高垣楓「摩美々ちゃんにイタズラをされたいのですが」 (41)

~プロジェクトルミナス 事務所~

我那覇響「えーと、ラフテーの下ごしらえはこれくらいで、チャンプルーはこうして……」セッセ セッセ…

響「ふぅ~、じゃあ次はおやつのサーターアンダギーも作んないとね!
  よし、さっそく小麦粉と卵を……」


田中摩美々「ひょっとして、ちょっと忙しい感じー?」

響「あっ、摩美々! はいさーい!
  そんな事ないぞ、完璧な自分ならこれくらいなんくるないさー!」

摩美々「そうー?
    料理頑張ってるし、疲れに効く飴を持ってきたんだけどなぁ」スッ

摩美々「響はこの飴、要らないのー?」


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1657444989

響「えっ、摩美々が自分のために? おおぉ~っ!」キラキラ

響「すっごく嬉しいぞ! ありがたくもらうね!」パクッ

響「モグモグ……ん? ン゛ン゛ッ!!??」

響「うぎゃー!! か、辛っ!!? 何だこれ、やたら辛いぞー!!」ヒィーッ!

摩美々「そりゃあそうでしょー? 疲れも吹っ飛ぶ辛さだしー」クスクス

響「何てことするんだー!! み、水、水ぅーー!!」ジタバタ

摩美々「ふふー」ニコーッ


摩美々「……?」チラッ



高垣楓「…………」ジーーッ

摩美々「…………?」


楓「……」スッ

摩美々「……!?」ドキッ


楓「……♪」ススッ

摩美々「な、何ですかぁ……?」


楓「…………」ソワソワ

摩美々「……あ、あのー?」


四条貴音「ここにいましたか、摩美々」

伊吹翼「そろそろレッスンの時間だぞーって、プロデューサーさん探してましたよー?」

摩美々「え? あっ……」

摩美々「……えー。しょうがないなー」ホッ

テクテク…



楓「あら……?」キョトン

~とある日 事務所~

田中琴葉「甜花ちゃんはゲームが上手で、心が解れた時の笑顔がとっても可愛い……」ペラッ

琴葉「美希ちゃんはちょっとお寝坊さんだけど、アイドルとしてのあらゆるセンスが抜群……」ペラッ

琴葉「きらりちゃんは可愛い服飾を自分でハンドメイドできる女の子らしさ……」ペラッ

琴葉「活動の経歴……ステージ、営業活動……」

琴葉「ううぅ、やっぱりルミナスの皆は凄いなぁ。
   活動のサポートって言っても、私がどこまで力になれるんだろう……」


摩美々「なに悩んでんのー?」

琴葉「あ、摩美々ちゃん。
   そうだ、摩美々ちゃんもルミナスのサポートを頼まれてるんだったよね?」

摩美々「そうらしいケド」

琴葉「私も、どうすれば皆の力になれるかなって、
   こうして皆の良い所をまとめているところなんだけど……」

琴葉「調べれば調べるほど、私なんかがサポートできること無いんじゃないか、って、
   どうしても不安になっちゃって……」ハァ…

摩美々「悩みすぎじゃない-? それなら」スッ

摩美々「ガムでも食べるー? 目が覚める系のヤツ」

琴葉「えっ? い、いいの?」

摩美々「ダメだと思ってるなら別にいいケドー」

琴葉「そ、そんなダメだなんて!
   ありがとう摩美々ちゃん。ぜひいただきま…」スッ

パチンッ

琴葉「キャッ! な、何っ?」ビクッ

摩美々「ふふー。良いリアクションじゃーん」ニコーッ

琴葉「これ、取ろうとするとバチンッてなるイタズラ!?
   も、もう! 摩美々ちゃんっ!」

摩美々「目が覚めたんじゃないー?」クスクス

琴葉「そういうの、他の子達にもやっちゃダメだよっ!」メッ!

