ゴルゴ13「・・・バタコ?」 (22)
バタコさんとゴルゴ13
私は数年前にゴルゴ13「・・・ばいきんまん?」(ばいきんまんとゴルゴ13/『パ ン 職 人 の 願 い』)を書き込んだ者です。
人生で2回目のSSを書いてみました。前回の後日談です。
何かルール違反があったらご指摘ください。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1661355599
――新バイキン城
Gによって崩壊したバイキン城を建て直し、バイキンメカをいくつか造り直し、バイキン島は日常を取り戻しつつあった・・・
ばいきんまん「ああ、やっと城を再建できたのだ。まったく酷い目に遭った」
ばいきんまん「あれから俺様もゴルゴのことを調べたんだが、あんな化け物とは思わなかった。ヒヤリが震え上がるのも無理はないな」
ホラーマン「全くです、ホラ」
「かび」(あんな目に遭うとは思いもしませんでした)
「やみ」(生きているのが不思議なくらいです)
「べろ」(お城が瓦礫の山になるなんて)
ばいきんまん「やっとアンパンマンに勝てると思ったのになぁ。俺様とっても悔しい」
「一度でいいから勝ちたいな。何か良い方法はないのかな」
「ん、待てよ・・・・・ いいこと思いついちゃったもんね〜 俺様ってなんて頭がいいんでしょ♪」
ドキンちゃん「いいことって何よ?」
ばいきんまん「ゴルゴにアンパンマンをやっつけてもらうんだ! 連絡方法も調べたもんね」
「・・・お馬鹿! なに考えてんのよ、今度こそ○されるわ!」
「大丈夫大丈夫、"敵対しない""騙そうとしない"”他人に言わない”この3つをキチンと守ってお金を払えばだいたい言うこと聞いてくれるんだ」
「さっそくお手紙を書こう、『マーカス・モンゴメリさん、お体の具合はどうですか・・・』 と・・・ 絵葉書も書かなきゃな・・・」
「どうなっても知らないから!」
『正 義 の 敵 の 依 頼』
PART1 飽くなき依頼者
――バイキン城、入り口付近 ばいきんまんとホラーマンがゴルゴを待っている・・・
ばいきんまん「ドキンちゃんはどっかに隠れてしまったのだ。流石に1人じゃ心細いからお前を呼んだんだが、やっぱり怖いか?」
ホラーマン「怖くないはずないでしょう。今すぐにでも逃げ出したいですよ」
ばいきんまん「俺様も緊張してきた・・・ 奥なら罠を警戒されると思って入り口にしたんだけど・・・」
「かび」(そろそろ約束の時間ですが来ませんね)
「やみ」(やはり来てくれないのでは)
ばいきんまん「うーん、踏み潰そうとした俺様にはやっぱり会ってもくれないのかなぁ」
???「無警戒に会うほどの自信家ではないだけだ・・・」
ばいきんまん「うわっ びっくりした!」
ホラーマン「ひええええ」
「べろべろ」(あわわわ、いつからそこに?)
G「・・・ 用件を聞こうか・・・」シュボ!
ばいきんまん「ええと、バイキン城を崩されたりメカ軍団を壊されたりした恨みを言おうってんじゃないんだ。そんなことしたら今度は俺様の命が危ないからな」
「むしろスーパーかびだんだんから助けてくれた礼を言いたいくらいだ」
「今日はつまり、お前に依頼をしたいんだ。アンパンマンをやっつけて欲しいんだ。と言っても再起不能にしろというんじゃあない」
「アンパンマンと戦うのは俺様の生きがいだし、倒すのは俺様の使命だからな。でも一回くらいはぎゃふんと言わせてやりたいんだ」
G「・・・」フーー
ばいきんまん「俺様はアンパンマンの顔を凹ませたり水で濡らしたりして弱体化はできるんだ」
『出たなお邪魔虫。これでも喰らえ!』←(情景を再現している)
『うわー かおが ぬれて ちからがでない・・・』←(アンパンマンの声色を真似た)
「でもその後でジャムおじさんの弟子のバタコさんが新しい顔を投げてくるんだ。つまりアンパンだな」
