響「貴音がハズキルーペをお尻で踏み潰した」 (24)


貴音「………」

美希「………」

響「………」

貴音「お尻が痛いです」サスサス

美希「ちょっとお尻見せて……うん、特に血とかは出てないの」

貴音「それは良かった……お尻の下で潰れた時はもう(お尻が)駄目かと思いました」

美希「貴音のお尻が無事で良かったの!」

響「貴音のお尻は無事でも、このハズキルーペは見るも無残な姿になったけどな」グチャー


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貴音「おぅ……もはや残骸……」

美希「汚いから片付けたいくらいのボロクズなの……」

響「CMみたいにキャンって感じで耐えないんだなあ」

貴音「はい、残念です……」

美希「ん~…でも、ハズキルーペって100キロまで耐えるってHPに書いてるけど?」

貴音「誇大広告というものですね。許せません、消費者庁に通報しましょう」

響「貴音の尻の圧力が凄かっただけじゃない?」


貴音「ふふ、お尻の圧力とは……響は可笑しなことを言いますね」

響「まあ自分もおかしなことを言ってるとは思うけどさ」

貴音「そんな可笑しな事を言うのは、この響のお尻ですか?」ナデナデ

響「うん、どうでもいいけど自分のお尻を撫でるのは止めてくれない?くすぐったいぞ?」

貴音「私の体重は49きろ、座る際の勢いを加味しても100きろには到底届きませんよ?」モミモミモミ

響「いや、尻の圧力って重さのことじゃないって止めろ!自分のお尻を揉むな!!」

美希「あふぅ~CMの館さんダンディなの~」


貴音「ふぅ……響の臀部、とても素晴らしゅうございました」

響「うぅ……自分、汚れちゃった……」

美希「あ、2人とも終わった?」

貴音「ええ、十二分に堪能させてもらいました」

響「ちょっと大人の階段を登ったぞ」

美希「それじゃあ お昼食べに行くの!ミキお腹ペコペコなの」

貴音「いいですね、では今日はらぁめんを食べに行きましょうか」

響「今日はって、貴音は いっつもラーメンを食べてるじゃないか」

貴音「ふふ、そうでしたね」

美希「あはは貴音は本当にラーメン好きなの」

響「あはははは」

貴音「ふふふ」



律子「ねえ、ここにあったハズキルーペ知らないかしら?」


貴音「………」

美希「………」

響「………」

律子「ここに置いてあったと思うんだけど……」ウーン

貴音「………」

美希「………」

響「………」


律子「三人とも……知らない?」

美希「………」チラ

響「………」チラ

貴音「……………」


貴音「……………………」




貴音「………知りません」

美希「!?」

響「!?」


律子「そっか…また見つけたら教えてくれる?私これから外回りに出かけるから」

貴音「了解しました」

美希「………」

響「………」

律子「うん、それじゃあ行ってくるわ」タッタッタッ

貴音「いってらっしゃいませ」

美希「………」

響「………」

貴音「………」


美希「………」

響「………」

貴音「………」

美希「………」

響「………」

貴音「………」


美希「響、お昼食べに行くの!」

響「そうだな!できるだけ遠い場所に食べに行こうか!自分と美希の二人で!」

美希「うん!」

貴音「待ってください!!!」


美希「え~……」

響「うぇ~……」

貴音「そんなあからさまに嫌な顔をしないでください!この状況で私を見捨てるのですか!?」

美希「いや、まさか貴音が律子に対して誤魔化すとは思わなかったし……」

響「罪が余計に深まったなあ」

貴音「うぐっ!……と、咄嗟のこととはいえ保身に走り律子嬢を謀ったことは認めましょう……」

美希「うんうん」

響「その調子で罪も認めて律子に怒られて……」

貴音「なればこそ!私の為、律子嬢の為にも謀ったまま済ませるのが筋!道理というもの!」


美希「うんう……ん?」

響「ごめん何を言ってるのか わからないかな~って」

貴音「要するに、私は今回の嘘を貫き通すことに決めました。それが嘘をついてしまった者の宿命です」

美希「どうしよう響、貴音が宿命とか言いだしたの……」

響「内容は最低なんだけど、発言だけみると最高に格好良いから困るな」

貴音「ふふ、褒めないでください」

美希「褒めてねえの」


響「それで結局どうするんだ?ハズキルーペのことは知らない、で通すのか?」

美希「ミキ的にはそれはヒドイって思うな~」

貴音「そんなことはしません」

響「それじゃあ……」

貴音「美希……」

美希「ん?」

貴音「はずきるぅぺの値段を調べてください、こっそり買いなおします」

美希「ああ……うん」

響「まあそうだろうなあ」