摩美々「えー、どうしようかなー?」


摩美々「……」チラッ



楓「…………」ジーーッ

摩美々(……また見てる)


楓「……」スッ

摩美々「……あのー」


楓「……ふふ♪」ススッ

摩美々「楓、さん……何か用ですかー?」



楓「……摩美々ちゃん」

楓「実は私、疲れているんです」


摩美々「は?」

楓「うーん、ちょっとレッスンがハードで、疲れちゃいましたね」

楓「それに、えーと……あ、そうそう。すごく悩んでいます」

摩美々「? ……??」


楓「晩酌の肴、何にしようかしら。あぁ、悩ましいですね」チラッ

楓「うーん、とっても困りました。どうしましょう」チラチラッ


摩美々「……私、未成年なんでー、お酒とか分かんないんですけど」

楓「えっ? はい」

摩美々「じゃあ、そういうコトで」スッ

楓「あ、あの……」

テクテク…



楓「…………?」キョトン

~とある日~

菊地真「うわぁ!? トイレの蓋を開けたら、きゅ、急に変な音が……!?」

摩美々「ふふー、結構高かったんだよソレー?」クスクス

真「ビックリするじゃないか、摩美々っ!」ムキーッ!



神崎蘭子「ゲホッ、エホ!? か、甘美なる雫が宿いしは、予期せぬ狂騒の調べ……!?」
    (お、オレンジジュースを飲んだら炭酸が入ってるー!?)

摩美々「運動の後には、炭酸が良いんだってー」ニヤーッ

蘭子「福音無き癒やしに慈悲などあろうか!」プンスコ!
  (先に言ってくださいよー!)



