咲「京ちゃん、咲の連載が始まって15年なんだって」 京太郎「はっ?」 (22)

咲「連載開始は2006年2月3日発売のヤングガンガンだったね」

咲「当時連載していた作品は『荒川アンダー ザ ブリッジ』、『すもももももも 地上最強のヨメ』、『WORKING!!』、そして後に阿知賀編の作画を行うことになる五十嵐あぐり先生の『BAMBOO BLADE』とかかな」

咲「このラインナップで分かる通りもう咲と同時期に連載してた漫画はすべて終わっちゃってるんだ。考えると時代を感じるよね……」

咲「ほかに麻雀漫画だと凍牌やムダヅモ無き改革なんかも連載を開始したよ! この2作品はまだシリーズ続いてるからすごいよね」

咲「ちなみに2006年の主な出来事は当時ライブドア社長のホリエモンが逮捕されたりフィギュアの荒川選手が金メダル取ったりしたよ。イナバウアー、流行ったよね!」

咲「ほんと、15年ってあっという間だったね」

京太郎「……咲」

咲「なぁに?」

京太郎「さっきから何言ってるんだ? 漫画がどうとか連載がどうとか」

咲「ふぇ?」

京太郎「大体なんだよ15年って。俺たち15歳なんだから15年前だとようやく生まれたぐらいだぞ。俺たちでまだ出会って3年しかたってないだろ」

咲「……確かに。私、何言ってるんだろう?」

京太郎「そんなん俺が知るかよ。ほら、買い出し行くんだろ。行くぞ」

咲「わっ、京ちゃん待ってぇ!」



まこ「あの2人は相変わらずじゃのう」

久「そうねぇ。仲はいいと思うんだけど、なんか子供っぽいというか。色っぽさがないというか」

まこ「わしとしては2人にくっついてもらいたいところなんじゃが。そのほうが面白いしな」

久「あらー酷い先輩」クスクス

まこ「あんたに言われたないわい。まぁ、ただ……」

久「ただ?」

まこ「時間がかかりそうだのう」

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--2006年夏

咲「京ちゃん! 私……私!」

京太郎「落ち着けよ、咲。わかってるから」

咲「うん、私、私ね。頑張ったよ」

京太郎「あぁ、咲。お前はすげぇよ。まさかほんとに優勝しちまうとは思わなかったよ」

咲「京ちゃん、私を麻雀部に誘ってくれてありがとう」

京太郎「……おう」


--2007年夏

咲「京ちゃん……」

京太郎「悪い、咲。あんなにいろいろ教えてくれたのに」

咲「謝らないで! 京ちゃんが謝ることじゃないよ!」

京太郎「でもさ。全国チャンプに教えてもらったのに、地区大会2回戦負けじゃ恰好つかないよな」

咲「そんなことないもん! 京ちゃん取っても頑張ってた! すっごくすっごく頑張ってた! 何とかしようと一生懸命だった」

京太郎「咲……」

咲「ほんのちょっと、ほんのちょっとの差だったのに」ポロポロ

京太郎「なんでお前が泣くんだよ」グリグリ

咲「京ちゃん……痛い……」ベソベソ

京太郎「まだ来年ある。俺、頑張るから」

咲「うん」

--2008年夏

京太郎「あと1勝……か」

咲「京ちゃん……」

京太郎「できる限りはした。高校から始めた俺が全国手前まで行けたんだ。悔いは……」

咲「……」

京太郎「ないって言えば、嘘になるな。何かできたんじゃないかって考えちゃうな」

咲「京ちゃんは、頑張ってたよ。ずっと見てたけど、最善の道を頑張って選び続けてた」

京太郎「それでも勝てないことがあるから麻雀ってのはひでーゲームだな。まぁ、でも」

咲「?」

京太郎「楽しかった。部長、竹井先輩がいて、染谷先輩がいて、和とタコスがいて。そして、咲がいて」

京太郎「お前たちと麻雀出来て、楽しかった。本当に楽しかった。それだけは言えるよ、咲」


--2008年秋

『第1巡選択希望選手 宮永咲』

京太郎「おおおおおおおおおおおおおおおお! 呼ばれたぞ咲!」

咲「」

京太郎「咲! お前の名前だって! ドラ1だぞ!」

咲「ふ、ふぇ?」

京太郎「なに気の抜けた返事してんだ! ほら、テレビ中継もされてるんだぞ!」

