喜多見柚「冬がはじまるよっ」 (20)



モバマスの喜多見柚ちゃんのSSです。


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柚「ホラ、また柚の側で~♪」

P「帰ってきていきなりどした」

柚「Pサン、もう冬がはじまっちゃってるカモ!」

P「う、うん」

柚「パーカーが大活躍するから柚の季節!」

P「春も夏も秋も自分の季節だって言ってなかった?」

柚「全部が柚の季節! えへへ、ヒトリ占めしてやるーっ」

P「欲張りなやつにこのみかんはやれないな」

柚「あーっ、食べる、食べるっ」



柚「……」

P「……?」

柚「Pサン、チョットそっち詰めて、詰めて!」

P「え、あの、反……ぐえっ」

柚「とうっ。ふーっ、あったまるねっ」

P「……」

柚「どしたの? あっ、みかんもらうねーっ!」パクッ

P「えっ。た、丹精込めて白いやつ取ったのに!」

柚「ほられるほうひゃわるいっ」

P「なんて? あの、こたつ、他全部空いてるんだけど」

柚「Pサンの指もみかん味がするっ!」

P「聞いて」

柚「まぁまぁー♪ こたつでかたかたーってするのもメッだよ?」

P「そう来られると何も言えない……」



柚「Pサンはあったかい、アタシもあったかい、カンペキっ!」

P「はーっ。まぁ、お仕事の邪魔はしないでね」アーン

柚「ふぁーいっ」

P「……まったくふたりになると距離が近いんだよなぁ」ブツブツ

柚「……」

P「……」

柚「……」ギュッ

P「……あの」

柚「ナ、ナニカナ?」

P「くっつかれると仕事できないんだけど」

柚「……」ギュウウウ

P「……」

柚「し、仕事をする横顔がいいね~♪」

P「誤魔化さない」

柚「あいたっ」



柚「むーっ。ほらっ」

P「なにがさ」

柚「甘いケーキはたくさんもらったけど、甘い言葉はあんまりもらえなかったしっ」

P「うん」

柚「それにPサンがこたつで仕事してる時はヒマしてる時だってちひろサンが言ってた!」

P「ちひろぉ!」

柚「へへっ、アタシと一緒にオヤスミしよっ♪」

P「しょうがないなぁ……今日だけだぞ」

柚「やったっ!」

P「お茶でも飲む?」

柚「飲む飲む♪ はーっ、まったりー」



P「今日もお疲れ様、これで仕事はちょっと落ち着いたかな」

柚「今週はちょっと忙しかったけど、いつもどおり楽しかったよ!」ペカーッ

P「まぶしい、まぶしい」

柚「あと、いろんな人に会う度におめでとーって祝ってもらえたっ」

P「……ケーキ食べすぎてないよな?」

柚「ぎくっ」

P「自分で言うの」

柚「ゆずゆずっ」

P「なんだそれ」

柚「ほ、ほらほら、先週いっぱい動いたから、ねっ」

P「まぁ……良しとしよう」

柚「穂乃香チャンのレッスンはしばらくカンベンっ」

P「おっ、フリかな?」

柚「ちがーう!」



P「冗談だよ……疲れてないか?」

柚「だ、だいじょーぶっ!」

P「……」

柚「……」

P「……ホント?」

柚「……てへっ。ちょっとだけっ」

P「よしよし。ライブでもあっちこっち動き回ってたもんな」

柚「えっへへー。でもでも、イイ感じの疲れだと思うよっ!」

P「イイ感じ?」

柚「そうっ! なんか遊園地でいっぱい遊び終わったあとの疲れたーってカンジみたいな!!」

P「それは……確かにイイな」

柚「『楽しかった』、だよねっ」

P「……うん、柚は本当に良いアイドルになったなぁ」

柚「わっ、急に甘い言葉は照れるかもっ」

P「このまえのライブも良かったし」

柚「照れた!」



P「会場ではしゃいでる柚を見ると本当に楽しくなるし」

柚「そ、そうかな。そーでもないよぅ」

P「ちゃんとフリルドスクエアも代表してたし」

柚「えへへ、みんなに遊園地に遊びに行ったときのパスケース借りて、応援してもらったー!」

P「森久保には抱きつくし、悠貴ちゃんとは手をつなぐし……」

