【モバマス】夏前の蒸し暑い日 (22)

「ふぅ……」

「お土産の水羊羹の準備はよし……」

バシバシ

「気合は入れたし……行くか」

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短い話です

京都弁警察の方は出動をお控え願います

―事務所



『6月はジューンブライドのシーズン!あなたも一緒に幸せになりませんか?』



紗枝「ふぅ……」

紗枝「海外の方の風習はようわかりませんけど、結婚を幸せに感じるのは共通みたいどすな」

紗枝「うちも……プロデューサーはんと……」

紗枝「っ!」///

紗枝「あきまへん!うちはアイドルどす!……よ、余計なことは……」

コンコン

紗枝「うひゃあ!」

ガチャ

モバP(以下P)「ただいまー。あー、外は蒸し暑かった」

紗枝「お帰りどす……けど、帰っていきなり愚痴をこぼすのは社会人としてどうかと思います?」

P「ははっ。紗枝は厳しいな」

紗枝「当然どす。うちが厳しくなかったら、ここみたいなやわな事務所なんてあっという間に」

P「その辺で勘弁してくれよ……あ、帰りに水羊羹買ってき「食べ物でおなごを釣ろうとしてもあきませんで」

P「やれやれ……キビシイなぁ」

紗枝「でも」

紗枝「せっかくのお土産です。お茶を入れてきますさかい、一緒に食べへんか?」

P「あぁ、頼むよ」

紗枝「では、煮えたぎった茶など」

P「勘弁してくれよ!」

紗枝「ふふっ。冗談どす」

ズズッ

P・紗枝『は────っ』

紗枝「なんとも落ち着きますなぁ」

P「うん。とりあえず水羊羹どうぞ」

紗枝「おや、この水羊羹はあのお店の」

P「テレビ局の帰りだったしな。事務所からはちょっと遠いが、いい仕事をする店だから」

紗枝「はいー」

紗枝「ではさっそくいただきます」

P「どうぞどうぞ」

紗枝「うーん。ほどよい柔らかさの中に餡の甘みが加わり、口の中でとろけてしまうこの美味しさ」

紗枝「さすがどすな」

P「うん。うまいな」

紗枝「あのお店は直接行っても雰囲気もよく、まるで実家の縁側に座ったような感覚になりますなぁ」

P「そうなんだ。直接あっちでは食べたことないからなぁ」

紗枝「……」

紗枝(い、今が好機どす。ここでプロデューサーを一緒に……と誘って)



紗枝「……」

P・紗枝『よかったら……』ハモリ

P・紗枝『あぅ……』

紗枝(か、被ってもうた……)

P「すまん。紗枝から誘ってくれたのに……」

紗枝「ほ、ほんまやで。京のおなごからの誘いは、どういう意味を表すか知らんと?」

P「す、すまんっ!」

紗枝「ふふっ……冗談で」

P「さ、紗枝……」

紗枝「まぁ、具体的な日にちが決まりましたら……でよろしいか?」

P「ははっ、よろしくお願いするよ」

紗枝「今から楽しみや。いっちゃん高う羊羹を頼まんとあかんなぁ」

P「ちょ!」

紗枝「冗談どす……でも、甲斐ないのは嫌われますよ」

P「ま、まぁ、とらやとかある程度高い店は知ってるからなぁ」

紗枝「ふっふっふっ……」

P「うわ……何を頼むやら……」

紗枝「秘密どす」ニッコリ

P「うわ……周子を相手にする時でもしないような笑顔……」

P「京女、恐るべし」

紗枝「ふふっ、めったに見せないから意味がある……そうとも取れるかと」

P「うわ……大丈夫かなぁ」

紗枝「心配ありません。うちがそんな女に見えるとでも?」

P「」プイ ←目逸らし

紗枝「#」

紗枝「正座」

P「はい」



―30分経過

P「あの……」ジンジン

紗枝「これぐらいできぶあっぷどす?」



―60分経過

P「……頼む……流石に……」ピリピリピリ

紗枝「……一時間か。まぁ、普通の方なら限界なんでしょうな」

紗枝「いいでしょう。足を解いても」

P「た、助かった……」ピリピリピリ

紗枝「……」



ツン

P「うおっ!」ジンジン

P「さ、紗枝……」ジンジン

紗枝「ふふふっ」

ツンツン

P「おおお゛っ!?」ジンジンジンジン

紗枝「ふふっ、楽しいどすなぁ」

P「あ、悪魔だ……この事務所には二匹も悪魔がいる……」ジンジン

紗枝「そーれそれそれ」

ツン

P「や、やめ……うわっ」グラッ

紗枝「きゃっ!」



ドシーン

P「あ痛たたた……大丈夫か?」

紗枝「あ……はい」

紗枝(プロデューサーはんの顔が……近い近い近い近い近い近い)