咲「わ、私が、ドラフト1位……」

京太郎「そうだ、お前はプロ雀士になれたんだよ!」

咲「プロ雀士……お姉ちゃんと一緒の」

京太郎「ほら、記者さんたちがお待ちだぞ。早く行ってこい」

--2008年冬

京太郎「いつ出発するか決まったのか?」

咲「うん。来週の卒業旅行が終わったらすぐにでも」

京太郎「そっか……。いよいよ入寮なのか」

咲「うん。今月中はチーム内での練習だけだけど、来月からはさっそくリーグ戦が始まるみたい」

京太郎「プロ雀士 宮永咲の生活が始まるのか。凄えなぁ」

咲「やめてよ。からかってるの?」

京太郎「ほんとにそう思ってるんだよ。手が届かない存在になってくなーって」

咲「あれ? 京ちゃん寂しい?」クスクス

京太郎「うっせ。6年間も一緒だったんだからちょっとぐらい思うところはあるだろそりゃ」

咲「大丈夫。しょっちゅうは無理だけどたまに遊びに行くから」クスクス


--2009年

京太郎「レポート終わんねぇ……」

咲「京ちゃん、遊びに来たよー。はいお土産」

京太郎「お前本当にナチュラルに遊びに来るな。仮にもプロ雀士が一人暮らしの男の部屋に来るのはどうなんだ」

咲「別に悪いことしてるわけじゃないし、いいでしょ」

京太郎「ほら、写真週刊誌とか」

咲「あはは。私目立たないから気づかれないみたい」

京太郎「同期の大星淡なんかはしょっちゅう紙面をにぎわせてるってのにお前ってやつは……」

咲「これ、レポート? ちゃんと大学生してるんだね」

京太郎「あぁ。お前ほどじゃないけど、それなりに頑張ってるよ」

--2011年

『内定通知 選考の結果、須賀京太郎様の採用を内定しましたので――』

京太郎「よっしゃー!」

咲「わっ、びっくりした! どうしたの?」

京太郎「内定通知だよ内定通知! 第1志望の企業から内定がきたんだよ!」

咲「わぁ、おめでとう京ちゃん!」

京太郎「あぁ、よかったよ。ここんところしんどかったからなぁ」

咲「京ちゃんずっと忙しそうだったよね。本当にお疲れ様」

京太郎「お前ほどじゃないけどな。来週はイギリスだっけ?」

咲「うん。だから最後に日本食を食べておきたくて」

京太郎「寮で食えよ」

咲「えー。だって京ちゃんのご飯ほうがおいしいんだもん」


--2012年

咲「なんだか変な感じ」

京太郎「……似合ってないのはわかってるよ」

咲「ううん、そうじゃなくて。京ちゃんがスーツ着てるっていうのがなんか不思議」

京太郎「見なれないだけだろ。俺だってお前の着物姿だったりスーツ姿は最初変な感じだったけどすっかり見慣れちまったぞ」

咲「着物疲れるし麻雀打ちにくいんだけどね……」

京太郎「正月のイベント、毎年毎年重そうにしてるもんな」

咲「よく袖もひっかけちゃうし……。ほんとはいつもの格好で出たいんだけど」

京太郎「ファンサービスだろ。頑張れ」

--2015年

京太郎「よっ、賞金女王」

咲「やめてよぉ。最近いろんな人にそう言われて嫌になっちゃっうよ」ムスー

京太郎「わりぃわりぃ。でも、大したもんだと思うぞ。25で賞金女王は歴代でもかなりの早さなんだろ?」

咲「一応、歴代で同率1位みたい」

京太郎「すげぇなぁ。賞金総額、俺の年収の何十倍かって話なんだが……それなのになぁ」

咲「?」モグモグ

京太郎「そんな賞金女王が何で俺んちで飯食ってるんだ? もっといいもの食えよ」

咲「いろいろ誘われて食べに行ったりするけど、疲れるんだもん。外食自体も飽きちゃった」

京太郎「寮出てからめんどくさがって外食ばかりしてるからだろ。自分で作れよ」

咲「だってぇ……」

京太郎「あーあ、料理には自信あるのに振舞う相手が咲しかいねぇ」

咲「んふ、例のフられた彼女への未練、まだあるんだ?」クスクス

京太郎「うっせ」グリグリ

咲「あう」



--2016年

京太郎「ねむ……最近残業続くな」

京太郎「土日の間に作り置きしておいてよかったな」

京太郎「ん、咲からメッセージか」

――京ちゃん聞いた!? 染谷先輩結婚するんだって!