『アンパンマン、新しい顔よー!』←(バタコさんの声色を真似た)
「その新しい顔が胴体にはまると元気百倍アンパンマンになっちゃうのだ。そして俺様は哀れにもアンパンチでバイバイキ~ンってわけなのだ」
「俺様はどーしてもこの新しい顔が飛んでくるのをたたき落としたり横取りしたり出来ないけど、ひょっとしてお前なら・・・・ と思って・・・」
G「俺への依頼は具体的に言ってくれ」フーー
「バタコさんの投げた新しいアンパンマンの顔を何とかして欲しいんだ、例えば水をかけて台無しにするとか、できるかな」
G「・・・ ・・・"バタコの投げたアンパンマンの顔が胴体にはまる前に十分な水で濡らせ"と言うのがお前の依頼か?」
「ああそうだ。もし出来たなら俺様は美味しい料理をごっそりいただいて鱈腹食える。御馳走の横取りはいつも失敗するんだ。負けっぱなしの俺様、ちょっとだけ勝利を味わいたいんだ」
「そうそう、お金を払うんだったな。本当はバイキンメカ建造資金なんだけどこれで足りるかな」
G「・・・ ・・・報酬に異存はない。やってみよう」
「やったー! それじゃ日時と場所はまた連絡するからよろしく頼むんだ! それからこれ、投げてるシーンを撮影したDVD。参考にしてくれ」
「うむ・・・」
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ホラーマン「・・・ひょっとしてアンパンマンをやっつけてもらってからパン工場や町を壊すつもりじゃないでしょうね」
ばいきんまん「・・・"騙そうとしない"が条件だからな。それをやったら俺様がお陀仏なのだ」
PART2 標的の軌道
――ニューヨーク、USA 某ホテル
ーーーばいきんまんに渡された何枚ものDVDをゴルゴが再生していた。
G「・・・・・・」
『アンパンマン、新しい顔よー!』『アンパンマン、新しい顔よー!』『アンパンマン、新しい顔よー!』
『アンパンマン、新しい顔よー!』『アンパンマン、新しい顔よー!』『アンパンマン、新しい顔よー!』
『アンパンマン、新しい顔よー!』『アンパンマン、新しい顔よー!』『アンパンマン、新しい顔よー!』
G(・・・俺の知っている物理法則では説明がつかない軌道だな。投げられているのは巨大なアンパン。これほど早く投げれば自重で潰れるはず)
――どこかの映像分析所
研究員「ミスター東郷、あなたの依頼されたこれらのDVD映像の分析ですが、当研究所では困難だと申さねばなりません」
「『コックの格好の女性が投げる物体の大きさ・速度を調べ、また曲がり方や動きの癖を分析してほしい』というご依頼でしたね」
G「そうだ・・・」
研究員「まず大きさから。小さいときには70センチほどですが平均すると90センチ程度です。」
研究員「速度のほうはブレも大きいのですが、最も遅いものは時速87キロ、最速では120キロ程度です」
「しかしその軌道はまったく不可解だとしか言えません。科学的な説明は不可能です。どうしても曲がるはずのないカーブが自在に生み出されている」
「何かしらの妨害がされてるシーンでは全て避けていますね」
「赤い服を着た人形の頭部付近に飛んでいこうとする意思があるとしか思えない。イタズラ動画でしょうが、凄まじく精密で加工の後もよくわからない」
「いやはや、当研究所がお手上げ状態になるとは思いもしませんでした。完敗です。どこから手に入れたのか教えてもらいたいくらいだ」
G「・・・」ギロ
「おっと、「入手先は聞かない」と言う契約でした。映像のコピーもとっていませんのでご心配なく。忘却料も貰っていますからね」
G「・・・世話になった」
――再び某ホテル
G(・・・ 途中での狙撃は回避される恐れが高い。投げる前に狙撃するべきか?)
