善子「覚えてる?9月の事」梨子「そう、あの夜の事」 (48)

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「覚えてる?9月の事」



「そう、あの夜の事」



「雨でも曇りでも、ずっと語り明かしたかった夜」



「お互いの事を、どこまでも知りたかった夜」



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SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1667053947



https://youtu.be/wad6Cb1k53s



梨子「よっちゃん、帰ろ」


善子「ヨハネ。分かったわ」


曜「お帰りでありますか?」


善子「ええ、先に帰るわね」


鞠莉「衣装、手伝って貰ってThanks!後の事は曜とマリーに任せてね!」


梨子「ありがとう、鞠莉ちゃん」


ガラッ


ピシャッ


曜「…仲良いよねぇ、あの二人」


鞠莉「もう"そういう"仲、だったりして♪」


曜「そう思って間違いない、と思うでありますよ」


曜「というか鞠莉ちゃん」


鞠莉「What?」


曜「OBだからって来過ぎだと思うであります」


鞠莉「だ、だって事業が暇なんだもん…」

ーバス停ー


梨子「…何時頃向かえばいいかな?」


善子「ん……18時頃にバス停来てくれれば迎えに行くわよ」


梨子「うん、分かった」


善子「…ごめんなさいね、急に泊まってなんて」


梨子「謝らなくて良いの、そういう時もあるわよ」


善子「……」


梨子「親御さん、10月初めまで帰ってこないんでしょ?」


善子「あと4日程度、我慢しろって話しよね」


梨子「いやいくら高校生でも、よく1週間以上1人で耐えたと思うよ」


善子「…」


梨子「…正直に言えないのは分かるよ…寂しいんでしょ?よっちゃん」


善子「わざわざ口に出さないで!///あとヨハネ!!///」


梨子「ふふっ…そういうとこが可愛いんだから、ヨハネちゃんは」


善子「だからヨハ…分かってるじゃない///」



<次はー農業会前、農業会前です…



梨子「…じゃあ、ここで」


善子「…待ってる」


梨子「また後でね、善子ちゃん」


善子「うん…後で」


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ダイヤ「あ、おーい梨子さーん。ここですわー」フリフリ


梨子「あ、いたいた…すいません、お待たせしました…」


ダイヤ「お疲れ様ですわ、何にしますか?」


梨子「うーん…レッドアイにしようかな」


ダイヤ「かしこまりましたわ、すいませーん」


<はーいお決まりですかー?


ダイヤ「レッドアイと……黒霧の水割りを下さい。それとトマトサラダといももちを」


<かしこまりましたーお飲み物お先で宜しいですかー?


ダイヤ「お願い致しますわ」


<かしこまりましたー失礼致しまーす…


梨子「あ、もう飲んでました?」


ダイヤ「少し遅れると連絡を頂いてから1杯だけ、芋のロックを」


梨子「一発目から随分な…」


ダイヤ「お芋、好きなんですもの」


梨子「よく知ってます」


<お待たせしましたーレッドアイと黒霧の水割りでーす、お後トマトサラダでーす


ダイヤ「ありがとうございますわ」


梨子「はーい貰います」


<ごゆっくりどぞー


ダイヤ「…では」スッ


梨子「お久しぶりです、遅れてすいませんでした…」スッ


キン…


https://youtu.be/iiCbHDzHZ3U


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ー津島家近くのバス停ー


善子「…」


…ブーン…


善子「…あれかしら」


キキーッ…


プシュー


<お足元にお気を付けてお降り下さい…


梨子「…や」


善子「さっきぶり」


梨子「お待たせしました、行こっか」


善子「待っちゃいないわよ、約束15分も前じゃない」


梨子「つい癖で…よっちゃんも時間前行動の癖つけないとダメだよ?」


善子「ヨハネ。言われなくても出来るわよ」


テクテク…

梨子「まあ、今日もしっかり待っててくれたもんね…いつからいたの?」


善子「今着いたばっかだったわよ」


梨子「あ、ほんと?長く待たせてたりしたら悪いと思ってたけど…」


善子「リリーの事だから、どうせ早く来ると思ってたのよ…丁度良かったわ」


梨子「そっか…」


善子「あれ…?リリー禁止じゃないの?」


梨子「…ふふ、二人でいる時は良いよ」


善子「………///」


梨子「あ、赤くなってるー♪」


善子「うっさい!///」


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ダイヤ「んぐ…っはぁ~…今日もお芋が美味いっ、ですわ…」