音無小鳥「ピヨッ!? ふぁ、ファイルの中にウホッな殿方のスチル写真が!!」

摩美々「絶対音無さん好きだと思ってー」ニコニコ

小鳥「我が生涯に一片の悔い無し」b

摩美々「ふふー」ホッコリ


楓「摩美々ちゃん」スイーッ

摩美々「あ……楓さん、お疲れ様ですー……?」


楓「お手洗い……は、さっき済ませちゃいましたね」

楓「じゃあ、はい。私、喉が渇きました」

楓「それと、ここに私の手帳も」スッ


楓「さぁっ」

摩美々「いや、さぁっ、って……何がですかぁ?」

楓「何、って?」キョトン

摩美々「いや、キョトンってされても……」

秋月律子「摩美々ー、そろそろ仕事の時間でしょう? 準備はいい?」

摩美々「えー。摩美々はもう十分頑張りましたけどー」

楓「では……!」ピクッ


摩美々「でも行かないとうるさそうだから行ってあげますねー」スッ

楓「あっ」

律子「行ってあげるとかじゃないでしょ。しっかり頼むわね」

摩美々「はーい、分かりましたー」

テクテク…



楓「えぇぇ……」シュン…

萩原雪歩「な、何を落ちこんでいるんですか、楓さん……?」

楓「実は……摩美々ちゃんが私に、イタズラをしてくれないんです」

雪歩「えええぇ!? な、何の話ですか!?」ドキッ


楓「プロデューサーや、他の子達には、
  変な食べ物をあげたり、ジョークグッズで驚かせたりしています」

楓「でも、私に対しては、摩美々ちゃんはそういうのをしてくれなくて……」

雪歩「あ、あぁなるほど」

雪歩「でも、イタズラをされないに越したことは無いんじゃ……?」

楓「何と言いますか、摩美々ちゃんの場合、
  心を打ち解けた相手に、イタズラをしている気がするんです」

雪歩「そ、そうかなぁ……」

双海亜美「ふむふむ楓お姉ちゃん!」ピョンッ

双海真美「話は聞かせてもらったよん♪」ピョインッ

P「765プロきってのイタズラマイスター、双海姉妹でございます、楓さん」

楓「これは、とても心強い有識者ですね」


亜美「ウーム、まみみんが楓お姉ちゃんにイタズラをしない理由……」

真美「それはズバリ、楓お姉ちゃんにスキが無さすぎるからだYO!」

楓「……隙、ですか?」

亜美「亜美達も、楓お姉ちゃんにイタズラを仕掛けるのは、ちょっち難易度高いんだよねー」

真美「兄ちゃんならヨユーなのに、さすがは世紀末歌姫……
   このイタズラモイスチャーの真美達をも唸らせる、まさにツワモノの風格よ」ウンウン

P「モイスチャーじゃなくてマイスターな。
  だが、話を聞くと、楓さんはむしろ隙を摩美々の前でひけらかしているようだが」

最上静香「僭越ながら、私も気になる点があるのですが……」スッ

大崎甘奈「甘奈も混ざっていいかなー?」ヒョコッ

P「おぉ、静香に甘奈。いいぞ、教えてくれ」


静香「たぶん、亜美と真美が言いたいのは、
   隙が無いというよりも、余裕がある、という事ではないでしょうか?」

甘奈「そうそう。楓さん、何をされても全然動じなさそうだもん。
   大人の雰囲気みたいなのがめーっちゃ溢れてるって感じ」

亜美「そう! それだよ静香お姉ちゃん、甘奈っち!」

真美「楓お姉ちゃん、何でも許しちゃいそうなトコあるよね→」

楓「面と言われると、照れてしまいますね」ニコッ

雪歩(何でも許しちゃうのは、喜ぶべきことなのかな……?)

P「だが、二人の指摘は的を射ているのかも知れないな」

楓「では、今度は私、琴葉ちゃんみたいに「メッ!」した方が良いのでしょうか?」

静香「それにはまず、前段として、イタズラされる事が必要になるのではと」

甘奈「摩美々ちゃん、ひょっとして楓さんに怒られたいのかな?
   だとしたら、そういう雰囲気を出しておくの良いかも!」

楓「では、ええと……「メッ!」しますよ、という雰囲気を出していく、と?」

雪歩「た、試しにやってみましょう!」


楓「ムムム……」ググー…


楓「いかがですか?」ズゥーーン…!

一同「おぉ~~」「メッ!しそう」「新鮮!」ウンウン


亜美(たぶんそういうのと違う気がするんだけどねー)

真美(面白そうな事はあえてスルーするのがオトナのミリキじゃよ、亜美さんや)