京太郎「うぉっ!?」

――マジかよ聞いてねーぞ!

――やっぱり。相手の人が私と同じプロ雀士でその人から聞いたんだ。染谷先輩からはまた改めて連絡するみたい

――しかし染谷先輩もすごい人捕まえたな

――でも染谷先輩も複数の雀荘を持つオーナーだから負けてはいないよ

――そうだな。しかし俺たちの中で結婚第1号は染谷先輩かぁ。

――でも、染谷先輩しっかりしてるし不思議じゃないよ

――そうだな。しかし、結婚かぁ。

--2018年

京太郎「優希、綺麗だったな」

咲「そうだね。それにとっても幸せそうだった」

京太郎「和は対照的に号泣っぷりがすごかったけどな」

咲「やめてあげなよ」クスクス

京太郎「しかし、俺たち同期の中で結婚1番乗りは優希かぁ」

咲「おかしくないと思うよ。優希ちゃん人気だし」

京太郎「大学経由でプロ入って新人王取って順調にキャリア重ねてから結婚とは順調すぎるよなー」

咲「そうだよねぇ。来年には竹井先輩も結婚するし。みんな変わっていくなー」

京太郎「そう言えば例のイケメン雀士とはどうなったんだ?」

咲「なーんにも。そもそもあの人ちょっと押しが強すぎて怖かったらタイプじゃないし」

京太郎「そっか。お互い独り身はつれぇなぁ」

咲「ねー」



--2020年

咲「あーもーやーだー。和ちゃんも結婚しちゃったー」グビグビ

京太郎(めんどくせぇ)

