雷電「こちら雷電、神室町に潜入した」(32)


大佐「いいか雷電」

大佐「ここから先は無線連絡が出来ん」

雷電「なぜ?」

大佐「強力な妨害電波の為だ」

雷電「一体誰が、何のために…」

大佐「わからん…」

大佐「そして今回、君に与えられた任務は一つ」

大佐「地下格闘場…その存在の有無を確かめてもらう」


雷電「了解…全てvrで予習済みだ」

大佐「気を抜くな、雷電。では、健闘をいのる」

雷電「ステルス迷彩と高周波ブレード」

雷電「現地調達が基本だが、平和な日本だ、武器など無いだろう」

雷電「地下格闘場…一体どこにあるんだ」


雷電「のわっ」ツルッドシャッ
雷電「しまった、ステルス迷彩が」ブゥン

強面の男「その装束…お前…ジングォン派の生き残りか?」

雷電「しまった!一般人に見つかった!」

雷電「って何を焦っているんだ、俺は」

雷電「隠れることも、このスカルスーツも必要無かったな」

強面の男「なにコソコソしてんだ」


~セレナ~

強面の男「そうか…地下格闘場、か…」

雷電「ああ…それより、桐生、だったか」

桐生「何だ」

雷電「お前は…知っているのか、その話を」

桐生「……」

桐生「…知りたきゃ」

雷電「えっ?」

桐生「知りたきゃ俺を倒してからにしろ」


雷電「なぜだ、俺とあんたがやり合う必要はない」

桐生「だが、知りたいんだろう?地下格闘場の存在が」

雷電「知っているなら教えてくれ」

桐生「フッ…だから言っているだろう、俺を倒してから、となぁ」

雷電「話が進まないな…分かった、表に出よう」


カランカラン

桐生「来い!」

雷電(この男がなぜ戦うことに執着するのか分からんが、これも任務だ、仕方ない)