~一方、その頃~

白瀬咲耶「摩美々が私を頼ってくれるなんて、とても光栄だ」

摩美々「ルミナスの事なら、咲耶の方が詳しいでしょー?」

咲耶「確かに、在籍の経緯で言うなら、摩美々よりも私の方が一日の長があるのかも知れない。
   ただ、威張れるほどの知見は持ち合わせていないよ」

咲耶「ルミナスの皆は、各々が持つ個性で光り輝いている。
   その非常な魅力を語り明かすには、私もまだ知らなければならない事が多く、日々驚かされるばかりさ」


摩美々「うーん、ルミナスの事っていうかー」

咲耶「?」

摩美々「高垣楓さんの事なんだけど」

咲耶「楓……シンデレラプロダクション、引いてはアイドル界が誇る、比類無き歌姫だ。
   彼女がどうかしたのかい?」

摩美々「なんか、最近すごい付きまとってきててー……」

咲耶「それは、楓が摩美々に好意を寄せている、という事じゃないのかな?」

摩美々「咲耶ってそういうトコあるよねー」


双葉杏「たぶん、楓さんが摩美々ちゃんにイタズラされたいって話でしょ」ノソッ

咲耶「おや、杏じゃないか。
   ちょうど良かった、詳しく話を聞かせてもらえないだろうか」

杏「詳しくっていうか、今言った通りなんだけどね」ポリポリ


城ヶ崎美嘉「じゃあ、同門としてアタシからも一言いいかな?」サッ

摩美々「そっか、美嘉も楓さんと事務所同じだったよねー」

美嘉「そうそう。でさ、楓さんってパッと見オトナっぽく見えるじゃん?
   でも、話してみると、結構お茶目っていうかさ」

美嘉「年下のアタシが言うのもなんだけど、カワイイ所あったりするんだー」

美嘉「だから、摩美々ちゃんが絡んでくれるの、たぶん楓さん待ってるんだと思うよ★」

咲耶「ふむ……つまり、気後れせずに遠慮なくイタズラをしても良い、という事かい?」

桜守歌織「きっと、そういう事で怒るような人じゃないと思うわ」

美嘉「あっ、歌織さん。それに紬ちゃんもお疲れー★」フリフリ

歌織「この間、あずさちゃんと夕食をご一緒した事もあったけれど、
   楓さん、とても大らかでチャーミングな人だったもの」

白石紬「歌織さん。私は、慎重になった方が良いのではと思います。
    あまり驚くような事をされると、心臓に良くないですし」

摩美々「紬みたいに脅かしがいがあると、やりやすいよねー」ニコーッ

紬「なっ!? か、からかうのはやめてください!」

杏「とはいえ、あの楓さんを驚かすのはちょっと難儀だろうけどね」


水瀬伊織「それなら簡単よ」

歌織「あら、伊織ちゃん。何か良いアイデアがあるの?」

伊織「もちろん。その前に」


伊織「ねぇ紬、ちょっとサーバーからオレンジジュースを汲んできてもらえるかしら?」

紬「えっ? それは、構いませんが……」スッ

カポッ ジャーッ

びろんっ!

紬「きゃあっ!? な、なんなん……?」ビクッ

伊織「にひひっ♪ ドッキリ大成功ってわけね」ファサッ


摩美々「コレ……カエルか何かの?」

美嘉「心白ちゃんが好きなキモカワ系のキャラの、小さい人形みたいだね」

伊織「そう。それをサーバーの取っ手にコッソリつけておいたのよ」

紬「い、いきなりそういうのやめてくれまっし。ビックリするげん……!」ドキドキ

伊織「なぜ人が驚くかって、予想外の事が起きるからでしょう?」

伊織「それなら、相手の行動を制限してしまえば話が早いわ」

咲耶「なるほど……予見できないシチュエーションに楓を誘導するわけか。
   さすがは伊織だ。その慧眼には恐れ入るよ」

美嘉「それじゃあ、後はどうやって楓さんを誘い込むか、だね★」

歌織「ふふっ、ちょっとワクワクしてきちゃったかも♪」

摩美々「なんか皆、私より楽しんでませんー?」

杏「まぁそういう奇特な人の集まりではあるからねー」


高木社長「やぁ、何やら楽しそうな話をしているね」ヌッ

歌織「あら、高木社長。お疲れ様です」ペコリ

高木「あぁいやいや、かしこまらなくても大丈夫だよ」

高木「何でも、摩美々君が楓君を驚かせようとしている、とのことだが」

摩美々「誰もそんな事したいって言ってないんですケドー?」

高木「まぁまぁ。私も、こう見えて手品を得意としていてね。
   ささやかではあるが、人の虚を衝く術はいくつか持ち合わせているのだよ」

伊織「へぇー、この伊織ちゃんのよりも優れたアイデアなのかしら?」

高木「いやぁ、優劣を論ずるつもりは無い。
   ただ、さらなる助言が出来たらと思ってね」

咲耶「さらなる助言? それは一体……」



高木「協力者を募る、というのはどうだろう?」

~後日~

楓「…………」ズゥーーン…!

摩美々「…………」

星井美希「ムニャムニャ……すぅ……すぅ……」

大崎甜花「ほ、星井さん、寝てる……なるべく音、立てないようにゲーム、しないと……!」


摩美々「…………」

楓「……」ズゥーーン…!


摩美々(なんか……ますます絡みにくくなってるんですケド……)


雪歩(楓さんに怒られたいという摩美々ちゃんの興味を惹くための、あの雰囲気……!)

甘奈(あんまり怖くはないけど、楓さんの異様な感じがめっちゃ伝わってくるよね!)

静香(でも、心なしか余計に摩美々さんが距離を置いているような気が……)

杏(もはや杏は、楓さんの方が摩美々ちゃんにイタズラしてるような気さえしてきたよ)

美嘉(それは言えてる)

咲耶(判断するのは些か早計だ。もう少し見守ってみよう)


ガチャッ

奥空心白「お疲れ様です。あれ?」


摩美々「…………」

楓「……」ズゥーーン…!


心白「わぁ。楓さん、新しいビジュアルトレーニングですか?」

楓「……」ズゥーーン…!

心白「すごいです! 私も、ご一緒させていただきますね!」ギュッ

楓「……」ズゥーーン…!

心白「……」ズゥーーン…!


摩美々(なにこれ)


ガチャッ

安部菜々「お疲れ様で……ぅええぇえっ!?」ギクッ!

