花陽「猫とお話しする」 (61)

花陽「よいしょ、よいしょ」

凛「かーよちーん」

花陽「なぁに?」

凛「これ、どこ置けばいい?」

花陽「適当なところでいいよ」

凛「わかったー」

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花陽「よいしょ、よいしょ」

真姫「ねぇ」

花陽「何?」

真姫「なんで私は花陽の家の、蔵か納屋か物置きか分かんない所の掃除をしてるワケ?」

花陽「えっと、凛ちゃんが連れて来たんだよね?」

真姫「そうよ」

凛「二人とも、手が止まってるよ」

真姫「そんなことより、凛」

凛「?」

真姫「掃除をするなんて、聞いてないわよ」

凛「そりゃ言ってないからね」

真姫「じゃあなんで?」

凛「だって凛とかよちんだけじゃ手が足りないもん」

真姫「だから私ってワケ?」

凛「真姫ちゃん暇そうだと思ったから」

真姫「失礼ね。こっちの予定も考慮してよね」

花陽「何か予定あったの?」

真姫「……ないわよ」

凛「ほーれみろ、ほーれみろにゃ」

真姫「だ、だけど掃除するなら予め言いなさいよね」

凛「言ったら断るでしょ」

真姫「ベ、別に断らないわよ。せめて、服とかは汚れてもいいのに出来たかもとは思ったけど」

凛「ごめんね」

真姫「ふんっ」

花陽「まあまあ」

凛「んじゃ、帰りにラーメン奢るにゃ」

真姫「ほんと?」

凛「ほんとほんと」

真姫「トマト付きよ」

凛「おーけー、おーけ」

真姫「あと、トマトジュースとトマトラーメン……」

凛「凛のマネーを空にする気なのかな?」

花陽「あははは……」

真姫「よーし、さっさと終わらせるわよ」

凛(単純だなぁ)

花陽「ほら、凛ちゃん」

凛「あっ、うん」

 
ニャー

 
凛「ん?」

花陽「どしたの?」

凛「今、なんか猫の鳴き声」

ニャー

真姫「あっ、あそこの塀のとこにいるわ」

「ニャー」

真姫「野良猫かしら?」

花陽「多分、そうじゃないかな」

凛「猫ちゃん、おーい!」

「ンニャッ!」

凛「あー、行っちゃったー」

真姫「大きな声出すからよ」

凛「残念」

花陽「猫って言えばさ、覚えてる?」

凛「?」

花陽「小さかった頃、あそこの物置きの下にいた」

凛「もちろん覚えてるよ」

真姫「ちょっと、何二人にしか分からない話してるのよ」

花陽「あぁ、ごめんごめん」

真姫「仲間外れにしたら泣くわよ」

凛「つまりは……」

かくかくしかじか

まきちゃんまきちゃん

凛「ってなコトがあったの」

真姫「凛と花陽が仔猫をねぇ」

凛「可愛かったよぉ」

花陽「その後、二匹亡くなったけど」

凛「残りはかよちんの親戚のとこに預けられたんだ」

真姫「で、その預けられた猫は元気にしてるの?」

花陽「えっとぉ、ここ何年も親戚の家に行ってないので……」

真姫「分からないってことね」

花陽「はい……」

凛「まあまあ、かよちん」

花陽「あとで電話してみます」

凛「猫ちゃんかぁ」

花陽「元気だといいね」

凛「うん……」

真姫「どうかした?」

凛「いや、ね。猫で思い出したんだけど、チロちゃんって……今どうしてるのかなぁって」

真姫「その猫達のママね」

凛「ちなみに真姫ちゃんはチョロちゃんです」

真姫「ヴェェェ……」

花陽「あぁ、そうだよね。ちょっと気になった」

凛「凛が見たのは、仔猫を救出した時に見たのが最後かな」

花陽「私もそれ以来、見てないなぁ」

真姫「かなり前でしょ? そのチロちゃんが何歳かは知らないけど、もう亡くなってるんじゃないの?」

花陽「どうなんだろ」

真姫「事故か病気か寿命か……まぁ、生きてる可能性がなくもないけど」

凛「さすがにこればっかは分からないよね」

花陽「猫じゃないからね」

真姫(猫じゃ、ない)