(だがそれでは顔を濡らしてもバタコに気づかれる。何らかの方法で広範囲に水をまくというのはどうだ)
(・・・駄目だな。どうしても装置が大がかりになる。勘づかれればそれまでだ)
(やはり狙撃しかない、か・・・ どこをどう狙うべきか・・・)
(とにかく準備を整えねばなるまい・・・・)
――デイブの工房
デイブ「おや、あんたか。今度は何が欲しいんだ?」
G「ペイント弾とそれを撃つ銃だ。最低でも2リットル程度の水を入れたい」
G「目標はパンのようなものだ。スポンジケーキやロールパンのような柔らかいものを貫通・破壊することなく、確実に破裂しないといけない」
デイブ「・・・お前さん、最近は変なものばかり注文するんだな。まあ作れというなら作るのがこっちの仕事だ。もっと詳しく聞こう」
G「大きさは70センチ~90センチほど、時速87~120キロで飛行する」
デイブ「そんな速さで空を飛ぶパンなんて聞いたこともないぞ!? すぐに潰れてペッチャンコだ。そんなものこの世にあるもんか」
「だからここに来たんだ。今回は期限は設けない」
「う、うむー ・・・できる限りのことはしよう。ただしどのようなものが出来るのかまだわからんからな」
「・・・ではペイント弾は5つ頼む。デイブ・マッカートニーが絶対の自信を持てないものをぶっつけ本番で使用するほどの度胸はない・・・」
「ゼラチンカプセルでなんとかなるかな、とにかくいろいろ試してみよう」
PART3 危機の過ぎ去った後
――アンパンマンワールド
アンパンマン「それじゃあパトロールに行ってきまーす」
ジャムおじさん「ああ、行っておいで」
バタコさん「それいけ、アンパンマン!」
チーズ「アンアーン!」
アンパンマン(・・・ ジャムおじさん達の大怪我から半年か。ジャムおじさんの雇った1人のスペシャリストがばいきんまんの野望を阻止してくれた)
(僕たちは何も出来なかったけど、誰も○さずにバイキンメカ軍団を叩き潰してくれたらしい。ばいきんまんはまだイタズラしに来ないけどよっぽど手ひどくやられたんだな)
(とはいえ、そろそろ危ないかも知れないぞ。気をつけなければ)
(・・・・そんなにすごいエキスパート、怖いけど一度会ってみたい気もするな)
??「おーい、そこに飛んでいくのはアンパンマンぞよ」
??「久しぶりでんなぁ」
「やあ、いなりずしのみこと、たこやきまん」
いなり「ジャムおじさんが大怪我して大ピンチだったと聞いたぞよ、もう治ったのかや」
タコ焼き「見舞いにもいかんで不義理してもうたわ、すまんな」
アン「いやなに、いいんですよ。ジャムおじさんもすっかり良くなりましたからもう大丈夫です」
いなり「風のたよりに聞いたが、なんだか凄い奴がバイキン軍団をやっつけたとか」
アン「ジャムおじさんの知っている人です。でもあんまり話したがりません。無理に聞き出すようなことでもないですし。2人はこれからどうするんです?」
いなり「なに、町のみなに稲荷寿司を進ぜるつもりぞよ。材料の準備や仕込みがあるゆえ今週末になるがの」
タコ焼き「ワイも旨いタコ焼き、ぎょうさん焼きまっせ。会場は南の広場やで」
アン「そうですか、今週末に南の広場でね。みんな喜びますよ」
クモメカ《ピピピ ピピピピ》
――バイキン城 司令室
《そうですか、今週末に南の広場でね。みんな喜びますよ》
ばいきんまん「今週末に南の広場だぞ。すぐ例のプロフェッショナルに連絡するんだ。稲荷寿司にタコ焼きなら上々だ、俺様大満足」
ドキンちゃん「ばいきんまん、うな丼がよかった~」
「もう、そんな好き勝手言わないで。豚まんが冷蔵庫に一個あったからそれで我慢して」
「べろべろ」(ソフトクリームが良かったなぁ)
「いいから早く伝えに行け~!」
PART4 標的の行き着く先
――デイブの工房
デイブ「やあ来たな。弾は5つ出来た、銃も試作品・・・ というより儂は完成品だと判断したんだが・・・ 試射して貰った方が良いだろう」
G「わかった・・・」
G「・・・」←(銃を構える)
ポシュッ パシャーンン・・・
G「ペイント弾の弾道はわかった。だが遅いな・・・ 」
デイブ「これでもあれこれ工夫したんだが・・・ それ以上の弾速となると2リットルの水はとても入らん・・・」
「どうしてもというなら、今度は柔らかいものでも確実に破裂するという要件を備えられなくなる」
「さらに見た目も不格好だ。連射が良いというなら改造できるが、それ以外の改良は思いつけん」
G「・・・わかった。後は俺の仕事だ。お前に出来ないと言うことの意味は分かる。・・・よくやってくれた、デイブ」
――某ホテル
G(主な問題は2つある。一つ目は弾速の遅いことだ。弾速が標的より遅いためバタコより後ろから狙撃しても無意味だ。近距離である必要もある)