柚「ん……あれっ」

P「ぴょんぴょんしすぎて衣装さんが困ってたし……手を振りすぎて持ち場に戻るの忘れてたし……」

柚「ダメ出しになってる! そこはホメて、ホメて!! アタシはホメられると伸びるよっ」

P「でも楽しそうだからいっかぁってなるのが柚のいいところだな」

柚「なんかひっかかるけど、やっぱりホメられた!」

P「楽しければいいな」

柚「そうだよっ、楽しければいいんじゃないカナっ♪」



P「そういえば誕生日、みんなに祝ってもらえて良かったな」

柚「未央チャンに感謝だねっ。誕生日のバトンタッチだ!」

P「改めておめでとう」

柚「Pサン、ありがとーっ!」

P「大きなライブと誕生日が重なることなんて、なかなかないからなぁ」

柚「お礼の柚ジャンプもいつもより高く飛んだよっ」

P「あれは……うん、なんか全部がキレイだった」

柚「へへっ」

P「ふふっ」

柚「……あのねっ、アタシずっと忘れたくないなー」

P「……」

柚「ほら、この時期はイルミネーションがキレイだから」

柚「いろんな色がキラキラしてるのを見る度に、おめでとーって言ってもらえた時のオレンジを思い出して」

柚「それでつい、にまにましちゃう!」

P「……俺もだ」

柚「えへへ、おそろいだねっ」



P「今度はさ」

柚「ん」

P「ステージに柚ひとりだけであんな景色にしたいな」

柚「……ま、まだまだフツウの子だよ? アタシだけでもできる、カナ?」

P「みんなと一緒に楽しめばできるよ」

柚「そっか……Pサンが言うなら信じる!」

P「そうそう」

柚「へへ、全力で楽しく歌いたいなー」

P「タオルとか振り回してな」

柚「コールもやりたいかもっ」

P「柚は歌うほうだぞ?」

柚「みんなに歌ってもらう!」

P「柚っぽくなってきた」

柚「サイリウムもふっ……うん? ぴ、Pサン、タイヘンっ! サイリウムとタオルは一緒に振れないよっ」

P「ははっ、確かに」

柚「ど、どうしよっ。みんなに練習してもらわないとダメかなっ」

P「とにかくなんか振り回せば良いんじゃないかな、危なくない感じで」

柚「んん」

P「タオルも、サイリウムも……ファンのみんなのことも、俺のことも」

柚「……うんっ」

P「だろ?」

柚「今度から練習しとこう! 柚のステージは全員参加だからっ、見てるだけじゃつまらないっ」



P「なんか振り返り会みたいになってるな」

柚「終わってからゆっくりする時間なかったからねー」

P「もちろんフリルドスクエアでもステージに立ってほしいし、他のユニットも……いろいろやりたいこと残ってるなぁ」

柚「へへっ、へへへっ♪ まだまだ楽しいこと、尽きないね!」

P「とりあえずタオル回す練習しとこ」

柚「片手でタオル回すの難しいねっ」

P「光るタオルとかないかなぁ」

柚「アタシもほしい! 世紀のハツメイだっ」

P「あっ、と。ごめん」

柚「おっとと。Pサン……手あったかいね」

P「ずっとこたつで温めておきましたぞ」

柚「ずるいぞー、柚の手は冷たいぞ―。そりゃああっ」

P「ちょ、おまっ」

柚「あったかー」

P「つっめったっ。まぁ、事務所の中だけにしてくれよー」

柚「はーい」



P「おっ」

柚「あったか、あったか。ン、どうしたのー?」

P「あれ」

柚「あれ?」

P「スニーカー、履いてくれてるんだな」

柚「あ、うんっ♪ Pサンからもらった大事なプレゼントだからねー」

P「なんか目の前で言われると照れるよ」

柚「へへ、もっと照れろーっ」

P「やだ。でも、いろんな人にアドバイスもらったかいはあったかな」

柚「モチロン! どんなプレゼントも嬉しいけどねっ」

P「うん」

柚「どんなパーカーに合わせようかなーとか、これ履いてどこ行こうかなーって考えるとぽかぽかする!」

P「ぽかぽか」

柚「そうっ、ぽかぽか。なんかあったかいなーって」



P「ふふっ……あのさ」

柚「ン?」

