壮年男性「ここですか?…まあ、俗にいう異世界転生への入り口だったりしますけど。」
悪の幹部「…と言うことは、俺は…」
壮年男性「ええ、貴方は正義のヒーローに浄化されてしまった挙句、貴方の味方にも裏切られて親玉に力を吸収され、消滅してしまいました。」
悪の幹部「………。」
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壮年男性「ですが…今まで、本当によく頑張りましたね。」
悪の幹部「えっ…?」
壮年男性「貴方だって、本当なら自分が悪の軍団の幹部、しかも病原菌として生まれてしまうことは、運命とは言え不本意だったはずです。」
壮年男性「そしてあなたは生きるべく、人類の敵として悪事をせざるを得なかった。」
壮年男性「だけど貴方は身内に裏切られ、自分が散々苦しめた正義の魔法少女に助けを求めたけど、嫌いという理由で拒絶され…」
壮年男性「最後には敵も味方も誰も信じられなくなり、暴走して力尽き、親玉のエネルギー源として吸収されて死んでいった…」
壮年男性「…本当に、大変だったことでしょう。」
悪の幹部「でも…」
壮年男性「大丈夫です…むしろこれまでの苦しみから解放されたと思って、次の転生先でも前向きに進んでいきましょうよ。もっとも、自ら命を絶つ者もいるのでこの限りではありませんが…」
悪の幹部「………。」
壮年男性「…私も応援してますよ。」
悪の幹部「………。」
悪の幹部「………ありがとうございます、何だか、俺も少し救われたと思います…!」
壮年男性「此方こそ。それでは……来世でも頑張ってくださいね。」
悪の幹部「はい、それじゃあ、行ってきます……!」
Fin
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