(仮にデイブの特殊銃以外の手段を用いても、後方から当てるのでは、飛び散った水がアンパンマンの顔にはかかりにくい。十分に濡らすことは不可能だ)
(二つ目はバタコがどこから投げるのかわからないことだ。おそらくアンパンマン号でやってくるのだろうが停車するまでは確定しない)
(ばいきんまんにやられたアンパンマンがどこに倒れるかもその時までわからない)
(加えて南の広場付近に身を隠せる場所もない・・・)
(となれば、銃の見た目が不格好なことは却って幸いだったな・・・)
PART5 平和な町に紛れて
――どこかの路地裏
トマス「やあミスター、また俺を雇ってくれて嬉しいぜ」
(トマス・フィールはゴルゴに認められたメークアップ・アーティストである。要するに特殊メイクで他人の顔を再現して成りすますための技能者である)
(登場回にハズレはないのでぜひ書店で買い求めましょう。読み終わったら神田神保町の杉本書店に売りに行こう)
トマス「あんたの依頼は神経を使うが金払いが良いからな。今度はどんな顔になりたいんだ」
G「特定の顔をこちらで指定するわけではない」
トマス「ふうん、俺がこれだと思うので良いってことかい。だったら参考になるものが欲しいな」
G「この写真をみてくれ・・・」
トマス「・・・・ なんだこりゃ・・・ ウサギさんに猫さん、クマさんにキツネさん・・・ こいつはカバだな」
「なんだか人間に似てる奴もいるし、こっちは陶磁器の”どんぶり”だろ。大盛りご飯の上におかずを載せる器だ」
「ひょっとしてメルヘンの世界に逃げ込みたくなったのかい」ハハハ
G「・・・」ジロ
トマス「あ、いや、あんたが巫山戯るなんて天地がひっくり返ってもあり得ないな」
「それに依頼人に応えるのがプロの仕事ってものだ」
G「その群衆に紛れ込みたい。俺の体格等も考慮してお前の考えつく最も自然な一員にしてくれ」
トマス「わかったよ、"紛れ込む"というのなら数日間は特殊メイクをしたままになるな。その辺も少し考えさせてくれ」
G「・・・明後日までに結論を出すんだ。言っておくが俺の両手にメイクをしたままでも繊細な作業が出来るようにしろ」
トマス「明後日!? ・・・分かった、俺もプロだ。知識を総動員して作りあげてやろう!」
――どこかの路地裏 2日後
ト「やれやれ・・・ これでどうだ? まあまずは鏡を見てくれ」
ト「おたくは体格が良いから、ウサギや猫じゃおかしい。成りすますのならクマさんがいいと思う」
ト「それからだいたいみんな衣服を着ているし靴も履いてるから、下半身や胴体には特殊メイクは要らないだろう」
ト「両手の指だが、メイクをしても繊細な動きは出来るようにするってのは最も大変な作業だったぜ」フー
ト「手の指の腹だけは色を塗るだけしかできないが、そこはうまくごまかしてくれ」
G「うむ、これでいい・・・」
ト「汗をかいたり雨に当ったりしても多少は大丈夫だ、通気性もなかなかのものだろ! まあ限度ってものはあれど数日は問題ないはずだ」
G「ご苦労だった、報酬は確認したな?」
ト「もちろんだ、それじゃあまた何かあったらよろしくな」
PART6 横取りなす者
――アンパンマンワールド、町の南の広場
いなり「これこれそう急がずともまだいっぱいあるぞよ」
タコ焼き「こっちも焼けたで。食べーや」
ブタお「ありがとう」 カバオ「美味しそうだぞ」
「割り込みするような者には食べさせてあげないぞよ」
「せやせや、順番や。仰山あるで取り合いせんでええ」
ネコ美「あっちのベンチで食べましょう」 キイ子「そうね」
「なんか風が出てきたな。青海苔と鰹節が飛ばされんよう注意せな」
ワイワイ・・・ ガヤガヤ・・・
ザワザワ・・・ ドヤドヤ・・・
ペチャクチャ・・・
町人(ヤギ)「ここのとこ、ばいきんまんもやってこないし平和だなあ」
町人(ウマ)「一時はどうなることかと思ったぞ」
町人(ウシ)「俺のところなんか車がエンコしてな。大八車を俺が牽くはめになったぜ」
ハハハ・・・ ハハ・・・
いぬのおまわりさん「あれ、あなたこの辺では見かけない人(クマ)ですね。どうもこんにちわ」
「ええ、こんにちわ・・・」
「今日はやはり稲荷寿司とタコ焼きをもらいに来たんですか?」
おもちゃ屋さん(?)「いえ、おもちゃのセールスです。といっても今日は見本品だけ、市場調査ってとこですがね・・・」
「おもちゃのセールスですか」
「新式の水鉄砲みたいなものです。こんな感じで水風船を発射するんですよ」
ポシュッ パシャーンン・・・
「へえー 面白いものだなあ、うちの倅に買ってやろうかなあ」
「また入荷したらお知らせしますよ」
ンン、ナンダ アリャ・・・ ナニカ トンデルゾ・・・
バイキンUFO! バイキンマン ガ キタゾー!
