ミステリーを書いてみたから是非犯人を推理してってくれ (7)



なんかミステリーでよくある孤島の館に集められた人たちを、執事が迎え入れていた。


執事「皆様、お集りになったようですね」


執事「ようこそ、我が主が所有する孤島の別荘『ばりくそ殺人事件が起きそうな館』へ」


執事「まー名前からして怪しい度マックスなんですが、ご安心ください。殺人事件なんて起きませんよハハハ」


主人公「うーん全然安心できないが、せっかくの機会だ、今日はこの館で開かれるパーティを楽しむとしようか高校生のヒロインちゃん」


ヒロイン「そうね、普通の高校生を謳いながら実は名探偵の孫である主人公くん」


探偵「へぇ、あなた高校生探偵なんですか。僕も探偵業を営んでましてね。巷では難事件ばかり解決するんで『探偵王子』なんて呼ばれてるんですよ。そうだ、せっかくですから皆さん自己紹介しませんか?」


刑事「面倒くせえが、まあいい。俺は刑事だ、休暇だったのにこんな孤島まで呼び出されちまってな、主とやらをとっちめてやらねえと」


政治家「私は名のある政治家だ。そこの刑事が言った通り、私も主とやらに呼び出されてね。まったく忙しいのに、困っちゃうよ」


医者「僕は医者です、皆さん何か気分でも悪くなれば言ってくださいね」


小説家「おいどんは九州のラノベ作家ばい。『この素晴らしいゼロから始まるオーバー幼女お兄様』って作品を書いとるばい」


詐欺師「ミーは詐欺師デス。どんなことでも騙してみせマース」


奇術師「わたし、きじゅつし! すごいんだよ、マジックできるよ」


アル中「俺はアル中だ。酒をくれ」


殺人鬼「俺は殺人鬼だ、さてどいつから血祭りにあげてやろうかな」



執事「さて、皆さまの自己紹介も終わったところで、我が館の主に登場していただきましょうかね」


執事「主! そろそろ皆様を集められた理由を発表するタイミングと思いますが、いかがでしょうかー!」


執事「……おかしいな、返事がありませんね」


主人公「うーん、おかしいとこはこれまでにも多々あったんだが、確かに主さんが返事しないのもおかしいですね」


探偵「これは事件の匂いがしますよ」


主人公「え、あ、うん」



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執事「主はこの館の最上階、つまり5階の個室にいらっしゃるはずです、ああ言いそびれましたがこの館は三角形的な形でして、一番上の階が頂上で一番小さくあり、今皆さんがいる一階ホール(パーティ会場)が一番広くて、ほんで螺旋階段になっていて5階までは走っても5分はかかりますが、皆さんで向かいませんか!」


主人公「やけに説明的なのは置いといて、まぁほんじゃ行きますか」


ヒロイン「主人公君、かっこいいわ」


探偵「このミステリーにしか登場しそうにない状況と建物の構造からして、おそらく主は死んでますね」


刑事「おい物騒なこと言うなよ、自称探偵王子のくせに」


政治家「んー、でも政治家もそう思います」


医者「早く検視しましょう、あ、言いそびれましたが、僕は女性♀です」


詐欺師「いいデスネー、実際僕っ子の女の子なんてなかなかいないですが、ベリーボッキです」


小説家「主が死んでたら良い小説のネタになるばい」


奇術師「わたしね、このあいだ、LOって雑誌に出ないかって誘われたことあるよ」


アル中「主の部屋に行けば酒があるのか?」


殺人鬼「おいてめぇら! んなこと言ってねえで主の部屋に急ごうぜ! もしかするとそいつは死んでるかもしれねぇんだろ、ヤベぇぜ!」


かくして館の一階にいた一行(12名)は、5階の主のもとへ向かったのである!



主「……」


一行は愕然した!!!!

なんと主は予想通り、背中にナイフを突き立てられ、死んでいたのである!!!!!


執事「あ、あるじーーーーー!! うう……どうして……どうしてこんなことに……」


主人公「うわぁ本当に死んでた」


ヒロイン「主人公君、その予想が当たった感じのリアクション、かっこいいわ」


探偵「執事さんが先頭で、マスターキーを使いカギを開けた様子からして、これは密室殺人という事ですね」


刑事「み、密室殺人だとぉ……!? おい、そいつは一体、どういうことなんだ、俺は誰で、ここはどこなんだ!」


政治家「まずいな……みんな見てくれ、今、オリンピック2020(実際は2021)の不祥事が、全部わしのせいにされとる、いやぁ困ったものだよ」


医者「そんなことより119を! ああ、でも詐欺師さん曰く、ここ孤島でしたし、携帯も電話もwifiもないんでしたっけ!?」


詐欺師「デース」


小説家「そいつはヤバイばい! おいどんの最新執筆話は、どう送ればいいんじゃあ!」


奇術師「うう……おかあさん、おかあさん、どこぉ?」


アル中「あの主から出てる血みてえなのは、ワインか? 飲んでいいか?」


殺人鬼「お前ら落ち着け! まずは現場検証や、彼が本当に刃物で死んだかを特定するべきじゃねえか? 幸いここには医者もいるんだしよ。刑事さんは写真とかスマホで撮って現場を保存した方がいいんじゃねえかな? 最近の捜査だと確か科学捜査班ってのもいて、DNA検知とかもあるだろうし、あんま現場荒らすのもよくねえと思うんだ。後は『なぜ主が密室で殺されたか』も確認すべきだとは思うが、まぁ俺は殺人鬼だから、よく分からねえけどよ……」


執事「あるじーーーーー!!」



主人公「皆さん、まずは落ち着きましょう!」


ヒロイン「!!」


主人公「この、ミステリーが起きそうな館で殺人が起こった事なんて、ぶっちゃけ想定の範囲内だし」


主人公「我々はこの後いつも通り、一か所に集まったり、死亡フラグを立てたり、やってられるか俺は部屋にこもらせてもらう! といった定番をするべきなのでは?」


探偵「……確かに、その通りですね。今慌ててしまっても犯人の思うツボです」


刑事「おいおい天才かよ」


ヒロイン「主人公君、かっこいいわ!」


政治家「君には敬意を表する、私には清き一票を頼む」


医者「では僕、とりまパーティ会場でコーヒー淹れますね」


詐欺師「手伝いマース、男の娘医者さん」


小説家「おいどんもコーヒーを手伝うばい」


奇術師「うう、おしっこ行きたくなってきたよぉ……アル中のおじちゃん、一緒にトイレいこ……?」


アル中「マ? えへへ、えへへ、いいよ、わしで良ければ付き合っ」


殺人鬼「ダメに決まっているだろう! 奇術師ちゃん、俺も男なのでご一緒できないが、そういうのはヒロインさんか、医者さんに頼みなさい。あと皆さん、できるだけ単独行動はダメですよ! 孤島の館なんて状況下で、しかも殺人が起きてるんです。慎重に行動することが絶対的に大事だと思いますので!」


執事「殺人鬼様の仰るとおりですね……では私は、とりあえず主の遺体を片付けておきますので、ひとりで」


殺人鬼「だから単独行動ダメって言ってんだろ! 話聞いてた!?」

続きは明日・・・・・・

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