THE 3名様~六番目の穂乃果~ (77)

「虫」

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穂乃果「あのさ…」

希「ん~どしたん?」

凛「何かあったの?」

穂乃果「二人も実感あると思うんだけどさ。こう…穂乃果達も大人になってさ」

凛「大人にはなってないよ?」

希「まぁ、まだ自立してないもんなぁ」

穂乃果「いや…じゃあ、大人って言うか大きくなってさ。年齢的にね?論点がズレちゃうよ」

希「あ~それはゴメン。それで?大きくなって?」

穂乃果「まあ、大きくなって色々変わって来る事もあるじゃん?」

凛「変わって来る事?」

穂乃果「ほら?小さい頃は夜中に一人でトイレ行けなかったのにいつの間にか行ける様になったりさ」

希「あっ、そう言う事?大層な言い方するから…。ま~そうやね。殆どの人は高校生にでもなれば夜中にトイレくらい行けるわな。殆どの人はな」

穂乃果「でしょ?その逆に虫とか触れなくなったりしない?」

凛「しないよ」

穂乃果「いや…する人もいるじゃん?実際にね、穂乃果も昨日さ…まあ、ファミレスでする話ではないんだけど」

希「え?だったらやめた方がええよ?他のお客さんも居るんやから」

穂乃果「いや、大丈夫、うん。あの~昨日ね、下駄箱の所にカマキリが居て…どかさないと上履き履けないからさ~どかそうと思ったの。でもね、子供の頃は全然触れたんだけどね~なんか怖くてさ」

