(フリーザの部屋)
悟空「フリーザ、おめぇのアソコどす黒ぇな」
フリーザ「ブラックフリーザです」
悟空「…今夜は眠れねぇかもな」
(翌朝)
悟空「…ん、ふぁああああ……」
フリーザ「いつまで寝てるのですか」
悟空「今何時だ?……いっ!?」
フリーザ「早く服を着なさい」
悟空「やべぇ!仕事の時間だ!」
フリーザ「今日も一日頑張りましょう」
悟空「はい!フリーザ様!」
(数年前・ナメック星)
ピッコロ「……」
クリリン「……」
悟飯「……」
悟空「……」
ピッコロ「どういうことだ!孫!」
悟空「言った通りだ。オラ、フリーザの下で働くことにする」
クリリン「ど、どうしたんだよ!悟空!冗談でも面白くないぜ…」
悟空「悪い…オラ、本気なんだ…全て説明するから聞いてくれ…」
(数分前)
悟空「冗談じゃねぇって…オラがそんな申し出受けると思うか?」
フリーザ「私はこれでもあなたを高く評価してるのですよ?決して悪いようにはしませんが」
悟空「オラが、おめぇみたいな悪人に力を貸すと思ったか?」
フリーザ「やはり誤解をなさってるみたいですね。私はあなたが思うような悪人ではありませんよ」
悟空「何言ってるんだ?おめぇは、他の星の住民を殺してその星を売買する悪人だろ。ラディッツやベジータ、それに界王様だってそう言ってたぞ!」
フリーザ「仕方がありません。1つ誤解を解いていきましょう。まず私が本当にそんなことをしていたらあなたのいう界王という方が何かしら手を打つのではありませんか?」
悟空「え?」
フリーザ「僕もパパから界王の話は聞いたことがあります。噂では、さらにその上の界王神という存在がいるらしいですが、彼らは僕を一撃で倒す力があると聞きました。なのになぜ彼らは私を倒しに来ないんですか?」
悟空(確かに…あの世にはオラの想像がつかなかったやつがいた。閻魔のおっちゃんや界王様を上回るやつがいてもおかしくねぇ…なのになんでそいつらはフリーザを倒しにこないんだ…)
フリーザ「次に、住民を殺して星を奪う悪の帝王なんて噂もありますが、それは全部ベジータが勝手に流した噂です」
悟空「え?」
フリーザ「ベジータは私の地位を狙ってるのです。そのためにありもしない噂を流すのですよ。おそらく界王という方はそれを真に受けただけでしょう」
悟空「でもおめぇはナメック星のドラゴンボールを奪うためにナメック星人を殺してるじゃねぇか!これはどう説明すんだ!」
フリーザ「話が長くなりますが、一つずつ説明していきましょう。まず私たちは星の再生と復興を行っているのです」
悟空「どういうことだ?」
フリーザ「例えば、ある独裁者が支配している星があります。その星では住民が死ぬまで労働をし、独裁者を養うというえげつない行為を起こしています。しかし、住民は独裁者の武力に逆らうことができません。そういう独裁者を倒し、星を改正させるのが私たちの仕事です」
悟空「だけど、ナメック星にそんな様子はねぇ!平和な星だって界王様が言ってたぞ!」
フリーザ「確かに。本来ならこの星に手出しはしません。しかしこの星にはドラゴンボールという願いをかなえるものがあります。それが今回の問題点なのですよ」
悟空「ドラゴンボールに何の問題があるっていうんだ!」
フリーザ「ドラゴンボールはあらゆる願い事をかなえると言われています。そんなものが悪用された場合、この星だけでなく宇宙全体に多大な悪影響を起こす可能性があります。私たち一族は何度もドラゴンボールの作成を止めるようにナメック星人を説得しました。しかし頑なにそれを受け入れなかったのです」
悟空「だから殺したのか…?」
フリーザ「…ナメック星人にドラゴンボールを護る力があるかどうかの確認でもあったのです。だからあえて私は不老不死になりたいと騙り彼らに接触しました。中には保身のためにドラゴンボールを渡すナメック星人もいました。それが許せなかったのです…。彼らは宇宙のバランスより自分のエゴを優先にしたのですから」
悟空(確かに、オラの星にもドラゴンボールを悪用するやつがいた。幸いにも大事にならずにすんでいるが、それは運がよかっただけだ…)
フリーザ「仮に子供だけを残しても彼らはドラゴンボールを作り、私に復讐をするでしょう。だから絶滅させるほかなかったのです。本当に不老不死を目的にしてるなら、全員生け捕りにして子供を人質にしたほうが得策です」
悟空「だ、だけど、星を売るなんてことが許されるわけがねぇ!」