梨子「ダイヤさんってほんと強いですよね…」クピ


ダイヤ「そうなんですか?自分ではよく分かりませんの」


梨子「素養はあるんでしょうね…黒澤家はお酒強い家系とか?」


ダイヤ「ふーむ、ですがお父様は下戸ですわ。でもお母様は…酒豪ではありますが」


梨子「お母さんの血を、色濃く受け継いでいるのが今日のダイヤさんって訳だ…」


ダイヤ「実際、ルビィはぜーんぜん飲めませんからね、その流れで言うならお父様の血を受け継いだのでしょう」グイッ


梨子「成程、ルビィちゃんはお父さん似と…」


ダイヤ「…そんな事よりも」


梨子「っ…」クピ


<失礼しまーすトマトサラダお待たせしましたー


ダイヤ「ありがとうございますわ」


梨子「…あ、サラダ取り分けますね~…この位で良いですか?」ワシャッ


ダイヤ「その位で結構ですわ」


梨子「あ、はーい…」


ダイヤ「……」グイッ


梨子「…」


ドンッ


梨子「っ!」ビクッ


ダイヤ「…善子さんとは、最近どうなんですの」


梨子「……よっちゃん…」


梨子「善子ちゃんとは…」


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ー津島家ー


善子「クックック…我が魔城、ヨハネ聖殿へようこそ…」


梨子「魔城なのに聖殿なの?」


善子「あっ…だ、堕天使だからモーマンタイなのよ!!」


梨子「はいはい…」クスッ


ガチャ


善子「…ま、どうぞどうぞ」


梨子「お構いなくー」


ゴチャー…


梨子「……この惨状は何?」


善子「…え、えーと…」


梨子「何?」


善子「お、お母さんのいない1週間で溜まった未掃除の部屋です…」ガクブル


善子「で、でも物の場所とかは全部把握してるし!流石に生ゴミとかはひとまとめにして集積所に出してるし!!」


「よっちゃん」


善子「は、はい?」クルッ


おそうじ内梨子「やるよ」


善子「い、いつの間にバンダナとほうきを!?まさか堕天魔術を!?」


おそうじ内梨子「黙って」


善子「すいません」


梨子「まずはそのゴミ袋を全部台所に避難!!」


善子「は、はいぃっ!!」


梨子「その間に掃除機と換気はさせてもらうからね!!はい動いた動いた!!」


善子「あ、そこのグリモワールの山は動かさないで貰えると助かr」


梨子「なぁに?」


善子「喜んで掃除させて頂きます!!」


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梨子「善子ちゃんとは…何も無いですよ」


ダイヤ「そう、何も無いのですわね」


梨子「はい…」


ダイヤ「何も無いから駄目なのですわ」


梨子「えっ」


ダイヤ「あの時からの、善子さんのあなたに向けた好意、気付いてないとは言わせませんわよ」


梨子「…」


ダイヤ「そして、あなたがそれに応えていようとしていた事も」


ダイヤ「…応えきれず、終わった様ですが」


梨子「…っ」


ダイヤ「よもや、あなたに応える気が無かっーーーー」


梨子「そうじゃないっ!!!」


ダイヤ「…」


梨子「…それだけは…有り得ない…」


梨子「私は、応えたくて…」


梨子「でも…」


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善子「お、終わった…ラグナロクが…」バタッ


梨子「ほら見なさい、こんなに綺麗な部屋」


善子「…うん」


梨子「何か言うことはー?」


善子「は、ははーっ!梨子さまリリー様大変有り難き幸せにございますーっ!!」


梨子「宜しい、くるしゅうないぞ」


善子「…ぷっ」


梨子「あはは…!!」


善子「ふふふっ…」


梨子「ごめんごめん、つい口から出ちゃった…」


善子「梨子」


梨子「んえ?」


善子「ありがとう」


梨子「……か、かしこまらなくていいよ…///お掃除位で…っ///」


善子「…ふふっ、さ、少し汚れちゃったでしょ?」


梨子「うん、生ゴミとかは無かったからホコリとか…訳の分からない蝋燭とか…」


善子「ご、ごめん…じゃ、お風呂入っちゃってちょうだい」


梨子「ほんと?ありがとう」


善子「さっきバタバタしてる間にお湯張っておいたから、もう沸いてるわよ」


梨子「おお、流石の手際だね?」


善子「ほら行った行った」


梨子「うん」


善子「あとで私も入るから」


梨子「うん…ぅえっ?」


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善子「…おっそいわね…」


果南「…あ、いたいた善子、おまたせー」


善子「あ、いたいたー、じゃないわよっ!誘った本人が遅れるなんてっ」


果南「ごめんてー、ぃよっこらせ」


善子「で、何にするの?」


果南「うーん…ビールある?」


善子「何の?」


果南「何でもいいよビールなら」


善子「はいはい、すいませーん」


<お決まりでしょうか?