ばいきんまん「はーひふーへほー、久しぶりなのだ町の諸君。今日はなかなか美味しそうな屋台が出ているじゃあないか。どれ、俺様が全部味見してやるのだ。よこせ~!」
「やかましいで、ばいきんまん」
「横取りするような者に食べさせる稲荷寿司はないぞよ」
「うるさいうるさ~い、よこせったらよこせ~! それー!」
ウワー キャアー ニゲロー
「ふ~む、お出汁のよく染みたお揚げの甘い匂い。シャリもちょうど良く炊けててガリのアクセントが効いている」モグモグ
「こっちはソースの良い香り、外はカリッと中はトロッと、ふわふわに焼けたものもあるし食感も楽しめる」モグモグ
「いくらでも食べれちゃう。俺様全部持って帰っちゃお」
アンパンマン「やめるんだばいきんまん! 稲荷寿司とタコ焼きを返すんだ!」
ばいきんまん「出たなお邪魔虫。独り占めしなきゃ美味しくもなんともないのだ。バケツの水でも喰らえ-」
バッシャーン ウワーッ
「ううう・・・ かおが ぬれて ちからが でない」
「はーはっはっは、それそれー!」←(バイキンUFOの下部からハンマーが出現)
「あああっ うう・・・」←(逃げるので精一杯)
アンパンマンガ ヤラレタゾー! キャー
ジャムオジサン ヲ ヨブンダー ニゲロー
いぬのおまわりさん「皆さん落ち着いて! 本官がパン工場に応援を頼むから、落ち着いて避難するんだ!」
いぬのおまわりさん《もしもし、パン工場? こちらは南の広場、アンパンマンがばいきんまんにやられた、お願い助けて》←(警察無線)
――パン工場
バタコさん《ええっ ばいきんまんが? わかったわすぐにアンパンマン号で向かうわ》←(受信機)
ジャムおじさん「それっ 急ぐんだ」
チーズ「アンアン」
PART7 非常事態・アンパンマン再起せず!
――町の南の広場
いぬのおまわりさん「皆さん転ばないように注意して~! 足下に気をつけて~ 迷子はいないか~い」
コッチダー ニゲロー キャー
「おおっ アンパンマン号だ、こっちだよ~!」
――アンパンマン号
ジャムおじさん「よしっ 新しい顔が焼き上がったよ」
バタコさん「アンパンマンは・・・ チーズ、上を開けて、探すわ」
チーズ「アン」
バタコさん「いたわ、アンパンマン、新しい顔よー!」
――広場
いぬのおまわりさん「やれやれ助かった。避難も間に合ったようだ・・・ あっ おもちゃ屋さん、危ないよ!」
おもちゃ屋さん(?)「・・・」タッタッタッ タッタッ
おもちゃ屋さん(?)「・・・」←(水鉄砲を構える)
ポシュッ パシャーンン・・・
クルクルクルクルクル・・・・
あんぱんまん「・・・ ・・・? ぬれてる かおじゃ ちからが でない・・・」
バタコさん「え・・・? あれれれ?」
ジャムおじさん「新しい顔に変えているのに元気百倍にならないのかい? いつも通りにアンパンを焼いたはずなのだが・・・」
いぬのおまわりさん(あのおもちゃ屋さん、ばいきんまんに水鉄砲を撃ったのか)
(ばいきんまんがアンパンマンの近くにいたから狙いが外れちゃったんだ。今日は風もあるし)
(運が悪いなあ、ちょうど顔が入れ替わる直前に水風船が当っちゃうなんて、狙っても当たるものじゃあないぞ)
(とはいえ困ったな・・・・ アンパンマンが大ピンチだ・・・)
解説:Gはバタコさんが投げたアンパンマンの顔を途中で狙撃することを断念した。しかしアンパンマンの顔は必ずアンパンマンの頭付近へと飛んでいく。
そのため、バタコさんが投げる少し前にアンパンマン頭部付近を狙うことで、交換直前の新しい顔にペイント弾を当てたのである。
また他人にはばいきんまんを狙ったように見える地点まで移動していた。
PART8 ヒーロー参上!