希「カマキリが?って言うか…全然ファミレスで話してもいい話やん」

凛「凛はカマキリ触れるから呼んでくれればよかったのに」

穂乃果「そう思うでしょ?実際に対面すると凄い怖いよ?なんか威嚇してくるしさ。怖いんだよねぇ…ことりちゃん呼んだんだけどダメでさぁ」

希「え?どうして、ことりちゃんを呼んだん?ことりちゃんこそ虫とかダメそうやん」

穂乃果「うん。ことりちゃんも大きくなったからね。もう小鳥じゃないね。鳥だね」

希「いや…そう言う事じゃないし。だったらカマキリと相性良さそうやん」

「スランプ」

海未「今日は私の為にすいません」

真姫「いいのよ別に。私だって作曲で行き詰まったら真っ先に海未に相談するもの」

海未「ありがとうございます、真姫。絵里も付き合って頂いて」

絵里「私は音楽の知識は乏しいから…力になれるか分からないけど。協力するわ」

海未「ありがとうございます。それで…早速なのですがなんとか詞が出来て。ただ…スランプだったのでおかしな事を書いていないか…これなのですが…」

絵里「どれどれ…」

出会った日と 同じ様に

霧雨が降る夜

目を閉じると 浮かび上がって来る

あの日のままの二人

人並みで溢れた 街のショーウィンドウ

見惚れた 貴方が不意に

絵里「いや…これは…」

海未「ダメですか?」

真姫「どこかで見た事ある詞なんだけど…」

海未「え?」

絵里「似ているとか以前の問題…」

海未「要するにこの詞が既存の曲とそっくりだと?ですが…私は何も…」

絵里「そうね。うん…海未がそんな事するとは思えないし…偶然?」

真姫「気付かぬ内に影響を受けてたとか?」

海未「え?そんな事ってあるのですか?」

真姫「こっちが聞きたいくらいなんだけど」

海未「良かったです。二人に相談して」

絵里「そうね。これで発表してたら完全に炎上してたわよ」

真姫「まあ、作曲する時点で私が止めてたけど」

海未「ありがとうございます」

絵里「きっと疲れてるのね。ロクに睡眠もとってないでしょ?」

海未「はい…」

絵里「それじゃあ思考力も低下するわ」

海未「すいません」

真姫「気にする事ないわよ。その為に私達が居るんだから」

海未「はい!」

真姫「それで…今度は私の番なんだけど。曲を作って来たの。これなんだけど…」

?~

真姫「どう?」

海未「真姫…これは…」

絵里「あなた達…今日は帰ってゆっくり寝なさい…」

「合宿」

絵里「さっきコンビニで面白い物を見つけたの」

希「面白い物?」

にこ「絵里が言う面白い物ってそんなに面白くなさそうなんだけど」

絵里「え?なんで?」

にこ「いや…何となく」

絵里「何となくで人をつまらない人間みたく言わないでくれない?」

にこ「そこまでは言ってないけど」

希「面白い物って何なん?」

絵里「これ!合宿免許のチラシ!コンビニにあったのよ」

にこ「ほらね?」

絵里「え?何がほらなの?」

にこ「別に面白くはないな~って」

絵里「面白いのニュアンスが違うんじゃないの?爆笑とかそう言う事じゃないのよ?」

にこ「分かってるわよ!そんな事は!」

希「でも何で急に?」

絵里「コンビニで買い物してたら目に入ったのよ。ピンクのチラシで目立ってたし」

希「向こうの思惑通りやなぁ」

にこ「まさに効果てきめんって訳ね」

絵里「まあね。でもほら?高校卒業したら大学入学まで少し暇があるじゃない?卒業出来ればだけど」

希「あ~じゃあ、にこっちは怪しいなぁ」

にこ「出来るわよ!」

絵里「だから、ほら?その間に免許取りに行くのもアリなのかなって。それなら合宿で一気取るのが良いじゃない?」

希「ん~そうやね」

絵里「で…どう?一緒に行かない?」

にこ「合宿に?」

絵里「免許を取りに」

にこ「え~…別にいらないけど」

希「東京は電車がいっぱい走ってるからね」

絵里「え~、取れる時に取っておかないと困るわよ?合宿なんか長期休みがないと行けないんだから。今の内よ?」

にこ「そしたら普通に教習所に通うわよ」

絵里「合宿の方が絶対に良いわよ」

希「めっちゃ合宿を押すやん。宣伝大使でもやってるん?」

にこ「って言うか本当合宿好きよね」

「小説」

穂乃果「最近小説に興味があってね」

海未「え?穂乃果がですか?」

ことり「穂乃果ちゃん…何かあったの?何か悩んでるの?」

穂乃果「え?なんで?」

海未「だって穂乃果が活字の本を読むなんて…何かあったとしか」

穂乃果「酷い言い様だね」

ことり「じゃあ、何も悩んでないの?」

穂乃果「うん。そりゃあね」

海未「そうですか。それで?どんな本を?」

穂乃果「えっとね。最近見つけた本のタイトルはたった一つの冴えたやり方ってやつかな」

ことり「海未ちゃん知ってる?」

海未「はい。私も読みました!どの作品も面白いですよね。特に表題作の短編が私は好きです。普段、海外の小説はあまり読まないのですがこの本は読み返した程ですよ」

穂乃果「へ~そうなんだ」

海未「他には?他に何を読みました?何かオススメでもあれば教えて貰えると嬉しいです。私もオススメしたい本はたくさんありますからお互いに教えあいっこしましょう?」

穂乃果「う、うん」

ことり「海未ちゃん凄い嬉しそう」

海未「嬉しいですよ。まさか、穂乃果と本について語り合える日が来るなんて」

穂乃果「そこまで?」

海未「そこまでです。それで?他にはどんな作品を?」

穂乃果「えっと…悲しみよこんにちはってのかな?」

海未「サガンですか?素晴らしい作品ですね。この作品は後に作者自身の人生を大きく変えたとか。なんて、私は読んだ事ないのですがどうでした?やはり、素晴らしい作品でしたか?」