善子「ハイネケンを。グラスは1つで」


<かしこまりました。お代わりはどうなさいますか?


善子「あ、あたし?じゃあ…デュベルビール下さい」


<かしこまりました…

果南「いやー、急に案件入っちゃってさ、ほんとごめん善子」


善子「ま、仕事なら仕方ないわよ。大変ね、パーソナルトレーナーも」


果南「なんてったって元スクールアイドルの人だし、かなりストイックだからね」


善子「へぇ?なんて人なの?」


果南「……なんだっけ?キラ…キラ何とかさんって人」


善子「ちょっと待って自分の客の名前忘れるのヤバくない?え、大丈夫なのそれ?」


果南「い、いや新しく変わったばっかなんだよっ」


<お待たせ致しました、こちらデュベルと、ハイネケンです


善子「あ、ありがとうございます」


果南「あざまっす」


善子「はぁ…」


果南「な、何善子、その冷たい目は…」


善子「何でもないわよ、はい」スッ


果南「おっ、ごめんありがとう…あいたたたた」トクトクトク…


善子「何よそれ」


果南「注がれる時つい言っちゃうやつ」スッ


善子「ほんとに何よそれ…ありがと」トクトクトク…


果南「…じゃ、お待たせしました」


善子「ん、乾杯」


キン…


https://youtu.be/I4j0b_Ra0xY


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バシャー…


梨子「…」ワシャワシャ


キュッ


シャー…


梨子「…」


<リリー?


梨子「ひゃいっ!?///」


<お湯加減どうー?


梨子「あ、ご、ごめんまだ入ってないー!///」


<あ、ほんと?ちょっと待っててー


梨子「うん…え何を!?」


ガラッ!!


