???「(……この世界に生まれてはや20と数年)」
???「(初めはよくある異世界転生ものみたいな感じかと思ったが……色々と違った)」
???「(まずはチートの存在、ぶっちゃけ俺はチートと呼べるチートは使えないし、才能も殆どない)」
???「(ぶっちゃけると、殆どそこら辺のモブと代わりはない)」
???「(と言うか、下手すりゃモブの方がスペック高いんじゃね?となるくらいの悲しいスペックだ)」
???「(次に異世界転生物では貴族やら、なんやらに転生することは多いが……俺は平民だ、それ故貴族が使える魔法など使えない)」
???「(そして何よりも──)」
花のような笑顔のお姫様「ふふふっ、いつもお疲れ様です」
???「い、いえ……姫殿下こそ、私のようか者に話しかけてくれて……その、ありがとうございます。光栄の限りです」
花のような笑顔のお姫様「そんなに畏まらなくてもいいんですよ?私、貴方が手入れしてくれるお庭、いつも楽しみにしているんですから」
庭師「あははは……アンリエッタ様にそう言われるなんて、光栄の限りです」
庭師「(……うん、ここはなろう系じゃねぇ、ハーメルン系の世界だ)」
庭師「(ぶっちゃけ、この世界 ゼロの使い魔じゃねぇか)」
庭師「(よりにもよってなんで、この作品に生まれたんだ……俺)」
庭師「(しかも魔法使えない平民生まれだし、なんか王城で庭師なんかしてるし……どうしてこうなったし)」
庭師「(……時を遡ること数年前)」
庭師「(俺はとある貴族に雇われて庭師の仕事をしていた)」
庭師「(その貴族は独特な……もっと正確に言えば、ハルケギニアではあまり見られない異世界の知識を使った庭仕事を気に入り、俺を雇ってくれたのだ)」
庭師「(で、たまたま視察に来ていたこの人……アンリエッタ様の目に止まり、俺は王城で庭師として働くようになったわけだ)」
庭師「(……ぶっちゃけ今は何年なんだろうか?いや、何年とか知っても年表まで覚えている訳じゃないし、原作知識を活用するのは厳しいだろう)」
庭師「(と言うか、庭師なんかが原作に介入しようとしても、直ぐに死ぬ未来しか見えん……)」
庭師「(アニエスとかに関わろうにも一介の庭師と銃士隊の隊長が関わる機会なんざ一度も来てない)」
庭師「(……多分、俺は一生を庭弄りに捧げるんだろうな、とは何となく理解できた)」
庭師「(だが……そんなある日のことだった)」
庭師「姫様、公務お疲れ様です」
アンリエッタ「貴方こそ、いつもお疲れ様。今日もまた綺麗に刈り込まれてるわね」
庭師「あははは……自分はこんなことしか出来ませんし、何より基本的には単純作業ですから疲れなんてしませんよ」
アンリエッタ「こんなこと……とは自分のことを過小し過ぎよ。多分、私は貴方みたいに庭の手入れも出来ないわ」
庭師「そりゃ姫様は姫様ですから。こんな仕事、できなくて当然です」
アンリエッタ「そう出来ないわ。私は与えられた仕事しかできない、機械でしかないの」
アンリエッタ「誰かと結婚しろと言われたら結婚するしかないし、この公務を片付けろと言われたら、それをしてそれ以上のことはできない」
アンリエッタ「……お姫様なんて命令されるだけの存在でしかありませんから」
庭師「少なくとも今は、でしょ?もう少し時間が立てば姫様も人に命令する立場になるじゃないですか」
庭師「(……もしかして、そろそろ原作が始まるのか?)」
庭師「(古い記憶が確かなら姫様がゲルマニアかどっかに嫁ぐとか、話にあった気がするし)」
庭師「(ぶっちゃけ、大昔のことだから全く覚えてないが……ん?)」
庭師「(……あれ?姫様、もしかして一人?確か、庭に出るときも誰かしら護衛についてた筈だが)」
アンリエッタ「どうしました?」
庭師「い、いや……なんでもないです」
庭師「(見たところ、姫様は杖も持ってない……マザリーニ様も確か別の公務で王城にはいない筈)」
庭師「(……こんな退屈な人生を送るくらいならいっそのこと──)」
庭師の行動
安価下1~2(基本的にはコンマ高い方採用)
庭師「……そういえば姫様、杖持ってませんね?」
アンリエッタ「……へ?あ、本当だわ。部屋に置きっぱなしだったみたいね」
庭師「ここは王城だから危なくはないと思いますが……もしも、外とかだったら大変なことになりますよ?」
庭師「姫様可愛いんですし、悪漢に襲われます、間違いなく」
アンリエッタ「それは……まぁ大丈夫よ。外にいる間は皆が守ってくれるもの」
アンリエッタ「私が嫌でも無理矢理ね」
庭師「……さいですか」
庭師「(のほほんとしているというか、達観していると言うか……アンリエッタってこんなキャラだっけか?)」
庭師「(いや、どっちかと言えば達観せざる得ない状況にいるとかか?んー……)」
庭師はどうする?
安価下1~2
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