・アイマス×モバマス
・ヤマ、オチ特になし
・妄想設定の混入にご注意ください
よろしければお付き合いください
↓なお前回
【予定は未定】千早「……これは?」 ライラ「コーヒーでございますよ?」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1633015940
千早「皆さんこんばんは、如月千早です」
ライラ「ライラさんでございますよー」
楓「高垣楓です、よろしくお願いしますね」
千早「…………」
楓「千早ちゃん、どうかしたのかしら」
千早「いえ、なんで当たり前のようにいるのかな、って」
楓「それはもう、私はこの番組の準レギュラーですから」
ライラ「そうだったのでございますか?」
千早「安心してライラさん。私も初耳だから」
楓「そんな……二人してひどいです」
ライラ「おー、そんな顔しないでくださいです」
千早「大丈夫よライラさん。きっと演技だから」
楓「ふふ、バレちゃいました」
千早「そもそもこの番組、準レギュラーとかなかったはずですが」
ライラ「ライラさんと千早さんと、ゲストの方でございますからねー」
楓「でも私、この番組に二回も出演させて頂いてるんですよ?」
千早「一回目はゲストでも何でもなかったかと」
楓「で、でも、二回目はライラちゃんの代役を務めましたし」
ライラ「おー、あのサプライズは嬉しかったですねー」
楓「ただのゲストではそんな大役務まりませんよね?」
千早「あれはウチのスタッフが悪ノリしただけじゃありませんでしたっけ」
楓「……務まりませんよね?」
千早「……まあ、楓さんがそれでいいと言うのなら」
楓「ふふっ、分かってもらえたようで嬉しいです」
ライラ「あー……どう違うのでございますか?」
楓「つまりゲストではなくメインの一人として、目一ん杯頑張るということです♪」
千早「ぷふっ」
ライラ「千早さん?」
楓「ふふふふ」
千早「くふっ……ふふふっ、えふっ」
楓「さ、予定は未定、頑張っていきましょう♪」
ライラ「おー……?」
千早「か、楓さ……ふふっ、そ、それが言いたかった……だけじゃ、くふっ」
***************************
ライラ「千早さん、もう大丈夫でございますか?」
千早「ええ、ありがとう」
楓「それで、今日はどうしましょうか」
千早「どう……と言われましても」
ライラ「何も決まってませんですからねー」
楓「……あの話って本当の本当だったんですね」
ライラ「あの話、でございますか?」
楓「進行表がないっていう話です」
千早「ああ、そういえばそんな話もしましたね」
ライラ「進行表、見たことないですねー」
楓「ひょっとしたら私だけが知らされてないのかも、なんて思ってたんですが」
千早「いえ、ウチのスタッフは悪い意味で平等ですから」
楓「悪い意味で、ですか」
ライラ「ふふー、みんなで行き当たりばったりなのです」
千早「……そういうことです」
楓「千早ちゃん、苦労してるんですね」
千早「準レギュラーの楓さんも苦労するんですよ?」
楓「……そうでした」
ライラ「では、のんびり歩きながら考えましょー」
千早「でも、ライラさんのお陰でそんなに困らないんですけれどね」
楓「ふふ、そうみたいですね」
ライラ「ほえ?」
千早「いいえ、なんでもないわ」
楓「さ、行きましょうか」
――――――
――――
――
ライラ「ずいぶん涼しくなりましたですねー」
楓「ええ、もうすっかり秋模様です」
ライラ「今年の夏は大変でございました」
千早「そう?」
ライラ「雨が降って暑くなって、涼しくなったらまた暑くなったのです」
楓「確かに不安定ではありましたね」
ライラ「ライラさん日本の季節には慣れてきましたですが、コロコロ変わるのは大変なのです」
千早「ああ、それはそうかも」
ライラ「お洋服の相談、楓さんにも乗っていただきましたですよ」
楓「事務所でファッションショー、楽しかったですね」
ライラ「また皆さんからお洋服いただきましたです」
楓「ライラちゃんのお姉さんも随分恐縮していましたし」
千早「……お姉さん?」
ライラ「はいです。日本で一緒に住んでいるでございますよ」
楓「故郷から一緒にこっちに来て、ライラちゃんのお世話をしているんですって」
千早「お世話……というのは」
楓「ふふっ、とても素敵な方ですよ」
ライラ「えへへー、自慢の家族でございます!」
千早「是非お会いしてみたいわね」
ライラ「おー、千早さんをライラさんのおうちにご招待でございますねー」
楓「後でお話聞かせてくださいね」
ライラ「はいですよ」
千早「二人って、プライベートでも仲が良いんですね」
ライラ「ふふー、その通りでございますよー」
千早「何かきっかけとかがあったんですか?」
楓「きっかけ……ですか」
ライラ「ライラさんがアイドルになった時、楓さんはもう売れっ子さんだったのです」
千早「CGプロでも古参……でしたね」
楓「失礼な。今でもピチピチですよ?」
千早「いえ、そういうことではなくて」
ライラ「新人のライラさんに、楓さんは色々教えてくださったのですよー」
楓「……私から、というわけでもないんですけどね」
千早「そうなんですか?」
楓「ほら、私って人見知りする方じゃないですか」
千早「……え?」
楓「……あれ?」
千早「すみません。余りそういうイメージがなかったもので」
楓「……意外です」
千早「ほら、初共演の時だって色々と気を遣ってくださいましたし」
ライラ「楓さんは優しい方でございますからねー」
千早「ええ、私もそんな風に感じてました」
楓「……アレは単に、どう接していいか分からなかっただけなんです」
千早「……そうだったんですか?」
楓「積極的に話しかけるのも難しいのでせめて、という感じで」
千早「……ふふっ」
楓「千早ちゃん?」
千早「ごめんなさい。ただ私と同じだったんだな、って」
ライラ「ほえ?」
楓「千早ちゃんとても格好良くて気配りもできてって思ってたんですけど」
千早「アイドルとしては私の方が長くても、楓さん大人ですし」
千早「距離の取り方が分からなくて、せめて悪い印象は残さないようにしようって」
楓「…………」
千早「…………」
楓「ふふ、お互い様だったんですね」
千早「そうみたいです」
ライラ「おー、仲良しさんでございます」
楓「ともかく、私って話しかけにくいみたいなんですよね」
楓「なんでも近寄りがたいオーラがあるんだとか」
千早「……ああ」
楓「でも、ライラちゃんには通じなかったみたいで」
ライラ「ライラさんでございますか?」
楓「あっという間に懐に飛び込んできて、後は気づけば……というところです」
千早「ふふ、そんな所まで同じだなんて」
ライラ「ライラさん、何かしましたですか?」
楓「いいえ。特別なことは何も」
千早「だからライラさんはすごいのよねっていう話よ」
ライラ「むー、よく分かりませんです」
楓「今では時間が合えばお話ししたりお茶をしたり、という感じですね」
千早「へぇ」
ライラ「楓さんはライラさんの悩み事も聞いてくれましたですよ」
千早「悩み事?」
ライラ「はいです。アイドルで悩んでいた時、一番にお話聞いてくれました」
千早「そんなことが」
楓「あれはそんな格好良いものでは……」
ライラ「そんなことありませんです。ライラさんは嬉しかったでございます」
楓「でも私はたまたまそこにいただけで、アドバイスの一つもできずに」
千早「……大事なのはそこじゃないと思います」
楓「千早ちゃん?」
千早「辛い時に寄り添って、支えてくれる人がいる。それだけで救われるんですよ」
楓「え、えっと……その」
千早「……あ、すみませんいきなり」
ライラ「なんで千早さんが謝るでございますか?」
千早「事情も知らずに出過ぎたことを言ってしまったから……」
ライラ「いいえ、千早さん間違ってませんです」
千早「ライラ、さん?」
ライラ「ライラさんが思っていること、千早さんは言葉にしてくださいました」
ライラ「だから千早さん、ありがとうございますです」
千早「……こっちこそ、ありがとう」
楓「ふふ、二人は仲良しですね」
ライラ「はいですよ」
楓「私も、千早ちゃんのお陰で自信が持てそうです」
千早「そんな……」
楓「弱気に巣くわれていた気持ちが救われました」
千早「ちょ、楓さ……な、なんで今……くふっ!」
ライラ「ほえ?」
楓「ふふふ」
千早「ふふっ……くふ、くふふっ!」
楓「(千早ちゃんにもきっと、何かがあったんでしょうね)」
ライラ「おー、笑顔は良いことなのです」
***************************
楓「さて、ちょっと寄り道しても良いですか?」
千早「ええまぁ、そもそも当てもなく歩いていただけですし」
ライラ「千早さん、ご機嫌ナナメでございます?」
千早「いえ、そういうわけでは」
ライラ「ちょっぴり表情が硬いです」
楓「ごめんなさい、千早ちゃん」
千早「か、楓さん、そんな顔しないでください」
楓「だって、私が余計なことを言ったからでしょう?」
千早「いえ、そんなことは決して」
楓「……怒ってません?」
千早「ええ、もちろん」
楓「ふふ、よかったです」
ライラ「ふふー、仲直りでございますねー」
千早「(楓さんなりに気を遣ってくれたんでしょうし……たぶん、きっと)」
ライラ「ところで楓さんはこの辺りをご存じでございますか?」
楓「ええ、以前来たことがあって」
千早「それで寄り道ですか」
楓「その通りです」
ライラ「どこに行くのですか?」
楓「記憶が曖昧なので、そこの商店街で聞いてこようかな、と」
ライラ「おー、ライラさんがお世話になっている商店街とそっくりです」
楓「二人はここで待っていてもらえますか?」
千早「一緒に行かないんですか?」
楓「みんなで行くほどのことではありませんから」
ライラ「分かりましたです。行ってらっしゃいですねー」
楓「それじゃ、少し失礼しますね」
千早「……ふぅ」
ライラ「どうかしましたですか?」
千早「いえ、楓さんに悪気がないのは分かっているんだけれど、ね」
ライラ「あー、ダジャレでございますか」
千早「正直、もう少し手加減して欲しいわ」
ライラ「ライラさんにはダジャレ、難しいですからねー」
千早「そういうものかしら」
ライラ「はいです。ですので楓さん、時々さみしそうなのです」
千早「(その分が私に……なんてことはないわよね?)」
ライラ「ですが笑顔は幸せの素でございますので、分かるようにないたいですねー」
千早「ふふ、頑張ってね」
ライラ「分かるようになったら、千早さん聞いてくださいますですか?」
千早「え、ええ」
ライラ「おー、頑張りますですよー」
千早「(は、早まったかしら)」
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楓「お待たせしました」
ライラ「お帰りなさいですよ」
千早「どうでしたか?」
楓「はい。思ったよりも近くにあったみたいです」
ライラ「それで、どんな所に行くのでございますか?」
楓「ふふ、それは着いてのお楽しみ、です♪」
千早「それでは道案内お願いしますね」
楓「お任せください」
――――――
――――
――
楓「はい、到着です」
千早「足湯……ですか」
ライラ「足湯でございます?」
千早「ええと、足だけ浸かるお風呂、で分かるかしら」
ライラ「おー、そんなものがあるのでございますか」
楓「なんとこの足湯、正真正銘の温泉なんですよ」
千早「え、こんな街中に?」
ライラ「珍しいのですか?」
千早「温泉というと山奥、みたいな印象があるから」
楓「街中の温泉、探せば意外とあるんですよ?」
千早「そうだったんですか」
ライラ「ですが、ここの温泉は小さいでございますねー」
楓「実はさっきの商店街の中に大きな銭湯がありまして」
千早「なるほど、そこで本来の温泉が楽しめるわけですね」
楓「はい。ここは憩いの場だそうです」
ライラ「木がたくさんで、のんびりできますです」
千早「公園の一角に足湯、というのが面白いですね」
楓「でしょう?」
千早「それじゃあ入りましょうか」
ライラ「はいですよ」
千早「ふぅ……」
ライラ「おー……」
楓「ふふっ」
千早「初めての足湯はどう、ライラさん?」
ライラ「なんだかフシギな感じでございますねー」
楓「そうですか?」
ライラ「足だけなのにすごくホッとしますです」
千早「それなりに歩いたから、かしら」
楓「だいぶ涼しくなってきましたしね」
ライラ「ライラさん、足湯好きでございます」
楓「ふふ、それはよかった」
千早「この、少しずつ体も温まる感じ、いいですよね」
ライラ「ぽかー」
楓「さて実は、足湯をより楽しむ為のアイテムを用意してるんです」
ライラ「おー、なんでございますか?」
楓「ふふふ、じゃん♪」
千早「……あの、楓さん」
楓「なんですか、千早ちゃん」
千早「私の見間違いでなければ、お酒ですよね、それ」
楓「はい。温泉と言えばお酒、定番中の定番です」
ライラ「あー、ライラさんたちお酒は飲めないでございます」