善子「私をよ。おじゃま」


梨子「」

善子「はいっ、前向いて」


梨子「…ぅえ?」


善子「前よ前、上じゃなくて。ほれっ」グイッ


梨子「わっ」


善子「先程のお礼にお背中流します、リリー様」


梨子「…ああ、そういう…」


善子「なぁに?リトルデーモン リリーは何を考えてたの?」ニヤニヤ


梨子「な、何も考えてないよっ///」


善子「はいはい…」クスッ


ゴシゴシ


善子「…はーっ、スベスベ肌、うらやましー」


梨子「いや普通だよ…///」


善子「普通じゃないわよ、このっ」ペシッ


梨子「あてっ」


善子「よっと、シャワー貸して」


ふにっ


梨子「(よよよよっちゃんのよっちゃんが当た、あたたたた…っ///)」


シャー…

善子「かゆいとこございませんかー?」


梨子「…それ、やってる途中に聞くものじゃない…?」


善子「あそっか」


梨子「…ふふ…」


シャー


善子「…うん、よしこ。じゃあ先湯船にどーぞ」


梨子「あ、はーい…」


善子「~♪」ワシャワシャ


梨子「…」ちゃぷ…


善子「…これでよしk」


梨子「え?終わり?」


善子「え?うん」


梨子「いやいやカラスの行水過ぎるって」


善子「だってあたしカラスの堕天使」


梨子「いや知らないけど、え?それでその肌質と髪質保ってるの?」


善子「え、自分ではよく分かんないけど」


梨子「喧嘩売ってるの?」


善子「こっわ…よっこらせ」チャプ


梨子「えちょ、ちょっと狭くない?」


善子「だーいじょぶだいじょぶ、女同士はハダカノツキアイってマリーも言ってたし」


梨子「あのくるくる金髪め…いらん悪知恵吹き込んでからに」


善子「なんて事を言うのよ…」ザブーン

カポーン…


梨子「…ほら、やっぱり狭いわよ」


善子「もーまんたいよ」


梨子「だって…膝くっついてるし」


善子「膝くっつくも多少の縁よ」


梨子「袖ね、袖降ってね」


チャプ…


善子「…」


梨子「…」


善子「…」ジーッ


梨子「…どこ見てるの、ヨハネちゃん」


善子「いや…///」プイッ


梨子「ここまでしといて今更照れるの?ねぇ…」ザブン


善子「ちっ!?近いわよリリー…!!///」


梨子「寂しいなんて言ってたけど…要は人肌恋しいんでしょ?」ガシッ


善子「えちょっ…!///」


梨子「えいっ♪」グルッ


善子「ヨハっ!?」


ギュー

梨子「これで寂しくない?よっちゃん」


チャプ…


善子「……ええ、とっても暖かい」


梨子「そっか…」




チュッ



善子「んぅっ…!?///ちょ、ちょっとリリー…」


梨子「よっちゃん…好き…」ギュッ


善子「り、梨子……っ///」


梨子「…よっちゃんの寂しさなんて…私が吹き飛ばす…」フラッ


善子「…ぅえっ!?ちょっと、梨子っ!?」


梨子「あれぇ…よっちゃんが二人…?」フラフラ


善子「のぼせてるじゃないっ!?もうっ…!!」ザバァッ


梨子「はわわ~…」


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善子「で?急に何で誘われたの?私は」


果南「んー?いや…ねぇ?」グイッ


善子「ハッキリしないわね…」


果南「…可愛い後輩の、悩み相談ってとこかなん」


善子「…」


果南「何かあった?善子ちゃん」


善子「…お生憎様、なーんにもないわよ」グイッ


果南「そっか、やっぱりね」


善子「やっぱりって何よ、言っとくけどね、アンタと違って私は何も無いのよ」


果南「何も、って?」


善子「アンタは仕事やら何やらに追われて人生あくせく過ごしてるでしょうけど、私は何も無いの」


果南「だから言ってんじゃん」


善子「は?」


果南「それが悩みでしょって」


善子「だ、だから何も」


果南「梨子ちゃんとも?」


善子「っ!!」


果南「梨子ちゃんとも何も無いの?」


善子「…な」


果南「…」


善子「何も…」


善子「…無いわよ」


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梨子「…んう」


善子「大丈夫?」


梨子「私…もしかしてのぼせて…?」


善子「ええ、フラフラしだしたからお風呂から引っ張り上げたわ、大丈夫そう?」


梨子「ごめん…」


善子「何で謝るのよ」


梨子「折角楽しいお泊まりを…」


善子「別に何も問題無いわよ、気にしないで」


梨子「うん…」


善子「…さっきのは、のぼせたからでしょ」ボソッ


梨子「え…?」


善子「…さっ!お腹は?空いてない?」


梨子「う、うん…空いたかな」


善子「ヨハネのスペシャルディナー、堪能してもらうわよっ」


梨子「わあ、わざわざありが…よっちゃんが作るの?」