凛「猫になれたら分かるかもしんないけど」

花陽「そんなの不可能だよね」

凛「『猫になれたら』なーんて」

真姫「なれるわよ」

花陽「えっ?」

真姫「なれるわよ」

凛「何に?」

真姫「猫のように」

花陽「……」

凛「……」

真姫「……」

花陽「真姫ちゃんが壊れた……」

凛「トマト不足で逝っちまったにゃあ……」

真姫「失礼ね!」

花陽「いやだって」

凛「そんな非科学的な」

真姫「非科学的なものも科学的にするのがこの真姫ちゃんなんだからね!」

凛「初めて聞いたよ」

真姫「初めて言ったからね」

凛「……」

真姫「……」

花陽「で、どうするの?」

真姫「色々やることあるけど……二人の明日の予定は?」

花陽「なし」

凛「ナッシング」

真姫「OK、ちなみに私もnothingよ」

花陽「それで、どうするの?」

真姫「とりあえず明日話すわ」

花陽「明日、ね」

凛「不安だなぁ~」

真姫「大丈夫よ。死にはしないから」

凛「死にたくないよぉ~」



 
凛「てなワケで明日になったけど」

花陽「真姫ちゃん。一体、何をするの?」

真姫「ふっふーん」

 
真姫「これを使うのよ!」

 
凛「これって?」

花陽「何かの箱かな」

真姫「この箱の中にある……」

パカッ

真姫「これよ!」

花陽「イヤリング……かな?」

真姫「そう。イヤリング」

凛「これで猫になれるの?」

真姫「猫のようにね」

凛「胡散臭いなぁ」

真姫「とりあえず付けるわよ」

カチャカチャ

凛「ん、付けたよ」

花陽「でも私達、猫になってないよ」

凛「ほんとだね」

真姫「当たり前でしょ。何を期待したのよ」

凛「いや、猫になれるって?」

真姫「言ったっけ?」

花陽「うん」

凛「言った」

真姫「『猫のように』とは言ったけど『猫に』とは言ってないわよ」

凛「ありゃ」

真姫「大体、人間の体が猫みたいになるワケないでしょ非科学的な」

凛「非科学的なことを科学的にする真姫ちゃん」

真姫「……」

凛「……」

花陽「ま、真姫ちゃん。これの説明してくれるかな!?」

真姫「こほん。えっと、このイヤリングはウチの病院が開発した『動物と話せるちゃん1号(仮)』よ」

花陽(胡散臭い……)

凛(パチもんの臭いがプンプンするにゃ……)

真姫「犬や猫と言った動物に話し掛ける人間見たことあるでしょ」

凛「うん」

真姫「あれから着想を得て考案し開発されたのが、このイヤリングってワケ?」

凛「へー」

花陽(西木野総合病院って何か危ないことでもやってるのかなぁ)

真姫「これがあれば動物との会話が可能だし、将来的には実用化されてお金がガッポガッポのウッハウッハでトマトがフィーバーよ」

凛(既に真姫ちゃんの頭がフィーバーしてるにゃ)

花陽「具体的な使用方法は?」

真姫「普通に話し掛けるだけでいいわ」

花陽「こっちから話し掛けないとダメなの?」

真姫「向こうは人と喋るとは思ってないだろうから、こちら側から話し掛けるわよ」

花陽「どんな位置からでもいいの?」

真姫「一応、半径30メートル範囲内なら通じるわ。多少の誤差があるかもだけど」

凛「そこから出ちゃうと」

真姫「通じなくなるわ。と言ってもこれ、まだ完成品ってワケでもないから」

花陽「試作機ってとこかな」

凛「つまり凛とかよちんは、1号(仮)の実験台ってワケかにゃ?」

真姫「そんなところね」

花陽(言い切っちゃったよ)

凛「とりあえず、これでスタートが切れるね」

真姫「ええ」

凛「よーし、チロちゃん捜しに」

 
三人「レッツゴー!」

 
真姫「と、その前に」

花陽「どうしたの?」

真姫「凛。貴女、猫アレルギー持ちよね」

凛「そだよ」

真姫「それって犬とか鳥とか……フサフサ、ボサボサ、パタパタしたものとかは大丈夫なの?」

凛「大丈夫……だとは思う」

真姫「そっ、じゃあいいわ。はじめましょ」

凛「うん」

真姫「私はあっち」

凛「じゃあこっち」

花陽「そっちにするね」

真姫「何かあったら連絡しなさいよ」

凛「はーい」

 
凛「さて、はじめますか」



 
凛「動物、動物」

凛(思ったよりいないなぁ)