三浦あずさ「どうしたの菜々ちゃん? あら~、二人ともとっても怖いお顔だわ~」

菜々「ななな、な、何でそんな表情を!? 何かあったんでしょうか!?」

小宮果穂「楓さんと心白さん、スゴいです!! ひょっとして、怪人役の特訓ですか!?」フンス!

心白「うん! 般若!」

果穂「わああぁぁぁぁ……!!」キラキラ

楓「……」ズゥーーン…!

亜美(さすがはこはっち、見事なコピー能力ですな→♪)

真美(このコントンの中でも表情を変えない楓お姉ちゃん、まさにショシテンカツの極みですな)

伊織(果穂に変なスイッチが入っちゃってるじゃないのよ……)


ガチャッ

天海春香「お疲れさ、きゃあああぁぁっ!?」

どんがらがっしゃーん!

如月千早「は、春香! 大丈夫!?」

杜野凛世「盛大な……転倒の仕方だったかと……」

春香「えへへ、大丈夫大丈夫、驚かせちゃってごめんね」ムクッ


春香「って、何これ!?」ギョッ!?

果穂「悪い般若さんから平和を守る、情熱のルミナスレッド!! 参上、ですっ!!」ビシッ!

あずさ「あら~、私はたしか、ルミナスパープルだったかしら~?」

菜々「その設定まだ生きてたんですね。
   じゃ、じゃあ、コホン。愛と正義のルミナスピンク、月の光を浴…」

諸星きらり「にょわーっ! 何だか皆すっごく楽しいハピハピな感じになってるにぃ☆」

高槻やよい「うっうー! 私もヤキニクマン役で参加できちゃうかもー!」ピョンッ!

楓「……」ズゥーーン…!

千早「えぇと、これは……高垣さん、一体どういう……?」

凛世「とても……賑やかな空間かと……ふふっ」

心白「……」ズゥーーン…!

春日未来「えぇぇ!? 心白さんが怪人役って、すごく面白そうじゃないですか!」

美希「ミキはねー……武士なのー……すぅ……すぅ……」

甜花「この空間でも、寝てる……す、すごい集中力……!」

甜花「あれ……? ……寝てるのに、集中? ……あれ?」グルグル

摩美々「…………」

P(さすがに収集がつかなくなってきたな!)

紬(あなたという人は、そうやって私達がワチャワチャするのを見て楽しんでいるのですか?)

歌織(これだけ皆がやりたい放題だと、摩美々ちゃんもイタズラどころじゃ…)



摩美々「私だってパープルなんですケドー?」ザッ

あずさ「あら~?」


P達(行ったぁー!)(しかも何故かあずささんにー!?)


果穂「あっ、摩美々さん! 摩美々さんもパープルなんですか!?」

摩美々「私は悪い子なんでー、どっちかって言うと般若でいいー?」

心白「わぁ、摩美々さんも般若になってくれると心強いです!」

楓「……?」ズゥーーン…! ピクッ

P(楓さんが反応を示した! サイドから切り込む気か……!)

P(だが、センタリングを上げる相手はいない。
  ゴールまで己がドリブルで突破していくしかないぞ、摩美々!)


摩美々「というワケで、悪いことしてみましたー」スッ

春香「あっ! それってもしかして、私の持ってきたクッキー!?」

千早「さっき転んだ拍子に無くしたと思っていたら、田中さんが……!」


摩美々「このクッキーの中に一つだけ、激辛ソースをかけてあげましたー」

摩美々「ロシアンルーレットってヤツー? ふふー」クスクス

楓「……!」ピクッ

響「うわーん! そんなの危ないじゃないかー!」

菜々「食べ物で遊んじゃダメって、ナナが小さい頃はよく叱られたんですよ!」

律子「ええぃ、こうなったら皆で協力して食べるわよ! ほら、皆手を出して!」


楓「…………」ワクワク


甘奈(楓さん、めっちゃ食べたそうな顔してる)

美嘉(ああいうのでノリ気になっちゃうんだよなぁ)


翼「色的にたぶんコレじゃないですかー? はい、心白さんどうぞー♪」スッ

心白「あっ、おいしい」サクッ

摩美々「えっ?」

貴音「心白は真、辛いものが好きなのですね」

摩美々「え゛っ!?」
楓「え゛っ!!?」

咲耶(まさかのボケ潰し、ならぬイタズラ潰しとは……)

紬(平穏が訪れるようで何よりです)ホッ

杏(勝者はいないけどね)


楓「そ、そんな……」シュン…

やよい「楓さん、どうして落ちこんでるんですかー?」

心白「あ、楓さんもどうぞ。春香さんのクッキー、相変わらずすごくおいし…」スッ

ガッ!