善子「え?そのつもりよ?」


梨子「うん、私も手伝うね」


善子「何でっ!?」


梨子「よっちゃんの料理とか、美味しいけど何入れるか分かった物じゃないもん」


善子「デスソースとタバスコだけよ?」


梨子「それはだけって言わないよ、よっちゃん」スッ


善子「ちょちょ、休んでなくて大丈夫?」


梨子「大丈夫、それとさっきのは建前。私にも手伝わせて?」


善子「…ええ、ありがとう。宜しく頼むわ」


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ーーー

よしりこ「「頂きまーす!」」


善子「あむっ…このトマトサラダのピリ辛感、最高ね」


梨子「このハンバーグもいい感じだよ。アクセントにデスソース入れようとした時は目を疑ったけど」


善子「最高のアクセントじゃない」


梨子「デスソースはアクセントになり得ないよ」


善子「たはは…ウマー」もぐもぐ


梨子「ふふ、よっちゃん口元にデスソースついて……え、痛くないの?」


善子「んぅ?全く」


梨子「よっちゃんの痛覚はどうなってるのかな」フキフキ


善子「ん…ありがと」


梨子「…まるで新婚さんって感じ」


善子「じゃあ…私が旦那?」


梨子「んー…まあそうかも」


善子「大体旦那って年上じゃない?」


梨子「関係ないない」


善子「ふーん…」もぐもぐ


梨子「…私」


善子「っあ、お代わりいる?取ってくるわよ」


梨子「あ、ありがとう…お願い」


トテトテ


梨子「…私は」


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梨子「私は、よっちゃんの好意に応えなかった…」


梨子「逃げて、弄んだんです」


梨子「だから会えない、もう何も無いんです」


ダイヤ「会えないんじゃない、会いたくないってだけですわよね」


梨子「……~っ!!」


ダイヤ「10月の秋休み前から梨子さんと善子さんが不仲になってると…鞠莉さんが言ってましたわ」


ダイヤ「不仲というよりは、素っ気なくなったというか」


ダイヤ「私達三年生はもういませんでしたが…鞠莉さんは暇さえ見つければ浦の星に行ってましたけど…そんな事を聞いています」


ダイヤ「…あなた達2人に、何があったんですの」


梨子「…」


ダイヤ「弄んだなんて…あなたのような方が」


梨子「よっちゃんの気持ちを分かって、分かった上で見て見ぬふりをしたんです」


梨子「怖かったから…応えた後が」


梨子「何のことはなく、私がただ臆病だっただけです」


ダイヤ「でも応えたかったんですわよね?」


梨子「はい、もうその権利はありませんが」


ダイヤ「誰が決めたんですの?」


梨子「そ、それは…」


ダイヤ「…」グイッ


ダイヤ「…あなた、今が1番、善子さんに酷い事をしてるって分かってますか?」


梨子「え」

ダイヤ「あの時から、応えなかったからって疎遠になって今に至って」


ダイヤ「あんなに仲の良かった友達同士が聞いて呆れますわ」


梨子「…」


ダイヤ「善子さんが1番寂しくて、悲しんでるに決まってますわよね?友達を1人、殆ど失ってるに等しいんですから」


梨子「…」


ダイヤ「分かってるんですよね、本当は」


梨子「それは…っ」


ダイヤ「確かに…言い様によっては弄んだ様に聞こえますが」


ダイヤ「…あなた、善子さんの事嫌いなの?」


梨子「嫌いな訳っ!!」


ダイヤ「じゃあ良いじゃない」グイッ


梨子「でも…もう遅過ぎて」


ダイヤ「友情に時間は関係あるのですか?」


ダイヤ「浦の星元生徒会長として、Aqoursとして」


ダイヤ「仲直りひとつ出来ないあなたでは無いと、私は思ってるのですが」


梨子「…っ」


ダイヤ「仲直りした後のことは私には関係ありません、しかしながら」


ダイヤ「1度得た友情は、いくら時間がかかっても失われる事はありません。あなた達の心持ち次第で如何様にもなりますわ」


梨子「…ダイヤさん、説得力が違うね」


ダイヤ「恐縮ですわ」


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善子「あー、食べた食べた…」


梨子「ご馳走様でした」


善子「さて…ご飯の後は…」


梨子「ん?」


ガサッ


善子「お酒飲もっか」



https://youtu.be/0xvfKvjKwMI



梨子「…善子ちゃん、何言ってるか分かってる?」

善子「お母さんが飲んでるやつよ、この一週間3日に1回位飲んでたわ」


梨子「ねぇ、未成年だよ?分かってる?」


梨子「いくら家にあったからってお酒なんてダメだよ?法律とか以前にさ」カシュッ…


梨子「確かに飲みたくなっちゃう好奇心とかは分かるよ、でも何で法律があるかって考えたら分かるでs」ゴクゴク…