穂乃果「さあ?」

海未「え?さあ?内容が理解出来なかったのですか?」

穂乃果「ううん。そもそも読んでないし」

海未「へ?」

穂乃果「読んでないんだって」

海未「あの…言っている意味が…」

穂乃果「そのまんまの意味だよ」

海未「だってオススメって言った…」

ことり「びっくりして喋り方が変わっちゃってるよ」

海未「あの…本当に理解が追いつかないのですが。最近、小説を読むのにハマっているのでしょう?」

穂乃果「ハマってないよ?」

海未「あの…本当に…え?」

穂乃果「穂乃果がハマってるのは小説のタイトルね」

海未「タイトルに?どういう事ですか?」

穂乃果「小説の良いタイトルを探すのにハマってるんだよ。カッコいいタイトルも多いんだから」

海未「穂乃果…あなたと言う人は…」

ことり「海未ちゃん大丈夫?」

海未「そっとして置いて下さい」

穂乃果「ちなみに一番好きなのは月は無慈悲な夜の女王って奴!読んだ事はないけどね!」

ことり「穂乃果ちゃん…」

海未「なんか良い詞が浮かびそうです」



「関西」

希「でな、そん時のえりちの反応がすんごい可愛かったんよ」

穂乃果「うんうん」

凛「それで?それで?」

希「終わりやけど?」

穂乃果「え?終わりなの?」

希「うん」

穂乃果「特に…オチとか…」

希「いや…別にえりちが可愛かったって話やけど」

穂乃果「あっ、そうなんだ。希ちゃんの事だから爆笑エピソードトークを披露してくれるのかと思って」

凛「凛もそう思ってたにゃ。どうやってオチに持っていくのかなって期待してたんだけど」

希「え?ウチにそんなイメージ持ってたん?」

穂乃果「関西弁だしね?」

凛「うん。関西弁っぽいし」

希「別に関西人全員が面白い訳じゃないよ?だいたい爆笑面白エピソードって…ハードル高すぎやろ!高すぎて飛ばなくてもくぐれちゃうわ!」

穂乃果「あ~そっか。まあ、確かにそうか」

凛「でも、例えツッコミとかはするんだね」

希「なっ!?」

穂乃果「希ちゃんの顔が見る見る赤くなっていく」



「地球」

凛「雨の日って暇にゃ~」

にこ「別に暇じゃないでしょ?午後からやる事いっぱいあるんだから」

凛「午前中からやればいいのに。ドリンクバーも無限に飲めると思ったらなんだか飽きて来たにゃ」

にこ「無限には飲めないけどね」

穂乃果「地球って本当に丸いのかな?」

にこ「はあ?何よいきなり?」

穂乃果「だって見た事ないでしょ?地球」

にこ「じゃあ、今にこ達が立ってるここはなんなのよ?」

穂乃果「そう言う事じゃなくて。宇宙からに決まってるじゃん」

にこ「決まってるじゃんって言われてもね」

凛「今のはにこちゃんが悪いよ」

穂乃果「だよね?」

凛「うん」

にこ「そうやって誰が一番悪いとか決めるのにこ好きじゃないな~」

凛「普段にこちゃんが一番言いそうだけどね」

にこ「そんな事ないわよ」

穂乃果「ね~話がズレてるよ。地球の話」

にこ「地球が丸いかって?丸いに決まってるじゃない。惑星なんだから」

穂乃果「え?そう言う事なの?」

にこ「だって丸くなかったら上手く回らないでしょ?」