P「まだガラスの靴はあげられないけど……毎年スニーカーを贈るよ」

P「1年でぼろぼろになるくらい履いて、いろんな所へ行って、いろんな衣装を着て」

P「そうやって靴を履き替えてる内に、いつのまにかプリンセスにするから」

柚「……目指さないトップアイドル、だねー」

P「柚のモットーだな」

柚「そう、がんばりすぎないでたのしむ!」

P「柚の笑顔が素敵なら、それでいいよ」

柚「Pサン、けっこう恥ずかしいこと言ってるよっ」

P「こんなに近くにいるやつが今更なにを」

柚「それはそれ! これはこれ!」

P「えー」

柚「でも、嬉しいよっ! だから、ちゃんと忘れないでね」

P「……おう」



柚「よーっし、一緒にもうちょっと頑張ってみちゃおー!」

P「うん」

柚「忍チャンと穂乃香チャンのレッスンもそこそこ入れよー!」

P「うん」

柚「クリスマスは柚とお出かけしよー!」

P「うん……うん?」

柚「わーいっ。じゃあ、約束のぴっ」

P「待て待て待て」

柚「……ダメ?」

P「その上目遣いはずるくない?」

柚「へへ、ズルくないよー!」



P「クリスマスパーティでケーキ食べ放題は?」

柚「実はアタシ!」

P「うんうん」

柚「断ってきちゃったっ」テヘペロ

P「なんでさ!」

柚「だって、クリスマスはトクベツだから」

P「……」

柚「お仕事でもなんでもその日はPサンの顔見たいなーって」

P「……言ってくれれば頑張ってパーティ参加したのに」

柚「えへへ、でも大事な思い出だなーって思ったら、ね」

P「まったく……今日はホントに柚に振り回されてる気がする」

柚「で……ど、どうカナ?」

P「……ちゃんと変装してきてね」

柚「やったっ、パンケーキのおいしいお店行こー!!」

P「はいはい」



柚「アタシと一緒ならカワイイ子をついでにスカウトしてもいいよ?」

P「なんだそりゃ」

柚「Pサンひとりだとけーさつのお世話になっちゃう」

P「何も言えない」

柚「……柚みたいにふらふらしてる子がいるかもしれないから」

P「ん?」

柚「そしたらフツウの子でもアイドルになれるんだよーって教えてあげたくて」

P「……」

柚「一緒に楽しもーって、ねっ♪」

P「……忙しくなるかなぁ」

柚「へへー。柚は友達が増えるよー!」



P「……柚、そろそろ帰らなくて大丈夫?」

柚「も、もうちょっとだけっ」

P「こたつで寝たりしない?」

柚「たぶん、きっと、めいびー」

P「怪しい」

柚「……誰もいない今だけ、だからっ」

P「ふふっ、はーい」

柚「ぷくーっ」

P「ぷにっと」

柚「イタズラ禁止! されるより、したい派だよっ」

P「柚がカワイイから、つい」

柚「か、かわっ……いやちょっと自信でてきちゃってるから、Pサンのカワイイ攻撃もへーきっ」

P「そういうとこがかわいいんだよなぁ」



柚「ごほんっ……冬がはじまるね」

P「さっきも聞いたな」

柚「えへへ、ホントはPサンの側で!」

P「お、おう」

柚「Pサンといるから、また大事な季節が来たーって思えるんだよ」

柚「アタシががんばりすぎないのも、たのしめるのもPサンのおかげだからっ」

P「うん……ありがとう」

柚「どういたしましてーっ」ニパッ

P「さーって、頑張るかー」

柚「ほどほどにねー……柚をかまうのも忘れないでねっ」

P「善処します」

柚「あーっ、テキトーな返事っ。そんなん、だと、柚の……」ウトウト

P「……本当にお疲れ様」

柚「えへ……うん」

P「おやすみ」

柚「ぐぅ」

P「……」ナデナデ

P(たくさんの柚を知ってるつもりだけど)

P(これからも僕を油断させないで~♪)

P(なんて)



おしまい。
柚の誕生日はナゴドで祝いました。
あの瞬間のオレンジの海が一番キレイだと感じれたことが何より嬉しかったです。

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