梨子「もう飲んでるーっ!?」


善子「硬いわよ、ダイヤじゃあるまいし」グイッ


梨子「もうっ!話聞いてた!?」


善子「ぜんぜん」


梨子「何それ?イチゴハイ?」


善子「うん、私苦いのは嫌いだから」


梨子「へー…いや違う違うっ!!」


善子「ん」スッ


梨子「…トマトハイ…」


善子「んっ」スッ


梨子「………っもうっ!!1杯だけねっ!!」カシュッ


善子「といいつつ、開け方も堂に入ってるリリーなのでした」ゴクゴク


梨子「うっさい!!」グイッ


梨子「…おいしっ」


善子「良いでしょ、なかなか」


梨子「…まあ」


ーーーーーーーーー

ーーーーーー

ーーー

梨子「それでね、千歌ちゃんったらなんて言ったと思う!?」


善子「何だって?」


梨子「千歌ちゃん、「みかんは万物の理に通ず」って!可笑しいよね!」グイッ


善子「千歌の言いそうな事ね…」


梨子「あっはっは!!」


善子「…」グイッ


梨子「…あ、よっちゃん顔赤いよ」


善子「すぐ赤くなるのよね、私」


梨子「ふーん、何かトマトみたい」


善子「リリーの大好きなトマトよ」


梨子「ほんとだ」


善子「…食べてもいいわよ」スッ


梨子「…よっちゃん」


ズイッ


善子「…」


梨子「っ!///よ、よっちゃん…!?///」



善子「梨子」


梨子「へっ、な、何…!?///」


善子「好き」


梨子「よっちゃ…///」


善子「本気よ」


梨子「…」


善子「梨子の優しさに惹かれた」


善子「梨子の可愛らしさに惹かれた」


善子「梨子の…全てに惹かれた」


梨子「善子…ちゃん…」


善子「梨子…私と…」スッ


梨子「…よっちゃん…っ」


グイッ


善子「…っ」


梨子「よっちゃん…お酒のせいだよ」


梨子「酔っ払ってるからそんな事を…」


善子「梨子、私は」


梨子「じゃなかったら!!」


梨子「よっちゃんが、私みたいなのなんて…」


梨子「好きになる訳ない」


善子「っ!!」



梨子「…」


善子「……リリー、私は」


梨子「善子ちゃん」


梨子「…もう、寝よう?」


善子「リリー…」


梨子「…ほら、もうこんな時間」


善子「…うん」


梨子「少し肌寒いから…あったかくして寝ないとね」


善子「うん…」


ーーーーーーーーー

ーーーーーー

ーーー



「消すわよ、リリー」


「うん」


カチッ


「…」


「…」


「……リリー」


「うん…?」


「…私の事、好き?」


「…」


「……」


「…まだ、分かんない」


「……そっか」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

梨子「私は、ずっとよっちゃんが好きです」


梨子「こんな事、言っても良いんですか…っ!?」


ダイヤ「それを決めるのは私ではありませんわ」


ダイヤ「失礼、少し外します。電話を掛けますわ」スッ


プルルル…


梨子「私は…今でも…」


「もしもし、ダイヤです」


「はい、はい……ええ、案の定ですわ」


「そちらは?…はい、そちらもですわね」


「では、この後」


ピッ


ダイヤ「戻りました」


梨子「…」


ダイヤ「出ますわよ」


梨子「ええっ急に!?何でですか!?」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

梨子「おはよう」


千歌「おはよ!」


曜「おはようであります…ん?梨子ちゃん何か元気ない?」


梨子「え、そうかな」


花丸「心ここにあらずって感じずら」


ルビィ「うゆ」


梨子「花丸ちゃんにルビィちゃんまで…私は至っていつも通r」


ガラッ


善子「…」


花丸「あ、善子ちゃんおはようずら」


梨子「…おはよう」


善子「……おはよ…」


ルビィ「…んん?」


千歌「……そ、そうだ梨子ちゃん!ちょっと作詞について相談があったんだった!」


曜「あ、そ、そうだよ!ちょっと音楽室で相談させて欲しいな!」


梨子「え?作詞は終わってたんじゃ」


千歌「ソロ歌詞だよぉ!!ほれずずいと!!」


曜「じゃちょっと行ってくるねぇ!!」


ガラッ


ルビィ「…うゆ?」


花丸「善子…ちゃん?」


善子「…何よ、2人して。こっちもダンス確認するわよ」


花丸「う、うん…」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

果南「梨子の事が嫌いなの?」


善子「そんな訳ないでしょッ!!」


果南「じゃあ会ってもう一度話すべきかなん」


善子「でもっ…どの面下げて会えば」


果南「面も何も無いよ、友達なら」