心白「えっ? わ、わっ……!?」グラァ…!


楓「こ、心白ちゃん!?」バッ!

ガシッ!

心白「っとと……!」ヨロッ

楓「大丈夫ですか、心白ちゃん?」


琴葉「うわぁぁ……危うく倒れちゃう所だったね、心白ちゃん」

蘭子「救いの手を差し伸べし世紀末歌姫の、かくも迅雷の如き身のこなしよ」
  (咄嗟に支えた楓さんも、すごい反射神経でした)

心白「……ありがとうございます、楓さん。助けてくれて」

楓「いえ、そんな、お礼を言われるような……」


真「でも、心白がケガをしていたら大変だ。摩美々、救急箱を」

春香「私が転ぶときは何も無いのに!?」

摩美々「えー、しょうがないですねー」スッ

楓「あの、たぶん心白ちゃんはケガをしてはいな…」

パカッ

びよよーん!

楓「きゃっ!」ビクッ!



楓「…………え?」


心白「えへへ」ニッコリ

心白「『二十五歳児の謎 世紀末歌姫ビックリびよよん大作戦』、無事完了ですっ!」ギュッ!

未来「作戦名が長いよ、心白さん!」

小鳥(二十五歳児というのを考えたのが私なのは言わないでおこうっと……)


摩美々「……ふふー」ニコォーッ

伊織「にひひっ♪ という訳で……」


伊織達「イタズラ大成功~~!!」

楓「こ、これは……?」

琴葉「僭越ながら、私から種明かしをさせていただきますね、楓さん」コホン

楓「琴葉ちゃん……」


琴葉「摩美々ちゃんからイタズラをされたいという楓さんのご希望を叶えるため、
   私達も摩美々ちゃんに協力をして、お芝居を打たせていただいたんです」

琴葉「協力をしたのは、春香ちゃん、律子さん、真ちゃん、伊織ちゃん、心白ちゃん……
   それに、翼ちゃんと未来、小鳥さん、そして私です」

雪歩「ま、真面目な琴葉ちゃんがそういうのに協力するの、意外かも……」

琴葉「私も、ルミナスの力になりたいって思ったから!」フンス

きらり「おっつおっつ☆ 琴葉ちゃんのサポートばっちしだったにぃ♪」

美希「ミキ、お母さんなのー……すぅ……すぅ……」

甜花「甜花、集中してると、寝れない……星井さん、集中、してるのに、起きない……あ、あれ?」グルグル

咲耶「なんと、そんな計画があったとは……ふふっ、私まで一本取られてしまったよ」

凛世「敵を欺くには、味方から……理に適った、御手前でございます」

歌織「敵というほど物々しいお話ではないけれど、ね?」

翼「結果的に皆でハッピーになれたからイイカンジかなって思いまーす♪」

果穂「はいっ!! 笑顔にしちゃう皆さんの大作戦、まさにヒーローのかがみです!!」

未来「でへへー、それほどでもー」テレテレ



摩美々「ふふー」ニヤニヤ



楓「……ふふっ、摩美々ちゃん」

楓「今度そういうイタズラをしたら、メッ、ですよ?」ニコッ

摩美々「えー、どうしてですかー?」クスクス


楓「ふふふっ♪」

摩美々「ふふー」


~おしまい~

楓さんはそういう所があると思い、書きました。
スタマスSSは初めて書きましたので、変なところがあったらすみません。

お読みくださり、ありがとうございました。
越境はいいぞ。じゃあの。

※数ヶ月前に某所にて投稿したものから、ほんの少し誤字等の修正をしてあります。

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom