おいしいせっくす ~僕のために料理(つく)る妹~ (14)

同人サークル「アクアドロップ」の作品「おやすみせっくす」の二次創作的の何かです(18禁要素ナシ)



作者さんの許可を得て作った作品ではありませんので、内容は公式ではありませんがよろしくお願いいたします

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1630319786

「ただいまー……ふぅ、暑い暑い」

蒸し暑い外から帰ってきたこの家の住民である少女

もう高校生になるというのに、頭の下で髪を結ぶというスタイルのせいで、その豊満な胸部から想像させる以上に幼く見える

帰って来て着替えもせずに冷蔵庫を開け、中のオレンジジュースを取り出しそのままコップに移す

「んくんく……」

「ふぅ……はぁ、生き返るよ」

「ごちそうさま」

そのまま流しに置こうとして、ふと何かに気がつく

「あ……」

「今日、お兄ちゃんもお母さんも遅いんだ」

彼女、月岡唯の母は女で一つで兄妹を育ててきた。そのため、日によっては午前を跨ぐような遅くにしか帰ってこない

また、唯の兄である章は大学生であり、最近はバイトにサークルにと母ほどではないが帰りが遅い日が続いていた

「うーん。ご飯、どうしよう」

ここ最近であれば、母か兄の作り起きがあったはずではあるが、今日は急な用事があったらしくテーブルの上に紙幣が数枚とメモ書きが置いてあるだけだった

とりあえず……とお金を手にし数えてみる

「わぁ、三千円も?」

「お兄ちゃんの分もあるんだ……よね」

(でも今日はバイトで遅くなるって言ってたし、どうしよう)

(唯一人だけでファミレスってのはナシだよね。じゃあ、そうすると……)

元より兄離れができない唯としては、そのような選択は実際には選ばないに違いない

……ちらっと時計を見る

「えっと……」

針はちょうど6時を示していた

「とりあえず着替えないと……」

ふと、今だ学校の制服のままだと気がつき一人呟く

財布にお金をしまうと部屋に戻り着替え始める



(でも、どうしよう……)

ベッドに腰掛け制服のスカートのホックを外し脱ぎながら考える

(お兄ちゃんの帰りを待っていたら、お弁当を買ってきても冷めちゃうし)

(ピザやハンバーガーとかも……だよね)

その時、ふと親友二人との会話を思い出した

~~~~~~~~~~~~

それはある日の放課後

唯「じゃあ、またね~」

唯は友人達に一言告げてから帰ろうとした

瑠海「あ、唯ちゃん。これからバスケ部の人達と一緒にファミレスに行くけど、一緒に行かない?」

そう友人から誘いの声をかけられる

しかし

唯「えっと……ごめんね。その……今日はお兄ちゃんがご飯作って待ってるから」

申し訳なさそうに、しかし兄の名前を出す時は嬉しそうに告げる

景香「えぇ~、またお兄ちゃんなんだ」

唯「うんっ!」

瑠海「ご飯って……唯ちゃんはご飯作らないの?」

ふと漏らした友人の疑問

それに少し考えながら答える

唯「えっと……まったくやらないわけじゃないけど……」

景香「うんうん」

唯「お惣菜をレンジで温っためたり、カップうどんにお湯を入れたりとか……」

二人『それは料理じゃない!』

二人からの同時にツッコミをもらい唯は思わずおくびを引っ込めた

唯「ぴゃあっ!!」

……まるで某アイドルの口癖みたいなセリフを発しながら

瑠海「いい?唯ちゃんも女の子なんだから料理の一つもやらないと!」

女の子云々はともかくとして、正論を唯に説く

唯「で、でも、お兄ちゃんやお母さんの方が上手だし」

景香「そういう問題じゃないよ!はぁぁぁ……唯ちゃんは、愛するお兄ちゃんのために何か料理するって気にならないのかなぁ」

唯「愛する……」

瑠海「そうだよ!いつも作ってもらっているんなら、たまには自分からやらないと愛想をつかされちゃうよ」

景香「そう、それにおいしいお料理を作ってお兄ちゃんに御礼を言わせたりして、何かプレゼントをねだるとか!」

唯「ふぇっ!?」

唯「プレゼントとかって……そ、その……」

モワンモワン



「これ、唯が作ったのか?」

「うん。どう?お口に合うかな?」

「うん。うまいよ」

「よかった……」

「これはご褒美をあげないとな」

「あ、あれ?お兄ちゃん……そこ……そんなになって」

「唯……いいかな……」

「え、えと、いつの間に服を脱いでて……」

「じゃあいくよ……」

「ふぁ……お、お兄ちゃん……あ、あれ?私も裸になってて???」

「お、お兄ちゃん……や、やめっ──!! あぅ……ッ! 」

「や──、そ、そんなところっ!? き、汚い……でっッ!? ひぅ!!」

「うぐ、っん! んんっ……、ふぅっ、んぅ──あぁぁァン……ッ……」

「や、やだ……ぁ────っ、んッ……あっ」

「……ッ──お……おに────っ……ちゃんッ────!」

「わ、私、あんまりされ……ふぁぁッ──気持ち良すぎ……て──んんッ……ッ……──っ……」

「あ……あぁぁァッ────はぁぁァァン──────!!」





「はぁハァ……」

「お兄ちゃん……好き……」

モワンモワン



唯「~~~~~~っ!(//////////)」

過去の兄との情事から想像してしまい、友人の前だというのに耳まで赤くしてしまう

瑠海「うわぁ、顔が真っ赤になっちゃって」

景香「一体何を妄想したんだか」

そう、呆れながらも二人は唯を気遣う

唯「……う、うん……ま、また機会があったら……うん」

唯はまだ赤みを残したまま、辛うじてそのように答えた

瑠海「うん、唯ちゃんファイトだよ」

景香「がんばれー」



オーイ

瑠海「あ、いけない。もうそんな時間なの?」

景香「じゃあね、唯ちゃん」



唯「あ……うん……バイバイ」

誘いに返事しながら去っていく友人らを、何でもないように別れの挨拶をかけた



唯(料理か……)

唯(お兄ちゃん……私が料理したら喜んでくれるかなぁ……?)

唯(少しぐらいなら、調理実習とかでやってるしできない…………ってことはないよね?)



~~~~~~~~~~~~

その時の会話を思い出し、ふと棚にあった料理の本を出してみた

(これ……ちょっと埃かぶってるけど……)

(懐かしいな……お兄ちゃんと一緒に小さい頃に読んでたなぁ)

(あれ食べたいとかよく見てたなぁ)

ふと、そんな小さい頃の思い出に浸る……つい最近、中学の入学を映したビデオを見る機会があっただけに鮮明に思い出していた

(お兄ちゃん……あの時、何が食べたいって言ってたっけ?)

(ハンバーグ?スパゲティ?グラタンやフルーツサラダでもないし……あ、フレンチトースト美味しそう)

と、自分の好きな料理ばかり眺めていたその時だった





(えっと、「おふくろの味、ライスカレー」?)

(「男の人は幼年期に食べたものを懐かしむ傾向にあります」……お兄ちゃんもなのかな?)

(「元々、じゃが芋料理等は戦後の食料難の時代に代用食として重宝されました」……よくわかんないや)

そう思いながら理解できる所まで少しページを飛ばす

(えっと、「男性は伝統的という言葉に弱いので、こういった料理はきっと喜んでくれます」……そうなんだ)



(よしっ)

そう言いながらスマホを取り出し

(カレー……カレーの作り方は……)

台にスマホを置き、画面をスライドさせ色々なページを見てみる

ふと、気になったある文字が出てきた為、唯はスライドを止め紹介文を読む

(「唯の料理帖」?唯って同じ名前だけど……有名な料理を作る人なのかな?)

無性に気になり、そのページに飛んでみると動画が自動的に始まった

『ゆいの「ぽてとまっしゃー料理帖」!始まるよー☆』



「え?こ、これってアイドルの??」

思わず一人で呟いてしまうぐらい驚いた。仮にスマホを手に持っていた落としてしまっているぐらいには驚愕していたであろう

どう見ても金髪ギャルのアイドルが、そのような料理番組をやっているのが不自然に感じてしまったからだ

それでも、唯は画面を見続けた

『で、千枝ちゃんは今日は熱中症でおやすみです!代わりにゲストを呼んでるから最後まで見ていってね☆』

『どうも、「あなたにタニタ」。五十嵐響子です』



(あ、お料理アイドルの五十嵐響子ちゃんだ……だったら最後まで見ないとね)

唯でも知っている、いわゆる「お嫁さんにしたい№1アイドル」の参上で俄然興味が出て来る

知らず知らず、唯は番組にのめり込んでいた



『じゃあ、夏最後というわけで、とびっきりのカレーを作るよー♪』

『今日は「だんなさまの好きなおふくろの味風ビーフカレー」ですっ!』

『えっと材料は……』



(……へぇ、カレーにこんな具材を使うんだ)

(え?イチゴジャムなんか使うの??……コーヒーとかデミグラスソースは聞くけど)

(えぇ~ご飯も銀シャリだけじゃないんだ……でもドライカレーにカレーっておいしいのかな?)

次々に出されるレシピ情報に喜怒哀楽の表情を見せる

……もし母と兄がこの場にいたら間違いなく録画していたであろう

(そっか……お兄ちゃんのは辛めにして、唯のは甘口にできるんだ)

(……材料はあるかな?)

そう思いながら台所へ駆け込む

約一時間後、唯はスーパーから買物袋をかかえ家に帰ろうとしていた

「あはは……フンパツしていっぱい買っちゃった……」

(予算もオーバーしたし、これだけの荷物だとお兄ちゃんがいたら手伝ってくれたかな?)

そう思いながら帰ろうとした時



『ゆいちゃんのかれーにするぅ!』



「っ!?」



思わず自分の名前が呼ぶ声がした気がして、辺りを見回した



『うん。さっき唯ちゃんが出てたもんね』

『うん!ゆいもかれーがいい!』



それは小さな女の子と、やや年老いた女性……母親であろう家族の会話だった

唯と同じく、アイドルの動画を見たと思われる母娘の会話にほっとため息を漏らす

「あの子も……『ゆい』って言うのかな?」

アイドルだけでなく、小さなその子まで自分と同じ名前なのかと思い、一人樮笑む

「うん……唯も早く帰ろう」

「で、お兄ちゃんにおいしいって言ってもらうんだ!」

「あ、お兄ちゃん、コーヒーライスで出そっと!」





ガチャ

ギィィ

「ただいま」

バタン

「……唯はもう寝ちゃったかな?」



バタバタバタ

「お兄ちゃん、おかえり!」

「唯?こんな時間まで?!」

「うん。あのね、今日は唯がご飯作ったんだよ」

「え?……あぁ、カレーの匂いがするな」

「えへへへ。自信作だよっ!」

「そっか」



バタン

「ただいまぁ~」

「あ、お母さんお帰り!」

「母さんお帰り。僕も今帰ったとこだよ」

「あらあら、じゃあ夕御飯のしたくをしないとね」

「あのね、あのね。今日は唯が作ったんだよ!」

「え?唯が?」

「うんっ!」









「それじゃあ」


『いただきます!』



おしまい

以上になります



なお、途中で出てきたアイドルの名前は、「アイドルマスターシンデレラガールズ」から借りておりますのをご了承くださいませ

ではHTML依頼してきまつ

このSSまとめへのコメント

1 :  MilitaryGirl   2022年04月21日 (木) 02:12:53   ID: S:aLhrKM

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