楓「え、そんな……」
千早「楓さん?」
楓「……というのは冗談で」
千早「本当に?」
楓「もちろんですよ」
千早「じゃあ何でお猪口まで用意してるんですか。しかも三つ」
楓「それはほら、商店街で道を聞いたついでにちょこちょこっと」
千早「ぷふっ……そ、そういうこと……じゃなく、くっ……くふふ」
ライラ「おー……」
楓「というわけで、二人にはこちらを用意しました」
ライラ「おー、ラムネでございます」
千早「ふっ、それなら……さ、最初から、ふくっ」
ライラ「千早さん、大丈夫でございますか?」
千早「ふふっ、ええ……何とか……くっ」
楓「ふふふふ」
ライラ「楓さんキラキラでございます」
千早「(ええ、そうでしょうとも!)」
ライラ「楓さんはお酒でございますか?」
楓「はい。たしなむ程度ですから大丈夫ですよ」
千早「スタッフ……は、止めるわけないわね」
楓「ふふ、この番組大好きです♪」
ライラ「ライラさんもでございますねー」
千早「同じ好きでも、こうも違って聞こえるものなのね」
楓「褒めても何も出ませんよ?」
千早「褒めてません」
ライラ「おー?」
楓「ところで千早ちゃんは飲まないんですか、ラムネ」
千早「いえ、その……実は開け方が、ですね」
楓「あら、瓶のラムネは初めてですか」
ライラ「でしたらライラさんがお教えしますです」
千早「ライラさん分かるの?」
ライラ「はいです。駄菓子屋さんで教わりましたですよ」
楓「それじゃあライラちゃん、お願いしますね」
千早「(本当に飲んでるし……)」
ライラ「では千早さん、まずはフタをお取りください」
千早「ええと、これよね」
ライラ「はいです。次にフタに付いている輪っかを外すのです」
千早「輪っか……ああ、これのこと」
ライラ「あとはフタを飲み口に当てまして」
千早「こうかしら」
ライラ「ギュッと押すだけなのです」
千早「ギュッ、と」
楓「あ、すぐに離すと」
千早「え? ああ、零れて……」
ライラ「おー、はじめはライラさんも同じ失敗しましたですねー」
楓「しばらく押さえていないと、炭酸が吹きこぼれるんですよね」
千早「……もう少し早く言って欲しかったです」
楓「ふふ、ごめんなさい」
ライラ「ライラさんのと交換しますですか?」
千早「いえ、零れたといっても少しだから」
楓「それでは乾杯しましょう」
千早「楓さん、既に飲んでましたよね?」
楓「なんのことでしょうか?」
千早「まあ、別に良いですけれど」
ライラ「何に乾杯するのでございますか?」
楓「この番組の六周年を祝して、でどうでしょう」
ライラ「おー!」
千早「ふふっ、分かりました」
「「「かんぱーい」」」
千早「もう六周年なのか、やっと六周年なのか」
ライラ「長いのか短いのか、よく分かりませんですねー」
楓「あれ、達成感みたいなものは……?」
千早「まぁ……ないですね」
ライラ「楓さんのお話で思い出した感じでございます」
楓「なんだか思っていた反応と違います」
千早「そもそもの放送回数が少ないですから」
ライラ「前回はだいたい半年前でしたでしょうか」
千早「あら、そんなものだったかしら」
楓「完全に感覚が麻痺してませんか?」
千早「ひどい時は一年空きましたから」
楓「それは……ええと」
千早「そんな調子ですから、節目が節目の役目を果たしてないんですよ」
ライラ「ですが、のんびりでも続いているのは嬉しいでございます」
千早「ふふ、そうね」
楓「ああ、そういう気楽な感じなんですね」
千早「そういうことです」
***************************
ライラ「ということで、六周年記念放送でございました」
千早「残念ながら自覚はなかったけれど、ね」
楓「まぁまぁ」
千早「それ以上に楓さんのインパクトがすごかったので」
ライラ「おー……」
楓「準レギュラーですから、慣れてくださいね」
千早「……努力します」
ライラ「その為にも、この番組が続かないといけませんねー」
楓「あ、それはあんまり心配していません」
千早「それはまたなぜ?」
楓「六周年を迎えた、皆さんの執念を信じてますから♪」
千早「ちょっ! 楓さ、くっ……くふふふっ」
ライラ「おー……」
楓「ところで、やっぱり次回も未定なんですか?」
ライラ「その通りでございますねー」
楓「準レギュラーとしては、また呼んで欲しいです」