穂乃果「たしかに。じゃあ、惑星は全部丸いんだね」

にこ「それは…さあ?」

穂乃果「さっき自分で言ったのに」

にこ「そんな事は言ってないわよ」

穂乃果「言ったじゃん。地球は惑星だから丸いって。ねえ?」

凛「うん。凛も聞いてた」

にこ「くっ…ふん。そうやって二人で結託して。ほんと、多数決って良くないわ」

穂乃果「別に多数決どうのこうのって話しでもないよ」

凛「そうだよ。にこちゃんの話が矛盾してるんだもん」

にこ「もういいわよ。にこが悪かったわよ。これでいいでしょ?」

穂乃果「うん」

凛「納得にゃ」

にこ「いや…そこはそんな事ないよとか…」

穂乃果「もうそんな事は本当にどうでも良いから。結局地球は丸かったのかどうか?」

にこ「だから、結論出たじゃない。丸くなきゃ上手く回らないって」

凛「でも、どうして丸くなきゃ上手く回らないの?」

にこ「そりゃあ…バランスが悪いからよ」

穂乃果「それに言う程回ってる感じしないしね?ジャンプしたって同じ場所に着地するもんね?」

にこ「それは…確かに…」

凛「え?それは理科の時間で慣性の法則だって習ったよ?」

穂乃果「え?何それ?凛ちゃんそんな事知ってるの?」

凛「詳しくは説明出来ないけど先生が言ってたよ!」

穂乃果「本当?」

にこ「私達が何も知らないと思ってそれっぽい事言ってないでしょうね?」

凛「そんな事しないよ。言っておくけど凛が出来ないのは英語だけだからね」

穂乃果「そ、そうなんだ。意外と博学なのか」

にこ「いや、凛の言ってる事が合ってるとは限らないから」

穂乃果「え?じゃあさ、地球が回ってるのももしかしたら…カンセンの法則?」

凛「慣性だよ!でも…そうかも知れないにゃ。なんか宇宙にまつわる法則だった気がするにゃ」

穂乃果「そうだったのか。それも驚いたけど凛ちゃんが理科に詳しいのに驚いたよ。よっ!科学博士!…科学でいいんだよね?」

凛「理科だもん」

にこ「まっ、でも。凛の言ってる事が合ってる分からないし取り敢えず真相は闇の中って事で。宇宙の話だけに」

穂乃果「…」

凛「…」

にこ「無言で結託するのやめなさいよ!」

「穴」

店員「デラックスサンデーのお客様~」

凛「は~い」

店員「バームクーヘンのお客様」

穂乃果「はい!」

希「おぉ!良い返事や」

穂乃果「へへ~褒めて褒めて」

希「はいはい。穂乃果ちゃんはええ子やな~」

凛「今日も平和にゃ~」

穂乃果「さ~てと、ではさっそくデザートを食べようかな。褒めてくれたから希ちゃんに一口あげよう」

希「おっ!ええの?褒めてみるもんやな~。ふふっ」

穂乃果「でしょ?」

凛「穂乃果ちゃん偉いにゃ」

穂乃果「凛ちゃんは完全に欲しいから褒めたでしょ?別に一口くらいいいけどさ」

凛「やった!ラッキーにゃ~」

希「でも、あれやな。個人の感覚の違いもあるんやろうけど。バームクーヘンがデザートなんやなぁ」

穂乃果「デザートじゃない?」

希「正直ファミレスのメニューあるのもビックリしたわ。まあ、ケーキみたいなもんなんかな」

穂乃果「多分ね。穂乃果はただカットされてるケーキを食べるより丸々バームクーヘン食べる方が良いかな~なんて思っただけだけどね」

