真姫「大ピンチ」 (9)

私の名前は西木野真姫、16歳、音ノ木坂学院一年生でスクールアイドルμ'sのメンバーで…


現在大ピンチ。

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穂乃果「いや~まさかこんな事になるとは思わなかったね」

凛「ね~…なんだか映画みたいだよね。少しワクワクするにゃ」

真姫「何馬鹿言ってるのよ」

凛「だってこんな事滅多に体験出来ないよ」

穂乃果「確かに。まさかエレベータの中に閉じ込められるなんてね」

真姫「なんでも楽しめて良いわね」

穂乃果「それって皮肉?」

真姫「褒めてるのよ」

穂乃果「そっか。褒められてるのか。えへへ~」

凛「ねえ?どれくらいで動くのかな?」

穂乃果「さあ?」

凛「故障なのかな?」

穂乃果「さあ?」

凛「助けに来るのかな?」

穂乃果「さあ?」

凛「今何分くらいかな?」

穂乃果「わからないよ。まだ10分くらいじゃないの?ねえ?」

真姫「そうね」

穂乃果「ええ…素っ気無い…」

凛「もしかして…少し斜めかな?」

穂乃果「え~…そうなの?」

真姫「別に…」

凛「多分そうにゃ…」

真姫(別に機嫌が悪い訳ではない。ただ…少々ピンチ。まさか、エレベータに閉じ込められるなんて思わないから。トイレに…)

凛「はあ…なんかもう飽きたにゃ」

穂乃果「え~…早っ…さっきまではしゃいでたのに」

凛「だって別にはしゃぐ様なことじゃないよ?」

穂乃果「え~…だって…ねえ?」

真姫「……」

穂乃果「あれ?無視?」

真姫(良いわね。二人はお気楽で。まあ、でもそろそろお店の人も異変に気がつくでしょ)

穂乃果「はあ…やっぱりこんな雑居ビルに入らなきゃ良かったね。だいたい、本当にこんな所にスクールアイドルショップ出来たのかな?」

凛「でも、にこちゃん来てるんでしょ?」

穂乃果「って言ってたけどね」

真姫(くっ…こんな状況になってるのはにこちゃんのせいね)

凛「ねえ?思ったんだけど…電話すれば良くない?」

穂乃果「あっ!確かに!凛ちゃん賢い!」

真姫(忘れてた。凛、ナイス!)

凛「でしょ……あれ?」

穂乃果「どうしたの?」

凛「圏外だ?」

穂乃果「え?」

真姫「はあ?」

穂乃果「うわっ…ビックリした」

真姫(なんで都内で圏外なんて事があるのよ)

凛「東京でも圏外なんてあるんだね」

穂乃果「まさかだよね」

真姫(本当よ。はあ…ヤバイんですけど。ヤバイ…ヤバイんですけど。どうしよう。結構…そろそろヤバイ。かなり…落ち着け。落ち着け私。ここで狼狽えたりしたら私のイメージが…)

穂乃果「はあ。誰かが気がつくまで待つしかないのか…」

凛「そうだね。どうする?誰も気がつかなかったら?」

穂乃果「え~」

真姫(どうしよう。誰も気がつかなかったら。万が一にも漏らしたら…次の日から学校に行けない。まあ…エレベータから出られなかったらどっちみち学校行けないけど。大丈夫…こんな事考える余裕があるんだもの。まだ平気だわ)

穂乃果「ねえ?トイレとか行きたくなったらどうする?」

凛「え?それは困るにゃ…」

穂乃果「一応…ペットボトルはあるけど…」

凛「絶対に嫌だにゃ。絶対にそれは嫌だにゃ」

穂乃果「だよね?」

真姫(絶対に嫌よ。そんな事になったらもう立ち直れない)

穂乃果「まあ…まだ余裕だから…ん?真姫ちゃん?具合悪い?なんか顔色悪いけど…」

凛「確かに…」

真姫「き、気のせいよ」

穂乃果「でも…」

真姫「来ないで!」

穂乃果「え?ご、ごめん」

真姫「あっ…いや…私の方こそ」

真姫「……」

穂乃果「……」

凛「……」

真姫(空気…悪くなっちゃった…。どうしよう…いっその事漏れそうだって言っちゃおうかしら。私がそんな事言ったら絶対に二人ともビックリするわよね。絶対に言えない…)

穂乃果「あっ…」

凛「どうしたの?」

穂乃果「あの…緊急ボタンって…押した?」

凛「押してない」

穂乃果「押してみようか?」

凛「うん。押してみよう」

ポチッ

凛「……何も起こらないね」

穂乃果「ねっ」

真姫(ちょっと…期待しちゃったじゃない。何?じゃあ、なんの為についてるボタンなの?飾り?飾りなの?)

穂乃果「はあ…なんか…不安になって来た。誰も助けに来なかったらどうしよう」

凛「え?誰も来ないの?」

穂乃果「だって非常ボタンは反応しないし電波も届かないし…」

凛「そんな…」

真姫(はあ…ちょっと勘弁してよ。本当に。素数!そうよ!こう言う時は素数を数えて尿意を誤魔化す。えっと…2,3,5,4,11…」

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