咲「最近さぁ、実家に居場所がないんだぁ。お姉ちゃんがこの前退院したんだけど」グビグビ

京太郎「はいはい、それで?」

咲「お父さんもお母さんも赤ちゃんにデレデレで。確かに赤ちゃんは可愛いけどさ……」グビグビ

京太郎「初孫だからしょうがないだろ」チビチビ

咲「最近周りから小鍛冶プロコースっぽいって煽られるんだよ、酷くない!?」

京太郎「お前より引き合いに出される小鍛冶プロのほうが可哀そうだろ」

咲「そりゃもう来年には三十路だし、私の動機結婚早い子多かったけど、だからって……」

京太郎「俺の会社の同期でも結婚している奴はいるけど、そんなプレッシャーは感じないけどな」

咲「男と女では違うの! あーあ、麻雀も調子悪いし」グビグビ

京太郎「いろんな意味でプロは大変だな」

咲「それに引き換え、京ちゃんは麻雀調子いいみたいだね」

京太郎「おう。次勝てばうちの会社、初の全国だぜ!」

咲「うん、そっかぁ。頑張ってねぇ、京ちゃん」テロテロ

京太郎「あーもう。ほら、ちゃんと帰って寝ろよー」

--2021年

咲「お邪魔しまーす。あー疲れた」ボフッ

京太郎「来るなりソファにダイブすんな」

咲「飛行機で12時間だよ? もう疲れたー」

京太郎「ヨーロッパだったか? 遠いのはわかるが直で俺んち来てだらけるのはだろうなんだ」

咲「だって、家に帰っても一人だし。実家は居場所ないし。ゆっくりできるのは京ちゃん家ぐらいしかないんだもん」ゴロゴロ

京太郎「トッププロとは思えない姿だな……」

咲「京ちゃんお腹すいたー」

京太郎「へいへい。ちょっと待ってろ。炊き込みご飯があと15分ぐらいで炊けるから待ってろ」

咲「やったぁ。あ、そこの袋お土産だから」

京太郎「ん? おお、ワインか。ありがとな。後で1本開けるか」


咲「やっぱり京ちゃんのご飯はおいしいなぁ」モグモグ

京太郎「そりゃどうも。まだ飲むか?」

咲「うん、もうちょっとだけ」

京太郎「ん。代表戦お疲れさん」

咲「ありがとう。何とか役目は果たせてよかったよ」

京太郎「空港の囲み取材凄かったな。あんだけ囲まれてたのにここまで来るのにバレないってのも」

咲「あはは、私オーラないから」

京太郎「対局しているときは鬼気迫る感じなのにな。ご飯お替りするか」

咲「うん、ちょうだい」

咲「ごちそうさまでした」

京太郎「はいよ、お粗末様でした」

咲「ふぁ」

京太郎「腹いっぱいで酒も飲んだから眠くなるのはわかるけどちゃんと帰れよ」

咲「わかってるってば。もうちょっとだけ休憩させてー」

TV『麻雀は是非当店で! Roof-top新宿店新規オープン!』

京太郎「染谷先輩、商売順調みたいだなぁ」

咲「私も最近会う機会増えたなぁ。やり手の社長さんって感じでかっこいいよ」

京太郎「さすが染谷先輩」

TV『他では得られない一生の思い出をあなたに。ウェディング〇〇』

咲「あ、ここ竹井先輩が結婚式挙げた会場だ」

京太郎「そう言えばそうだな。あの人も染谷先輩ももうお母さんなんだよな」

咲「先輩たちに出会って15年も経つんだから当たり前なのかもしれないけど、やっぱり不思議だよね」

京太郎「あぁ。ふっと思い出すのはやっぱり当時の二人だから。久しぶりに会うとやっぱり驚くしな」

咲「優希ちゃんも来年には子供が生まれるみたいだし。みんなどんどん変わっていくよね」

京太郎「俺も他のみんなからは変わったように見られてんのかなー」

咲「あはは、なんだかんだで私と京ちゃんはずっと会ってたからあんまりそんな感じしないけどね」クスクス

京太郎「考えてみれば、そうだな。初めて出会って18年。麻雀部でみんなに出会って15年、か」

咲「そうだね、15年。口に出すと長く感じるけどあっという間だった気がする」

京太郎「あぁ」

咲「いろいろ、あったね」

京太郎「そうだな。いろいろ、あったな」

TV『――――』

咲「……」

TV『――――』

京太郎「……」

咲「……」

京太郎「……」

咲「……」

京太郎「……」

咲「……」

京太郎「……なぁ、咲」

咲「なぁに、京ちゃん?」






京太郎「俺たち、結婚しないか?」

咲「……えっ?」

京太郎「……」

咲「と、突然。なんで?」

京太郎「いや、ふっと思ったんだ。俺たちずっと一緒にいるし」

咲「……うん」

京太郎「周りも結婚していくしな。誰かと結婚することを考えたとき」

咲「……」

京太郎「咲となら結婚できるな、って思ったんだ」

咲「なにそれ」

京太郎「すまん、思い付きだろいって言われちゃうとそうなんだか。ただ、何というか、本気だぞ?」

咲「ちょっと、そんなふわふわした感じでプロポーズされても困るんだけど」

京太郎「ごもっとも。で、どうだ?」

咲「えぇ、いきなり返事求めてくる?」

京太郎「聞かなきゃ落ち着かねーよ。どうよ?」

咲「えぇっと」

咲「うーん」

咲「でもなぁ」

咲「けどやっぱり」

咲「でもうーん」

咲「はぁ」

咲「…うん、まぁ、いっかな」



咲「いいよ、京ちゃん。結婚しよっか」

京太郎「そっか。ありがとな」