希「穂乃果ちゃんらしいなぁ」

穂乃果「でもね~バームクーヘンとかドーナツとか食べる度に思うんだけどさ。この穴にも生地が詰まってれば良いのになぁって。だってさ勿体ないじゃん?あと竹輪も」

希「穂乃果ちゃんらしいなぁ…。勿体ないって別に穴をくり抜いて捨ててる訳じゃないからね?」

穂乃果「え?違うの?」

希「ちゃうよ。バームクーヘンとか竹輪は穴の部分に元々棒が刺さってるんよ。作る時棒を回しながら焼くの」

穂乃果「そうだったんだ。生まれてこの方ずっと勘違いしてた」

希「可愛らしい勘違いやな」

凛「ねえ?恥ずかしい?穂乃果ちゃん勘違いして恥ずかしい?」

穂乃果「え?ん~まあ、多少は」

凛「穴あるよ?バームクーヘンの!食べかけだけど!」



「恋愛相談」

穂乃果「はい、海未ちゃん。お茶で良いんだよね?」

海未「ありがとうございます」

穂乃果「いえいえ」

にこ「にこのは?」

穂乃果「あっ、ごめん。忘れてた」

にこ「あっ、そう」

穂乃果「あの…さ…」

海未「どうしたのですか?」

穂乃果「実は二人に相談があって」

海未「私と…」

にこ「にこに?」

穂乃果「うん。二人じゃなきゃダメなんだ」

にこ「何よ?私達じゃなきゃダメな事って」

穂乃果「実は…恋愛相談って言うか…」

にこ「恋愛?誰の?」

穂乃果「私の…」

にこ「私って?どこの誰よ?」

穂乃果「目の前の!にこちゃんの目の前に座っている女の子の!」

にこ「私の目の前にはガサツな女の子が座ってるけど」

穂乃果「そのガサツな女の子が恋をしたんだよ」

にこ「ダメよ」

穂乃果「何が?」

にこ「分かってるんでしょ?にこ達はアイドルなのよ?」

穂乃果「だからにこちゃんに相談してるんじゃん」

にこ「だったらにこがなんて言うかくらい想像出来たでしょ?ラブライブだってあるのよ?分かってんの?」

穂乃果「分かってるよ。彼氏が出来たって全力でやるし…」

にこ「彼氏がいるアイドルなんて前代未聞だって言ってるのよ。だいたい…」

海未「にこ…ちょっとだけ静かにして頂いてもよろしいですか?」

にこ「な、何よ?」

穂乃果「海未ちゃん?」

海未「あなたは本気なのですか?」

穂乃果「ほ、本気だよ。これからも優勝を目指して」

海未「そうじゃありません。その…本気で好きなのですか?」

穂乃果「え?う、うん」

海未「そうですか。私は…正直、恋愛の事は全く分かりませんし穂乃果に恋人が出来ると聞いて複雑な気持ちです」

穂乃果「そう…なの?」

海未「小さな頃からずっと一緒だった穂乃果が遠くへ行ってしまう様な気がして。凄く寂しい気持ちになります」

穂乃果「あ、あの…」

海未「今までもそうでした。いつも隣にいる様で…あなたはいつも先へ行ってしまう。だから…大変でしたよ。ずっと…」

にこ「あの…海未?」

海未「きっと…いつかはこんな日が来るとは思っていました」

穂乃果「あのね…海未ちゃん?」

海未「応援しますよ。もう、穂乃果の隣には別の人が立っているのですね。だから、せめて…貴女の背中を押してあげる事くらしいか私にはもう出来ませんから。きっと、ことりも同じ事を言うと思います」

