗せたロケットは、打ち上げられた。
スクールアイドル同好会の部室
彼方「わぁ~、愛ちゃんが空の彼方に~、彼方ちゃんだけに~」
ミア「璃奈、何を見ているんだ?」
璃奈「ドローンで愛さんを中継してる」
かすみ「マジで!?見せて見せて!」
歩夢「この中に愛ちゃんが……」
果林「小さいのに凄い迫力……」
璃奈「本物だから」
栞子「……璃奈さん」
璃奈「?」
栞子「愛さんは、どうやって宇宙で歌うんですか?宇宙では、音が聞こえないんですよ」
璃奈「心配ご無用。ロケットの中にあるマイクとスピーカーは、宇宙から地上まで聞こえる特別製」
かすみ「へぇ~凄い!」
璃奈「ダンスは、宇宙空間でやる。衣装も特別製なので宇宙に出ても大丈夫。この中継は、動画サイトで世界中に」
その時、ロケットが爆発した。
歩夢「……」
せつ菜「……」
侑「……」
ランジュ「……」
果林「……」
エマ「……」
彼方「……」
ミア「……」
かすみ「……」
栞子「……」
しずく「……」
璃奈「……えっ?」
かすみ「あ、あ、あ、あ、あ、ああああああああ!愛先輩がああああああああ!げほっげほっ!」
しずく「かかかかかかかかすみさん落ち落ち落ち落ち落ち落ち着いててててて!」
果林「嘘……」
ミア「……り、璃奈!特別製の衣装は、ロケットの爆発も耐えられるよな!?」
璃奈「……」
ミア「璃奈!答えろ!耐えられると言ってくれ!」
璃奈「……失敗した」
ミア「は!?」
璃奈「愛さんが……死んだ……」
ミア「このチビジャップが!」
ミアは、璃奈の胸ぐらを掴んだ。
璃奈「ぐえぇ……」
歩夢「ミアちゃん止めて!」
ミア「お前が作ったポンコツのせいで愛は、死んだ!お前が愛を殺したんだぞ!」
ミアは、璃奈の顔面に右ストレートを叩き込んだ。
璃奈「がはぁ!」
璃奈は、倒れて仰向けになった。
ミア「あの世で愛に謝罪しろ!」
ミアは、璃奈の顔面に向かって踏みつけを放った。
エマ「ぐふっ!」
ミア「!」
璃奈「エマさん……」
ミアの踏みつけは、璃奈の上に覆い被さったエマの背中に当たった。
エマ「痛っ……」
ミア「エマ……何で……」
エマ「愛ちゃんは、こんな事をしても喜ばないよ……」
ミア「……」
璃奈「……でも私のせいで愛さんは……」
果林「……えっ?」
その時、奇跡が起こった。
果林「みんな!中継を見て!愛が生きてるわ!」
璃奈「えっ?」
果林「無傷よ!全裸だけど!」
侑「本当だ!全裸だけど生きて……あれ?」
歩夢「……何これ」
愛の体に異変が起きた。
彼方「おかしいね~……何で落ちないのかな~?」
栞子「浮いてますね……」
かすみ「……愛先輩、少し大きくなってる?」
璃奈「……ロケットより大きい」
果林「見て……どんどん大きくなってるわ」
かすみ「えっ?えーっ!?」
璃奈「愛さん……何が起こってるの?」
その時、愛にミサイルが直撃した。
璃奈「……は?」
某国の戦闘機部隊が出動した。
果林「愛!」
ミア「ファック!どこの国の戦闘機だ!」
ランジュ「許せないわ!」
栞子「まるで怪獣映画です……」
エマ「止めて……愛ちゃんは、怪獣さんじゃないよ」
しずく「仕方ありません……人間は自分の理解できないものを恐れ、排除しようとする生き物ですから……」
かすみ「ひえっ、今の愛先輩は何メートルなの?」
璃奈は、パソコンを使って計測した。
璃奈「推定……100m以上……」
かすみ「ひゃ、100m!?」
戦闘機部隊の総攻撃が愛を襲った。
璃奈「……500m……1000m……2000m……」
戦闘機部隊は、撤退した。
かすみ「ひえええええええ……どこまで大きくなるんですか!?」
璃奈「5000m……10000m……15000m……」
果林「部室の窓から見えるわ……」
璃奈「30000m……測定不能……大きすぎて分からない……」
しずく「空が……愛さんの肌の色に……」
侑「愛ちゃん、どうなっちゃうの?」
歩夢「分からないよ……」
璃奈「宇宙用ドローンを飛ばした。これで今の愛さんの全体が見れる」
歩夢「……」
せつ菜「……」
侑「……」
ランジュ「……」
果林「……」
エマ「……」
彼方「……」
ミア「……」
かすみ「……」
栞子「……」
しずく「……」
璃奈「……地球がピンポン玉に見える」
せつ菜「デカ過ぎです!!!!!」
歩夢「空のあれは全部、愛ちゃんの体なんだ……」
璃奈「……愛さんの口が動いてる」
彼方「え?あ、本当だ~」
璃奈「宇宙だから聞こえないけど……歌ってる」
しずく「……これが」
璃奈「?」
しずく「愛さんがなりたかったスペースアイドルなの?」
果林「……そもそも……スペースアイドルって何なの?」
璃奈「……あ、愛さんの体が……透けてる」
侑「え!?何で!?」
璃奈「分からない……」
しずく「……おそらく愛さんは、今変身している……スペースアイドルに……」
果林「スペースアイドルって何なの!?」
しずく「今分かりました……スペースアイドルとは……」
璃奈「あ、あ、あ、あ、あ……」
しずく「宇宙で歌うスクールアイドルではなく……」
璃奈「愛さんが……」
しずく「宇宙と一体化したスクールアイドル……」
璃奈「消えた……」
しずく「違う、愛さんは宇宙の一部になって今も歌い続けてる……聞こえない歌を……地球に届けてる……」
歩夢「……」
せつ菜「……」
侑「……」
ランジュ「……」
果林「……」
エマ「……」
彼方「……」
ミア「……」
かすみ「……」
栞子「……」
しずく「……」
璃奈「……という夢を見た」
愛「へぇ~、面白い夢!漫画みたい!」
璃奈「愛さんが宇宙の一部になった時、泣き叫んだ。それで目が覚めた」
栞子「泣き叫ぶ璃奈さん……想像できません」
璃奈「愛さんに触れることも、声を聞くことも出来なくなったから……夢で良かった……けど、現実の愛さんがもしスペースアイドルになるって言ったら……ううっ」
愛「……りなりー」
璃奈「!」
愛は、璃奈を抱き締めた。
愛「宇宙と一体化しなくても愛さんの愛は、宇宙よりでっかいよ」
璃奈「……」
愛「だから現実の愛さんは、スペースアイドルになるなんて言わないよ」
璃奈「愛さん……」
璃奈も愛を抱き締めた。
かすみ「あら^~」
侑「ときめき^~」
しずく「スペースアイドル……そのアイディアいただき!」
数日後、演劇部の新作が上演された。しずくは、璃奈が見た夢をそのまま演劇にした。
愛が全裸になるシーンも……。
しずく「私が脱ぎました!まんまんも丸出しです!」
翌日、演劇部は部活動停止になった。
しずく「芸術なのに……」
演劇のタイトルは「でっかい愛さんが宇宙にある」である。
果林「……スペースアイドルって何?」
完
あとがき
でかい愛が地球をまんまんに入れて妊娠するというシーンがあったけどオチが思い付かなかったので削除しました。
SSの感想・SSと関係ない書き込み・意味不明な書き込みは無視します。
※感想は最後まで読んでから書いて下さい。
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