P「とりあえずどいて……」

ジンジン

P「うわっ!」グラッ

紗枝「あっ」



チュッ

P「っ!」

紗枝「っ?」

P「す、すまん……」

紗枝「え、ええどす…………これは事故なんどす」

P「すまん……そうしてもらえると助かる」

紗枝「」

紗枝「」ムッ



紗枝「事故なら仕方がない……そういうこと…か?」

P「へっ?」

紗枝「たしかにうちは事故と言うた。でももう少し配慮というものがあるとは思いませんか?!そりゃうちは愛梨はんのようにぼっきゅっぼんでも、かな子はんのようにぼんぼんぼんでもあらへん!でもこちらとて乙女心は友紀はんと幸子はんを足して二倍以上あるんです!!」

P「お、落ち着け。あとかな子は標準だ」

紗枝「かな子はんが標準って……なら、うちはひんそうでちんちくりんということでよろしいか!」

P「それは765さんとこの穴掘りドリルだ!」

紗枝「どうせプロデューサーはんは、うちと同じ身長なのに胸は遥かにおっきいりあむはんのこととか考えてんでしょ!」

P「たしかにあいつはおっきいが、それを言えば茜だって身長は……」

紗枝「今、他の女の事を話さないでもらえますか!」

P「自分から振っておいてかよ?!」

紗枝「もーっ!!」

P「落ち着け!」

紗枝「うちは嫌なんどす!この身長も体型も!」

P「えっ……」

紗枝「親は着物に似合うと慰めてくれます。でもうちも、もっと……もっと今よりさらにないすばでぃに憧れてます……」

紗枝「まだ15歳って慰めてくれる方もおりますし、実際に伸びたりするかもしれません」

紗枝「けど……けど!」

紗枝「今、うちを見てくれる人の前で!いますぐにうちを見てほしいんです!」

P「あ……」

紗枝「もう……もう好きな人に、もっといい女であるのを……見せたくて」グス

紗枝「なのに……なのに……いつもイメージが合うって」グスグス

P「紗枝……」

紗枝「……い、今から、目から何か流れるかもしれん……でも涙……じゃあらへんから……」グスグス

紗枝「うちの……最初で最後のわがまま……だけど」

P「あぁ……しっかり受け止めるから」





紗枝「うぐぅ……う……」

紗枝「うわぁぁぁぁぁぁっ!!」

―30分後

紗枝「……」

P「紗枝……」

紗枝「……知らんどす」

紗枝「女が涙を流しているのに、慰めたりもせずに頭を撫でたり肩を叩くだけのカイショーナシには聴く口はあらへんや」

P「……」







P「いいんだな?」

紗枝「へ?」

ガシッ

紗枝「え……肩を……?」

紗枝(あぅ、まったく動けへん……プロデューサーはんの力、強いなぁ)

紗枝(あ、ひょっとして、襲ってくれるとか……)

紗枝(いややわ……うち、今日の下着は普通のだったから……)

>>京都弁警察の方は出動をお控え願います

予防線警察は出動してもええんやね

チュッ



紗枝「……」

紗枝「ん?」

P「///」カオマッカ

紗枝「……」

紗枝(……意気地なし!)

紗枝(でも……惚れてしまったのはそういうところだから……)

紗枝(だから……こっちも)



チュッ

P「っ!?」

紗枝「お返しどす」

紗枝「女の初めてを奪った男は……お・と・し・ま・え」

紗枝「ちゃんとつけてもらうよ」

紗枝(いつか、大人になって……)

紗枝(常に隣にいるようになったら)



紗枝(また、あまーい水羊羹を食べにいきましょ)



おしまい

最初はプロデューサーからの告白予定だったのはないしょ

では、ありがとうございました

>>16
は、破防法に基づく出動なら……

あ、りあむは149でした。

すまんかった。

若葉お姉さんやあきえもんにレイナ様が148です

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