穂乃果「て…テッテレ~。じ、実はドッキリでした~なんて…」

海未「は?」

にこ「だから…ドッキリなのよ。穂乃果が恋をしたなんて。この間やってテレビの真似をしただけなの」

海未「私を騙したと?ふたりで?」

穂乃果「は、はい」

海未「し、信じられない…」

穂乃果「ご、ごめん」

海未「…」ガタッ

穂乃果「海未ちゃん?どこに?」

海未「帰ります。さようなら」

穂乃果「ちょっ…海未ちゃーーーん」

にこ「こ、これは…やばっ」

「続・恋愛相談

絵里「はっきり言ってあげましょうか?」

穂乃果「はい」

絵里「あなた達二人のした事は最低な事よ?」

穂乃果「はい」

絵里「なぜそんな事したの?」

にこ「前の日にテレビのバラエティで似た様なドッキリがやってて」

穂乃果「偶然、穂乃果とにこちゃんがそれを視聴してたので」

にこ「だって、まさか海未があんな反応をするなんて思わないじゃない?」

絵里「海未があの時どんな気持ちだったか分かる?」

穂乃果「きっと怒りで」

絵里「怒りもそうかもしれない。でも、それ以上に悲しかったはずよ?それが分からない貴女達じゃないでしょ?」

穂乃果「うん…」

絵里「だったら想像しなさい。行動を起こす前に考えなさい。相手がどう思うかを。私だったらそうするわ。もし…もし…希が……グスッ」

穂乃果「え?絵里ちゃん?」

絵里「もし…グスッ…ごめんなさい。想像したら…グスッ…」

穂乃果「絵里ちゃん、ハンカチ…」

絵里「ありがと」

穂乃果「鼻かまないでね」

にこ「一日に何回泣かせばいいのよ…」

「続続・恋愛相談」

にこ「海未?いい?あのね」

穂乃果「あの…海未ちゃん? この間の事なんだけど」

海未「もういいです」

穂乃果「そんな事言わないでよ。やだよ。聞いてよ」

海未「もういいです」

穂乃果「そんな…やだよぉ。海未ちゃぁぁぁん。やだ…やだ…穂乃果の事嫌いにならないでよ。悪かったって反省してるし…グスッ…こんな事言ったらもっと怒る…ヒクッ…怒るかもしれないけど…海未ちゃんが穂乃果の事を…あんな…風に…あんな…うぁぁぁぁぁん…嬉し…嬉しい…うぁぁぁん…ごべん…ご…」

海未「ですからもういいと言ってるじゃないですか」

穂乃果「ぞんなごと…ぞん…ブァァ」

にこ「あんた…何言ってるかわからないわよ?」

海未「だから…もう…何度繰り返すつもりですか?もう怒ってないと言っているでしょ?他のお客さんもこっち見てますよ」

穂乃果「ふぇ?」

海未「はあ…よく話を聞きなさいと昔から言っているでしょう?」

穂乃果「おごっでないの?」

海未「怒ってないです」

穂乃果「本当?」

海未「本当です。と言うか…まだ多少のモヤモヤはありましたが今のあなたを見てて馬鹿らしくなって来ました」

穂乃果「海未ちゃん…」

にこ「取り敢えず涙拭きなさいよ。顔ぐしゃぐしゃよ?」

穂乃果「あり…ヒクッ…ありがと」チーン

にこ「あぁ…なんで鼻かんでるのよ…」

海未「あの時、本当はホッとしていたんです」

穂乃果「どう言う事?」

にこ「にこのハンカチが…」

海未「穂乃果に恋人が出来たと言うのが嘘で良かったって。もちろん、怒りや悲しみもありましたよ?でも、安堵の方が大きかったです。それを悟られたくなくて少し大袈裟に怒ってしまったんです。私もバカですよね。でも、あの時のあの言葉に嘘偽りはありません。いつか…お互いその時が来たら。ね?」