フリーザ「星の救済の中には、天変地異の類で星が滅ぶパターンもあります。その場合は、住民全てを私の星に避難させ、援助しますが、中には自分達の力で開拓したい住民もいます。その方々のために星を売っているのです。このナメック星も恐らくそのような星になるでしょう」
悟空「じ、じゃあ、なんでサイヤ人を滅ぼしたんだ!」
フリーザ「彼らは私への反逆を企てていたのです。ベジータのように私の地位を狙うものが徒党を組んで攻めこもうとした矢先だったのです。もしそんな戦闘が起きれば、被害と損害は計り知れません。それに私が倒されてサイヤ人が地位を奪っても私の後任ができると思っていません。下手をしたら部下全員が路頭に迷いその家族も含めて最悪な未来を辿ることになります」
悟空「……」
フリーザ「ベジータさんには『悪いことを考えたものには天罰が下る』そういう形で隕石が衝突したと伝えました。これを機に改心してくれると思ったのですが……彼の心には届かなかったようです」
悟空「じゃあ…なんでオラを殺さず雇おうとするんだ…オラには学がねぇんだぞ」
フリーザ「あそこに見えるのはあなたの子供でしょう?そこから察するにあなたは妻子持ちです。サイヤ人は戦闘以外はあまり得意ではありません。もしかしたらあなたが苦労してるのかと思い、試しに話を持ちかけたのです」
悟空「おめぇ…オラに何をさせるつもりなんだ…」
フリーザ「あなたには先ほど話した惑星の再生と復興を行ってもらいたいのです。宇宙は広いのです。人手は多いほうがいいですし、あなたも修行ができて悪い話ではないと思いますが」
悟空「少し考えさせてくれねぇか…」
フリーザ「どうぞ、よい返答お待ちしています」
悟空「…ということなんだ」
ピッコロ「貴様、そんな話信じるのか?」
悟空「オラも最初は作り話と思ってた…でも冷静に考えると理屈も通ってるし嘘じゃねぇと思う」
クリリン「だけど、俺たちはどうするんだ!助かるのは悟空だけじゃないか!?」
悟空「いや、フリーザがこの戦いをやめてくれれば、オラ達を地球に送り届けるらしい。ただし地球のドラゴンボールはフリーザが管理することと神様にドラゴンボールを二度と作らせないと約束させることが条件だ」
悟飯「それだと、地球で死んだみんなが生き返りませんよ!それでいいんですか!お父さん!」
悟空「悟飯聞いてくれ。命はそんな軽いもんじゃねぇんだ…。オラもフリーザに言われたことだがドラゴンボールのせいで命の重さを軽んじてたと思う。人は死んだら生き返らないのが普通なんだ…」
悟飯「お父さん…」
悟空「でも、フリーザのやつは自分の部下が勝手にしでかした失態によって生じた損害を補償するらしい。ベジータ達が壊した建物や殺した人達の遺族に精一杯償いをするって約束したんだ…」
ピッコロ「見損なったぞ!孫悟空!ここまで腑抜けになるとはな!」
悟空「…じゃあ、おめぇ家族をもったことあんのか?」
ピッコロ「なに?」
悟空「結婚して子供を産んで家族を守るってのは簡単じゃねぇんだ!おめぇみたいに水だけ飲んでれば生きられるわけでもねぇんだぞ!!」
クリリン「ご、悟空落ち着けって!」
悟空「オラ、結婚して悟飯が生まれて幸せになれると思ったんだ…だが、実際は違う。チチからは毎日働け働けと言われ、オラは修行する時間を惜しんで就活に勤しんだが地球じゃどこも雇ってくれなかった…」
ピッコロ「……」
悟空「オラの兄ちゃん、ラディッツが来るまでオラは毎日修行もせず就活に失敗してばっかで家じゃチチと喧嘩しまくってた…悟飯に気付かれないように毎日作り笑いでごまかしてたんだ…」
悟飯「……」
悟空「毎日が地獄だった…何度も消えてぇと思った。死にたいじゃねぇ、消えてぇだ」
クリリン「悟空...」
悟空「この戦いに勝ってもオラには何もねぇんだ…下手したらフリーザの部下の家族まで巻き込むことになる。オラそんなの耐えらんねぇ…」
悟空「もしかしたら、ここがオラの人生の分岐点かもしれねぇんだ…フリーザはオラに仕事もくれる。修行も戦いもさせてくれる。オラの悩みを全て理解してくれるんだ…」
悟空「頼む…この戦いから手を引いてくれ…」
ピッコロ「……」
クリリン「……」
悟飯「……」
こうして悟空はフリーザの部下になり、あっという間に幹部になった
数年後、二人は結婚し、上司と部下以上の関係になった
この先何があるか分からないけど二人ならどんな困難も乗り越えられるだろう
おしまい
チチ「…おい」
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