凛「ふぅ」

凛(都会はコンクリートジャングルってゆーしね)

凛「……」

チュンチュン

凛「ん?」

チュンチュン

凛(あれは……雀だ)

凛「あれに声掛けよっか」

凛(真姫ちゃん。鳥のこと訊いてきたから、通じるよね)

凛「おーい」

「?」

凛「こっちこっち」

「私のこと?」

凛「そうそう」

パタパタパタ

「何かご用?」

凛「んとね。キミと話がしたくて」

「人間さんと?」

凛「そうそう」

「あれ? もしかして私、人間さんと話してる?」

凛「うんうん」

「わー! ビックリだねっ!」

凛(凛もビックリだよ)

凛「それでね……んー、とりあえず自己紹介しよっか。私は凛だよ」

「私は『コトリ』って言うんだよ」

凛「へぇー、コトリちゃんかぁ」

凛(どっかで聞いた名前だなぁ)

コトリ「それで、凛ちゃんは私に用があるの?」

凛「んー、あのね。コトリちゃんは猫とかには詳しい?」

コトリ「猫にはよく襲われます……」

凛「あっ、ごめんね。変なこと訊いて」

コトリ「いえいえ」

凛「この近所かどっかで、白い猫とか見なかった?」

コトリ「白い猫……って言っても、そういう猫たくさんいるよ」

凛「あぁ、そっか」

凛(白猫だけじゃ、分かんないね)

凛「猫のことは猫に訊くのが一番かにゃー」

コトリ「それだったら、私のお友達の猫を紹介するよ」

凛「猫に襲われるのに?」

コトリ「私を襲わない猫もいるの」

凛「へー、色々あるんだね」

コトリ「案内するよ」

凛「待って、だったら凛の肩に乗っていいよ」

コトリ「ほんと? じゃあ」

パタパタパタ

コトリ「えへへー、乗っちゃった」

凛(特にアレルギー反応はないね)

凛「じゃ、行こっか」

コトリ「うん!」



 
真姫「でさー、チロちゃんって猫を捜してるんだけど」

エリ「ごめんなさい」

ノゾミ「ちょっと分からんなぁ」

真姫「そういう猫がいる噂とかは?」

エリ「ごめんなさい」

ノゾミ「悪いなぁ」

真姫「なんで知らないのよ? 猫のネットワークはどうなってるの?」

エリ「そんなこと言われても」

ノゾミ「ウチら、ここに来てそんな長くないしなぁ」

エリ「でも、あの娘達なら何か知ってるんじゃないよ」

真姫「誰よ?」

ノゾミ「あぁ、ここに長くおるから何か分かるかもなぁ」

真姫「早く教えなさいよ」

 

 

 

 
子供「ママー。あのおねえちゃん、へんだよ」

ママ「見ちゃいけません!」



 
花陽「ホノカとウミ?」

ニコ「この辺に長くいる、言わば古株の猫ね」

花陽「そうなんだ……」

花陽(どっかで聞いた名前だなぁ)

ニコ「私も古株だけど、この近辺は縄張りじゃないから分からないわ」

花陽「じゃあ、なんでここに?」

ニコ「そんなもん。ニコの凄さを見せつける為よ!」

花陽「猫としての?」

ニコ「いい人間!」

花陽「は、はい」

ニコ「この私はアイドルなのよ!」

花陽(猫の?って訊くのは野暮かな)

ニコ「自分の名前を街中に広める為に活動をしてるのよ!」

花陽「ふむふむ」

ニコ「いい? あんたに教えるのも勿体ないけど、まぁ私のアイドル道に興味あるのなら」

花陽(長くなりそうだなぁ)

カチャ

花陽(外しとこ)

ニコ「にゃーにゃー!」

花陽「うんうん」

ニコ「にゃにゃっ、にゃー!」

花陽「ほうほう」

ニコ「にゃっ、にゃにゃー」

花陽「凄いね!」

ニコ「にゃおー」

花陽(熱く語るのは人でも猫でも変わんないね)

 