穂乃果「海未ちゃん…海未ちゃーーーーん」

海未「わっ、ちょっ…服に鼻水がつくじゃないですか」

穂乃果「だってぇぇぇぇ。うぁぁぁぁぁん」

海未「もう」

にこ「にこのハンカチが…」

「呼称」

凛「でね、海未ちゃんのスイッチが入っちゃって大変だったんだよ。明日の早朝からアタックをかけましょーとか言って」

花陽「山登ったの?」

凛「なんとか止めたにゃ。次の日普通に学校だし」

真姫「海未ってたまに暴走するわよね」

凛「たまにじゃないよ。しょっちゅうだよ」

花陽「あはは」

凛「たまにはさ真姫ちゃんが海未ちゃんの相手をしてよ」

花陽「凛ちゃん…その言い方は…」

真姫「無理よ。登山なんて。海未だって分かってるから凛や希を誘うんじゃないの?」

凛「なんで?なんで凛は大丈夫なの?」

真姫「いつも元気だからじゃない?」

凛「それなら穂乃果ちゃんとかにこちゃんだって元気だよ」

にこ「穂乃果とにこちゃんの場合は元気だけど体育会系って感じじゃないし」

凛「凛だって体育会系じゃないにゃ!!いつの間に体育会系になったの?」

真姫「海未に付き合ってるからじゃない?」

花陽「確かにリリホワって体育会系のイメージがあるよね」

凛「そんなのってないにゃ~」

真姫「諦めなさい」

凛「ブー」

真姫「ブーブー言ったって仕方ないでしょ」

凛「そうだね。にゃあにゃあ言うよ」

真姫「そこは言うにゃじゃないのね」

花陽「今の真姫ちゃん可愛い」

真姫「え?いや…やめてよ」

凛「照れてるにゃ~」

真姫「うっさい」

凛「知ってる?真姫ちゃんの言葉遣いが悪くなる時はかなり照れてる時だよ?」

花陽「う、うん」

凛「照れてるついでに質問ね?さっきふと思ったんだけど…」

真姫「なによ?」

凛「なんでにこちゃんの事はちゃん付けで呼ぶの?」

真姫「は?何よ急に」

凛「海未ちゃんとか穂乃果ちゃんの事は呼び捨てしてるのににこちゃんの事はちゃん付けだから。ことりちゃんだった呼び捨てでしょ?」

真姫「そ、それはあれよ?にこちゃんは最上級生だし」

凛「絵里ちゃんと希ちゃんは?むしろあの二人の方が最上級生っぽいけど」

真姫「絵里と希は…絵里ちゃんとか呼びづらいでしょ?」

凛「そんな事ないよ?凛呼んでるもん」

真姫「そ、それは…」

凛「先輩禁止って皆んな一斉だったし。真姫ちゃんはなかなか出来なかったけど」

真姫「それは今はいいでしょ。別に特別な理由はないのよ!なんとなくにこちゃんはにこちゃんだったの」

凛「変えてみれば?」

真姫「今更?無理に決まってるじゃない。私がにこなんて呼んだら変じゃない」

凛「別に変ではないけど」

真姫「とにかく…私はこれかはもにこちゃんの事はにこちゃんって呼ぶから」

凛「一生?」

真姫「一生よ」

凛「どんな事があっても?」

真姫「それは…もう…。ケースバイケースで…ってなんでこんなくだらない事で悩まなきゃいけないのよ」

凛「そう言うものだよ、人間なんて」

花陽「凛ちゃんは何目線なんだろう…」

「寝不足」

凛「ラーメン美味しいにゃ~」

希「ラーメン好きやなぁ」

にこ「お待たせ…」

希「おっ!にこっち来たやん。えっ!!?」

にこ「何よ?」

希「にこっち…どうしたん?」

にこ「んあ?」

希「目の下クマのが凄いんやけど」

にこ「え?嘘?どんな感じ?」

凛「えっと…似合ってるよ?」

にこ「え?本当?良かった~…って何言ってんのよ!」

凛「あっ…違った?」

にこ「当たり前よ!わざとやってるでしょ」

希「でも珍しいなぁ。特に美容に拘ってるにこっちがクマを作るどころかそれに気づかないなんて。朝鏡見て来なかった訳でもないやろ?」

にこ「まあ…鏡はもちろん見てきたけど…」

希「それで気が付かないなんてよっぽど寝不足なんやろ?無理して来なくても良かったのに」

にこ「いや…だって約束は守らなきゃいけないと思って」

凛「遅くまで何してたの?」

にこ「最近売り出しのアイドルの特集が組まれてて。それが夜中にやってたから…つい…」

希「なるほどなぁ」

にこ「はあ…アイドル失格ね。クマなんか作って出歩いて」

希「もう帰って寝た方がええんやない?」