ライラ「ふふー、きっと大丈夫なのです」
楓「その時はまた、目一ん杯頑張りますね」
千早「…………っ!! ………………っ!!!!」
ライラ「千早さんがなんだか大変でございます」
楓「大丈夫ですよ、きっと♪」
ライラ「あー……お時間みたいですねー」
楓「あら。それではまた、お会いできることを願って」
ライラ「はいです。それでは、しばしの別れー」
***************************
【後日・765プロ劇場】
このみ「どうしたの千早ちゃん。悩み事?」
千早「馬場さん……」
このみ「ほらほら、お姉さんに言ってみなさい?」
千早「ですが……」
このみ「話すだけでも楽になるから」
千早「……そうですね」
このみ「よし、そうこなくっちゃ」
千早「あの……やっぱり腹筋でしょうか?」
このみ「…………うん?」
千早「笑い転げることを『腹筋崩壊』と言うと聞いたのですが……」
このみ「ええまあ、そういう言い方もあるわね」
千早「ですから、崩壊しない腹筋が必要なのかな、と」
このみ「千早ちゃん、まずは深呼吸しましょうか」
千早「ええと、はい……すぅ…………はぁ…………」
このみ「落ち着いた?」
千早「はい、少しは」
このみ「じゃあ順序立てて説明してくれるかしら」
千早「先日、CGプロの高垣楓さんと共演したのですが」
このみ「ああ、あの番組ね。なるほど分かったわ」
千早「え?」
このみ「楓さんの駄洒落に散々笑わされたから、何とかしたいんでしょう?」
千早「はい、その通りです!」
このみ「まず言っておくと、千早ちゃんの腹筋はそうそう崩壊なんてしないわ」
千早「そう……なんでしょうか」
このみ「日頃のトレーニングは嘘を吐かないわよ」
千早「ですが他にできることが思い浮かばなくて」
千早「体幹を鍛えることは歌を歌う上でも重要ですし」
このみ「うん。千早ちゃんのそういう真面目な所、私好きよ」
千早「あ、ありがとうございます」
このみ「でも、今の千早ちゃんに必要なのは腹筋のトレーニングじゃないわ」
千早「では一体何が……」
このみ「それはズバリ、アダルティよ!」
千早「アダルティ……?」
このみ「そう。今の千早ちゃんはね、何の準備もなく楓さんに向かっている状態なの」
千早「ええ、ですから腹筋を……」
このみ「違う違う。千早ちゃんの腹筋は問題ないわ」
千早「そう、なんでしょうか」
このみ「問題なのは無防備さよ」
千早「だから……アダルティ?」
このみ「その通り。千早ちゃんが身につけるべきは大人の余裕なの」
千早「それは一体、どういう……」
このみ「いくらトレーニングを積んでいても、いきなり舞台に立って歌えるかしら」
千早「それは……難しいかと」
このみ「でも新人の頃に比べれば、多少は対応できるでしょう?」
千早「そうかも……しれません」
このみ「それがアダルティ、大人の余裕よ!」
千早「!」
このみ「不測の事態に対応できる経験値、それが千早ちゃんには足りていないの」
千早「言われてみれば、そうかもしれません」
このみ「相手がどこから来ようとフワリと受け止め、ヒラリとかわす」
このみ「その余裕を身につければ、楓さん何するものぞ、よ」
千早「それを身につける為には、一体どうすれば良いんでしょうか」
このみ「フフッ、アダルティの道は険しいわ。付いてこられるかしら?」
千早「はい、頑張ります!」
このみ「良い返事ね。私はアダルティを求めるものは拒まないわ」
千早「よろしくお願いします、馬場さ……いえ、師匠!」
春香「このみさんってすごいなぁ」
真「うん、さすがこのみ師匠だよ」
春香「あの状態の千早ちゃん、相当面倒くさいのにね」
真「正直、ボクは相手したくないなぁ」
春香「ところで、さ」
真「なに?」
春香「ちゃんと修行したとして、耐えられるようになると思う?」
真「駄洒落に?」
春香「うん」
真「……無理だろうね」
春香「……だよねぇ」
<終われ>
というお話でございました
この世界線のメイドさんはライラさんの姉代わりを務めており、
楓さんの準レギュラーは自称なので次回出演予定は未定です
久々に書いたせいで方向性が迷子ですが、元々そういうシリーズだったと開き直りました
お読みいただけましたなら、幸いです
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