ひとり「最近虹夏ちゃんの様子がおかしいんです」 (14)

ある日のバイト終わり

ひとり「あの、店長さん」

店長「おう、どうしたぼっちちゃん?」

ひとり「あの、実は相談したいことがあって......」

店長「何だ?言ってみろ」

ひとり「その...何というか...最近虹夏ちゃんの様子がおかしいんです」

店長「というと?」

ひとり「最近の虹夏ちゃん、バンド練習中なのにぼーっとしていて落ち込んでいるかと思えば何日かすると普通じゃないくらいに元気になってたりするんです」

店長「なるほどな。ぼっちちゃん、虹夏のことは好きか?友達として」

ひとり「はい、私に初めて出来た大切な友達です。もし私に出来ることがあれば虹夏ちゃんの助けになりたいです」

店長「そうか...単刀直入に言おう。虹夏は心の病気を抱えてるんだ。ああ見えて心は繊細な子でな、昔から精神的に不安定だったんだよ。母親を幼い頃に亡くしたことも大きいのかもな」

ひとり「どんな病気なんですか?」

店長「双極性障害、躁鬱病とも言うな。気分が異常に高まる躁状態と気分が落ち込む鬱状態を繰り返す病気なんだ。まあなんだ、病気だからといって気を遣わずに接してやってくれ」

ひとり「分かりました、出来るだけ虹夏ちゃんをサポート出来るように頑張ります」

店長「ありがとな、ぼっちちゃん」

次の日の朝

ロイン♪
—ぼっちちゃん、私死にたい—

ひとり「!?」

ひとり(虹夏ちゃん...一人でそこまで追い詰められてたの?...とりあえず電話掛けなきゃ!)

ひとり「に、虹夏ちゃん...大丈夫ですか?私すごく心配です...!」

虹夏「グスッ...ありがとうぼっちちゃん。でも私もう死ぬね。私なんて結束バンドの皆に比べたらキャラが薄いし存在価値なんて無いんだよね。もう辛くて寝れないよ...」

ひとり「そんなことないですよ!今から虹夏ちゃんの家に行って話聞かせて下さい」

虹夏「ぼっちちゃん...」

伊地知家にて

ひとり(虹夏ちゃん、大丈夫かな...出会った頃はこんな事になるなんて思わなかったな)

ひとり「に、虹夏ちゃん開けていいですか?」コンコン

虹夏「アハハハハーぼっちちゃん、本当に来てくれたの?」

ひとり(虹夏ちゃんの様子がおかしい...これが躁状態ってやつなのかな)

虹夏「ぼっちちゃん、私ODしちゃったんだー!拍手!」パチパチ

ひとり「虹夏ちゃん、ちゃんと自分の体のこと考えて下さい!」

虹夏「フワフワして気持ちいんだよ!このデパケンって薬。へへへ楽しいなあ...人生って最高だね!」

ひとり「......一体何錠飲んだんですか!私が虹夏ちゃんのことどれだけ心配してると思ってるんですか!」

虹夏「ひどいよ...」

ひとり「...え」

虹夏「そんなこと言わないでよ...私の勝手でしょ!どうせ心配なんかしてない癖に!!!」

ひとり(......)

虹夏「オエッ気持ち悪い...」

ひとり「大丈夫ですか虹夏ちゃん?」

虹夏「ウッ...オエー......」

大量の溶けかけの薬が混じった伊地知虹夏の吐瀉物が後藤ひとりの服にかかってしまった。

ひとり(どうしよう、ちょっと気持ち悪いけど濃厚な虹夏ちゃんの匂いにむしろ興奮してきちゃった...///)

ひとり「虹夏ちゃん、私はずっと虹夏ちゃんの味方です...!」

そう言うと後藤ひとりはゲロまみれの体で伊地知虹夏をぎゅっと抱きしめた。

虹夏「ぼっちちゃ...ありがとぉ。私のこと見捨てないでえ...」

ひとり「虹夏ちゃん、大丈夫ですか?!呂律が回ってないみたいですけど...」

虹夏「...zzz」

ひとり「虹夏ちゃん、結局寝ちゃった...寝てる時だけは悩み事がない幸せそうな顔してるなあ」

虹夏「ムニャムニャ...ぼっちちゃん、大好きだよ...」

ひとり(虹夏ちゃん私のこと...これって両思いなのかな///)

ひとり(そんなことより服洗濯しなきゃ...)

その日の夜

虹夏「よく寝たー。ってなんでぼっちちゃんがここに!?」

ひとり「...覚えてないんですか?」

虹夏「たはー...そういえばそうだったね......」

ひとり「とりあえず今日あったことは店長さんには黙っておきます。あと、もうこんな事はしないで下さい。私すごく悲しかったです」

虹夏「ごめんねぼっちちゃん...ごめんね、ごめんね......泣」

ひとり「そんなこと言われても困りますよ...」

虹夏「今日は本当にごめんなさい。もう帰っていいよ、ぼっちちゃん」

ひとり(これじゃ私の本当の気持ちを伝えられずじまいだ...このままじゃ...嫌だ......!)

ひとり「に、虹夏ちゃんが寝てる間、私はずっとそばにいました。そしたら聞いちゃったんです、虹夏ちゃんが寝言で私のこと大好きだって言うのを......」

虹夏(......///)

そのまま伊地知虹夏は後藤ひとりをベッドに押し倒し、今まで心の奥底に隠していた気持ちを押し付けるように口付けをした。

虹夏「愛してる、愛してるよぼっちちゃん」チュパ

ひとり「虹夏ちゃん、私幸せです。夢見てるみたいです」

虹夏「私今までずっと怖かったの。女の子同士の恋愛なんて叶う訳ないと思ってた...」

ひとり「奇跡が起きたんですよ、虹夏ちゃん......」

そして後藤ひとりは情欲で火照った舌先を伊地知虹夏の小ぶりな口の中に差し込んだ。

虹夏「ハァ...大好きだよ。生まれてきてくれてありがとう、ぼっちちゃん!」

おしまい

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