 

 

にこ「くしゅん! ズビビ」



 
真姫「ホノカとウミ?」

凛「和菓子屋の娘と道場の娘さんかな?」

花陽「その猫はそう言ってた」

真姫「名前までは知らないけど、この地域に昔からいる猫の話は聞いたわ」

凛「その名前で合ってる?」

コトリ「合ってるよ!」

凛「だってさ」

真姫「何よ。その雀」

凛「凛のお友達のコトリちゃん」

花陽「雀のコトリちゃん?」

コトリ「そだよ」

真姫「コトリ、ねぇ」

花陽「なんか、人も猫も鳥も似たような関係で結ばれてるのかなぁ」

真姫「不思議な縁ね」

凛「それで、その猫ちゃんはどこにいるのかにゃ?」

コトリ「多分、この近くの公園かな?」

真姫「そう。じゃあ、行きましょ」

花陽「そだね」



 
凛「公園に来たのはいいけど」

真姫「どこにいるのよ」

花陽「んー」

ニャー
ニャーニャー!

花陽「あの塀のところにいる猫かな?」

凛「どう?」

コトリ「あれだよ」

凛「よーし、じゃあ行こう」

真姫「凛は猫アレルギーに注意よ」

凛「はーい」

コトリ「ホノカちゃん、ウミちゃん」

ホノカ「コトリちゃん!」

ウミ「こんにちは……って、その人間の方達は誰ですか?」

コトリ「お友達だよ」

ウミ「はぁ」

花陽「こんにちは」

ウミ「これは、どうも」

ホノカ「そんなことより、コトリちゃんはホノカに狩られに来たのかな?」

コトリ「違うよ」

ホノカ「じゃあ、狩るよ!」

真姫「話聞いてた?」

コトリ「いつもこんなんなの」

ホノカ「よーし、いっく……」

ウミ「やめなさいホノカ!」

ホノカ「うぇぇ、なんでぇ」

ウミ「友達を狩るとは何事です!」

ガミガミ

コトリ「ウミちゃんのお説教は長いからなぁ」

凛「どこぞの道場娘と変わらんにゃ」

花陽(コトリちゃんは毎回、狩られるのかな?)