にこ「いや…今帰って寝てしまったら夜眠れなくなっちゃうし」

凛「明日学校だもんね」

にこ「でしょ?それだと困るじゃない?」

凛「確かに」

希「別に問題ないやろ?」

にこ「問題あるわよ」

希「どうせ授業中寝てるんやから。二人とも」

にこ「え?いや…それは…」

凛「学年違うのにどうして凛が寝てる事知ってるの?」

「敬語」

凛「何を食べようかなぁ。二人とも決めた?」

真姫「ごめん。まだ」

海未「私もまだです」

真姫「どうせ凛はラーメンにするんじゃないの?」

凛「うん。味噌にしようか醤油にしようか悩んでたの」

真姫「ラーメンは決定なのね」

海未「私は何にしようかなぁ」

凛「え?」

海未「え?何です?」

凛「今、海未ちゃん喋り方がいつもと違ったにゃ」

海未「そうですか?」

凛「うん。いつもみたいに敬語じゃなかったもん。何を食べようかなぁって」

海未「別にそれは…独り言ですし」

凛「でも珍しいよね?レアだよね?」

真姫「そうね。確かに海未が敬語以外で喋るのって新鮮よね」

海未「真姫まで…ですから今のは…」

凛「海未ちゃんもう一回!もう一回だけ喋ってよ」

海未「え?やです」

凛「え~なんで?」

海未「そういう風に言われると…なんだか恥ずかしいじゃないですか」

凛「そうかな?」

海未「そうです」

真姫「いいじゃない、海未。一回くらい」

海未「真姫までなんなのですか?」

凛「珍しく弄る側に回ってるから嬉しいだよ」

真姫「そんなんじゃないわよ!」



凛「ね~海未ちゃん。お願い!もう一回言ってみてよ」

海未「やです」

凛「お願い。ちょっとだけ」

海未「嫌ですってば」

凛「なんで~。凛もやるから~」

海未「別に結構です」

凛「一生のお願い~」

海未「いーや」

凛「あっ!今の!今のそれっぽかったにゃ」

海未「だったら満足したでしょう?」

凛「でも…聞く準備してなかったから…」

海未「何ですか?聞く準備って…」

凛「急に来るから」

海未「急にも何もないでしょう?全く…」

凛「お願い。もう一回」

海未「もうしません」

凛「な~ん~で。ずるいにゃ」

海未「意味が分かりません」

凛「海未ちゃ~ん」

海未「しつこい!やらないと言ったらやらない!!!」

凛「あっ…はい。ごめんなさい…」

真姫「今のもそうなんじゃない?」

「選択」

穂乃果「でさ~そういう時にガッとなるんだよ」

希「へ~そうなんや」

穂乃果「うん。ねえ、絵里ちゃん?」

絵里「なあに?」

穂乃果「もし絵里ちゃんが男の子だったらμ'sの中で誰を彼女にしたい?」

絵里「え?な、何?急に?」

希「穂乃果ちゃんと話してたんよ。自分が男の子だったら誰と付き合いたいかって」

絵里「人がドリンクバーに行っている間に…」

穂乃果「ねえ?絵里ちゃんなら誰を選ぶ?」

絵里「誰って…」

絵里(そんな事言われたって皆んなをそんな風に見た事はないし。いきなり聞かれても困るわよ。どうしよう。やっぱり、ここは希?穂乃果?ん~選ばなかった方が可哀想だし。かと言って他の子を選ぶのも…)

穂乃果「なんか急に黙っちゃったけど?」

希「真剣に悩んでるやん」

絵里(ん~…花陽やことりと結婚したら穏やかに過ごせそうだけど…ことりの場合理事長がお母さんか…ちょっと気まずいなぁ。海未や真姫は…私やっていけるかしら?後継とか大変そうだもんね。凛とにこ…ん~なんか…にこって所帯染みてそう。既に…ってやっぱり無理よ)

希「えりち、悩み過ぎやろ…。結構本気で考えてるん?」

穂乃果「え?って事割と本当にμ'sの中に…」

絵里「え?違う違う。そんな訳ないじゃない」

希「必死になって否定されると余計に怪しく感じるわ」

穂乃果「たしかに」

絵里「なんでそうなるのよ。μ'sのメンバーをそんな風に見た事ないから!」

希「本当かなぁ?」

絵里「本当だって。それにあれだし?私…男好きだし!」

穂乃果「それはそれで…」

希「テンパって変な言い訳の仕方してしまってるやん」

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