雷電「一般人を傷つけるわけにはいかないからな…峰打ちだ」チャキッ

桐生「うおおぉおお!」
雷電「早い!くっ」キィン!
雷電「刀がっ!」カランカラン
桐生「ほらどうした!」
雷電「くっ…cqcで!」サッ


雷電「ふぅ!」ガシッ
桐生「甘い」ブォン
雷電「のわっ」ドシャッ

雷電「何者だ…あんた」ムクッ
桐生「フッ、ただのカタギさ。まだやるのか?」
雷電「ああ、任務を中止するわけにはいかないんでな」


雷電「うぉぉおお!」ヒュッヒュッ

桐生「くっ」ビシッビシッ

桐生「やるな」

雷電「ハア…ハア…」

桐生「だが、これまでだ」

桐生「どりゃぁッ!」スイテツザンノキワミ

雷電「ぐぅわっ!」ドササッ


一時間後…

~セレナ~

雷電「ハッ」

桐生「目を覚ましたな」
雷電「気を失っていたのか…」

桐生「地下格闘場、教えてやる」

雷電「本当か」

桐生「ああ…だが条件がある」


~地下格闘場~

実況「桐生一馬&ジャック、プレゼンツ!チームザホワイトデビルドラゴン!vs!愛するダンボール!チームザプリスキン!」
ファィッ

雷電「条件がタッグ出場、そして優勝か」

桐生「ああ、なかなかパートナーが見つからなくてな」

雷電「ふっ、あんたはバケモノの様な強さだが、こいつらはそうでもないな」

桐生「当たり前だ、その」
ザシュザシュ
桐生「刀を使っているんだからな」

雷電「」フハハハハ


雷電「優勝した訳だが」
桐生「ああ、お前のおかげだ」

雷電「地下格闘場は存在し、誰でも出場可能」

雷電「これを報告して俺の任務は完了だ」

桐生「そうか…空港まで送ってやろう」


~空港~

桐生「すまなかったな」
雷電「気にしていないさ」

桐生「気をつけてな」

雷電「ああ」

桐生「…」


~桐生自宅~

桐生「遥ぁ!」

遥「何、おじさん?」

桐生「お前の欲しがっていたカチューシャだ」

遥「えっすごい!どうしたの」

桐生「ああ、金髪の…いや、何でもない」

遥「変なおじさん…でもありがとう!」


~空港~


雷電「…こちら雷電、地下格闘の存在を確認した」

大佐「そうか。出場したか?」

雷電「ああ、強面の男とタッグを組んだ」

大佐「優勝したんだな?」

雷電「なぜそれを?」

大佐「ふむ、どこから説明しようか」


大佐「今回潜入してもらった神室町に、強力な妨害電波が出ていた、と話したろう」

雷電「ああ、それが?」
大佐「あれは、地下に存在する稀少金属の影響だと分かった」

大佐「そして雷電、君が地下格闘場から出てきた時」

大佐「隣に居た男がその金属を持っていた」

雷電「何だって?あれは優勝商品のただのカチューシャだ。その男に譲ったんだが」

大佐「どうやら、兵器だったらしい」


大佐「そこで雷電!君に新たな任務を通達する」
大佐「稀少金属を破壊するのだ」

大佐「元々地下にあったものだ、地上での影響力は計り知れない」

大佐「このままでは世界中の電子機器に影響が出てしまうだろう」

雷電「分かった…なんとかしてみる」


~桐生自宅~

遥「あれ?おじさん、テレビつかないよ」

桐生「…ついに壊れたか」

~神室町~

雷電「なっ!これは」

雷電「街の明かりが全て消えている…」

雷電「あの男…桐生はどこだ?」ダッ

~セレナ~

雷電「桐生!」バァン

雷電「いないか…」


雷電「くそっ…手掛かりがない…どこなんだ…」
~公園前通り~

スネーク「こちらスネーク、神室町に到着」

オタコン「よし、じゃあさっそくだけど、確認をしよう」

スネーク「何を確認するんだ」

オタコン「今回の潜入についてさ」

スネーク「隠れる必要が無いのに潜入と呼べるか?」

オタコン「それはダンボールから出てから言ってくれるかな」

スネーク「これは…紳士のたしなみだ」


オタコン「はいはい…その辺の浮浪者と間違われないようにね」

スネーク「タキシードで決めた浮浪者などいないだろう」

オタコン「それもそうだね。じゃあ話しを戻そう」

オタコン「今から君に回収してもらうのは、稀少金属mgk…」

スネーク「メタルギアキラー、か」

オタコン「僕の作ったレーダーの反応を頼りに、見つけて欲しい」


オタコン「あの金属を正しく加工すれば」

スネーク「テロを封じる装置にも、テロを引き起こす兵器にもなる」

オタコン「ああ」

オタコン「だけど、急に反応が強くなって驚いたよ」

スネーク「地中から発掘されたんだろう」

オタコン「そうみたいだね。だけど、早く見つけないと…」

スネーク「ああ、分かっている」


オタコン「通信の周波数は140.96だよ」

スネーク「ああ、分かった」

プシュン

スネーク「待たせたな!」ガバッ

一般人「きゃあっ」

スネーク「…」


~桃源郷~

雷電「もう一度来たが…いるのだろうか」

~神室町~

スネーク「このあたりか」ガチャガチャ

スネーク「鍵が…レベル4のカードキーが」ウィーン ピッピッピッ

ピリリ ピリリ

オタコン「スネーク、その扉はカードキーじゃ開かないよ」

スネーク「わかってる」

オタコン「何とか開かないかな、パンチとかして」

スネーク「俺は野蛮人じゃないからな、そんな方法はとらん」

… … …

スネーク「ふんっ」ガチャバキッ

スネーク「強めにひねれば開くじゃないか」


遥「きゃっ、誰?」

スネーク「お嬢さん、すまないが」

桐生「人の家で何やってやがる」

スネーク「!」

スネーク「この殺気…」
桐生「誰なんだお前は」
スネーク「俺はスネーク。そこのお嬢さんの頭に付けている金属を回収しにきた」


遥「おじさん…」

桐生「遥、外へ出ていろ」
桐生「それで、遥のカチューシャがどうした」

スネーク「カチューシャだって?それは加工前の金属だ、それも電子機器に影響を及ぼすな」
桐生「何を馬鹿な事を」
スネーク「電子機器を使ってみるんだな」

桐生「………携帯が使えないだと?」パカッカチカチ

スネーク「だから言ったろう」


スネーク「悪いが、その金属を渡してくれないか」

桐生「危険な物だというのは分かった」

桐生「だがお前に渡す義理はない」

スネーク「なにぃ!」

キャーッ

桐生「遥!?」ダダダ

スネーク「何だ!?」ダダダ

遥「おじさん、助けて!」ブロロロロ

桐生「遥ぁーっ!」

桐生「待て!」ダッダッダッ


~チャンピオン街~

雷電「」トボトボ

ハヤククルンダ
イヤッハナシテッ

雷電「何だ?女の子が連れ込まれた」

雷電「後を追った方が良さそうだ」


雷電「おいお前、その女の子に何をするつもりだ」

誘拐男「誰だお前は?俺はな、桐生って男に用がある」

雷電「桐生…?」

桐生「遥ぁっ」ゼエゼエ

スネーク「」ゼエゼエ

誘拐男「来たな、桐生」
桐生「お前は、…誰だ?」

雷電「スネーク!?」

スネーク「雷電!…その男を無力化しろ!」


雷電「ああ、そのつもりだ」ローリング

誘拐男「ぐわっ」ドカッ
ドサッ

雷電「あっけないな」

桐生「遥!大丈夫か!」
遥「あ、ありがとうおじさん」

スネーク「さて、桐生とやら」

スネーク「これが義理、だろう?」

桐生「ああ、恩に報いるべきだな」

桐生「受け取ってくれ」ヒュッ

スネーク「」パシッ

スネーク「目標を確保、ケースに保護」カチャリ

雷電「待てスネーク」

スネーク「何だ、俺は一刻も早くこれを…」

雷電「そのカチューシャ、もとい金属は俺が破壊させてもらう」


雷電「それが俺の任務だ」

スネーク「…本気なのか、雷電」

雷電「ああ、いくぞ!」
桐生「喧嘩か?」

雷電「せやっ」ローリング

スネーク「とうっ」ダンボールカイヒ

スネーク「食らえっ」ドォゥンッ

雷電「ふんっ」チュイン

スネーク「」サッ

雷電「隠れたか」

雷電「このまま逃げられては困る」


雷電「ん?足元に」スチャッ
雷電「9ミリオート…?」
雷電「なぜあるのか知らないが、使わせてもらう」チャッ
パンパンパン

スネーク「くっ、何て弾幕だ、弾が切れないのか」

雷電「無限ウィッグだ」
スネーク「このままじゃ持たない、スモークグレネード!」ボシュッ


雷電「ふん、こけおどしか」ツカツカ

スネーク「どうかな」ローリング

雷電「のわっ」ドサッ

桐生「どりゃあ!」オイウチノキワミ

雷電「がっぎゃ」バキャッ

雷電「」ピクピク

スネーク「」

桐生「…え?」


こうして

スネークは無事に稀少金属mgkを持ち帰り

桐生は誘拐男、ピースファイナンス平井を警察へ突き出した

遥は新しいカチューシャを買い与えられ、喜んでいたよ


俺か?…俺は、愛国者達の手の上で踊らされていただけだったようだ
もっとも、醜いアヒルのお粗末なワルツになったようだがな

テレテテーン
the end

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