美希「え~っとAmaz○nでは……約一万円ちょっとかな……」

響「意外と高い……いや、安いのか?」

貴音「なるほどなるほど……ん?」

美希「でもこれなら買えなくもないの」

貴音「………ふむ」

響「だな!まあ自分達からすれば少し高価ではあるけど……」

貴音「……美希、響……」

美希「ん?」

響「どうした?」

貴音「………………………お金を貸してください!」ドゲザ

美希・響「………oh」


貴音「三人合わせて三千七百六十五円ですか………足りませんね」チャリン

美希「響、アイドルなんだからもうちょっと財布に現金を入れておくの……
   財布の中身がこれだけって……恥ずかしいよ?」

響「なんだと!?自分は3千円以上持ってたんだぞ!?美希の財布の中なんて500円ちょっとじゃないか!」

美希「ミキは中学生だからそんなもんなの!響はミキよりも年上なんだからもっと持っておくの!」

響「こういう時だけ年上扱いして……というか、500円って………昼食自分にたかる気だったろ?」

美希「先輩が後輩にオゴるのは当然なの!」

響「やっぱり!というか事務所内での先輩後輩で言えば美希の方が自分より先輩だろ!?」

美希「それじゃあ後輩は先輩を うやまってオゴるべきなの!」

響「それじゃあってなんだ!それじゃあって!!」


貴音「お二人共、醜い言い争いは止めてください!」

美希「む!」

響「貴音……」

貴音「金銭の揉め事は人としてもっとも恥ずべき行為ですよ!」

美希「………」

響「………」

貴音「こんなお二人を見ることになって……私は悲しいです。」

美希「………」イラッ

響「………」イラッ

貴音「皆で手を取り合えれば必ずや解決策が見え」

美希「お金どころか財布も持ってきてない貴音に言われたくないの!」

響「よくそれでさっき、ラーメンを食べに行こう とか言えたな!!」


貴音「む、むう……」

美希「もう貴音なんて律子にすっごく怒られればいいの!」

響「そうだな!ハズキルーペをケツで潰したアイドルとして末代まで笑われればいいさ!」

貴音「お、怒られるのも笑われるのも勘弁です……仕方ありません、この手は使いたくなかったのですが……」

美希「はあ?なにか手があるの?」

貴音「はい、先ほど美希がはずきるぅぺの値段を調べている時に気付いたのですが」

響「何に気付いたんだ?」

貴音「はずきるぅぺによく似た商品が、非常に安く売っていることにです!!」

美希・響「それは気づいちゃダメー!」


貴音「お二人共見てください!これなんて二千円もしませんよ!」

美希「貴音!落ち着くのそれはハズキルーペじゃないの!」

響「姿形はよく似てても偽物だから中○製だから!買って一番後悔するヤツだから!」

貴音「最早後戻りは出来ません……即日配達で、よろしく、お願い、いたしまぁす!」ピッ

美希「あーーー!!」

響「あああーーー!!?」



その後


美希「………」

響「………」

貴音「これを机に置いてっと……」コト


ハズキルーペ?


貴音「………これで良し、ですね」

美希「良くねぇの!」

響「2千円以下の粗悪品を買って満足するな!」

貴音「美希、響」

美希「?」

響「?」

貴音「このことは、律子嬢には内緒ですよ」ニコ

美希・響「やかましいの(ぞ)!!」





おわり



おまけ


高木「おお、律子くん!」

律子「あ、社長……って、その目にかけてるのはハズキルーペですか?」

高木「そこの机に置いてあってね。いや~見つかってよかったよ。」

律子「え?そこの机に?」

高木「ああ、律子くんも探すのを手伝ってくれてありがとう」

律子「先程私が確認したときは無かったんですが……まあなんにせよ見つかってよかったですね」

高木「うむ。やはりいいなねえハズキルーペは!小さい文字もよく見えーる!」

律子「いま話題の商品ですからね」

高木「そうだ!律子くんも一つ買ったらどうだい?PCやら書類仕事やらで目も疲れるだろう?」


律子「あ、あはは……今のところは大丈夫ですよ。必要になったら考えます」

高木「ふむ、なんなら経費で購入しても構わないが?」

律子「いえいえいえ、そこまでしていただかなくても!」

高木「遠慮はいらないぞ?そこまで高いものでもないしね」

律子「え?そうなんですか?」

高木「うむ、このハズキルーペも2千円もかからなかったよ」

律子「…………え?2千円以下?」

高木「さすがメイドインジャパン!安くて高性能だ!」

律子「社長……それって……」

高木「はっはっは~!」




おまけ おわり

終わりです
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