ばいきんまん「は~はっはっは、どうだ参ったかアンパンマン!?」
アンパンマン「う~ん あきら める もの か・・・」
「無理して動くと体に悪いぞ、大人しくあきらめたらどうだ?」
???「そうはいかないでござんす」
???「そのへんで止めるのだ」
「んん~ げげっ! おむすびまんにかつぶしまん!」
おむすびまん「横取りした食べ物を大人しく返せばそれでよし」
かつぶしまん「さもなくば、かつぶし剣三日月剣法で少しばかし痛い目に遭ってもらうでござる」
ばいきん「ぬあにを~ お前達なんて俺様の雇った用心棒が・・・」
おむすび「なに!? 用心棒がいるでござんすか!?」
ばいきん(いや待てよ、俺様がゴルゴを雇ったことを他人に話すのは裏切りなんだっけ。危ない危ない)
ばいきん(口が滑ったら俺様があの世行き、冗談じゃない、そんなのご免だもんね)
ばいきん「・・・ 用心棒がいるわけじゃないから今日のところは見逃してやるもんね。そんじゃあバイバイキ~ン」
かつぶし「待てぃ! 逃げるでござるか?」
ばいきん「ふん、アンパンマンの看病でもするんだな~」
かつぶし「あっ こら待たぬか」
おむすび「無念だ、逃げられたでござんすね」
かつぶし「それよりアンパンマンはどうしたのでござろう?」
PART9 アンチヒーローは立ち去る
ジャムおじさん「どういうことだろう。新しく焼いた顔が水浸しじゃないか」
バタコさん「私が投げたときには変わったところはなかったわ」
アンパンマン「うぐぐぐぐ・・・」
いぬのおまわりさん「本官が説明しよう。おもちゃ屋さんがね、水鉄砲でばいきんまんをやっつけようとしたんだ」
「そしたら狙いが外れてアンパンマンに命中って訳だよ。ばいきんまんの近くに倒れてたから」
「あれ、おもちゃ屋さんどっかに行っちゃったな。彼が悪いんじゃないけど逃げちゃったかな」
町人(シカ)「そいつは運が悪かったな」
町人(ヒツジ)「しばらく休んでるといいわよ、アンパンマン」
町人(ワニ)「あんたがたもせっかく作ってくれたのにねえ。盗まれちゃったわ、残念ね」
いなり「面目ない」
タコ「まったくやで」
ジャムおじさん「まあまあ、アンパンマン号にロバじいさんからもらった小麦が残ってます。私がパンを焼きましょう」
かつぶしまん「拙者もそこに蕎麦の屋台を停めてあるんでござるよ。食べていって下され」
おむすびまん「ならば拙者もお手伝いでござる」
町人(ヤギ)「おお!」
町人(ウマ)「助かったわね」
町人(ラバ)「流石はジャムおじさんだぞ」
PART10 御馳走に誓う
ドキンちゃん「これ美味しいわね もぐもぐ あんたも食べなさい もぐもぐ たまにはやるじゃないばいきんまん もぐもぐ」
コキンちゃん「コキンちゃん、そっちのカリッとしたのが良い」
「ほいよ マヨネーズかける?」
「欲しい!」
「かび」(ばいきんまん様、人の手を借りたとは言え今回は上々でしたね)
「やみ」(材料ごと横取りできたなんてものすごい成果です)
「べろ」(まだまだ食べきれませんよ)
ばいきんまん「まあな。人の手を借りたってのが俺様は気に入らないけど」
「まあなんにせよ成功は成功か」
「あとでバイキン仙人とドクターヒヤリにも持って行ってやれ。フランケンロボには・・・・ 盗んだのは嫌がるだろ」
「それからホラーマンにアカキンマン、アオキンマン、ついでにムシバキンマンだろ。ありゃま、足りるのか?」
「まあ今回のMVPの俺様が満腹になったらってな話だ」
(ちょっとしたつかの間の勝利だ、次回は俺様の力で勝たなくっちゃなあ)
END
※ この二次創作SSではデイブ・マッカートニーが苦労してますが、本物のデイブならもっとすごいのが作れるはずと思います。
作者にペイント弾の知識がないのでいい加減な描写になってると思います。
それからトリップを忘れたので新しいのになってるけど気にしないでね
このSSまとめへのコメント
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