果南「何日何ヶ月何年経っても友情って消えないでしょ、Aqoursが実証済みじゃんか」


善子「そうだけど…でも」


果南「でもじゃないよ」


果南「あのね、悪いけど先輩後輩関係なく、友達が仲直りしたいってんなら手助けするのが私だよ」


果南「友達が困ってるの分かってて助けない程、馬鹿じゃないの」


果南「…もう一度気持ちを伝えるべきだ、善子っ!正直に、ありのままの善子を」


善子「…」


果南「…どうかなん?」


善子「……だから、私はヨハネだって」





プルルル…


ーダイヤから着信ー


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


善子「リリー!!」


ピタッ


梨子「…」


善子「リリー…何だか、素っ気なくない…?」


梨子「…そうかな」


善子「……あの日から、よ」


梨子「…っ」


善子「リリー、私があなたを困らせてしまったのは分かって…」


梨子「違うよ」


善子「っ!」


梨子「困らせて、悲しませて、弄んでしまったのは私」


善子「ちがっ、梨子ッ!!」


梨子「ごめんなさい、善子ちゃん」


梨子「……本当に酷いのは、私」


梨子「…じゃあね、また明日」


善子「梨子……っ!!」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


スタスタ…


ダイヤ「この寒さ、答えますわね」


梨子「ちょ…どこに行く気ですかっ」


ダイヤ「黙ってついて来てください、すぐに分かりますので」


梨子「すぐも何も…っ!」




ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーー

ーー
ーーーーーー
ーーーーーーーーー




善子「ちょっ、急に出ようなんて何なの!?」


果南「良いからついて来て、大丈夫、取って食ったりしないから」


善子「当たり前でしょっ!!」


果南「ほらこっち、すぐ近くだから」


果南「…あ、いた」


善子「もうっ、何なのほん……と、に…」




スタスタ




ダイヤ「ほら、こっちですわ、梨子さん」


梨子「何なんですかもうっ、こんな所…に…」





善子「…梨、子……」

梨子「善子……ちゃん…っ!?」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「これで浦の星ともお別れでありますなぁ」


「卒業ライブ、成功して良かったのだ」


「そうだね、みんなもお疲れ様」


「う゛ぅ゛~っ…これでお別れなの寂しいずらぁ…」


「花丸ちゃん、笑って送ろうっ」


「…ねぇ、ルビィちゃん」


「うゆ?」


「……よっちゃん、は?」


「……えと」


「ライブの後、具合が悪くなったって、早引けしちゃったんだ…」


「えぇ!?大丈夫なの!?」


「わ、私家近いし送ろうか?!」


「歩きは出来るからご心配には及ばない、って言ってたよ…」


「………そっか、帰っちゃったんだ」


ーーーーーーーーー

ーーーーーー

ーーー



ププー


ブゥーン…


タッタッタッ…


梨子「あぁ…っ!!…間に合わなかったか…」


梨子「仕方ない、待つしかないや…」



グスッ…



梨子「…ん?」


「ぐすっ…」


梨子「よ、よっちゃん…っ!?」


サッ


梨子「…バス停裏に、隠れちゃった…」


梨子「よっちゃん…だよね…?」


「……リリー…ぐすっ……」


「ごめん…ひっぐ、ごめんなさい……」


梨子「……善子、ちゃん…」


「うわああぁぁぁん…っ!!」


梨子「っ……!!!」



タタタッ…


私は逃げた


梨子「はっ…はぁっ…はっ…!!!」


もう二度と会っちゃいけないと思ったから


梨子「ごめんなさい…よっちゃん…っ!!」


優しい善子ちゃんを傷付けた私にそんな資格は無いと思ったから


謝る資格も無いのに


梨子「ひっぐ…っ、はあっ…はあっ…!!」


あの日、あの9月の夜に


ただただ臆病な私は、善子ちゃんに応えなかった


その先が怖かったから


優しいよっちゃんを、私なんかに縛りたくなかったから


自分の事しか考えずに


たった、それだけで



ポツ



ポツポツ…



ザーッ……!!



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ダイヤ「では、わたくし達はこれで退散します」


善子「ちょっ、ほっとくの!?」


果南「後はお若い2人で宜しくね…ダイヤ、飲み直そっ」


梨子「お若いって…!」



スタスタ



<もう飲んできたんじゃありませんの?



<いやぁまだまだ行けるよー



ア、デモ セイラトアウノカナン?



ゴウリュウシマスカ?