ウミ「えっと、貴女方は私達に何のご用があって?」

凛「そうだそうだ」

花陽「あのね。私達、ある猫を捜してるの」

ウミ「ある猫?」

真姫「チロちゃん、っていう白猫なんだけど」

花陽「この近所を縄張りにしてたと思うんだけど」

凛「知らない?」

ウミ「チロちゃん……ホノカは知ってますか?」

ホノカ「ううん。知らない」

真姫「えぇ……」

凛「マジか……」

ウミ「ですが、小さい頃にそういう白猫が居たってのは母から聞いてますよ」

凛「ほんと!」

花陽「凛ちゃんダメ!」

真姫「ちょっと!」

  
凛「クシュン!!」

真姫「もう……」

ウミ「風邪ですか?」

花陽「なんて言えばいいか……猫アレルギーなんだ」

ホノカ「それは大変だね」

凛「ズビビ……グズッ」

真姫「それで、話を戻して」

ウミ「ああ、はい。その白猫なら、この近所を縄張りにしてたみたいです」

花陽「ふむふむ」

ウミ「ですが、ある日を境に姿を消したと」

真姫「ある日って?」

花陽「雪が積もった日?」

ウミ「そう母は話してました」

凛「赤ちゃん産んだ、あの日……だよね?」

花陽「んー。雪が積もったのって、そんなにないよね」

真姫「雪が降った、ってなら何回かあるけど」

ウミ「ですが、その白猫がチロちゃんかどうかは分かりませんよ」

凛「どうして?」

ウミ「あくまで母から聞いた話であり、そもそもその猫が『チロちゃん』って名前が付いてたすら分かりません」

花陽「あっ、そっか」

凛「どうしたの?」

花陽「そもそも『チロちゃん』って、私達が勝手に付けた名前だから」

真姫「他の猫からしたら、そんな名前は知らないわよね」

凛「そこまでは考えてなかったよ」

ウミ「とりあえず、その白猫に関することはこれ以上、私達には分かりません」

凛「うん」

ウミ「死に関しては、見られたくも知られたくもない性質なので」

凛「猫らしいね」

ホノカ「猫だからね!」

ウミ「お役に立ちましたか?」

花陽「うん。ありがとう」

ウミ「それでは、私達はこれで」

ホノカ「じゃーねー」

凛「ばいばーい」

真姫「場所、変えよっか」

花陽「そだね」

凛「うん」

コトリ「私、もう帰ってもいい? おかーさんが待ってるから」

凛「ありがとね」

パタパタパタ

凛「ばいばい、コトリちゃん」



 
真姫「これからどうする?」

花陽「見つからない以上、手詰まりだよね」

真姫「やっぱり年月が経ち過ぎてると、ねっ」

凛「……」

花陽「生死は謎のまま迷宮入りだね」

真姫「名探偵真姫ちゃんにも解けない謎はあるものね」

花陽「真姫ちゃん名探偵だっけ?」

真姫「そうよ」

花陽「迷う方の?」

真姫「……」

花陽「……」

凛「……よっ、と」

花陽「凛ちゃん?」

凛「チロちゃんはきっと、どこかで元気にやってるよ」

真姫「謎なのに?」

凛「謎でもなんでも、凛が元気にしてると言えばしてるの!」

真姫「強引な答えね」

花陽「でも、そういうのがあってもいいんじゃないかな」

真姫「そういうのって?」

花陽「『答えがない』っていうのも一つ『答え』なんだなって」

凛「かよちん良いこと言うにゃ」

真姫「答えのないのが……まっ、そういうことにしときましょ」

凛「真姫ちゃん諦めた」

真姫「と、とにかく! そろそろ1号(仮)を返して」

凛「はいはい」

花陽「真姫ちゃん」

真姫「何よ」

花陽「ちょっとこれ、貸してくれないかな?」

真姫「何に使うのよ?」

凛「悪用するんけ?」

花陽「ち、違うよ。今度、親戚の家に行って、チロちゃんの子供達に報告するんだよ」

凛「元気にしてるの!?」

花陽「電話で確認したよ」

凛「やったー」

真姫「そういうことならいいけど、ちょっとお高いわよ」

花陽「トマトラーメン、トマトカレーで」

真姫「もう一声」

花陽「トマトライス、トマトケーキ」

真姫「オッケー、貸した」

凛「ほんと、トマトを出したらチョロいにゃー」



 
花陽「真姫ちゃん。これ、ありがとう」

真姫「ん」

凛「それで、みんな元気にしてた?」

花陽「うん。元気してたよ」

凛「大きくなってた?」

花陽「仔猫産んだのもいたよ」

凛「すっごいにゃー」

花陽「だけど、多頭飼育は難しいからって、何匹かは別の人に引き取られたって」

真姫「それは仕方ないわね」

花陽「あと、1号(仮)を使って現状報告したらさ」

凛「なんて言ってた?」

花陽「『ありがとうございます』って泣き付かれた」

凛「凛も泣き付かれたかったにゃー」

真姫「猫アレルギーでしょ」

凛「てへへ」

花陽「あと、その場面を親戚の人に見られて痛い娘扱いされた」

凛「災難だなぁ」

花陽「痛い娘じゃないって必死に否定したよぉ……」

真姫「まっ、何はともあれこの真姫ちゃんのおかげね」

花陽「ほんとにね」

凛「よーし、じゃあ三人でラーメン食いに行くにゃー」

花・真「おー」

凛「真姫ちゃんの奢りで」

真姫「は?」

凛「もう凛のマネーはすっからかんだよ」

花陽「私も1号(仮)を借りたせいで……」

真姫「ちょっ、えっ」

凛「あとは1号(仮)の実験に付き合った……まぁ、モニター料というかアルバイト代にゃ」

真姫「……」

凛「真姫ちゃぁん」

花陽「おねがぁい」

真姫「も、もう……しょーがないわね」

花陽「やった!」

凛「チョロい!」

真姫「今、何て言った?」

凛「なーんでもないよー」

スタコラピー

凛「今日も元気に、ラーメン食べるにゃー!」

花陽「ライス大盛りだよぉ!」

真姫「トホホ……」

 

 
おしまい

以上、おわり

※チロちゃんは漫画『ラブライブSID 02真姫・花陽・凛』に収録されている
『凛と猫ちゃん。』に登場する猫である

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