咲「まぁ、このままじゃ誰とも結婚しなさそうだし。京ちゃんならいっかなって」

京太郎「なんだそれ」

咲「お互い様でしょ」

京太郎「それにしても結婚と決まったからにはまず何しなくちゃいけないんだ?」

咲「えっと、まずはお互いの家族に挨拶?」

京太郎「なるほど。俺もうちの両親も土日だったら大丈夫だぞ」

咲「私は両親と、お姉ちゃんは産休中だし大丈夫だと思うけど。私の予定が……」

京太郎「うちの両親と咲の両親で2日間必要だから。予定調整頼むわ。こっち休みとってでも咲に合わせるから」

咲「うん。ありがとう京ちゃん」

京太郎「あとは、あれか。関係各所への連絡か?」

咲「うん。うー、大変そう」

京太郎「咲は付き合い多いからな。マスコミの発表もしなくちゃいけないんだろ?」

咲「うん。細かいところは監督やコーチに聞いてみるね」

京太郎「お相手は一般男性って感じで報告されるのか……変な感じだな」

咲「もしかしたら監督やうちのチームメイトとかにも会ってもらうかも」

京太郎「うげ、緊張するなぁ」

咲「なるべく負担はかけないようにするけど、ごめんね」

京太郎「まぁ、しょうがないな。頑張るか」

京太郎「あとはあれか、結婚式のこととか」

咲「なんだか実感わかないなぁ」

京太郎「正直、俺も」

咲「唐突だったからねぇ」

京太郎「だよなぁ……。あっ、あと指輪とか買わなきゃダメか」

咲「そっか。婚約指輪」

京太郎「あれ? 婚約指輪と結婚指輪で2つ買わなくちゃいけないんだったか?」

咲「そうなの? でもお金もったいないよそんなの。結婚指輪ひとつでいいんじゃないの?」

京太郎「いや、でも流石にトッププロだから対外的なこととかあるんじゃないのか?」

咲「それだったら私が自分で買うよ」

京太郎「……そりゃ稼ぎは圧倒的に咲のほうが上だけど。指輪の一つぐらいは買わせてくれ」

咲「もう、あんまり無理しないでね」

京太郎「おう。あー、ほかにもきっといろいろあるんだろうな」

咲「そうだね。いろいろ決めなきゃいけないこと、考えなきゃいけないことはあると思う」

京太郎「結婚って大変だなぁ」

咲「そうだね」

京太郎「あぁ」

咲「……これからは、ずっと一緒にいるんだよね」

京太郎「そう、なるな。夫婦なんだし」

咲「一緒の家に住んで、一緒にご飯食べて」

京太郎「そうだな。夫婦だしな」

咲「そう、だよね」

京太郎「……」

咲「……」

京太郎「……」

咲「……」

京太郎「……」

咲「……」グスッ

京太郎「……咲?」

咲「……」ポロポロ

京太郎「咲、なんで泣いてるんだ?」

京太郎「やっぱり俺と結婚するの嫌だったか? だったら……」

咲「違うの!」

京太郎「」ビクッ

咲「そういうのじゃないの。嫌じゃない、よ。ぜんぜん、嫌じゃ、ないよ」ポロポロ

京太郎「だったら……」

咲「何でだろ。京ちゃんと結婚するんだって思ったら何だか涙が出てきて」

咲「おかしいね。なんでだろう」

京太郎「……」

咲「」グスッ

咲「」ポロポロ

咲「」グシグシ

咲「京ちゃん、私、私ね」

京太郎「あぁ」

咲「京ちゃんに、結婚しようって言ってくれてすっごく嬉しいんだと思う。すごく、すごく、嬉しくて」ポロポロ

京太郎「咲……」

咲「自分でもびっくり。こんなに、こんなに嬉しいなんて。ねぇ、京ちゃん。京ちゃんも私と結婚出来て、嬉しい」

京太郎「あぁ。もちろんだ。すっげぇ嬉しいよ」

咲「うん、うん……。京ちゃん、私のこと、幸せに、して、くれる?」

京太郎「あぁ。絶対、絶対幸せにするから」

咲「ありがとう、京ちゃん。私も、京ちゃんのこと絶対に幸せにしてあげる!」

--少し未来の話

『私たち、結婚することになりました。式とかはまだまだ決まってないですけど、決まりましたら連絡します』

『そうか、とうとうか!! 一度麻雀部で集まってパーティをしないとな』

『ありがとうございます。私も楽しみです!』

『幹事はわしが取り仕切るけぇ。期待しときんさい』


まこ「はぁ……」

まこ「まったく」

まこ「時間かかるとは思っとったが」

まこ「かかりすぎじゃろ!」

まこ「まさか15年も待たされるとは思わん勝ったぞ!」

まこ「さんざん一緒に居ながらなーんでこんなに時間がかかったんじゃ!」

まこ「やれやれ。さんざん気を揉ませおって!」

まこ「まったく、あいつらは……」

まこ「まぁ、でも……」

まこ「よかったな。ふたりとも」

まこ「時間かかった分、幸せになるといいな」

短いですがカン

スレタイ通り2月3日で咲は連載15年になりました。おめでとうございます。
何とか昨日中に投稿しようと思って慌ててたら重複してスレを立ててしまった挙句間に合わないオチ
重複スレ含めてHTML化申請出しておきます。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2021年08月25日 (水) 07:16:06   ID: S:3Lbh5u

やはり京咲こそが王道であり覇道

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