善子「…ほんと、忙しない人達」


梨子「師走なのに、わざわざよっちゃんの為に来てくれたんだね」


善子「…」


梨子「……私なんかと、大違い」


善子「っ!!」グルッ



ガシッ



梨子「いっ…!?」


善子「…アンタ、いい加減にしなさいよ」



梨子「よっ、ちゃん…?」


善子「どこまで自分を卑下したら気が済むのよッ!アンタはッ!!」


梨子「…っ」


善子「私はやっぱり…ぐすっ、アンタが好きなのよッ!どこまで行っても!!」


善子「お願いだから…自分の事を、そんな風に言わないでよ…っ!」


梨子「善子、ちゃん…」


梨子「まだ、私なんかの事を…」


善子「当たり前でしょっ!!あの9月の夜から、いや、初めて会った時からずっと…っ!!」



善子「あなたが好きなのッ!!」


梨子「っ!!」ポロッ




https://youtu.be/w_Zgs54A2SU

梨子「…私も…っ、私だって好きだよ、善子ちゃんの事がっ!!」


梨子「でも、こんな私を、よっちゃんを傷付けて逃げた私なんかで…」


梨子「本当に、ひっぐ、良いの…っ!?」


善子「知るか!!私が好きなのはアンタ!!桜内梨子なの!!!」


善子「もう逃がさないわよ、中途半端な告白でアンタを苦しめたのはあたしなんだから、その償いをさせて貰うわ」


梨子「つ、償いなんて、苦しめたのはわた」


善子「だからッ!!」ギュー


梨子「っ…!!」


善子「もう…っ、ぐすっ、私から、逃げないで、お願い…っ!!」


梨子「…善子ちゃん…っ!!」ギュッ


善子「もう、離さないで…っ!!」


梨子「良いの…?本当に、私で」


善子「だからっ、私は、あなたがいいの…っ!!」ギュー…

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「あなたは、ずっと光り輝いてた」



「あの夜空の星のように」



「覚えてる?あの夜の事」



「うん、覚えてる。あの日の事」



「話すだけで良かった、2人でずっと語り明かすだけで」



「もう忘れないよ、あの曇ってた日から今日までの事を」



「今日見つけた、本物の愛を忘れないよ




「ねぇ、覚えてる?あの9月の事」



「そう、あの夜の事を」




「忘れるもんですか、あの夜の事を」


「離すもんか、あなたの事を」


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ーCASTー


桜内梨子



津島善子



黒澤ダイヤ



松浦果南



小原鞠莉



高海千歌



渡辺曜



黒澤ルビィ



国木田花丸




ーSPECIAL THANKSー



綺羅ツバサ



ーMUSICー


https://youtu.be/wad6Cb1k53s

Mac Ayers - Get Away


https://youtu.be/iiCbHDzHZ3U

Kan Sano - Lucille


https://youtu.be/I4j0b_Ra0xY

Marvin Gaye - I Want You (Instrumental)


https://youtu.be/0xvfKvjKwMI

サカナクション - フレンドリー


https://youtu.be/w_Zgs54A2SU

Earth, Wind & Fire - September




ーDIRECTORー


絢瀬絵里



ーPHOTOGRAPHYー


東條希


ーSCRIPTー


国木田花丸


ーEDITEDー


若菜四季


ーCOSTUMEー


南ことり


ーBased On A Story byー


ラブライブ!サンシャイン!!


アース・ウィンド・アンド・ファイアー セプテンバー


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最後のは入れたかっただけです


過去作をいくつか“抜粋”したので宜しければ


絵里「雨の日のコーヒー」

穂乃果「第一次音ノ木坂抗争」

絵里 「ゲームセンターに行きましょう!」 にこ 「拒否」 希 「話を聞こう」

絵里 「真夜中に」 にこ 「愚痴を肴に」 希「姦しく」

花陽「都市伝説!」 絵里「対決よ!」

絵里「ノッキン・オン」 にこ「ヘブンズ・ドア」

海未「ふぁ~あ・・・眠いな・・・」 ことほの「「!?」」

絵里「ただ、ありふれた夜」

聖良「夜も更けて」 ダイヤ「姉会ですわ」

聖良「私達の」 ダイヤ「日常」

絵里「壊れた世界で、ただ1人」

海未「あなたは」 ことり「サマーガール」

希「ライブ?」 真姫「そうよ」

LINEグループ 9人の女神達

ダイヤ「お休みは」 聖良「言わないで」

穂乃果「ここどこ!?」 カイマン「ん?ここは"ホール"だぜ」 ニカイドウ「ギョーザ、食うかい?」

にこ「あなたの目には」絵里「私たちの姿が」

かのん「雨の日のコーヒー」

穂乃果「もう自衛隊入るしかないよ」海未「何を言ってるんですか」

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